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特許73585123Dプリンタ、3Dプリンタシステム、前記構築ボックスシステムの使用、および3D印刷方法
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  • 特許-3Dプリンタ、3Dプリンタシステム、前記構築ボックスシステムの使用、および3D印刷方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】3Dプリンタ、3Dプリンタシステム、前記構築ボックスシステムの使用、および3D印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/259 20170101AFI20231002BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20231002BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20231002BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20231002BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231002BHJP
【FI】
B29C64/259
B29C64/165
B29C64/153
B33Y30/00
B33Y10/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021566205
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020062666
(87)【国際公開番号】W WO2020225345
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】19173550.5
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514326904
【氏名又は名称】エクスワン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】弁理士法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラデヴィヒ,ローランド
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-221875(JP,A)
【文献】特開2018-047597(JP,A)
【文献】特表2002-527613(JP,A)
【文献】特表2018-526218(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0241095(US,A1)
【文献】特開2015-193187(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0004607(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁構造体(32)と、該側壁構造体(32)に収容された構築プラットフォーム(34)とを有し、前記側壁構造体(32)は、3D印刷によって部品を構築するための上方が開口した構築ボックス内部空間(36)を画定し、前記内部空間(36)は前記構築プラットフォーム(34)によって下方が画定された構築ボックス(30)と、
支持構造体(50)に統合された該支持構造体(50)の駆動(52)を備え、前記構築ボックス内部空間(36)で部品を構築した後、前記構築ボックス(30)を前記支持構造体(50)から繰り返し取り外し、その後、前記支持構造体(50)に再び取り付けが可能なように、前記構築ボックス(30)が着脱自在に取り付けられる支持構造体(50)とを備えた構築ボックスシステム(10)を備えた3Dプリンタ(12)であって、
前記支持構造体(50)に統合された前記駆動(52)は、前記構築ボックスシステム(10)を、前記構築ボックスシステム(10)が前記部品を構築するために前記3Dプリンタ(12)内に配置される第1の位置と、前記構築ボックスシステム(10)が、前記3Dプリンタ(12)の外側に配置される第2の位置との間で、移動するように構成されている、前記支持構造体(50)を移動させるための移動駆動(56)を備え、
更に、前記構築プラットフォーム(34)上に粒子状材料を層状に塗布するコータおよび/または結合剤噴射法を用いて粒子状材料を選択的に印刷するためのプリントヘッドを備える、3Dプリンタ(12)。
【請求項2】
前記支持構造体(50)に統合された前記駆動(52)は、
前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられているとき、前記構築ボックス(30)の前記構築プラットフォーム(34)の高さを調整するように構成された、前記構築プラットフォーム(34)の高さを調整するための昇降駆動(54)を備え、および/または
前記移動駆動(56)は、前記構築ボックスシステム(10)を、前記第1の位置と前記第2の位置との間に延びるレールシステム(14)またはローラシステムに沿って移動するように構成されている移動駆動(56)、
を備える、請求項1に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項3】
前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられているとき、前記昇降駆動(54)および/または前記移動駆動(56)は、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)の外側に配置されており、および/または
前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられているとき、前記昇降駆動(54)および/または前記移動駆動(56)は、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)に隣接する、および/または前記支持構造体(50)の少なくとも1つの前記側壁(58a、58b)に隣接する前記構築ボックス(30)の隣の前記構築ボックスシステム(10)の上面視において、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)の外側に配置されており、および/または
長手方向における前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)の前および/または後ろ、および/または前記支持構造体(50)の少なくとも1つの側壁(58a、58b)の前および/または後ろにおける細長い構築ボックス(30)の場合、前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられているとき、前記昇降駆動(54)および/または前記移動駆動(56)は、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)に隣接する、および/または前記支持構造体(50)の少なくとも1つの前記側壁(58a、58b)に隣接する前記構築ボックス(30)の隣の前記構築ボックスシステム(10)の上面視において、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)の外側に配置されており、および/または
前記支持構造体(50)は細長く形成されており、前記昇降駆動(54)および/または前記移動駆動(56)は前記支持構造体(50)の少なくとも1つの長手方向の端部に配置されており、および/または
前記構築プラットフォーム(34)は1つ以上の支持構造体(70)によって、下から係合され/下に到達しており、前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられているとき、前記支持構造体(70)は前記昇降駆動(54)に接続され、後者によって駆動可能であり、および/または、
前記構築プラットフォーム(34)は1つ以上の支持構造体(70)によって、下から係合され/下に到達しており、前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられているとき、前記支持構造体(70)は前記昇降駆動(54)に接続され、後者によって駆動可能であり、1つ以上のスロット(74、78)が前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)および/または支持構造体側壁構造体(58)に形成されており、前記1つ以上の支持構造体(70)が前記1つ以上のスロット(74、78)を通って延びている、請求項1または2に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項4】
前記支持構造体(50)は、前記構築ボックス(30)の側壁構造体(32)を周方向に少なくとも一部で取り囲む支持構造体側壁構造体(58)を備え、および/または、
前記支持構造体(50)は、前記構築ボックス(30)の側壁構造体(32)を周方向に、細長い構築ボックス(30)の両端面の少なくとも一部で取り囲む支持構造体側壁構造体(58)を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項5】
前記支持構造体側壁構造体(58)が、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)を周方向に区切って取り囲み、それによって凹部(60)を形成し、該凹部(60)は、該凹部(60)を通して、前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)から横方向に取り外され、および/または前記支持構造体(50)に再び取り付けられ得るような寸法である、
請求項4に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項6】
