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特許7358391キャビテーション気泡を撮像する手段を備えた超音波処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】キャビテーション気泡を撮像する手段を備えた超音波処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20231002BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61N7/00
A61B8/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020563537
(86)(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 EP2019063455
(87)【国際公開番号】W WO2019224350
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】1854428
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520430930
【氏名又は名称】カーディアウェイブ・エス・ア
(73)【特許権者】
【識別番号】591100596
【氏名又は名称】アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル
(73)【特許権者】
【識別番号】311016455
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
(73)【特許権者】
【識別番号】515232158
【氏名又は名称】エコール・スーペリウール・ドゥ・フィジック・エ・ドゥ・シミ・アンデュストリエル・ドゥ・ラ・ビル・ドゥ・パリ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペルノ,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】スアレス,ダニエル
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/182655(WO,A1)
【文献】特表2012-507320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0169444(US,A1)
【文献】国際公開第2016/157072(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0056924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 7/00-7/02
A61B 8/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を用いて治療を提供する装置であって、
集束超音波の生成に適した治療超音波トランスデューサ(ATA)と、
前記治療超音波トランスデューサに関連する撮像超音波トランスデューサ(UID)と、
電子システムと、
を備え、前記電子システムは、
焦点スポット(TF)が人間又は動物の体の処置領域内部に位置しているとき、前記トランスデューサの前記焦点スポットにキャビテーション気泡(BC)クラウドを生成させるのに適した持続時間でエネルギーの超音波パルス列を発するように前記治療超音波トランスデューサを制御することと、
前記治療超音波トランスデューサにより発せされる2つの超音波パルス間で、前記処置領域に向けられた超音波を発して、前記超音波のエコーを取得し、前記エコーを処理して、前記処置領域の少なくとも1つの像を再構築するように前記撮像超音波トランスデューサを制御することと、
前記治療超音波トランスデューサにより発せられたN>1個の超音波パルスの複数のエコー信号を取得することであって、前記エコー信号は前記撮像超音波トランスデューサにより捕捉される、取得することと、
ビーム形成アルゴリズムを使用して前記治療超音波トランスデューサにより発せられた前記N個の超音波パルスの前記エコー信号を処理し、各エコー像(F~F)を形成し、時空間フィルタリングを使用して、前記キャビテーション気泡からの前記超音波パルスの後方散乱を表す前記エコー像の成分を抽出できるようにし、前記処置領域の組織からの後方散乱を表す成分から分離して、前記キャビテーション気泡クラウドの像(IBC)を再構築することと、
前記処置領域の前記像に重ねて、前記キャビテーション気泡クラウドの前記像を表示することと、
を行うように構成される、超音波により治療を提供する装置。
【請求項2】
前記電子システムは、前記キャビテーション気泡クラウドの前記像の前記再構築中、前記治療超音波トランスデューサと前記焦点スポットとの間及び前記焦点スポットと前記撮像超音波トランスデューサとの間の前記超音波の伝播時間差の補償を導入するようにも構成される、請求項1に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項3】
