(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】前払式決済サービスシステム、前払式決済処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/28 20120101AFI20231002BHJP
【FI】
G06Q20/28
(21)【出願番号】P 2020202258
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2019204783の分割
【原出願日】2019-11-12
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】519131691
【氏名又は名称】株式会社ペイルド
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】柳 志明
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160181(JP,A)
【文献】特開2003-132400(JP,A)
【文献】特開平11-170752(JP,A)
【文献】国際公開第2014/155664(WO,A1)
【文献】特開2016-076269(JP,A)
【文献】特開2002-298049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定する決定部と、
複数の前記支払ツールの各々の利用限度額を設定する処理部と
を備え、
前記処理部は、入力された限度額が前記前払い金の前記合計金額よりも高い金額である場合に、入力された前記限度額を前記利用限度額として設定し、
前記決定部は、前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新する、前払式決済サービスシステム。
【請求項2】
前記決定部は、前払式支払手段の前記入出金口座に対して前払い金が払い込まれたことによって、前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新する、請求項1に記載の前払式決済サービスシステム。
【請求項3】
前記決定部は、前払式支払手段の前記入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額と、前記処理部が設定した複数の前記支払ツールの各々の前記利用限度額とに基づいて、複数の前記支払ツールの各々の利用可能金額を決定する、請求項1又は請求項2に記載の前払式決済サービスシステム。
【請求項4】
前記決定部は、複数の前記支払ツールのいずれかが利用されることによって、前記前払い金の前記合計金額から引き落としが行われた場合に、利用された前記支払ツールの利用可能金額を更新する、請求項3に記載の前払式決済サービスシステム。
【請求項5】
前記決定部は、複数の前記支払ツールの各々の利用可能金額を、前記処理部が設定した複数の前記支払ツールの各々の利用限度額が、前払い金の前記合計金額より高い場合には、前払金の前記合計金額に決定し、複数の前記支払ツールの各々の利用限度額が、前払い金の前記合計金額以下の場合には、複数の前記支払ツールの各々の利用可能金額に決定する、請求項3又は請求項4に記載の前払式決済サービスシステム。
【請求項6】
前記処理部は、複数の前記支払ツールのうち、一の前記支払ツールの利用を制限する場合に、一の前記支払ツールの利用限度額を零に設定する、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の前払式決済サービスシステム。
【請求項7】
プロセッサを備える前払式決済サービスシステムによって実行される前払式決済処理方法であって、
前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定するステップと、
複数の前記支払ツールの各々の利用限度額を設定するステップと、
前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新するステップと
を有し、
入力された限度額が前記前払い金の前記合計金額よりも高い金額である場合に、入力された前記限度額を前記利用限度額として設定する、前払式決済処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定するステップと、
複数の前記支払ツールの各々の利用限度額を設定するステップと、
前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新するステップと
を実行させ、
入力された限度額が前記前払い金の前記合計金額よりも高い金額である場合に、入力された前記限度額を前記利用限度額として設定させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前払式決済サービスシステム、前払式決済処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリペイドカードなどの前払式支払手段が、広く利用されている。前払式支払手段には、クレジットカードの加盟店でクレジットカードと同様に使用可能なものもある。
クレジットカードの仕組みを利用する前払式支払手段に関して、カード会社が、プリペイドカードの残額を超える金額の売上請求を受けた場合に、立て替えた不足額に相当する資金をユーザーから回収する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この技術は、加盟店で利用可能な前払型支払手段の発行申請に関連付けて払い込まれた前払金額の範囲内で設定される当初の利用可能額を特定するためのデータを、該発行申請に対応する前払型支払手段のID情報に関連付けて記憶部に記憶させる設定部と、前払型支払手段に対応する利用可能額の残額の範囲内で保証金額を決定する決定部と、決定された保証金額が利用可能額の残額に含まれないように記憶部に記憶されるデータを変更させるとともに、いずれかの前払型支払手段に係る決済処理において売上情報に含まれる請求金額の少なくとも一部が事前に承認されていないことに起因する損失が発生した場合に該損失を填補するための原資となる保証金の蓄積金額を示すプール金額に該決定された保証金額が含まれるように該プール金額を変更させる変更部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した技術では、当初の利用可能額は、前払型支払手段の発行申請に関連付けて払い込まれた前払金額の範囲内で設定されるため、前払型支払手段の発行申請のときに、設定したい利用可能額に前払金額が満たない場合には、利用可能額を前払金額と同額に設定しなければならない。
利用可能額を増加させるには、前払金額を払い込んだ後に、新たな手続きが必要となる。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、前払式支払手段の利便性の向上を図ることができる前払式決済サービスシステム、前払式決済処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定する決定部と、複数の前記支払ツールの各々の利用限度額を設定する処理部とを備え、前記処理部は、入力された限度額が前記前払い金の前記合計金額よりも高い金額である場合に、入力された前記限度額を前記利用限度額として設定し、前記決定部は、前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新する、前払式決済サービスシステムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の前払式決済サービスシステムにおいて、前記決定部は、前払式支払手段の前記入出金口座に対して前払い金が払い込まれたことによって、前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新する、前払式決済サービスシステムである。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の前払式決済サービスシステムにおいて、前記決定部は、前払式支払手段の前記入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額と、前記処理部が設定した複数の前記支払ツールの各々の前記利用限度額とに基づいて、複数の前記支払ツールの各々の利用可能金額を決定する、前払式決済サービスシステムである。
(4)本発明の一態様は、上記(3)に記載の前払式決済サービスシステムにおいて、前記決定部は、複数の前記支払ツールのいずれかが利用されることによって、前記前払い金の前記合計金額から引き落としが行われた場合に、利用された前記支払ツールの利用可能金額を更新する、前払式決済サービスシステムである。
(5)本発明の一態様は、上記(3)又は上記(4)に記載の前払式決済サービスシステムにおいて、前記決定部は、複数の前記支払ツールの各々の利用可能金額を、前記処理部が設定した複数の前記支払ツールの各々の利用限度額が、前払い金の前記合計金額より高い場合には、前払金の前記合計金額に決定し、複数の前記支払ツールの各々の利用限度額が、前払い金の前記合計金額以下の場合には、複数の前記支払ツールの各々の利用可能金額に決定する、前払式決済サービスシステムである。
(6)本発明の一態様は、上記(3)から(5)のいずれか一項に記載の前払式決済サービスシステムにおいて、前記処理部は、複数の前記支払ツールのうち、一の前記支払ツールの利用を制限する場合に、一の前記支払ツールの利用限度額を零に設定する、前払式決済サービスシステムである。
(7)本発明の一態様は、プロセッサを備える前払式決済サービスシステムによって実行される前払式決済処理方法であって、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定するステップと、複数の前記支払ツールの各々の利用限度額を設定するステップと、前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新するステップとを有し、入力された限度額が前記前払い金の前記合計金額よりも高い金額である場合に、入力された前記限度額を前記利用限度額として設定する、前払式決済処理方法である。
(8)本発明の一態様は、コンピュータに、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定するステップと、複数の前記支払ツールの各々の利用限度額を設定するステップと、前記前払い金の合計金額が変更された場合に、変更された後の合計金額に基づいて、複数の前記支払ツールの各々の前記利用可能金額を更新するステップとを実行させ、入力された限度額が前記前払い金の前記合計金額よりも高い金額である場合に、入力された前記限度額を前記利用限度額として設定させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前払式支払手段の利便性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る前払式決済サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの概要を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例1を示すシーケンスチャートである。
【
図6】本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例2を示すシーケンスチャートである。
【
図7】本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例3を示すシーケンスチャートである。
【
図8】本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例4を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態の前払式決済サービスシステム、前払式決済処理方法、及びプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0010】
(実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る前払式決済サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
図1において、前払式決済サービスシステム1は、管理装置30と、決済処理装置40とを備える。端末装置10と、金融機関15と、店舗端末20と、管理装置30と、決済処理装置40とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。通信ネットワークNWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。
