(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】静電集塵機のための吸着剤組成物
(51)【国際特許分類】
B01J 20/04 20060101AFI20231002BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20231002BHJP
B01D 53/83 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/06 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/08 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/12 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/20 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/22 20060101ALI20231002BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20231002BHJP
C01F 11/02 20060101ALI20231002BHJP
B03C 3/013 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
B01J20/04 B ZAB
B01J20/04 C
B01D53/50 100
B01D53/83
B01J20/28 Z
B01J20/06 D
B01J20/06 C
B01J20/08 C
B01J20/12 C
B01J20/20 D
B01J20/22 A
B01J20/30
C01F11/02 Z
B03C3/013 B
(21)【出願番号】P 2020568701
(86)(22)【出願日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2019068758
(87)【国際公開番号】W WO2020011953
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/068770
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514311209
【氏名又は名称】エス.ア.ロイスト ルシェルシュ エ デヴロップマン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー、ロドニー
(72)【発明者】
【氏名】ライオンズ、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】サラトフスキー、イアン
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-118452(JP,A)
【文献】ポーランド国特許発明第192995(PL,B1)
【文献】米国特許第04861568(US,A)
【文献】特表2008-546631(JP,A)
【文献】特表平11-513654(JP,A)
【文献】特開昭50-087961(JP,A)
【文献】米国特許第05145815(US,A)
【文献】特開平11-197445(JP,A)
【文献】特開平04-227863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J20/00-20/34
B01D53/34-53/96
C01F1/00-17/38
B03C3/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1つの水酸化物を、全重量に対して80重量%以上
の含有量
で有する
吸着剤組成物であって、
前記
吸着剤組成物が、300℃において1E11 Ohms・cmより小さく、1E7 Ohms・cmより大きい抵抗率を示すこと、及び
前記
吸着剤組成物は、前記
吸着剤組成物の全重量に対して0.05重量%以上、5重量%以下の量の硝酸カルシウムがドープされていること
を特徴とする、
吸着剤組成物。
【請求項2】
1E11 Ohms・cmより小さい最大抵抗率R
maxを示す、請求項1に記載の
吸着剤組成物。
【請求項3】
ナトリウム当量として表される、前記
吸着剤組成物の全重量に対して3.5重量%までの量のナトリウム系添加物をさらに含む、請求項1又は2に記載の
吸着剤組成物。
【請求項4】
少なくとも20m
2/
gの、窒素吸着によるBET比表面積を示す、請求項1から3までのいずれか一項に記載の
吸着剤組成物。
【請求項5】
少なくとも0.1cm
3/gの、窒素脱着による1000Å以下の径を有する細孔のBJH細孔容積を示す、請求項1から4までのいずれか一項に記載の
吸着剤組成物。
【請求項6】
静電集塵機を有する排ガス処理設備のための
、請求項1から5までのいずれか一項に記載の吸着剤組成物。
【請求項7】
活性炭、亜炭コークス、ハロイサイト、海泡石、粘土、ベントナイト、カオリン、バーミキュライト、耐火粘土、気泡セメントダスト、パーライト、膨張粘土、石灰砂岩ダスト、トラスダスト
、トラス石灰、酸性白土、セメント、アルミン酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、硫化カルシウム、有機硫化物、硫酸カルシウム、平炉コークス、褐炭ダスト、フライアッシュ、及び水ガラスからなる群から選択される添加物をさらに含む、請求項
1から6
までのいずれか一項に記載の吸着剤組成物。
【請求項8】
静電集塵機を有する排ガス処理設備のため
の吸着剤組成物を製造する方法であって、
a)
消石灰、ドロマイト消石灰及びマグネシウム消石灰からなる群から選択される少なくとも1つの第1の化合物を反応装置に提供するステップと、
b)硝酸カルシウム及び硝酸、並びにそれらの組合せからなる群から選択される
第2の化合物を
、前記吸着剤組成物の重量の0.1重量%及び5重量%の間の硝酸カルシウムを得るように計算された量だけ加えるステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記
第1の化合物が、
水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1つの水酸化物を、乾燥
した第1の化合物の全重量に対して80重量%以上
の含有量
で有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
第1の化合物を反応装置に提供する前記ステップが、生石灰を前記反応装置に提供
する提供ステップと、前記生石灰を所定量の水で消和させ
る消和ステップであって、
それにより所定量の水分を含む乾燥
した第1の化合物の全重量に対して80重量%以上の水酸化カルシウム含有量を少なくとも有する前記
第1の化合物を得る
消和ステップ
とを含む、請求項
8又は
9に記載の方法。
【請求項11】
乾燥吸着剤組成物の3.5重量%までのナトリウム当量を得るように計算された量の、ナトリウム当量として表されるナトリウム系添加物を加えるステップを含むことを特徴とする、請求項
8から
10までのいずれか一項に記載の吸着剤組成物を製造する方法。
【請求項12】
前記消和ステップが、少なくとも20m
2/gの、窒素吸着により測定されるBET比表面積の消石灰を得るような条件で実施されることを特徴とする、請求項
10、又は請求項10を引用する請求項11に記載の吸着剤組成物を製造する方法。
