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特許7358397エアロゾル生成物品、エアロゾル生成物品の製造方法、及びエアロゾル生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品、エアロゾル生成物品の製造方法、及びエアロゾル生成システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231002BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20231002BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231002BHJP
【FI】
A24F40/465
A24D1/20
A24F40/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020564587
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2019062473
(87)【国際公開番号】W WO2019224068
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】18173398.1
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ギル,マーク
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/036954(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107373749(CN,A)
【文献】国際公開第2017/072147(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/036951(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0340018(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0064995(US,A1)
【文献】国際公開第2017/186946(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0076337(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107373761(CN,A)
【文献】国際公開第2017/072145(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24D 1/00- 3/18
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成材料の第1本体(22)と、
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)を取り囲む第1管状部材(24)と、
前記第1管状部材(24)を取り囲むエアロゾル形成材料の第2本体(26)と、
前記エアロゾル形成材料の前記第2本体(26)を取り囲む第2管状部材(28)と、
を備え、
前記第1管状部材(24)は、時間変動電磁場の存在下で誘導加熱可能である、
エアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記第1管状部材(24)は、誘導加熱可能なサセプタ材料によって形成された閉電気回路を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記第1管状部材(24)は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成されたラッパーを備える、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記ラッパーの自由縁部を一緒に保持するための保持手段(30)を含む、請求項3に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記第1管状部材(24)は、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料を含むラッパー(40)を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記第1管状部材(24)は、前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)が配置される内部空洞(34)を画定し、前記第1管状部材(24)及び前記第2管状部材(28)は、前記第1管状部材(24)と前記第2管状部材(28)との間に環状空洞(36)を画定し、前記環状空洞(36)は、前記内部空洞(34)とは別個のものであり、前記環状空洞(36)内に前記エアロゾル形成材料の前記第2本体(26)が配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記物品は長尺状であり、前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)の軸方向端部と、前記エアロゾル形成材料の前記第2本体(26)の軸方向端部と、前記第1管状部材(24)の軸方向端部とは、軸方向に整列している、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)及び前記第2本体(26)はそれぞれ、各々の第1断面積及び第2断面積を有し、前記第1断面積と前記第2断面積は実質的に同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)及び前記第2本体(26)はそれぞれ、各々の第1体積及び第2体積を有し、前記第1体積と前記第2体積は実質的に同じである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)を前記第1管状部材(24)の内部に、前記エアロゾル形成材料の前記第2本体(26)を前記第1管状部材(24)と前記第2管状部材(28)との間に保持するための空気透過性プラグ(50)を前記エアロゾル生成物品の軸方向端部に更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項11】
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)と前記第2本体(26)は、均質なエアロゾル形成材料の単一本体を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項12】
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)と前記第2本体(26)は、エアロゾル化温度、保湿剤含有量、香味、及び密度のうち少なくとも1つ以上の点において異なる特性を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項13】
エアロゾル生成物品の製造方法であって、
エアロゾル形成材料の第1本体(22)の周りに第1管状部材(24)を配置することであって、前記第1管状部材(24)は、時間変動電磁場の存在下で誘導加熱可能であることと、
前記第1管状部材(24)の周りにエアロゾル形成材料の第2本体(26)を配置することと、
