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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】冷水排出装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/22 20060101AFI20231002BHJP
   F16K 31/70 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
F16K11/22 Z
F16K31/70 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020536701
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2020011964
(87)【国際公開番号】W WO2021157101
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2020017716
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 健介
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-127499(JP,A)
【文献】特開2006-283274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
F16K 31/64-31/72
A47K 3/02- 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給水が設定温度以上の温水である場合に該温水を吐出流路から吐出口へと吐出し、前記設定温度未満の冷水である場合に該冷水を前記吐出流路から分岐する冷水排出流路から冷水排出口へと排出する冷水排出装置であって、
前記吐出流路と前記冷水排出流路との分岐部に設けられた感温式の第1切替弁体であって、前記吐出流路を常時開通させつつ前記供給水の温度変化に伴う管軸方向の伸縮により前記供給水が前記冷水である場合には前記冷水排出流路を開弁し前記温水である場合には前記冷水排出流路を閉弁する前記第1切替弁体と、
前記吐出流路と前記冷水排出流路との流路間に跨って設けられバネ力により前記吐出流路を閉弁する方向に付勢されたダイヤフラム式の第2切替弁体であって、前記温水が前記吐出流路に流される圧力により前記吐出流路を開弁し前記温水を前記吐出口へと吐出させる温水吐出モードと、前記冷水が前記冷水排出流路に流される圧力により前記吐出流路を閉弁し前記冷水を前記冷水排出口へと排出させる冷水排出モードと、止水後の前記第1切替弁体内の残水が前記設定温度未満となった場合に前記冷水排出流路が開弁されるのに伴い前記吐出口より下流側の残水から重力落下の圧力を受けて前記吐出流路を開弁し前記残水を前記冷水排出流路から排出させる残水排出モードと、に切り替えられる前記第2切替弁体と、を有する冷水排出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷水排出装置であって、
前記分岐部が、前記供給水の供給口から前記吐出流路へと流れる前記供給水の一部を取り込んで前記冷水排出流路へと分岐させる分岐配管から成る冷水排出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の冷水排出装置であって、
更に、前記冷水排出流路における前記第2切替弁体の圧力室より下流域に定流量弁が設けられる冷水排出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷水排出装置に関する。例えば該装置は、供給水が設定温度以上の温水である場合に該温水を下流側の吐出口へと吐出する。該装置は、設定温度未満の冷水である場合に該冷水を冷水排出口から排出する。
【背景技術】
【0002】
温調した湯水を使用者に噴出させるシャワー設備が従来知られている。例えば特開平3-18332号公報のシャワー設備は、使用初期の配管内冷水を外部に排出することが可能である。上記冷水排出装置には感温弁が埋め込まれている。感温弁は、湯水が流れる吐出流路に温度変化に伴う伸縮によって湯水の流通先を切り替える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術では、装置の大型化を抑制するため、感温弁が吐出流路の管軸方向に伸縮するように設けられている。そして、吐出流路が、感温弁を途中で横切りつつ、感温弁に沿って外側ケースとの間の狭い隙間内を管軸方向に延びる細径の構成とされている。更に、上記理由から、感温弁によって流通先が切り替えられる排出流路も細径の構成とされている。