前記電子システムは、0.1μs~50μs、または0.5μs~20μsの持続時間を有する超音波パルス列を発するよう前記治療超音波トランスデューサを制御するように構成される、請求項1又は2に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項4】
Nは2~10,000、または2~1,000を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項5】
前記電子システムは、並列ビーム形成アルゴリズムにより前記キャビテーション気泡クラウドの前記像を再構築するように構成される、請求項1~4の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項6】
前記電子システム及び前記治療超音波トランスデューサは、持続時間0.1μs~50μs、中心周波数100kHz~5MHz、反復率1~1000Hzで超音波パルスを発するように構成される、請求項1~5の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項7】
前記電子システム及び前記撮像超音波トランスデューサは、中心周波数2~15MHzを有する超音波パルスを発するように構成される、請求項1~6の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項8】
前記電子システムは、特異値分解を使用して前記時空間フィルタリングを実行するように構成される、請求項1~7の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項9】
前記治療超音波トランスデューサ及び前記撮像超音波トランスデューサは、同軸に配置される、請求項1~8の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項10】
前記治療超音波トランスデューサにより発せられた前記超音波パルスの前記焦点スポットを前記処置領域において移動させる手段(GFF、CPM)も備える、請求項1~9の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【請求項11】
前記電子システムは、前記キャビテーション気泡クラウドの前記像に応じて前記治療超音波トランスデューサにより発せられる前記超音波パルスの電力レベルを調整するようにも構成される、請求項1~10の何れか1項に記載の超音波により治療を提供する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間又は動物の体の超音波による治療を提供する装置に関する。本発明は特に、動きのある臓器、すなわち、典型的には腹部臓器及び胸部臓器の高強度集束超音波(HIFU)、組織破砕、結石破砕、血栓破砕等による治療に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
組織破砕は、キャビテーション気泡クラウド(簡潔にするために「キャビテーションクラウド」とも呼ばれる)を生成する集束超音波パルスにより組織を機械的に破砕する技法である。種々の病理の治療への組織破砕の使用は、高リスク手術にとって代わることができる有望な手法である。キャビテーションは、高度に制御される焦点領域における望ましくない組織を非侵襲的に熱的影響なしで破壊できるようにする。しかしながら、人体は非常に不均質な媒質であり、治療が、直接的な視覚的フィードバックなしで体内で行われることは、キャビテーション領域を精密にモニタすることを極めて重要なものにする。特に、心臓用途では、胸郭が超音波の治療パスに大きな収差を生じさせる恐れがある。
【0003】
同様の考慮事項が、結石破砕(腎臓結石の破砕)及び血栓破砕(血栓の破砕)等の概念的に組織破砕と同様の技法、更には高強度集束超音波による治療の分野にも該当する。
【0004】
後方散乱超音波エコーの周波数の高調波の解析により、キャビテーションを受動的に検出することが可能であるが、気泡クラウドを精密に位置特定することはできない。
【0005】
キャビテーション効果及び治療中の解剖学的構造をリアルタイムで表示することができる従来のBモード超音波撮像技法を使用することが可能である。しかしながら、この手法は全体的に満足のいくものではない。特に、気泡は不均質な生体組織内で生成されるため、気泡のエコーは、組織からの全てのエコーの中から検出することが難しいことがある。したがって、気泡の識別は非常に主観的で非定量的なままであり、キャビテーションクラウドの輪郭の画定には問題が多い。
【0006】