前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)上に配置されるとともに、前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)の上縁が前記支持構造体側壁構造体(58)の上縁と実質的に同じ高さに配置されるよう、前記構築ボックス(30)が支持構造体(50)によって支持される、請求項4または5に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項7】
前記構築ボックス(30)が、2つの対向する短い構築用ボックス側壁(32b、32d)と、2つの対向する長い構築ボックス側壁(32a、32c)を有する、平面視で長方形の形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項8】
前記構築ボックス(30)が、1つ以上の構築ボックス側壁(32a、32b、32c、32d)のそれぞれに1つ以上の構築ボックス側壁開口部(76)を有しており、1つ以上の該構築ボックス側壁開口部(76)は、前記構築ボックス側壁構造体(32)の下端から上方向に垂直に延びている、および/または、
前記構築ボックス(30)が、短い構築ボックス側壁(32b、32d)のそれぞれに1つ以上の構築ボックス側壁開口部(76)を有しており、1つ以上の該構築ボックス側壁開口部(76)は、前記構築ボックス側壁構造体(32)の下端から上方向に垂直に延びている、
請求項7に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項9】
前記構築ボックス(30)が、前記構築プラットフォーム(34)を前記構築ボックス(30)内の最下部の位置に保持するように構成された保持構造体(38)を備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項10】
該保持構造体(38)が、前記構築ボックス側壁構造体(32)上に配置されたプレート(40)を備え、および/または前記保持構造体(38)が、請求項8の1つ以上の前記構築ボックス側壁開口部(76)上のその最下部の位置に配置されるように構成されている、請求項9に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項11】
前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)が、セラミック、金属、またはそれらの組み合わせで作られており、および/または
前記構築プラットフォーム(34)が、金属製の床、またはセラミック製の床を備えており、および/または
加熱装置が、前記構築プラットフォーム(34)上および/または内に配置されており、および/または
前記構築プラットフォーム(34)が、構築ボックス内部空間(36)から粒子状材料を除去するために、排出装置を備えており、および/または
前記構築プラットフォーム(34)が、構築ボックス内部空間(36)から粒子状材料を除去するために、有孔床と閉鎖装置を備える排出装置を備えており、および/または
前記支持構造体(50)がマイクロ波非対応で、および/または前記構築ボックス(30)がマイクロ波対応に構成されており、および/または
前記構築ボックス(30)が駆動手段を有していない、および/または能動的な素子を有していない、請求項1から9のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載のように形成され、および/または第1の構築ボックス(30)と異なっている、それぞれ前記構築ボックス(30)と交換可能で、かつ前記支持構造体(50)に取り付け可能な1つ以上の更なる構築ボックス(30)、および/または
請求項11に記載のように形成され、および/または第1の構築プラットフォーム(34)と異なっている、それぞれ前記構築プラットフォーム(34)と交換可能で、かつ前記構築ボックス(30)の前記側壁構造体(32)に収容可能な1つ以上の更なる構築プラットフォーム(34)、および/または
前記構築ボックス(30)が取り付けられた前記支持構造体(50)が、請求項1または2に記載の支持構造体(50)に統合された独自の移動駆動(56)によって、そのレールシステム(14)またはローラシステムに沿って移動可能であるレールシステム(14)またはローラシステム、および/または
前記昇降駆動(54)および/または前記移動駆動(56)および/または前記加熱装置および/または前記排出装置を制御するように配置された制御装置、
をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)と、
前記構築ボックス(30)から構築された前記部品を取り出すための取り出しステーション、
前記構築ボックス(30)に配置された前記部品を硬化および/または乾燥させるための、前記構築ボックス(30)が収容可能なマイクロ波装置および/またはオーブン
から選択される1つ以上と、を備える3Dプリンタシステム。
【請求項14】
鋳造鋳型および/また鋳造コアの3D印刷するための、および/または
前記構築プラットフォーム(34)上に粒子状材料を層状に塗布し、かつ結合剤噴射法を用いて前記粒子状材料を選択的に印刷するための、
請求項1から11のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)、または請求項13に記載の3Dプリンタシステムの使用。
【請求項15】
前記構築ボックス(30)が前記支持構造体(50)に取り付けられている、請求項1から11のいずれか一項に記載の3Dプリンタ(12)を準備し、
前記構築ボックス(30)の前記構築ボックス内部空間(36)で3D印刷によって部品を構築し、および
前記構築ボックス(30)を前記支持構造体(50)から取り外し、
さらに、取り外した前記構築ボックス(30)を後処理に供給し、
および/または
構築ボックス(30)を前記支持構造体(50)に取り付ける、3D印刷方法。
【請求項16】
自動化された方法で、前記構築ボックス(30)を前記支持構造体(50)から取り外し、および/または、
前記後処理において、取り外した前記構築ボックス(30)から前記構築部品を取り出す、および/または、取り外した構築ボックス(30)内の前記構築部品を、硬化および/または乾燥させ、および/または、
前記構築部品を取り出した後に、同じ構築ボックス(30)を再度取り付けるか、または異なる構築ボックス(30)を前記支持構造体に取り付け、その後、前記構築ボックス(30)の前記構築ボックス内部空間(36)で3D印刷により部品を再構築する、請求項15に記載の3D印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンタ用構築ボックスシステム、前記構築ボックスシステムを備える3Dプリンタ、前記3Dプリンタを備える3Dプリンタシステム、前記構築ボックスシステムの使用、および3D印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な生成的製造プロセスや3D印刷プロセス(およびその結果として、様々なタイプの3Dプリンタ、すなわち部品を層状に構築する機械/設備)が知られている。
【0003】
いくつかの生成的製造プロセスは、以下の共通のステップを有する。
(1)最初に、粒子状材料(および粒子状構築材料のそれぞれ)を構築フィールド上の表面全体にわたって/連続的に塗布して、未固化の粒子状材料層を形成する。
(2)未固化の粒子状材料の塗布層を、例えば結合剤などの処理剤を選択的に印刷することによって、あるいは、例えば、レーザ焼結によって、(製造される部品パーツにしたがって)所定の部分領域で選択的に固化させる。
(3)ステップ(1)および(2)を繰り返して、所望の部品を製造する。この目的のために、部品が層状に構築される構築プラットフォームを、例えば、新しい層が塗布される前にそれぞれ1層の厚さだけ低くしてもよい(あるいは、コータおよび印刷装置を、例えば、それぞれ1層の厚さだけ高くしてもよい)。
(4)最後に、固化した部分領域によって形成され、ゆるい、未固化の粒子状材料によって支持され囲まれている製造済み部品を取り出すことができる。
【0004】
1つまたは複数の部品が製造される構築空間は、例えば、いわゆる構築ボックス(「ジョブボックス」または「スワップコンテナ」とも呼ばれる)によって画定されてもよい。このタイプの構築ボックスは、上方向に開口し、垂直方向に延びる周壁構造(例えば、4つの垂直な側壁によって形成される)を有してもよく、例えば、上から見て長方形となるように形成されてもよい。高さ調整可能な構築プラットフォームは、構築ボックスに収容することができる。この点において、構築プラットフォームの上方および垂直周壁構造の間の空間は、例えば、構築空間の形成に少なくとも寄与し得る。構築空間の上部領域は、例えば、構築フィールドと呼ばれる場合がある。構築ボックスの例は、例えば、独国特許出願公開第102009056696号明細書に記載されている。構築ボックスの他の例は、例えば、独国実用新案第202006010327号明細書に記載されている。
【0005】
コータ(「リコータ」とも呼ばれる)は通常、上記のステップ(1)で使用される。3Dプリンタで使用するための様々なコータが知られており、これによって粒子状構築材料を、表面全体に均一な層/連続層の形態で構築フィールド(構築面または構築領域とも呼ばれる)に塗布することができる。
【0006】
コータの1つのタイプは、ローラ(つまり「ローラコータ」)を使用し、まず一定量の粒子状構築材料をローラの前に置き、次にローラを構築フィールドを横切って水平方向に動かし、粒子状構築材料を均一な層の形態で構築フィールド上に塗布する。この点において、ローラは、移動方向とは反対に回転し得る。
【0007】
別の種類のコータ(いわゆる「容器コータ」、例えば「スロットコータ」)は、粒子状構築材料を受け入れるための内部空洞を画定する容器を使用し、例えば粒子状構築材料を出力するための(例えば細長い)出力スロットを備える(例えば細長い)出力領域を有する。容器コータは、例えば、構築フィールドを(例えば水平に、例えばその長手方向を横断して)横切って移動可能であってもよく、粒子状材料を(細長い)出力領域を通して構築フィールド上に出力し、それによって均一な構築材料層を構築フィールドの表面に連続的に/全体にわたってそれぞれ塗布することができる。コータは、例えば、矩形構築フィールドまたは構築空間の長さまたは幅にまたがるか、または覆うために細長くなり得る。
【0008】
上記のステップ(2)において、例えば、印刷ヘッドを有する印刷装置が使用されてもよく、これは、前に塗布された構築材料層の部分領域上に制御された方法で処理剤を塗布する(いわゆる結合剤噴射)。処理剤は、部分領域内の構築材料層の(直接的なおよび/またはその後の)固化に寄与する。例えば、処理剤は、結合剤、例えばバインダー、例えば多成分結合剤の結合剤成分であるか、又はこれを含むことができる。
