(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】特に浸水可能な電気コネクタのパーティションのケーブルグランドフィードスルーのための気密性試験システム
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20231002BHJP
【FI】
G01M3/26 D
(21)【出願番号】P 2021538922
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2019074605
(87)【国際公開番号】W WO2020058148
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-16
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518359683
【氏名又は名称】ナヴァル・エネルジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・プリゼ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンデル・シフォロー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-クリストフ・ブルジェ
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/128506(WO,A1)
【文献】特表2010-501813(JP,A)
【文献】米国特許第03907307(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00~3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーリング手段(5)が内部に配置されるケーブルグランド本体(4)と、前記シーリング手段を圧縮するためのケーブルグランドランマー(6)と、を備えるタイプ
のパーティションのケーブルグランドフィードスルーのための気密性の試験システムであって、
前記試験システムは、密閉性試験リング(7)を備えており、前記密閉性試験リング(7)は、前記シーリング手段(5)に挿入され、かつ前記ケーブルグランド本体におけるホール(9)に向かい合うホール(8)が設けられており、前記ホール(9)は、前記ケーブルグランド本体で開口しており、かつ前記ケーブルグランド本体の密閉性を試験することを可能にする圧力源/真空源への接続のための手段(10)が設けられていることを特徴とする気密性の試験システム。
【請求項2】
前記シーリング手段(5)は、変形可能なスリーブの形態を有することを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記シーリング手段(5)は、頭部が後部に次々に取り付けられるV字形の環状シールの積み重ねを備えており、かつ、
前記密閉性試験リング(7)は、前記環状シールのこの積み重ねに挿入されることを特徴とする請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
前記ケーブルグランド本体の前記ホール(9)は、前記ケーブルグランド本体に横方向に開口していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の試験システム。
【請求項5】
前記ケーブルグランド本体の前記ホール(9)は、その端部においてコネクタ(10)を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の試験システム。
【請求項6】
前記密閉性試験リングは金属リングであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の試験システム。
【請求項7】
前記パーティションは、浸水可能な電気コネクタのパーティションであることを特徴とする請求項1に記載の試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸水可能な電気コネクタなどのパーティションのケーブルグランドフィードスルーの気密性を試験するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1および特許文献2から、これらの用途のためのシーリング手段が一般的に公知となっている。
【0003】
より具体的には、特許文献1は、ケーブルグランドを通過する流体の量を示しかつ測定するためのデバイスに関し、特許文献2は、潤滑剤がポンプによって通路を通して注入されるシーリング手段に関する。
【0004】
そうしたコネクタは、例えば一般的に「DRYMコネクタ」と称されるコネクタによって構成され得る。
【0005】
そうしたコネクタは、例えば洋上風力タービンを配電網に接続するために使用される。
【0006】
当然のことながら、これらコネクタの他の用途も予想できる。
【0007】
特に、このタイプのコネクタは、ケーブルまたはファイバーなどの細長い要素の通路のためのパーティションを備えており、そのシーリングはグランドによって保証される。
【0008】
そのためコネクタは、所望の気密性を得るために、シーリング手段が内部に配置されるケーブルグランド本体と、パーティションを通過するケーブルグランド本体周りでこれらシーリング手段を圧縮可能にするケーブルグランドランマーと、を備える。
【0009】
今日では、シーリング手段アセンブリおよびそうしたコネクタのケーブルグランドの気密性は、例えばヘリウム気密性試験を使用してチェックされている。
【0010】
この目的のために、コネクタの密閉された筐体は排気され、続いて検査する領域にヘリウムが噴霧され、最終的に質量分析法によって気密率が解析される。
【0011】
そうした方法では、高い技能を有するオペレータが取り扱う必要がある非常に重い機器が要求される。