したがって、湯水の吐出流量及び冷水の排出流量を十分に確保することができない。そこで、装置の大型化を抑制しつつ、温水の吐出量と冷水の排出量とを適切に確保可能な冷水排出装置が従来必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の1つの形態の冷水排出装置は、供給水が設定温度以上の温水である場合に該温水を吐出流路から吐出口へと吐出する。設定温度未満の冷水である場合に、冷水排出装置は、該冷水を吐出流路から分岐する冷水排出流路から冷水排出口へと排出する。吐出流路と冷水排出流路との分岐部に感温式の第1切替弁体が設けられる。吐出流路と冷水排出流路との流路間に跨ってダイヤフラム式の第2切替弁体が設けられる。ダイヤフラムは、バネ力により吐出流路を閉弁する方向に付勢される。
【0005】
感温式の第1切替弁体は、吐出流路を常時開通させつつ、供給水の温度変化に伴う管軸方向の伸縮により、供給水が冷水である場合には冷水排出流路を開弁する。温水である場合には第1切替弁体は、冷水排出流路を閉弁する。ダイヤフラム式の第2切替弁体は、温水吐出モードと、冷水排出モードと、残水排出モードと、に切り替えられる。
【0006】
温水吐出モードでは、温水が吐出流路に流される圧力により吐出流路が開弁して温水が吐出口へと吐出される。冷水排出モードでは、冷水が冷水排出流路に流される圧力により吐出流路が閉弁して冷水が冷水排出口へと排出される。残水排出モードでは、止水後の第1切替弁体内の残水が設定温度未満となった場合に冷水排出流路が開弁される。これに伴い吐出口より下流側の残水から重力落下の圧力を受けて吐出流路が開弁し、残水が冷水排出流路から排出される。
【0007】
上記構成によれば、第1切替弁体が吐出流路を常時開通させることから、吐出流路を広く確保することができる。また、第2切替弁体は、供給水が冷水である時には吐出流路を閉弁できる。しかも第2切替弁体は、冷水排出装置内の冷えた残水を排出する時には吐出流路を合理的に開弁することができる。このような弁機構の合理化により、冷水排出装置の大型化を抑制しつつ、温水の吐出量と冷水の排出量とを適切に確保可能な構成を得ることができる。
【0008】
また、本開示の1つの形態の冷水排出装置は、更に次のように構成されていてもよい。分岐部が、供給水の供給口から吐出流路へと流れる供給水の一部を取り込んで冷水排出流路へと分岐させる分岐配管から成る。上記構成によれば、常時開通される吐出流路を広く確保することができる。
【0009】
また、本開示の1つの形態の冷水排出装置は、更に次のように構成されていてもよい。更に、冷水排出流路における第2切替弁体の圧力室の下流域に定流量弁が設けられる。上記構成によれば、定流量弁により、冷水排出時に第2切替弁体の圧力室に適切に圧力をかけて、吐出流路を適切に閉弁することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】1つの実施形態に係る冷水排出装置の概略構成を表した正面図である。
図2】冷水排出装置の斜視図である。
図3】冷水排出装置の内部構造を表した部分断面斜視図である。
図4図3のIV部拡大図である。
図5図3のV部拡大図である。
図6】冷水供給時の各弁の状態を表した図3に対応する断面図である。
図7】温水供給時の各弁の状態を表した図3に対応する断面図である。
図8】残水排出時の各弁の状態を表した図3に対応する断面図である。
図9】切替操作部材により冷水排出機能をオフにした状態を表した図4に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つの実施形態に係る冷水排出装置10の構成について、図1図9を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
【0012】
図1に示すように、浴室の壁面Wに混合水栓1が取り付けられている。混合水栓1からオーバーヘッド式のシャワーヘッド6へと至る湯水の供給経路上に冷水排出装置10が設けられている。具体的には、冷水排出装置10は、混合水栓1と流路接続されて上方へと延びるシャワー供給管4と、シャワー供給管4と流路接続されて上方へと延びるシャワー吐出管5と、の接続部に介設されている。シャワー吐出管5の上端部がシャワーヘッド6と接続されている。
【0013】
混合水栓1は、浴室の壁面Wの裏側から供給される湯と水とを内部で混合して吐出することのできる機能を備える。具体的には、浴室の壁面W内または裏側には、図示しない湯水の経路となる配管が設けられている。水栓本体2の背面には図示しない湯水の接続口がそれぞれ形成されている。水栓本体2の湯水の接続口は、クランク状に偏心した給湯管3Aと給水管3Bとを介して各配管と流路接続される。
【0014】
