(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】ダイヤモンドMISトランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20231002BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20231002BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
H01L29/78 301B
H01L29/78 301G
H01L29/78 301H
H01L29/78 301S
H01L29/78 301X
H01L29/78 652T
H01L29/78 653
(21)【出願番号】P 2020502141
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2018069510
(87)【国際公開番号】W WO2019016268
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-18
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501089863
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ サイアンティフィク
(73)【特許権者】
【識別番号】506410039
【氏名又は名称】アンスティテュ ポリテクニク ドゥ グルノーブル
(73)【特許権者】
【識別番号】519077687
【氏名又は名称】ウニベルシテ グルノーブル アルプ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ペルノー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ルジェ
(72)【発明者】
【氏名】ダビド エオン
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ ゲラエール
(72)【発明者】
【氏名】ゴーチエ シコ
(72)【発明者】
【氏名】トアン タン ファム
(72)【発明者】
【氏名】フローリン ウドリア
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-125932(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013111375(DE,A1)
【文献】国際公開第2012/072646(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0175679(US,A1)
【文献】米国特許第08143130(US,B1)
【文献】特開2017-050485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/12
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたソース領域(S)及びドレイン領域(D)と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に配置された、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたチャネル領域(C)と、
前記チャネル領域と前記ドレイン領域の間に配置された、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたドリフト領域(DR)と、
前記チャネル領域の上に配置されるとともに誘電体層(113)によって前記チャネル領域から切り離された導電ゲート(111)と、
を備え、
内部に形成される前記ソース領域(S)、前記ドリフト領域(DR)及び前記ドレイン領域(D)を有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第1の層(101)を更に備え、
前記チャネル領域(C)は、前記第1の層(101)に形成され、
前記第1の層(101)の厚さは、10nmと20μmとの間であり、
ゲート-ドレイン距離(Lgd)は、距離ソース-ゲート(Lgs)より大きいディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
【請求項2】
前記ソース領域(S)に電気的に接続したソースメタライゼーション(107)と、
前記ドレイン領域に電気的に接続したドレインメタライゼーション(109)と、
を更に備える請求項1に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
【請求項3】
前記ソースメタライゼーション(107)及び前記ドレインメタライゼーション(109)は、前記第1の層(101)の同一の表面の側に配置された請求項2に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600)。
【請求項4】
前記チャネル領域(C)のレベルにおける前記第1の層(101)の厚さは、前記ソース領域(S)及び前記ドレイン領域(D)のレベルにおける厚さと略同一である請求項1に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;600)。
【請求項5】
プレーナ構造を有する請求項4に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100)。
【請求項6】
