(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】継手構造体
(51)【国際特許分類】
F16L 19/08 20060101AFI20231002BHJP
【FI】
F16L19/08
(21)【出願番号】P 2021114382
(22)【出願日】2021-07-09
(62)【分割の表示】P 2019034616の分割
【原出願日】2019-02-27
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】594165734
【氏名又は名称】イハラサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 治
(72)【発明者】
【氏名】原 嘉孝
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102012103878(DE,A1)
【文献】特表2010-534804(JP,A)
【文献】特開2005-282843(JP,A)
【文献】特開2017-129267(JP,A)
【文献】実開昭49-124620(JP,U)
【文献】実開昭53-166115(JP,U)
【文献】特開平11-173472(JP,A)
【文献】独国実用新案第202015105642(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の継手本体と、
管が挿入される内腔を有し、一端部が前記継手本体と当接する第1スリーブと、
前記管が挿入される孔を有し、一端部が前記第1スリーブの他端部と当接する第2スリーブと、
前記継手本体の一端部と前記第1スリーブおよび前記第2スリーブとを覆い、前記第2スリーブにおける前記第1スリーブとは反対側の面を押圧した状態で前記継手本体に螺合されることで前記継手本体に締め付けられるナットと、を有し、
前記第1スリーブにおける前記ナットと対向する面と、前記ナットにおける前記第1スリーブおよび前記第2スリーブと対向する面との少なくとも一方に、前記第1スリーブの半径方向への変形を制限する制限部が形成され、
前記制限部は、前記継手本体の軸方向において、前記第1スリーブの前記継手本体と反対側端部近傍に配置され、
前記第1スリーブは、前記内腔を有する円筒部と、前記円筒部の一端部から半径方向内側に突出する突出部とを有し、前記突出部が前記継手本体と当接し、
前記第
2スリーブは、前記円筒部の他端部と当接する当接部を有し、
前記円筒部の他端部における前記管側の端部に、前記ナットが前記継手本体に締め付けられると、前記第2スリーブの当接部が前記管に食い込まれるように前記当接部を案内する傾斜面が形成されている、継手構造体。
【請求項2】
前記制限部は、前記第1スリーブにおける前記ナットと対向する面に形成された凸部を含み、
前記第1スリーブにおけるナットと対向する面は、前記凸部以外の全ての領域において平らである、請求項1に記載の継手構造体。
【請求項3】
前記第1スリーブにおけるナットと対向する面は、平らである請求項1に記載の継手構造体。
【請求項4】
前記制限部は、前記第1スリーブにおける前記ナットと対向する面に形成された凸部を含む、請求項1または3に記載の継手構造体。
【請求項5】
前記制限部は、前記ナットにおける前記第1スリーブおよび前記第2スリーブと対向する面に形成され、前記ナットの内径が前記継手本体に向かって広くなるように傾斜する傾斜部を含む、請求項1または3に記載の継手構造体。
【請求項6】
前記制限部は、前記ナットにおける前記第1スリーブと対向する面に形成された、前記継手本体側が第2スリーブ側よりも前記第1スリーブから離れる段差部を含む、請求項1または3に記載の継手構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、継手構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を流通させる配管設備では、中空の管を他の部材と接続するための継手構造体が利用されている(特許文献1および2参照)。
【0003】
上記の配管設備では、管のような部品の修理または交換などを行うために、継手構造体による管の接続を解除する必要が生じることがある。管の連結を外すためには、管をその長手方向に移動させることによって他の部材との間に隙間を開ける必要がある。しかしながら、管などの複数の部品が組み合わされた配管設備などでは、管を長手方向に移動させることが困難な場合もある。