前記エアロゾル形成材料の前記第2本体(26)の周りに第2管状部材(28)を配置することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1管状部材(24)は材料シートを備え、
前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)の周りに前記第1管状部材(24)を配置することは、前記エアロゾル形成材料の前記第1本体(22)の周りに前記材料シートを巻き付けることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
空洞(104)を画定する誘導コイル(106)を備えるエアロゾル生成デバイス(92、122)であって、前記誘導コイル(106)は、時間変動電磁場を発生させるように構成されている、エアロゾル生成デバイス(92、122)と、
前記第1管状部材(24)の長手方向軸線が前記空洞(104)の長手方向軸線と実質的に整列するように前記空洞(104)内に配置されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品と、
を備える、エアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル生成物品に関し、より具体的には、エアロゾル生成物品を加熱して、使用者が吸入するためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品に関する。本開示の実施形態はまた、エアロゾル生成物品の製造方法及びエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアロゾル形成材料を燃焼させるのではなく加熱して、吸入用のエアロゾルを生成するデバイスの人気が消費者の間で高まってきている。
【0003】
このようなデバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを用いて、エアロゾル形成材料に熱を供給することができる。このような手法の1つは、誘導加熱システムを用いるエアロゾル生成デバイスを提供することであり、このエアロゾル生成デバイスに、使用者が、エアロゾル形成材料を含むエアロゾル生成物品を着脱可能に挿入することができる。このようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、誘導加熱可能なサセプタがエアロゾル生成物品に設けられる。使用者がデバイスを作動させると誘導コイルに電気エネルギーが供給され、これにより交流電磁場が発生する。サセプタは、この電磁場と結合して熱を生成し、この熱は、例えば伝導によってエアロゾル形成材料に伝達され、エアロゾル形成材料が加熱されるとエアロゾルが生成される。
【0004】
エアロゾル生成デバイスによって生成されるエアロゾルの特性はいくつかの要因に依存し、これには、エアロゾル生成デバイスと共に使用されるエアロゾル生成物品の構造が含まれる。したがって、物品の使用中に生成されるエアロゾルの特性を最適化することを可能にするエアロゾル生成物品を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、
エアロゾル形成材料の第1本体と、
エアロゾル形成材料の第1本体を取り囲む第1管状部材と、
第1管状部材を取り囲むエアロゾル形成材料の第2本体と、
エアロゾル形成材料の第2本体を取り囲む第2管状部材と、
を備え、
第1管状部材は、時間変動電磁場の存在下で誘導加熱可能である、
エアロゾル生成物品が提供される。
【0006】
エアロゾル生成物品は、エアロゾル形成材料を燃焼させることなくエアロゾル形成材料を加熱してエアロゾル形成材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、それによりエアロゾル生成デバイスの使用者が吸入するためのエアロゾルを生成するために、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのものである。
【0007】
一般論として、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を下げることなく圧力を増加させることにより、蒸気を液体に凝縮させることができることを意味する一方、エアロゾルとは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、使用者による吸入のために生成される吸入可能媒体の形態に関して互換的に使用され得ることに留意すべきである。
【0008】
誘導加熱可能な第1管状部材を設けることにより、誘導加熱可能な第1管状部材からエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の両方への最適な熱伝達が提供される。このことは、更に、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の最適な加熱をもたらし、物品の使用中に生成されるエアロゾルの特性の最適化を確実とする。
【0009】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル生成物品の製造方法であって、
エアロゾル形成材料の第1本体の周りに第1管状部材を配置することであって、第1管状部材は、時間変動電磁場の存在下で誘導加熱可能であることと、
第1管状部材の周りにエアロゾル形成材料の第2本体を配置することと、
エアロゾル形成材料の第2本体の周りに第2管状部材を配置することと、
を含む、方法が提供される。
【0010】
本開示の第3の態様によれば、
空洞を画定する誘導コイルを備えるエアロゾル生成デバイスであって、誘導コイルは、時間変動電磁場を発生させるように構成されている、エアロゾル生成デバイスと、
第1管状部材の長手方向軸線が空洞の長手方向軸線と実質的に整列するように空洞内に配置されている、第1の態様によるエアロゾル生成物品と、
を備える、エアロゾル生成システムが提供される。
【0011】
第1管状部材の長手方向軸線が空洞の長手方向軸線と実質的に整列するようにエアロゾル生成物品を空洞内に配置することによって、第1管状部材と誘導コイルとの間の位置関係が最適化され、それにより、エアロゾル生成デバイスの動作中に、電磁場と第1管状部材との最適な結合、したがって、第1管状部材の最適な加熱が提供される。
【0012】
第1管状部材は、誘導加熱可能なサセプタ材料によって形成された閉電気回路を含んでもよい。閉電気回路は、エアロゾル形成材料の第1本体を取り囲んでもよい。これにより、エアロゾル形成材料の最適な加熱が達成されることを確実にする。閉電気回路は、電気回路の全ての点で実質的に同じ電気抵抗を有してもよい。これにより、エアロゾル形成材料の均一な加熱を提供する。更に、電気回路において電気抵抗が局所的に高い点を避けることにより、例えば、第1管状部材の長手方向に延びる自由縁部間の接合部における第1管状部材の破損のリスクが低下する。
【0013】
第1管状部材は、1つの連続的な材料片を含んでもよい。それにより、第1管状部材の構造的完全性が最大化される。
【0014】
第1管状部材は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成されたラッパーを備えてもよい。例えば、第1管状部材は、金属ラッパーを備えてもよい。時間変動電磁場をその近傍に印加することにより、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により誘導加熱可能なサセプタ材料中に熱が発生し、電磁エネルギーから熱エネルギーへの変換がもたらされる。第1管状部材を誘導加熱可能なサセプタ材料で形成することにより、渦電流が第1管状部材の全体に有利に発生し、第1管状部材が均一に加熱されることを確実とし、それにより、エアロゾル形成材料の均一な加熱を確実とする。
