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特許7358404自動駆動式内視鏡を有する外科用ナビゲーションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】自動駆動式内視鏡を有する外科用ナビゲーションシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20231002BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231002BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20231002BHJP
   A61B 1/233 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B1/00 R
A61B1/00 735
A61B1/045 623
A61B1/233
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020568228
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 IB2019054235
(87)【国際公開番号】W WO2019234540
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】16/003,434
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】ファング・イツァーク
(72)【発明者】
【氏名】ケイン・ウィリアム・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スミス・ジュニア・デビッド・エイ
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-154873(JP,A)
【文献】特開2002-000550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0104001(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0202624(US,A1)
【文献】特開2004-351214(JP,A)
【文献】特開2006-280591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61B 1/00
A61B 1/045
A61B 1/233
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ナビゲーションシステムであって、
(a)内視鏡であって、前記内視鏡は、
(i)本体と、
(ii)シャフト軸に沿って前記本体から遠位方向に延在し、遠位シャフト端部を有する、シャフトと、
(iii)前記シャフトを通って遠位方向に延在する光導管であって、前記光導管は、画像を光学的に送信するように動作可能である、光導管と、
(iv)前記遠位シャフト端部に配置された可動光学素子であって、前記可動光学素子は、視線を画定する視野を提供するように構成されており、前記可動光学素子は、前記視野内の画像をキャプチャし、前記画像を前記光導管へと近位方向に送信して、ユーザによる前記画像の可視化を可能にするように動作可能である、可動光学素子と、を含む、内視鏡と、
(b)前記内視鏡と連結された駆動機構であって、前記駆動機構は、前記可動光学素子を前記シャフトに対して移動させて、前記視線の方向を調整するように動作可能である、駆動機構と、
(c)前記内視鏡に動作可能に関連付けられたナビゲーションセンサであって、前記ナビゲーションセンサは、患者内の前記遠位シャフト端部の位置に対応する信号を生成するように動作可能であ前記遠位シャフト端部に配置されたナビゲーションセンサと、
(d)プロセッサであって、前記プロセッサは、前記ナビゲーションセンサ及び前記駆動機構と通信する、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記ナビゲーションセンサから受信した前記信号に基づいて、前記患者内の前記遠位シャフト端部の位置を決定するように動作可能であり、
前記プロセッサは、前記視線が前記患者内の選択された対象点に向けて方向付けられるように前記可動光学素子を位置付けるため、前記駆動機構に命令するように更に動作可能であ
前記ナビゲーションセンサは、前記シャフト軸を中心に配置され、前記光導管の一部を囲むように配置された、第1のナビゲーションセンサを含み、
前記ナビゲーションセンサは、前記シャフト軸に対して横方向に延びる第2の軸の周りに位置付けられ、前記シャフト軸から半径方向外側に間隔を置いて配置された、第2のナビゲーションセンサを含む、外科用ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記シャフトが剛性である、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記内視鏡が、前記遠位シャフト端部に配置された窓を更に含み、前記内視鏡は、前記窓を通して前記画像をキャプチャするように動作可能である、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記内視鏡がレンズを更に含み、前記レンズは、前記可動光学素子と前記光導管の遠位端との間に配置されている、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記可動光学素子が、長手方向シャフト軸に対して横方向に延在する枢動軸を中心に枢動するように構成されている、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記駆動機構が、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記本体に対して前記シャフト軸を中心に回転させるように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記シャフトに対して前記枢動軸を中心に枢動させるように動作可能である、請求項5に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記シャフトが、前記本体に対して前記シャフト軸を中心に回転可能であり、前記第1のアクチュエータは、前記シャフトを前記本体に対して回転させ、それによって、前記可動光学素子及び前記視野を、前記シャフト軸を中心に回転させるように動作可能である、請求項6に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記第1のアクチュエータが第1のモーターを含み、前記第2のアクチュエータが第2のモーターを含む、請求項6に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記ナビゲーションセンサが電磁センサを含む、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記電磁センサが導電性コイルを含む、請求項9に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記外科用ナビゲーションシステムが、前記プロセッサと通信するディスプレイを更に備え、前記ディスプレイは、前記ナビゲーションセンサによって提供される前記信号に基づいて、前記患者の解剖学的構造に対する前記遠位シャフト端の前記位置をリアルタイムで示すナビゲーション画像を描写するように動作可能である、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記ディスプレイを介して提供された入力として前記対象点を受け入れるように動作可能であり、前記対象点は、前記ナビゲーション画像によって示される前記患者の解剖学的特徴に対応する、請求項11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記ナビゲーション画像がコンピュータ断層撮影(CT)画像を含む、請求項11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記ナビゲーション画像が三次元画像を含み、前記対象点が三次元座標系に対応する座標を有する、請求項11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記ディスプレイが前記内視鏡の前記光導管とも通信し、前記ディスプレイは、前記内視鏡によってキャプチャされた前記画像を表示するように更に動作可能である、請求項11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項16】
外科用ナビゲーションシステムであって、
(a)内視鏡であって、前記内視鏡は、
(i)本体と、
(ii)長手方向シャフト軸に沿って前記本体から遠位方向に延在するシャフトであって、前記シャフトは、遠位シャフト端部を含む、シャフトと、
(iii)前記シャフトを通って遠位方向に延在する光導管であって、前記光導管は、画像を光学的に送信するように動作可能である、光導管と、
(iv)前記遠位シャフト端部に配置された可動光学素子であって、前記可動光学素子は、前記シャフト軸に対して横方向に延在する枢動軸を中心に枢動するように構成されており、前記可動光学素子は、視線を画定する視野を提供するように構成されている、可動光学素子と、を含み、
前記可動光学素子は、前記視野内の画像をキャプチャし、前記画像を前記光導管へと近位方向に送信して、ユーザによる前記画像の可視化を可能にするように動作可能である、内視鏡と、
(b)前記内視鏡と連結された駆動機構であって、前記駆動機構は、前記可動光学素子を前記シャフトに対して移動させて前記視線の方向を調整するように動作可能であり、前記駆動機構は、
(i)第1のアクチュエータであって、前記第1のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記本体に対して前記シャフト軸を中心に回転させるように動作可能である、第1のアクチュエータと、
(ii)第2のアクチュエータであって、前記第2のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記シャフトに対して前記枢動軸を中心に枢動させるように動作可能である、第2のアクチュエータと、を含む、駆動機構と、
(c)前記内視鏡に動作可能に関連付けられたナビゲーションセンサであって、前記ナビゲーションセンサは、患者内の前記遠位シャフト端部の位置に対応する信号を生成するように動作可能であり、前記遠位シャフト端部に配置されたナビゲーションセンサと、