【0012】
各コネクタを個別にチェックする必要があるため、これらの工程は、コネクタ適格性確認プロセスに多大なコストおよび追加の時間がかかることを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】仏国特許出願公開第1176294号明細書
【文献】米国特許出願公開第3907307号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
それゆえ、本発明の目的は、信頼性が高く、実施が容易で迅速であり、かつ金額および時間の点で安価である試験システムを提供することによって、これら問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このため、本発明の対象は、シーリング手段と当該シーリング手段を圧縮するためのケーブルグランドランマーとがシーリング手段を圧縮するよう配置されたケーブルグランド本体を備えるタイプの、特に浸水可能な電気コネクタの、パーティションのケーブルグランドフィードスルーのための気密性試験システムであり、当該システムは、シーリング手段に挿入される気密性試験リングを備えており、気密性試験リングは、グランド本体におけるホールに向かい合うホールが設けられており、グランド本体におけるホールは、グランド本体で開口しており、かつケーブルグランドの気密性を試験するための圧力源/真空源への接続手段が設けられている。
【0016】
本発明に基づくシステムの他の特徴によれば、以下の特徴が単独でまたは組み合わせられる:
- シーリング手段は、変形可能なスリーブの形状を有する;
- シーリング手段は、頭部が後部に取り付けられるV字形状の環状シールの積み重ねを備えており、かつ試験リングは、この環状シールの積み重ねに挿入される;
- ケーブルグランド本体のホールは、ケーブルグランド本体において横方向に開口している;
- ケーブルグランド本体のホールは、その端部において接続部を備えている;
- 試験リングは金属リングである。
【0017】
本発明は、単なる例示として与えられかつ添付の図面を参照して作られた以下の説明を読むことによって、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】特に本発明に基づく気密性試験システムを備える浸水可能な電気コネクタの、パーティションの側方断面図である。
【
図3】本発明に基づくシステムの一部を形成する試験リングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
これら図面は、浸水可能な電気コネクタなどのパーティションのケーブルグランドフィードスルーのための気密性試験システムを例示する。
【0020】
このパーティションは、例えばこれらの図面、特に
図1において基本的に参照符号1によって指定される。
【0021】
明確にするために、コネクタの残りの部分はこれら図面では図示されない。
【0022】
パーティションには、電気ケーブルまたはファイバーなどの1つ以上の細長い物体の少なくとも1つの防水ケーブルグランドフィードスルーが設けられている。
【0023】
この例では、2つのケーブルグランドがこの
図1に示されており、参照符号2および3で指定されている。
【0024】
実際には、パーティション内のケーブルグランドの1つまたはその各々は、ケーブルグランド2に関連して
図2において参照符号4で指定されたケーブルグランド本体を備えており、その中に、基本的に参照符号5で指定されるシーリング手段が配置される。
【0025】
これらシーリング手段は、例えばその頭部が後部に次々に取り付けられているV字形状の環状シールの積み重ねを備える変形可能なスリーブの基本形状を有している。
【0026】
ケーブルグランド、例えばケーブルグランド2はまた、この
図2において基本的に参照符号6で指定されたケーブルグランドランマーを含んでおり、この通路の気密性を確保するために、パーティションを通過するケーブルグランド本体周りでシーリング手段を圧縮することができる。
【0027】
特にこれら
図2および
図3に示されるように、本発明に基づく試験システムは、これら図面において基本的に参照符号7で指定される気密性試験リングを備えており、気密性試験リングは、ケーブルグランドのシーリング手段に挿入される。
【0028】
実際に試験リングは、上述のようにこれらシーリング手段の環状シールの積み重ねに挿入される。
【0029】
この試験リングは、基本的に参照符号8で指定される半径方向の穴を備えており、半径方向の穴8は、ケーブルグランド本体の半径方向のホール9に面しており、半径方向のホール9は、ケーブルグランド本体で開口しており、かつケーブルグランドの気密性を試験するための圧力源/真空源への接続手段が設けられている。
【0030】
これら接続手段は任意の適切な構造を有しており、例えばケーブルグランド2に関連してこの
図2においては例えば基本的に参照符号10で指定されている。
【0031】
試験リングは、例えば金属または他のリングであってもよく、かつケーブルグランド本体のホール9は、図示されるように横方向において試験リングにつながることができる。
【0032】
そのため、接続手段10は、ケーブルグランドを加圧空気の供給源に接続することを可能にし、例えば、ケーブルグランドに加えられる圧力の変化を監視することによって気密性の質を保証する。
【0033】
例えばケーブルグランドの気密性は、例えば10分間にわたって圧力が低下しない場合に許容できると見なされてもよい。
【0034】
当然のことながら、このシステムの他の実施形態も考えられる。
【符号の説明】
【0035】
1 パーティション
2、3 ケーブルグランド
4 ケーブルグランド本体
5 シーリング手段
6 ケーブルグランドランマー
7 試験リング
8 試験リングのホール
9 ケーブルグランド本体のホール
10 接続手段