【0015】
誘導加熱可能なサセプタ材料は、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1種以上を含み得るが、これらに限定されない。
【0016】
ラッパーは、自由縁部を含んでもよく、エアロゾル生成物品は、ラッパーの自由縁部を一緒に保持するための保持手段を含んでもよい。保持手段は、ラッパーの自由縁部をしっかりと一緒に保持して、それらの間の電気接触を維持することを確実にする。
【0017】
保持手段は、ラッパーの自由縁部を互いに接続する接合部を備えてもよい。接合部は、ラッパーの電気抵抗よりも高い電気抵抗を有してもよい。より高い電気抵抗は、弱点を有利に提供し得る。この弱点を利用して、エアロゾル生成デバイスでのエアロゾル生成物品の再利用を防ぎ、これにより、エアロゾル生成物品内で以前に加熱されたエアロゾル形成材料から望ましくない香味化合物が生成されるのを回避することができる。例えば、接合部の電気抵抗は、エアロゾル生成デバイスでのエアロゾル生成物品の再利用を試行中に物品がその目標温度まで加熱されると接合部の破損を引き起こすように選択されてもよい。接合部は、例えば、ラッパーの自由縁部、場合によっては重なり合った自由縁部を互いに接着する導電性接着剤を含む接着剤接合部であってもよい。或いは、接合部は、溶接された接合部であっても半田付けされた接合部であってもよい。
【0018】
或いは又は追加的に、保持手段は、エアロゾル形成材料の第2本体及び第2管状部材によって提供されてもよい。この構成では、エアロゾル形成材料の第2本体及び第2管状部材がラッパーに圧縮力を加え、それにより、ラッパーの自由縁部が一緒に保持されるのを確実とすることは理解されるであろう。
【0019】
ラッパーの自由縁部は重なり合って、複数の重なり合った周囲層、例えば2つの層を有する多層ラッパーを提供してもよい。複数の重なり合った周囲層を設けることで、エアロゾル形成材料のより効果的な加熱を提供することができる。
【0020】
第1管状部材は、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料を含むラッパーを更に含んでもよい。
【0021】
第1管状部材は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成された第1ラッパーと、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料を含む第2ラッパーと、を備えてもよい。第1ラッパーは金属ラッパーを含んでもよく、第2ラッパーは紙ラッパーを含んでもよい。第1ラッパーがエアロゾル形成材料の第1本体に接触するように、第1ラッパーは第2ラッパーの半径方向内側に配置されてもよい。或いは、第1ラッパーがエアロゾル形成材料の第2本体に接触するように、第1ラッパーは第2ラッパーの半径方向外側に配置されてもよい。金属ラッパーなどの第1ラッパーと紙ラッパーなどの第2ラッパーの両方を併用すると、第1管状部材の製造を簡略化することができる。例えば、第1管状部材は、第1ラッパーと第2ラッパーとを組み合わせることにより製造することができ、その後、第1管状部材を構成する組み立て後の第1ラッパー及び第2ラッパーをエアロゾル形成材料の第1本体の周りに配置する。更に、金属ラッパーなどの第1ラッパーと紙ラッパーなどの第2ラッパーの両方を併用すると、第1管状部材の半径方向内部表面と半径方向外部表面が異なる材料を含むので、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の加熱のより慎重な制御を可能にすることができる。
【0022】
第1管状部材は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成された第1ラッパーと、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料を含む第2ラッパー及び第3ラッパーと、を備えてもよい。第1ラッパーは金属ラッパーを含んでもよく、第2ラッパー及び第3ラッパーのそれぞれは紙ラッパーを含んでもよい。第1ラッパーは、第2ラッパーと第3ラッパーとの間に配置されてもよい。この配置により、第1の、好ましくは金属ラッパーがエアロゾル形成材料の第1本体又は第2本体のいずれにも直接接触しないことは理解されるであろう。
【0023】
第1管状部材は、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料で形成されたラッパー、例えば紙ラッパーと、ラッパーの周囲に延びて閉路を形成する少なくとも1つの導電材料のトラックと、を備えてもよい。第1管状部材は、ラッパーに沿って軸方向に間隔を空けた位置に複数の前記導電性トラックを含んでもよく、各トラックは閉路を形成している。エアロゾル生成物品の使用中、導電性トラックは誘導加熱され、熱は、導電性トラックからエアロゾル形成材料に伝達される。
【0024】
この導電性トラック又は各導電性トラックは、ラッパーの内部表面上又はラッパーの外部表面上に取り付けられてもよい。複数の軸方向に間隔を空けて配置された導電性トラックを用いる実施形態では、導電性トラックは、ラッパーの内部表面及び外部表面上の両方に取り付けられてもよい。例えば、軸方向に隣接する導電性トラックは、ラッパーの内部表面及び外部表面上のそれぞれに交互に、繰り返して取り付けられてもよい。
【0025】
第2管状部材は、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料を含んでもよい。第2管状部材はラッパーを含んでもよく、例えば、紙ラッパーを含んでもよい。ラッパーは、同じく実質的に非導電性且つ磁気非透過性であり得る接着剤を使用して共に固着される、長手方向に延びる自由縁部、例えば、重なり合った自由縁部を有してもよい。
【0026】
第1管状部材は、エアロゾル形成材料の第1本体が配置され得る内部空洞を画定してもよく、第1管状部材及び第2管状部材は、第1管状部材と第2管状部材との間に環状空洞を画定してもよく、環状空洞は、内部空洞とは別個のものであってもよく、環状空洞内にエアロゾル形成材料の第2本体が配置されてもよい。この配置により、エアロゾル形成材料の第1本体と第2本体は、内部空洞及び環状空洞内で互いに隔離されている。
【0027】
エアロゾル生成物品は長尺状であってもよく、エアロゾル形成材料の第1本体の軸方向端部と、エアロゾル形成材料の第2本体の軸方向端部と、第1管状部材の軸方向端部とは、軸方向に整列していてもよい。第1管状部材は、エアロゾル形成材料の全長にわたって延びているので、この配置により、誘導加熱可能な第1管状部材によるエアロゾル形成材料の最適な加熱が提供される。
【0028】
エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体はそれぞれ、各々の第1断面積及び第2断面積を有してもよく、第1断面積と第2断面積は実質的に同じであってもよい。この配置により、第1管状部材からエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の両方への熱伝達が最大化され、これにより、誘導加熱可能な第1管状部材によるエアロゾル形成材料の最適な加熱が提供される。断面積が実質的に同じである典型的な実施形態では、エアロゾル形成材料の第1本体の断面積は、エアロゾル形成材料の第2本体の断面積の70%~130%、場合によっては90%~110%、より一般的には95%~105%であってもよい。