端末装置10は、管理者Mが使用する端末である。管理者Mの一例は、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼する者である。端末装置10として、例えば、据置き型のコンピュータ装置が利用されてもよく、又は、スマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯型のコンピュータ装置が利用されてもよい。
【0011】
管理装置30と、決済処理装置40とは、管理者Mが行った前払式支払手段の入出金口座(以下「ウォレット」という)の作成の依頼に応じて、ウォレットを作成する。
管理装置30と、決済処理装置40とは、管理者Mが行った支払ツールの発行の依頼に応じて、ウォレットに関連付け(紐付け)られる。複数の支払ツールを発行する。支払ツールの一例は、プリペイドカード、クレジットカード、バーチャルカードである。例えば、クレジットカードである場合には、クレジットカードが有する後払式支払手段の機能に、支払ツールの機能が付加されたものであってもよい。本実施形態では、一例として、クレジットカードに、支払ツールの機能が付加される場合について説明を続ける。以下、支払ツールの機能が付加されたクレジットカードを総称して、カードと呼ぶ場合もある。
決済処理装置40は、複数の支払ツールの各々の利用限度額を設定する。また、決済処理装置40は、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた(入金された)前払い金の合計金額と、複数の支払ツールの各々の利用限度額とに基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定する。
【0012】
管理者Mは、端末装置10を操作することによって、ウォレットの作成の依頼を、前払式決済サービスシステムに対して行う。管理者Mは、ユーザー識別子(ユーザーID)と、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを、端末装置10に入力する。ここで、ユーザーIDは、管理者Mの電子メールアドレスなどの管理者Mを一意に識別できる情報である。
端末装置10は、ユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。端末装置10は、取得したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを含み、管理装置30を宛先とするウォレット作成依頼メッセージを作成する。端末装置10は、作成したウォレット作成依頼メッセージを、管理装置30へ送信する。
管理装置30は、端末装置10が送信したウォレット作成依頼メッセージを受信する。管理装置30は、受信したウォレット作成依頼メッセージに含まれるユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。管理装置30は、取得したウォレットの作成を依頼することを示す情報に基づいて、ウォレットを作成(開設)する。管理装置30は、作成したウォレットのウォレットIDと、ユーザーIDとを関連付けて記憶する。ここで、ウォレットIDとは、複数のカードIDの各々で使用可能な前払式支払手段の入出金口座を識別するための情報である。
管理装置30は、作成したウォレットのウォレットIDを含み、決済処理装置40を宛先とするウォレット登録要求メッセージを作成する。管理装置30は、作成したウォレット登録要求メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0013】
決済処理装置40は、ユーザー情報DBを記憶する。ユーザー情報DBは、複数のコンフィデンシャルIDと、複数のカードIDと、複数の利用限度額と、複数の利用可否と、複数のウォレットIDと、複数の利用可能金額とを、それぞれ関連付けたユーザー情報を一又は複数記憶する。
決済処理装置40は、管理装置30が送信したウォレット登録要求メッセージを受信する。決済処理装置40は、受信したウォレット登録要求メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。決済処理装置40は、取得したウォレットIDを含むユーザー情報を作成する。処理部43は、作成したユーザー情報を、ユーザー情報DB49aに含める。 決済処理装置40は、ウォレットIDを含み、管理装置30を宛先とするウォレット登録応答メッセージを作成する。決済処理装置40は、作成したウォレット登録応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
【0014】
管理装置30は、決済処理装置40が送信したウォレット登録応答メッセージを受信する。管理装置30は、受信したウォレット登録応答メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。管理装置30は、取得したウォレットIDを含み、端末装置10を宛先とするウォレット作成応答メッセージを作成する。管理装置30は、作成したウォレット作成応答メッセージを、端末装置10へ送信する。
【0015】
端末装置10は、管理装置30が送信したウォレット作成応答メッセージを受信する。端末装置10は、受信したウォレット作成応答メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。端末装置10は、取得したウォレットIDを表示する。
管理者Mは、端末装置10を操作することによって、支払ツールの発行の依頼を、前払式決済サービスシステムに対して行う。管理者Mは、ウォレットIDと、カードの発行枚数と、カード毎の利用限度額と、カード毎の利用可否とを、端末装置10に入力する。 ここで、カードの発行枚数は、管理者Mが開設したウォレットに関連付けて(紐付けて)発行するカードの数である。カード毎の利用限度額は、所定の期間内に、カードで支払うことが可能な金額である。ここで、所定の期間は、日毎、週毎、月毎、四半期毎、半期毎、年毎、半年毎などの任意の期間に指定できる。利用限度額を零にすることによって、カードの利用を一時的に制限できる。カード毎の利用可否は、カード毎に利用を可能とするか否かを示す情報である。
端末装置10は、ウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。端末装置10は、取得したウォレットID、カードの発行枚数を示す情報、カード毎の利用限度額を示す情報、及びカード毎の利用可否を示す情報を含み、管理装置30を宛先とする支払ツール発行依頼メッセージを作成する。端末装置10は、作成した支払ツール発行依頼メッセージを、管理装置30へ送信する。
【0016】
管理装置30は、カード発行会社へ、カード番号の発行を依頼する。管理装置30は、カード発行会社が発行したカード番号を複数取得し、取得した複数のカード番号の各々を、カードDBに登録する。カードDBは、カード番号と、管理装置30及び決済処理装置40で使用される秘密ID(以下「コンフィデンシャルID」という)と、有効期限とを関連付けて記憶する。
管理装置30は、端末装置10が送信した支払ツール発行依頼メッセージを受信する。管理装置30は、受信した支払ツール発行依頼メッセージに含まれるウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。管理装置30は、取得したカードの発行枚数を示す情報に基づいて、複数の支払ツールの各々を設定する。
【0017】
管理装置30は、カードDBに登録されているカード番号から、複数のカード番号を、それぞれ複数の支払ツールに割り当て、関連付ける。
管理装置30は、ウォレットIDと、複数の支払ツールにそれぞれ割り当てた複数のカード番号の各々に関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする支払ツール登録要求メッセージを作成する。管理装置30は、作成した支払ツール登録要求メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0018】
決済処理装置40は、管理装置30が送信した支払ツール登録要求メッセージを受信する。決済処理装置40は、受信した支払ツール登録要求メッセージに含まれるウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。決済処理装置40は、複数のコンフィデンシャルIDと同数のカードIDを作成し、作成した複数のカードIDの各々を、複数のコンフィデンシャルIDの各々に関連付ける。ここで、カードIDは、複数のカードから、ある特定のカードを一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。
決済処理装置40は、ユーザー情報DBに、複数のコンフィデンシャルIDと、複数のカードIDと、複数の利用限度額を示す情報と、複数の利用可否を示す情報と、ウォレットIDとを、それぞれ関連付けて記憶する。
決済処理装置40は、コンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた情報を複数含み、管理装置30を宛先とする支払ツール登録応答メッセージを作成する。決済処理装置40は、作成した支払ツール登録応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
【0019】
管理装置30は、決済処理装置40が送信した支払ツール登録応答メッセージを受信する。管理装置30は、受信した支払ツール登録応答メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報を取得する。管理装置30は、取得したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報に基づいて、複数のコンフィデンシャルIDの各々に関連付けて記憶されているカード番号を、カードDBから、複数取得する。管理装置30は、カード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報を含み、端末装置10を宛先とする支払ツール発行応答メッセージを作成する。管理装置30は、作成した支払ツール発行応答メッセージを、端末装置10へ送信する。
【0020】
端末装置10は、管理装置30が送信した支払ツール発行応答メッセージを受信する。端末装置10は、受信した支払ツール発行応答メッセージに含まれるカード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報を取得する。端末装置10は、取得した情報を表示する。管理者Mは、カード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報を参照して、カード番号が付されたカード5を、該当する複数の使用者(使者)(以下「使用者U」という)へ発行する。
【0021】
管理者Mは、端末装置10を使用して、ウォレットIDと、入金金額とを指定することによって、ウォレットIDに該当するウォレットへ入金する操作を行う。端末装置10は、管理者Mの操作に基づいて、ウォレットIDを示す情報と、入金金額を示す情報とを含み、金融機関15を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを作成する。端末装置10は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを、金融機関15へ送信する。
【0022】
金融機関15は、端末装置10が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを受信する。金融機関15は、前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージに含まれるウォレットIDと、入金金額を示す情報とに基づいて、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金金額に該当する金額を入金する処理を行う。金融機関15は、ウォレットIDと、入金金額を示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを作成する。金融機関15は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0023】
決済処理装置40は、金融機関15が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを受信する。決済処理装置40は、受信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージに含まれるウォレットIDと、入金金額を示す情報とに基づいて、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されていることを確認する。