【0009】
あるいは、例えば、上記ステップ(2)でレーザを使用して、特に部分領域内で粒子状材料を焼結または溶融することによって、先に塗布した構築材料層の部分領域を固化してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、3D印刷で部品を効率的に製造することができる3Dプリンタ用構築ボックスシステムおよび3D印刷方法を提供することであると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明は、請求項1に記載の3Dプリンタ用構築ボックスシステム、請求項12に記載の3Dプリンタ、請求項13に記載の3Dプリンタシステム、請求項14に記載の構築ボックスシステムの使用、および請求項15に記載の3D印刷方法を提供する。
【0012】
本発明の様々な態様によれば、3Dプリンタ用構築ボックスシステムは、側壁構造体(例えば、構築ボックス側壁構造体)と側壁構造体に収容された構築プラットフォームを有する構築ボックス、並びに支持構造体を備え、側壁構造体は、構築プラットフォームによって下方が画定された、(例えば、3D印刷方法による)3D印刷において、部品(例えば、少なくとも1つの部品、例えば、1つ以上の部品)を構築するための上方が開口した構築ボックス内部空間(例えば、構築空間)を画定し、支持構造体は支持構造体に統合された独自の駆動を備え、支持構造体には、構築ボックス内部空間で部品を構築した後、構築ボックスを支持構造体から繰り返し取り外し(例えば外して取り去る)、その後支持構造体に再び取り付け(例えば固定、例えば取り付けて固定)が可能なように構築ボックスが(例えば繰り返し、例えば複数回)着脱可能に取り付け(例えば固定可能、例えば取り付け、例えば固定)されている。
【0013】
構築ボックスは支持構造体から外すことができるため、構築ボックスは、例えば、支持構造体から離れて、3D印刷後の処理(いわゆる後処理)に供給することができ、例えば、構築ボックス内で製造された部品の取り出しおよび/または硬化および/または乾燥を行うことができる。一方、支持構造体上に別の構築ボックスを配置し、例えば、別の構築ボックスで3D印刷を行ったり、3D印刷で部品を作り上げたりすることで、一方の構築ボックスで行われる後処理と並行/同時進行で行うことができる。これにより、例えば、(1つまたは複数の構築ボックスおよび/または支持構造体などの)構築ボックスシステムの個々の部品の空いた時間を短くすることができる。支持構造体は、支持構造体に統合された独自の駆動を有しているので、構築ボックスは、例えば、駆動手段を持たない(すなわち、構築ボックスに統合された独自の駆動を持たない)ように構成することができる。これにより、(例えばそれぞれの)構築ボックスを、例えば、シンプルでコスト効率良く組み立てることができるにもかかわらず、(例えば共通の)支持構造体を用いて構築ボックスを簡単に取り扱うことができる。さらに、構築ボックスは、例えば、支持構造体とその駆動に有害な条件を有するタイプの後処理にもアクセス可能に形成されることができる。 このように、構築ボックスシステムは、例えば、3D印刷プロセスの効率的な実施、および/または3D印刷部品の効率的な生産、および/または3Dプリンタまたは3Dプリンタシステムの効率的な運用を可能にする。
【0014】
例えば、構築ボックスの側壁構造体は、少なくとも1つの側壁(例えば、4つの側壁)を有していてもよい。例えば、構築ボックスの側壁構造体は、4つの側壁(例えば、構築ボックス側壁)によって形成されていてもよい。構築ボックス側壁構造体(例えば、4つの構築ボックス側壁)は、例えば、2つの長辺と2つの短辺を備える、例えば、平面視で長方形の形状を有していてもよい。
【0015】
支持構造体に統合された駆動は、例えば、構築ボックスが支持構造体に取り付けられているとき、構築ボックスの構築プラットフォームの高さを調整するように構成された、構築プラットフォームの高さを調整するための昇降駆動(例えば、構築プラットフォーム昇降駆動)を備えていてもよい。
【0016】
支持構造体に統合された昇降駆動により、構築プラットフォームは、例えば、3D印刷プロセスの開始時に構築プラットフォームが配置される最上部の位置と、構築プラットフォームが保持構造体(例えば、後述の保持構造体)によって保持される(そして、例えば、3D印刷プロセスの終了時に構築プラットフォームが配置される)最下部の位置との間で、制御された自動化された方法で移動することができる。この目的のために、昇降駆動は、例えば、制御装置(例えば、3Dプリンタの中央制御装置、例えば、支持構造体に統合された制御装置)に結合または接続されてもよい。そのため、構築プラットフォームの高さを調整するための構築ボックスに統合された装置は省略してもよい。また、構築プラットフォームの高さを調整するための3Dプリンタに統合された、または3Dプリンタ上に設けられた装置も省略してもよい。
【0017】
支持構造体に統合された駆動は、例えば、支持構造体を移動させるための移動駆動(例えば、支持構造体移動駆動)を備えていてもよく、この移動駆動は、構築ボックスシステム(例えば、その上に構築ボックスが配置された支持構造体)を、構築ボックスシステムが部品を構築するために3Dプリンタ内に配置される第1の位置(例えば、構築位置)と、構築ボックスシステムが、例えば、3Dプリンタの外側に配置される第2の位置との間で、例えば、第1の位置と第2の位置との間に延びるレールシステムまたはローラシステムに沿って移動させるように構成されている。
【0018】
支持構造体に統合された移動駆動を用いて、構築ボックスシステムは、例えば、制御された自動化された方法で、第1の位置と第2の位置との間で移動してもよい。この目的のために、移動駆動は、例えば、制御装置(例えば、3Dプリンタの中央制御装置、例えば、支持構造体に統合された制御装置)に結合または接続されてもよい。したがって、構築ボックスシステムまたは支持構造体を移動させるための別個の装置を省略してもよい。構築ボックスシステムまたは支持構造体を移動させるための3Dプリンタに統合された、または3Dプリンタ上に設けられた装置も省略してもよい。
【0019】
第2の位置は、例えば、構築ボックスを支持構造体から外すため(そして、例えば、取り去るため)の位置、および/またはそれを支持構造体に取り付けるため(そして、例えば、固定するため)の位置であってもよい。第2の位置は、例えば、構築ボックスを支持構造体から外し、取り去るための位置、および/または構築ボックスを支持構造体に取り付けるための位置、および/または支持構造体上の構築ボックスを変更または交換するための位置であってもよい。また、第2の位置は、例えば、構築ボックス変更位置および/または構築ボックス交換位置であってもよい。
【0020】
移動駆動および/または昇降駆動が構築ボックスシステムの支持構造体に統合されている場合、例えば、構築プラットフォームの高さ調節のための、および/または支持構造体および/または構築ボックスシステムを第1の位置と第2の位置との間で移動させるための3Dプリンタの対応する装置を省略してもよい。これにより、例えば、3Dプリンタの組み立てを簡素化することができる。さらに、例えば、移動駆動および/または昇降駆動のメンテナンス作業を、3Dプリンタの外側で簡単かつ低コストで行うことができ、一方で、3Dプリンタは、その間、例えば、別の構築ボックスシステムを用いて操作を継続することができる。
【0021】
移動駆動および/または昇降駆動は,例えば,それぞれ少なくとも1つの電動機として構成されていてもよい。例えば、移動駆動として、および/または昇降駆動として、それぞれ複数の電動機が設けられていてもよく、これらの電動機は同期動作するように制御されるか、または互いに結合されている。移動駆動は、例えば、1つの電動機で形成されていてもよく、昇降駆動は、例えば、互いに同期した2つの電動機で形成されていてもよい。移動駆動および/または昇降駆動は、例えば、垂直方向の駆動軸を有していてもよい。
【0022】
支持構造体は、例えば、トレーリングケーブルチェーンまたはローリングケーブルチェーンを介して、3Dプリンタに、例えば、3Dプリンタの中央制御装置に、および/または3Dプリンタの中央電源に電気的に接続されていてもよく、中央制御装置は、特に移動駆動および/または昇降駆動を制御するように構成されていてもよい。ただし、移動駆動および/または昇降駆動を制御するため、支持構造体は、例えば、支持構造体に統合された、または支持構造体上に配置された制御装置を備えていてもよい。移動駆動および/または昇降駆動の電源として、支持構造体は、例えば、アキュムレータで形成されているか、またはアキュムレータを備えていてもよい。
【0023】
昇降駆動は、例えば、支持構造体上に配置された少なくとも1つ(例えば、2つ)のスピンドル駆動を駆動するように構成されていてもよい。昇降駆動は、例えば、支持構造体上に配置された少なくとも1つ(例えば、2つ)のスピンドル駆動を駆動してもよい。例えば、支持構造体は、支持構造体に取り付けられ、昇降駆動によって駆動可能または駆動される少なくとも1つ(例えば、2つ)のスピンドル駆動を含んでもよい。スピンドル駆動(例えば、2つのスピンドル駆動のそれぞれ)は、例えば、(例えば、回転可能な)ねじスピンドルとスピンドルナットを備えていてもよい。スピンドル駆動またはねじスピンドルは、それぞれ、例えば、支持構造体側壁構造体および支持構造体側壁に隣接して回転可能に配置されてもよい。ねじスピンドルは、例えば、昇降駆動に(例えば固定的に、例えば着脱可能に、例えば結合によって)接続されてもよい。例えば、昇降駆動として2つの電動機が設けられてもよく、それぞれがスピンドル駆動を駆動し、それぞれのスピンドル駆動は、例えば、回転可能なねじスピンドルとスピンドルナットを備え、2つのスピンドル駆動は、例えば、対向する支持構造体側壁に隣接して配置される。スピンドル駆動または回転可能なねじスピンドルは、例えば、垂直方向の回転軸を備えていてもよい。
【0024】
