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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】較正状態変数
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/04 20060101AFI20231002BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
H04R3/04
H04R3/00 310
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022001030
(22)【出願日】2022-01-06
(62)【分割の表示】P 2020048867の分割
【原出願日】2016-07-06
(65)【公開番号】P2022046752
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】14/793,190
(32)【優先日】2015-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/793,205
(32)【優先日】2015-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】デイン・ウィルバーディング
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・シーン
(72)【発明者】
【氏名】ニール・グリフィス
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0305152(US,A1)
【文献】特開2003-304590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04R 3/00- 3/14
H04R 5/04
H04S 1/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1再生デバイスを含むメディア再生システムによって実行される方法であって、
メディア再生システムの第1再生デバイスが第1位置から第2位置へ移動したことを検出することに応答して、
第1再生デバイスの第1較正状態を示す記憶された較正状態変数を、第1再生デバイスの第2較正状態を示すように更新するステップ、
第2再生デバイスに記憶された状態変数を第1再生デバイスが第2較正状態を含むことを示すように第2再生デバイスに更新させるために、第1再生デバイスが第2較正状態を含むことを示す更新された較正状態変数の情報を、ネットワークインタフェースを介して、メディア再生システムの第2再生デバイスに送信するステップ、
を含む、方法。
【請求項2】
さらに、
第1再生デバイスによって、少なくとも第3再生デバイスに、更新された較正状態変数の情報を送信するステップ、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1再生デバイスが第2較正状態を含むことを示す更新された較正状態変数の情報を、ネットワークインタフェースを介して、メディア再生システムの第2再生デバイスに送信するステップは、
第1再生デバイスが第2較正状態を含むことを示す較正状態変数に更新する命令を、第2再生デバイスに送信すること、
を有する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1再生デバイスが第2較正状態を含むことを示す更新された較正状態変数の情報を、ネットワークインタフェースを介して、メディア再生システムの第2再生デバイスに送信するステップは、
更新された較正状態変数の情報を送信する前に、第2再生デバイスから第1再生デバイスの較正状態変数の情報のクエリを受信すること、
を有する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
更新された較正状態変数の情報は、第2較正状態の1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1較正状態又は第2較正状態は、
較正された状態、又は
未較正状態、
を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1較正状態又は第2較正状態は、特定の環境内での第1再生デバイスの応答をイコライゼーションするように構成された第1再生デバイスの較正プロファイルを示す、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
さらに、
第2再生デバイスの較正状態の情報を、ネットワークインタフェースを介して受信するステップ、
受信した情報に基づいて、第2再生デバイスの較正状態を示すように第2較正状態を更新するステップ、
を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記記憶された較正状態変数を更新するステップは、第1再生デバイスのデータストレージに記憶された状態変数を更新すること、を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
更新された較正状態変数は、リモートサーバに記憶される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
さらに、
更新された状態変数が、第2較正状態が未較正状態であることを示すとき、第1再生デバイスによって第1再生デバイスの較正手順を開始するステップ、
を含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1再生デバイスが第1位置から第2位置へ移動したことを検出することは、
第1再生デバイスが第1ゾーンから第2ゾーンへ移動したことを検出すること、
第1再生デバイスの1つ又は複数のセンサを介して、第1再生デバイスの物理的配向性に対する変更が閾値回転を超えたことを検出すること、