記事[1]は、時空間フィルタリングに関連する並列(又は「超高速」)超音波撮像技法を利用することにより、キャビテーション気泡のよりよい区別を得ることができることを教示している。しかしながら、この手法は、治療される組織が常に動く場合、例えば、心臓、肝臓、又は腎臓の場合等にあまり適さないことが証明されている。特に、撮像に使用される超音波は、関心のある全ての領域(又は関心のある領域よりも大きな領域)に適用され、エコー信号は、キャビテーションに起因するもののみではなく、この領域で生じるあらゆる時空間変動の影響を非常に受けやすい。これは、組織が静的であるか、又は準静的である場合、許容可能であるが、動いている組織が存在する場合、時空間フィルタリングは、キャビテーション気泡からのエコー信号を識別するはるかに効率が劣る方法になる。しかしながら、キャビテーションクラウド及び組織に対する位置を精密に見ることが可能なことが特に重要なのはまさしく後者の場合である。
【0007】
受動的な検出方法は、キャビテーション気泡の位置推定にも使用されてもいる。例えば:
-[2]は、熱アブレーション治療トランスデューサにより生成された気泡を音響的にマッピングする受動的方法を記載している。この方法では、連続波放射線又は長持続時間(数百回の振動)の波列放射線により生成された気泡をマッピングすることができる。波列の持続時間により、気泡クラウドの位置を精密に識別することは可能ではない。[2]は、使用される波長と均等な解像度を有する後方散乱エネルギーのマップを計算する方法を提案しているが、これは、クラウドの境界を精密に識別することができない。
-[3]は、連続放射線をモニタするという同じ問題を解決する[2]に対する代替の方法を記載している。
-[4]は、特定の変更なしでの組織破砕に向けた方法[2]の適合を記載している。
-[5]は、時間反転を超音波パルスに適用する方法を記載している。引用文献[2]、[3]、及び[4]と同様に、この方法も長パルスを使用し、キャビテーション気泡クラウドの境界を精密に識別することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の上記欠点を解消することを目的とし、より詳細には、移動する組織の治療中を含め、キャビテーションクラウドを精密に位置特定しセグメント化することができる撮像技法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、組織の能動的な超音波撮像、同期受動キャビテーション撮像、及び時空間フィルタリング(例えば、特異値分解)を関連付けることにより達成される。同期受動撮像は、治療パルスの放射シーケンスと同期された、媒質との治療超音波ビームの相互作用のエコーの再構築に基づく。組織の動きにロバストであり、したがって、撮像される組織が動いている場合であっても良好な性能を得ることができる。
【0010】
本発明の技法は、撮像に使用される超音波パルス、すなわち、超音波治療パルスの持続時間が低減するにつれて増大する空間解像度でキャビテーション気泡クラウドを位置特定することができる。したがって、好ましくは、これらのパルスは0.1μs~50μsの持続時間を有する(これは、何れの場合でも、集束治療パルスに望ましい)。引用文献[2]~[5]に記載された撮像方法は、短パルスの使用から何も得るものがない。
【0011】
時空間フィルタリングを受動キャビテーション撮像に適用することは、文献[6]において既に示唆されていたが、超音波により血液脳関門を開くという完全に異なる状況においてであった。この技法は、注入微小気泡及びキャビテーション気泡の生成には不十分な強度の超音波を使用する。さらに、エコーは頭蓋骨を通して取得され、それにより、治療される組織の撮像に能動超音波技法を使用することが略不可能になる。
【0012】
したがって、本発明の一趣旨は、超音波を用いて治療を提供する装置であって、
-集束超音波の生成に適した治療超音波トランスデューサと、
-治療超音波トランスデューサに関連する撮像超音波トランスデューサと、
-電子システムと、
を備え、電子システムは、
-焦点スポットが人間又は動物の体の処置領域内部に位置しているとき、トランスデューサの上記焦点スポットにキャビテーション気泡クラウドを生成させるのに適した持続時間でエネルギーの超音波パルス列を発するように超音波トランスデューサを制御することと、
-治療超音波トランスデューサにより発せられる2つの超音波パルス間で、処置領域に向けられた超音波を発して、上記超音波のエコーを取得し、エコーを処理して、処置領域の少なくとも1つの像を再構築するように撮像超音波トランスデューサを制御することと、
-治療超音波トランスデューサにより発せられたN>1個の超音波パルスの複数のエコー信号を取得することであって、上記信号は撮像超音波トランスデューサにより捕捉される、取得することと、
-ビーム形成アルゴリズムを使用して、取得された信号を処理して、各エコー像を形成し、時空間フィルタリングを使用して、キャビテーション気泡からの超音波パルスの後方散乱を表す上記エコー像の成分を抽出できるようにし、処置領域の組織からの後方散乱を表す成分からそれらを分離して、キャビテーション気泡クラウドの像を再構築する(これらの動作はこの順序で又は逆順で実行し得る)ことと、
-処置領域の上記像に重ねて、キャビテーション気泡クラウドの像を表示することと、
を行うように構成される、超音波により治療を提供する装置である。
【0013】
そのような装置の特定の実施形態によれば、