(d)プロセッサであって、前記プロセッサは、前記ナビゲーションセンサ及び前記駆動機構と通信する、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記ナビゲーションセンサから受信した前記信号に基づいて、前記患者内の前記遠位シャフト端部の位置を決定するように動作可能であり、
前記プロセッサは、前記視線が前記患者内の選択された対象点に向けて方向付けられるように前記可動光学素子を位置付けるため、前記駆動機構に命令するように更に動作可能であり、
前記ナビゲーションセンサは、前記シャフト軸を中心に配置され、前記光導管の一部を囲むように配置された、第1のナビゲーションセンサを含み、
前記ナビゲーションセンサは、前記シャフト軸に対して横方向に延びる第2の軸の周りに位置付けられ、前記シャフト軸から半径方向外側に間隔を置いて配置された、第2のナビゲーションセンサを含む、外科用ナビゲーションシステム。
【請求項17】
請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステムの作動方法であって、
(a)前記外科用ナビゲーションシステムが、前記外科用ナビゲーションシステムのディスプレイ上にナビゲーション画像を描写することであって、前記ナビゲーション画像は、前記患者の解剖学的構造に対する前記内視鏡の遠位端の位置をリアルタイムに示す、ことと、
(b)前記外科用ナビゲーションシステムが、前記ディスプレイを介して、前記ナビゲーション画像によって示される前記患者の解剖学的特徴に対応する対象点を指定するユーザ指示情報を受信する、ことと、
(c)前記外科用ナビゲーションシステムが、前記プロセッサを用いて、前記内視鏡の前記遠位端の前記位置を前記ユーザ指示情報によって指定された前記対象点と比較することと、
(d)前記外科用ナビゲーションシステムが、前記比較に基づいて、前記プロセッサを用いて前記駆動機構を制御して、前記視線が前記ユーザ指示情報によって指定された前記対象点に向けて方向付けられる位置に、前記可動光学素子を移動させることと、を含む、作動方法。
【請求項18】
前記内視鏡が長手方向軸を含み、前記(d)において、前記外科用ナビゲーションシステムが、前記プロセッサを用いて、前記長手方向軸を中心とした前記対象点に対する前記内視鏡の回転方向を決定することを更に含、請求項17に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡張が望まれる場合がある。これには、副鼻腔の小孔の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などが含まれ得る。解剖学的通路を拡張する1つの方法としては、ガイドワイヤ及びカテーテルを用いて解剖学的通路内に膨張可能なバルーンを位置決めし、次いでバルーンを流体(例えば、生理食塩水)を用いて膨張させて解剖学的通路を拡張することが挙げられる。例えば、膨張可能なバルーンを副鼻腔の口内に位置決めし、次に膨張させることによって、粘膜の切開や骨の切除を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡張することができる。その後、拡張した口によって、罹患した副鼻腔からの排液及びその副鼻腔の通気を改善することができる。かかる手順を実施するのに使用可能なシステムは、米国特許出願公開第2011/0004057号、名称「Systems and Methods for Transnasal Dilation of Passageways in the Ear,Nose or Throat」(2011年1月6日公開)の教示に従って提供することができ、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。このようなシステムの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva(登録商標)Spin Balloon Sinuplasty(商標)システムがある。
【0002】
かかるシステムと共に可変視野方向内視鏡を使用して、解剖学的通路(例えば、耳、鼻、咽頭、副鼻腔など)内を可視化し、バルーンを所望の位置に配置することができる。可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内で内視鏡のシャフトを曲げる必要なく広範な横断視野角に沿った視野を可能にすることができる。このような内視鏡は、米国特許出願公開第2010/0030031号、発明の名称「Swing Prism Endoscope」(2010年2月4日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示に従って得ることができる。
【0003】
画像誘導手術(Image-guided surgery、IGS)は、コンピュータを用いて、患者の身体内に挿入された器具の位置の、術前に得られた画像群(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイムの相関を得ることで器具の現在位置を術前に得られた画像に重ね合わせる外科手術技法である。いくつかのIGS手技では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを用いて、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁界を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)が装着された特別な器具を用いて処置を実行し、同時に、センサがコンピュータに各手術用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、器具装着センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対するそれぞれの外科器具のリアルタイム位置を示す指標(例えば、クロスヘア又は照明ドットなど)と共にシステムディスプレイデバイス(例えば、ビデオモニタ)上に表示される。システムディスプレイデバイスによって描写されるスキャン画像及び指標は、本明細書において「ナビゲーション画像」と総称される。これにより、外科医は、器具自体を体内のその現在位置において直接見ることができない場合であっても、ディスプレイデバイスを見ることによってそれぞれのセンサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0004】
耳鼻咽喉(ENT)及び副鼻腔手術で使用され得る電磁IGSシステムの例としては、InstaTrak ENT(商標)システム(GE Medical Systems,Salt Lake City,Utahから入手可能)が挙げられる。電磁画像誘導システムの他の例としては、Biosense-Webster,Inc.,(Diamond Bar,California)によるCARTO(登録商標)3 System、及びSurgical Navigation Technologies,Inc.,(Louisville,Colorado)から入手可能なシステムが挙げられるが、これらに限定されない。IGSシステムと共に使用され得る気管支内器具の一例は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月28日に公開された「Endobronchial Catheter」と題する米国公開第2013/0317339号に記載されている。
【0005】
機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)、副鼻腔生検処置、バルーン副鼻腔手術、及び/又は様々な他のENT処置に適用される場合、IGSの使用によって、外科医は、内視鏡単独による視野によって達成され得るよりも正確に手術器具を動かして位置決めすることが可能になる。これは、典型的な内視鏡の画像が空間的に制限された2次元の視線の視界だからである。画像誘導システムを用いることによって、空間的に制限された2次元の直接視線の内視鏡視野において実際に見えるものだけではなく、術野を囲む解剖学的構造全てのリアルタイムの三次元図が得られる。結果として、画像誘導システムは、FESS、バルーンサイナプラスティ、及び/又は様々な他のENT処置の実行中に、とりわけ、通常の解剖学的目印が存在しないか又は内視鏡的に可視化することが困難である場合に、特に有用であり得る。
【0006】
ENT手技及び他の医療手技においてIGSナビゲーションシステム及び付属する構成要素の使用を更に容易とする特徴を提供することが望ましい場合がある。IGS及びENT手術に関連していくつかのシステム及び方法がこれまでに製造及び使用されているが、本発明者らよりも以前に付属の特許請求の範囲に記載される本発明を製造及び使用した者はないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれていると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
図1】外科用ナビゲーションシステムの例示的な内視鏡の斜視図を示す。
図2】スイングプリズム並びに第1及び第2のナビゲーションセンサを含む内部構成要素の詳細を示す、図1の内視鏡の遠位端の概略側断面図を示す。
図3】内視鏡の例示的な視野角を示す、図1の内視鏡の遠位端の概略側面図を示す。
図4】第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータとアクチュエータを制御するように動作可能なコントローラとを有する駆動機構を概略的に示す、図1の内視鏡の近位端部分の概略側面図を示す。
図5図1の内視鏡を組み込む例示的な外科用ナビゲーションシステムの概略斜視図を示す
図6】プロセッサと図4の駆動機構コントローラ及びアクチュエータとを含む、図5の外科用ナビゲーションシステムの選択構成要素の概略図を示す。
図7】三次元座標系内で動作する図1の内視鏡の概略側面図を示し、内視鏡の視線が座標系内の選択された対象点に向けて方向付けられていることを示す。
【0008】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明には、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる、かつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0010】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、外科医により近く配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。また、図面を参照して「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は例示的な記述目的にのみ使用されて、限定も絶対も意図していないと理解されるであろう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解される。