第1再生デバイスの1つ又は複数のセンサを介して、第1再生デバイスの物理的位置が第1物理的位置から第2物理的位置へ移動したことを検出すること、又は
反響定位を任意で含む1つ又は複数の位置決め手法を用いて、第1再生デバイスの物理的配向性又は物理的位置の少なくとも1つの変化を検出すること、
のうち少なくとも1つを有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第1再生デバイス及び第2再生デバイスは、ローカルエリアネットワークを介して接続されている、
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
1つ又は複数のスピーカー、
ネットワークインタフェース、
データストレージ、
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実行するために構成された1つ又は複数のプロセッサと、
を備えるメディア再生システムの第1再生デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の第1再生デバイス、
第2再生デバイス、
を備え、
第2再生デバイスは、第1再生デバイスの較正状態変数の情報を受信し、これに応答して、第2再生デバイスに記憶された状態変数を更新するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本願は、2012年6月28日に出願された米国特許出願第13/536,493号「デバイス再生較正のためのシステム及び方法」に関連し、2015年7月7日に出願された米国特許出願第14/793,190「較正状態変数」及び2015年7月7日に出願された米国特許出願第14/793,205号「較正インジケータ」に基づく優先権を主張し、これらは全てその開示内容全体を本願明細書の一部とする。
【技術分野】
【0002】
本願は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、メディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービス、および他の要素に関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0003】
2003年に、ソノズ・インコーポレイテッドが最初の特許出願のうちの1つである「複数のネットワークデバイス間のオーディオ再生を同期する方法」と題する特許出願をし、2005年にメディア再生システムの販売を開始するまで、アウトラウド設定におけるデジタルオーディオへのアクセスおよび試聴のオプションは厳しく制限されていた。人々は、ソノズ無線HiFiシステムによって、1つ又は複数のネットワーク再生デバイスを介して多くのソースから音楽を実質的に無制限に体験できるようになっている。スマートフォン、タブレット、又はコンピュータにインストールされたソフトウェアコントロールアプリケーションを通じて、ネットワーク再生デバイスを備えたいずれの部屋においても、人々は自分が望む音楽を再生することができる。また、例えばコントローラを用いて、再生デバイスを備えた各部屋に異なる歌をストリーミングすることもできるし、同期再生のために複数の部屋をグループ化することもできるし、全ての部屋において同期して同じ歌を聞くこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでのデジタルメディアに対する関心の高まりを考えると、試聴体験を更に向上させることができるコンシューマアクセス可能な技術を更に開発することにニーズがある。
【0005】
本明細書で開示されている技術の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとより理解しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ある実施形態で実施可能な例示的なメデイア再生システムの構成を示す図
図2】例示的な再生デバイスの機能ブロック図を示す図
図3】例示的な制御デバイスの機能ブロック図を示す図
図4】例示的なコントローラインタフェースを示す図
図5】較正状態変数を更新及び送信する例示的なフロー図
図6】例示の実施形態における例示的なデバイスによって記憶される較正状態変数の例を示す表
図7】ある実施形態が実施される別の例示的なメディア再生システム構成
図8】例示的な実施形態における例示的なデバイスによって記憶される較正状態変数の別の例を示すテーブル
図9】較正状態変数の情報を表示する例示的なフロー図
図10】例示の実施形態において、ゾーンが未較正であることを示す例示的な制御インタフェース
図11】例示の実施形態において、ゾーンが未較正であることを示す別の例示的な制御インタフェース
図12】例示的な実施形態における例示的なゾーン設定インタフェース
図13】例示的な実施形態における第1ゾーンを設定する例示的な設定インタフェース
図14】例示的な実施形態における第2ゾーンを設定する例示的なゾーン設定インタフェース
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、いくつかの例示的な実施形態を説明することを目的としているが、本発明が、図面に示した配置および手段に限定されるものではないことは理解される。
【0008】
I.概要
本発明の一態様によれば、方法が提供される。方法は、ネットワークインタフェースを介して、メディア再生システムの第1再生デバイスの較正状態の情報を受信するステップを含む。受信された情報に基づいて、方法は、更に、第1再生デバイスの較正状態を示すように較正状態変数の更新及び構成の一方を行うステップ、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報をメディア再生システムの第2デバイスに送信するステップを含む。
【0009】