前記第1の層(101)に形成された半導体のフィンを備え、前記導電ゲート(111)は、前記フィンの一部の上側表面及び横側表面を被覆する請求項4に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(600)。
【請求項7】
前記チャネル領域(C)のレベルにおける前記第1の層(101)の厚さは、前記ソース領域(S)及び前記ドレイン領域(D)のレベルにおける厚さより小さい請求項1に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(300;500)。
【請求項8】
前記チャネル領域は、前記第1の層(101)のドーピングレベルより高いドーピングレベルを有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第2の層(441)に形成された請求項3に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(400)。
【請求項9】
前記チャネル領域(C)と前記ドレイン領域(D)の間に配置された、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された追加のチャネル領域(C’)と、前記追加のチャネル領域の上に配置されるとともに前記誘電体層(113)によって前記追加のチャネル領域から切り離された追加の導電ゲート(111’)と、を備える請求項3~8のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタ。
【請求項10】
前記第1の層(101)より高いドーピングレベルを有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第3の層(331)は、前記ソースメタライゼーション(107)及び前記ドレインメタライゼーション(109)と前記第1の層(101)の間の境界面を形成する請求項
2,3,8のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(300;800)。
【請求項11】
前記第1の層(101)は、第2の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された基板(103)の上にある請求項2~10のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
【請求項12】
前記第1の層(101)より高いドーピングレベルを有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第4の層(105)は、前記基板(103)と前記第1の層(101)の間の境界面を形成する請求項11に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタと、制御回路と、を備え、前記制御回路は、
前記ディープディプレッションMISトランジスタをオフ状態にするためにしきい値電圧以上の第1のゲート-ソース電圧を前記ディープディプレッションMISトランジスタに印加し、
前記ディープディプレッションMISトランジスタをオン状態にするためにしきい値電圧未満の第2のゲート-ソース電圧を前記ディープディプレッションMISトランジスタに印加するように構成されたアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー電子部品の分野に関する。本発明は、特に、高い動作温度に耐えることができる、高い絶縁破壊電圧を有するMIS(金属-絶縁体-半導体)トランジスタを意図するものである。
【背景技術】
【0002】
高電力アプリケーションのスイッチとして用いることができる種々の構造のMISトランジスタが文献に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、オフ状態で非常に高い電圧、例えば、1000Vから30000Vまでの範囲の電圧に損傷なく耐えることができるとともに高い動作温度、例えば、175℃より高い動作温度に耐えることができるMISトランジスタの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施の形態は、
第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたソース領域及びドレイン領域と、
ソース領域とドレイン領域の間に配置された、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたチャネル領域と、
チャネル領域とドレイン領域の間に配置された、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたドリフト領域と、
チャネル領域の上に配置されるとともに誘電体層によってチャネル領域から切り離された導電ゲートと、
を備えるディープディプレッションMISトランジスタを提供する。
【0005】
一実施の形態によれば、ディープディプレッションMISトランジスタは、
内部に形成されるソース領域、ドリフト領域及びドレイン領域を有する、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第1の層と、
ソース領域に電気的に接続したソースメタライゼーションと、
ドレイン領域に電気的に接続したドレインメタライゼーションと、
を更に備える。
【0006】
一実施の形態によれば、ソースメタライゼーション及びドレインメタライゼーションは、第1の層の同一の表面の側に配置される。
【0007】
一実施の形態によれば、チャネル領域は、第1の層に形成される。
【0008】
一実施の形態によれば、チャネル領域のレベルにおける第1の層の厚さは、ソース領域及びドレイン領域のレベルにおける厚さと略同一である。