【0004】
これに対して特許文献3には、管を長手方向とは直交する方向にスライドさせることで、管の接続を解除することが可能な継手構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2007-502940号公報
【文献】特表2009-522525号公報
【文献】登録実用新案第3195332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載の継手構造体では、管の一端をフレア加工によって加工しなければならず、手間がかかる。
【0007】
本開示の目的は、管を加工しなくても、管をその長手方向に移動させずに接続を解除することが可能な継手構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの実施態様に従う継手構造体は、中空の継手本体と、管が挿入される内腔を有する円筒部と、前記円筒部の一端部から半径方向内側に突出する係止部とを有し、前記係止部が前記継手本体と当接する第1スリーブと、前記管が挿入される孔部と、前記円筒部の他端部と当接する当接部とを有し、前記当接部は、前記管の外周面から前記第1スリーブとは離れる方向に向かって斜めに立ち上がる第2スリーブと、前記継手本体の一端部と前記第1スリーブおよび前記第2スリーブとを覆い、前記第2スリーブにおける前記第1スリーブとは反対側の面を押圧した状態で前記継手本体に締め込まれるナットと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、管を加工しなくても、管をその長手方向に移動させずに接続を解除することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態における接続解除状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図4】本開示の第1の実施形態におけるナット締付完了を示し、第2スリーブ先端が管外周にくい込んだ状態を示す軸方向縦断面図である。
【
図5】本開示の他の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図6】本開示の他の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図7】本開示の他の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図8】本開示の他の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図9】本開示の他の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【
図10】本開示の他の実施形態における接続状態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1~
図4は、本開示の第1の実施形態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
図1~
図3に示す継手構造体10は、中空の管100を他の部材(図の例では、マニホールド101)と接続する構造体である。
図1は、管100とマニホールド101とを接続した接続状態の継手構造体10を示し、
図2は、管100とマニホールド101との接続を解除した接続解除状態の継手構造体10を示す。
図3は、
図1の領域Aの拡大図である。
図4は、ナットの締付完了を示す図である。なお、図では、軸方向をX方向、半径方向(軸直角方向)をY方向としている。
【0013】
図1~
図4に示すように継手構造体10は、中空の継手本体1と、第1スリーブ2および第2スリーブ3と、接続状態において継手本体1の一端部と管100の一端部とにまたがって配置されるナット4とを含む。なお、接続状態では、継手本体1、第1スリーブ2、第2スリーブ3の順に並んで配置される。以下では、継手本体1側を前方、第2スリーブ3側を後方とする。
【0014】