【0029】
エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体はそれぞれ、各々の第1体積及び第2体積を有してもよく、第1体積と第2体積は実質的に同じであってもよい。この配置により、第1管状部材からエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の両方への熱伝達が最大化され、これにより、誘導加熱可能な第1管状部材によるエアロゾル形成材料の最適な加熱が提供される。体積が実質的に同じである典型的な実施形態では、エアロゾル形成材料の第1本体の体積は、エアロゾル形成材料の第2本体の体積の70%~130%、場合によっては90%~110%、より一般的には95%~105%であってもよい。
【0030】
第1管状部材と第2管状部材は実質的に同心であってもよい。これにより、エアロゾル生成物品の構造は簡略化される。
【0031】
上述したように、エアロゾル生成物品は、長尺状であってもよく、且つ実質的に円筒形であってもよい。エアロゾル生成物品が円形断面を持つ円筒形であることにより、円形断面を有する螺旋状の誘導コイルを誘導加熱アセンブリが含むエアロゾル生成デバイスの誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメントへのエアロゾル生成物品の挿入を有利に容易にし得る。
【0032】
エアロゾル形成材料の第1本体は、第1管状部材の内部を実質的に充填してもよく、且つ第1管状部材の前述の内部空洞を実質的に充填してもよい。エアロゾル形成材料の第2本体は、第1管状部材と第2管状部材との間の空間を実質的に充填してもよく、且つ前述の環状空洞を実質的に充填してもよい。この配置により、第1管状部材の内部の空間及び/又は第1管状部材と第2管状部材との間の領域内の空間が実質的に排除され、それにより、エアロゾル生成物品の使用中に生成されるエアロゾルの量が最大化される。
【0033】
エアロゾル生成物品はその軸方向端部に空気透過性プラグを更に含んでもよい。空気透過性プラグは、セルロースアセテート繊維を含み得る。空気透過性プラグは、エアロゾル形成材料の第1本体を第1管状部材の内部に、エアロゾル形成材料の第2本体を第1管状部材と第2管状部材との間に有利に保持し得る。エアロゾル生成物品は、その第1の軸方向端部にある前記空気透過性プラグの第1の空気透過性プラグと、その第2の軸方向端部にある前記空気透過性プラグの第2の空気透過性プラグとを含んでもよい。第1及び第2の空気透過性プラグを設けることで、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の保持を向上させることができる。更に、第1管状部材が誘導加熱可能なサセプタとして機能するので、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体が物品の使用中に加熱され、第1又は第2の空気透過性プラグをエアロゾル生成デバイスの加熱要素で貫通する必要はない。
【0034】
空気透過性材料の本体は、この空気透過性プラグ又は各空気透過性プラグとエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体との間に配置されてもよい。空気透過性材料の本体は、蒸気冷却媒体を含んでもよい。蒸気冷却媒体は、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体を加熱することにより生成される蒸気の温度を低下させ、使用者が吸入するのに最適な特性を有するエアロゾルを生成するのに役立ち得る。
【0035】
エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体は、均質なエアロゾル形成材料の単一本体を備えてもよい。例えば、エアロゾル形成材料は、顆粒又はペレットを含んでもよい。一部の実施形態では、第1管状部材は、パイプ又は管を備えてもよく、剛性の構造を有してもよい。エアロゾル生成物品は、その1つの軸方向端部に空気透過性プラグを含んでもよく、反対側の軸方向端部に、単一の構成要素として第2管状部材と一体形成され得るメッシュなどの空気透過性構造体を含んでもよい。空気透過性プラグ及び空気透過性構造体は、均質なエアロゾル形成材料の単一本体を所定の位置に有利に保持する。
【0036】
エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体は、エアロゾル化温度、保湿剤含有量、香味、及び密度を含む少なくとも1つ以上の点において異なる特性を有してもよい。例えば、エアロゾル形成材料の第1本体は、エアロゾル形成材料の第2本体よりも高い保湿剤含有量を有してもよい。この構成により、エアロゾル形成材料の第2本体内の保湿剤の含有量が低いことによる第2管状部材(これは紙ラッパーであり得る)の着色が最小限になり又は完全に回避され、それにより、エアロゾル生成物品の外観及び使用者への訴求力が向上する。同時に、エアロゾル形成材料の第1本体内の保湿剤の含有量が高いことにより、保湿剤の総含有量が、エアロゾル生成物品の使用中に必要なレベルのエアロゾル生成を提供するのに十分なものとなることが確実となる。エアロゾル形成材料の第1本体内の保湿剤の含有量をエアロゾル形成材料の第2本体内よりも高くすることにより、一部の実施形態では、エアロゾル形成材料の第1本体の断面積及び/又は体積をエアロゾル形成材料の第2本体の断面積及び/又は体積よりも小さくし得ることが可能である。
【0037】
第1本体及び第2本体のエアロゾル形成材料は、任意の種類の固体又は半固体材料であってもよい。上述した顆粒及びペレットに加えて、エアロゾル形成固体の例示的な種類としては、粉末、細片、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料、又はシートが挙げられる。エアロゾル形成材料は、植物由来の材料を含んでもよく、特に、エアロゾル形成材料は、タバコを含んでもよい。
【0038】
第1本体及び第2本体のエアロゾル形成材料は、エアロゾル形成剤を含んでもよい。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。通常、エアロゾル形成材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有量を含んでもよい。
【0039】
加熱すると、エアロゾル形成材料は、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含み得る。
【0040】
第2の態様による方法では、第1管状部材の周りにエアロゾル形成材料の第2本体を配置する工程及びエアロゾル形成材料の第2本体の周りに第2管状部材を配置する工程の前に、エアロゾル形成材料の第1本体の周りに第1管状部材を配置する工程が実施されてもよい。通常、第1管状部材の周りにエアロゾル形成材料の第2本体を配置する工程は、エアロゾル形成材料の第2本体の周りに第2管状部材を配置する工程の前に実施される。これらの工程をこの順序で実施すると、エアロゾル生成物品の製造を容易にすることができる。
【0041】
第1管状部材は、長手方向に延びる自由縁部を含み得る材料シートを備えてもよい。
【0042】
エアロゾル形成材料の第1本体の周りに第1管状部材を配置する工程は、エアロゾル形成材料の第1本体の周りに材料シートを巻き付けることを含んでもよい。エアロゾル形成材料の第1本体の周りに第1管状部材を配置する工程は、複数の重なり合った周囲層、例えば2つの層を有する多層ラッパーを設けるために、エアロゾル形成材料の第1本体の周りに材料シートを複数回巻き付けることを含んでもよい。