【0011】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲の「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で記載されているその所期の目的のために機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。
【0012】
I.自動駆動式内視鏡を有する例示的な外科用ナビゲーションシステム
上述したように、外科手術は、IGSナビゲーションシステムのナビゲーションセンサを備えた外科用器具を、外科用器具及び周囲の患者の解剖学的構造の直接可視化を提供する内視鏡と組み合わせて使用して実施され得る。IGSと内視鏡とのこの組み合わせにより、外科医は、IGS又は内視鏡単独と比較して、外科用器具及び解剖学的構造をより正確に操作及び表示することが可能となる。しかしながら、場合によっては、IGSナビゲーションシステムによって表示されるナビゲーション画像上で識別された特定の解剖学的特徴が、内視鏡で見られる同じ解剖学的特徴であるかどうかを確認することは、外科医にとって困難であり得る。換言すれば、IGSナビゲーションシステムによって表示されているCT画像(又は他の以前にキャプチャされた画像)内の対象領域と、内視鏡による視界とをリアルタイムで正確に相関させることは困難であり得る。
【0013】
後述する例示的な外科用ナビゲーションシステムは、患者内の内視鏡の遠位端の位置を追跡する、自動駆動式内視鏡及びIGS構成要素を組み込む。システムディスプレイは、IGSナビゲーション画像を描写し、外科医が、患者の特定の解剖学的特徴に対応するナビゲーション画像上の対象点を選択することを可能にする。次いで、このシステムは、内視鏡と連結された駆動機構を制御して、外科医によって示される対象点に向けて内視鏡の視線を自動的に方向付ける。その結果、外科医には、内視鏡で見ている解剖学的特徴が、IGSナビゲーション画像を介して外科医に指定される対象点に対応する同じ解剖学的特徴であることがわかる。
【0014】
A.自動駆動式内視鏡
図1図3は、外科用ナビゲーションシステム(100)の例示的な内視鏡(10)を示し、その追加の構成要素は、図5図7に関連してより詳細に記載される。本実施例の内視鏡(10)は、後述するように、ハンドルとして機能し得る本体(12)と、細長い剛性シャフト(14)と、を含み、細長い剛性シャフト(14)は、長手方向シャフト軸(A)に沿って本体(12)から遠位方向に延在し、遠位シャフト端部(16)で終端し、遠位シャフト端部(16)を介して内視鏡画像がキャプチャされる。本実施例では、シャフト(14)は、シャフト軸(A)を中心に本体(12)に対して回転可能である。内視鏡シャフト(14)には、丸みを帯びた外側表面が提供され、それにより、使用中にシャフト(14)を非外傷性にする。一実施例では、シャフト(14)は、約4mmの外径及び約175mmの作業長を有してもよい。
【0015】
本体(12)の遠位端は、半径方向外側に突出し、内視鏡(10)内に収容された光導管(28)と連通する光源ポート(18)を含む。あるいは、光源ポート(18)から遠位シャフト端部(16)に可視光を伝達するために、光導管(28)の代わりに光導体又は他の光通信機構が使用されてもよい。光源ポート(18)は、照明された内視鏡画像のキャプチャを可能にするために、光導管(28)を介して遠位シャフト端部(16)で照明を提供するように動作可能な光源(20)と接続するように構成されている。画像ポート(22)は、本体(12)の近位端に提供され、キャプチャされた画像の可視化を外科医に提供する表示デバイス(24)と連結するように構成されている。表示デバイス(24)は、例えば、接眼レンズ、カメラ、又はディスプレイスクリーンの形態であってもよい。
【0016】
図2に示すように、遠位シャフト端部(16)は、湾曲した透明窓(26)を有する丸みを帯びた先端を含み、内視鏡(10)は、その先端を通して画像をキャプチャするように構成されている。光導管(28)は、シャフト軸(A)に沿ってシャフト(14)を通って長手方向に延在し、窓(26)を通してキャプチャされた画像を画像ポート(22)に光学的に送信するように構成されているため、操作者は、表示デバイス(24)を用いてその画像を見ることができる。いくつかの実施例では、光導管(28)は、複数の画像ファイバ及び照明ファイバを含む光ファイバケーブルの形態であってもよい。他の実施例では、光導管(28)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には容易に明らかとなる、様々な他のタイプの光伝送要素を含んでもよい。例えば、光導管(28)は、ロッドレンズ技術を実装してもよい。自己集束レンズ(30)は、光導管(28)の遠位端で、窓(26)の近位側に配置され、キャプチャされた画像を、後述する可動光学素子(32)から光導管(28)へと近位方向に送信するように構成されている。
【0017】
スイングプリズム(32)の形態の可動光学素子は、透明窓(26)と自己集束レンズ(30)との間の遠位シャフト端部(16)内に配置される。スイングプリズム(32)は、窓(26)を通して画像をキャプチャし、その画像を、レンズ(30)を通して光導管(28)へと近位方向に送信するように動作可能である。スイングプリズム(32)は、シャフト軸(A)に対して横方向に延在する枢動軸(A1)を中心に枢動するように構成され、内視鏡(10)に窓(26)を通した可動視野を提供し、視野は視線(LS)を画定する中心を有する。視線(LS)は、枢動軸(A1)を中心にスイングプリズム(32)と共に枢動し、シャフト軸(A)に対する視野角を画定する。細長い作動リンク(34)は、スイングプリズム(32)の側部と連結され、内視鏡シャフト(14)を通って本体(12)へと近位方向に延在する。作動リンク(34)は、シャフト(14)内を長手方向に摺動し、それによって、第1の端部枢動位置と第2の端部枢動位置との間の枢動軸(A1)を中心にスイングプリズム(32)を枢動させて視線(LS)の方向を調整するように構成されている。付勢バネ(36)は、スイングプリズム(32)に連結されており、スイングプリズム(32)を第1の端部枢動位置と第2の端部枢動位置との間の中間枢動位置に向けて付勢するように構成されてもよい。以下により詳細に記載されるように、作動リンク(34)は、自動駆動機構によって移動されるように構成され、また任意選択的に、本体(12)上に配置された機構の手動操作を介して外科医によって移動されるように構成されている。
【0018】
シャフト軸(A)がゼロ角度で表される図3に示されるように、スイングプリズム(32)は、視線(LS)がシャフト軸(A)に対して約-5度~約150度、約0度~約120度、約10度~約90度、又は任意の他の好適な範囲で枢動し得るように、枢動軸(A1)の周りに装着され、枢動可能であってもよい。本実施例では、スイングプリズム(32)及び窓(26)は、約60度にわたる視野を提供する。したがって、様々な実施例では、内視鏡(10)の視野は、スイングプリズム(32)の枢動範囲に基づいて、約180度、約140度、又は任意の他の好適な視野範囲に及ぶ視野範囲を可能にし得る。
【0019】
図2に示すように、内視鏡(10)の遠位シャフト端部(16)は、外科手術中に患者内の遠位シャフト端部(16)の位置及び回転方向を追跡するために、後述する、外科用ナビゲーションシステム(100)のIGS構成要素と通信するように動作可能な複数のナビゲーションセンサ(40、42)を更に含む。具体的には、本実施例の遠位シャフト端部(16)は、第1の導電性コイル(例えば、螺旋状にコイル構成に巻かれた第1の金属ワイヤ)の形態の第1のナビゲーションセンサ(40)と、第2の導電性コイル(例えば、螺旋状にコイル構成に巻かれた第2の金属ワイヤ)の形態の第2のナビゲーションセンサ(42)と、を含む。第1のセンサコイル(40)は、光導管(28)の遠位部分を取り囲むように、シャフト軸(A)の周りに、かつ同軸上に位置付けられる。第2のセンサコイル(42)は、シャフト軸(A)に対して横方向に延在する第2の軸(A2)の周りに位置付けられ、本実施例では、遠位シャフト端部(16)の内壁付近でシャフト軸(A)から半径方向に離間している。したがって、第1のセンサコイル(40)及び第2のセンサコイル(42)は、軸(A、A2)が互いに同軸でも平行でもないように、互いに対して角度をなすそれぞれの軸(A、A2)の周りに位置付けられる。更に、第1のセンサコイル(40)及び第2のセンサコイル(42)は、センサコイル(40、42)のいずれの部分も重なり合わないように、互いに軸方向に離間している。本実施例では、第2のセンサコイル(42)は、第1のセンサコイル(40)の遠位側及び自己集束レンズ(30)の近位側に配置されているが、他の実施例では代替的な配置が提供されてもよい。
【0020】
以下により詳細に記載されるように、上述のナビゲーションセンサ(40、42)の構成は、内視鏡(10)が患者の周囲で生成された交流電磁場を通って前進する際の遠位シャフト端部(16)の位置及び回転方向の正確な追跡を可能にする。しかしながら、第1のセンサ(40)及び第2のセンサ(42)は、上述した同じ位置追跡効果を達成するように、センサ(40、42)が互いに対して角度をなすそれぞれの軸の周りに位置付けられる様々な他の構成で配置されてもよいことが理解されよう。例えば、第1のナビゲーションセンサ(40)は、例えば、米国特許出願第15/923,164号、発明の名称「Navigation Instrument With Obliquely Oriented Sensing Coil」(2018年3月19日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているように、シャフト軸(A)に対して斜めに延在する軸の周りに位置付けられてもよい。加えて、いくつかの変形例では、第2のナビゲーションセンサ(42)は省略されてもよい。他の変形例では、3つ以上のナビゲーションセンサが提供されてもよい。例えば、いくつかのこのような変形例では、スイングプリズム(32)には、スイングプリズム(32)の角度方向、ひいては視線(LS)を示すように構成されたそれ自体のナビゲーションセンサが提供されてもよい。更に、導電性コイル(40、42)以外の様々な他の好適なタイプのナビゲーションセンサが、患者内の遠位シャフト端部(16)の位置及び回転方向を追跡するために用いられてもよいことが理解されよう。
【0021】