決済処理装置40は、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金金額に該当する金額が入金されていることを確認した後に、そのウォレットIDに関連付けられている複数のカードIDの各々に関連付けられている利用可能金額を決定し、決定した利用可能金額を記憶する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの概要を示す図である。
図2には、金融機関15と、金融機関から入金されるウォレットWと、ウォレットWのウォレットIDに関連付けられている支払ツールPT-1、支払ツールPT-2、・・・、支払ツールPT-N(Nは、N>1の整数)とが示されている。
ウォレットWは、前払式支払手段の入出金口座であり、残高を有する。支払ツールPT-1、支払ツールPT-2、・・・、支払ツールPT-Nに対して、一つのウォレットWが関連付けられる。
支払ツールPT-1、支払ツールPT-2、・・・、支払ツールPT-Nの各々は、ウォレットWのウォレットアカウント(ウォレットID)に関連付け(紐付け)されている。支払ツールPT-1、支払ツールPT-2、・・・、支払ツールPT-Nの各々は、残高を有しない。
端末装置10が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージに含まれるウォレットIDと、入金金額を示す情報とに基づいて、金融機関15から、ウォレットIDに該当するウォレットWに、入金金額に該当する金額が入金される。決済処理装置40は、ウォレットIDに該当するウォレットWに、入金金額に該当する金額が入金されていることを確認した後に、ウォレットIDに関連付けられている支払ツールPT-1、支払いツールPT-2、・・・、支払ツールPT-Nの利用可能金額を決定し、決定した利用可能金額を記憶する。支払ツールPT-2、・・・、支払ツールPT-Nの各々には、利用限度額が設定されるが、利用可能金額は、ウォレットWの残高以下に設定される。換言すれば、ウォレットWの残高よりも高い金額に、支払ツールPT-2、・・・、支払ツールPT-Nの各々の利用限度額を設定できる。その結果、ウォレットWの残高を超えた金額の決済はできないことになる。
図1に戻り説明を続ける。
決済処理装置40は、ウォレットに入金したことを示す情報を含み、端末装置10を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを作成する。決済処理装置40は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを、端末装置10へ送信する。
端末装置10は、決済処理装置40が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを受信する。端末装置10は、受信した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージに含まれるウォレットに入金したことを示す情報を取得する。端末装置10は、取得したウォレットに入金したことを示す情報を表示することによって、管理者Mに入金が行われたことを通知する。
【0025】
カード5の発行を受けた一の使用者Uは、買い物をした場合に、カード5を提示する。ここでは、一例として、使用者Uが、店舗で買い物をした場合について説明を続ける。例えば、買い物の対象である商品には、情報コードが付与されている。商品は、経済活動において生産、流通、交換される物財のことである。情報コードは、商品を識別する情報である商品識別情報を、数値、文字などの情報で表したものである。情報コードの一例は、数字、文字、記号などの情報を一定の規則にしたがい一次元のコードに変換したものであるバーコード、ドットを縦横に配列し多くの情報を表した二次元コード、QRコード(登録商標)などが含まれる。
店舗端末20は、商品に付された情報コードを、撮像装置で撮像する。店舗端末20は、撮像装置が撮像した画像に基づいて、その商品の価格を示す情報を取得する。また、店舗端末20は、使用者Uが提示したカード5に表されているカード番号を、ICカードリーダーなどの読取機器で取得する。
店舗端末20は、取得したカード番号と、商品の価格Pを示す情報とを含み、管理装置30を宛先とする引き落とし要求メッセージを作成する。店舗端末20は、作成した引き落とし要求メッセージを、管理装置30へ送信する。
管理装置30は、店舗端末20が送信した引き落とし要求メッセージを受信する。管理装置30は、受信した引き落とし要求メッセージに含まれるカード番号と、価格Pを示す情報とを取得する。管理装置30は、取得したカード番号に関連付けて記憶されている有効期限を、カードDBから取得する。管理装置30は、取得した有効期限に基づいて、カード5が有効期限内であることを確認する。管理装置30は、カード5が有効期限内であることを確認した後に、取得したカード番号に関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDを取得する。管理装置30は、取得したコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする決済要求メッセージを作成する。管理装置30は、作成した決済要求メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0026】
決済処理装置40は、管理装置30が送信した決済要求メッセージを受信する。決済処理装置40は、受信した決済要求メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。決済処理装置40は、取得したコンフィデンシャルIDに関連付けて記憶されている利用限度額を示す情報と、利用可否を示す情報と、利用可能金額を示す情報とを、ユーザー情報DBから取得する。
決済処理装置40は、取得した利用可否を示す情報に基づいて、利用可能であるか否かを判定する。決済処理装置40は、利用可能であると判定した場合に、取得した価格Pを示す情報と、利用可能金額を示す情報に基づいて、価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定する。決済処理装置40は、価格Pが利用可能金額以下であると判定した場合に、決済処理を行う。
決済処理装置40は、コンフィデンシャルIDと、決済結果を示す情報とを含み、管理装置30を宛先とする決済応答メッセージを作成する。決済結果は、決済が完了したこと、決済が完了しない場合には、その理由が付されてもよい。決済処理装置40は、作成した決済応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
【0027】
管理装置30は、決済処理装置40が送信した決済応答メッセージを受信する。管理装置30は、受信した決済応答メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDを取得し、取得したコンフィデンシャルIDに関連付けて記憶されているカード番号を、カードDBから取得する。管理装置30は、取得したカード番号と、決済結果とを含み、店舗端末20を宛先とする引き落とし応答メッセージを作成する。管理装置30は、作成した引き落とし応答メッセージを、店舗端末20へ送信する。
【0028】
店舗端末20は、管理装置30が送信した引き落とし応答メッセージを受信する。店舗端末20は、受信した引き落とし応答メッセージに含まれるカード番号と、決済結果とを取得する。店舗端末20は、取得したカード番号と、決済結果とを表示することによって、使用者Uに、カード番号に関して、決済結果を通知する。
以下、前払式決済サービスシステムに含まれる管理装置30と、決済処理装置40と、端末装置10との詳細について、順次説明する。
【0029】
[管理装置30]
管理装置30は、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。管理装置30は、例えば、通信部31と、受付部32と、設定部35と、変換部36と、判定部37と、作成部38と、記憶部39とを備える。
通信部31は、通信モジュールによって実現される。具体的には、通信部31は、有線通信を行うデバイスによって構成される。また、通信部31は、LTE、無線LAN等の無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスによって構成されてもよい。通信部31は、通信ネットワークNWを介して、端末装置10と、店舗端末20と、決済処理装置40との間で通信する。
具体的には、通信部31は、端末装置10が送信したウォレット作成依頼メッセージを受信し、作成部38が出力したウォレット作成応答メッセージを、端末装置10へ送信する。通信部31は、作成部38が出力したウォレット登録応答メッセージを、決済処理装置40へ送信し、決済処理装置40が送信したウォレット登録応答メッセージを受信する。通信部31は、端末装置10が送信した支払ツール発行依頼メッセージを受信し、作成部38が出力した支払ツール発行応答メッセージを、端末装置10へ送信する。通信部31は、作成部38が出力した支払ツール登録要求メッセージを、決済処理装置40へ送信し、決済処理装置40が送信した支払ツール登録応答メッセージを受信する。通信部31は、店舗端末20が送信した引き落とし要求メッセージを受信し、作成部38が出力した引き落とし応答メッセージを、店舗端末20へ送信する。通信部31は、作成部38が出力した決済要求メッセージを、決済処理装置40へ送信し、決済処理装置40が送信した決済応答メッセージを受信する。
【0030】
記憶部39は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部39は、カードDB39aが記憶される。カードDB39aがクラウド上に記憶されていてもよい。
図3は、カードDBの一例を示す図である。カードDB39aは、カード番号と、コンフィデンシャルIDと、有効期限とを関連付けたテーブル形式の情報である。
図3に示される例では、カードID39aには、カード番号「カード番号#1」とコンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#1」と有効期限「2020/04」とが関連付けられ、カード番号「カード番号#2」とコンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#2」と有効期限「2021/05」とが関連付けられ、カード番号「カード番号#3」とコンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#3」と有効期限「2022/03」とが関連付けられて記憶されている。これらの情報は、管理装置30が、カード発行会社が発行したカード番号を複数取得した際に登録される。
図1に戻り、説明を続ける。
【0031】
受付部32、設定部35、変換部36、判定部37、および作成部38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部39に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0032】
受付部32、設定部35、変換部36、判定部37、および作成部38について、管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理と、管理者Mが、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理と、使用者Uが、店舗で買い物をした際の処理とに分けて説明する。
管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理について説明する。
通信部31は、端末装置10が送信したウォレット作成依頼メッセージを受信する。通信部31は、受信したウォレット作成依頼メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力したウォレット作成依頼メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けたウォレット作成依頼メッセージに含まれるユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。受付部32は、取得したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを、設定部35へ出力する。
【0033】
設定部35は、受付部32が出力したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。設定部35は、取得したウォレットの作成を依頼することを示す情報に基づいて、ウォレットを作成(開設)する。設定部35は、作成したウォレットのウォレットIDと、ユーザーIDとを関連付けて、記憶部39に記憶する。