【請求項13】
前記消和ステップが、少なくとも0.1cm
3/gの、窒素脱着により測定される1000Å以下の径を有する細孔のBJH細孔容積の消石灰を得るような条件で実施される、請求項
10、請求項10を引用する請求項11、又は請求項12に記載の吸着剤組成物を製造する方法。
【請求項14】
活性炭、亜炭コークス、ハロイサイト、海泡石、粘土、ベントナイト、カオリン、バーミキュライト、耐火粘土、気泡セメントダスト、パーライト、膨張粘土、石灰砂岩ダスト、トラスダスト
、トラス石灰、酸性白土、セメント、アルミン酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、硫化カルシウム、有機硫化物、硫酸カルシウム、平炉コークス、褐炭ダスト、フライアッシュ、及び水ガラスからなる群から選択される追加の添加物を加えるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項
8から
13までのいずれか一項に記載の吸着剤組成物を製造する方法。
【請求項15】
静電集塵機の上流に配置された投入ゾーンを有する設備を使用する排ガス処理方法であって、請求項
1から
7までのいずれか一項に記載の吸着剤組成物を前記投入ゾーンに投入するステップを含むことを特徴とする、排ガス処理方法。
【請求項16】
前記吸着剤組成物が
、消石灰、ドロマイト消石灰及びマグネシウム消石灰からなる群から選択される第1の化合物を含み、前記吸着剤組成物が前記投入ゾーンに投入され、ここで排ガスが180℃以上の温度を有する、請求項
15に記載の排ガス処理方法。
【請求項17】
前記吸着剤組成物が、乾燥吸着剤投入システムにおいて乾燥粉末として投入される、又はスプレー乾燥吸収装置システムにおいて霧状スラリーとして投入される、請求項
15又は
16に記載の排ガス処理方法。
【請求項18】
空気予熱器の下流に静電集塵機を有し、前記空気予熱器がダクトによって前記静電集塵機に接続される排ガス処理デバイスであって、前記排ガス処理デバイスが、前記空気予熱器の上流に配置された、請求項
1から
7までのいずれか一項に記載の吸着剤組成物を投入するための投入ゾーンをさらに有することを特徴とする、排ガス処理デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルシウム-マグネシウム化合物、静電集塵機を備える排ガスストリームで使用するための吸着剤組成物、そのような吸着剤組成物を得るための方法、及び静電集塵機を用いて排ガスを処理する方法であって、そのような吸着剤組成物を投入するステップを含む方法に関する。別の態様において、本発明は、本発明による吸着剤組成物を用いた排ガス処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プロセス又はエネルギー生成における燃料の燃焼は、粒子状物質(例えばフライアッシュ)及び酸性ガスを発生させるが、それらの大気への放出を最小限に抑える必要がある。フライアッシュを排ガスストリームから除去することは、静電集塵機(ESP:electrostatic precipitator)によって実施することができる。静電集塵機のいくつかの例が、米国特許第4,502,872号、米国特許第8,328,902号、又は米国特許第6,797,035号に記載されている。一般に静電集塵機は、排ガス入口及び排ガス出口を備えたシェルを含み、シェルは、互いに対して離隔された複数の集塵電極及び放電極と、集塵プレートの下に配置された複数のホッパとを取り囲む。排ガス中の粒子状物質を荷電させる静電界を作り出して、荷電された粒子状物質を得るよう、放電極と集塵電極との間に電圧が印加される。荷電された粒子状物質は、集塵電極によって集められる。静電集塵機はラッパ(槌打装置)をさらに有し、ラッパは、機械的衝撃又は振動を集塵電極にもたらして、集めた粒子を集塵電極から除去する。集めた粒子はシェルの底部に配置されたホッパの中に落下し、これらのホッパは周期的又は連続的に空にされる。集塵電極は、平坦か、管状の形態か、又はハニカム構造とすることができ、一般に放電極は、ワイヤ又はロッドの形態である。
【0003】
一般に、静電集塵機を含む排ガス処理設備には、予熱器が設けられる。この予熱器はボイラーに含まれていてもよく、且つ/又はそうでなく、排ガス設備の追加要素として設けられ得る。空気予熱器は、ボイラーから生成された排ガスストリームから熱を伝達する熱交換機を含み、それによりボイラーへの燃焼空気を加熱してボイラーの熱効率を向上させる。いくつかの実施例において、排ガス処理は、複数の静電集塵機を含む。低温側の静電集塵機は、空気予熱器の下流に配置され、そのため一般に200℃(392°F)未満の低温で動作する。高温側の静電集塵機は、空気予熱器の上流に配置され、一般に250℃(482°F)より高温で動作する。
【0004】
現行のプラントは、近年導入された、より厳しい粒子状物質の放出制限、及び/又は燃料切り換えなどのプラント動作条件の変化のため、静電集塵機ユニットがすでに設計機能の限界で動作していることもある。
【0005】
Deutsch-Andersonの方程式は、以下のように静電集塵機の集塵率を概算で表す。
【数1】
ここでηは部分集塵率、A
cは集塵電極の面積、V
pmは粒子の移動速度、及びQはガスの体積流量である。集塵率に影響する粒子の特性は、主に粒径分布及びそれらの抵抗率である。粒子の抵抗率は、前述のDeutsch-Andersonの方程式で示されるように、粒子の移動速度に影響する。
【0006】
粒子の抵抗率を低下させるために、様々な企てが試されてきた。例えば、米国特許第4,439,351号から、静電集塵機が効率的に働くためには、フライアッシュの電気抵抗率は、1E7(1×107)から2E10(2×1010)ohms・cm内であるべきであることが知られている。別の書類の、Mastropietro,R.A. Impact of Hydrated Lime Injection on Electrostatic Percipitator Performance in ASTM Symposium on Lime Utilization;2012;2~10頁では、フライアッシュの抵抗率は、1E8(1×108)から1E11(1×1011)ohms・cm内とするべきであることを記載している。しかしフライアッシュの電気抵抗率は、一般的により高く、フライアッシュの抵抗率を低下させるために、SO3、HCl、NH3、Na2CO3、Na2SO4、及びNH(CH2CH2OH)などの化学添加物を使用した。しかし、これらの添加物は、望ましくない化合物を放出する傾向がある。同じ書類が、フライアッシュの抵抗率を低下させるために、ポリマーを使用することを開示している。しかし、一般的にポリマー添加物は高温で劣化し、低温で排ガスストリームに投入(inject)されなければならない。
【0007】
米国特許第6,126,910号は、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜硫酸水素カリウム、若しくは亜硫酸水素アンモニウム、又はそれらの組合せの溶液を、静電集塵機ユニットの上流におけるガスのストリームの中にスプレーすることによって、静電集塵機を用いて、排ガスから酸性ガスを除去することを開示している。このような亜硫酸水素塩は、HCl、HF、及びSO3などの酸性ガスを選択的に除去するが、亜硫酸ガスは除去しない。排ガス中の亜硫酸ガスは、消石灰などの試薬を用いて後で除去する必要がある。米国特許第6,803,025号は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、及び炭酸水素カリウムからなる群から選択される反応化合物を使用して、HCl、HF、SO3、及び一部のSO2などの酸性ガスを排ガスから除去する、類似の方法を開示している。しかし、残りのSO2は、消石灰などの別の試薬を使用して除去する必要がある。発電プラントによって放出される排ガスの処理のために、燃焼燃料又は石炭から放出される塩化物量は、SO2と比較して一般的に非常に低く、そのため排ガス処理方法は、吸着材として消石灰のみを使用することによって、簡略化される場合がある。