【0009】
一実施の形態によれば、ディープディプレッションMISトランジスタは、プレーナ構造を有する。
【0010】
一実施の形態によれば、ディープディプレッションMISトランジスタは、第1の層に形成された半導体のフィンを備え、導電ゲートは、フィンの一部の上側表面及び横側表面を被覆する。
【0011】
一実施の形態によれば、チャネル領域のレベルにおける第1の層の厚さは、ソース領域及びドレイン領域のレベルにおける厚さより小さい。
【0012】
一実施の形態によれば、チャネル領域は、第1の層のドーピングレベルと異なるドーピングレベルを有する、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第2の層に形成される。
【0013】
一実施の形態によれば、ディープディプレッションMISトランジスタは、チャネル領域とドレイン領域の間に配置された、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された追加のチャネル領域と、追加のチャネル領域の上に配置されるとともに誘電体層によって追加のチャネル領域から切り離された追加の導電ゲートと、を備える。
【0014】
一実施の形態によれば、ソースメタライゼーション及びドレインメタライゼーションは、第1の層の逆の表面の側に配置される。
【0015】
一実施の形態によれば、第1の層より高いドーピングレベルを有する、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第3の層は、ソースメタライゼーション及びドレインメタライゼーションと第1の層の間の境界面を形成する。
【0016】
一実施の形態によれば、第1の層は、第2の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された基板の上にある。
【0017】
一実施の形態によれば、第1の層より高いドーピングレベルを有する、第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第4の層は、基板と第1の層の間の境界面を形成する。
【0018】
他の実施の形態は、
上述したディープディプレッションMISトランジスタと、制御回路と、を備え、制御回路は、
ディープディプレッションMISトランジスタをオフ状態にするためにしきい値電圧以上の第1のゲート-ソース電圧をディープディプレッションMISトランジスタに印加し、
ディープディプレッションMISトランジスタをオン状態にするためにしきい値電圧未満の第2のゲート-ソース電圧をディープディプレッションMISトランジスタに印加するように構成されたアセンブリを提供する。
【0019】
上述した特徴及び利点並びに他の特徴及び利点を、添付図面に関連した特化した実施の形態の以下の限定的でない説明で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】MISパワートランジスタの一実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図2】MISパワートランジスタの一実施の形態を図式的に示す上面図である。
【
図3】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図4】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図5】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図6】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図7】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図8】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図9】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【
図10】MISパワートランジスタの他の実施の形態を図式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
種々の図面において、同一の構成要素に同一の参照番号を付し、さらに、種々の図面は寸法通りではない。以下の説明において、「最上部」、「底部」、「左」、「右」等のような絶対位置若しくは「上の」、「下の」、「上側」、「下側」等の相対位置を特定する用語又は「水平」、「垂直」等のような向きを特定する用語を説明するとき、図面の向きを言及し、実際には、説明する構造の向きが異なってもよいことを理解すべきである。特別の定めのない限り、表現「約」、「略」及び「~のオーダ」は、10%以内、好適には、5%以内を意味する。
【0022】
説明する実施の形態の一態様によれば、ドーピングされたダイヤモンド、好適には、単結晶ダイヤモンドからチャネル領域が構成されたディープディプレッションMISトランジスタを提供する。ディープディプレッションMISトランジスタは、チャネル領域に(すなわち、その厚さの全体に亘って)ディープディプレッションを形成することによってオフに切り替える(遮断する)ことができるMISトランジスタを意味する。オン状態において、デプレッションは減少又はキャンセルされ、ドレイン-ソース導通が、(
図1及び
図5の破線の電流線によって図式的に示すように)チャネル領域及びドリフト領域の容積内に生じ、これによって、比較的低いオン状態の抵抗になる。半導体チャネルとしてダイヤモンドを用いることによって、非常に高いオフ状態の絶縁破壊電圧及び非常に高い(例えば、175℃より高い、可能な場合には、最高で450℃の又はそれを超える)温度の動作能力(temperature operation capability)を得ることができる。