作成部38は、ウォレットIDを含み、決済処理装置40を宛先とするウォレット登録要求メッセージを作成する。作成部38は、作成したウォレット登録要求メッセージを、通信部31へ出力する。
【0034】
通信部31は、ウォレット登録要求メッセージに対して、決済処理装置40が送信したウォレット登録応答メッセージを受信する。通信部31は、受信したウォレット登録要求メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力したウォレット登録要求メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けたウォレット登録要求メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。受付部32は、取得したウォレットIDを、作成部38へ出力する。
作成部38は、受付部32が出力したウォレットIDを取得する。作成部38は、取得したウォレットIDに基づいて、そのウォレットIDに関連付けて記憶されているユーザーIDを、記憶部39から、取得する。作成部38は、ユーザーIDと、ウォレットIDとを含み、端末装置10を宛先とするウォレット作成応答メッセージを作成する。作成部38は、作成したウォレット作成応答メッセージを、通信部31へ出力する。
【0035】
管理者Mが、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理について説明する。
通信部31は、端末装置10が送信した支払ツール発行依頼メッセージを受信する。通信部31は、受信した支払ツール発行依頼メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力した支払ツール発行依頼メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けた支払ツール発行依頼メッセージに含まれるウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。受付部32は、取得したウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを、設定部35へ出力する。
【0036】
設定部35は、受付部32が出力したウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。設定部35は、取得したカードの発行枚数を示す情報に基づいて、複数の支払ツールを発行する。設定部35は、カードDB39aに記憶されている複数のカード番号を、発行した複数の支払ツールの各々に割り当てることによって、設定する。
作成部38は、ウォレットIDと、複数の支払ツールの各々に割り当てたカード番号に関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする支払ツール登録要求メッセージを作成する。作成部38は、作成した支払ツール登録要求メッセージを、通信部31へ出力する。
【0037】
通信部31は、支払ツール登録要求メッセージに対して、決済処理装置40が送信した支払ツール登録応答メッセージを受信する。通信部31は、受信した支払ツール登録応答メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力した支払ツール登録応答メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けた支払ツール登録応答メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報とを取得する。受付部32は、取得したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報とを、作成部38へ出力する。
作成部38は、受付部32が出力したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報とを取得する。作成部38は、取得したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報に基づいて、複数のコンフィデンシャルIDの各々に関連付けて記憶されているカード番号を、カードDB39aから、複数取得する。作成部38は、カード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報とを含み、端末装置10を宛先とする支払ツール発行応答メッセージを作成する。作成部38は、作成した支払ツール発行応答メッセージを、通信部31へ出力する。
【0038】
使用者Uが、店舗で買い物をした際の処理について説明する。
通信部31は、店舗端末20が送信した引き落とし要求メッセージを受信する。通信部31は、受信した引き落とし要求メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力した引き落とし要求メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けた引き落とし要求メッセージに含まれるカード番号と、価格Pを示す情報とを取得する。受付部32は、取得したカード番号と、価格Pを示す情報とを、判定部37へ出力する。
【0039】
判定部37は、受付部32が出力したカード番号と、価格Pを示す情報とを取得する。判定部37は、取得したカード番号に関連付けて記憶されている有効期限を、カードDB39aから取得する。判定部37は、取得した有効期限に基づいて、カード5が有効期限内であるか否かを判定する。判定部37は、カード5が有効期限内であると判定した場合に、カード番号を、変換部36へ出力する。
変換部36は、判定部37が出力したカード番号を取得する。変換部36は、取得したカード番号に関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDを取得し、カード番号を、取得したコンフィデンシャルIDに変換する。変換部36は、変換することによって得られるコンフィデンシャルIDを、判定部37へ出力する。
判定部37は、変換部36が出力したコンフィデンシャルIDを取得する。判定部37は、コンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを、作成部38へ出力する。
作成部38は、判定部37が出力したコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。作成部38は、コンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする決済要求メッセージを作成する。作成部38は、作成した決済要求メッセージを、通信部31へ出力する。
【0040】
判定部37は、カード5が有効期限内でないと判定した場合に、カード番号と、カード5が有効期限内であるか否かの判定結果(カード5が有効期限内でないことを示す情報)とを、作成部38へ出力する。
作成部38は、判定部37が出力したカード番号と、カード5が有効期限内であるか否かの判定結果とを取得する。作成部38は、取得したカード番号と、カード5が有効期限内であるか否かの判定結果とを含み、端末装置10を宛先とする引き落とし応答メッセージを作成する。作成部38は、作成した引き落とし応答メッセージを、通信部31へ出力する。
【0041】
通信部31は、決済要求メッセージに対して、決済処理装置40が送信した決済応答メッセージを受信する。通信部31は、受信した決済応答メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力した決済応答メッセージを取得する。受付部32は、取得した決済応答メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDと、決済結果を示す情報とを取得する。受付部32は、取得したコンフィデンシャルIDと、決済結果を示す情報とを、作成部38へ出力する。
作成部38は、受付部32が出力したコンフィデンシャルIDと、決済結果を示す情報とを取得する。作成部38は、取得したコンフィデンシャルIDに関連付けて記憶されているカード番号を、カードDB39aから取得する。管理装置30は、取得したカード番号と、決済結果を示す情報とを含み、店舗端末20を宛先とする引き落とし応答メッセージを作成する。作成部38は、作成した引き落とし応答メッセージを、通信部31へ出力する。
【0042】
[決済処理装置40]
決済処理装置40は、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。決済処理装置40は、例えば、通信部41と、受付部42と、処理部43と、決定部44と、決済部45と、判定部47と、作成部48と、記憶部49とを備える。
通信部41は、通信モジュールによって実現される。具体的には、通信部41は、有線通信を行うデバイスによって構成される。また、通信部41は、LTE、無線LAN等の無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスによって構成されてもよい。通信部41は、通信ネットワークNWを介して、端末装置10と、金融機関15と、管理装置30との間で通信する。具体的には、通信部41は、管理装置30が送信したウォレット登録要求メッセージを受信し、作成部48が出力したウォレット登録応答メッセージを、管理装置30へ送信する。通信部41は、管理装置30が送信した支払ツール登録要求メッセージを受信し、作成部48が出力した支払ツール登録応答メッセージを、管理装置30へ送信する。通信部41は、金融機関15が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを受信し、作成部48が出力した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを、端末装置10へ送信する。通信部41は、管理装置30が送信した決済要求メッセージを受信し、作成部48が出力した決済応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
【0043】
記憶部49は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部49は、ユーザー情報DB49aが記憶される。ユーザー情報DB49aがクラウド上に記憶されていてもよい。
図4は、ユーザー情報DBの一例を示す図である。ユーザー情報DB49aは、コンフィデンシャルIDと、カードIDと、利用限度額と、利用可否と、ウォレットIDと、利用可能金額とを関連付けたテーブル形式のユーザー情報を複数有する情報である。
図4に示される例では、ユーザー情報DB49aには、コンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#1」とカードID「カードID#1」と利用限度額「*****」と利用可否「可」とウォレットID「ウォレットID#1」と利用可能金額「利用可能金額#1」とが関連付けられて記憶されている。
さらに、
図4に示される例では、ユーザー情報DB49aには、コンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#2」とカードID「カードID#2」と利用限度額「*****」と利用可否「不可」とウォレットID「ウォレットID#2」と利用可能金額「利用可能金額#2」とが関連付けられて記憶されている。さらに、
図4に示される例では、ユーザー情報DB49aには、コンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#3」とカードID「カードID#3」と利用限度額「*****」と利用可否「可」とウォレットID「ウォレットID#3」と利用可能金額「利用可能金額#3」とが関連付けられて記憶されている。
つまり、
図4に示されるユーザー情報DB49aの一例には、コンフィデンシャルID「コンフィデンシャルID#1」、「コンフィデンシャルID#2」、及び「コンフィデンシャルID#3」については、ウォレットID「ウォレットID#1」に該当するウォレットが共通して使用されることが示されている。
図1に戻り説明を続ける。
【0044】
受付部42、処理部43、決定部44、決済部45、判定部47、および作成部48は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部49に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0045】
受付部42、処理部43、決定部44、決済部45、判定部47、および作成部48について、管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理と、管理者Mが、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理と、管理者Mが、前払式支払手段の入出金口座へ入金を依頼した際の処理と、使用者Uが、店舗で買い物をした際の処理とに分けて説明する。