方法は、第1再生デバイスの較正状態が変化したことを示すトリガ条件を検出するステップ、トリガ条件を検出することに基づいて、第1再生デバイスの変更された較正状態を示すように較正状態変数を更新するステップ、を含む。方法は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップを含み得る。
【0010】
トリガ条件を検出するステップは、制御デバイスからコマンドを受信することを含み得る。コマンドにより、第2再生デバイスをステレオペアの第2チャネルとして含むステレオペアの第1チャネルとして、第1再生デバイスをメディア再生システムの第1ゾーンに参加させ得る。コマンドは、第1及び第2再生デバイスがメディアを共同再生する第2再生デバイスとの結合ゾーン構成から、第1再生デバイスを結合解除させ得る。コマンドは、第1再生デバイスがメンバーであるゾーンの特定のゾーン名を変更し得る。
【0011】
トリガ条件を検出するステップは、第1再生デバイスの物理的配向性に対する修正が閾値回転を超えることを第1再生デバイスのセンサを介して検出することを含み得る。
【0012】
第1再生デバイスの較正状態の情報を受信することは、1つ又は複数のスピーカーのイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを受信することを含み得る。第1再生デバイスの較正状態の情報を受信することは、第1再生デバイスが較正済み及び未較正の一方であることの情報を制御デバイスから受信することを含み得る。第1再生デバイスの較正状態の情報を受信することは、第1再生デバイスが較正済み及び未較正の一方であることの情報を第2再生デバイスから受信することを含み得る。
【0013】
第2デバイスは、メディア再生システムの第2再生デバイスであり得る。更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信することは、第2再生デバイスに、第1再生デバイスの較正状態を示すように第2再生デバイスに記憶された状態変数を更新させる命令を送信することを含み得る。
【0014】
更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、第2デバイスに、第1再生デバイスの較正状態を示すようにグラフィック表示を更新させる命令を送信することを含んでよく、第2デバイスは、メディア再生システムの制御デバイスである。更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、第2デバイスから、第1再生デバイスの較正状態の情報に対するクエリを受信し、これに応答して、第1再生デバイスの較正状態の情報を第2デバイスに送信することを含み得る。更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、第1再生デバイスの1つ又は複数のスピーカーのイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを送信することを含み得る。
【0015】
方法は、更に、第1再生デバイスが最後に較正された時間を決定するステップ、第1再生デバイスが最後に較正されたときに第1再生デバイスが構成された結合ゾーン構成を特定するステップ、(i)第1再生デバイスが最後に較正された時間及び(ii)第1再生デバイスが最後に較正されたときに第1再生デバイスが構成された結合ゾーン構成の情報を第2デバイスに送信するステップ、を含み得る。
【0016】
方法は、更に、ネットワークインタフェースを介して、第2再生デバイスの較正状態の情報を受信するステップ、受信した情報に基づいて、第2再生デバイスの較正状態を示すように第2較正状態変数を更新するステップ、を含み得る。方法は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された第2較正状態変数の情報を他のデバイスに送信するステップを含み得る。
【0017】
方法は、更に、第2デバイスにより、メディア再生システムの第1ゾーンのメンバーである第1再生デバイスの較正状態を示す較正状態変数を受信するステップを含み得る。方法は、更に、第1ゾーン及び第1再生デバイスの一方の較正状態の情報と、第1ゾーン及び第1再生デバイスの一方の較正を開始するための選択可能コントロールとを表示させるステップを含み得る。方法は、更に、選択可能コントロールの選択を検出することに基づいて、第1ゾーン及び第1再生デバイスの一方の較正を開始するステップを含み得る。
【0018】
方法は、更に、メディア再生システムの1つ又は複数のゾーンと、少なくとも1つのゾーンの較正状態の情報とを示すゾーン制御インタフェースを表示させるステップを含み得る。
【0019】
方法は、更に、第1再生デバイス及び第1ゾーンの一方の較正状態の情報を含むそれぞれのゾーン用の設定インタフェースを、選択時にグラフィカルインタフェースに表示させる1つ又は複数の第2選択可能コントロールを含む、ゾーン設定インタフェースを表示させるステップを含み得る。第1ゾーン用の設定インタフェースは、更に、選択可能コントロールと、第1ゾーンの動作を調整する複数の第3の選択可能コントロールとを含み得る。第1再生デバイスの較正後、方法は、更に、選択時、第1再生デバイスの再較正を開始する、第1ゾーン用の設定インタフェース内の選択可能コントロールを表示させるステップを含み得る。第1再生デバイスの較正後、方法は、更に、第2デバイスに、第1再生デバイスが未較正であるという情報を除去させるステップを含み得る。第1再生デバイスの較正後、方法は、更に、第1再生デバイスに、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新することを命令するコマンドを送信するステップを含み得る。
【0020】
方法は、更に、第1ゾーンの特定の第1再生デバイスが未較正であるという情報を第1ゾーン用の設定インタフェース内に表示させるステップを含み得る。
【0021】
較正状態は、較正済み又は未較正となり得る。
【0022】