図2に示すように、第1の信号伝送ワイヤ(44)は、シャフト(14)を通って長手方向に延在し、その遠位端で第1のナビゲーションセンサ(40)と連結する。第1の信号伝送ワイヤ(44)は、その近位端で、以下でより詳細に記載される、第1のセンサ(40)を外科用ナビゲーションシステム(100)のプロセッサ(108)と通信させる構成要素と連結する。同様に、第2の信号伝送ワイヤ(46)は、シャフト(14)を通って長手方向に延在し、その遠位端で第2のナビゲーションセンサ(46)と連結し、その近位端で、第2のセンサ(42)をシステムプロセッサ(108)と通信させる構成要素と連結する。信号伝送ワイヤ(44、46)は、後述するように、患者内の内視鏡(10)の位置及び回転方向を通知するために、ナビゲーションセンサ(40、42)によって生成された信号をシステムプロセッサ(108)へと近位方向に送信するように構成されている。
【0022】
図4は、外科手術中の視線(LS)の方向を調整するためのスイングプリズム(32)の操作を容易にする内視鏡(10)の更なる機構を示す。内視鏡(10)は、本体(12)の近位端に配置され、第1のダイアルノブ(52)と、第1のダイアルノブ(52)から近位方向に延在する第1のダイアルシャフト(54)と、を有する、第1の回転ダイアル(50)を含む。第1の回転ダイアル(50)は、本体(12)の近位端と回転可能に連結され、シャフト軸(A)を中心とした本体(12)に対する第1の回転ダイアル(50)の回転が、シャフト軸(A)を中心とした本体(12)に対するシャフト(14)の回転を駆動するように、内視鏡シャフト(14)に回転可能に固定される。本体(12)に対するシャフト(14)の回転は、スイングプリズム(32)、ひいては視線(LS)を、本体(12)に対してシャフト軸(A)を中心に回転させる。
【0023】
内視鏡(10)は、第1の回転ダイアル(50)の遠位側で本体(12)と回転可能に連結された第2の回転ダイアル(56)を更に含む。第2の回転ダイアル(56)は、第2のダイアルノブ(58)と、第2のダイアルノブ(58)から近位方向に延在する第2のダイアルシャフト(60)と、を有する。本実施例では、第1の回転ダイアル(50)及び第2の回転ダイアル(56)は、シャフト軸(A)の周りに同軸状に配置され、それにより、第2のダイアルシャフト(60)は、シャフト軸(A)に沿って、第1の回転ダイアル(50)の中央ルーメンを通って近位方向に延在する。加えて、第2のダイアルシャフト(60)の露出した近位端は、第1のダイアルシャフト(54)の近位端を越えて近位方向に延在する。それぞれの回転ダイアル(50、56)は、その対応するダイアルノブ(52、58)上に隆起部(62)を含み、スイングプリズム(32)及びその視線(LS)の選択的な位置決めのための、外科医によるダイアル(50、56)の手動回転を容易にする。図示されていないが、回転ダイアルノブ(52、58)及び/又は内視鏡本体(12)は、回転ダイアル(50、56)の回転位置を示す視覚的なしるし又は同様の機構を更に含んでもよい。
【0024】
第2の回転ダイアル(56)は、本体(12)内に収容された内部連結部材(64)と連結され、内部連結部材(64)は、作動リンク(34)の近位端と連結される。連結部材(64)の様々な好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。ほんの一例として、連結部材(64)及び作動リンク(34)の近位端は、相補的な螺旋状ねじ山を介して連結されてもよい。連結部材(64)は、本体(12)に対する第2の回転ダイアル(56)の回転が、連結部材(64)を介してシャフト軸(A)に沿った作動リンク(34)の近位並進及び遠位並進を駆動するように、カム部材として動作可能であってもよい。したがって、本体(12)に対するシャフト軸(A)を中心とした第1の方向への第2の回転ダイアル(56)の回転は、スイングプリズム(32)及び視線(LS)をシャフト(14)に対して枢動軸(A1)を中心として第1の方向に枢動させる。更に、本体(12)に対するシャフト軸(A)を中心とした第2の方向への第2の回転ダイアル(56)の回転は、スイングプリズム(32)及び視線(LS)をシャフト(14)に対して枢動軸(A1)を中心として第2の方向に枢動させる。したがって、第1の回転ダイアル(50)及び第2の回転ダイアル(56)は、第1の回転ダイアル(50)を介した、シャフト軸(A)を中心とした視線(LS)の所望の回転方向と、第2の回転ダイアル(56)を介した、シャフト軸(A)に対する視線(LS)の所望の角度方向と、を達成するために、本体(12)に対して選択的に回転されてもよい。このようにして、視線(LS)は、より詳細に記載されるように、選択された対象点に向けて好適に方向付けられてもよい。
【0025】
図4に示すように、内視鏡(10)は、シャフト軸(A)を中心とした、シャフト軸(A)に対するスイングプリズム(32)の自動位置決めを提供するため、回転ダイアル(50、56)と動作可能に連結された駆動機構(70)を更に含む。本実施例の駆動機構(70)は、第1の駆動連結部(74)を介して第1のダイアルシャフト(54)と係合する第1の駆動シャフトを有する、第1の電気モーター(72)の形態の第1のアクチュエータを含む。駆動機構(70)は、第2の駆動連結部(78)を介して第2のダイアルシャフト(60)と係合する第2の駆動シャフトを有する、第2の電気モーター(76)の形態の第2のアクチュエータを更に含む。第1のモーター(72)は、第1の回転ダイアル(50)を本体(12)に対して回転させ、それによって、内視鏡シャフト(14)を本体(12)に対してシャフト軸(A)を中心に回転させるように動作可能である。第2のモーター(76)は、第2の回転ダイアル(56)を本体(12)に対して回転させて、スイングプリズム(32)をシャフト(14)に対して枢動軸(A1)を中心に枢動させるように動作可能である。
【0026】
モーター(72、76)は、例えば、ステッピングモーターを含んでもよく、駆動連結具(74、78)は、例えばギア部材を含んでもよい。他の実施例では、アクチュエータ(72、76)は、当業者には容易に明らかである、様々な他の好適なタイプのものであってもよい。駆動機構(70)は、内視鏡本体(12)に直接連結されたハウジング(図示せず)内に収容されてもよい。あるいは、駆動機構(70)の1つ以上の構成要素は、本体(12)から離れて収容されてもよい。
【0027】
駆動機構モーター(72、76)は、モーターコントローラ(80)と通信し、モーターコントローラ(80)は、図6に示すように、かつ以下でより詳細に記載されるように、外科用ナビゲーションシステム(100)のプロセッサ(108)によって提供される命令に応答してモーター(72、76)の起動を制御するように動作可能である。それぞれのモーター(72、76)には、モーター(72、76)の現在の位置状態をプロセッサ(108)に伝達するエンコーダ(図示せず)が提供されてもよい。したがって、このようなエンコーダは、システム(100)が、本体(12)に対するシャフト軸(A)を中心とした内視鏡シャフト(14)の回転位置と、シャフト軸(A)に対する枢動軸(A1)を中心としたスイングプリズム(32)及び視線(LS)の角度方向と、を監視することを可能にし得る。モーターコントローラ(80)によって制御される場合、モーター(72、76)は、図7に関連して後述するように、外科手術中にスイングプリズム(32)、ひいては視線(LS)の自動位置決めを提供する。
【0028】
内視鏡(10)は、米国特許第9,808,144号、発明の名称「Swing Prism Endoscope」(2017年11月7日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)、及び/又は米国特許出願公開第2010/0030031号、発明の名称「Swing Prism Endoscope」(上記に参照により組み込まれている)のうちの1つ以上の教示に従って更に構成されてもよい。
【0029】
B.外科用ナビゲーションシステムのIGS機構
図5は、上述の自動駆動式内視鏡(10)、及び後述する様々な追加の画像誘導手術(IGS)機構を組み込む、外科用ナビゲーションシステム(100)を示す。外科用ナビゲーションシステム(100)は、外科手術中の患者(P)内の遠位シャフト端部(16)のリアルタイム位置追跡と、視線が外科医によって識別される選択された対象点に向けて方向付けられるようにスイングプリズム(32)の自動位置決めと、を提供するために、内視鏡(10)のナビゲーションセンサ(40、42)を実装するように構成されている。図示されていないが、外科用ナビゲーションシステム(100)は、上述のセンサ(40、42)と同様の1つ以上のナビゲーションセンサをそれぞれ備えた1つ以上の追加の外科用器具を更に含んでもよい。
【0030】
外科用ナビゲーションシステム(100)のIGS構成要素は、患者(P)の頭部(H)の周りに位置付けられるように構成された馬蹄形フレーム(104)内に一体化された1組の電磁場発生器(106)を備えた、磁場発生器アセンブリ(102)を含む。磁場発生器(106)は、患者の頭部(H)の周りに周波数の異なる交流磁場を発生させるように動作可能である。それによって、磁場発生器(106)は、患者の頭部(H)に挿入された、内視鏡(10)などのナビゲーション器具の位置の追跡を可能にする。磁場発生器(106)を形成及び駆動するために使用され得る様々な好適な構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0031】
本実施例では、フレーム(104)は椅子(200)のヘッドレストに装着され、患者(P)は、フレーム(104)が患者の頭部(H)を部分的に取り囲むように椅子(200)に着座する。ほんの一例として、椅子(200)及び/又は磁場発生器アセンブリ(102)は、米国特許出願第15/933,737号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2018年3月23日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の少なくとも一部の教示に従って構成され、動作可能である。他の実施例では、患者(P)は、医療処置テーブルなどの様々な他の好適な支持構造体上に支持されてもよい。フレーム(104)は、患者支持構造体によって、又は患者支持構造に隣接して位置付けられた独立した構造体によって支持されてもよい。他の実施例では、フレーム(104)は、患者(P)の頭部(H)に直接、固定されてもよい。
【0032】
上述したような導電性センサコイルの形態で提供されるナビゲーションセンサ(40、42)は、磁場発生器(106)によって生成された電磁場と相互作用して電気信号を生成するように構成されている。具体的には、交流磁場中のナビゲーションセンサ(40、42)の存在は、それぞれのセンサ(40、42)内の電流を誘導し、電流は、信号伝送ワイヤ(44、46)を通って外科用ナビゲーションシステム(100)のプロセッサ(108)へと近位方向に電気信号として伝達される。プロセッサ(108)は、信号を受信し、アルゴリズムを実行して、本実施例では患者(P)の頭部(H)を取り囲む交流電磁場によって占有される、三次元空間内のそれぞれのナビゲーションセンサ(40、42)の位置を決定するためのアルゴリズムを実行する。プロセッサ(108)は、この三次元空間を患者(P)の既知の解剖学的構造に相関させ、術前に分析し、患者(P)とのセンサ(40、42)の三次元位置を決定する。上述したように、本実施例のナビゲーションセンサ(40、42)は、遠位シャフト端部(16)内で互いに隣接して配置される。したがって、それぞれのセンサ(40、42)は、患者(P)内の遠位シャフト端部(16)の位置を示すために、独立して好適である。他の実施例では、ナビゲーションセンサ(40、42)は、それぞれのセンサ(40、42)が患者(P)内の内視鏡(10)の対応する部分の現在位置を示すように、シャフト軸(A)に沿って互いに離間していてもよい。