管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理について説明する。
通信部41は、管理装置30が送信したウォレット登録要求メッセージを受信する。通信部41は、受信したウォレット登録要求メッセージを、受付部42へ出力する。
受付部42は、通信部41が出力したウォレット登録要求メッセージを受け付ける。受付部42は、受け付けたウォレット登録要求メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。受付部42は、取得したウォレットIDを処理部43へ出力する。
【0046】
処理部43は、受付部42が出力したウォレットIDを取得する。処理部43は、取得したウォレットIDを含むユーザー情報を作成する。処理部43は、作成したユーザー情報を、ユーザー情報DB49aに含める。
作成部48は、ウォレットIDを含み、管理装置30を宛先とするウォレット登録応答メッセージを作成する。作成部48は、作成したウォレット登録応答メッセージを、通信部41へ出力する。
【0047】
管理者Mが、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理について説明する。
通信部41は、管理装置30が送信した支払ツール登録要求メッセージを受信する。通信部41は、受信した支払ツール登録要求メッセージを、受付部42へ出力する。
受付部42は、通信部41が出力した支払ツール登録要求メッセージを受け付ける。受付部42は、受け付けた支払ツール登録要求メッセージに含まれるウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。受付部42は、取得したウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを処理部43へ出力する。
【0048】
処理部43は、受付部42が出力したウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。処理部43は、取得した複数のコンフィデンシャルIDの各々に関連付けるカードIDを複数作成する。
処理部43は、ユーザー情報DB49aから、取得したウォレットIDを含むユーザー情報を取得する。処理部43は、取得したユーザー情報に、複数のコンフィデンシャルIDの各々と、作成したカードIDと、利用限度額を示す情報と、利用可否を示す情報とを関連付けて記憶する。
作成部48は、コンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報とを含み、管理装置30を宛先とする支払ツール登録応答メッセージを作成する。作成部48は、作成した支払ツール登録応答メッセージを、通信部41へ出力する。
【0049】
管理者Mが、前払式支払手段の入出金口座へ入金を依頼した際の処理について説明する。
通信部41は、金融機関15が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを受信する。通信部41は、受信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを、受付部42へ出力する。
受付部42は、通信部41が出力した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを取得する。受付部42は、取得した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージに含まれるウォレットIDと、入金金額を示す情報とを取得する。受付部42は、取得したウォレットIDと、入金金額を示す情報とを、判定部47へ出力する。
【0050】
判定部47は、受付部42が出力したウォレットIDと、入金金額を示す情報とを取得する。判定部47は、取得したウォレットIDと、入金金額を示す情報とに基づいて、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かを判定する。ここで、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額の合計金額は、ウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額の合計よりも高い金額であってもよい。
判定部47は、ウォレットIDと、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かの判定結果を、決定部44と、作成部48とへ出力する。
決定部44は、判定部47が出力したウォレットIDと、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かの判定結果とを取得する。決定部44は、取得した判定結果が、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されていることを示す場合に、ユーザー情報DB49aにおいて、取得したウォレットIDについて、複数のカードIDの各々の利用可能金額を決定する。
具体的には、決定部44は、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額よりも高い場合には、利用可能金額として、ウォレットに入金されている金額を決定し、記憶する。決定部44は、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額以下の場合には、利用可能金額として、利用限度額を決定し、記憶する。
作成部48は、判定部47が出力した入金金額が入金されているか否かの判定結果を取得する。作成部48は、取得した判定結果を含み、端末装置10を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを作成する。作成部48は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを、通信部41へ出力する。
【0051】
使用者Uが、店舗で買い物をした際の処理について説明する。
通信部41は、管理装置30が送信した決済要求メッセージを受信する。通信部41は、受信した決済要求メッセージを、受付部42へ出力する。
受付部42は、通信部41が出力した決済要求メッセージを取得する。受付部42は、取得した決済要求メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。受付部42は、取得したコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを、判定部47へ出力する。
処理部43は、ユーザー情報DB49aにおいて、利用限度額に対して指定されている任意の期間に基づいて、利用限度額を更新する。処理部43は、利用限度額を更新する場合に、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額と、ウォレットIDとに基づいて、利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額よりも高い場合には、利用可能金額にそのウォレットに入金されている金額を設定することによって更新する。処理部43は、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額と、ウォレットIDとに基づいて、利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額以下の場合には、利用可能金額に利用限度額を設定することによって更新する。
判定部47は、受付部42が出力したコンフィデンシャルID、及び価格Pを示す情報を取得する。判定部47は、取得したコンフィデンシャルIDに関連付けて記憶されている利用限度額を示す情報と、利用可否を示す情報と、利用可能金額を示す情報とを、ユーザー情報DB49aから取得する。判定部47は、取得した利用可否を示す情報が利用可能に設定されているか否かを判定する。判定部47は、利用可否を示す情報が、利用不可に設定されている場合に、決済できないと判定する。判定部47は、決済できないと判定した場合に、カードIDと決済結果(決済できないことを示す情報)とを、作成部48へ出力する。以下、判定部47が、利用可否を示す情報が、利用可能に設定されている場合について説明を続ける。
判定部47は、取得した価格Pを示す情報と、利用可能金額を示す情報とに基づいて、価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定する。判定部47は、価格Pが利用可能金額以下であると判定した場合に、カードIDと価格Pを示す情報とを含む決済要求を作成する。判定部47は、作成した決済要求を、決済部45へ出力する。判定部47は、価格Pが利用可能金額より高いと判定した場合に、決済できないと判定する。判定部47は、決済できないと判定した場合に、カードIDと決済結果(決済できないことを示す情報)とを、作成部48へ出力する。
【0052】
決済部45は、判定部47が出力した決済要求を取得する。決済部45は、取得した決済要求に含まれるカードIDと価格Pを示す情報とを取得する。決済部45は、取得したカードIDと価格Pを示す情報とに基づいて、決済処理を行う。決済部45は、ユーザー情報DB49aについて、カードIDに関連付けられているウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額から、価格P減少させる。決定部44は、カードIDに関連付けられている利用可能金額を、価格P減少させることによって更新する。
また、決定部44は、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額よりも高い場合には、利用可能金額として、ウォレットに入金されている金額を決定し、記憶する。決定部44は、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額以下の場合には、利用可能金額として、利用限度額を決定し、記憶する。ここで、決済要求に含まれるカードIDに関連付けられている利用限度額については、価格P減少させたものを使用する。さらに、利用されたカードのカードIDに関連付けられている利用可能金額については、価格P減少させたものを使用する。決済部45は、カードIDと決済結果とを、作成部48へ出力する。
作成部48は、判定部47又は決済部45が出力したカードIDと決済結果とを取得する。作成部48は、取得したカードIDに関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDを、ユーザー情報DB49aから取得する。作成部48は、取得したコンフィデンシャルIDと、決済結果とを含み、管理装置30を宛先とする決済応答メッセージを作成する。作成部48は、作成した決済応答メッセージを、通信部41へ出力する。
【0053】
[端末装置10]
端末装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末などである。端末装置10では、前払式決済サービスシステム1を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、前払式決済サービスをサポートする。端末装置10の一例はパーソナルコンピュータであり、アプリケーションプログラム(前払式決済サービス利用アプリ)が起動していることを前提とする。前払式決済サービス利用アプリは、管理者Mの操作に応じて管理装置30と通信し、管理装置30と決済処理装置40とから受信した応答に基づくプッシュ通知を行う。
【0054】
[前払式決済サービスシステムの動作]
[管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の動作]
図5は、本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例1を示すシーケンスチャートである。
図5は、管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理の一例を示す。
(ステップS1-1)
端末装置10は、管理者Mが入力したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。端末装置10は、取得したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを含み、管理装置30を宛先とするウォレット作成依頼メッセージを作成する。
(ステップS2-1)
端末装置10は、作成したウォレット作成依頼メッセージを、管理装置30へ送信する。
(ステップS3-1)