-上記電子システムは、キャビテーション気泡クラウドの像の再構築中、治療超音波トランスデューサと焦点スポットとの間及び焦点スポットと撮像超音波トランスデューサとの間の超音波の伝播時間差の補償を導入するように構成することもできる。
-上記電子システムは、0.1μs~50μs、好ましくは0.5μs~20μsの持続時間を有する超音波パルス列を発するよう治療超音波トランスデューサを制御するように構成することもできる。
-Nは2~10,000、好ましくは2~1,000を含み得る。
-上記電子システムは、並列ビーム形成アルゴリズムによりキャビテーション気泡クラウドの像を再構築するように構成することもできる。
-上記電子システム及び治療超音波トランスデューサは、持続時間0.1μs~50μs、中心周波数100kHz~5MHz、反復率1~1000Hzで超音波パルスを発するように構成し得る。
-上記電子システム及び撮像超音波トランスデューサは、中心周波数2~15MHzを有する超音波パルスを発するように構成し得る。
-上記電子システムは、特異値分解を使用して上記時空間フィルタリングを実行するように構成することもできる。
-治療超音波トランスデューサ及び撮像超音波トランスデューサは、同軸に配置し得る。
-本装置は、治療超音波トランスデューサにより発せられた超音波パルスの焦点スポットを処置領域において移動させる手段を備えることもできる。
-上記電子システムは、キャビテーション気泡クラウドの像に応じて治療超音波トランスデューサにより発せられる超音波パルスの電力レベルを調整するように構成することもできる。
【0014】
本発明の他の特徴、詳細、及び利点は、例として与えられる添付図面を参照して与えられる説明を読むことで明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による装置である。
図2】そのような装置の機能概略図である。
図3】本発明の一実施形態による受動撮像シーケンスである。
図4】特異値分解アルゴリズムの図である。
図5】本発明の一実施形態による装置を使用して取得されたキャビテーション像である。
図6】本発明の技術的効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1の装置は、環形状の1組の、好ましくは5~20の数の基本トランスデューサで構成された治療トランスデューサATAの中心に配置された撮像超音波トランスデューサUIDを備え、上記基本トランスデューサは、超音波を集束する球形ボウルSBにおいて位置合わせされ同心に配置される。撮像トランスデューサUIDは、治療トランスデューサの最も内側のリングの中心に配置される。
【0017】
トランスデューサUIDは、周期性又は非周期性アレイに一次元(通常、線形)又は二次元に配置された複数の超音波検出要素を備える。それは、例えば、64個の要素のアレイを含む二次元超音波検査プローブの問題であり得る。
【0018】
撮像トランスデューサUIDは足場Fに留められ、Ox軸(参照符号PJはピボットジョイントを示す)の回りを相対的に回転運動できるようにする機械的リンクMLにより、治療トランスデューサに接続された機械的アーム(図示せず)に接続できるようにする。したがって、治療トランスデューサの向き(Oz’軸)を変更しながら-電気モータ(図示せず)により-、撮像トランスデューサの向き(Oz軸に沿った)を一定に保つことが可能であり、それにより、治療トランスデューサの焦点スポットの、Oz軸に直交する移動を可能にする。さらに、種々の基本トランスデューサの制御信号間のオフセットを細かく制御することにより、治療トランスデューサの焦点距離、ひいてはOz’軸に沿った焦点スポットの位置を変更することが可能である。これにより、機械的手段及び電子的手段のハイブリッドにより処置領域の二次元スキャンを実行することができる。
【0019】
変更も可能である、例えば、機械的リンクは、Ox及びOzの両方に直交するOy軸である第2の軸の回りで治療トランスデューサが回転できるようにすることもできる。
【0020】
図1の組立体は、欧州特許出願公開第3,236,467A1号明細書により詳細に記載されている。多くの変形により本発明の実施が可能であるため、これは単なる例として与えられている。例えば、治療トランスデューサの焦点スポットによる処置領域のスキャンは、複数の機械的手段を介して達成することもでき、又は逆に、純粋に電子手段を介して(基本トランスデューサの行列アレイの使用により)達成することもできる。さらに、撮像トランスデューサが治療トランスデューサと同軸であることも重要ではなく、また治療トランスデューサに機械的にリンクされることも重要ではなく、撮像トランスデューサ及び治療トランスデューサの相対位置が制御可能であり、超音波治療パルスの焦点スポットが撮像トランスデューサの観測領域内部に配置されることで十分である。
【0021】
さらに、撮像トランスデューサは、異なる数の要素を含んでもよく、又は2平面若しくは行列アレイタイプであってもよい。
【0022】
何れの場合でも、電子システムSELは、
-キャビテーション気泡クラウドの形成の誘導に適した集束超音波パルスを生成し、
-処置領域をスキャンするようにこれらの超音波の焦点スポットを移動させ、