【0023】
トランジスタをディープディプレッション状態(オフ状態)にするために、しきい値電圧VT以上の電圧がトランジスタのゲートに印加される。しきい値電圧VTは、反転が理論的に生じることができる電圧であり、以下のように規定することができる。
【0024】
【0025】
tox及びεoxは、ゲート酸化膜の厚さ及び誘電率であり、εscは、半導体の誘電率であり、qは、電気素量であり、NAは、半導体のドーピングレベルであり、Ψbは、以下で規定するような中性物質の真性レベル(intrinsic level)とフェルミレベルの間の電位差である。
【0026】
【0027】
niは、半導体のドーパントの真性濃度(intrinsic concentration)であり、Tは、温度であり、kは、ボルツマン定数である。
【0028】
ダイヤモンドの5.5eVのオーダの高いバンドギャップのために、少数キャリアの最速の特性生成時定数(quickest characteristics generation time constant)は、1037秒のオーダ、すなわち、1030年のオーダである。これは、しきい値電圧VT以上の電圧がトランジスタのゲートに印加されるときに反転が(理論的に生じるかもしれないとしても)実際には絶対に生じないことを意味する。これによって、オフ状態のトランジスタの保持を保証するためにディープディプレッション状態を用いることができる。そのようなディープディプレッション状態を、低いバンドギャップを有する半導体材料で用いることができず、その理由は、非常に短い時間の後に、典型的には、室温でのシリコンにおける1秒のオーダで反転状態が生じるからである。このような特殊な理由により、デプレッションMISトランジスタは、高電力アプリケーションに用いられることがなかった。
【0029】
図1は、MISパワートランジスタ100の一実施の形態を図式的に示す断面図である。
【0030】
トランジスタ100は、例えば、1015原子/cm3から1020原子/cm3までの範囲のドーピングレベルを有する、p型のドーピングされた単結晶ダイヤモンド半導体層101を備える。層101は、例えば、ホウ素がドーピングされている。層101の厚さは、例えば、数nmから数μmまでの範囲、例えば、10nmから20μmまでの範囲、好適には、200nmから10μmまでの範囲である。
【0031】
本例において、層101は、n型のドーピングされたダイヤモンド基板103の上に存在する。さらに、本例において、層101のドーピングレベルと異なるドーピングレベルを有する、好適には、層101のドーピングレベルより高いドーピングレベルを有するp型のドーピングされたダイヤモンドバッファ層105は、基板103と層101の間の境界面を形成する。一例として、バッファ層105は、基板103の上側表面の最上部に存在するとともに基板103の上側表面に接触するエピタキシーによって形成され、層101それ自体は、バッファ層105の上側表面の最上部に存在するとともにバッファ層105の上側表面に接触するエピタキシーによって形成される。
【0032】
トランジスタ100は、
トランジスタの左側部分で層101の上側表面の最上部に配置されるとともに層101の上側表面に接触するソースコンタクトメタライゼーション107と、
トランジスタの右側部分で層101の上側表面の最上部に配置されるとともに層101の上側表面に接触するドレインコンタクトメタライゼーション109と、
例えば、酸化アルミニウムによって構成された誘電体層113によって層101から切り離された、ソースコンタクトメタライゼーション107とドレインコンタクトメタライゼーション109の間で層101の上側表面に配置された導電ゲート111と、
を更に備える。
【0033】
トランジスタ100のソース領域(S)及びドレイン領域(D)は、メタライゼーション107に接続した層101の部分及びメタライゼーション109に接続した層101の部分にそれぞれ相当し、上から見ると、ゲート111によって切り離されている。トランジスタ100のチャネル領域(C)は、ソース領域をドレイン領域から切り離す、ゲート111の下に配置された層101の部分に相当する。実際には、導電ゲート111は、
図1に出現しないとしても、好適には、ドレイン領域を完全に包囲する円環形を有する。これによって、トランジスタの電圧遮断能力を向上させるとともにオフ状態における電流漏れを制限することができる。
【0034】
図2は、導電ゲートがドレイン領域を包囲するディープディプレッションダイヤモンドMISトランジスタの一例の上面図である。明瞭のために、メタライゼーション107,109及び111のみを
図2に示した。
【0035】
動作中、トランジスタ100のソースメタライゼーション107は、高電力供給電位のアプリケーションのノードに接続され、トランジスタ100のドレインメタライゼーション109は、低電力供給電位のアプリケーションのノードに接続される。例えば、高電力供給電位を0Vにすることができ、低電力供給電位を負の電位、例えば、-1000V以下にすることができる。トランジスタのゲート-ソース電圧がしきい値電圧V
Tより低いとき、トランジスタはオンであり、層101の体積導電(volume conduction)によって、電流がトランジスタのソースとドレインの間を流れる。トランジスタのゲート-ソース電圧がしきい値電圧V
T以上であるとき、例えば、5Vから15Vまでの範囲の電圧がトランジスタに印加され、層101の多数キャリアであるホールが、(