管理装置30において、通信部31は、端末装置10が送信したウォレット作成依頼メッセージを受信する。通信部31は、受信したウォレット作成依頼メッセージを、受付部32へ出力する。受付部32は、通信部31が受信したウォレット作成依頼メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けたウォレット作成依頼メッセージに含まれるユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。受付部32は、取得したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを、設定部35へ出力する。
設定部35は、受付部32が出力したユーザーIDと、ウォレットの作成を依頼することを示す情報とを取得する。設定部35は、取得したウォレットの作成を依頼することを示す情報に基づいて、ウォレットと作成する。設定部35は、作成したウォレットのウォレットIDと、ユーザーIDとを関連付けて、記憶部39に記憶する。
(ステップS4-1)
管理装置30において、作成部38は、ウォレットIDを含み、決済処理装置40を宛先とするウォレット登録要求メッセージを作成する。
(ステップS5-1)
管理装置30において、作成部38は、作成したウォレット登録要求メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力したウォレット登録要求メッセージを取得し、取得したウォレット登録要求メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0055】
(ステップS6-1)
決済処理装置40において、通信部41は、管理装置30が送信したウォレット登録要求メッセージを受信する。通信部41は、受信したウォレット登録要求メッセージを、受付部42へ出力する。受付部42は、通信部41が出力したウォレット登録要求メッセージを受け付ける。受付部42は、受け付けたウォレット登録要求メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。受付部42は、取得したウォレットIDを処理部43へ出力する。
処理部43は、受付部42が出力したウォレットIDを取得する。処理部43は、取得したウォレットIDを含むユーザー情報を作成する。処理部43は、作成したユーザー情報を、ユーザー情報DB49aに含める。
(ステップS7-1)
決済処理装置40において、作成部48は、ウォレットIDを含み、管理装置30を宛先とするウォレット登録応答メッセージを作成する。
(ステップS8-1)
決済処理装置40において、作成部48は、作成したウォレット登録応答メッセージを、通信部41へ出力する。通信部41は、作成部48が出力したウォレット登録応答メッセージを取得し、取得したウォレット登録応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
(ステップS9-1)
管理装置30において、通信部31は、決済処理装置40が送信したウォレット登録応答メッセージを受信する。通信部31は、受信したウォレット登録応答メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力したウォレット登録応答メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けたウォレット登録応答メッセージに含まれるウォレットIDを取得する。受付部32は、取得したウォレットIDを、作成部38へ出力する。
作成部38は、受付部32が出力したウォレットIDを取得する。作成部38は、取得したウォレットIDに基づいて、ウォレットIDに関連付けて記憶されているユーザーIDを取得する。作成部38は、ユーザーIDと、ウォレットとを含み、端末装置10を宛先とするウォレット作成応答メッセージを作成する。
(ステップS10-1)
管理装置30において、作成部38は、作成したウォレット作成応答メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力したウォレット作成応答メッセージを取得し、取得したウォレット作成応答メッセージを、端末装置10へ送信する。
(ステップS11-1)
端末装置10は、管理装置30が送信したウォレット作成応答メッセージを受信する。
(ステップS12-1)
端末装置10は、受信したウォレット作成応答メッセージに含まれるユーザーIDと、ウォレットIDとを取得する。端末装置10は、ユーザーIDと、ウォレットIDとを表示する。
管理者Mが、ウォレットの作成を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理の一例によれば、ウォレット作成依頼に基づいて、管理装置30はウォレットを作成できる。また、決済処理装置40は管理装置30が作成したウォレットのウォレットIDを含むユーザー情報を作成でき、作成したユーザー情報を、ユーザー情報DB49aに含めることができる。
また、決済処理装置40は、管理装置30へ、ウォレットIDを通知でき、管理装置30は、端末装置10へ、ウォレットIDを通知できる。これによって、作成されたウォレットのウォレットIDを、管理者Mに知らせることができる。
【0056】
[管理者Mが、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の動作]
図6は、本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例2を示すシーケンスチャートである。
図6は、管理者Mが、支払ツールの発行を依頼した際の処理の一例を示す。
(ステップS1-2)
端末装置10は、管理者Mが入力したウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。端末装置10は、取得したウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを含み、管理装置30を宛先とする支払ツール発行依頼メッセージを作成する。
(ステップS2-2)
端末装置10は、作成した支払ツール発行依頼メッセージを、管理装置30へ送信する。
(ステップS3-2)
管理装置30において、通信部31は、端末装置10が送信した支払ツール発行依頼メッセージを受信する。通信部31は、受信した支払ツール発行依頼メッセージを、受付部32へ出力する。受付部32は、通信部31が受信した支払ツール発行依頼メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けた支払ツール発行依頼メッセージに含まれるウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。受付部32は、取得したウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを、設定部35へ出力する。
設定部35は、受付部32が出力したウォレットIDと、カードの発行枚数を示す情報と、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。設定部35は、取得したカードの発行枚数を示す情報に基づいて、複数の支払ツールを設定する。設定部35は、複数の支払ツールの各々に、カードDB39aに記憶されているカード番号を関連付ける。
(ステップS4-2)
管理装置30において、作成部38は、ウォレットIDと、複数のカード番号の各々に関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする支払ツール登録要求メッセージを作成する。
(ステップS5-2)
管理装置30において、作成部38は、作成した支払ツール登録要求メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力した支払ツール登録要求メッセージを取得し、取得した支払ツール登録要求メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0057】
(ステップS6-2)
決済処理装置40において、通信部41は、管理装置30が送信した支払ツール登録要求メッセージを受信する。通信部41は、受信した支払ツール登録要求メッセージを、受付部42へ出力する。受付部42は、通信部41が出力した支払ツール登録要求メッセージを受け付ける。受付部42は、受け付けた支払ツール登録要求メッセージに含まれるウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。受付部42は、取得したウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを処理部43へ出力する。
処理部43は、受付部42が出力したウォレットIDと、複数のコンフィデンシャルIDと、カード毎の利用限度額を示す情報と、カード毎の利用可否を示す情報とを取得する。処理部43は、取得した複数のコンフィデンシャルIDの各々に関連付けるカードIDを複数作成する。
(ステップS7-2)
決済処理装置40において、処理部43は、ウォレットのウォレットアカウント(ウォレットID)に、複数のカードIDの各々を紐付ける。
(ステップS8-2)
決済処理装置40において、処理部43は、ユーザー情報DB49aから、ウォレットIDを含むユーザー情報を取得する。処理部43は、取得したユーザー情報に、複数のコンフィデンシャルIDの各々と、作成したカードIDと、利用限度額を示す情報と、利用可否を示す情報とを関連付けて記憶する。
(ステップS9-2)
決済処理装置40において、作成部48は、コンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報を含み、管理装置30を宛先とする支払ツール登録応答メッセージを作成する。
【0058】
(ステップS10-2)
決済処理装置40において、作成部48は、作成した支払ツール登録応答メッセージを、通信部41へ出力する。通信部41は、作成部48が出力した支払ツール登録応答メッセージを取得し、取得した支払ツール登録応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
(ステップS11-2)
管理装置30において、通信部31は、決済処理装置40が送信した支払ツール登録応答メッセージを受信する。通信部31は、受信した支払ツール登録応答メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力した支払ツール登録応答メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けた支払ツール登録応答メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報を取得する。受付部32は、取得したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報を、作成部38へ出力する。
作成部38は、受付部32が出力したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報を取得する。作成部38は、取得したコンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報に基づいて、複数のコンフィデンシャルIDの各々に関連付けて記憶されているカード番号を、カードDB39aから、複数取得する。作成部38は、カード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報とを含み、端末装置10を宛先とする支払ツール発行応答メッセージを作成する。
(ステップS12-2)
管理装置30において、作成部38は、作成した支払ツール発行応答メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力した支払ツール発行応答メッセージを取得し、取得した支払ツール発行応答メッセージを、端末装置10へ送信する。
(ステップS13-2)
端末装置10は、管理装置30が送信した支払ツール発行応答メッセージを受信する。
(ステップS14-2)
端末装置10は、受信した支払ツール発行応答メッセージに含まれるカード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報を取得する。端末装置10は、カード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報を表示する。
管理者Mが、支払ツールの発行を、前払式決済サービスシステムに依頼した際の処理の一例によれば、支払ツールの発行依頼に基づいて、管理装置30は複数の支払ツールを発行でき、決済処理装置40は複数の支払ツールとウォレットとを紐付けることができる。
また、決済処理装置40は、管理装置30へ、コンフィデンシャルIDとウォレットIDとを関連付けた複数の情報を通知でき、管理装置30は、端末装置10へ、カード番号とウォレットIDとを関連付けた複数の情報を通知できる。これによって、発行されたカードのカード番号と、そのカードで使用されるウォレットIDとを、管理者Mに知らせることができる。