-処置領域及びキャビテーション気泡クラウドの超音波検査像を取得、表示し、画面Eに表示する
ように撮像トランスデューサ及び治療トランスデューサを制御するのに提供されなければならない。
【0023】
電子システムSELは、メモリに記憶されたプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサ及びこの又はこれらのプロセッサの制御下で動作するアナログ及び/又はデジタル電子回路の両方を備える。図2は機能概略図を示す。この概略図では、参照符号PTDはデータプロセッサを示し、一般に、マイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを構成する基板、コンピュータ、又はより複雑な組のプログラマブルデジタル電子回路の問題であり得る。このデータプロセッサは、インターフェースデバイスIC(キーボード、コンピュータマウス等)を介してコマンド及び/又はパラメータをユーザ又はオペレータから受信し、関数生成器GF、撮像トランスデューサを制御する回路CPTI、ビーム形成回路GFF、及び電気モータを制御する回路CPMの動作を制御し、撮像トランスデューサの取得回路から出力された信号を処理して像を再構築し、像は画面Eに表示される。
【0024】
関数生成器GFは、電子システムの他の機能ユニットに送られる複数の電子信号を生成する。第1の信号S1、例えば、周波数1MHzの正弦波信号はビーム形成回路GFFに送られ、ビーム形成回路GFFは、種々の位相シフトを有する同じ周波数の複数の個々の信号に分割し、これらの種々の信号は電力増幅器APにより増幅されてから、撮像トランスデューサの基本トランスデューサに適用される。先に引用した欧州特許出願公開第3,236,467A1号明細書に詳細に説明されるように、ビーム形成回路GFFにより導入される位相シフトは、治療トランスデューサの焦点距離を変更させ、ひいては、超音波の焦点スポットTFの位置をOz’軸に沿って変更させることができる。関数生成器は、はるかに低い周波数、例えば100Hzの方形波信号S2も生成し、これは電力増幅器をアクティブ化及び非アクティブ化し、このようにして、治療トランスデューサは、反復率100Hzで超音波パルス(「治療パルス」)を発し、パルスは、例えば持続時間8μsを有する。
【0025】
関数生成器GFは、高周波数、例えば2MHzの第3の信号S3も生成し、これは信号S2と共に、撮像トランスデューサを制御する回路CPTIに送られる。この回路は、治療トランスデューサにより発せられるより強力なパルス間の間隔で低強度超音波パルスを発する目的で撮像トランスデューサを制御する。これらのパルスの伝播は観測領域ROを定義し、観測領域ROは、二次元撮像トランスデューサの場合、高さがOz軸と一致する台形の形状を有する。
【0026】
撮像トランスデューサの取得回路CATIは、撮像トランスデューサUIDにより検出されるエコー信号を取得し、エコー信号をデジタルフォーマットに変換してプロセッサPTDに送信し、プロセッサPTDはそれらを処理する。超音波治療パルスの放射に続き、持続時間(例えば、250μs)が焦点スポットTFの最大深度に依存する第1の時間窓において、撮像トランスデューサは治療パルスのエコーを検出し、したがって、受動モードで動作し、以下に詳細に説明するように、これらのエコー信号により、プロセッサPTDはキャビテーション気泡クラウドの像を再構築することができる。第1の窓の終わりから続く治療パルスの放射までの第2の時間窓において、撮像トランスデューサは、それ自体が発したパルスのエコーを検出し、これにより、プロセッサPTDは、従来の能動的超音波撮像技法を使用して処置領域の解剖学的構造の像を再構築することができる。
【0027】
能動的超音波撮像に使用されるパルスの場合、同じトランスデューサが超音波のソース及び検出器として機能する。そのようなことは、超音波パルスが治療トランスデューサにより発せられ、そのエコーが撮像トランスデューサにより検出される受動的撮像では該当しない。したがって、受動モードで取得されるキャビテーション気泡クラウドの像を再構築できるようにするには、「行き」移動時間(治療トランスデューサから焦点スポットまで)と「帰り」移動時間(焦点スポットから撮像トランスデューサまで)との間の差を知る必要がある。装置の機械的構成が十分な精度で知られている場合、これは計算により取得し得るが、一般に、較正を実行することが好ましい。このために、幾つかの異なる方法で進むことが可能である。
-第1に、焦点スポットに対応してハイドロホンを配置し、2つのトランスデューサにより発せられたパルスの到着時間を測定することが可能である。
-第2に、焦点スポットに対応してリフレクタを配置し、撮像トランスデューサを受信モードで使用して、撮像トランスデューサ自体及び治療トランスデューサにより発せられたパルスのエコーの到着時間を測定することが可能である。
【0028】
ハイブリッド手法(ハイドロホンを使用して「行き」移動時間を測定し、リフレクタを使用して「戻り」移動時間を測定する)も可能である。
【0029】
どの方法が使用されても、処置領域全体をサンプリングする複数のポイントに対応して移動時間差を計算又は測定することが必要である。