【0043】
第1管状部材が、長手方向に延びる自由縁部を有する誘導加熱可能なサセプタ材料のシートを含む実施形態では、エアロゾル形成材料の第1本体の周りに第1管状部材を配置する工程は、シートの長手方向に延びる自由縁部間に閉電気回路を形成するために、エアロゾル形成材料の第1本体の周りに材料シートを巻き付けることを含んでもよい。例えば、巻き付ける工程は、導電性接着剤を用いてシートの自由縁部を互いに接着すること、シートの自由縁部を互いに溶接すること、シートの自由縁部を互いに半田付けすること、自由縁部間の接触を維持するためにシートに圧縮力を加えること、又はシートの自由縁部を重ね合わせること、又は重なり合った自由縁部を互いに固着させるためにそれらを変形させる、例えば、穴開け、圧着、又は縫合することを含んでもよい。
【0044】
エアロゾル生成物品が1つ又は両方の軸方向端部に空気透過性プラグ(この空気透過性プラグ又は各空気透過性プラグとエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体との間には空気透過性材料の本体(例えば蒸気冷却媒体)が配置されている又は配置されていない)を含む実施形態では、外側ラッパー、例えば紙ラッパーが、物品の構成要素、即ち、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体、第1管状部材及び第2管状部材、空気透過性プラグ又は各空気透過性プラグ、並びに任意の空気透過性材料の本体の周囲を囲んでもよい。外側ラッパーは、以下の構成要素、即ち、エアロゾル生成ロッド(即ち、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体並びに第1管状部材及び第2管状部材)、空気透過性プラグ、及び任意の空気透過性材料の本体のうちのいずれか2つの境界面の周囲のみを、これら構成要素の位置関係を固定するために、囲んでもよい。方法は、エアロゾル形成材料の第2本体の周りに第2管状部材を配置する工程の後に、この空気透過性プラグ又は各空気透過性プラグが前記構成要素と軸方向に整列するように、この空気透過性プラグ又は各空気透過性プラグをエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体並びに第1管状部材及び第2管状部材と同軸に整列させて配置することを含んでもよい。方法は、外側ラッパーが物品の構成要素の周囲を囲むように、物品の構成要素の周りに外側ラッパーを配置することを更に含んでもよい。
【0045】
上記工程は、連続ロッドを生産するために実施され得る。この連続ロッドから、それぞれが個々のエアロゾル生成物品に対応する所定の長さにロッドを切断することにより、複数のエアロゾル生成物品が生産され得る。この種の方法は、エアロゾル生成物品の大量生産に適している。
【0046】
方法は、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体と第1管状部材及び第2管状部材とを備える連続ロッドを生産することと、その後、このロッドをその長さに沿った所定の箇所で切断し、複数のエアロゾル生成物品を設けることと、を含んでもよい。
【0047】
一部の実施形態では、方法は、複数の物品セグメントであって、複数の物品セグメントのそれぞれが、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体と関連する第1管状部材及び第2管状部材と、各物品セグメントの間に配置された空気透過性プラグと、任意選択的に、各空気透過性プラグとエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体との間に配置された空気透過性材料の本体(例えば蒸気冷却媒体)と、を備える、複数の物品セグメントを備える連続ロッドを生産することと;複数の物品セグメントと、空気透過性プラグと、存在する場合には空気透過性材料の本体と、の周りに外側ラッパーを配置することと;ロッドをその長さに沿った所定の箇所で切断することと、を含んでもよい。この方法は、複数のエアロゾル生成物品であって、複数のエアロゾル生成物品のそれぞれが、1つ又は両方の軸方向端部に空気透過性プラグを備え、各エアロゾル生成物品の構成要素がある長さの外側ラッパーにより周囲を囲まれた、複数のエアロゾル生成物品を生産する。方法は、その各軸方向端部に空気透過性プラグを有する複数のエアロゾル生成物品を生産するために、連続ロッドを各空気透過性プラグの中央で切断することを含んでもよい。
【0048】
第2管状部材は、材料シートを備えてもよく、エアロゾル形成材料の第2本体の周りに第2管状部材を配置する工程は、エアロゾル形成材料の第2本体の周りに材料シートを巻き付けることを含んでもよい。好ましくは、第2管状部材は、空気及び/又は蒸気に対して実質的に不透過性の材料で形成されている。このことは、空気及び蒸気の流れを所望の空気/蒸気流路に拘束するのに役立つ。好ましくは、第2管状部材は、ある程度液体吸収性の材料で形成されている。このことは、エアロゾル生成物品と共に使用するためのエアロゾル生成デバイスの内部に形成される液体のいずれかの蓄積(例えば凝縮)の防止に役立ち得る。紙は、このような材料の良い例ではあるが、当業者には明らかなように、他の織布又は不織布もまた適切であり得る。
【0049】
第3の態様によるエアロゾル生成システムでは、エアロゾル生成デバイスは、好ましくは空洞の下端部に、空洞に空気を供給するために配置された空気入口を含んでもよく、空洞と連通する空気出口を含んでもよい。空洞は、エアロゾル生成デバイスの加熱コンパートメントとして機能してもよい。
【0050】
エアロゾル生成物品が空洞内にあるときに空洞の下端部に配置される空気透過性プラグを有するエアロゾル生成物品を用いるシステムでは、空気透過性プラグは、流入空気をエアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体の両方に案内し、エアロゾル形成材料の第1本体及び第2本体が空洞内に落下するのを防止することができる。
【0051】
一部の実施形態では、エアロゾル生成デバイスは、空洞に空気を供給するために配置された2つの空気入口を含んでもよい。特に、エアロゾル生成デバイスは、空気をエアロゾル形成材料の第1本体に案内するために配置された第1の空気入口と、空気をエアロゾル形成材料の第2本体に案内するために配置された第2の空気入口と、を備えてもよい。エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成物品が空洞内にあるときに空洞の下端部に配置される空気透過性プラグを有しないエアロゾル生成物品と共に使用するのに特に適しているが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】エアロゾル生成物品の第1の例の概略斜視図である。
図2図1に示される線A-Aに沿った概略断面図である。
図3図1及び図2に示される第1の例に類似するエアロゾル生成物品の第2の例の概略断面図である。
図4図1及び図2に示される第1の例に類似するエアロゾル生成物品の第3の例の概略断面図である。
図5】エアロゾル生成物品の第4の例の概略斜視図である。
図6図1及び図2に示される第1の例に類似し、その軸方向端部に空気透過性プラグが取り付けられたエアロゾル生成物品の第5の例の概略側断面図である。
図7図1及び図2に示される第1の例に類似し、両方の軸方向端部に空気透過性プラグが取り付けられたエアロゾル生成物品の第6の例の概略側断面図である。