混合水栓1は、上記供給される湯水の混合割合を内部で調節することが可能な温調機能を備える。また、混合水栓1は、上記混合した湯水の吐止経路を切り替えることが可能な切替機能と、吐出する湯水の量を調節することが可能な吐出量の調節機能と、を備える。
【0015】
上記湯水の混合割合の調節は、水栓本体2の側部(例えば左側部)に取り付けられた略円筒型の温調ハンドル2Aの操作によって行われる。また、吐止水の経路の切り替え及び吐出量の調節は、水栓本体2の側部(例えば右側部)に取り付けられた略円筒型の切替ハンドル2Bの操作によって行われる。具体的には、使用者が温調ハンドル2Aを所望の回転位置へと回すことで、水栓本体2の内部で混合される湯水の混合割合が上記の回転位置に応じた設定温度に調節される。
【0016】
使用者が切替ハンドル2Bを所定の止水位置(図示位置)から上向き又は下向きに回す。これにより水栓本体2が、切替ハンドル2Bの回転移動量に応じた量の湯水を、水栓本体2に流路接続されたシャワーヘッド6又はカラン7に選択的に吐出する。本実施形態では、切替ハンドル2Bが上向きに回されることでシャワーヘッド6から湯水が吐出される。切替ハンドル2Bが下向きに回されることでカラン7から湯水が吐出される。
【0017】
冷水排出装置10は、上記切替ハンドル2Bの操作によってシャワーヘッド6から湯水を吐出する際、使用初期の配管内に残る冷水がシャワーヘッド6から使用者に噴出されないよう、配管内の冷水を外部に排出することのできる機能を備える。以下、冷水排出装置10の具体的な構成について詳しく説明する。
【0018】
図2に示すように、冷水排出装置10は、前後方向に延びる縦長な略箱形状に形成されている。冷水排出装置10の下端部にシャワー供給管4の上端部が流路接続され、上端部にシャワー吐出管5の下端部が流路接続される。シャワー供給管4の上端部とシャワー吐出管5の下端部は、それぞれ、冷水排出装置10に対して、互いに同一軸線上に並ぶ位置にて流路接続される。
【0019】
冷水排出装置10は、具体的には、図3に示すように、縦長な略箱形状を成す装置本体11を有する。装置本体11の内部には、複数の区画壁12や配管が設けられることで、複数の流路が形成される。以下の説明では、冷水排出装置10内に設けられた主要な配管については符号を付して説明するが、それ以外の配管については、符号を付さず、代わりに各配管により形成される流路や開口に符号を付して説明することとする。各図において、冷水排出装置10内に設けられる各流路や開口については、符号を四角で囲って表示する。
【0020】
図3に示すように、冷水排出装置10の下端部に、シャワー供給管4の上端部と流路接続される下向き開口の供給口D1が形成される。冷水排出装置10の上端部に、シャワー吐出管5の下端部と流路接続される上向き開口の吐出口D7が形成される。冷水排出装置10の後端部の上部箇所に、冷水を外部へと排出する後向き開口の冷水排出口D4が形成される。
【0021】
図4に示すように、冷水排出装置10は、上記供給口D1の下流側となる上方位置に、流路を上向きと後向きとに分岐させる分岐流路D2を備える。また、冷水排出装置10は、分岐流路D2の後側に冷水排出流路D3を備える。冷水排出流路D3は、図3に示すように分岐流路D2と冷水排出口D4を繋げる。冷水排出流路D3は、分岐流路D2の後側に分岐された流路との接続口から、流路を上向きに立ち上げて、更にそこから流路を後向きに折り曲げて冷水排出口D4へと繋がる形状とされる。
【0022】
図5に示すように、冷水排出流路D3の上向きから後向きへと折れ曲がる流路の折れ曲がり箇所には、前方に流路を僅かに拡張させる圧力室D5が形成されている。圧力室D5は、後述するダイヤフラム式の第2切替弁体17に後方から圧力を作用させる領域とされる。圧力室D5は、前後方向に管軸方向を向ける円管状の区画配管19により形成されている。
【0023】
図3に示すように、冷水排出装置10は、分岐流路D2の上向きに延びる流路と接続されて上側の吐出口D7へと繋がる吐出流路D6を備える。吐出流路D6の吐出口D7へと延びる流路の途中箇所は、後述する第2切替弁体17により流通不能に閉弁されたり流通可能に開弁されたりする。冷水排出口D4は、吐出口D7よりも低い位置に設けられている。
【0024】
図4に示すように、分岐流路D2は、前後方向に管軸方向を向ける円管状の分岐配管13により形成されている。分岐配管13は、第1開口部(管軸開口)13Aと第2開口部(管壁開口)13Bを有する。図6に示すように第1開口部13Aは、分岐配管13の後端部に位置し、周壁部に冷水排出流路D3に連通する開口を有する。図7に示すように分岐配管13は、分岐配管13の前後中央領域に位置し、周壁部に吐出流路D6に連通する開口と、供給口D1に連通する開口を有する。
【0025】