【0030】
図3は、キャビテーション気泡BCのクラウドを生成する反復率100Hz(周期10ms)で発せられた持続時間8μsを有する治療パルスIUT、各治療パルスの開始から250μsに及ぶエコー取得の第1の時間窓FT1、及び第1の窓のそれぞれの終わりから続く治療パルスの放射まで及ぶ能動的撮像の第2の時間窓FT2を示すタイミング図である。
【0031】
モータ制御回路CPMは、治療トランスデューサを旋回させる電気モータを作動させ、電気モータはビーム形成回路GFFと相互作用して、超音波パルスの焦点スポットTFを移動させ、処置領域をスキャンする。モータ制御回路CPMは、焦点スポットの移動が純粋に電子手段により達成される実施形態ではないことがある(逆に、他の実施形態では、ビーム形成回路は省き得る)。
【0032】
上述した種々の機能ユニット(GF、CPTI、CATI、CPM、GFF、AP)は必ずしも物理的に別個の構成要素に対応しない。例えば、1つの集積回路又は回路基板が複数のこれらのユニットの機能の全て又は幾つかを実行してもよい。逆に、1つのブロックの機能は複数の集積回路及び/又は回路基板により実行してもよい。
【0033】
パルスの特徴は、非限定的な例として与えられた。より一般には、撮像トランスデューサは通常、持続時間0.1μs~50μs(好ましくは0.5μs~20μs)、中心周波数100kHz~5MHz、反復率1Hz~1000Hzを有するパルス列を発し得、これらのパルスは、焦点において、ピーク正圧50MPa~100MPa及びピーク負圧-2.5MPa~-30MPaを生成するのに適する。撮像トランスデューサは一般に、治療トランスデューサよりも高い周波数、例えば2~15MHzの周波数で動作し、例えば、2MHzで超音波を発し得、受信モードでサンプリング周波数8MHzを有し得る。
【0034】
先に示したように、本発明による装置は、処置領域の組織を表示する目的の能動モード及びキャビテーション気泡クラウドを表示する目的の受動モードの両方で超音波検査像を取得する。像は次に融合されて、画面Eに表示され、これにより、組織に対するキャビテーションクラウドの位置の視認が可能になる。好ましくは、これらの処理動作はリアルタイムで実行される。能動モードで取得された信号により、キャビテーションにより吸収されたエネルギーを推定することもでき、したがって、行っている治療の有効性(及び/又は危険)を評価することができる。
【0035】
したがって、プロセッサPTDは、治療パルスの強度を自動的に制御し、且つ/又は危険な場合に処理を停止し得る。例えば、プロセッサは、所望の属性(形状、寸法、エネルギー等)を有するキャビテーションクラウドが検出されるまで超音波パルスの強度を徐々に増大させ得、又は逆に、キャビテーションの持続を保証しながら強度を下げ得る。プロセッサは、所望の線量が付与された場合又はキャビテーションクラウドが所望の場所で検出されず、したがって、処置すべきではない組織を破損するリスクがある場合、処理を停止することもできる。
【0036】
能動的撮像信号は、完全に従来通りに処理し得、したがって、これ以上詳述する必要はない。逆に、キャビテーション気泡の像を効率的に抽出できるように、プロセッサPTDは、受動的に取得された信号に特定の処理を受けさせなければならない。この処理は、
-N個の一般に連続した治療パルスのエコー信号を取得することであって、通常、Nは2~10,000、好ましくは2~1,000である、取得すること、
-これらのエコー信号にビーム形成再構築アルゴリズムを適用して、N個の像を再構築すること、及び
-時空間フィルタリングをそうして再構築された像に適用して、キャビテーション気泡に起因した寄与をそこから抽出すること
を含む。
【0037】
Nの値は、エコー信号の時間的フィルタリングを可能にするために厳密に2以上でなければならない。許容可能な上限は超音波パルスの反復率に依存し、毎秒1000パルスという高反復率及びN=10,000の場合、10秒毎に1つのフィルタリング像が取得され、これは大半の手術用途で許容可能な最小反復率である。
【0038】
像再構築は、好ましくは、それ自体既知であるが、行きパス及び帰りパスでの伝播時間差の補償(上述)を含めるように変更された並列-又は超高速-型のビーム形成アルゴリズム(治療パルスに関して実行されるビーム形成と混同すべきではない)を使用して達成される。このアルゴリズムは基本的に、撮像プローブの種々の要素により検出された信号のコヒーレント合算からなり、これらの信号は、行きパス及び帰りパスでの超音波の伝播遅延を補償する(電子集束の原理)ように時間シフトされる。有効な集束のために、超音波源と検出器との間の空間オフセットを考慮に入れる必要があることが理解されよう。スペクトル領域では、オフセットの補償は信号の位相シフトを介して達成される。
【0039】
時空間フィルタリングは、キャビテーション気泡に起因するエコーを特に組織からのものと区別できるようにする任意のブラインドソース分離アルゴリズムを使用し得る。これは例えば、特異値分解、(粗又は独立した)主成分分析、又は非負行列因数分解等の問題であり得る。以下、特異ベクトル分解を考慮する。