図1において破線で示すように)p型層101と105の間の接合部及びn型基板103に形成される空間電荷領域に押し戻される。したがって、チャネル領域は、厚さ全体に亘って十分に空乏にされ、ソース領域をドレイン領域から電気的に絶縁する。そして、トランジスタは、オフ状態になる。この状態において、トランジスタは、層101のドーピングレベル及びトランジスタのゲート111とドレインメタライゼーション109の間の距離Ldgに特に依存する最大値を有する、典型的には1000Vより大きい非常に高いソース-ドレイン電圧に耐えることができる。
【0036】
実際には、オフ状態において、ゲート-ソース電圧が典型的には(絶対値で)5~15Vのオーダで比較的低いのに対し、ドレインーゲート電圧が典型的には(絶対値で)1000V以上のオーダで非常に高いことに留意すべきである。例えば、オフ状態において、ソース電位Vsは、0Vのオーダであり、ドレイン電位Vdは、ソース電位Vsに対して負であり、例えば、-1000V以下のオーダであり、ゲート電位は、ソース電圧に対して正であり、例えば、5Vから15Vの範囲である。結果として、トランジスタの電圧遮断能力は、ドリフト領域(DR)と称される、上から見るとドレインメタライゼーション109から導電ゲート111まで延在する層101の領域の特性によって主に規定され、特に、ドリフト領域の容積及びドーピングレベルによって規定される。
図1の例において、ソースメタライゼーション107とゲート111の間の距離Lgsは、ゲート111とドレインメタライゼーション109の間の距離Lgdより著しく小さく、例えば、少なくともゲート111とドレインメタライゼーション109の間の距離Lgdの1/2である。これによって、表面領域を得ることができる。その理由は、ゲート-ソース電圧が比較的低いからである。一例として、ゲート-ソース間距離Lgsは、1μm以下であり、ゲート-ドレイン間距離Lgdは、2μm以上であり、例えば、2~50μmの範囲にある。
【0037】
本例において、バッファ層105は、特に、p型層101と105の間の接合部及びn型基板103に形成される空間電荷領域の層101における延在を制限する電荷補償機能を有する。これによって、トランジスタは、オン状態において十分に導通したままである。しかしながら、変形として、層101の厚さ及び/又はドーパント濃度が、チャネル領域の厚さ全体に亘って延在する空間電荷領域を回避するのに十分に大きい場合には、バッファ層105を省略してもよい。
【0038】
図3は、MISパワートランジスタ200の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ200は、
図1のトランジスタ100と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0039】
トランジスタ200は、チャネル領域(C)のレベルにおいて層101がソース領域(S)及びドレイン領域(D)より小さい厚さを有する点でトランジスタ100とは異なる。更に詳しくは、
図2の例において、層101は、トランジスタのソース領域(S)とドレイン領域(D)の間に、上側表面から垂直に延在するキャビティ221を備える。キャビティ221は、貫通していない、すなわち、層101の厚さの一部はキャビティ221の下に保持される。上から見て、キャビティ221は、トランジスタの全長及びチャネル領域(C)の全幅に亘って延在する。キャビティ221は、例えば、エッチングによって形成される。誘電体層111は、特に、キャビティ221の底部及び側壁を覆う。ゲート111は、キャビティ221の底部に配置され、誘電体層113により層101から切り離される。
【0040】
図2の構造の利点は、トランジスタのドリフト領域とチャネル領域とを分断できることである。したがって、比較的低いゲート-ソース電圧、例えば、15Vより低いゲート-ソース電圧の印加により十分に欠乏させることができるチャネル領域を得ることができ、同時に、小さい抵抗のドリフト領域(ゲート111からドレインメタライゼーション109を切り離す層101の領域)を有する。(例えば、2μmと30μmの間の)厚いドリフト領域を有することもでき、同時に、薄いチャネル領域において低いしきい値電圧V
Tを維持する。
【0041】
図3に示す例において導電ゲート111がキャビティ221の底部に接触するがキャビティの側壁に接触しないことに留意されたい。
【0042】
変形として、導電ゲート111は、(当然層113によって層101から切り離されながら)キャビティ221の底部だけでなくキャビティ221の側部に接触してもよい。
【0043】
さらに、
図3に示す例において、キャビティ221の側壁又は側は略垂直である、すなわち、層101に対して直角である。変形として、キャビティ221の側は、キャビティ221が広がった形状を有するように、すなわち、上側部分が下側部分より広くなるように傾斜してもよい。
【0044】
図4は、MISパワートランジスタ300の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ300は、
図3のトランジスタ200と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0045】