移動駆動は、例えば、支持構造体に固定された少なくとも1つの歯車を駆動するように構成されていてもよい。例えば、移動駆動は、支持構造体に固定された少なくとも1つの歯車を駆動してもよい。例えば、支持構造体は、支持構造体に取り付けられた少なくとも1つの歯車であって、移動駆動によって駆動可能または駆動される歯車を備えていてもよい。例えば、歯車は、移動駆動に(例えば固定的に、例えば着脱可能に、例えば結合によって)接続されていてもよい。歯車は、例えば、支持構造体の下側に取り付けられてもよい。歯車は、例えば、支持構造体の外側に、例えば、外側の下部領域に取り付けられてもよい。歯車は、例えば、縦型車輪面または横型車輪面を備えていてもよい。また、歯車は、例えば、縦型の歯車であってもよいし、横型の歯車であってもよい。例えば、支持構造体に取り付けられた複数の歯車があってもよく、それらは歯車箱を介して共通の電動機、または別々の電動機を同期させて駆動されている。支持構造体に固定された歯車は、例えば、ラックと協働してもよい。そのために、歯車は、例えば、構築ボックスシステムがラックに沿って移動可能であるように、移動駆動によって駆動されるとき、ラックに係合して転がってもよい。ラックは、例えば、横型車輪面を有する歯車が横方向に噛み合う横方向の歯面を備えていてもよい。ラックは、例えば、レールシステムの、例えば2つのローリングレールまたはスライドレールの一方に隣接する、例えば、2つのローリングレールまたはスライドレールの間に配置されてもよく、支持構造体はレールシステムに沿って滑材でスライド/回転することができる。あるいは、ラックは、例えば、支持構造体が立つ2つのローリングレールまたはスライドレールのうちの1つによって形成されてもよく、そのために、ローリングレールまたはスライドレールの側面には歯が設けられている。
【0025】
例えば、構築ボックスの側壁構造体に隣接および/または支持構造体の少なくとも1つの側壁に隣接する構築ボックスの隣の構築ボックスシステムの上面視において、例えば、構築ボックスの側壁構造体の前および/または後ろ、および/または支持構造体の少なくとも1つの側壁の前および/または後ろに長手方向に細長い構築ボックスの場合、昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動は、例えば、構築ボックスが支持構造体に取り付けられているとき、構築ボックスの側壁構造体の外側に配置されていてもよい。その結果、構築ボックスシステムは、例えば高さが低く、そのためコンパクトになるように設計することができる。さらに、例えば、昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動に容易にアクセスすることができる。
【0026】
例えば、支持構造体は細長く形成されていてもよく、昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動は、例えば、支持構造体の少なくとも長手方向の端部に配置されていてもよい。例えば、移動駆動は支持構造体の第1の長手方向の端部に配置されてもよく、昇降駆動は支持構造体の前記第1の長手方向の端部および第2の長手方向の端部に配置されてもよい。その結果、構築ボックスシステムは、例えば高さが低く、そのためコンパクトに形成されていてもよい。さらに、例えば、昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動に容易にアクセスすることができる。
【0027】
構築プラットフォームは、例えば、1つ以上の支持構造体(例えば、垂直方向または高さ方向に調整可能である)、例えば、1つ以上の支持アーム(例えば、L字構造からなる)によって、下から/下に向かって係合されてもよく、構築ボックスが支持構造体に取り付けられているとき、これらの支持アームは、昇降駆動に(例えば固定的に、例えば着脱可能に、例えば結合によって)接続され、それによって駆動することができる。構築ボックスの側壁構造体および/または支持構造体側壁構造体において、例えば、1つ以上の支持構造体が延びる1つ以上のスロット(例えば、高さ方向に延びる長手方向のスロット)が形成されてもよい。スロットは、例えば、支持構造体側壁構造体または構築ボックス側壁構造体の下端(例えば、下縁)から上方向(例えば、鉛直上方向)に延びていてもよい。例えば、スロットは、構築プラットフォームが保持構造体(例えば、後述する保持構造体)によって保持された最下部の位置と構築プラットフォームの床(例えば、上部または上部分、例えば、作業面)が構築ボックス側壁構造体の上端と実質的に水平に配置された(そしてそこに3D印刷プロセスの開始時に構築プラットフォームが配置されている)最上部の位置との間で移動可能なように、高さ方向(または垂直方向)に延長(例えば、長さ)を有するように構成されていてもよい。例えば、支持構造体は、例えば、支持構造体が締結され、スピンドルナットに(例えば固定的に、例えば着脱可能に)接続される支持構造体締結部材を介して、スピンドルナットに(例えば固定的に、例えば着脱可能に)接続されてもよい。このようにして、例えば、構築プラットフォームの安全かつ確実な高さ調整を実現することができる。さらに、それによって、例えば、構築ボックスシステムはコンパクトで信頼性の高いものとなるように設計することができる。
【0028】
1つ以上の支持構造体は、例えば、昇降駆動によって高さ方向(または垂直方向)に調整可能または調整されてもよい。1つ以上の支持構造体は、例えば、それぞれが、支持構造体側壁構造体にある関連するスロットを通って、例えば、反対側の支持構造体側壁に向かって、支持構造体側壁にある関連するスロットを通って延びていてもよい。1つ以上の支持構造体は、例えば、支持構造体の垂直方向の移動(または高さ方向の移動)によって構築プラットフォームが高さ調整可能であるように、構築ボックスが支持構造体に取り付けられるとき、構築プラットフォームに着脱可能に接触するように構成されてもよい。
【0029】
例えば、昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動は、支持構造体側壁と支持構造体の外装壁との間に形成される空間に配置されてもよい。それにより、例えば、昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動に容易にアクセスすることができる。
【0030】
例えば、支持構造体は、例えば構築ボックスを支持構造体に取り付けるとき、構築ボックスの側壁構造体を周方向に少なくとも区切って取り囲む、例えば細長い構築ボックスの両端面で取り囲む、例えば細長い構築ボックスの両端面で完全に取り囲む、支持構造体側壁構造体を備えていてもよい。支持構造体側壁構造体は、例えば、構築ボックスの側壁構造体に対応する形状に形成されていてもよい。例えば、支持構造体側壁構造体は、構築ボックスの側壁構造体と相補的な形状であってもよい。例えば、支持構造体側壁構造体は、少なくとも1つの支持構造体側壁(例えば、2つの支持構造体側壁)を有していてもよい。それにより、例えば、構築ボックスの支持構造体への容易な取り付け、および/または構築ボックスの支持構造体からの容易な取り外しが達成されてもよい。
【0031】
例えば、支持構造体および/または支持構造体側壁構造体は、2つの対向する支持構造体側壁を有していてもよく、その支持構造体側壁の間に構築ボックスが取り付け可能であり、例えば、構築ボックスが支持構造体に取り付けられるとき、構築ボックスの側壁構造体の一部(例えば、2つの短い構築ボックス側壁)が、支持構造体側壁に(例えば、支持構造体側壁の一部に)隣接して(例えば、5cm以下、例えば、3cm以下、例えば、1cm以下の距離で)配置されるようになっていてもよい。これにより、例えば、構築ボックスの支持構造体への容易な取り付け、および/または構築ボックスの支持構造体からの容易な取り外しを達成することができる。駆動(例えば、昇降駆動および/または移動駆動)は、例えば、構築ボックスとは反対側を向く支持構造体側壁側の2つの支持構造体側壁の少なくとも一方に隣接して配置されていてもよい。
【0032】
支持構造体側壁構造体は、(例えば、構築ボックスが支持構造体に取り付けられるとき)例えば、構築ボックスの側壁構造体を周方向に区切って取り囲み、それによって少なくとも1つの凹部を形成してもよい。凹部は、例えば、凹部を通して、構築ボックスが支持構造体から横方向に取り外され、および/または支持構造体に再び取り付けられ得るように、寸法を決めてもよい。支持構造体側壁構造体は、例えば、2つの対向する凹部を備えていてもよく、それぞれの凹部は、例えば、構築ボックスが、それぞれの凹部を通して、支持構造体から横方向に取り外され、および/または支持構造体に再び取り付けられ得るように、寸法を決めてもよい。少なくとも1つ(例えば両方)の凹部は、例えば、構築ボックスの側壁構造体の(それぞれの)長辺に沿って延びていてもよい。それにより、例えば、構築ボックスの支持構造体への容易な取り付け、および/または構築ボックスの支持構造体からの容易な取り外しが達成されてもよい。
【0033】
支持構造体側壁構造体は、例えば、複数(例えば、2つ)の支持構造体側壁を備えていてもよいし、少なくともこれらによって共形成(例えば、形成)されていてもよい。支持構造体は、例えば、細長く形成されていてもよい。例えば、支持構造体は、例えば、2つの短辺と2つの長辺を有する、平面視で長方形に形成されていてもよい。支持構造体または支持構造体側壁構造体は、支持構造体上に構築ボックスが配置されるとき、例えば、構築ボックスの前後に(例えば、構築ボックスの側壁構造体に隣接し、例えば、構築ボックスの短辺に隣接して)(例えば、長手方向に)配置された2つの支持構造体側壁を備えていてもよい。支持構造体または支持構造体側壁構造体は、例えば、第1の支持構造体側壁と第2の支持構造体側壁を備えていてもよく、構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、第1の支持構造体側壁は構築ボックスの前方に(例えば、構築ボックス側壁構造体の第1部分に隣接、例えば、構築ボックスの第1の短辺に隣接)して(例えば、長手方向に)配置されており、第2の支持構造体側壁は構築ボックスの後方(例えば、構築ボックス側壁構造体の第2部分に隣接、例えば、構築ボックスの第2の短辺に隣接)して(例えば、長手方向に)配置される。昇降駆動および/または移動駆動および/またはスピンドル駆動は、例えば、支持構造体上に構築ボックスが配置されるとき、少なくとも1つの支持構造体側壁(例えば、両方の支持構造体側壁)に隣接して、構築ボックスの反対側を向く(それぞれの)支持構造体側壁側に配置されてもよい。
【0034】
例えば、構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、構築ボックスの側壁構造体の上縁が支持構造体側壁構造体の上縁と実質的に同じ高さに配置されるよう、例えば、構築ボックスが支持構造体によって支持されていてもよい。