【0008】
WO2015/119880は、静電集塵機ユニットを用いた排ガス処理方法における、トロナ又は消石灰の、吸着剤としての欠点に関する。ナトリウムベースの吸着剤は、粒子状物質の抵抗率を低下させることが知られているが、ナトリウム吸着剤を使用する主な欠点は、フライアッシュからの重金属の浸出が助長され、環境汚染の可能性をもたらすことである。水酸化カルシウムベースの吸着剤は、フライアッシュからの重金属の浸出の問題をもたらさないが、排ガスストリームに取り込まれる粒子状物質(フライアッシュ)の抵抗率を増加させ、そのためにカルシウムベースの吸着剤が使用される場合に、静電集塵機ユニットの効率を低下させ得ることが知られている。同じ書類が、排ガス中の粒子の抵抗率を減少させるため、且つ酸性ガスを捕捉するための組成物を開示している。この組成物は、化学式(Li1-α-βNaαKβ)W(Mg1-δCaδ)x(OH)y(CO3)z・nH2O、より具体的には化学式NawCax(OH)y(CO3)z・nH2Oである、アルカリ金属/アルカリ土類粒子を含む。ここで、xに対するWの比率は約1/3から約3/1である。したがって、この組成物は多くのナトリウム量ももたらし、それは、それ自体が浸出する可能性があるだけではなく、フライアッシュに含有された重金属の浸出を増加させることも知られている。
【0009】
米国特許第6,797,035号は、硝酸カリウム若しくは亜硝酸カリウムの水溶液を排ガスストリームにスプレーすることによって、又は硝酸カリウム若しくは亜硝酸カリウムの粉末を、排ガスが流れ抜けるダクトの中に投入することによって、フライアッシュの抵抗率を減少させるための方法を開示している。これらの硝酸塩又は亜硝酸塩の粉末を使用する欠点は、それらがフライアッシュ以外の他の種と反応し、静電集塵機の集塵プレートに到達する反応性化学物質を少なくすることである。したがって、これらの硝酸塩を細かく分割した粉末として投入し、露出する反応表面積を減少させ、亜酸化窒素及び硫黄酸化物との反応を抑制することが提案される。
【0010】
米国特許第7,744,678(B2)号は、0.2から3.5重量%の間のナトリウムを含むアルカリ金属種を水酸化カルシウム吸着剤に追加することが、SO2を捕捉するための向上した反応をもたらす方法を、開示している。アルカリ金属種の追加は、窒素吸着によるBET比表面積(SSA:specific surface area)が、30<SSA<40(m2/g)の高さで残るように実行される。
【0011】
米国特許第7,744,678(B2)号で記載された濃度を超えた、ナトリウム塩及び消石灰の組合せは、2つの悪影響のために望ましくない。(1)ナトリウム含有量の増加は、フライアッシュの残留物からの、重金属の浸出の増加をもたらす。(2)水性のナトリウムを消石灰に追加することは、消石灰のBET比表面積を減少させ、したがって酸性ガスに対する反応を減少させる。
【0012】
The paper #49 presented at the power plant pollutant control and carbon management ”MEGA” symposium,August 16~19,2016,Baltimore,MD,Foo et al.において、低温側の静電集塵機において使用される向上した消石灰吸着剤を用いて、SO2除去において好結果の産業用途を提示している。フライアッシュと、消石灰及び向上した消石灰との混合物の、実験室での抵抗率測定が、CaSO4を用いて実施された。CaSO4は、典型的なフライアッシュの残留物を模倣するために加えられた。この書類における向上した消石灰は、40m2/gよりも大きい表面積、0.2cm3/gよりも大きい細孔容積、及び6から12マイクロメートルの間のメジアン粒径d50を有し、1E11(1×1011)Ohms・cmの容認可能な最大抵抗率を示すことが判った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許第4,502,872号
【文献】米国特許第8,328,902号
【文献】米国特許第6,797,035号
【文献】米国特許第4,439,351号
【文献】米国特許第6,126,910号
【文献】米国特許第6,803,025号
【文献】WO2015/119880
【文献】米国特許第7,744,678(B2)号
【文献】米国特許第6,322,769号
【文献】米国特許第7,744,678号
【文献】米国特許第5,492,685号
【文献】DE3620024
【文献】米国特許第5,277,837号
【文献】米国特許第5,705,141号
【文献】米国特許第6,322,769(B1)号
【非特許文献】
【0014】
【文献】Mastropietro,R.A. Impact of Hydrated Lime Injection on Electrostatic Percipitator Performance in ASTM Symposium on Lime Utilization;2012;2~10頁
【文献】The paper #49 presented at the power plant pollutant control and carbon management ”MEGA” symposium,August 16~19,2016,Baltimore,MD,Foo et al.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、静電集塵機と非常に相性が良く、排ガス処理設備に有利に使用することができる、カルシウム-マグネシウム化合物を提供する必要性が、まだ存在する。
【0016】
本発明の目的は、カルシウム-マグネシウム化合物、及びこのカルシウム-マグネシウム化合物を含む吸着剤組成物を提供し、静電集塵機ユニットの適用におけるこれらの吸着剤の本質的な欠点を取り除くことである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1の態様によると、本発明は、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して、80重量%以上の水酸化カルシウム-マグネシウム含有量を少なくとも有し、さらに、300℃(372°F)において抵抗率R300が1E11(1×1011)Ohms・cm未満、且つ1E7(1×107)Ohms・cmよりも高く、有利には1E10(1×1010)Ohms・cm未満、且つ5E7(5×107)Ohms・cmよりも高く、好ましくは5E9(5×109)Ohms・cm未満、より好ましくは1E9(1×109)Ohms・cm未満、さらに好ましくは5E8(5×108)Ohms・cm未満の、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物に関する。このカルシウム-マグネシウム化合物に、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して0.05重量%以上、且つ5重量%以下の硝酸カルシウムがドープされる。