トランジスタ300は、ソースコンタクトメタライゼーション107及びドレインコンタクトメタライゼーション109が層101に直接接触せず、かつ、層101より高いドーピングレベルを有する、p型のドーピングされた単結晶ダイヤモンド層331の上に存在する点でトランジスタ200と異なる。更に詳しくは、示した例において、層331は、層101の上側表面の最上部に配置されるとともに層101の上側表面に接触し、メタライゼーション107及び109は、層331の上側表面の最上部に配置されるとともに層331の上側表面に接触する。層331は、トランジスタのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域のレベルで配置される。特に、層331は、トランジスタのチャネル領域のレベルに存在しない。一例として、層331は、ソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域のレベルで層101の上側表面の最上部の局所的なエピタキシーによって形成されるとともに層101の上側表面に接触する。変形として、層331は、先ず、層101の上側表面の全体に亘るエピタキシーによって形成され、その後、トランジスタのチャネル領域のレベルのエッチングによって局所的に除去される。
【0046】
図4の構造の利点は、層331の存在によってトランジスタのオン状態の抵抗を減少させることができるのと同時にドリフト領域に必要な層101の厚さを制限することである。さらに、これによって、層101とコンタクトメタライゼーション107,109の間の電気的な接触を向上させることができる。
【0047】
図5は、MISパワートランジスタ400の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ400は、
図3のトランジスタ200と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0048】
トランジスタ400は、チャネル領域(C)がソース領域(S)及びドレイン領域(D)より高いp型ドーピングレベルを有する点でトランジスタ200と異なる。これを実現するために、キャビティ221のエッチング中に厚さ全体に亘る層101の除去を行い、誘電体層113を堆積する前に、キャビティ221の底部における選択的エピタキシーによって、層101のドーピングレベルと異なるドーピングレベル、例えば、層101のドーピングレベルより高いドーピングレベルを有する、p型のドーピングされた単結晶ダイヤモンドによって構成された局所的な層441を成長させてもよい。層441は、例えば、層101より小さい厚さを有する。
【0049】
図5の構造の利点は、電圧耐性を保証するためにトランジスタのチャネル領域(C)、ソース領域(S)及びドレイン領域(D)のドーピングレベル及び厚さの調整の高い柔軟性を有するのと同時にオフ状態においてチャネル領域を完全に欠乏させることができ、かつ、オン状態の抵抗を最小にするとともにしきい値電圧を制御することである。
【0050】
図6は、MISパワートランジスタ400’の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ400’は、
図5のトランジスタ400と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0051】
トランジスタ400’は、バッファ層105がn型基板103の電荷を厳密に平衡させるのに必要な厚さより大きい厚さを有する点でトランジスタ400と異なる。換言すれば、トランジスタ400’において、層101と105の間の接合部に形成される空間電荷領域は、層105の上側部分に延在しない。
【0052】
トランジスタ400’において、チャネル領域(C)は、層105の上側部分に配置される。これを実現するために、キャビティ221のエッチング中に層101を厚さ全体に亘って除去し、その後、キャビティ221の底部において、層105の上側表面の最上部に絶縁層113及び導電ゲート111を直接配置してもよい。
【0053】
図7は、MISパワートランジスタ500の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ500は、
図3のトランジスタ200と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0054】
トランジスタ500は、チャネル領域(C)とドレイン領域(D)の間に第2の導電ゲート111’の最上部の第2のチャネル領域(C’)を備える点でトランジスタ200と異なる。ゲート111’は、上から見ると、チャネル領域(C)をドレイン領域(D)から切り離す、キャビティ221と異なるキャビティ221’に配置される。ゲート111と同様に、ゲート111’は、誘電体層113により層101から絶縁される。
【0055】
本例において、ソースメタライゼーション107をゲート111から切り離す距離L1及びドレインメタライゼーション109をゲート111’から切り離す距離L1’は、比較的小さい。しかしながら、ゲート111をゲート111’から切り離す距離L2は、比較的大きい、例えば、少なくとも距離L1の2倍である。チャネル領域(C)とチャネル領域(C’)の間に配置される層101の領域は、トランジスタのドリフト領域を規定する。
【0056】
動作中、(例えば、1000V以上の)高電圧をソースメタライゼーション107とドレインメタライゼーション109の間に印加することができる。例えば、(絶対値で15Vより下の)第1の低電圧及び第2の低電圧を、チャネル領域(C)及びチャネル領域(C’)のオン状態又はオフ状態を制御するために第1の導電ゲート111とソースメタライゼーション107の間及び第2の導電ゲート111’とドレインメタライゼーション109の間にそれぞれ印加することができる。
【0057】
図7のトランジスタ500の利点は、電圧及び電流が双方向であることである。
【0058】
図8は、MISパワートランジスタ600の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ600は、
図1のトランジスタ100と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0059】