第1再生デバイス及び第2再生デバイスは、ローカルエリアネットワークを介して接続し得る。
【0023】
第1再生デバイスの構成状態を示す構成状態変数は、第1再生デバイスのデータストレージに記憶し得る。
【0024】
第2再生デバイスの構成状態を示す構成状態変数は、第1再生デバイスのデータストレージと第2再生デバイスのデータストレージとに記憶し得る。
【0025】
メディア再生システムの第1再生デバイスは、1つ又は複数のスピーカーと、ネットワークインタフェースと、データストレージと、上述の方法を実行するために構成された1つ又は複数のプロセッサとを備え得る。
【0026】
本明細書に記載の実施形態は、特に、較正状態変数によりメディア再生システム全体で1つ又は複数の再生デバイスの較正状態を維持する手法を含む。較正状態変数は、メディア再生システムの1つ又は複数の再生デバイスの較正状態(即ち、所定の再生デバイスが較正済みか)を示し得る。一部の実施において、較正状態は、1つ又は複数の再生デバイスの較正プロファイル(例えば、特定の環境内での所定の再生デバイスの応答をイコライゼーションするためのプロファイル)を更に示し得る。
【0027】
例において、較正状態変数は、再生デバイスに記憶し、メディア再生システムの他のデバイス(例えば、再生デバイス及び/又は制御デバイス)に共有させ得る。例えば、メディア再生システムの所定の再生デバイスは、メディア再生システムの再生デバイスの較正状態を示す状態変数(又は状態変数の集合)をデータストレージ内に維持し得る。所定の再生デバイスは、ネットワークインタフェースを介してデバイスに状態変数(群)の情報を送信することにより、較正状態変数(群)を他のデバイス(例えば、再生デバイス及び/又は制御デバイス)と共有し得る。一部の実施において、較正状態変数の複数のインスタンスを複数のデバイスに記憶してよく、これにより、考えられる利点として特に、メディア再生システム全体に冗長性を提供し得る。
【0028】
メディア再生システムにより維持される較正状態変数は、再生デバイスがパワーサイクリング(即ち、電源オフされ、その後再び電源オンされること)を通して較正状態を保持することを容易にし得る。例えば、電源オンされた後、第1再生デバイスは、第1再生デバイスに対応する較正状態変数の情報を、第2デバイスから受信し得る。場合により、較正状態変数は、第1再生デバイスが較正済みであることを示し得る。このような場合、第1再生デバイスは、(恐らくは、第1再生デバイス、又はメディア再生システムの他のデバイス(例えば、第2デバイス)に記憶された)既存の較正プロファイルにより、デバイス自体を構成し得る。
【0029】
較正状態変数により、未較正のデバイスの較正を開始させてもよい。例えば、上記の例に戻ると、第1再生デバイスに対応する較正状態変数は、第1再生デバイスが較正されていないことを示す場合がある。このような較正状態変数の情報を受信することを契機に、第1再生デバイスが較正手順を開始してもよい。
【0030】
本明細書において考えられる幾つかの較正手順は、メディア再生システムの制御デバイスが、メディア再生システムの1つ又は複数の再生デバイスが発した音波(例えば、1つ又は複数の較正音)を検出及び分析することを含む。場合により、このような較正音は、制御デバイスが所定の環境内の1つ又は複数の再生デバイスのそれぞれの周波数応答を決定することを容易にし得る。このような応答を、所定の再生デバイスについて決定した後、制御デバイスは、所定の再生デバイスに対して、所定の環境の音響をオフセットする特定の較正プロファイル(例えば、イコライゼーション)を採用するように命令し得る。
【0031】
このような較正手順を再生デバイスに対して実行することにより、メディア再生システムは、その再生デバイスに対応する較正状態変数を更新し得る。例えば、制御デバイスは、所定の再生デバイスにより較正手順を実行し、その後、較正状態変数を維持している1つ又は複数の再生デバイスに対して、較正済み再生デバイスに対応する較正状態変数に、そのデバイスの更新された較正ステータスを反映させる命令を送信し得る。
【0032】
再生デバイスにより記憶された較正状態変数は、様々な条件に基づいて更新し得る。例えば、再生デバイスは、再生デバイスが1つ又は複数の追加の再生デバイスに加わって結合ゾーン(例えば、ステレオペア又はサラウンドサウンドグループ)を形成した場合、再生デバイスがこのようグループのメンバーとして異なる動作をし得ることから、その較正済みステータスを失ってもよい。更に、環境の音響は環境内の場所により異なる場合があるため、再生デバイスは、物理的に移動させた場合に、その較正ステータスを失ってもよい。例えば、再生デバイス上のセンサは、物理的配向性の変化又は他の場所への移動を感知し得る。他の例として、他のゾーン(例えば、「リビングルーム」ゾーンから「寝室」ゾーン)に移動された再生デバイスは、このようなゾーン変更により、デバイスが他の物理的な場所に移動したと推定されることから、その較正済みステータスを失ってもよい。再生デバイスに関してこのような状態を検出した際に、デバイスは、恐らくはデバイス自体の較正状態変数(群)を更新すること又は他のデバイスに較正状態変数(群)を更新するように命令することにより、その再生デバイスの新しい較正状態を示すように較正状態変数(群)を更新し得る。
【0033】
メディア再生システムの制御デバイスは、メディア再生システムの再生デバイスの制御を容易にするグラフィカルユーザインタフェースを表示し得る。このようなグラフィカルユーザインタフェースは、メディア再生システムの再生デバイスに対応する較正状態変数(群)の情報を含む1つ又は複数のインタフェースを含み得る。一部の実施形態では、複数のインタフェースが、較正状態に関する様々なレベルの情報を提供し得る。例えば、第1インタフェースは、特定の再生デバイス(又は特定の再生デバイスを含むゾーン)に問題があることを示し得る。第1インタフェース上のコントロールを介してアクセスされる可能性がある第2インタフェースは、特定のデバイスが未較正であることを示し得る。1つ又は複数のインタフェースは、メディア再生システムの再生デバイスの較正を開始するためにコントロールを提供し得る。制御デバイスは、メディア再生システムのために較正状態変数(群)を維持している再生デバイス(群)からの較正状態変数(群)の情報を受信することにより、較正ステータスを最新状態に保持し得る。