【0059】
[管理者Mが前払式支払手段の入出金口座へ入金を依頼した際の動作]
図7は、本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例3を示すシーケンスチャートである。
図7は、管理者Mが、前払式支払手段の入出金口座へ入金を依頼した際の処理の一例を示す。
(ステップS21)
端末装置10は、ユーザーの操作に基づいて、ウォレットIDを示す情報と、入金金額を示す情報とを含み、金融機関15を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを作成する。
(ステップS22)
端末装置10は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを、金融機関15へ送信する。
(ステップS23)
金融機関15は、端末装置10が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを受信する。金融機関15は、前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージに含まれるウォレットIDと、入金金額を示す情報とに基づいて、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金金額に該当する金額を入金する処理を行う。
(ステップS24)
金融機関15は、ウォレットIDと、入金金額を示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを作成する。
(ステップS25)
金融機関15は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
【0060】
(ステップS26)
決済処理装置40において、通信部41は、金融機関15が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを受信する。通信部41は、受信した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを、受付部42へ出力する。受付部42は、通信部41が出力した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージを取得する。受付部42は、取得した前払式支払手段(電子マネー)入金完了メッセージに含まれるウォレットIDと、入金金額を示す情報と取得する。
判定部47は、受付部42が取得したウォレットIDと、入金金額を示す情報とに基づいて、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かを判定する。判定部47は、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かの判定結果を、決定部44へ出力する。
(ステップS27)
決済処理装置40において、決定部44は、判定部47が出力した入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かの判定結果を取得する。決定部44は、取得した判定結果が、入金金額を示す情報に該当する金額が入金されていることを示す場合に、ユーザー情報DB49aにおいて、取得したウォレットIDについて、複数のカードIDの各々の利用可能金額を決定する。
(ステップS28)
決済処理装置40において、作成部48は、判定部47が出力した入金金額を示す情報に該当する金額が入金されているか否かの判定結果を取得する。作成部48は、取得した判定結果を含み、端末装置10を宛先とする前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを作成する。
(ステップS29)
決済処理装置40において、作成部48は、作成した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを、通信部41へ出力する。通信部41は、作成部48が出力した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを取得する。通信部41は、取得した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを、端末装置10へ送信する。
(ステップS30)
端末装置10は、決済処理装置40が送信した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージを受信する。
(ステップS31)
端末装置10は、受信した前払式支払手段(電子マネー)入金応答メッセージに含まれる入金金額が入金されているか否かの判定結果を取得する。端末装置10は、取得した入金金額が入金されているか否かの判定結果を表示する。
管理者Mが、前払式支払手段の入出金口座へ入金を依頼した際の処理の一例によれば、端末装置10から、金融機関15へ前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを送信することによって、金融機関15へ、ウォレットIDに該当するウォレットに、入金することを依頼できる。また、端末装置10から、金融機関15へ前払式支払手段(電子マネー)入金依頼メッセージを送信することによって、決済処理装置40に、ウォレットに入金されている金額に基づいて、各カードの利用可能金額を決定させることができる。
【0061】
[使用者Uが店舗で買い物をした際の動作]
図8は、本実施形態に係る前払式決済サービスシステムの動作の例4を示すシーケンスチャートである。
図8は、使用者Uが、カード5を使用して、店舗で買い物をした際の処理の一例を示す。ここでは、カード5が、利用可能に設定されている場合について説明する。
(ステップS41)
店舗端末20は、商品に付された情報コードを、撮像装置で撮像する。店舗端末20は、撮像装置が撮像した画像に基づいて、その商品の価格を示す情報を取得する。また、店舗端末20は、使用者Uが提示したカード5に表されているカード番号を取得する。
(ステップS42)
店舗端末20は、取得したカード番号と、商品の価格Pを示す情報とを含み、管理装置30を宛先とする引き落とし要求メッセージを作成する。
(ステップS43)
店舗端末20は、作成した引き落とし要求メッセージを、管理装置30へ送信する。
(ステップS44)
管理装置30において、通信部31は、店舗端末20が送信した引き落とし要求メッセージを受信する。通信部31は、受信した引き落とし要求メッセージを、受付部32へ出力する。
受付部32は、通信部31が出力した引き落とし要求メッセージを受け付ける。受付部32は、受け付けた引き落とし要求メッセージに含まれるカード番号と、価格Pを示す情報とを取得する。受付部32は、取得したカード番号と、価格Pを示す情報とを、判定部37へ出力する。
判定部37は、受付部32が出力したカード番号と、価格Pを示す情報とを取得する。判定部37は、取得したカード番号に関連付けて記憶されている有効期限を、カードDB39aから取得する。
(ステップS44)
管理装置30において、判定部37は、取得した有効期限に基づいて、カード5が有効期限内であるか否かを判定する。
(ステップS45)
管理装置30において、判定部37は、カード5が有効期限内でないと判定した場合に、カード5が有効期限内であるか否かの判定結果(ここでは、カード5が有効期限内でないことを示す情報)と、カード番号を示す情報とを、作成部38へ出力する。
作成部38は、判定部37が出力したカード5が有効期限内であるか否かの判定結果と、カード番号を示す情報とを取得する。作成部38は、取得したカード5が有効期限内であるか否かの判定結果と、カード番号を示す情報とを含み、端末装置10を宛先とする引き落とし応答メッセージを作成する。
【0062】
(ステップS46)
管理装置30において、作成部38は、作成した引き落とし応答メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力した引き落とし応答メッセージを、店舗端末20へ送信する。
(ステップS47)
店舗端末20は、管理装置30が送信した引き落とし応答メッセージを受信する。
(ステップS48)
店舗端末20は、受信した引き落とし応答メッセージに含まれるカード5が有効期限内であるか否かの判定結果と、カード番号を示す情報とを取得する。店舗端末20は、取得したカード5が有効期限内であるか否かの判定結果と、カード番号を示す情報とを表示する。これによって、使用者Uに、カード5が有効期限内でないことを知らせることができる。
(ステップS49)
管理装置30において、判定部37は、カード5が有効期限内であると判定した場合に、カード番号を、変換部36へ出力する。
変換部36は、判定部37が出力したカード番号を取得する。変換部36は、取得したカード番号に関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDを取得し、カード番号を、取得したコンフィデンシャルIDに変換する。変換部36は、変換することによって得られるコンフィデンシャルIDを、判定部37へ出力する。
(ステップS50)
管理装置30において、判定部37は、変換部36が出力したコンフィデンシャルIDを取得する。判定部37は、コンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを、作成部38へ出力する。
作成部38は、判定部37が出力したコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。作成部38は、コンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを含み、決済処理装置40を宛先とする決済要求メッセージを作成する。
【0063】
(ステップS51)
管理装置30において、作成部38は、作成した決済要求メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力した決済要求メッセージを取得する。通信部31は、取得した決済要求メッセージを、決済処理装置40へ送信する。
(ステップS52)
決済処理装置40において、通信部41は、管理装置30が送信した決済要求メッセージを受信する。通信部41は、受信した決済要求メッセージを、受付部42へ出力する。受付部42は、通信部41が出力した決済要求メッセージを取得する。受付部42は、取得した決済要求メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。受付部42は、取得したコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを、判定部47へ出力する。
(ステップS53)
決済処理装置40において、判定部47は、価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定する。
【0064】
(ステップS54)
決済処理装置40において、判定部47は、価格Pが利用可能金額以下でない(価格Pが、利用可能金額よりも高い)と判定した場合に、価格Pが利用可能金額以下であるか否かの判定結果(価格Pが利用可能金額以下でないことを示す情報)と、コンフィデンシャルIDとを、作成部48へ出力する。
決済処理装置40において、作成部48は、判定部47が出力した価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定結果と、コンフィデンシャルIDとを取得する。作成部48は、取得した価格Pが利用可能金額以下であるか否かの判定結果と、コンフィデンシャルIDとを含み、管理装置30を宛先とする決済応答メッセージを作成する。
(ステップS55)
決済処理装置40において、作成部48は、作成した決済応答メッセージを、通信部41へ出力する。通信部41は、作成部48が出力した決済応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
(ステップS56)
管理装置30において、通信部31は、決済処理装置40が送信した決済応答メッセージを受信する。通信部31は、受信した決済応答メッセージを、作成部38へ出力する。
作成部38は、通信部31が出力した決済応答メッセージに含まれる価格Pが利用可能金額以下であるか否かの判定結果と、コンフィデンシャルIDとを取得する。作成部38は、取得したコンフィデンシャルIDに関係付けられて記憶されているカード番号を、カードDB39aから取得する。作成部38は、取得したカード番号と、価格Pが利用可能金額以下であるか否かの判定結果とを含み、店舗端末20を宛先とする引き落とし応答メッセージを作成する。
(ステップS57)
管理装置30において、作成部38は、作成した引き落とし応答メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力した引き落とし応答メッセージを取得する。通信部31は、取得した引き落とし応答メッセージを、店舗端末20へ送信する。