トランジスタ600は、層101に形成されるとともに層105の上に存在する又は層105が存在しない場合に基板103の上に存在する半導体のフィンを備える。フィンは、本例では、層101の上側表面からエッチングされるとともに層105の上側表面まで深さ方向に延在するトレンチによって範囲が定められる。ゲート絶縁体113及び導電ゲート111は、フィンの少なくとも一部の三つの自由表面すなわち横側表面及び上側表面を被覆する。ゲート111によって部分的に包囲されるフィン部は、トランジスタのチャネル領域を形成する。ゲート111の両側は、トランジスタのソース領域(S)及びドレイン領域(D)をそれぞれ形成する層101の部分に配置される。簡単のために、ソースメタライゼーション及びドレインメタライゼーションを
図6に示さない。一例として、ソースメタライゼーション及びドレインメタライゼーションは、層101の上側表面の上に配置されるとともに層101の上側表面に接触する。層101より高いドーピングレベルを有する、(
図6に示さない)介在するp型のダイヤモンドの層を、ソースメタライゼーション及びドレインメタライゼーションと層101の間の境界面に設けてもよい。
【0060】
トランジスタ600を、上述したのと同様に制御してもよい。トランジスタは、トランジスタのチャネル領域のレベルの厚さ全体に亘るフィンの欠乏によってオフに切り替えられる。
【0061】
図1~8に関連して説明したトランジスタは全て縦型構造を有する、すなわち、電流が実質的に層101の縦方向に流れ、これによって、非常に小さい厚さの層101、例えば、10μmより小さい厚さの層101であるにもかかわらず、非常に高い絶縁破壊電圧、典型的には、1000Vより大きい絶縁破壊電圧の恩恵を受ける。
【0062】
考察した応用によれば、垂直構造又は疑似垂直構造を有する、すなわち、電流が実質的に縦方向に流れるディープディプレッションMISパワートランジスタを形成することができる。
【0063】
図9は、疑似垂直構造を有するMISパワートランジスタ700の一実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ700は、
図1のトランジスタ100と共通する構成要素を備える。以下、二つのトランジスタの間の違いのみを説明する。
【0064】
トランジスタ700は、層101に形成されるとともに層105の上に配置された半導体アイランド又はメサを備える。アイランドは、層101の上側表面からエッチングされるとともに層105の上側表面まで深さ方向に延在するトレンチによって範囲が定められる。ソースメタライゼーション107は、アイランドの上側表面の最上部に配置されるとともにアイランドの上側表面に接触し、それに対し、ドレインメタライゼーション109は、アイランドの周辺で層105の上側表面の最上部に配置されるとともに層105の上側表面に接触する。導電ゲート111は、層101に形成されたアイランドの側の上側部分に配置されるとともに誘電体層113により層103から切り離される。
図9及び
図10は寸法通りでないことに留意すべきである。実際には、ゲート111が延在する側の層101の上側部分は、側がゲート111によって被覆されていない層101の下側部分より著しく薄い。例えば、層101の下側部分の厚さは、少なくとも層101の上側部分の厚さの少なくとも2倍である。一例として、層101の上側部分の厚さは、1μm以下であり、層101の下側部分の厚さは、2μmから50μmまでの範囲である。
図7のトランジスタにおいて、ドリフト領域は、層101の下側部分に対応する。
【0065】
図10は、疑似垂直構造を有するMISパワートランジスタ800の他の実施の形態を図式的に示す断面図である。トランジスタ800は、
図3の例として、層101より高いドーピングレベルを有する、p型のドーピングされた単結晶ダイヤモンドから構成された上側層331を備える点で
図9のトランジスタ700と十分に異なる。半導体アイランドは、層331及び101の堆積に形成される。したがって、トランジスタのソースコンタクトメタライゼーション107は、層331の上側表面に接触する。
【0066】
特定の実施の形態を説明した。種々の変更及び変形が当業者によって生じる。特に、p型のMISトランジスタ構造のみを説明したが、NチャネルデプレッションMISトランジスタを取得するために全ての導電型を逆にすることによって上述した実施の形態を適応させることは、当業者の能力の範囲内である。
【0067】
さらに、
図1~10に関連して説明した例において、N型のドーピングされたダイヤモンド基板103を、異なる性質の基板、例えば、絶縁基板に置換してもよい。
【0068】
さらに、電圧耐性能力及び電流耐性能力を上げるために上述した形の複数の基本的なトランジスタを直列及び/又は並列にできることは当業者に明らかである。
【0069】
当業者が進歩性を示すことなく種々の上述した実施の形態及び変形の種々の構成要素を組み合わせることができることにも留意すべきである。特に、
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5に関連して説明した代替的な実施の形態を組み合わせてもよい。
本明細書に開示される発明は以下を含む。
[態様1]
第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたソース領域(S)及びドレイン領域(D)と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に配置された、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたチャネル領域(C)と、
前記チャネル領域と前記ドレイン領域の間に配置された、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成されたドリフト領域(DR)と、