図7に示すように、第2開口部13Bは、供給口D1の直上に位置している。第2開口部13Bは、供給口D1から供給された湯水の一部を分岐配管13内に取り込む取込口として機能する。すなわち、供給口D1から上向きに流された湯水は、その一部が第2開口部13Bから分岐配管13内に取り込まれるが、それ以外は分岐配管13を上方に通り越して吐出流路D6へと流される。
【0026】
図4に示すように、冷水排出装置10は、更に、分岐配管13内にセットされる感温式の第1切替弁体14を備える。第1切替弁体14は、分岐配管13内に取り込まれる湯水の温度に応じて、管軸方向に自律的に伸縮動作する感温式の弁機構を備える。
【0027】
具体的には、第1切替弁体14は、図4に示すように、管軸方向に丸棒状に延びる軸部14Aと、軸部14Aの後端部に組み付けられた開閉弁14Bと、を有する。更に、第1切替弁体14は、開閉弁14Bに閉弁方向となる後方向へのバネ力を作用させる形状記憶合金製の感温バネ14Cを有する。更に、第1切替弁体14は、軸部14Aに対して開閉弁14Bを開弁させる前方向へのバネ力を作用させるバイアスバネ14Dを有する。
【0028】
図4に示すように、軸部14Aは、分岐配管13内に前方から嵌め込まれた円管状の嵌合管14E内に軸方向に挿通されている。この挿通により、軸部14Aは、嵌合管14Eの内周面により管軸方向の摺動動作のみが可能となるように外周側から支持される。
【0029】
図4に示すように、嵌合管14Eにより支持される軸部14Aの外周面部位には、リング状の溝が形成されて、溝にゴム製のOリング14A1が装着されている。Oリング14A1は、軸部14Aの外周面と嵌合管14Eの内周面との隙間を全周に亘って塞ぐ。それにより、分岐流路D2内に流れ込んだ湯水が、軸部14Aの外周面と嵌合管14Eの内周面との間の隙間から前方に漏出しないようになっている。
【0030】
図4に示すように、軸部14Aの前端部は、装置本体11の前端下部に組み付けられた切替操作部材20の丸孔状の通し孔23Aに前方から挿通されている。この挿通により、軸部14Aの前端部は、切替操作部材20の通し孔23Aの内周面によって外周側から支持される。軸部14Aの後端部は、径方向に円板状に張り出すフランジ部14Fに前方から通される。軸部14Aの後端部は、開閉弁14Bにも前方から通される。フランジ部14Fと開閉弁14Bが厚み方向に重ねられる。開閉弁14Bは、ゴム製の中空円板状の部材から成る。
【0031】
図4に示すように、感温バネ14Cは、コイル状に巻かれたバネ部材から成る。軸部14Aの後端部が嵌合管14Eに続いて感温バネ14Cとフランジ部14Fに前側から通される。これにより感温バネ14Cは、嵌合管14Eとフランジ部14Fとの間にセットされる。感温バネ14Cは、弾発力(バネ力)を利用して、嵌合管14Eの後側面を支点にフランジ部14Fを後方向へ押す。感温バネ14Cは、分岐配管13内に取り込まれた湯水との接触により、湯水の温度に応じて硬さを変化させる特性を備える。
【0032】
具体的には、図4を参照するように、感温バネ14Cは、分岐配管13内に取り込まれる供給水が設定温度(例えば35度)以上の温水である場合には、バイアスバネ14Dのバネ力に打ち勝つ硬さとなって管軸方向に伸長する。それにより、開閉弁14Bが、分岐配管13の後端部に押し付けられて、第1開口部13Aを閉弁する。
【0033】
一方、感温バネ14Cは、図6を参照するように、分岐配管13内に取り込まれる供給水が設定温度未満の冷水である場合には、バイアスバネ14Dのバネ力により押し縮められる軟らかさとなって管軸方向に収縮する。それにより、開閉弁14Bが、バイアスバネ14Dのバネ力により分岐配管13の後端部から前方に引き離されて、第1開口部13Aを開弁する。
【0034】
図4に示すように、バイアスバネ14Dも、コイル状に巻かれたバネ部材から成る。バイアスバネ14Dに軸部14Aが通されて、バイアスバネ14Dが嵌合管14Eの前側面と軸部14Aの前端近傍部に形成された径方向に円板状に張り出すフランジ部14Gとの間にセットされる。それにより、バイアスバネ14Dは、弾発力(バネ力)を利用し、嵌合管14Eの前側面を支点に軸部14Aの前端側のフランジ部14Gに前方向へ押す。
【0035】
図3に示すように、冷水排出装置10は、更に、冷水排出流路D3の圧力室D5よりも下流側の領域に、冷水排出口D4への排出流量を一定以内に制限することのできる定流量弁15Bを備える。この定流量弁15Bによる流量制限によって、冷水排出時に冷水排出流路D3から圧力室D5に掛けられる圧力が一定以上の大きさとなるように保持される。冷水排出口D4には、網や格子状の部品の組み合わせにより冷水の排出を整えて飛び散りを防止する整流器16が装着されている。
【0036】
図4に示すように、冷水排出装置10は、更に、シャワー供給管4と接続される供給口D1にも、供給口D1への供給流量を一定以内に制限することのできる定流量弁15Aを備える。この定流量弁15Aによる流量制限によって、シャワー吐出管5への吐出流量が一定以内に保持される。