【0018】
驚くことに、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物は、300℃(372°F)における抵抗率が1E11(1×1011)Ohms・cmよりもさらに低く、好ましくは1E10(1×1010)Ohms・cm未満のときに、静電集塵機を使用して排ガス処理において好結果に使用することができることが確認された。これは、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物が堅牢であり、比較的高温においても分解しないことを意味する。したがって、この粉末状カルシウム-マグネシウム化合物は、静電集塵機の動作に悪影響を与えることなく、空気汚染制御残留物の抵抗率を、確実に変更することができる。
【0019】
粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して、80重量%以上、好ましくは82重量%以上、より好ましくは85重量%以上、有利には88重量%以上の水酸化カルシウム-マグネシウム含有量を少なくとも有する、カルシウム-マグネシウム化合物である場合、好ましくは、内側でカルシウム-マグネシウム化合物が投入されることになる、排ガスが流れる箇所など、予熱器の上流近くの箇所に投入される。その温度は、高い水酸化物含有量で排ガス中の汚染化合物を捕捉するために好ましい。この事例において、生成物は通常の温度で空気予熱器の上流又は上流近くで分解しないため、例えば370℃(700°F)の通常温度における露出後の、カルシウム-マグネシウム化合物の抵抗率は、ESP設備の低温側又はESP設備の高温側における通常の温度において、排ガス中に存在するフライアッシュと、投入したカルシウム-マグネシウム化合物との混合物の抵抗率を変更するためには、まだ十分に低い。
【0020】
粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して、80重量%以上、好ましくは82重量%以上、より好ましくは85重量%以上、有利には88重量%以上の水酸化カルシウム-マグネシウム含有量を伴うカルシウム-マグネシウム化合物の条件によって、本発明の意図内において、本発明による少なくとも1つのカルシウム-マグネシウム化合物は、したがって少なくとも(方解石の)消石灰、ドロマイト消石灰(又はドライム)、マグネシウム消石灰を用いて形成されることを意味する。
【0021】
ドロマイト石灰(ドライムとも呼ばれる)におけるマグネシウムに対するカルシウムのモル比は、0.8から1.2に変化し得る。カルシウム-マグネシウム化合物において、マグネシウムに対するカルシウムの比率は、0.01から10まで高いか若しくは低く、又は100とすることもできる。実際上、焼成されて生石灰が形成され、生石灰がさらに消和されて消石灰をもたらす自然の石灰岩は、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して1から10重量%まで変化し得るレベルで、炭酸マグネシウムを含む。対象の化合物が、焼成されて酸化マグネシウムを形成し、酸化マグネシウムがさらに消和されて水酸化マグネシウムをもたらす炭酸マグネシウムである場合、その炭酸カルシウム中の含有量も、1から10重量%まで変化し得る。酸化マグネシウムの一部は、消和されずに残ることに留意されたい。
【0022】
カルシウム-マグネシウム化合物は、不純物も含有する場合がある。不純物はとりわけ、シリコアルミン酸型の粘土、シリカ、鉄若しくはマンガンなどの一般的な遷移金属をベースにした不純物などの、自然の石灰岩及びドロマイトに見られる全てのものを含む。カルシウム-マグネシウム化合物における、CaCO3、MgCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2の含有量は、従来の方法を用いて容易に判断することができる。例えば、それらはX線蛍光分析によって判断されてよく、その手順は、発火における損失の測定、及びEN459-2:2010E基準によるCO2体積の測定と共に、EN15309基準に記載されている。
【0023】
好ましくは、本発明によるカルシウム-マグネシウム化合物は、5E11(5×1011)Ohms・cm未満、好ましくは1E11(1×1011)Ohms・cm未満、より好ましくは5E10(5×1010)Ohms・cm未満の、最大抵抗率Rmaxを示す。
【0024】
本発明によるカルシウム-マグネシウム化合物の好ましい実施例において、硝酸カルシウムの全重量は、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して、0.1重量%以上、且つ5重量%以下、好ましくは0.3から3重量%の間である。
【0025】
さらに別の実施例において、本発明のカルシウム-マグネシウム化合物は、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して3.5重量%までの量の、ナトリウム当量として表される、ナトリウムベースの化合物をさらに含む。好ましくは、ナトリウムは、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して0.2重量%の、ナトリウム当量として表される、最小量である。
【0026】
このような量の、ナトリウムベースの添加物の形態にあるナトリウムは、前述のFooらによる2016年の書類のように、吸着剤の抵抗率を低下させる僅かな影響を有することが知られている。申請人は、以下に記載する硝酸カルシウムの存在と組み合わせたこのような量の、ナトリウムベースの添加物は、吸着剤組成物の抵抗率を低下させる追加の影響をさらに提供することを確認した。以下に記載する硝酸カルシウムの存在と組み合わせた、ナトリウム添加物の使用は、以下に記載する硝酸カルシウムの存在をカルシウム-マグネシウム化合物に単独で使用する場合よりも、及びナトリウム添加物をカルシウム-マグネシウム化合物に単独で使用する場合よりも、吸着剤組成物の抵抗率を低下させる。
【0027】
好ましい実施例において、粉末状のカルシウム-マグネシウムは、5から25μmの間、好ましくは5から20μmの間、より好ましくは5から16μmの間で構成されたd50を有する粒子を含む。
【0028】
標記dxは、任意選択で超音波処理後に、メタノール内でレーザ粒度分析によって測定された径をμmで表し、測定した粒子のX体積%と比べて小さいか、又は等しい。
【0029】
好ましくは、詳細には粉末状カルシウム-マグネシウム化合物が、80重量%以上の水酸化カルシウム-マグネシウム含有量を少なくとも有するカルシウム-マグネシウム化合物である場合、本発明によるカルシウム-マグネシウム化合物は、少なくとも20m2/g、好ましくは少なくとも25m2/g、好ましくは少なくとも30m2/g、より好ましくは少なくとも35m2/gのBET比表面積を有する。BET比表面積は、真空中で190℃(374°F)において少なくとも2時間脱気した後、窒素吸着を伴う検圧法によって決定され、ISO9277/2010E基準に記載のBET多点法に従って計算される。
【0030】
好ましくは、詳細には粉末状カルシウム-マグネシウム化合物が、80重量%以上の水酸化カルシウム-マグネシウム含有量を少なくとも有するカルシウム-マグネシウム化合物である場合、本発明による吸着剤組成物は、少なくとも0.1cm3/g、好ましくは少なくとも0.15cm3/g、好ましくは少なくとも0.17cm3/g、より好ましくは少なくとも0.2cm3/gのBJH細孔容積を有する。BJH細孔容積は、真空中で190℃(374°F)において少なくとも2時間脱気した後、窒素脱着を伴う検圧法によって決定され、ISO9277/2010E基準に記載のBJH方法に従って計算される。