【0034】
上記のように、手法の例は、較正状態変数を含み得る。一例においては、方法が提供される。方法は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップを含み得る。また、方法は、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新するステップを含み得る。方法は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップを含み得る。
【0035】
他の例では、他の方法が提供され、方法は、メディア再生システムの再生デバイスにより、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップを含む。また、方法は、再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップに基づいて、再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を構成するステップ、再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップ、を含み得る。方法は、再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出することに基づいて、再生デバイスが未較正であることを示すように較正状態変数を更新するステップ、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報をメディア再生システムの第2デバイスに送信するステップ、を含み得る。
【0036】
他の例では、デバイスが提供される。デバイスは、ネットワークインタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、データストレージと、データストレージに記憶され、動作を行うために少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラムロジックとを含む。動作は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新するステップを含み得る。動作は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップを含み得る。
【0037】
他の例では、メディア再生システムの第1再生デバイスが提供される。第1再生デバイスは、1つ又は複数のスピーカーと、ネットワークインタフェースと、1つ又は複数のプロセッサと、再生デバイスに動作を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令を記憶したデータストレージとを備え得る。動作は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップを含み得る。動作は、更に、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を構成するステップを含み得る。他の動作は、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップ、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出することに基づいて、再生デバイスが未較正であることを示すように較正状態変数を更新するステップ、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップ、を含み得る。
【0038】
第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップは、制御デバイスから、第2再生デバイスをステレオペアの第2チャネルとして含むステレオペアの第1チャネルとして、第1再生デバイスをメディア再生システムの第1ゾーンに参加させるコマンドを受信することを含み得る。
【0039】
第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップは、制御デバイスから、サブウーファーを備える第2再生デバイスとの結合ゾーン構成を、第1再生デバイスに形成させるコマンドを受信することを含み得る。
【0040】
第1再生デバイスは、特定のゾーン名を有するゾーンのメンバーであってよく、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップは、制御デバイスから、ゾーンの特定のゾーン名を変更するコマンドを受信することを含み得る。
【0041】
第1再生デバイスは物理的配向性を有してよく、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップは、第1再生デバイスの物理的配向性に対する修正が閾値回転を超えることを第1再生デバイスのセンサを介して検出することを含み得る。
【0042】
第1再生デバイス及び第2再生デバイスは、第1再生デバイスと第2再生デバイスとがメディアを共同再生するように配置された結合ゾーン構成を形成し得る。第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出するステップは、第2再生デバイスとの結合ゾーン構成から第1再生デバイスを結合解除させるコマンドを受信することを含み得る。
【0043】
第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップは、1つ又は複数のスピーカーのイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを受信することを含み得る。