【0035】
構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、例えば、支持構造体は構築ボックスを支持するための少なくとも1つ(例えば、2つ)の構築ボックス支持部材を備えていてもよい。構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、少なくとも1つの構築ボックス支持部材は、例えば、構築ボックスの下方に配置されてもよい。少なくとも1つの構築ボックス支持部材は、支持構造体側壁構造体によって(例えば1つまたは複数の支持構造体側壁によって)、少なくとも共同形成、例えば形成されてもよい。少なくとも1つの構築ボックス支持部材は、例えば、支持構造体側壁構造体(例えば、1つまたは複数の支持構造体側壁)に取り付けられていてもよく、構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、例えば、構築ボックスの前後に(例えば長手方向に)配置された2つの支持構造体側壁のそれぞれに支持部材が取り付けられていてもよい。例えば、支持構造体は、2つの対向する構築ボックス支持部材を備えていてもよい。2つの対向する構築ボックス支持部材は、例えば、それぞれ2つの支持構造体側壁の間に延在し、支持構造体側壁よりも高さが低く(例えば、垂直方向に延長が短く)てもよい。また、2つの対向する構築ボックス支持部材は、例えば、対向する支持構造体側壁上に配置されていてもよい。
【0036】
支持構造体は、例えば、2つの(例えば対向する)支持構造体側壁と、2つの(例えば対向する)構築ボックス支持部材を備えていてもよく、例えば、2つの支持構造体側壁は(例えば細長い)構築ボックスの前後に配置され、および/または、構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、2つの支持構造体側壁は構築ボックスの側壁構造体に隣接して(例えばその一部に、例えば短辺に)配置され、そして、構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、例えば2つの構築ボックス支持部材によって構築ボックスが支持されるように2つの構築ボックス支持部材が配置されている。これにより、例えば、構築ボックスの支持構造体への容易な取り付け、および/または構築ボックスの支持構造体からの容易な取り外しを達成されてもよい。
【0037】
例えば、1つ以上の支持構造体は、支持構造体が最下部の位置にあるとき、構築ボックス支持部材よりも高さが低く(例えば、垂直方向に延長が短く)てもよい。それにより、例えば、構築ボックスの支持構造体への容易な取り付け、および/または構築ボックスの支持構造体からの容易な取り外しを達成することができる。
【0038】
支持構造体は、例えば、構築ボックス(例えば構築ボックス側壁構造体)が所望の位置に安定的に(例えば固定的に、例えば不動的に)保持されるように、支持構造体に着脱可能に取り付けられた構築ボックスが固定され得る構築ボックス固定装置を備えてもよい。例えば、構築ボックス固定装置は、構築ボックス上に設けられたボルト受入開口部に係合するように構成された少なくとも1つのボルト(例えば、2つまたは4つのボルト)を備えていてもよい。例えば、構築ボックスは、支持構造体側壁構造体によって(例えば、2つの支持構造体側壁によって)第1の水平方向(例えば、第1の水平方向は細長い構築ボックスまたは細長い支持構造体の長手方向であってもよい)に固定され、構築ボックス固定装置によって第1の水平方向に垂直な第2の水平方向に固定されてもよい。
【0039】
支持構造体は、例えば、横方向のガイドローラを備えていてもよい。ガイドローラは、例えば、支持構造体の下側に取り付けられていてもよい。ガイドローラは、例えば、支持構造体の外側に、例えば、外側の下部領域に取り付けられてもよい。ガイドローラは、例えば、垂直なローリング軸を有していてもよい。支持構造体に取り付けられたガイドローラは、例えば、ガイドローラが転動する2つのガイドレールと協働してもよい。2つのガイドレールのうちの一方は、例えば、ラックによって、すなわち、歯面に対向するラックの側面によって、例えば、ラックの外側面によって形成され、ラックの内側面が歯面として形成されていてもよい。例えば、他方のガイドレールは、上述した2つのローリングレールまたはスライドレールのうちの一方によって、例えば、レールの内側面によって形成されてもよい。しかし、例えば、両方のガイドレールともローリングレールまたはスライドレールによって形成されていてもよいし、2つの別のガイドレールが設けられていてもよい。横方向のガイドローラは、例えば、構築ボックスシステムを具体的に第1の位置に移動させることができるように、移動方向に垂直な水平方向に沿って支持構造体をセンタリングするために使用することができる。したがって、移動方向に垂直な水平方向に沿った第1の位置での構築ボックスシステムの別々のセンタリング/固定を省略することができる。
【0040】
支持構造体は、例えば、レールシステムの対応するレール上に支持構造体がスライド式に設置される2つ以上の滑材を備えていてもよい。レールシステムのレールは、例えば、ローリングレールであってもよく、すなわち、レールシステムのレールはローラを備えていてもよく、そのローラの上で滑材が動転する。また、レールシステムのレールは、スライドレールであってもよく、すなわち、レールシステムのレールはスライド面を備えていてもよく、そのスライド面の上で滑材がスライドする。
【0041】
例えば、支持構造体は、先細の位置合わせ凹部、例えば、円錐状の凹部を備えていてもよい。3Dプリンタ(例えば、そのフレーム)は、それに取り付けられた、例えば、構築ボックスシステムの移動方向に対して垂直で水平方向に調整可能な位置合わせ部材を有していてもよく、位置合わせ部材は、構築ボックスシステムの第1の位置で位置合わせ凹部に横方向に係合する先細の端部部分(例えば、位置合わせマンドレル、例えば、円錐状のマンドレル)を備えている。支持構造体の位置合わせ凹部と3Dプリンタの調整可能な位置合わせ部材はともに、構築ボックスシステムの移動方向に沿って、構築ボックスシステムの位置合わせをするため、そして構築ボックスシステムを3Dプリンタ内に(例えば、そのフレームに)固定するための構築ボックスシステム固定システムを形成する。さらに、構築ボックスシステム固定システムは、例えば、3Dプリンタ上(例えば、そのフレーム上)に配置され、支持構造体に取り付けられた止め板に対して調整可能に押圧可能な平板状の端部を有する固定部材(例えば、ボルト)を備えていてもよい。例えば、支持構造体の反対側にあるレールが当接部として機能してもよい。さらに、構築ボックスシステム固定システムは、例えば、構築ボックスシステムの位置、特に構築ボックスシステムが第1の位置にあるかどうかを決定するためのセンサを備えていてもよい。この目的のために、センサターゲットが、例えば、支持構造体に取り付けられてもよい。さらに、構築ボックスシステム固定システムは、例えば、構築ボックスシステムが第1の位置にあることをセンサが検出したときに、位置合わせ部材が位置合わせ凹部に移動し、固定部材が止め板に押し付けられるように、位置合わせ部材および固定部材の駆動を制御する制御システムを備えていてもよい。
【0042】
構築ボックスは、例えば、対向する2つの短い構築ボックス側壁と、対向する2つの長い構築ボックス側壁を有する、平面視で長方形の形状を有していてもよい。例えば、構築ボックスは、1.2m以上(例えば1.3m以上、例えば1.4m以上、例えば1.5m以上)、および2.0m以下(例えば1.9m以下、例えば1.8m以下、例えば1.7m以下、例えば1.6m以下)の長さを有していてもよい。例えば、構築ボックスは、0.7m以上(例えば0.8m以上、例えば0.9m以上、例えば1.0m以上)、および1.3m以下(例えば1.2m以下、例えば1.1m以下)の幅を有していてもよい。例えば、構築ボックスは、0.3m以上(例えば0.4m以上、例えば0.5m以上)、および0.8m以下(例えば0.7m以下、例えば0.6m以下、例えば0.5m以下)の高さを有していてもよい。
【0043】
構築ボックスは、例えば、1つ以上の構築ボックス側壁、例えば、短い構築ボックス側壁のそれぞれに、例えば、1つ以上のスロット(例えば、長手方向のスロット)の形で、それぞれ1つ以上の構築ボックス側壁開口部を有していてもよく、1つ以上の構築ボックス側壁開口部は構築ボックス側壁構造体の下端から、例えば、上方向に垂直に延びていてもよい。
【0044】
構築ボックスは、例えば、構築プラットフォームを構築ボックス内の最下部の位置に保持するように構成された保持構造体(例えば、構築プラットフォーム保持構造体)を備えていてもよい。保持構造体は、例えば、プレートを備えるか、または少なくともそれによって共同形成される(例えば、形成される)ものであってもよく、構築プラットフォームが構築ボックス内の最下部の位置にあるとき、例えば、そのプレートは構築ボックスの側壁構造体(例えば、その下端部)に固定され、そしてそれに対して構築プラットフォームが支持される。例えば、構築プラットフォームが構築ボックス内の最も低い位置にあるときに、構築プラットフォームがプレート上にあってもよい。例えば、構築ボックスが支持構造体上に配置されているとき、プレートが構築ボックス支持部材上にあってもよい。例えば、プレートはプレートの外縁から例えば内側に延びる1つ以上の開口部(例えば、スロット、例えば、長手方向のスロット)を有していてもよい。支持構造体は、例えば、構築プラットフォーム(例えば、構築プラットフォームの上部または上側部分、例えば、構築プラットフォームの作業面)が、1つ以上の構築ボックス側壁開口部の上の最下部の位置に配置されるように構成されてもよい。構築プラットフォームは、例えば、構築ボックス側壁開口部の長さ(および、それぞれの垂直方向の延長、および、それぞれの高さ方向の延長)と同等以上の厚さ(例えば、高さ方向または垂直方向の延長)を有していてもよい。これにより、例えば、構築ボックス側壁開口部を閉じるための複雑な装置の必要を省くことができる。保持構造体は、例えば、1つ以上の突出部を有していてもよく、またはこれらによって少なくとも共同形成されていてもよく(例えば、形成されていてもよく)、これらの突出部は、構築ボックスの側壁構造体から、例えば、短いおよび/または長い構築ボックス側壁から対向する(構築ボックス)側壁に向かって、例えば、内側に突出しており、構築プラットフォームが構築ボックス内の最下部の位置にあるとき、これらに対して構築プラットフォームが支持される。