【0031】
本発明によるカルシウム-マグネシウム化合物の他の実施例は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0032】
第2の態様によると、本発明は、本発明による上記のカルシウム-マグネシウム化合物を含む、静電集塵機を含む排ガス処理設備のための吸着剤組成物にも関する。
【0033】
好ましくは、本発明による吸着剤組成物は、活性炭、亜炭コークス、ハロイサイト、海泡石、ベントナイト等の粘土、カオリン、バーミキュライト若しくは耐火粘土などの任意の他の吸着剤、気泡セメントダスト、パーライト、膨張粘土、石灰砂岩ダスト、トラスダスト、Yali岩ダスト、トラス石灰、酸性白土、セメント、アルミン酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、硫化カルシウム、有機硫化物、硫酸カルシウム、平炉コークス、褐炭ダスト、フライアッシュ、又は水ガラスを、さらに有する。
【0034】
好ましい実施例において、本発明による吸着剤組成物は、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して3.5重量%までの量の、ナトリウム当量として表される、ナトリウムベースの添加物を含む。特に、組成物内のナトリウム量は、粉末状吸着剤組成物の全重量に対して0.2重量%よりも多くなる。
【0035】
好ましい実施例において、本発明による吸着剤組成物は、粉末状カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して、0.05重量%以上、且つ5重量%以下の量で上記の硝酸カルシウムを含む。好ましくは、上記の硝酸カルシウムの全重量は、乾燥吸着剤組成物の全重量に対して、0.1重量%以上、且つ5重量%以下、好ましくは0.3から3重量%の間である。
【0036】
本発明による吸着剤組成物の好ましい実施例において、上記のカルシウム-マグネシウム化合物は消石灰である。
【0037】
本発明による吸着剤組成物の他の実施例は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0038】
第3の態様によると、本発明は、静電集塵機を含む排ガス処理設備のための吸着剤組成物を製造する方法であって、
a)カルシウム-マグネシウム化合物を反応装置に提供するステップと、
b)乾燥吸着剤組成物の重量の0.1重量%から5重量%の間、好ましくは0.3重量%から3重量%の間の硝酸カルシウムを得るように計算された量の、硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せを加えるステップと
を含む、方法に関する。
【0039】
好ましい実施例において、吸着剤組成物は、5から25μmの間、好ましくは5から20μmの間、より好ましくは5から16μmの間で構成されたd50を有する粒子を含む。
【0040】
本発明による方法の、別の好ましい実施例において、上記のカルシウム-マグネシウム化合物は、乾燥カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して80重量%以上の水酸化カルシウム-マグネシウム含有量を含む。
【0041】
好ましくは、吸着剤組成物を製造する方法は、乾燥吸着剤組成物の3.5重量%までのナトリウム当量を得るように計算された量の、ナトリウム当量として表されるナトリウムベースの添加物を加えるステップを含む。
【0042】
本発明による製造する方法の実施例において、カルシウム-マグネシウム化合物を反応装置に提供するステップは、生石灰をこの反応装置に提供し、この生石灰を所定量の水で消和して、所定量の水分を含む乾燥カルシウム-マグネシウム化合物の全重量に対して80重量%以上の水酸化カルシウム含有量を少なくとも有するカルシウム-マグネシウム化合物を得るステップを含む。
【0043】
より有利には、上記の消和するステップは、少なくとも20m2/g、好ましくは少なくとも25m2/g、好ましくは少なくとも30m2/g、より好ましくは少なくとも35m2/gの、窒素吸着によるBET比表面積を有する消石灰を得る条件で実施される。
【0044】
より好ましい実施例において、上記の消和するステップは、少なくとも0.1cm3/g、0.15cm3/g、好ましくは少なくとも0.17cm3/g、より好ましくは少なくとも0.2cm3/gの、窒素脱着による1000Å以下の径を有する細孔のBJH細孔容積を有する消石灰を得る条件で実施される。
【0045】
好ましくは、上記の消和するステップは、参照として組み込まれている申請人の米国特許第6,322,769号に記載されているものと同じ条件で実施される。
【0046】
本発明による製造する方法の代替の実施例において、上記の消和するステップは、参照として組み込まれている申請人の米国特許第7,744,678号に記載されているものと同じ条件で実施される。
【0047】
本発明による上記の吸着剤を製造する方法の実施例において、少なくとも硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せを含む添加物若しくは添加物の混合物を加えるステップは、生石灰を消和する上記のステップ前に実施される。
【0048】
上記の吸着剤組成物を製造する方法における別の実施例において、少なくとも硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せを含む添加物若しくは添加物の混合物を加える上記のステップは、生石灰を消和する上記のステップ中に実施される。
【0049】
代替として、上記の吸着剤組成物を製造する方法における実施例において、少なくとも硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せを含む添加物若しくは添加物の混合物を加える上記のステップは、生石灰を消和する上記のステップ後に実施される。
【0050】
上記の消和するステップ前、ステップ中、又はステップ後に実施された、少なくとも硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せを含む添加物若しくは添加物の混合物を、上記で記載した量で加えるステップは、カルシウム-マグネシウム化合物の細孔容積を実質的に変えないことを、申請人は確認した。さらに、任意の事例における比表面積は、20m2/gよりも大きいままである。特に、硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せの追加が、消和するステップ後、且つ好ましくは乾燥させるステップ前に実施されるかぎり、本発明による吸着剤組成物の比表面積は、参照として組み込まれている米国特許第6,322,769号及び米国特許第7,744,678号に記載されているような公知の方法によって調製された、水酸化カルシウム吸着剤と実質的に同じである。したがって、SO2を除去する効率を保証する吸着剤の特性は保たれる。
【0051】