【0033】
上述したように、第1及び第2のナビゲーションセンサ(40、42)は、互いに対して角度をなすそれぞれの軸(A、A2)の周りに位置付けられ、第2のセンサ(42)は、遠位シャフト端部(16)内のシャフト軸(A)から半径方向にオフセットされている。したがって、第2のセンサ(42)によって提供される信号により、プロセッサ(16)は、三次元空間内のシャフト軸(A)を中心とした内視鏡シャフト(14)の回転方向、ひいては視線(LS)を決定することが可能になる。上述したように、第2のナビゲーションセンサ(42)は、第1のナビゲーションセンサ(40)がシャフト軸(A)に対して斜めに延在する軸の周りに位置付けられる変形例を含む、いくつかの変形例で省略されてもよいことが理解されるであろう。
【0034】
上述したように、システム(100)は、駆動機構(70)の第1のモーター(72)と連結されたエンコーダを介して、本体(12)に対するシャフト(14)の回転方向を監視し得る。第2のエンコーダは、システム(100)が枢動軸(A1)の周りのスイングプリズム(32)の角度方向、ひいては視線(LS)を監視することを可能にするため、第2のモーター(76)と連結されてもよい。図6及び図7に関連して後述するように、プロセッサ(108)は、外科医によって指定された患者(P)内の対象点に向けて視線(LS)を方向付けるのに好適なコマンドを生成する際に、患者(P)内の遠位シャフト端部(16)の三次元位置と共に、スイングプリズム(32)及び視線(LS)のこれらの既知の回転方向及び角度方向を参照する。
【0035】
外科用ナビゲーションシステム(100)のプロセッサ(108)は、1つ以上のメモリと通信する処理ユニットを備え、磁場発生器(106)及びナビゲーションシステム(100)の他の要素を制御するように構成されている。本実施例では、プロセッサ(108)は、キーパッド、及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む操作制御部(112)を備える、コンソール(110)内に装着されている。医師は、外科手術を行いながら、プロセッサ(108)と相互作用する動作制御部(112)を使用する。プロセッサ(108)は、プロセッサ(108)のメモリに格納されたソフトウェアを用いてシステム(100)を較正し、動作させる。このような動作としては、磁場発生器(106)の駆動、ナビゲーションセンサ(40、42)から受信したデータの処理、操作制御部(112)からのデータの処理、及びディスプレイ(114)の駆動が挙げられる。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でプロセッサ(108)にダウンロードされてもよく、又は、代替的に若しくは追加的に、磁気メモリ、光学メモリ若しくは電子メモリなどの、非一時的な有形媒体上に提供されかつ/又は格納されてもよい。
【0036】
内視鏡(10)のナビゲーションセンサ(40、42)は、図5に示すように内視鏡(10)の近位端に連結された通信ユニット(116)を介してプロセッサ(108)と通信し、信号伝送ワイヤ(44、46)の近位端と接続する。本実施例の通信ユニット(116)は、コンソール(110)とナビゲーションセンサ(40、42)との間でデータ及び他の信号の無線通信を提供するように構成されている。いくつかの変形例では、通信ユニット(116)は、ナビゲーションセンサ(40、42)からのデータ又は他の信号を、コンソール(110)からのデータ又は他の信号を更に通信することなく、コンソール(110)へと一方向に単純に通信する。いくつかの他の変形例では、通信ユニット(116)は、ナビゲーションセンサ(40、42)とコンソール(110)との間にデータ又は他の信号の双方向の通信をもたらす。本実施例の通信ユニット(116)は、コンソール(110)と無線で連結しているが、いくつかの他の変形例は、通信ユニット(116)とコンソール(110)との間を有線で連結していてもよい。通信ユニット(116)に組み込むことができる様々な他の好適な機構及び機能が、本明細書における教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0037】
システムディスプレイ(114)は、患者(P)の解剖学的構造に対する内視鏡(10)の遠位シャフト端部(16)のリアルタイム位置を示すナビゲーション画像(118)を描写するように動作可能である。解剖学的構造は、例えば、ビデオカメラ画像、CTスキャン画像、及び/又はコンピュータが生成する解剖学的構造の三次元モデルの形態でナビゲーション画像(118)によって提示されてもよく、例えば、同時に表示されても、かつ/又は互いに重ね合わせられてもよい。解剖学的画像に加えて、ナビゲーション画像(118)は、上述したセンサ(40、42)と同様のIGSナビゲーションシステムを有する、患者(P)に挿入された内視鏡(10)及び任意の他の外科用器具のグラフィック表現を示す。このグラフィック表現は、解剖学的画像上に重ね合わされ、医師が、外科手術中にリアルタイムで患者(P)の隣接する解剖学的特徴に対して内視鏡(10)の遠位シャフト端部(16)の位置を識別することを可能にする。ナビゲーション画像(118)によって示される1つ以上のグラフィック表現は、内視鏡(10)などの対応する外科用器具のように見えてもよく、又はドット、十字線などのより単純な表現であってもよい。
【0038】
ほんの一例として、ディスプレイ(114)は、米国特許出願公開第2016/0008083号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2016年1月14日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従ってナビゲーション画像(118)を描写してもよい。場合によっては、システムディスプレイ(114)は、内視鏡(10)によって提供される内視鏡画像と同時にナビゲーション画像(118)を描写してもよい。したがって、ディスプレイ(114)を介して提供される画像は、患者(P)内の内視鏡(10)及び任意の追加の外科用器具を操縦し、他の方法で操作する医師を補助し得る。
【0039】
外科手術中にその周囲に電磁場が発生される、及び内視鏡(10)が外科手術中に挿入される任意の好適なデバイスを使用して、患者(P)の部分(例えば、頭部(H))の内部解剖学的構造の三次元モデルを生成することができる。ほんの一例として、このようなモデルは、米国特許出願公開第2016/0310042号、発明の名称「System and Method to Map Structures of Nasal Cavity」(2016年10月27日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って生成することができる。三次元の解剖学的モデルが生成され得る他の更なる好適な方法は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明白となろう。三次元モデルを生成する方法又は場所に関係なく、モデルをコンソール(110)に記憶させてもよいことも理解されるべきである。こうして、コンソール(110)は、モデルの少なくとも一部分の画像を、ディスプレイ(114)を介してレンダリングしてもよく、更にディスプレイ(114)により、モデルに対する内視鏡(10)の遠位シャフト端部(16)の位置のリアルタイムビデオ画像をレンダリングしてもよい。
【0040】
様々な実施例では、外科用ナビゲーションシステムのIGS構成要素は、米国特許出願第15/695,520号、発明の名称「Sensor Guided Instrument with Penetrating Feature」(2017年9月5日出願);米国特許出願第15/797,049号、発明の名称「Dilation Catheter with Navigation Sensor and Vent Passageway in Tip」(2017年10月30日出願);米国特許第8,702,626号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年4月22日発行);米国特許第8,320,711号、発明の名称「Anatomical Modeling from a 3-D Image and a Surface Mapping」(2012年11月27日発行);米国特許第8,190,389号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2012年5月29日発行);米国特許第8,123,722号、発明の名称「Devices,Systems and Methods for Treating Disorders of the Ear,Nose and Throat」(2012年2月28日発行);米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行);米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開);米国特許出願公開第2014/0200444号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年7月17日公開);米国特許第9,198,736号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2015年12月1日発行);米国特許出願公開第2011/0060214号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2011年3月10日公開);米国特許第9,167,961号、発明の名称「Methods and Apparatus for Treating Disorders of the Ear Nose and Throat」(2015年10月27日発行);及び/又は米国特許出願公開第2007/0208252号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2007年9月6日公開)のうちの1つ以上の教示に従って更に構成されてもよい。これらの参考文献のそれぞれの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