継手本体1の一端部(管100側の端部)の外周面には、ナット4と螺合する雄ネジ部1aが形成され、他端部(マニホールド101側の端部)の外周面には、マニホールド101と螺合する雄ネジ部1bが形成されている。雄ネジ部1aと雄ネジ部1bの間には、半径方向Yに沿った断面が略多角形状(例えば、略六角形状)となる被把持部1cが形成されている。
【0015】
第1スリーブ2は、継手本体1と第2スリーブ3との間に配置される。第1スリーブ2は、円筒部2aと、係止部2bと、傾斜面2cとを有する。
【0016】
円筒部2aは、管100が挿入される内腔を有する部位である。円筒部2aの後端面における管100側の端部に傾斜面2cが形成されている。これにより、円筒部2aの後端部と管100の外周面との間に環状の隙間が形成される。
【0017】
係止部2bは、継手本体1と円筒部2aとの間に形成され、継手本体1の一端部と当接する。係止部2bは、半径方向Y内側に突出する突出部で形成される。これにより、円筒部2aに挿入された管100が係止部2bに当接し、継手本体1に挿入されることを抑制する。
【0018】
第2スリーブ3は、第1スリーブ2の後方に配置される。第2スリーブ3は、環状部3aと、当接部3bとを有する。
【0019】
環状部3aは、管100が挿入される孔部を有する部位である。環状部3aの後端面3cは、
図3および
図4に示すように、半径方向Y外側に向かって前側(継手本体1側)に傾斜している。
【0020】
当接部3bは、環状部3aにおける第1スリーブ2側の端部に形成される楔形状の部位である。当接部3bは、第1スリーブ2の傾斜面2cと互いに向き合うように傾斜している。つまり、当接部3bは、後方に向かって太くなるように傾斜している。当接部3bは、第1スリーブ2の傾斜面2c(より具体的には、傾斜面2cで形成される環状の隙間)に入り込む。
【0021】
ナット4は、管100が挿入された状態で継手本体1に締め込まれる中空の部材である。ナット4は、収容室4aと、雌ネジ部4bと、内壁面4cとを有する。
【0022】
収容室4aは、接続状態において、継手本体1の一部(後端部)、第1スリーブ2および第2スリーブ3を収容する内部空間である。収容室4aの後部の内壁面4cは、第2スリーブ3(具体的には、環状部3a)の後端面3cと当接する。内壁面4cは、半径方向Y外側に向かって前側(継手本体1側)に傾斜している。内壁面4cの傾斜角度(テーパー角度)と後端面3cの傾斜角度とは、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0023】
雌ネジ部4bは、収容室4aの前端部の内周面に設けられ、接続状態において、継手本体1の雄ネジ部1aと螺合する。なお、図の例では、継手本体1に雄ネジ部1aが形成され、ナット4に雌ネジ部4bが形成されていたが、継手本体1とナット4とが螺合できれば、この構成に限らない。例えば、継手本体1に雌ネジ部が形成され、ナット4に雄ネジ部が形成されてもよい。
【0024】
以上説明した継手構造体10を用いて管100とマニホールド101と接続する場合、先ず、マニホールド101に継手本体1を取り付け、管100に対してナット4、第2スリーブ3、第1スリーブ2の順に挿入し、その状態で継手本体1と第1スリーブ2の係止部2bとを当接させる。その後、継手本体1の雄ネジ部1aとナット4の雌ネジ部4bとを螺合させながらナット4を継手本体1に締め込む。これにより、ナット4の収容室4aの内壁面4cが第2スリーブ3の後端面3cと当接し、ナット4が第2スリーブ3を押圧し、さらに、第2スリーブ3が第1スリーブ2を押圧する。その結果、継手本体1と第1スリーブ2の係止部2bとが当接され、さらに第1スリーブ2および第2スリーブ3が継手本体1とナット4との間に挟持される(この状態は、通常、フィンガタイトと称される)。ここからさらにナットを締め付けると、
図4に示すように、第2スリーブ3の当接部3bは、第1スリーブ2の傾斜面2cに案内されて管100にくい込む。これにより、管100を通る流体による圧力によって、管100が後方に抜けることを抑制することが可能になり、また、第2スリーブ3と第1スリーブ2とが互いに密着するため、シール性を向上させることが可能になる。
【0025】
管100とマニホールド101との接続を解除する場合には、ナット4の継手本体1への締め込みを解除し、ナット4を
図2に示すように継手本体1よりも後方に移動させる。そして、継手本体1および第1スリーブ2の一方または両方を、