好ましくは、上記の製造する方法は、活性炭、亜炭コークス、ハロイサイト、海泡石、粘土、ベントナイト、カオリン、バーミキュライト、耐火粘土、気泡セメントダスト、パーライト、膨張粘土、石灰砂岩ダスト、トラスダスト、Yali岩ダスト、トラス石灰、酸性白土、セメント、アルミン酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、硫化カルシウム、有機硫化物、硫酸カルシウム、平炉コークス、褐炭ダスト、フライアッシュ、又は水ガラスを、好ましくは上記の消和するステップ後に加えるステップをさらに有することを特徴とする。
【0052】
本発明による吸着剤組成物を製造する方法の他の実施例は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0053】
第4の態様において、本発明は、静電集塵機の上流に配置された投入ゾーンを含む設備を使用する排ガス処理方法であって、本発明によって本明細書で開示する吸着剤組成物を、上記の投入ゾーンにおいて投入するステップを含むことを特徴とする、排ガス処理方法に関する。
【0054】
より詳細には、静電集塵機、及びこの静電集塵機の上流に配置された投入ゾーンを含み、この投入ゾーンを介して排ガスが静電集塵機に向かって流れる設備を使用する排ガス処理方法は、カルシウム-マグネシウム吸着剤である硝酸カルシウムを含む上記の吸着剤組成物を上記の投入ゾーンに投入するステップを含み、この硝酸カルシウムの全量が乾燥組成物の0.1重量%から5重量%の間、好ましくは0.3から3.5重量%の間からなることを特徴とする。
【0055】
本発明によると、例えば温度300℃(572°F)に露出させた後で、上記の吸着剤組成物は200℃以下において、従来技術のカルシウム-マグネシウム吸着剤と比較すると、低い抵抗率を有する。排ガスと混合するために、本発明による吸着剤組成物を投入ゾーンに投入することは、SO2及び他の酸性ガスの除去に効果的であり、このような吸着剤組成物のより低い抵抗率は、静電集塵機の集塵電極における粒子状物質の集積を向上させる。
【0056】
本発明による方法の、別の好ましい実施例において、吸着剤組成物は、少なくとも水酸化カルシウム-マグネシウムのカルシウム-マグネシウム化合物を含み、この吸着剤組成物は上記の投入ゾーンにおいて投入される。ここで上記の排ガスは、180℃(356°F)以上、好ましくは200℃(392°F)以上、より好ましくは300℃(572°F)から425℃(797°F)の間の温度を有する。
【0057】
上記の吸着剤組成物は、例えば100℃(212°F)から425℃(797°F)の間の広範囲の温度下で、本発明による排ガス処理方法で使用することができる。
【0058】
有利には、本発明による吸着剤組成物の上記の添加物は、180℃(356°F)よりも高い温度で劣化を受けず、そのためこの吸着剤組成物を、温度が180℃(356°F)以上、好ましくは300℃(572°F)以上である、上記の投入ゾーンに投入することができる。投入ゾーンは、空気予熱器の上流に位置されるので、投入ゾーンにおける温度は、300℃(372°F)から425℃(797°F)の間、好ましくは350℃(662°F)から380℃(716°F)の間の範囲とすることができる。
【0059】
好ましくは、本発明の排ガス処理方法において、上記の投入ゾーンは、それ自体が静電集塵機の上流に位置された空気予熱器の、上流に位置される。
【0060】
好ましくは、本発明の排ガス処理方法において、上記の吸着剤組成物は、乾燥組成物の3.5重量%までの量の、ナトリウム当量として表される、別のナトリウムベースの添加物を含む。
【0061】
好ましくは、本発明の排ガス処理方法において、上記の吸着剤組成物は、少なくとも20m2/gのBET比表面積を有する。
【0062】
好ましくは、本発明の排ガス処理方法において、上記の吸着剤組成物は、少なくとも0.1cm3/gの、窒素脱着から得られるBJH細孔容積を有する。
【0063】
好ましくは、本発明の排ガス処理方法において、上記の吸着剤組成物は、少なくとも0.15cm3/g、好ましくは少なくとも0.17cm3/g、より好ましくは0.2cm3/gの、窒素脱着から得られるBJH細孔容積を有する。
【0064】
好ましくは、本発明の排ガス処理方法において、上記の吸着剤組成物は、活性炭、亜炭コークス、ハロイサイト、海泡石、粘土、ベントナイト、カオリン、バーミキュライト、耐火粘土、気泡セメントダスト、パーライト、膨張粘土、石灰砂岩ダスト、トラスダスト、Yali岩ダスト、トラス石灰、酸性白土、セメント、アルミン酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、硫化カルシウム、有機硫化物、硫酸カルシウム、平炉コークス、褐炭ダスト、フライアッシュ、又は水ガラスを、さらに有する。
【0065】
本発明の排ガス処理方法の実施例において、上記の吸着剤組成物は、乾燥投入システムにおいて乾燥粉末として、又はスプレー乾燥吸収装置において霧状スラリーとして投入される。
【0066】
本発明による排ガス処理方法の他の実施例は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0067】
第5の態様において、本発明は、空気予熱器の下流にある静電集塵機を含む排ガス処理デバイスに関する。この空気予熱器は、ダクトによって上記の静電集塵機に接続され、本発明による吸着剤組成物を投入するための、上記の空気予熱器の上流に配置された投入ゾーンをさらに含むことを特徴とする。
【0068】
本発明による排ガス処理デバイスの他の実施例は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0069】
好ましくは、上記の排ガス処理デバイス又は設備は、プラント、特に硫黄種、又は他の酸ガス前駆体を含有する石炭若しくは燃料を使用する電力プラントの、排ガス処理のために使用される。
【0070】
好ましくは、上記の排ガス処理設備は、上記の吸着剤組成物を含むリザーバをさらに含み、上記の吸着剤組成物を、吸着剤入口を介して上記の投入ゾーンに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】本発明による吸着剤組成物を用いて排ガス処理方法を実行する、排ガス処理設備の概略実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
第1の態様によると、本発明は、静電集塵機を含む排ガス処理設備のための、カルシウム-マグネシウム化合物を含む吸着剤組成物であって、乾燥組成物の0.1重量%から5重量%の間、好ましくは0.3重量%から3重量%で構成された量の添加物又は添加物の混合物をさらに含み、これら添加物が少なくとも硝酸カルシウムを含有することを特徴とする、吸着剤組成物に関する。
【0073】
好ましい実施例において、カルシウム-マグネシウム化合物は消石灰をベースにする。
【0074】
水酸化カルシウム吸着剤は、酸化カルシウムCaO又は生石灰を、消和ユニットとも呼ばれる所謂ハイドレータの水と反応させる(又は消和させる)ことによって製造される。代替として、水酸化カルシウム-マグネシウム吸着剤は、ドロマイト石灰(ドライムとも呼ばれる)又はマグネシウム石灰を、ハイドレータの水と反応させることによって製造される。代替として、生石灰及びドロマイト石灰を互いに混合し、ハイドレータの水と消和させて、水酸化カルシウムと水酸化カルシウム-マグネシウムとの混合物をもたらすことができる。以下において、吸着剤組成物を製造する方法は生石灰を指すことになるが、製造する方法は、生石灰を原料として限定せず、ドロマイト石灰、又はドロマイト石灰及び/若しくはマグネシウム石灰と生石灰との組合せも、原料として使用することができる。
【0075】