【0037】
図5に示すように、冷水排出装置10は、更に、吐出流路D6と冷水排出流路D3の圧力室D5とに跨って設けられるダイヤフラム式の第2切替弁体17を備える。第2切替弁体17は、第1切替弁体14による流路切り替えの動作に応じて、図6に示す冷水排出モードM1と、図7に示す温水吐出モードM2と、図8に示す残水排出モードM3と、の3つのモードに切り替えられる構成とされる。
【0038】
具体的には、図6に示すように、第2切替弁体17は、分岐配管13内に冷水が取り込まれて冷水排出流路D3に冷水が流される時には、冷水排出流路D3を流れる冷水の圧力により吐出流路D6を閉弁した冷水排出モードM1となる。また、図7に示すように、第2切替弁体17は、分岐配管13内に温水が取り込まれて吐出流路D6に温水が流される時には、吐出流路D6を流れる温水の圧力により吐出流路D6を開弁した温水吐出モードM2となる。
【0039】
また、図8に示すように、第2切替弁体17は、止水後の分岐配管13内に残る残水が冷めて設定温度未満の冷水となった場合には、第1切替弁体14により第1開口部13A(冷水排出流路D3)が開弁されるのに伴い、吐出口D7から下流側の残水が重力作用により落下する圧力を受けて吐出流路D6を開弁した残水排出モードM3となる。それにより、吐出口D7から下流側の残水が第1切替弁体14を経由して冷水排出流路D3から冷水排出口D4へと排出される。
【0040】
図5に示すように、第2切替弁体17は、冷水排出流路D3の圧力室D5を形成する円管状の区画配管19内にセットされている。具体的には、第2切替弁体17は、管軸方向に面を向ける円板形状の受圧板17Aと、受圧板17Aの中心部に通された管軸方向に延びる軸部17Bと、受圧板17Aの前面部に重ね合わせ状に接合されたダイヤフラム弁17Cと、を有する。更に、第2切替弁体17は、受圧板17Aに閉弁方向となる前方向へのバネ力を作用させる調圧バネ17Dを有する。
【0041】
図5に示すように、受圧板17Aは、その外周縁から後方向に円筒状に張り出す張出部を有する。受圧板17Aは、区画配管19の配管内に緩やかに嵌り込んだ状態にセットされている。それにより、受圧板17Aは、区画配管19に対して、管軸方向の摺動動作のみが可能となるように外周側から支持される。
【0042】
図5に示すように、ダイヤフラム弁17Cは、ゴム製の薄膜状部材から成る。ダイヤフラム弁17Cは、その受圧板17Aの外周縁から全周に亘って食み出す周縁部分が、区画配管19の内周壁に全周に亘って接合されている。それにより、ダイヤフラム弁17Cは、吐出流路D6と圧力室D5とを完全に仕切っている。
【0043】
図5に示すように、調圧バネ17Dは、コイル状に巻かれたバネ部材から成る。調圧バネ17Dの前端部に軸部17Bが通される。調圧バネ17Dは、受圧板17Aと区画配管19に固定されたバネ支持具19Aとの間にセットされる。それにより、調圧バネ17Dは、弾発力(バネ力)を利用して、バネ支持具19Aを支点に受圧板17Aを前方向へ押す。バネ力により、ダイヤフラム弁17Cは、受圧板17Aから前方に押圧され、その前方に設けられた吐出中継配管18の下流側開口18Bに後方から押し付けられて下流側開口18Bを閉弁する。
【0044】
ダイヤフラム弁17Cは、図6に示すように、分岐配管13内に冷水が取り込まれて、冷水が冷水排出流路D3に流される時にも、吐出中継配管18の下流側開口18Bを閉弁した状態(冷水排出モードM1)に保持される。その理由は、冷水排出流路D3に冷水が流れ込むことで、ダイヤフラム弁17Cが、圧力室D5に臨む受圧板17Aに冷水の圧力が掛けられて前方へと押圧されるためである。その際、ダイヤフラム弁17Cは、冷水排出流路D3の下流域に設けられた定流量弁15Bによる流量制限により、前方に押圧される力を適切に受けるようになっている。
【0045】
一方、ダイヤフラム弁17Cは、図7に示すように、吐出流路D6に温水が流される時には、その圧力により、調圧バネ17Dのバネ力に抗して後方に押し込まれる。それにより、ダイヤフラム弁17Cは、吐出中継配管18の下流側開口18Bから後方に引き離されて下流側開口18Bを開弁する。それにより、第2切替弁体17は、ダイヤフラム弁17Cにより吐出流路D6を開弁して、温水を吐出口D7へと吐出することのできる温水吐出モードM2となる。
【0046】
図5に示すように、吐出中継配管18は、前後方向に管軸方向を向ける円管状の配管から成る。吐出中継配管18は、区画配管19よりもひとまわり小さな円管形状とされる。吐出中継配管18の後端部が区画配管19内に前方から僅かに入り込んだ状態に配置される。
【0047】