【0045】
例えば、構築ボックスは、2つの短い構築ボックス側壁がそれぞれ支持構造体側壁構造体の一部に隣接して(例えば、それぞれの支持構造体側壁に隣接して、例えば、2つの支持構造体側壁のうちの1つに隣接して)、例えば、それぞれ5cm以下(例えば、3cm以下、例えば、1cm以下)の距離で配置されるように、支持構造体に取り付け可能であってもよい。構築ボックスは、例えば、短い構築ボックス側壁のそれぞれに、構築ボックスが支持構造体上に配置されるとき、支持構造体がそこから延びることができるように構成された少なくとも1つ(例えば、2つ)の構築ボックス側壁開口部を有していてもよく、これにより構築プラットフォームは、支持構造体の垂直方向の移動(および高さ方向の移動のそれぞれ)によって、例えば、構築プラットフォームが保持構造体(例えば、プレート)によって保持されている最下部の位置と、構築プラットフォームの床(例えば、上部および上部部分のそれぞれ、例えば、作業面)が構築ボックス側壁構造体の上縁と実質的に同じ高さに配置されている最上部の位置(および、3D印刷プロセスの開始時に構築プラットフォームが配置される位置)との間で高さ調整可能となる。
【0046】
構築ボックスは、例えば、駆動手段を有していなくてもよい。構築ボックスは、例えば、能動的な素子を有していなくてもよい。例えば、構築ボックスは、駆動なし、および/または能動的な素子なしで形成されてもよい。それにより、構築ボックスは、例えば、シンプルでコスト効率の良い方法で構築することができる。
【0047】
構築ボックスは、例えば、加熱装置を備えていてもよい。加熱装置は、例えば、構築プラットフォーム上および/または内に配置されてもよい。構築ボックスの側壁構造体は、例えば、セラミック、金属、例えば、鋳物、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせで作られていてもよい。構築プラットフォームは、例えば、金属製の床、例えば鋳造金属製の床、またはステンレス鋼製の床、またはセラミック製の床で構成されていてもよい。セラミック材料は、例えば、マイクロ波放射の透過性が良好であり、したがって、マイクロ波後処理を受けることになる構築ボックスによく適している。構築プラットフォームは、例えば、構築ボックスの内部空間から粒子状材料を除去するために、例えば、有孔床と閉鎖装置を備える排出装置を備えていてもよい。
【0048】
構築ボックスは、例えば、構築ボックスの支持構造体への取り付け、および/または構築ボックスの支持構造体から取り外しに適した構築ボックス取り外し装置を備えていてもよい。構築ボックス取り外し装置は、例えば、構築ボックスの構築ボックス側壁構造体上に配置されてもよい。構築ボックス取り外し装置は、例えばプレート、例えばプレートの下、例えば構築ボックスの内部空間とは反対側を向くプレートの側面などの保持構造体上に配置されてもよい。構築ボックス取り外し装置は、例えば、フォークリフトのフォークがその中で係合可能な少なくとも1つ(例えば、2つ)のフォークリフトポケットを備えていてもよい。これにより、例えば、容易かつ迅速に構築ボックスを支持構造体に取り付け、および/または支持構造体から取り外し、および/または容易かつ迅速に交換することができる。
【0049】
支持構造体は、例えば、マイクロ波非対応であるように構成されていてもよい。マイクロ波非対応の支持構造体とは、例えば、駆動などの、支持構造体の一部がプロセス中に損傷または破壊されるため、および/または支持構造体の一部がマイクロ波処理に適さない材料で作られているため、マイクロ波での後処理を受けることができない支持構造体であると理解される。例えば、構築ボックスは、マイクロ波対応であるように構成されていてもよい。マイクロ波対応の構築ボックスとは、マイクロ波での後処理を行うことができる構築ボックスを意味する。例えば、駆動のない構築ボックス、すなわち、駆動なしの構築ボックスは、マイクロ波対応であってもよい。
【0050】
例えば、構築プラットフォームは、床(例えば、上述の床のうちの1つ)と、それに対して床が支持される(例えば、上に床がある)床支持構造体を備えていてもよい。例えば、床は、床板フレーム構造体によって、例えば、取り囲まれた(例えば、囲い込まれた)1つ以上(例えば、2つ、例えば、4つ)の床板から構成されてもよい。床支持構造体は、例えば、ハニカム状の構造を有していてもよい。ハニカム状の構造は、例えば、放射線(例えば、マイクロ波)を良好に透過させることができ、したがって(マイクロ波)後処理を受けることになる構築ボックスによく適している。床板および/または床板フレーム構造体および/または床支持構造体は、例えば、金属、例えば鋳造金属、ステンレス鋼および/またはセラミックで作られていてもよい。構築プラットフォームは、例えば、構築ボックスの側壁構造体内に交換可能にまたは互いに交換可能に収容されていてもよい。例えば、構築プラットフォームは構築ボックスの側壁構造体から取り外し可能であってもよい。例えば、構築プラットフォーム取り外し装置が構築プラットフォームに取り付け可能であってもよく、構築ボックスの側壁構造体から構築プラットフォームを取り外せるように構成されていてもよい。例えば、構築プラットフォームは、構築プラットフォーム取り外し装置が構築プラットフォームに取り付け可能であるように構成されてもよい。構築プラットフォーム取り外し装置は、例えば、構築プラットフォーム上に設けられたねじ(例えば、内ねじ)にそれぞれがねじ込まれる複数(例えば、4つ)のアイボルトを備えているか、少なくとも共同形成(例えば、形成)されていてもよい。
【0051】
構築ボックスシステムは、例えば、1つ以上の更なる構築ボックスを備えていてもよく、これらのボックスは、例えば、それぞれ(第1の)構築ボックスと交換可能であり、支持構造体に取り付けられていてもよい。1つ以上の更なる構築ボックスは、例えば、上述のように形成されてもよい。また、1つ以上の更なる構築ボックスは、例えば、第1の構築ボックスと同様に形成されていてもよいし、第1の構築ボックスと異なっていてもよい。
【0052】
構築ボックスシステムは、例えば、1つ以上の更なる構築プラットフォームを備えていてもよく、そのそれぞれは、例えば、(第1の)構築プラットフォームと交換可能であり、構築ボックスの側壁構造体に収容可能であってもよい。1つ以上の更なる構築プラットフォームは、例えば、上述のように形成されてもよい。1つ以上の更なる構築プラットフォームは、例えば、第1の構築プラットフォームと同様に形成されていてもよいし、第1の構築プラットフォームと異なっていてもよい。
【0053】
構築ボックスシステムは、例えば、レールシステムまたはローラシステムを備えていてもよく、そのレールシステムまたはローラシステムに沿って構築ボックスが取り付けられた支持構造体が、例えば、支持構造体に統合された独自の移動駆動によって移動可能である。レールシステムまたはローラシステムは、例えば、上述のように構成されていてもよい。
【0054】
構築ボックスシステムは、例えば、昇降駆動および/または移動駆動および/または加熱装置および/または排出装置を制御するように構成された制御装置を備えていてもよい。制御装置は、例えば、3Dプリンタの中央制御装置(第1の制御装置)および/または支持構造体に統合または配置された制御装置(第2の制御装置)を備えていてもよく、例えば、支持構造体に統合または配置された制御装置(第2の制御装置)は、昇降駆動および/または移動駆動および/または加熱装置および/または排出装置を制御するように構成されていてもよく、例えば、中央制御装置(第1の制御装置)がコータ(例えば、構築プラットフォームに粒子状材料を層状に塗布するためのコータ)および/またはプリントヘッド(例えば、結合剤噴射法による粒子状材料の選択的印刷のためのプリントヘッド)を制御するように構成されていてもよく、例えば、中央制御装置(第1の制御装置)が支持構造体に統合された制御装置(第2の制御装置)に接続されていてもよい。
【0055】
本発明の様々な態様によれば、3Dプリンタは、例えば上述したように形成され得る構築ボックスシステムと、構築プラットフォーム上に粒子状材料を層状に塗布するコータおよび/または結合剤噴射法を用いて粒子状材料を選択的に印刷するプリントヘッドを有する。
【0056】
本発明の様々な態様によれば、3Dプリンタシステムは、例えば、上述したように形成され得る3Dプリンタと、例えば、構築ボックスから構築された部品を取り出すための取り出しステーションと、構築ボックスに配置された部品を硬化および/または乾燥させるための、構築ボックスが収容可能なマイクロ波装置および/またはオーブンから選択される1つ以上を有する。
【0057】
本発明の様々な態様によれば、上述の構築ボックスシステム、上述の3Dプリンタ、および/または上述の3Dプリンタシステムは鋳造鋳型および/また鋳造コアの3D印刷、および/または構築プラットフォーム上に粒子状材料を層状に塗布すること、および結合剤噴射法を用いての粒子状材料の選択的印刷に使用することができる。
【0058】
本発明の様々な態様によれば、3D印刷方法は、
構築ボックスが支持構造体に取り付けられている、例えば、上述のように形成された構築ボックスシステムを準備し、
構築ボックスの構築ボックス内部空間で3D印刷によって部品を構築し、および
例えば自動化された方法で、構築ボックスを支持構造体から取り外し、
さらに、取り外した構築ボックスを、
例えば取り外しステーションで、取り外した構築ボックスから構築部品を取り出す、および/または
取り外した構築ボックス内の構築部品を、例えば、マイクロ波装置および/またはオーブンで硬化および/または乾燥させる、後処理に供給し、
および/または
例えば、構築部品を取り出した後に、同じ構築ボックスを再度取り付けるか、または異なる構築ボックスを取り付け(構築ボックスを変更し)、構築ボックスを支持構造体に取り付け、任意的にその後、構築ボックスの構築ボックス内部空間で3D印刷により部品を再構築する、ステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0059】
本発明の一例であるがこれに限定されない実施形態を図面に示し、以下に更に詳細に説明する。
【0060】
図1】本発明の第1の実施形態による3Dプリンタ用構築ボックスシステムの斜視図を示す。
【0061】
図2】外装壁が省略された、図1の斜視図を示す。
【0062】