図8図1及び図2に示される第1の例に類似し、両方の軸方向端部に空気透過性プラグが取り付けられ、外側ラッパーを有するエアロゾル生成物品の第7の例の概略側断面図である。
図9】エアロゾル生成物品の第8の例の概略側断面図である。
図10】エアロゾル生成デバイスの第1の例と図6に示されるエアロゾル生成物品の第5の例とを備えるエアロゾル生成システムの概略断面図である。
図11】エアロゾル生成デバイスの第2の例と、それぞれ図7及び図9に示されるエアロゾル生成物品の第6の例及び第8の例とを備えるエアロゾル生成システムの概略断面図である。
図12】エアロゾル生成デバイスの第2の例と、それぞれ図7及び図9に示されるエアロゾル生成物品の第6の例及び第8の例とを備えるエアロゾル生成システムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
ここで、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【0054】
まず図1及び図2を参照すると、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品1の第1の例が示される。この例については、本明細書で後述する。エアロゾル生成物品1は長尺状であり、実質的に円筒形である。円形断面により、使用者による物品1の取り扱いとエアロゾル生成デバイスの加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0055】
物品1は、エアロゾル形成材料の第1本体22と、エアロゾル形成材料の第1本体22を取り囲む第1管状部材24と、第1管状部材24を取り囲むエアロゾル形成材料の第2本体26と、エアロゾル形成材料の第2本体26を取り囲む第2管状部材28と、を備える。
【0056】
第1管状部材24は、時間変動電磁場の存在下で誘導加熱可能である。図示される第1の例では、第1管状部材24は、誘導加熱可能なサセプタ材料で形成された金属ラッパーを含む。金属ラッパーは、長手方向に延びる自由縁部を有する単一の材料シート、例えば金属箔を含む。長手方向に延びる自由縁部は、互いに重なり合うように配置され、自由縁部間の接合部を形成する導電性接着剤30によって共に固着される。導電性接着剤30は、通常、1種以上の導電性成分と共に散在する1種以上の接着剤成分を含む。金属ラッパーと導電性接着剤30は、エアロゾル形成材料の第1本体22を取り囲む閉電気回路を共に形成する。
【0057】
エアロゾル生成デバイスにおいて物品1を使用中に、金属ラッパーの近傍に時間変動電磁場が印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により金属ラッパー中に熱が発生し、この熱は金属ラッパーから隣接するエアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26に伝達されて、エアロゾル形成材料を燃焼させることなく加熱し、それにより、使用者が吸入するためのエアロゾルを生成する。第1管状部材22を構成する金属ラッパーは、実質的にその内部表面及び外部表面全体にわたって第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料とそれぞれ接触し、これにより、金属ラッパーからエアロゾル形成材料に熱を直接的に、したがって効率的に伝達することを可能にする。
【0058】
第2管状部材28は第1管状部材24と同心であり、紙ラッパーを含む。紙ラッパーが好適ではあり得るが、第2管状部材28は、エアロゾル生成デバイスでの物品1の使用中に第2管状部材28が時間変動電磁場の存在下で誘導加熱されないように、実質的に非導電性且つ磁気非透過性である任意の材料を含み得る。第2管状部材28を構成する紙ラッパーもまた、長手方向に延びる自由縁部を有する単一の材料シートを備える。長手方向に延びる自由縁部は、互いに重なり合うように配置され、エアロゾル生成デバイスでの物品1の使用中に誘導加熱されないように実質的に非導電性且つ磁気非透過性である接着剤32によって共に固着される。
【0059】
第1管状部材24は、エアロゾル形成材料の第1本体22が配置される内部空洞34を画定し、第1管状部材24及び第2管状部材28は、第1管状部材24と第2管状部材28との間に環状空洞36を画定し、環状空洞36は、内部空洞34とは別個のものであり、環状空洞36内にエアロゾル形成材料の第2本体26が配置されている。エアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26と第1管状部材24及び第2管状部材28は全て、同じ軸方向長さを有し、エアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26の軸方向端部が、第1管状部材24を構成する金属ラッパーと第2管状部材28を構成する紙ラッパーと軸方向に整列するように配置されている。この配置により、エアロゾル形成材料の第1本体22と第2本体26は、各々の内部空洞34及び環状空洞36内で互いに隔離されている。エアロゾル形成材料の第1本体22は内部空洞34を実質的に充填し、エアロゾル形成材料の第2本体26は環状空洞36を実質的に充填する。
【0060】
第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料は、通常、固体又は半固体材料である。適切なエアロゾル形成固体の例としては、粉末、細片、ストランド、多孔質材料、発泡材料、及びシートが挙げられる。エアロゾル形成材料は、典型的には、植物由来の材料を含み、特に、タバコを含む。
【0061】
第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料は、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含む。通常、エアロゾル形成材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。第1管状部材24を構成する金属ラッパーからの熱伝達により加熱されると、第1本体22及び第2本体26両方のエアロゾル形成材料は、場合により、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含む揮発性化合物を放出する。
【0062】
図1及び図2の物品1では、エアロゾル形成材料の第1本体22と第2本体26は、各々の内部空洞34及び環状空洞36内で互いに隔離されているが、第1本体22と第2本体26は、例えば、エアロゾル化温度、保湿剤含有量、香味、及び密度を含む、同じ特性を有する同じ種類のエアロゾル形成材料を含む。
【0063】
物品1は、通常、金属ラッパーの長手方向に延びる自由縁部が互いに重なり合うように、第1管状部材24を構成する金属ラッパーをエアロゾル形成材料の第1本体22の周りに巻き付けることによって製造される。上で説明したように、金属ラッパーの重なり合った縁部を互いに固着させ、それによって閉電気回路を形成するために、金属ラッパーの重なり合った縁部の1つ又は両方に導電性接着剤30が塗布される。その後、第2管状部材28を構成する紙ラッパーを、紙ラッパーの長手方向に延びる自由縁部が互いに重なり合うようにエアロゾル形成材料の第2本体26に巻き付ける前に、エアロゾル形成材料の第2本体26が金属ラッパーの周りに配置される。同じく上で説明したように、紙ラッパーの重なり合った縁部を互いに固着させるために、紙ラッパーの重なり合った縁部の1つ又は両方に非導電性且つ磁気非透過性の接着剤32が塗布される。