図7に示すように、供給口D1から吐出流路D6に湯水が流れ込んだ際、吐出中継配管18の前端側の上流側開口18Aから湯水を配管内に取り込む。そして、吐出中継配管18は、供給水が温水である場合(圧力室D5に冷水排出流路D3からの冷水の圧力が掛けられない場合)には、その後端側の下流側開口18Bから温水を下流側へと流す。
【0048】
すなわち、供給水が温水である場合には、圧力室D5に冷水排出流路D3からの圧力が掛からないため、吐出中継配管18内を流れる温水がダイヤフラム弁17Cを後方へと押圧することで、ダイヤフラム弁17Cを開弁することができる。それにより、下流側開口18Bから温水が下流側へと流れ出る。下流側開口18Bから流れ出た温水は、開弁状態となったダイヤフラム弁17Cを壁として、吐出中継配管18の後端部と同後端部を取り囲む区画配管19の前端部との間の隙間から前方へと跳ね返るように流れ、下流側の吐出口D7へ吐出される。
【0049】
図3に示すように、冷水排出装置10は、更に、その前端下部に、使用者による外部からの操作により冷水排出機能を無効な状態に切り替えることのできる切替操作部材20を有する。切替操作部材20は、図4に示すように、前後方向に管軸方向を向ける円管状の接続配管21と、接続配管21に対して回転可能なように連結された円筒容器形状の操作ハンドル22と、操作ハンドル22の操作により接続配管21内を管軸方向に摺動する円筒形状のスライダ23と、を有する。
【0050】
図4に示すように、接続配管21の後端部が分岐配管13の前端部に接続されて、接続配管21が装置本体11から前方に突出する。操作ハンドル22は、使用者の立つ前方向きに円筒容器の底面を向ける向きになるように装置本体11に設けられる。操作ハンドル22の円筒内部に、底面の中心部から後方に向かって丸棒状に送りねじ軸22Aが突出する。操作ハンドル22は、送りねじ軸22Aが接続配管21内に前方から通されるように、接続配管21にセットされる。これにより操作ハンドル22が接続配管21を外周側から覆う。
【0051】
図4に示すように、上記組み付けにより、送りねじ軸22Aが接続配管21の内周面により回転可能なように支持される。それにより、操作ハンドル22が、接続配管21に対して、接続配管21の周りに回転操作を行える。
【0052】
図4に示すように、スライダ23は、接続配管21内にセットされて、接続配管21に対して管軸方向の摺動動作のみが可能となるように外周側から支持される。スライダ23の円筒部の内周面に螺旋状の雌ねじが形成されており、接続配管21内に通される送りねじ軸22Aの雄ねじとスライダ23が螺合されている。それにより、スライダ23は、操作ハンドル22の回転操作に伴い、送りねじ軸22Aにより管軸方向に移動する。
【0053】
図9に示すように、具体的には、スライダ23は、操作ハンドル22が左回りに回されることで、送りねじ軸22Aにより接続配管21内を後方へと送られる。それにより、スライダ23の後端面が第1切替弁体14のフランジ部14Gの前面に押し当てられる。そして、スライダ23は、第1切替弁体14の軸部14Aを後方へと押圧して、開閉弁14Bを分岐配管13の後端部に押し付けて第1開口部13Aを閉弁する。
【0054】
それにより、図9に示すように、第1切替弁体14は、感温バネ14Cの管軸方向の伸長を規制する。その結果、第1切替弁体14は、分岐配管13内に取り込まれる湯水の温度によらず、常に、第1開口部13Aを閉弁した状態に保持される。すなわち、第1切替弁体14は、分岐配管13内に冷水が流れ込んだとしても、第1開口部13Aを開弁せず、冷水を吐出流路D6へと流す状態となる。したがって、図7を参照するように、吐出流路D6を流れる湯水が、常にダイヤフラム弁17Cを押圧して開弁し、吐出口D7へと吐出されることとなる。
【0055】
また、スライダ23は、図4に示すように、操作ハンドル22が右回りに回されることで、内部の送りねじ軸22Aの回転に伴い接続配管21内を前方へと送られる。それにより、スライダ23の後端面が第1切替弁体14のフランジ部14Gから前方に引き離される。その結果、第1切替弁体14が、分岐配管13内に取り込まれる湯水の温度に応じて、感温バネ14Cを管軸方向に伸縮させられる状態へと戻される。
【0056】
図4に示すように、操作ハンドル22は、その右回りの回転により、スライダ23が送りねじ軸22Aの段差部22Bに後方から突き当てられて回転止めされる位置で、右回りの回転が規制される構成とされる。操作ハンドル22の右回りの回転が規制される位置まで回されることで、操作ハンドル22の外周面上に形成された突起22Cが操作ハンドル22の真上にくるようになっている。
【0057】