図3】構築ボックスが省略された、図2の斜視図を示す。そのため、図3は、外装壁が省略された、第1の実施形態による3Dプリンタ用構築ボックスシステムの支持構造体の斜視図を示す。
【0063】
図4】外装壁が省略された、垂直方向の回転軸を中心に180°回転させた、図3に示す支持構造体の斜視図を示す。
【0064】
図5】支持構造体の一方の側壁が省略された、図4の斜視図を示す。
【0065】
図6】支持構造体が省略された、図1の斜視図を示す。そのため、図6は、第1の実施形態による3Dプリンタ用構築ボックスシステムの構築ボックスの斜視図を示す。
【0066】
図7】2つの側壁が省略された、図6の斜視図を示す。
【0067】
図8】構築プラットフォームが省略された、図7の斜視図を示す。
【0068】
図9図6に示した構築ボックスの構築プラットフォームの斜視図を示す。
【0069】
図10図9に示した構築プラットフォームの別の斜視図である。
【0070】
図11】第2の実施形態による3Dプリンタ用構築ボックスシステムの斜視図を示す。
【0071】
図12】第3の実施形態による3Dプリンタ用構築ボックスシステムの斜視図を示す。
【0072】
図13】外装壁と構築ボックスが省略された、図12の斜視図を示す。そのため、図13は、外装壁が省略された、第3の実施形態による3Dプリンタ用構築ボックスシステムの支持構造体の斜視図を示す。
【0073】
図14】外装壁が省略された、垂直方向の回転軸を中心に180°回転させた、図13に示す支持構造体の斜視図を示す。
【0074】
図15】構築ボックスの側壁が省略された、図12に示す構築ボックスシステムの別の斜視図を示す。
【0075】
図16】3Dプリンタ用構築ボックスシステムの構築ボックスの斜視図を示す。
【0076】
図17】3Dプリンタ用構築ボックスシステム用の構築ボックス用の構築ボックスプラットフォームの斜視図を示す。
【0077】
図18】3Dプリンタ用構築ボックスシステム用の構築ボックス用の構築ボックスプラットフォームの斜視図を示す。
【0078】
図19】3Dプリンタの斜視図を示す。
【0079】
図20図19に示す3Dプリンタの別の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下の詳細な説明では、本明細書に組み込まれ、本発明を実施することができる特定の実施形態が例示として示されている添付の図を参照する。この点で、例えば、「上」、「下」、「前」、「後」などの方向を指す用語は、説明されている1つまたは複数の図の方向に関して使用される。実施形態の構成部品は多くの異なる向きに配置され得るため、異なる方向を示す用語は例示として機能し、決して限定的ではない。
【0081】
本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的または論理的な変更を行うことができることを理解されたい。本明細書で説明される様々な例示的な実施形態の特徴は、別段の定めがない限り、組み合わせられてもよいことは言うまでもない。したがって、以下の詳細な説明は、制限的な意味で理解されるべきではなく、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【0082】
この説明では、「接続」、「取付」、および「結合」などの用語を使用して、直接および間接的接続の両方、直接または間接的取付、ならびに直接または間接的結合が説明され得る。
【0083】
図において、同一または類似の部材には、必要に応じて同一の参照番号が付されている。
【0084】
図や後述の支持構造体、構築ボックスおよび構築プラットフォームは、任意の方法で相互に組み合わせることができる。
【0085】
図1および図2は、第1の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の斜視図を示す。図3から図5は、第1の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の支持構造体50の斜視図を示す。図6から図8は、第1の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の構築ボックス30の斜視図を示す。図9および図10は、第1の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の構築ボックス30の構築プラットフォーム34の斜視図を示す。図11は、第2の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の斜視図を示す。図12は、第3の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の斜視図を示す。図13および図14は、第3の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の支持構造体50の斜視図を示す。図15は、第3の実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の斜視図を示す。図16は、3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10、例えば、第3の実施形態による構築ボックスシステム10で使用され得る構築ボックス30の斜視図を示す。図17および図18は、3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10の構築ボックス30、例えば、第1、第2、または第3の実施形態による構築ボックスシステム10の構築ボックス30で使用され得る構築プラットフォーム34の斜視図を示す。図19および図20は、3Dプリンタの斜視図を示す。
【0086】
図に示すように、実施形態による3Dプリンタ12用の構築ボックスシステム10は、側壁構造体32と、側壁構造体32に収容された構築プラットフォーム34を有する構築ボックス30、並びに支持構造体50を備え、側壁構造体32は、構築プラットフォーム34によって下方に区切られた、3D印刷において、部品を構築するための上方が開口した構築ボックス内部空間36を画定し、支持構造体50は支持構造体50に統合された独自の駆動52を備え、支持構造体50には、構築ボックス内部空間36で部品を構築した後、構築ボックス30を支持構造体50から繰り返し取り外し、その後支持構造体50に再び取り付けが可能なように構築ボックス30が着脱可能に取り付けられている。
【0087】
例えば、図2から図5図13及び図14に示すように、支持構造体50に統合された駆動52は、例えば、構築ボックス30が支持構造体50に取り付けられているとき、構築ボックス30の構築プラットフォーム34の高さを調整するように構成された、構築プラットフォーム34の高さを調整するための昇降駆動54を備えていてもよい。
【0088】
昇降駆動54は、例えば、互いに同期した2つの電動機で形成されていてもよく、それぞれが垂直方向の駆動軸を有していてもよい。昇降駆動54(例えば、2つの電動機のそれぞれ)は、例えば、スピンドル駆動80を駆動するように構成されていてもよい。また、前記/それぞれのスピンドル駆動80は、例えば、垂直方向の回転軸を有する回転可能なねじスピンドル82と、スピンドルナット84を備えていてもよい。ねじスピンドル82は、例えば、ベルトやチェーンを介して、昇降駆動54に接続されていてもよい。
【0089】
例えば、図2図3および図14に示すように、支持構造体50に統合された駆動52は、例えば、支持構造体50を移動させるための移動駆動56を備えていてもよく、この移動駆動56は、構築ボックスシステム10を、構築ボックスシステム10が部品を構築するために3Dプリンタ12内に配置される第1の位置と、構築ボックスシステム10が、例えば、3Dプリンタ12の外側に配置される第2の位置との間で、例えば、第1の位置と第2の位置との間に延びるレールシステム14またはローラシステムに沿って移動させるように構成されている(例えば、図19および図20参照)。
【0090】
移動駆動56は、例えば、垂直方向の駆動軸を有する電動機によって形成されていてもよい。移動駆動56(例えば、電動機)は、例えば、支持構造体50に固定された歯車90を駆動するように構成されていてもよい。歯車90は、例えば、移動駆動56に接続されていてもよい。歯車90は、例えば、支持構造体50の下側に取り付けられていてもよく、および/または横型車輪面を有していてもよく、および/または横型の歯車であってもよい。支持構造体50に固定された歯車90は、例えば、ラックと協働するように構成されていてもよく、そのために歯車90は、例えば、構築ボックスシステム10がラックに沿って移動可能であるように、移動駆動56によって駆動されるとき、ラックに係合して転がるように構成されていてもよい。
【0091】
例えば、図2から図5図13及び図14に示すように、昇降駆動54および/またはスピンドル駆動80および/または移動駆動56は、例えば、支持構造体側壁58a、58bと外装壁86a、86bとの間に形成される空間に配置されていてもよい。昇降駆動54および/またはスピンドル駆動80および/または移動駆動56は、例えば、支持構造体側壁58a、58bに隣接して、例えば、構築ボックス30の反対側を向く支持構造体側壁58a、58b側に配置されてもよい。
【0092】
例えば、構築ボックス30の側壁構造体32に隣接および/または支持構造体50の少なくとも側壁58a、58bに隣接する構築ボックス30の隣の構築ボックスシステム10の平面図において、例えば、構築ボックス30の側壁構造体32の前および/または後ろ、および/または支持構造体50の少なくとも側壁58a、58bの前および/または後ろに長手方向に細長い構築ボックス30の場合、昇降駆動54および/または移動駆動56は、例えば、構築ボックス30が支持構造体50に取り付けられているとき、構築ボックス30の側壁構造体32の外側に配置されていてもよい。
【0093】
支持構造体50は、例えば、細長く形成されていてもよく、例えば、そして昇降駆動54および/または移動駆動56は、例えば、支持構造体50の少なくとも1つの長手方向の端部に配置されていてもよい。
【0094】
例えば、図12および図15に示すように、構築プラットフォーム34は、例えば、1つ以上の支持構造体70、例えば、1つ以上の支持アーム72によって、下から係合されてもよく、構築ボックス30が支持構造体50に取り付けられているとき、これらの支持アーム72は昇降駆動54とつながり、昇降装置54によって駆動可能であって、構築ボックス30の側壁構造体32および/または支持構造体側壁構造体58において、1つ以上の支持構造体70が延びる1つ以上のスロット74、78が任意に形成されてもよい。