【0064】
ここで図3を参照すると、図1及び図2に示したエアロゾル生成物品1に類似するエアロゾル生成物品2の第2の例の概略断面図が示されており、この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0065】
エアロゾル生成物品2は、エアロゾル形成材料の第1本体22と第2本体26が、エアロゾル化温度、保湿剤含有量、香味、及び密度を含む少なくとも1つ以上の点において異なる特性を有することを除いては、図1及び図2に示されるエアロゾル生成物品1とあらゆる点において同一である。
【0066】
一実施形態では、内部空洞34内のエアロゾル形成材料の第1本体22は、環状空洞36内のエアロゾル形成材料の第2本体26よりも高い保湿剤含有量を有する。本明細書で上述したように、エアロゾル形成材料の第2本体26内の保湿剤含有量が低いと、紙ラッパーの着色を有利に低減することができ、それによって物品2の外観及び使用者への訴求力を向上させることができる。この構成により、物品2の使用中に必要なレベルのエアロゾル生成を同時に維持しながら、高い保湿剤含有量のせいで必要であったはずの断面積及び/又は体積よりも小さな断面積及び/又は小さな体積を有するエアロゾル形成材料の第1本体22を提供することも可能であり得る。
【0067】
ここで図4を参照すると、図1及び図2に示したエアロゾル生成物品1に類似するエアロゾル生成物品3の第3の例の概略断面図が示されており、この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0068】
図示される実施形態においては、自由縁部が互いに重なり合って、第1管状部材24の周囲のあらゆる点において2つの重なり合った周囲層を有する多層金属ラッパーを提供する程度まで、第1管状部材24を構成する金属ラッパーの長手方向に延びる自由縁部の重なり合いの程度が大幅に大きくなっていることを除いては、エアロゾル生成物品3は、図1及び図2に示されるエアロゾル生成物品1とあらゆる点において同一である。複数の層を設けると、エアロゾル生成物品3の使用中に金属ラッパーにおける熱の発生が増加することは理解されるであろう。
【0069】
ここで図5を参照すると、図1及び図2に示したエアロゾル生成物品1に類似するエアロゾル生成物品4の第4の例の概略斜視図が示されており、この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0070】
エアロゾル生成物品4は、第1管状部材24の構造を除いては、図1及び図2に示されるエアロゾル生成物品1とあらゆる点において同一である。物品4では、第1管状部材24は、実質的に非導電性且つ磁気非透過性の材料、例えば、紙ラッパー40を含む。導電性サセプタ材料を含む複数のトラック42が紙ラッパー40の周囲の軸方向に間隔を空けた位置に延び、各トラックは閉路を形成している。物品4の使用中、導電性トラック42は時間変動電磁場の存在下で誘導加熱され、この熱は、導電性トラック42から第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料に伝達される。
【0071】
導電性トラック42は、紙ラッパー40の内部表面上及び/又は紙ラッパー40の外部表面上に取り付けられ得る。例えば、第1本体22のエアロゾル形成材料への熱伝達のレベルを高くすることが望ましい場合、導電性トラック42を紙ラッパー40の内部表面上に取り付けることが好ましい。逆に、第2本体26のエアロゾル形成材料への熱伝達のレベルを高くすることが望ましい場合、導電性トラック42を紙ラッパー40の外部表面上に取り付けることが好ましい。一部の実施形態では、導電性トラック42は紙ラッパー40の内部表面及び外部表面上の両方に取り付けられ得ると考えられる。例えば、軸方向に隣接する導電性トラック42は、紙ラッパー40の内部表面及び外部表面上のそれぞれに交互に、繰り返して取り付けられ得る。
【0072】
ここで図6を参照すると、図1及び図2に示したエアロゾル生成物品1に類似するエアロゾル生成物品5の第5の例の概略側断面図が示されており、この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0073】
エアロゾル生成物品5はその軸方向端部に、例えばセルロースアセテート繊維を含む空気透過性プラグ50を含む。空気透過性プラグ50が配置される空洞を画定するために、第2管状部材28を構成する紙ラッパーの軸方向寸法は、第1管状部材24を構成する金属ラッパーの軸方向寸法よりも大きい。
【0074】
ここで図7を参照すると、図1図2、及び図6に示されるエアロゾル生成物品1及びエアロゾル生成物品5に類似するエアロゾル生成物品6の第6の例の概略側断面図が示されており、この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0075】
エアロゾル生成物品6は、2つの前記空気透過性プラグ50を、物品6の各軸方向端部に1つずつ含む。空気透過性プラグ50が配置される2つの空洞を物品6の軸方向反対端に画定するように、第2管状部材28を構成する紙ラッパーの軸方向寸法は、この場合も、第1管状部材24を構成する金属ラッパーの軸方向寸法よりも大きい。
【0076】
ここで図8を参照すると、図1及び図2に示したエアロゾル生成物品1に類似するエアロゾル生成物品7の第7の例の概略側断面図が示されており、この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0077】
エアロゾル生成物品7は、2つの前記空気透過性プラグ50を、物品7の各軸方向端部に1つずつ含む。物品7はまた、例えば、空気透過性プラグ50のうちの1つとエアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26との間に配置された蒸気冷却媒体を含む、空気透過性材料52の本体を含む。
【0078】
エアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26と第1管状部材24及び第2管状部材28は全て、同じ軸方向長さを有し、エアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26の軸方向端部が、第1管状部材24を構成する金属ラッパーと第2管状部材28を構成する紙ラッパーと軸方向に整列するように配置されている。空気透過性プラグ50と空気透過性本体52は、エアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26と第1管状部材24及び第2管状部材28と当接して同軸に整列している。したがって、物品7は、物品の構成要素の周囲を囲んでこれらを所定の位置に固定するための外側ラッパー54、例えば紙ラッパーを更に備える。
【0079】
ここで図9を参照すると、エアロゾル生成物品8の第8の例の概略側断面図が示されている。この図では、対応する要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0080】
第1管状部材24は、例えば、上述の例で使用されている金属ラッパーと比べると相対的に剛性の構造を有するパイプ又は管を備える。
【0081】
エアロゾル生成物品8はその1つの軸方向端部に、上述したように、典型的にはセルロースアセテート繊維を含む空気透過性プラグ50を含む。物品8の反対側の軸方向端部には、エアロゾル形成材料の第1本体22及び第2本体26を所定の位置に維持するためのメッシュ70又は同様の空気透過性構造体が提供される。メッシュ70と第2管状部材28は、典型的には、単一の構成要素として、例えば、成形プラスチック構成要素として一体形成されている。