図9に示すように、操作ハンドル22の左回りの回転により、スライダ23が第1切替弁体14の軸部14Aを後方に押圧して第1開口部13Aを閉弁して、左回りの回転が規制される。操作ハンドル22は、左回りの回転が規制される位置まで回されることで、その外周面上に形成された突起22Cが操作ハンドル22の真下にくるようになっている。すなわち、操作ハンドル22は、上記突起22Cが真上にくる位置と真下にくる位置との間の180度の間で回転可能である。操作ハンドル22の回転操作によって、冷水排出機能を有効な状態と無効な状態とに切り替えられる。
【0058】
図6を参照しながら、冷水排出の流れについて説明する。詳しくは、冷水排出装置10に供給される供給水が設定温度(例えば35度)未満の冷水である場合の冷水排出の流れについて説明する。この場合、冷水は、図6の薄い太塗りの矢印で示したように冷水排出口D4へと排出される。なお、薄い太塗りの矢印は、冷水排出の流れを概略的に表すものであり、実際は、上記矢印の通る各配管内の流路や開口を通って冷水が流される。
【0059】
図6に示すように、先ず、冷水が供給口D1を通って分岐流路D2内に流れ込むと、感温式の第1切替弁体14が分岐配管13の後端側の第1開口部13Aを開弁する。それにより、冷水が、第1開口部13Aから冷水排出流路D3へと流され、冷水排出口D4から外部へと排出される。
【0060】
図6に示すように、冷水排出流路D3へと流された冷水は、圧力室D5へも流れ込み、第2切替弁体17のダイヤフラム弁17Cを後方から押す。それにより、第2切替弁体17が、吐出中継配管18の下流側開口18Bを閉弁する。その結果、冷水排出モードM1となる。
【0061】
図6に示すように、一方、供給口D1から分岐流路D2を通り越して吐出流路D6へと流された冷水は、ダイヤフラム弁17Cにより閉弁された吐出中継配管18にて食い止められる。その結果、冷水の吐出口D7への吐出が阻止される。
【0062】
図7を参照しながら、温水吐出の流れについて説明する。詳しくは、冷水排出装置10に供給される供給水が設定温度(例えば35度)以上の温水である場合の温水吐出の流れについて説明する。この場合、温水は、図7の黒い太塗りの矢印で示したように吐出口D7へと吐出される。なお、黒い太塗りの矢印も、温水吐出の流れを概略的に表すものであり、実際は、上記矢印の通る各配管内の流路や開口を通って温水が流される。
【0063】
図7に示すように、先ず、温水が供給口D1を通って分岐流路D2内に流れ込むと、感温式の第1切替弁体14が分岐配管13の後端側の第1開口部13Aを閉弁する。それにより、分岐流路D2を通り越して吐出流路D6へと流される温水が、ダイヤフラム弁17Cに前方からの圧力を作用させて、ダイヤフラム弁17Cをバネ力に抗して後方へと押し動かす。
【0064】
その結果、第2切替弁体17が、吐出中継配管18の下流側開口18Bを開弁する。これにより温水吐出モードM2となる。それにより、吐出流路D6を流れる温水が、吐出中継配管18を通って吐出口D7へと吐出される。
【0065】
図8を参照しながら、残水排出の流れについて説明する。詳しくは、止水後の分岐配管13内に残る残水が冷めて設定温度(例えば35度)未満の冷水となった場合の残水吐出の流れについて説明する。この場合、冷めた残水が図8の薄い太塗りの矢印で示したように流れて冷水排出口D4へと排出される。なお、薄い太塗りの矢印は、残水排出の流れを概略的に表すものであり、実際は、上記矢印の通る各配管内の流路や開口を通って残水が流される。
【0066】
図8に示すように、先ず、止水後の分岐配管13内に残る残水が冷めて冷水となると、感温式の第1切替弁体14が分岐配管13の後端側の第1開口部13Aを開弁する。それにより、吐出流路D6内の残水が、重力作用により第1開口部13Aから冷水排出流路D3へと流される。更に、吐出口D7より下流側に残る残水も、その重力落下の圧力により、ダイヤフラム弁17Cに前方からの圧力を作用させて、ダイヤフラム弁17Cをバネ力に抗して後方へと押し動かす。
【0067】
その結果、第2切替弁体17が下流側開口18Bを開弁して、残水排出モードM3となる。それにより、吐出流路D6内の残水や吐出口D7より下流側の残水が、重力作用によって第1開口部13Aから冷水排出流路D3へと流されて、冷水排出口D4から外部へと排出される。したがって、図1でシャワー吐出管5やシャワーヘッド6内に残る残水が時間経過により冷めて冷水になったとしても、次回使用時に使用者に噴出されることがなくなる。
【0068】
以上をまとめると、第1の実施形態に係る冷水排出装置10は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0069】
図3に示すように、冷水排出装置(10)は、供給水が設定温度以上の温水である場合に該温水を吐出流路(D6)から吐出口(D7)へと吐出する。冷水排出装置(10)は、設定温度未満の冷水である場合に該冷水を吐出流路(D6)から分岐する冷水排出流路(D3)から冷水排出口(D4)へと排出する。吐出流路(D6)と冷水排出流路(D3)との分岐部に感温式の第1切替弁体(14)が設けられる。吐出流路(D6)と冷水排出流路(D3)との流路間に跨ってダイヤフラム式の第2切替弁体(17)が設けられる。ダイヤフラムは、バネ力により吐出流路(D6)を閉弁する方向に付勢される。