本発明による上記の吸着剤組成物を製造する方法は、生石灰を所定量の水と消和させて、所定量の水分を含む消石灰を得るステップを含む。この製造する方法は、乾燥吸着剤組成物の0.1重量%から5重量%の間、好ましくは0.3から3.5重量%の間の添加物又は添加物の混合物を得るように計算された量でこの添加物又は添加物の混合物を加えて吸着剤組成物にドープするステップを含み、これら添加物が少なくとも硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せを含有することを特徴とする。
【0076】
上記の吸着剤組成物を製造する方法の実施例において、上記の消和するステップの所定の水量は、2:1の水対石灰の重量比以上である。
【0077】
上記の吸着剤組成物を製造する方法の実施例において、消和するステップの水量は、粉末状態の吸着剤組成物の全重量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下の水分を含む、消石灰を得るよう、調整することができる。
【0078】
別の実施例において、消和するステップの水量は、5から20重量%の間からなる水分含有量を伴う消石灰を得るよう調整することができる。消和するステップの水量は、20重量%より多くの、粉末状態の吸着剤組成物の全重量に対して表される全ての%の水分含有量を伴う消石灰を得るよう、より多くすることもできる。
【0079】
実施例において、消和するステップ後で得られた消石灰は、別のステップにおいて乾燥される。
【0080】
本発明による吸着剤組成物を製造する方法の実施例において、硝酸カルシウムを含有する上記の添加物は、酸化カルシウム、若しくはカルシウム-マグネシウム酸化物、又はそれらの組合せを、消和するステップ前又はステップ中に、硝酸カルシウムを含有する添加物を水溶液として、若しくは懸濁液として、又は粉末として加えることによって、吸着剤組成物にドープするために使用される。
【0081】
本発明による吸着剤組成物を製造する方法の別の実施例において、硝酸カルシウムが、水溶液として、若しくは懸濁液として、又は粉末として、上記の消和するステップ後に加えられる。好ましくは、乾燥させるステップは、消和するステップ後、且つ硝酸カルシウムを加えるステップ後で実施される。好ましくは、硝酸カルシウムは、排ガス処理設備の投入ゾーンにおける投入前に、水酸化カルシウム又は水酸化カルシウム-マグネシウムに加えられる。
【0082】
吸着剤組成物を製造する方法の好ましい実施例において、上記の生石灰を消和するステップは、少なくとも20m2/gの、窒素吸着からのBET比表面積、及び少なくとも0.1cm3/gの、窒素脱着から得られるBJH細孔容積を有する消石灰を得るような条件で実施される。当業者は、このような特性を伴う消石灰を得るための様々な方法が利用可能であり、例えば参照として組み込まれている、申請人の米国特許第6,322,769号、及び米国特許第7,744,678号に開示されている。
【0083】
本発明による吸着剤組成物を製造する方法において、生石灰の粒子は、有利には5mm未満の粒径分布、詳細には0から2mmの粒径分布を有する生石灰の粒子が使用される。
【0084】
高い比面積及び/又は高い細孔容積を有する消石灰を得るための、他の方法は、例えば米国特許第5,492,685号で確認でき、そこではメタノール又はエタノールなど、ある程度のアルコールが生石灰を消和するステップ前及び/又は消和するステップにおいて加えられ、乾燥後に除去される。DE3620024では、比表面積を増加させるために、糖類が消和するステップにおいて加えられ、流動性を向上させるためにグリコール又はアミンが加えられる。米国特許第5,277,837号及び米国特許第5,705,141号では、消石灰の表面積を増加させるために、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、又はそれらの組合せなどの添加物が、消和するステップにおいて加えられる。
【0085】
吸着剤組成物を製造する方法において、硝酸カルシウムを、吸着剤組成物の1000Å以下の径を有する細孔のBJH細孔容積を実質的に変えることなく、上記の消和するステップ前、消和するステップ中、又は消和するステップ後に、本明細書で開示するように、本発明による特定量を加えることができる。さらに、本発明による吸着剤組成物のBJH細孔容積は、参照として組み込まれている米国特許第6,322,769号及び米国特許第7,744,678号に記載されているような公知の方法によって調製された水酸化カルシウム吸着剤と、実質的に同じである。さらに、吸着剤組成物のBET比表面積は20m2/gよりも大きい。したがって、SO2除去の効率性を保証する吸着剤の特性は保たれる。代替として、硝酸又は硝酸カルシウム、及び硝酸を、消和するステップ前、ステップ中、又はステップ後に加えることができる。好ましくは、硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せが、消和するステップ後、及び好ましくは乾燥ステップ前に加えられるときに、より大きいBET比表面積が得られる。
【0086】
本発明による吸着剤組成物の上記の製造する方法において、消石灰組成物が、米国特許第7,744,678号に記載の方法によって調製される場合、この方法は、好ましくはいくらかの量のナトリウムであるいくらかの量のアルカリ金属を、生石灰若しくは消和水、又は消石灰に加えるステップを含み、乾燥吸着剤組成物の全重量に対して、0.2重量%以上、且つ3.5重量%以下のアルカリ金属含有量を消石灰において得るために十分である。ナトリウムは、例えばNa2CO3として加えることができる。本実施例によると、硝酸カルシウム若しくは硝酸、又はそれらの組合せは、消和するステップ後、及び好ましくは乾燥ステップ前に、乾燥吸着剤組成物の0.1重量%から5重量%の間、好ましくは0.3重量%から3重量%の硝酸カルシウムの含有量を得るような量で、さらに加えられる。
【0087】
様々な吸着剤組成物が、本発明の方法に従って調製され、この吸着剤組成物の乾燥粉末の抵抗率の測定が、IEEE(Estcourt、1984)によって略述されている以下の手順で実行された。基本的に、所定の体積の抵抗率セルは、吸着剤組成物の乾燥粉末によって充填され、次にこの粉末は、平坦面を得るような重量を用いて圧縮される。ガードを伴う電極が、粉末の表面にわたって設置され、粉末の抵抗率は、150℃(302°F)から300℃(372°F)の間の様々な温度において、10%の湿度からなる空気のストリームの下で、オーブンの中で測定される。比較例の抵抗率は、同じ条件で測定された。各測定のため、最大抵抗率Rmax及び300℃(572°F)における抵抗率が判断された。抵抗率の測定は、以降で提示する。
【0088】
『実例セットA』
「実例1」
実例1は、酸性ガス汚染を除去するために設計され、米国特許第6,322,769(B1)号に従って製造された、水酸化カルシウム吸着剤の比較サンプルである。このサンプルは、産業設備から取得された。ナトリウムも硝酸カルシウムも硝酸も加えられなかった。
【0089】
「実例2」
実例2は、酸性ガス汚染を除去するために設計され、米国特許第7,744,678(B2)号に従って製造された、水酸化カルシウム吸着剤の比較サンプルである。このサンプルは、90重量%より多いCa(OH)2、8重量%未満のCaCO3、及び約0.8重量%のNa2CO3の含有量を有し、残りは不純物である。ナトリウム若しくは硝酸カルシウム、又は硝酸は加えられなかった。このサンプルは、産業設備から取得された。
【0090】
「実例3」