【0082】
エアロゾル生成物品8において、第1管状部材24の軸方向寸法は、第2管状部材28の軸方向寸法よりも小さいことに留意されたい。この構成により、エアロゾル形成材料の第1本体22と第2本体26は、例えば顆粒又はペレットの形態の、均質なエアロゾル形成材料の単一本体を備える。
【0083】
ここで図10を参照すると、吸入されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成システム90が示される。エアロゾル生成システム90は、エアロゾル生成デバイス92の第1の例を備える。エアロゾル生成デバイス92は、筺体94と、電源96と、高周波数で動作するように構成されてもよい制御回路98と、を備える。電源96は、典型的には、例えば誘導充電式であり得る1つ以上のバッテリーを備える。エアロゾル生成デバイス92はまた、第1の空気入口100a及び第2の空気入口100bを含む。
【0084】
エアロゾル生成デバイス92は、エアロゾル形成材料を加熱するための誘導加熱アセンブリ102を備える。誘導加熱アセンブリ102は略円筒形の加熱コンパートメント104を備え、略円筒形の加熱コンパートメント104は、本開示の態様による対応する形状の略円筒形のエアロゾル生成物品を受け入れるように構成されている。
【0085】
図9は、加熱コンパートメント104内に配置された、図6に示されるエアロゾル生成物品5を示す。加熱コンパートメント104及びエアロゾル生成物品5は、空気透過性プラグ50が加熱コンパートメント104から突出するように配置されている。このため、使用者が自身の唇を物品5の突出部分に係合させて、システム100の動作中に生成されたエアロゾルを空気透過性プラグ50を通して吸入することができる。
【0086】
空気入口100a、100bは両方とも加熱コンパートメント104と連通している。空気入口100aは、エアロゾル形成材料の第1本体22内に空気を案内するために配置され、空気入口100bは、エアロゾル形成材料の第2本体26内に空気を案内するために配置されていることに留意されたい。
【0087】
誘導加熱アセンブリ102は螺旋状の誘導コイル106を備える。螺旋状の誘導コイル106は、第1の軸方向端部と第2の軸方向端部とを有し、円筒形の加熱コンパートメント104の周りに延び、電源96及び制御回路98によって励磁され得る。したがって、誘導コイル106は、加熱コンパートメント104の形態の空洞を画定し、この空洞内に、エアロゾル生成物品5が配置される。加熱コンパートメント104とエアロゾル生成物品5はそれぞれ、各々の長手方向軸線を有し、この長手方向軸線は、エアロゾル生成物品5が加熱コンパートメント104内に配置されると、互いに実質的に整列することに留意されたい。
【0088】
制御回路98は、電子部品の中でもとりわけ、電源96からの直流を誘導コイル106用の交流高周波電流に変換するように構成されたインバータを含む。当業者であれば理解するように、誘導コイル106が交流高周波電流によって励磁されると、交流の時間変動電磁場が生成される。この電磁場は、第1管状部材24を構成する金属ラッパーと結合し、金属ラッパー中に渦電流及び/又は磁気ヒステリシス損失を発生させ、金属ラッパーを加熱する。その後、この熱は、例えば、伝導、放射、及び対流によって、金属ラッパーから第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料に伝達される。
【0089】
図10の例では、金属ラッパーが誘導加熱アセンブリ102の誘導コイル106によって誘導加熱されると金属ラッパーからエアロゾル形成材料に熱が伝達され、エアロゾル形成材料を加熱してエアロゾルを生成するように、第1管状部材24を構成する金属ラッパーは、第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料と直接接触している。第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料のエアロゾル化は、空気入口100a、100bを通して周囲環境から空気を添加することにより促進される。第1本体22及び第2本体26のエアロゾル形成材料を加熱することにより生成されたエアロゾルは、その後、空気透過性プラグ50を通って物品1の内部空洞34及び環状空洞36を出、例えば、システム90の使用者によって吸入され得る。
【0090】
ここで図11を参照すると、吸入されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成システム120が示される。エアロゾル生成システムは、図10に示されるエアロゾル生成デバイス92に類似するエアロゾル生成デバイス122の第2の例を備え、この図では、対応する構成要素は同じ参照番号を使用して示される。
【0091】
エアロゾル生成デバイス122は、加熱コンパートメント104と連通する単一の空気入口124を備えることを除いてはエアロゾル生成デバイス92と同一のものである。エアロゾル生成デバイス122は、加熱コンパートメント104内に配置された状態で示される図7のエアロゾル生成物品6と共に使用するのに適しているため、単一の空気入口124で十分である。前述したように、エアロゾル生成物品6は両方の軸方向端部に空気透過性プラグ50を含み、図11に示される軸方向下端部にある空気透過性プラグ50は、空気入口124を通して受け入れた空気を、内部空洞34内のエアロゾル形成材料の第1本体22内及び環状空洞36内のエアロゾル形成材料の第2本体26内の両方に案内する。
【0092】
ここで図12を参照すると、吸入されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成システム130が示される。エアロゾル生成システムは、図11を参照して既に上述したものと同じエアロゾル生成デバイス122と、加熱コンパートメント104内に配置された図9のエアロゾル生成物品8と、を備える。メッシュ70により、第1本体22及び第2本体26によって形成された均質なエアロゾル形成材料の単一本体の全体にわたって空気が流れることを可能にするので、エアロゾル生成物品8は、加熱コンパートメント104への単一の空気入口124を有するエアロゾル生成デバイス122と共に使用するのに特に適している。
【0093】
これまでの段落では、例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正を加えることができることは理解されるべきである。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0094】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈によって明らかに矛盾することがない限り、上述した特徴の任意の組み合わせは、その全ての可能な変形形態において本開示によって包含される。
【0095】
文脈でそうではないことが明確に要求されない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包含的に、即ち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
図1
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図7
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図9
図10
図11
図12