【0040】
特異値分解(SVD)は、行列を代数的に分解する技法である。像の局所統計量への適用に適し、最大エネルギーを少数の固有値に濃縮する。その本質は、Uがmxmサイズの直交行列であり、Vがn×n直交行列であり、Sが、対角線要素σがXの特異値であり、その他の要素がゼロであるm×n行列である形態に行列Xmxnを因数分解することにある。n<mの場合、
【数1】
であり、式中、VはVの共役転置行列であり、Sの特異値の数はXのランクに等しい。
【0041】
SVD法が像処理に適用される場合、最も低い特異値はノイズに関連し、像のエネルギーの大半は高値の特異値にコンパクト化される。本発明の場合、SVD時空間フィルタングを使用して、特異ベクトルの賢明な選択を介して、望ましくない低周波成分をキャビテーション気泡クラウドに関連する高周波成分から分離する。これを図4に示す。
【0042】
各治療パルスに関連し、それぞれが(n,n)サイズであり、バッファメモリMTに記憶された、並列ビーム形成アルゴリズムを使用して再構築されたN個1組の「受動」像F、F、・・・、Fを考慮する。これらのデータは、カソラチ行列と呼ばれる(n・n,N)サイズの二次元時空間行列Xに再配置し得る。この行列の特異値分解(図4の参照符号SVD)の本質は、行列U及びVのそれぞれの列を形成する時間及び空間特異値並びに行列Sを形成する対応する特異値を見つけることにある。有利なことには、これらのベクトルはエネルギーの低下により並べられる。
【0043】
実際の時空間フィルタリングの本質は、気泡クラウドを記述する特異ベクトルのみを使用して像を再構築することにある。これらのベクトルにp~q>pのインデックスの連続特異値が関連付けられることが保証される。したがって、フィルタリングされた像XBC
【数2】
により与えられる(図4における参照符号RI)。
【0044】
フィルタリングされたカソラチ行列XBC(n,N)の項は三次元行列XBC(n,n,N)に再配置され、像の大半のエネルギー領域を位置特定できるようにする積算電力又はキャビテーションマップCMを計算することが可能である
【数3】
図4における参照符号IP)。
【0045】
N個の像が1つのキャビテーションマップを与え、換言すれば、取得率がNで除算されることに留意することが重要である。
【0046】
キャビテーションマップは、能動的超音波検査により取得された組織の像に重ねられることが意図されるキャビテーション気泡クラウドの最終像として使用される(図4における参照符号IBC)。マップCMの値を表すために、疑似色を使用し得る。
【0047】
マップCMの空間解像度は、持続時間を伝播速度で乗算した積により与えられる、伝播方向における超音波パルスの長さによって制限される。したがって、可能な限り短く、最短において持続時間が超音波の1サイクルに等しいパルスが好ましくは使用される。パルスの持続時間により意味されるのは、治療トランスデューサの制御に使用される電子パルスの持続時間(すなわち、時間的サポート)であり、その有限帯域幅は必然的に、実際に発せられる超音波パルスの伸長に繋がる。実際には、パルスの持続時間は撮像解像度のみに関して選ばれず、治療プロトコールの要件にも応じて又は何よりも要件に応じて選ばれる。
【0048】
パラメータN、p、及びqの最適値の選択は、問題となっている特定の用途に依存する。本発明者らは、組織からのエコー信号(なくすことが望ましい)が主に第1の特異ベクトルに集中し、N-1個の続く特異ベクトルが主にキャビテーション気泡(分離することが望ましい)の寄与を含むことを観測した。したがって、pは2(p=2)に等しく設定し得、qはN(q=N)に等しく設定し得る。パラメータNに関して、本発明者らは、コントラスト対ノイズ比(以下に定義)が、このパラメータの値が約10以下に留まる場合、Nに伴って増大し、それから横ばいになることを観測した。以下、3つの事例を考慮した:N=6、N=10、及びN=14。
【0049】
像(より厳密にはキャビテーションマップ)の品質を定義するコントラスト対ノイズ比は、
【数4】
により与えられ、式中、<>は空間平均を示し、σは領域i(i=1:気泡クラウド、i=2:背景)におけるこれら2つの領域での標準偏差を示す。領域1及び2は手動で識別される。
【0050】
変形として、時空間フィルタリングステップは、ビーム形成前に実施し得る。この場合、フィルタリングの空間成分は撮像プローブの要素に関連する。
【0051】
本発明をテストするために、模型を1.75L容量の水及び8%ポリビニルアルコール(PVA)と共に準備した。超音波散乱体を1%セルロース(Sigmacell、20μm、USA)を使用して添加した。研究所加熱装置を使用して水道水を90℃まで加熱し、磁性ステアリング旋回ピンを用いて、必要とされる容量をビーカーに注いだ。次に、PVAを水中に溶解した。混合物を40℃まで冷まし、セルロースを添加し、溶液をプラスチック製の正方形容器に注ぎ、冷凍庫に8時間配置した。次に、模型を溶かし、再び冷凍庫に8時間配置した。手順の終わりで、模型を離型し、キャビテーション実験のために水槽中に配置した。
【0052】