C.選択された解剖学的特徴を見るための内視鏡スイングプリズムの自動位置決め
上述したように、場合によって、外科手術中に外科医が、内視鏡の視線(LS)を患者(P)内の特定の解剖学的特徴に向けて正確に方向付けて、その特徴を内視鏡的に見ることを望む可能性がある。後述するように、上述の外科用ナビゲーションシステム(100)の様々な構成要素は、外科医がシステムディスプレイ(114)を介して特定の解剖学的特徴を識別し、選択することを可能にし、システム(100)は次いで、その視線(LS)が内視鏡観察用に解剖学的特徴に向けて方向付けられるように、スイングプリズム(32)を自動的に方向付ける。
【0042】
図7に示すように、内視鏡(10)は、遠位シャフト端部(16)が、上述の磁場発生器(106)によって生成される電磁場によって占有される三次元空間内に位置付けられるように、患者(P)内に挿入される。プロセッサ(108)は、空間を三次元座標系(120)と関連付け、空間内に位置する患者(P)の解剖学的特徴を座標系(120)と相関させる。概ね上述したように、プロセッサ(108)は、図7に示される点(x、y、z)によって表される座標系(120)内で遠位シャフト端部(16)の位置を追跡し、ディスプレイ(114)のナビゲーション画像(118)を介して患者(P)の解剖学的特徴に対してリアルタイムでこの位置をグラフィカルに表示する。同じく概ね上述したように、内視鏡(10)の第1のナビゲーションセンサ(40)によって生成された信号は、座標系(120)内の遠位シャフト端部(16)の位置を示すことができ、一方、第2のナビゲーションセンサ(42)によって生成された信号は、座標系(120)内の内視鏡シャフト(14)の回転方向、ひいてはスウィングプリズム(32)を示すことができる。
【0043】
図7に示される外科手術の間、外科医は、外科医が内視鏡(10)で内視鏡的に見ることを望む、ディスプレイ(114)上のナビゲーション画像(118)によって示される特定の解剖学的特徴を識別することができる。操作制御部(112)の有無にかかわらず、外科医は、ディスプレイ(114)を使用して、プロセッサ(108)が座標系(120)内に座標(x、y、z)を有する対象点(POI)として選択された点を認識するように、ナビゲーション画像(118)上の解剖学的特徴を選択することができる。次いで、プロセッサ(108)は、座標系(120)内の遠位シャフト端部(16)の位置を座標系(120)内の対象点(POI)の位置と比較する。同時に、プロセッサ(108)は、座標系(120)内の内視鏡シャフト(14)の回転方向を、第2のナビゲーションセンサ(42)から受信した信号を介して決定し、この回転方向を対象点(POI)の位置と比較する。プロセッサ(108)はまた、第2のモーター(76)と連結されたエンコーダを介して、シャフト軸(A)に対する枢動軸(A1)と中心としたスイングプリズム(32)及び視線(LS)の角度方向を決定する。他の実施例では、当業者には容易に明らかである様々な他の好適なタイプの感知機構が、枢動軸(A1)を中心としたスイングプリズム(32)の角度方向を検出するため、エンコーダの代わりに使用されてもよい。
【0044】
上述の検出された情報により、プロセッサ(108)は、シャフト軸(A)を中心とした内視鏡シャフト(14)の必要な回転方向、及び座標系(120)内の対象点(POI)に向けて視線(LS)を方向付けるために必要な、枢動軸(A1)を中心としたスイングプリズム(32)の必要な角度方向を決定するためのアルゴリズムを実行する。このアルゴリズムの結果に基づいて、プロセッサ(108)は、モーターコントローラ(80)に好適なコマンドを生成し、送信する。モーターコントローラ(80)は、これらのコマンドを実行して、第1のモーター(72)及び/又は第2のモーター(76)を作動させて、シャフト(14)を本体(12)に対してシャフト軸(A)を中心に回転させ、かつ/又はスイングプリズム(32)をシャフト(14)に対して枢動軸(A1)を中心に枢動させるために、これらのコマンドを実行する。視線(LS)が対象点(POI)に向けて方向付けられた状態で、外科医は、対象点(POI)に対応する解剖学的特徴を内視鏡的に見ることができる。外科医が患者(P)内の別の解剖学的特徴を見ることを望む場合、外科医は、ディスプレイ(114)上の解剖学的特徴を選択してもよく、システム(100)は、視線(LS)を新しい対象点(POI)に向けて方向付けるために、上記と同じ工程を実行してもよい。このようにして、外科用ナビゲーションシステム(10)は、外科医が、内視鏡画像が患者(P)の所望の解剖学的特徴を示すように、内視鏡スイングプリズム(32)が正確に方向付けられることを確実にすることを可能にする、自動方向指示プロセスを実装する。
【0045】
II.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0046】
外科用ナビゲーションシステムであって、(a)内視鏡であって、内視鏡は、(i)本体と、(ii)本体から遠位方向に延在し、遠位シャフト端部を有するシャフトと、(iii)シャフトを通って遠位方向に延在する光導管であって、光導管は、画像を光学的に伝送するように動作可能である、光導管と、(iv)遠位シャフト端部に配置された可動光学素子であって、可動光学素子は、視線を画定する視野を提供するように構成されており、可動光学素子は視野内で画像をキャプチャし、その画像を光導管へと近位方向に送信して、ユーザによる画像の可視化を可能にするように動作可能である、可動光学素子と、を含む、内視鏡と、(b)内視鏡と連結された駆動機構であって、駆動機構は、可動光学素子をシャフトに対して移動させて視線の方向を調整するように動作可能である、駆動機構と、(c)内視鏡に動作可能に関連付けられたナビゲーションセンサであって、ナビゲーションセンサは、患者内の遠位シャフト端部の位置に対応する信号を生成するように動作可能である、ナビゲーションセンサと、(d)プロセッサであって、プロセッサは、ナビゲーションセンサ及び駆動機構と通信し、プロセッサは、ナビゲーションセンサから受信した信号に基づいて、患者内の遠位シャフト端部の位置を決定するように動作可能であり、プロセッサは、視線が患者内の選択された対象点に向けて方向付けられるように可動光学素子を位置付けるため、駆動機構に命令するように更に動作可能である、プロセッサと、を備える、外科用ナビゲーションシステム。
【実施例2】
【0047】
シャフトが剛性である、実施例1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例3】
【0048】
内視鏡が、遠位シャフト端部に配置された窓を更に含み、内視鏡は、窓を通して画像をキャプチャするように動作可能である、実施例1~2のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例4】
【0049】
内視鏡がレンズを更に含み、レンズは、可動光学素子と光導管の遠位端との間に配置されている、実施例1~3のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例5】
【0050】
可動光学素子が、長手方向シャフト軸に対して横方向に延在する枢動軸を中心に枢動するように構成されている、実施例1~4のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例6】
【0051】
駆動機構が、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを含み、第1のアクチュエータは、可動光学素子を本体に対してシャフト軸を中心に回転させるように動作可能であり、第2のアクチュエータは、可動光学素子をシャフトに対して枢動軸を中心に枢動させるように動作可能である、実施例5に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例7】
【0052】
シャフトが、本体に対してシャフト軸を中心に回転可能であり、第1のアクチュエータは、シャフトを本体に対して回転させ、それによって、可動光学素子及び視野を、シャフト軸を中心に回転させるように動作可能である、実施例6に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例8】
【0053】
第1のアクチュエータが第1のモーターを含み、第2のアクチュエータが第2のモーターを含む、実施例6~7のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例9】
【0054】
ナビゲーションセンサが電磁センサを含む、実施例1~8のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例10】
【0055】
ナビゲーションセンサが導電性コイルを含む、実施例1~9のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例11】
【0056】
外科用ナビゲーションシステムが、プロセッサと通信するディスプレイを更に備え、ディスプレイは、ナビゲーションセンサによって提供される信号に基づいて、患者の解剖学的構造に対するシャフト遠位端の位置をリアルタイムで示すナビゲーション画像を描写するように動作可能である、実施例1~10のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例12】
【0057】
プロセッサが、ディスプレイを介して提供された入力として対象点を受け入れるように動作可能であり、対象点は、ナビゲーション画像によって示される患者の解剖学的特徴に対応する、実施例11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例13】
【0058】
ナビゲーション画像がコンピュータ断層撮影(CT)画像を含む、実施例11~12のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例14】
【0059】
ナビゲーション画像が三次元画像を含み、対象点が三次元座標系に対応する座標を有する、実施例11~13のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例15】
【0060】
ディスプレイが内視鏡の光導管とも通信し、ディスプレイは、内視鏡によってキャプチャされた画像を表示するように更に動作可能である、実施例11~14のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例16】
【0061】