【0070】
図3に示すように、感温式の第1切替弁体(14)は、吐出流路(D6)を常時開通させつつ、供給水の温度変化に伴う管軸方向の伸縮により、供給水が冷水である場合には冷水排出流路(D3)を開弁する。第1切替弁体(14)は、温水である場合には冷水排出流路(D3)を閉弁する。ダイヤフラム式の第2切替弁体(17)は、温水吐出モード(M2)と、冷水排出モード(M1)と、残水排出モード(M3)と、に切り替えられる。
【0071】
図7に示すように、温水吐出モード(M2)では、温水が吐出流路(D6)に流される圧力により吐出流路(D6)を開弁して温水が吐出口(D7)へと吐出される。図6に示すように、冷水排出モード(M1)では、冷水が冷水排出流路(D3)に流される圧力により吐出流路(D6)を閉弁して冷水が冷水排出口(D4)へと排出される。図8に示すように、残水排出モード(M3)では、止水後の第1切替弁体(14)内の残水が設定温度未満となった場合に、冷水排出流路(D3)が開弁されるのに伴い吐出口(D7)より下流側の残水から重力落下の圧力を受けて吐出流路(D6)が開弁する。これにより残水が冷水排出流路(D3)から排出される。
【0072】
上記構成によれば、第1切替弁体(14)が吐出流路(D6)を常時開通させる構成であることから、吐出流路(D6)を広く確保することができる。また、第2切替弁体(17)により、供給水が冷水である時には吐出流路(D6)を閉弁できる構成でありながらも、冷水排出装置(10)内の冷えた残水を排出する時には吐出流路(D6)を合理的に開弁することができる。このような弁機構の合理化により、冷水排出装置(10)の大型化を抑制しつつ、温水の吐出量と冷水の排出量とを適切に確保可能な構成を得ることができる。
【0073】
図4に示すように、分岐部が、供給水の供給口(D1)から吐出流路(D6)へと流れる供給水の一部を取り込んで冷水排出流路(D3)へと分岐させる分岐配管(13)から成る。上記構成によれば、常時開通される吐出流路(D6)を広く確保することができる。
【0074】
図5に示すように、冷水排出流路(D3)における第2切替弁体(17)の圧力室(D5)より下流域に定流量弁(15B)が設けられる。上記構成によれば、定流量弁(15B)により、冷水排出時に第2切替弁体(17)の圧力室(D5)に適切に圧力をかけて、吐出流路(D6)を適切に閉弁することができる。
【0075】
以上、1つの実施形態を用いて説明したが、本開示は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
【0076】
本開示の冷水排出装置は、混合水栓とオーバーヘッド式のシャワーヘッドとを繋ぐ湯水の供給経路上に設けられるものに限らない。例えば、冷水排出装置は、混合水栓と手持ち式のシャワーヘッド又はカランとを繋ぐ湯水の供給経路上に設けられるものであっても良い。また、冷水排出装置は、キッチンや洗面台等の浴室の壁面以外の場所に設置される混合水栓に接続されるものであっても良い。
【0077】
感温式の第1切替弁体は、冷水排出装置の施工状態において、その伸縮方向(管軸方向)が高さ方向を向いて設けられる構成であっても良い。ダイヤフラム式の第2切替弁体も同様に、冷水排出装置の施工状態において、その可動方向が高さ方向を向いて設けられる構成であっても良い。第1切替弁体の伸縮方向と第2切替弁体の可動方向とは、必ずしも互いに平行向きでなくても良く、互いに捩れの関係となる向きに配置されるものであっても良い。
【0078】
吐出流路は、第1切替弁体が設けられる分岐流路に対して管軸方向に流路接続される構成であっても良い。また、冷水排出流路は、第1切替弁体が設けられる分岐流路に対して、管軸方向とは交差する方向に流路接続される構成であっても良い。また、供給口から供給される供給水の全てが第1切替弁体を通って吐出流路に流される構成であっても良い。
【0079】
供給口と吐出口とは、互いに一直線上に並ばない配置であっても構わない。上記供給口、吐出口、及び冷水排出口は、それぞれ、冷水排出装置の施工状態において、どちら向きに開口するように設けられていても良い。
【0080】
第1切替弁体の感温バネは、コイル状に巻かれた形状記憶合金製のバネ部材でなく、ワックスタイプのサーモエレメントから成る構成であっても良い。第1切替弁体による温水吐出と冷水排出との切り替え温度は、感温バネとバイアスバネとのバネ力のバランス調整により適宜自由に設定可能であり、35度未満或いは35度より高い温度に設定されていても良い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9