本発明による装置のトランスデューサの組立体を2軸ステージ(PI,Micos,Germany)に取り付け、模型を含む水槽内部に配置した。処置する体の領域の生理学的運動をモデリングするために、軸方向運動では最高速度10mm/s、運動振幅10mm及び側方運動では最高速度10mm/s、運動振幅8mmという異なる速度を有するトランスデューサの軸方向及び側方の運動を誘導した。
【0053】
図5は、このようにして取得されたキャビテーション気泡クラウドの像を示す。クラウドは白色枠により識別される。アーチファクトは像の上下に存在し、水と模型との境界線からの超音波パルスの反射に起因した可能性が最も高い。
【0054】
N=6、10、及び14(ここでもp=2及びq=N)で得られたキャビテーション気泡クラウドの「受動」像のコントラスト対ノイズ比CNRを、両方とも静的条件下且つトランスデューサが動く状態で測定した。能動的撮像技法を使用しても同様の測定を実行した。本発明者らは、静止条件下でキャビテーション気泡の能動的撮像が受動的撮像よりもわずかによい結果を与えたが、トランスデューサが動く状態では逆であったことを観測した。これは、本発明における受動的方法の使用を確証する。
【0055】
トランスデューサが動く状態で取得された結果を図6に示し、図6では、参照符号Pは受動像のCNRを示し、A1~A5は能動的方法を使用して取得された像のCNRを示す。
-A1:各治療パルス後の平面超音波の放射を用いて得られた能動的撮像。
-A2:1つの像に結合された、各治療パルス後に有向発散波の11回の放射のブロックがある超高速シーケンス。
-A3:10ミリ秒毎に10の像のブロックを与える、各治療パルス後に発散波の10回の放射のブロック(結合なし)がある超高速シーケンス。
-A4:10の像に結合される、3つの治療パルスにわたり分散した有向発散波の110回の放射のブロックがある超高速シーケンス。各像は、11個の有向発散波の結合の結果である。このシーケンスは約35ミリ秒毎に10の像のブロックを与える。
【0056】
実際に、観測されたのは、トランスデューサの動きが、能動的撮像技法の性能の非常に大きな低下(1桁)を誘導し、一方、本発明により得られた像のCNRが約1/2だけしか低下しないことである。これは以下のように説明し得る。処置領域が動く(又は同等に、トランスデューサが動く)場合、組織からの反射は、キャビテーション気泡から反射された有用成分と干渉する高周波非コヒーレント時空間成分を含む。しかしながら、能動的撮像では、観測領域全体における組織は超音波に曝され、したがって、エコーを生成する。これとは対照的に、受動的撮像では、集束超音波が使用され、これは組織に起因した寄生寄与を低減する。
【0057】
参照文献:
[1]B.Arnal,J.Baranger,C.Demene,M.Tanter and M.Pernot(2016).In vivo real-time cavitation imaging in moving organs.Phys Med Biol.2017 Feb 7;62(3):843-857.
[2]Christian Coviello,Richard Kozick,James Choi,Miklos Gyoengy,Carl Jensen,Penny Probert Smith,and Constantin-C.Coussios(2015).Passive acoustic mapping utilizing optimal beamforming in ultrasound therapy monitoring.The Journal of the Acoustical Society of America 137,2573.
[3]Kevin J.Haworth,Kenneth B.Bader,Kyle T.Rich,Christy K.Holland,Member and T.Douglas Mast(2017).Quantitative Frequency-Domain Passive Cavitation Imaging.IEEE transactions on ultrasonics,ferroelectrics,and frequency control,vol.64,no.1.
[4]Bader Kenneth,Haworth Kevin,D.Maxwell Adam,Holland Christy(2017).Post Hoc Analysis of Passive Cavitation Imaging for Classification of Histotripsy-Induced Liquefaction in Vitro.IEEE Transactions on Medical Imaging.
[5]P.Boulos,F.Varray,A.Poizat,J.C.Bera,C.Cachard(2015).Passive cavitation imaging using an open ultrasonic system and time reversal reconstruction.22eme Congres Francais de Mecanique Lyon.
図1
図2
図3
図4
図5
図6