外科用ナビゲーションシステムであって、(a)内視鏡であって、内視鏡は、(i)本体と、(ii)長手方向シャフト軸に沿って本体から遠位方向に延在するシャフトであって、シャフトは遠位シャフト端部を含む、シャフトと、(iii)シャフトを通って遠位方向に延在する光導管であって、光導管は、画像を光学的に伝送するように動作可能である、光導管と、(iv)遠位シャフト端部に配置された可動光学素子であって、可動光学素子は、シャフト軸に対して横方向に延在する枢動軸を中心に枢動するように構成されており、可動光学素子は、視線を画定する視野を提供するように構成されており、可動光学素子は、視野内の画像をキャプチャし、その画像を近位方向に光導管へと送信して、ユーザによる画像の可視化を可能にする、可動光学素子と、を含む、内視鏡と、(b)内視鏡と連結された駆動機構であって、駆動機構は、視線の方向を調整するため、シャフトに対して可動光学素子を移動させるように動作可能であり、駆動機構は、(i)第1のアクチュエータであって、第1のアクチュエータは、可動光学素子を本体に対してシャフト軸を中心に回転させるように動作可能ある、第1のアクチュエータと、(ii)第2のアクチュエータであって、第2のアクチュエータは、可動光学素子をシャフトに対して枢動軸を中心に枢動させるように動作可能である、第2のアクチュエータと、を含む、駆動機構と、を備える、外科用ナビゲーションシステム。
【実施例17】
【0062】
プロセッサを更に備え、プロセッサは、視線が座標系内の選択された対象点に向けて方向付けられるように、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御して、可動光学素子を位置付けるように動作可能である、実施例16に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例18】
【0063】
内視鏡に動作可能に関連付けられたナビゲーションセンサを更に備え、ナビゲーションセンサは、座標系内の遠位シャフト端部の位置に対応する信号をプロセッサに送信するように動作可能であり、プロセッサは、その信号に基づいて第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御するように動作可能である、実施例16~17のいずれかに記載の外科用ナビゲーションシステム。
【実施例19】
【0064】
患者に対する外科手術中に外科用ナビゲーションシステムを操作する方法であって、外科用ナビゲーションシステムは、視線を画定する視野を提供する可動光学素子を有する内視鏡を含み、外科用ナビゲーションシステムは、内視鏡と動作可能に連結された駆動機構を更に含み、方法は、(a)外科用ナビゲーションシステムのディスプレイ上にナビゲーション画像を描写することであって、ナビゲーション画像は、患者の解剖学的構造に対する内視鏡の遠位端の位置をリアルタイムで示す、ことと、(b)ディスプレイを介してユーザ入力を受信することであって、ユーザ入力は、ナビゲーション画像によって示される患者の解剖学的特徴に対応する対象点を指定する、ことと、(c)プロセッサを用いて、内視鏡の遠位端の位置をユーザ入力によって指定された対象点と比較することと、(d)比較に基づいて、プロセッサを用いて駆動機構を制御して、視線がユーザ入力によって指定された対象点に向けて方向付けられる位置に、可動光学素子を移動させることと、を含む、方法。
【実施例20】
【0065】
内視鏡が長手方向軸を含み、方法は、プロセッサを用いて、長手方向軸を中心とした対象点に対する内視鏡の回転方向を決定することを更に含み、駆動機構を制御する工程は、回転方向の決定に更に基づく、実施例19に記載の方法。
【実施例21】
【0066】
可動光学素子を移動させるように駆動機構を制御することが、第1の軸を中心に可動光学素子を回転させることと、第1の軸に対して横方向に延在する第2の軸を中心に可動光学素子を枢動させることと、を含む、実施例19~20のいずれかに記載の方法。
【0067】
III.その他
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例など)、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書における教示を鑑みると、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲の範囲に含まれるものとする。
【0068】
参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0069】
上述の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単なる例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込むことができる。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示を、以下のうちのいずれかの様々な教示と容易に組み合わせることができることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日に交付された「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題する米国特許第5,792,135号;1998年10月6日発行の、「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題する、米国特許第5,817,084号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;1999年3月2日に発行された、「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題する、米国特許第5,878,193号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2001年5月15日に発行された、「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題する、米国特許第6,231,565号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2004年8月31日に発行された、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する、米国特許第6,783,524号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2002年4月2日に発行された、「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題する、米国特許第6,364,888号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2009年4月28日に発行された、「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題する、米国特許第7,524,320号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2010年4月6日に発行された、「Platform Link Wrist Mechanism」と題する、米国特許第7,691,098号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2010年10月5日発行の、「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題する、米国特許第7,806,891号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2014年9月30日発行の、「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題する、米国特許第8,844,789号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2014年9月2日に発行された、「Robotically-Controlled Surgical Instruments」と題する、米国特許第8,820,605号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2013年12月31日に発行された、「Shiftable Drive Interface for Robotically-Controlled Surgical Tool」と題する、米国特許第8,616,431号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2013年11月5日に発行された、「Surgical Stapling Instruments with Cam-Driven Staple Deployment Arrangements」と題する、米国特許第8,573,461号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2013年12月10日に発行された、「Robotically-Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題する、米国特許第8,602,288号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2016年4月5日に発行された、「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題された米国特許第9,301,759号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2014年7月22日に発行された、「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題する、米国特許第8,783,541号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2013年7月9日に発行された、「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題する、米国特許第8,479,969号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;2014年8月12日に発行された、「Robotically-Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題する、米国特許第8,800,838号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる;及び/又は2013年11月5日に発行された、「Robotically-Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題する、米国特許第8,573,465号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、一方又はその両方の場合において、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は処置の直前に使用者によってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0071】