実例3は、酸性ガス汚染を除去するために設計され、米国特許第7,744,678(B2)号に従って製造された、水酸化カルシウム吸着剤の別のサンプルであり、石灰は別の産地からのものである。このサンプルは、90重量%より多いCa(OH)2、7重量%未満のCaCO3、及び2.1重量%のNa2CO3の含有量を有し、残りは不純物である。ナトリウム若しくは硝酸カルシウム、又は硝酸は加えられなかった。このサンプルは、産業設備から取得された。
【0091】
「実例4」
実例4は、実例3と同じ産地の石灰を使用し、且つ硝酸カルシウムをドーパントとして、乾燥生成物に対して1%の量を使用して本発明に従って製造された、水酸化カルシウム吸着剤である。このサンプルは、産業設備から取得された。
【0092】
「実例5」
実例5は、実例3と同じ産地の石灰を使用し、且つ硝酸カルシウムをドーパントとして、乾燥生成物に対して2%の量を使用して本発明に従って製造された、水酸化カルシウム吸着剤である。このサンプルは、産業設備から取得された。
【0093】
「実例6」
実例6は、実験室規模で、得られる乾燥粉末組成物の全重量に対して、生石灰を化学量論的量の水及び2重量%のナトリウム含有量を得るような量のNaCO3と、パドル付き混合器内で混合(消和)することによって、本発明に従って製造された水酸化カルシウム吸着剤である。この生石灰は、実例3と同じ産地からの石灰を焼成することによって得た。混合器内での反応後、消石灰(水酸化カルシウム)は排出され、乾燥させて、乾燥生成物の1重量%のHNO3を用いる後処理に託された。
【0094】
表1は、それらの実例のために測定された抵抗率パラメータR
max及びR
300を示す。抵抗率パラメータの全ての測定は、上昇する温度下におけるサンプルの抵抗率を測定することによって実施された。
【表1】
【0095】
表1から、実例1におけるRmax値及びR300値の両方は、10E7 ohms・cmから2E10 ohms・cmの間からなる抵抗率値の好ましい範囲以上である。
【0096】
実例2の吸着剤組成物における0.8重量%のNa2CO3の存在は、実例1の組成物におけるRmax値及びR300値に対して、1桁より大きくRmax値及びR300値を減少させる。実例3の吸着剤組成物における2.1重量%のNa2CO3の存在は、実例1の組成物におけるRmax値及びR300値に対して、2桁より大きくRmax値及びR300値を減少させる。驚くことに、実例4の組成物における1重量%の量の少量の硝酸カルシウムの存在は、実例1の組成物のRmax値及びR300値に対して、Rmax値はほぼ3桁、R300値はほぼ4桁減少させる。実例5の組成物における2重量%の硝酸カルシウムの存在は、実例1の組成物に対して、さらに大きくRmax及びR300の値を減少させる。したがって、驚くことに硝酸カルシウム又は硝酸の追加は、ナトリウムの追加よりも抵抗率を低下させるのに効果的である。異なる方法条件(産業規模及び実験室規模)によるいくらかの差に関わらず、硝酸カルシウムの追加の代わりにHNO3を追加することによって、実例6の組成物における硝酸カルシウムの存在は、Ca(NO3)2の追加による吸着剤の抵抗率を低下させるのと同じ傾向を有する。
【0097】
『実例セットB』
「実例7」
実例7は、石炭火力発電所から得られたフライアッシュのサンプルである。
【0098】
「実例8」
実例8は、実例7の80重量%のフライアッシュと実例3による20重量%の吸着剤とのブレンドである。
【0099】
「実例9」
実例9は、実例7の80重量%のフライアッシュと実例4による20重量%の吸着剤とのブレンドである。
【0100】
「実例10」
実例10は、実例7の80重量%のフライアッシュと実例5による20重量%の吸着剤とのブレンドである。
【0101】
表2は、実例7から実例10のための、抵抗率パラメータR
max及びR
300の測定値を示す。R
max及びR
300の測定の1つのセットは、上昇する温度下でサンプルの抵抗率を測定することによって実施され、R
maxの測定の1つのセットは、下降する温度下でサンプルの抵抗率を測定することによって実施された。
【表2】
【0102】
表2に提示された結果は、フライアッシュとカルシウムベースの吸着剤とが同じ比率である、フライアッシュと硝酸カルシウム添加物を含まないカルシウムベースの吸着剤とのブレンドは、カルシウムベースの吸着剤を含まないフライアッシュよりも、高い抵抗率パラメータRmax及びR300を提示し、その一方で、カルシウムベースの吸着剤中に1重量%のみ、好ましくは2重量%のCaNO3が存在すると、ブレンドの抵抗率パラメータRmax及びR300に良好な影響をもたらす。
【0103】
本明細書で上記に提示された吸着剤組成物の実例は、本発明を制限するものではなく、乾燥吸着剤組成物の0.1から5重量%の間で構成される量の他の添加物を使用して、静電集塵機を使用する排ガス処理方法において使用されることになる、吸着剤組成物の抵抗率を減少させることができることは、特筆するべきである。
【0104】
静電集塵機の集塵電極において、粒子状物質の集積の向上が、本発明による吸着剤の使用で確認できることは、特筆すべきである。
【0105】
別の態様によると、本発明は排ガス処理設備に関する。
図1は、空気予熱器103の下流に配置された第1のダクト部102の下流に配置された、静電集塵機101を含む排ガス処理設備100の概略実施例を示し、投入ゾーン104が空気予熱器103の上流に配置され、吸着剤入口105を含むことを特徴とする。排ガス処理設備100は、上記の吸着剤組成物Sを含むリザーバ106をさらに含み、上記の吸着剤組成物を、上記の吸着剤入口を介して上記の投入ゾーンに提供する。ボイラー10によって生成された高温の排ガスFGは、投入ゾーンを通して流され、本発明による吸着剤Sが投入されて、排ガスからのSO
2及び他の酸性ガスと反応し、次に高温の排ガスは空気予熱器を横断する。空気予熱器を介して、低温の空気(冷気)CAが流され高温の排ガスの熱を吸収し、且つ高温の空気(熱気)HAとしてボイラーに投入されることになる。次に、排ガスは静電集塵機101を流れ抜け、そこで荷電された集塵電極は、望ましくない酸性ガスと反応した、本発明による吸着剤組成物を含む粒子状物質を集める。本明細書で説明した排ガス処理設備は、比較的単純であり、本発明による吸着剤組成物の使用に対して良好に調整される。
【0106】
好ましくは、上記の排ガス処理設備は、硫黄種、又は他の酸性ガス前駆体を含有する石炭若しくは燃料を使用する電力プラントにおける、排ガス処理のために使用される。
【0107】
本発明は、記載した実施例に限定されないこと、及び添付の特許請求の範囲から外れることなく変形が適用され得ることを理解されたい。
【0108】
例えば好ましい実施例において、排ガス処理のための設備を、空気予熱器の下流にある静電集塵機を有し、この空気予熱器はダクトによって上記の静電集塵機に接続され、上記の空気予熱器の上流に配置された本発明による吸着剤組成物を投入するための投入ゾーンを有するように記載した。本発明の範囲内での代替は、上記の予熱器の上流に粒子集積デバイスを含み得る。
【0109】
本発明による排ガス処理デバイスの別の代替は、煙突に到達する前に、順に静電集塵機、予熱器、任意選択で粒子集積デバイスが続く。
【0110】
粒子集積デバイスは、別の静電集塵機、又はバッグハウスフィルタなど任意の種類のフィルタとすることができる。
【0111】
これら全ての実施例において、本発明による吸着剤組成物は、上記の静電集塵機の上流で、現場の構成によって予熱器の前又は後に位置された投入ゾーンにおいて投入される。