前記チャネル領域の上に配置されるとともに誘電体層(113)によって前記チャネル領域から切り離された導電ゲート(111)と、
を備えるディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
[態様2]
内部に形成される前記ソース領域(S)、前記ドリフト領域(DR)及び前記ドレイン領域(D)を有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第1の層(101)と、
前記ソース領域(S)に電気的に接続したソースメタライゼーション(107)と、
前記ドレイン領域に電気的に接続したドレインメタライゼーション(109)と、
を更に備える請求項1に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
[態様3]
前記ソースメタライゼーション(107)及び前記ドレインメタライゼーション(109)は、前記第1の層(101)の同一の表面の側に配置された請求項2に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600)。
[態様4]
前記チャネル領域(C)は、前記第1の層(101)に形成された請求項3に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600)。
[態様5]
前記チャネル領域(C)のレベルにおける前記第1の層(101)の厚さは、前記ソース領域(S)及び前記ドレイン領域(D)のレベルにおける厚さと略同一である請求項4に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;600)。
[態様6]
プレーナ構造を有する請求項5に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100)。
[態様7]
前記第1の層(101)に形成された半導体のフィンを備え、前記導電ゲート(111)は、前記フィンの一部の上側表面及び横側表面を被覆する請求項5に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(600)。
[態様8]
前記チャネル領域(C)のレベルにおける前記第1の層(101)の厚さは、前記ソース領域(S)及び前記ドレイン領域(D)のレベルにおける厚さより小さい請求項4に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(300;500)。
[態様9]
前記チャネル領域は、前記第1の層(101)のドーピングレベルと異なるドーピングレベルを有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第2の層(441)に形成された請求項3に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(400)。
[態様10]
前記チャネル領域(C)と前記ドレイン領域(D)の間に配置された、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された追加のチャネル領域(C’)と、前記追加のチャネル領域の上に配置されるとともに前記誘電体層(113)によって前記追加のチャネル領域から切り離された追加の導電ゲート(111’)と、を備える請求項3~9のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタ。
[態様11]
前記ソースメタライゼーション(107)及び前記ドレインメタライゼーション(109)は、前記第1の層(101)の逆の表面の側に配置された請求項2に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(700;800)。
[態様12]
前記第1の層(101)より高いドーピングレベルを有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第3の層(331)は、前記ソースメタライゼーション(107)及び前記ドレインメタライゼーション(109)と前記第1の層(101)の間の境界面を形成する請求項2~11のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(300;800)。
[態様13]
前記第1の層(101)は、第2の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された基板(103)の上にある請求項2~11のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
[態様14]
前記第1の層(101)より高いドーピングレベルを有する、前記第1の導電型のドーピングされた半導体ダイヤモンドから構成された第4の層(105)は、前記基板(103)と前記第1の層(101)の間の境界面を形成する請求項13に記載のディープディプレッションMISトランジスタ(100;200:300;400;500;600;700;800)。
[態様15]
請求項1~14のいずれか一項に記載のディープディプレッションMISトランジスタと、制御回路と、を備え、前記制御回路は、
前記ディープディプレッションMISトランジスタをオフ状態にするためにしきい値電圧以上の第1のゲート-ソース電圧を前記ディープディプレッションMISトランジスタに印加し、
前記ディープディプレッションMISトランジスタをオン状態にするためにしきい値電圧未満の第2のゲート-ソース電圧を前記ディープディプレッションMISトランジスタに印加するように構成されたアセンブリ。