図2の矢印Dの方向、つまり半径方向Yにスライドさせる。したがって、管100を後方に移動させなくても、管100とマニホールド101との接続を解除することができる。
【0026】
(他の実施形態)
図5~
図10は、本開示の他の実施形態の継手構造体を示す軸方向縦断面図である。
図5~
図10では、
図1の領域Aに対応する部分が示されている。
【0027】
図5~
図7は、第1の実施形態と比べて、第1スリーブ2の半径方向Yへのずれを制限する制限する制限部が形成されている点で異なる。
【0028】
例えば、
図5の例は、第1の実施形態と比べて、第1スリーブ2の外周面に、制限部としてリング状の凸部2dが形成されている点で異なる。凸部2dは、第1スリーブ2の円筒部2aの後端部に形成されることが望ましい。
【0029】
図5に示されるように、ナット4が継手本体1に締め込まれると、第2スリーブ3が第1スリーブと当接し、第2スリーブ3から第1スリーブ2に対して図の矢印で示した方向に力Fが加わる。力Fの軸方向成分Fxは、第1スリーブ2を継手本体1に押し付ける力となる。一方、力Fの半径方向成分Fyは、第1スリーブ2の後端部を半径方向Yにずらす(後段部をY方向に変形する(より具体的には、広げる))ように作用する。これにより、第1スリーブ2の前端部が傾き、継手本体1と第1スリーブ2とがずれる恐れがある。しかしながら、
図5の例では、第1スリーブ2の後端部に形成された凸部2dがナット4と当接するため、第1スリーブ2の後端部が半径方向Yにずれることを抑制することができる。
【0030】
図6の例は、第1の実施形態と比べて、ナット4における第1スリーブ2および第2スリーブ3と対向する内周面4dが、テーパー(傾斜)が設けられた傾斜部で形成されている点で異なる。具体的には、傾斜部(内周面4d)は、ナット4の内径が前方に向かって広くなるように傾斜している。内周面4dのテーパー角度α/2は、接続状態において、ナット4の内周面4dと第1スリーブ2の外周面とが第1スリーブ2の後部で接触するように調整されることが望ましい。この場合でも、
図5の例と同様に、第1スリーブ2の後端部が半径方向Yにずれることを抑制することができる。
【0031】
図7の例は、第1の実施形態と比べて、ナット4の内周面4dに段差部4eが設けられている点で異なる。段差部4eは、段差部4eの前方が段差部4eの後方よりも内周面が第1スリーブ2から離れるように形成される。また、段差部4eは、接続状態において、ナット4の内周面4dにおける段差部4eよりも後方の部分が第1スリーブ2の外周面に当接するように形成されることが望ましい。この場合でも、
図5の例と同様に、第1スリーブ2の後端部が半径方向Yにずれることを抑制することができる。
【0032】
なお、
図5~
図7で説明した構成が組み合わされてもよい。例えば、ナット4の内周面に傾斜部と段差部4eとの両方が設けられてもよい。また、ナット4の内周面の傾斜部と段差部4eの少なくとも一方と、第1スリーブ2の凸部2dとの両方が設けられてもよい。
【0033】
また、各実施形態では、互いに当接する継手本体1の後端面と第1スリーブ2の前端面とが平坦な面で形成されていたが、この例に限らない。例えば、継手本体1の後端面と第1スリーブ2の前端面との少なくとも一方が凸曲面で形成されてもよい。このとき、継手本体1の後端面と第1スリーブ2の前端面との他方は、平坦な面で形成されてもよいし、凹曲面で形成されてもよい。
図8の例では、継手本体1の後端面1dに対し、第1スリーブ2の前端面2eが凸曲面で形成されている。
【0034】
また、継手本体1の後端面1dと第1スリーブ2の前端面2eとの少なくとも一方に、環状の凹部が設けられ、その凹部にオーリングが装着されていてもよい。
図9の例では、第1スリーブ2の前端面2eに凹部2fが形成され、凹部2fにオーリング5が装着されている。
【0035】
また、継手本体1の後端面1dと第1スリーブ2の前端面2eとの少なくとも一方に、凸部が設けられてもよい。
図10の例では、、第1スリーブ2の前端面2eに凸部2gが形成されている。なお、凸部2gの頂面は平坦でもよいし、凸曲面でもよい。
【0036】
以上説明した各実施形態で図示した構成は単なる一例であって、これらの例に限るものではない。例えば、スリーブは、3つ以上あってもよい。例えば、第1スリーブよりも前方に、第2スリーブ3よりも後方、および、第1スリーブ1および第2スリーブ2の間などに別のスリーブが設けられてもよい。