(ステップS58)
店舗端末20は、管理装置30が送信した引き落とし応答メッセージを受信する。
【0065】
(ステップS59)
店舗端末20は、受信した引き落とし応答メッセージに含まれるカード番号と、価格Pが利用可能金額以下であるか否かの判定結果とを取得する。店舗端末20は、取得したカード番号と、価格Pが利用可能金額以下であるか否かの判定結果とを表示する。これによって、使用者Uに、価格Pが、利用可能金額よりも高いことを知らせることができる。
(ステップS60)
決済処理装置40において、判定部47は、価格Pが利用可能金額以下であると判定した場合に、コンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを含む決済要求を作成する。判定部47は、作成した決済要求を、決済部45へ出力する。
決済部45は、判定部47が出力した決済要求を取得する。決済部45は、取得した決済要求に含まれるコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。決済部45は、コンフィデンシャルIDに関連付けられているカードIDと、ウォレットIDとを、ユーザー情報DB49aから取得する。決済部45は、取得したウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額から、価格Pに該当する金額を減少させる。決済部45は、ウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額から減少させた価格Pに該当する金額を、店舗のウォレットに入金する処理を実行する。決済部45は、ユーザー情報DB49aについて、カードIDに関連付けられている利用可能金額から、価格Pに該当する金額を減少させることによって更新する。
決定部44は、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額よりも高い場合には、利用可能金額として、ウォレットに入金されている金額を決定し、記憶する。決定部44は、ウォレットIDについて、複数のカードIDの各々に関連付けて設定されている利用限度額がウォレットIDに該当するウォレットに入金されている金額以下の場合には、利用可能金額として、利用限度額を決定し、記憶する。ここで、決済要求に含まれるカードIDに関連付けられている利用限度額については、価格P減少させたものを使用する。さらに、利用されたカードのカードIDに関連付けられている利用可能金額については、価格P減少させたものを使用する。
(ステップS61)
決済処理装置40において、決済部45は、カードIDと決済結果とを、作成部48へ出力する。
作成部48は、決済部45が出力したカードIDと決済結果とを取得する。作成部48は、取得したカードIDに関連付けて記憶されているコンフィデンシャルIDを、ユーザー情報DB49aから取得する。作成部48は、取得したコンフィデンシャルIDと、決済結果とを含み、管理装置30を宛先とする決済応答メッセージを作成する。
(ステップS62)
決済処理装置40において、作成部48は、作成した決済応答メッセージを、通信部41へ出力する。通信部41は、作成部48が出力した決済応答メッセージを取得する。通信部31は、取得した決済応答メッセージを、管理装置30へ送信する。
【0066】
(ステップS63)
管理装置30において、通信部31は、決済処理装置40が送信した決済応答メッセージを受信する。通信部31は、受信した決済応答メッセージを、作成部38へ出力する。
作成部38は、通信部31が出力した決済応答メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDと、決済結果とを取得する。作成部38は、取得したコンフィデンシャルIDに関係付けられて記憶されているカード番号を、カードDB39aから取得する。作成部38は、取得したカード番号と、決済結果とを含み、店舗端末20を宛先とする引き落とし応答メッセージを作成する。
(ステップS64)
管理装置30において、作成部38は、作成した引き落とし応答メッセージを、通信部31へ出力する。通信部31は、作成部38が出力した引き落とし応答メッセージを取得する。通信部31は、取得した引き落とし応答メッセージを、店舗端末20へ送信する。
(ステップS65)
店舗端末20は、管理装置30が送信した引き落とし応答メッセージを受信する。
(ステップS66)
店舗端末20は、受信した引き落とし応答メッセージに含まれるカード番号、及び決済結果を取得する。店舗端末20は、取得したカード番号、及び決済結果を表示する。これによって、使用者Uに、決済が終了したことを知らせることができる。
使用者Uが店舗で買い物をした際の動作によれば、使用者Uが、店舗で、カード5を使用して、買い物をすることによって、決済処理装置40は、利用可否を示す情報が利用可能に設定されているか否かを判定する処理と、価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定する処理とを実行する。決済処理装置40は、判定結果に基づいて、決済を行うことができる。
【0067】
前述した実施形態では、支払ツールの一例として、プリペイドカード、クレジットカード、バーチャルカードである場合について説明したが、この例に限られない。例えば、カード番号を表示する表示装置であってもよい。
前述した実施形態では、一例として、使用者Uが、店舗で買い物とした場合について説明したが、この例に限られない。例えば、使用者Uが、EC(electronic commerce)サイトで買い物をした場合についても適用できる。
前述した実施形態では、管理装置30と決済処理装置40とを別々の装置として説明したが、この例に限られない。例えば、管理装置30と決済処理装置40とを一台の装置として実現してもよいし、三台以上の装置として実現してもよい。
前述した実施形態では、管理装置30でカード番号がコンフィデンシャルIDに変換され、決済処理装置40でコンフィデンシャルIDがカードIDに変換される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、管理装置30でカード番号がコンフィデンシャルIDに変換されることなく、カード番号で処理が行われてもよい。また、決済処理装置40でコンフィデンシャルIDがカードIDに変換されることなく、コンフィデンシャルIDで処理が行われてもよい。
前述した実施形態では、カード毎の利用限度額に関して、所定の期間の一例として、日毎、週毎、月毎、四半期毎、半期毎、年毎、半年毎などの任意の期間について説明したが、この例に限られない。例えば、一回当たりの支払額としてもよいし、総額としてもよい。
【0068】
前述した実施形態では、処理部43が、複数の支払ツールの各々の利用限度額を設定し、決定部44が、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額と処理部43が設定した複数の支払ツールの各々の利用限度額とに基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、決定部44は、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定してもよい。例えば、決定部44は、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額と同額に決定してもよいし、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額よりも低額に設定してもよい。例えば、決定部44は、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額よりも所定の割合減算した金額に設定してもよいし、所定の金額減算した金額に設定してもよい。
この場合、決定部44は、複数の支払ツールのいずれかが利用されることによって、前払い金の合計金額から引き落としが行われた場合に、引き落としが行われた後の合計金額に基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を更新する、このように構成することによって、前払式支払手段の入出金口座に対して払い込まれた前払い金の合計金額と処理部43が設定した複数の支払ツールの各々の利用限度額とに基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定する処理を省略できるため、処理を簡略化できる。
前述した実施形態では、決済処理装置40の判定部47が、決済要求メッセージに含まれるコンフィデンシャルIDと、価格Pを示す情報とを取得する。判定部47は、取得したコンフィデンシャルIDに関連付けて記憶されている利用可否を示す情報が利用可能に設定されているか否かを判定する。その後、判定部47は、利用可否を示す情報が利用可能に設定されている場合に、価格Pを示す情報と利用可能金額を示す情報に基づいて、価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定する場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、判定部47は、利用可否を示す情報が利用可能に設定されているか否かを判定する処理と、価格Pを示す情報と利用可能金額を示す情報に基づいて、価格Pが利用可能金額以下であるか否かを判定する処理とを任意の順番で実行してもよいし、同時に実行してもよい。
前述した実施形態において、カードDB39aとユーザー情報DB49aとのいずれか一方又は両方は、リレーショナルデータベースであってもよい。この場合、カードDB39aとユーザー情報DB49aとのいずれか一方又は両方は、複数のテーブルで表される。例えば、一例として、カードDB39aは、カード番号とコンフィデンシャルIDとを関連付けたテーブルと、カード番号とコンフィデンシャルIDとを関連付けたテーブルとで表すことができる。また、例えば、一例として、ユーザー情報DB49aは、コンフィデンシャルIDとカードIDとを関連付けたテーブルと、カードIDと利用限度額と利用可否とを関連付けたテーブルと、カードIDとウォレットIDとを関連付けたテーブルと、ウォレットIDと利用可能金額とを関連付けたテーブルとで表すことができる。
【0069】
本実施形態に係る前払式決済サービスシステム1によれば、決済処理装置40は、複数の支払ツールの各々の利用限度額を設定する処理部43と、ウォレットに対して払い込まれた前払い金の合計金額と、処理部43が設定した複数の支払ツールの各々の利用限度額とに基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を決定する決定部44とを備える。決定部44は、複数の支払ツールのいずれかが利用されることによって、前払い金の合計金額から引き落としが行われた場合に、利用された支払ツールの利用可能金額を更新する。
ウォレットに対して払い込まれた前払い金の合計金額と、複数の支払ツールの各々の利用限度額とに基づいて、複数の支払ツールの各々の利用可能金額が決定されるため、前払い金より高い利用可能金額を設定できる。このため、前払式支払手段の利便性の向上を図ることができる。
また、決定部44は、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を、処理部43が設定した複数の支払ツールの各々の利用可能金額が、前払い金の合計金額より高い場合には、前払金の合計金額に決定し、複数の支払ツールの各々の利用可能金額が、前払い金の合計金額以下の場合には、複数の支払ツールの各々の利用可能金額に決定する。このように構成することによって、前払い金の合計金額以下となるように、複数の支払ツールの各々の利用可能金額を設定できる。
また、処理部43は、複数の支払ツールのうち、一の支払ツールの利用を制限する場合に、一の支払ツールの利用限度額を零に設定する。このように構成することによって、前払い金を減少させることなく、一の支払ツールの利用を制限できる。
また、処理部43は、前払い金の合計金額よりも高い金額に、複数の支払ツールの各々の利用限度額を設定できる。このように構成することによって、ウォレットに対して払い込まれた前払い金の合計金額よりも高い金額に、複数の支払ツールの各々の利用限度額を設定できるため、前払式支払手段の利便性の向上を図ることができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0071】
1…前払式決済サービスシステム、5…カード、10…端末装置、15…金融機関、20…店舗端末、30…管理装置、31…通信部、32…受付部、35…設定部、36…変換部、37…判定部、38…作成部、39…記憶部、39a…カードDB、40…決済処理装置、41…通信部、42…受付部、43…処理部、44…決定部、45…決済部、47…判定部、48…作成部、49…記憶部、49a…ユーザー情報DB