【0095】
例えば、図5に示すように、支持構造体70は、例えば、支持構造体70が締結され、スピンドルナット84に接続された支持構造体締結部材88を介して、スピンドルナット84に接続されてもよい。
【0096】
例えば、支持構造体50は、例えば、構築ボックス30の側壁構造体32を周方向に少なくとも区切って囲む、例えば、細長い構築ボックス30の両端面で囲む、支持構造体側壁構造体58を備えていてもよい。
【0097】
支持構造体側壁構造体58は、例えば、構築ボックス30の側壁構造体32を周方向に区切って囲み、それによって凹部60を形成してもよく、凹部60は、例えば、凹部60を通して、構築ボックス30が支持構造体50から横方向に取り外され、および/または支持構造体50に再び取り付けられ得るように、寸法を決めてもよい。支持構造体側壁構造体58は、例えば、2つの対向する凹部60を備えていてもよく、それぞれの凹部60は、例えば、構築ボックス30が、それぞれの凹部60を通して、支持構造体50から横方向に取り外され、および/または支持構造体50に再び取り付けられ得るように、寸法を決めてもよい。少なくとも1つの凹部60は、例えば、構築ボックス30の側壁構造体32の長辺に沿って延びてもよい。
【0098】
例えば、図1図2図11図12図15に示すように、支持構造体50が構築ボックス30上に配置されるとき、構築ボックス30の側壁構造体32の上縁が支持構造体側壁構造体58の上縁と実質的に同じ高さに配置されるよう、構築ボックス30が、例えば、支持構造体50によって支持されてもよい。
【0099】
構築ボックス30が支持構造体50上に配置されるとき、例えば、支持構造体50は構築ボックス30を支持するための少なくとも1つの構築ボックス支持部材108を備えていてもよい。例えば、構築ボックス支持部材108は、支持構造体側壁構造体58上に配置されてもよい。例えば、支持構造体50は、2つの対向する構築ボックス支持部材108を備えていてもよい。1つ以上の支持構造体70は、例えば、支持構造体70が最下部の位置にあるとき、構築ボックス支持部材108よりも高さが低く(例えば、垂直方向への延長が短く)てもよい(例えば、図13から図15参照)。
【0100】
例えば、構築ボックス30は、2つの対向する短い構築用ボックス側壁32b、32dと、2つの対向する長い構築ボックス側壁32a、32cを有する、平面視で長方形の形状を有していてもよい。
【0101】
例えば、図6図8図16に示すように、構築ボックス30は、例えば、1つ以上の構築ボックス側壁32a、32b、32c、32d、例えば短い構築ボックス側壁32b、32dのそれぞれに、例えば1つ以上のスロット78の形で、それぞれ1つ以上の構築ボックス側壁開口部76を有していてもよく、1つ以上の構築ボックス側壁開口部76は、例えば、構築ボックス側壁構造体32の下端から上方向に垂直に延びていてもよい。
【0102】
構築ボックス30は、例えば、構築プラットフォーム34を構築ボックス30内の最下部の位置に保持するように構成された保持構造体38を備えていてもよい。例えば、図6から図8および図16に示すように、保持構造体38は、例えば、構築ボックス側壁構造体32上に配置されたプレート40を備えていてもよい。例えば、保持構造体38(例えば、プレート40)は、構築プラットフォーム34(例えば、構築プラットフォーム34の上部領域)が、1つ以上の構築ボックス側壁開口部76の上の最下部の位置に配置されるように構成されていてもよい(例えば、図7および図8参照)。
【0103】
例えば、構築ボックス30は、構築ボックス30の支持構造体50への取り付け、および/または支持構造体50から取り外しを行うよう構成された構築ボックス取り外し装置104を備えていてもよい。例えば、構築ボックス取り外し装置104は、構築ボックス30の構築ボックス側壁構造体32上に配置されてもよい。構築ボックス取り外し装置104は、例えば、プレート40上、例えば、プレート40の下、例えば、構築ボックス内部空間36とは反対側を向くプレート40の側に配置されてもよい。構築ボックス取り外し装置104は、例えば、フォークリフトのフォークが係合可能で、フォークリフトのフォークが係合するようにそれぞれ構成された2つのフォークリフトポケット106を備えていてもよい。
【0104】
支持構造体50は、例えば、マイクロ波非対応であってもよく、および/または構築ボックス30は、例えば、マイクロ波対応であってもよい。構築ボックス30は、例えば、駆動手段を有していなくてもよく、および/または能動的な素子を有していなくてもよい。構築ボックス30の側壁構造体32は、例えば、セラミック、金属、例えば、鋳物、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせで作られていてもよい。
【0105】
構築プラットフォーム34は、例えば、金属製の床、例えば鋳造金属製の床、またはステンレス鋼製の床、またはセラミック製の床で構成されていてもよい。加熱装置は、例えば、構築プラットフォーム34上および/または内に配置されてもよい。構築プラットフォーム34は、例えば、構築ボックス内部空間36から粒子状材料を除去するために、例えば、有孔床と閉鎖装置を備える排出装置を含んでいてもよい。
【0106】
例えば、図9、10、17、および18に示すように、構築プラットフォーム34は、例えば、床94と、床94が支持される床支持構造体96を備えていてもよい。床94は、例えば、床板フレーム構造体100によって、取り囲まれていてもよい1つ以上の床板98を備えていてもよい。床支持構造体96は、例えば、ハニカム状の構造を有していてもよい。床板98および/または床板フレーム構造体100および/または床支持構造体96は、例えば、金属、例えば鋳造金属、ステンレス鋼および/またはセラミックで作られていてもよい。例えば、構築プラットフォーム取り外し装置102が構築プラットフォーム34に取り付け可能であってもよく、構築ボックス30の側壁構造体32から構築プラットフォーム34を取り外せるように構成されていてもよく(例えば、図18において、構築プラットフォーム取り外し装置102は、構築プラットフォーム34に設けられたねじ溝に歯合可能な4つのアイボルトによって形成されており、3D印刷プロセスの前に、アイボルトを構築プラットフォーム34から取り外す必要がある)。
【0107】
構築ボックスシステム10は、例えば、1つ以上の更なる構築ボックス30を備えていてもよく、それぞれ第1の構築ボックス30と交換可能であり、支持構造体50に取り付けられていてもよく、1つ以上の更なる構築ボックス30は、例えば、上述のように形成されてもよく、および/または第1の構築ボックス30と異なっていてもよい。構築ボックスシステム10は、例えば、1つ以上の更なる構築プラットフォーム34を備えていてもよく、それぞれ第1の構築プラットフォーム34と交換可能であり、構築ボックス30の側壁構造体32に収容可能であってもよく、1つ以上の更なる構築プラットフォーム34は、例えば、上述のように形成されてもよく、および/または第1の構築プラットフォーム34と異なっていてもよい。構築ボックスシステム10は、例えば、レールシステム14またはローラシステムを備えていてもよく、そのレールシステム14またはローラシステムに沿って構築ボックス30が取り付けられた支持構造体50が、例えば、支持構造体50に統合された独自の移動駆動56によって移動可能である。
【0108】
構築ボックスシステム10は、例えば、昇降駆動54および/または移動駆動56および/または加熱装置および/または排出装置を制御するように配置された制御装置を備えていてもよい。例えば、制御装置は、支持構造体50に統合されていてもよく、および/または3Dプリンタに統合されていてもよい。例えば、図11に示すように、構築ボックスシステム10は、例えば、支持構造体50上に配置され、制御装置がその中に配置される(支持構造体50に統合された制御装置)制御ボックス92を備えていてもよい。さらに、制御ボックス92はまた、例えば、支持構造体の駆動に電力を供給するためにその中に配置された少なくとも1つのアキュムレータを有していてもよい。
【0109】
3Dプリンタ12は、例えば、上述した構築ボックスシステム10とを備えていてもよく、さらに構築プラットフォーム34上に粒子状材料を層状に塗布するコータおよび/または結合剤噴射法を用いて粒子状材料を選択的に印刷するプリントヘッドを備えていてもよい。
【0110】
例えば、3Dプリンタシステムは上述した3Dプリンタ12を備えていてもよく、さらに構築ボックス30から構築した部品を取り出すための取り出しステーション、および/または構築ボックス30に配置部品を硬化および/または乾燥させるための、構築ボックス30が収容可能なマイクロ波装置および/またはオーブンを備えていてもよい。
【0111】
上述の構築ボックスシステム10、上述の3Dプリンタ12、および/または上述の3Dプリンタシステムは、例えば、鋳造鋳型および/また鋳造コアの3D印刷、および/または構築プラットフォーム34上に粒子状材料を層状に塗布すること、および結合剤噴射法を用いての粒子状材料の選択的印刷に使用することができる。
【0112】
例えば、3D印刷方法は、
(a)構築ボックス30が支持構造体50に取り付けられている構築ボックスシステム10を3Dプリンタ12に準備し、
(b)構築ボックス30の構築ボックス内部空間36で3D印刷によって部品を構築し、
(c)例えば自動化された方法で、構築ボックス30を支持構造体50から取り外し、そしてさらに、
(d1)取り外した構築ボックス30を、
(d1a) 例えば取り出しステーションで、取り外した構築ボックス30から構築部品を取り出し、および/または
(d1b) 取り外した構築ボックス30内の構築部品を、例えばマイクロ波装置および/またはオーブンで硬化および/または乾燥させる、後処理に供給し、
および/または
(d2)構築部品を取り出した後に、例えば、同じ構築ボックス30を再度取り付けるか、または異なる構築ボックス30を取り付け、構築ボックス30を支持構造体50に取り付け、任意的にその後、構築ボックス30の構築ボックス内部空間36で3D印刷により部品を再構築する、ステップを含んでもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20