【0037】
以上説明したように、本開示は以下の事項を含む。
【0038】
本開示の一態様に係る継手構造体(10)は、中空の継手本体(1)と、第1スリーブ(2)と、第2スリーブ(3)と、ナット(4)とを有する。第1スリーブは、管(100)が挿入される内腔を有し、一端部が継手本体と当接する。第2スリーブは、管が挿入される孔を有し、一端部が前記第1スリーブの他端部と当接する。ナットは、継手本体の一端部と第1スリーブおよび第2スリーブとを覆い、第2スリーブにおける第1スリーブとは反対側の面を押圧した状態で継手本体に螺合される。
【0039】
上記構成によれば、継手本体と第1スリーブの一端部とが当接され、継手本体の一端部と第1スリーブおよび前記第2スリーブとを覆うナットが第2スリーブにおける第1スリーブとは反対側の面を押圧した状態で継手本体に締め込まれる。
【0040】
したがって、ナットによる押圧よって、第2スリーブを介して第1スリーブを継手本体に密着させることが可能になり、シール性を確保することが可能になる。このため、管を加工しなくても、シール性を確保することが可能になる。また、ナットによる締め込みを
解除し、継手本体と第1スリーブとを互いに半径方向にスライドさせるだけで接続を解除することができるため、管をその長手方向に移動させずに接続を解除することが可能になる。さらにナットの締め込み時に、管およびナットと継手本体との供回りを軽減すること
が可能になる。
【0041】
また、第1スリーブは、内腔を有する円筒部(2a)と、円筒部の一端部から半径方向内側に突出する突出部(2b)とを有し、突出部が継手本体と当接する。このため、管が継手本体に挿入されることを抑制することができる。
【0042】
また、第1スリーブにおけるナットと対向する面と、ナットにおける第1スリーブおよび第2スリーブと対向する面との少なくとも一方に、第1スリーブの軸方向への変形を制限する制限部が形成されている。したがって、第2スリーブの当接部により第1スリーブにおける第2スリーブ側の端部が半径方向に広がり、それに伴い、第1スリーブの継手本体側の端部が傾いて、継手本体と第1スリーブとの密着性が低下することを抑制することが可能になる。
【0043】
また、制限部は、第1スリーブにおけるナットと対向する面に形成された凸部(2d)を含む。この構成によれば、凸部とナットの内周面とを当接することが可能になるため、第1スリーブが半径方向に変形することを抑制することが可能になる。また、管を接続した際に、ナットと第1スリーブとが接触する箇所を凸部に限定することが可能になるため、管の接続を解除する際に、ナットを容易に取り外すことが可能になる。
【0044】
また、制限部は、ナットにおける第1スリーブおよび第2スリーブと対向する面(4d)に形成され、ナットの内径が継手本体に向かって広くなるように傾斜する傾斜部を含む。この構成によれば、第1スリーブの後端部とナットの内周面とを当接することが可能になるため、第1スリーブが半径方向に変形することを抑制することが可能になる。また、管を接続した際に、ナットと第1スリーブとが接触する箇所を第1スリーブの後端部に限定することが可能になるため、管の接続を解除する際に、ナットを容易に取り外すことが可能になる。
【0045】
また、制限部は、ナットにおける第1スリーブと対向する面に形成された、継手本体側が第2スリーブ側よりも第1スリーブから離れる段差部を含む。この構成によれば、第1スリーブの後端部とナットの内周面とを当接することが可能になるため、第1スリーブが半径方向に変形することを抑制することが可能になる。また、管を接続した際に、ナットと第1スリーブとが接触する箇所を第1スリーブの後端部に限定することが可能になるため、管の接続を解除する際に、ナットを容易に取り外すことが可能になる。
【0046】
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
1:継手本体 1a、1b:雄ネジ部 1c:被把持部 1d:後端面 2:第1スリーブ 2a:円筒部 2b:係止部 2c:傾斜面 2d:凸部 2e:前端面 2f:凹部 2g:凸部 3:第2スリーブ 3a:環状部 3b:当接部 4:ナット 4a:収容室 4b:雌ネジ部 4c:内壁面 4d:内周面 4e:段差部 5:オーリング 10:継手構造体 100:管 101:マニホールド