単なる例として、本明細書に記載される変形形態は、処置前及び/又は処置後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に配置する。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0072】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0073】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ナビゲーションシステムであって、
(a)内視鏡であって、前記内視鏡は、
(i)本体と、
(ii)前記本体から遠位方向に延在し、遠位シャフト端部を有する、シャフトと、
(iii)前記シャフトを通って遠位方向に延在する光導管であって、前記光導管は、画像を光学的に送信するように動作可能である、光導管と、
(iv)前記遠位シャフト端部に配置された可動光学素子であって、前記可動光学素子は、視線を画定する視野を提供するように構成されており、前記可動光学素子は、前記視野内の画像をキャプチャし、前記画像を前記光導管へと近位方向に送信して、ユーザによる前記画像の可視化を可能にするように動作可能である、可動光学素子と、を含む、内視鏡と、
(b)前記内視鏡と連結された駆動機構であって、前記駆動機構は、前記可動光学素子を前記シャフトに対して移動させて、前記視線の方向を調整するように動作可能である、駆動機構と、
(c)前記内視鏡に動作可能に関連付けられたナビゲーションセンサであって、前記ナビゲーションセンサは、患者内の前記遠位シャフト端部の位置に対応する信号を生成するように動作可能である、ナビゲーションセンサと、
(d)プロセッサであって、前記プロセッサは、前記ナビゲーションセンサ及び前記駆動機構と通信する、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記ナビゲーションセンサから受信した前記信号に基づいて、前記患者内の前記遠位シャフト端部の位置を決定するように動作可能であり、
前記プロセッサは、前記視線が前記患者内の選択された対象点に向けて方向付けられるように前記可動光学素子を位置付けるため、前記駆動機構に命令するように更に動作可能である、外科用ナビゲーションシステム。
(2) 前記シャフトが剛性である、実施態様1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(3) 前記内視鏡が、前記遠位シャフト端部に配置された窓を更に含み、前記内視鏡は、前記窓を通して前記画像をキャプチャするように動作可能である、実施態様1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(4) 前記内視鏡がレンズを更に含み、前記レンズは、前記可動光学素子と前記光導管の遠位端との間に配置されている、実施態様1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(5) 前記可動光学素子が、長手方向シャフト軸に対して横方向に延在する枢動軸を中心に枢動するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【0074】
(6) 前記駆動機構が、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記本体に対して前記シャフト軸を中心に回転させるように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記シャフトに対して前記枢動軸を中心に枢動させるように動作可能である、実施態様5に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(7) 前記シャフトが、前記本体に対して前記シャフト軸を中心に回転可能であり、前記第1のアクチュエータは、前記シャフトを前記本体に対して回転させ、それによって、前記可動光学素子及び前記視野を、前記シャフト軸を中心に回転させるように動作可能である、実施態様6に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(8) 前記第1のアクチュエータが第1のモーターを含み、前記第2のアクチュエータが第2のモーターを含む、実施態様6に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(9) 前記ナビゲーションセンサが電磁センサを含む、実施態様1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(10) 前記電磁センサが導電性コイルを含む、実施態様9に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【0075】
(11) 前記外科用ナビゲーションシステムが、前記プロセッサと通信するディスプレイを更に備え、前記ディスプレイは、前記ナビゲーションセンサによって提供される前記信号に基づいて、前記患者の解剖学的構造に対する前記シャフト遠位端の前記位置をリアルタイムで示すナビゲーション画像を描写するように動作可能である、実施態様1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(12) 前記プロセッサが、前記ディスプレイを介して提供された入力として前記対象点を受け入れるように動作可能であり、前記対象点は、前記ナビゲーション画像によって示される前記患者の解剖学的特徴に対応する、実施態様11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(13) 前記ナビゲーション画像がコンピュータ断層撮影(CT)画像を含む、実施態様11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(14) 前記ナビゲーション画像が三次元画像を含み、前記対象点が三次元座標系に対応する座標を有する、実施態様11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(15) 前記ディスプレイが前記内視鏡の前記光導管とも通信し、前記ディスプレイは、前記内視鏡によってキャプチャされた前記画像を表示するように更に動作可能である、実施態様11に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【0076】
(16) 外科用ナビゲーションシステムであって、
(a)内視鏡であって、前記内視鏡は、
(i)本体と、
(ii)長手方向シャフト軸に沿って前記本体から遠位方向に延在するシャフトであって、前記シャフトは、遠位シャフト端部を含む、シャフトと、
(iii)前記シャフトを通って遠位方向に延在する光導管であって、前記光導管は、画像を光学的に送信するように動作可能である、光導管と、
(iv)前記遠位シャフト端部に配置された可動光学素子であって、前記可動光学素子は、前記シャフト軸に対して横方向に延在する枢動軸を中心に枢動するように構成されており、前記可動光学素子は、視線を画定する視野を提供するように構成されている、可動光学素子と、を含み、
前記可動光学素子は、前記視野内の画像をキャプチャし、前記画像を前記光導管へと近位方向に送信して、ユーザによる前記画像の可視化を可能にするように動作可能である、内視鏡と、
(b)前記内視鏡と連結された駆動機構であって、前記駆動機構は、前記可動光学素子を前記シャフトに対して移動させて前記視線の方向を調整するように動作可能であり、前記駆動機構は、
(i)第1のアクチュエータであって、前記第1のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記本体に対して前記シャフト軸を中心に回転させるように動作可能である、第1のアクチュエータと、
(ii)第2のアクチュエータであって、前記第2のアクチュエータは、前記可動光学素子を前記シャフトに対して前記枢動軸を中心に枢動させるように動作可能である、第2のアクチュエータと、を含む、駆動機構と、を備える、外科用ナビゲーションシステム。
(17) プロセッサを更に備え、前記プロセッサは、前記視線が座標系内の選択された対象点に向けて方向付けられるように、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを制御して、前記可動光学素子を位置付けるように動作可能である、実施態様16に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(18) 前記内視鏡に動作可能に関連付けられたナビゲーションセンサを更に備え、前記ナビゲーションセンサは、前記座標系内の前記遠位シャフト端部の位置に対応する信号を前記プロセッサに送信するように動作可能であり、前記プロセッサは、前記信号に基づいて前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを制御するように動作可能である、実施態様17に記載の外科用ナビゲーションシステム。
(19) 患者に対する外科手術中に外科用ナビゲーションシステムを操作する方法であって、前記外科用ナビゲーションシステムは、視線を画定する視野を提供する可動光学素子を有する内視鏡を含み、前記外科用ナビゲーションシステムは、前記内視鏡と動作可能に連結された駆動機構を更に含み、前記方法は、
(a)前記外科用ナビゲーションシステムのディスプレイ上にナビゲーション画像を描写することであって、前記ナビゲーション画像は、前記患者の解剖学的構造に対する前記内視鏡の遠位端の位置をリアルタイムに示す、ことと、
(b)前記ディスプレイを介してユーザ入力を受信することであって、前記ユーザ入力は、前記ナビゲーション画像によって示される前記患者の解剖学的特徴に対応する対象点を指定する、ことと、
(c)プロセッサを用いて、前記内視鏡の前記遠位端の前記位置を前記ユーザ入力によって指定された前記対象点と比較することと、
(d)前記比較に基づいて、前記プロセッサを用いて前記駆動機構を制御して、前記視線が前記ユーザ入力によって指定された前記対象点に向けて方向付けられる位置に、前記可動光学素子を移動させることと、を含む、方法。
(20) 前記内視鏡が長手方向軸を含み、前記方法は、前記プロセッサを用いて、前記長手方向軸を中心とした前記対象点に対する前記内視鏡の回転方向を決定することを更に含み、前記駆動機構を制御する前記工程は、前記回転方向の前記決定に更に基づく、実施態様19に記載の方法。
図1
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図7