【0044】
第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップは、制御デバイスから、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することを含み得る。
【0045】
第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップは、第2再生デバイスから、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することを含み得る。
【0046】
第2デバイスは、メディア再生システムの第2再生デバイスであってよく、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、第2再生デバイスに、第1再生デバイスが未較正であることを示すように第2再生デバイスに記憶された状態変数を更新させる命令を送信することを含み得る。
【0047】
第2デバイスは、メディア再生システムの制御デバイスであってよく、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、制御デバイスに、第1再生デバイスが未較正であることを示すようにグラフィック表示を更新させる命令を送信することを含み得る。
【0048】
ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、第2デバイスから、第1再生デバイスの較正状態の情報に対するクエリを受信し、これに応答して、第1再生デバイスが未較正であるという情報を第2デバイスに送信することを含み得る。
【0049】
他の例では、メディア再生システムの他の第1再生デバイスが提供される。第1再生デバイスは、1つ又は複数のスピーカーと、ネットワークインタフェースと、1つ又は複数のプロセッサと、再生デバイスに動作を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令を記憶したデータストレージとを備え得る。動作は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップ、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように、データストレージに記憶された較正状態変数を更新するステップ、を含み得る。動作は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップを含み得る。
【0050】
第2デバイスは、メディア再生システムの第2再生デバイスであってよく、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の表示を第2デバイスに送信するステップは、第2再生デバイスに、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように第2再生デバイスに記憶された状態変数を更新させる命令を送信することを含み得る。
【0051】
第2デバイスは、メディア再生システムの制御デバイスであってよく、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、制御デバイスに、第1再生デバイスが較正済みであることを示すようにグラフィック表示を更新させる命令を送信することを含み得る。
【0052】
ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、1つ又は複数のスピーカーのイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを送信することを含み得る。
【0053】
ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップは、第2デバイスから、第1再生デバイスの較正状態の情報に対するクエリを受信し、これに応答して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を第2デバイスに送信することを含み得る。
【0054】
動作は、更に、第1再生デバイスが最後に較正された時間を決定するステップ、第1再生デバイスが最後に較正されたときに第1再生デバイスが構成された結合ゾーン構成を特定するステップ、(i)第1再生デバイスが最後に較正された時間及び(ii)第1再生デバイスが最後に較正されたときに第1再生デバイスが構成された結合ゾーン構成の情報を第2デバイスに送信するステップ、を含み得る。
【0055】
他の動作は、ネットワークインタフェースを介して、第2再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップ、第2再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することに基づいて、第2再生デバイスが較正済みであることを示すように、データストレージに記憶された第2較正状態変数を更新するステップ、ネットワークインタフェースを介して、更新された第2較正状態変数の情報を他のデバイスに送信するステップ、を含み得る。
【0056】
更に他の例では、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能メモリは、コンピュータにより実行可能で、コンピュータに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信するステップに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新するステップを含み得る。動作は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信するステップを含み得る。
【0057】
他の手法の例は、較正状態変数の情報を表示するグラフィカルユーザインタフェースを含み得る。一例では、方法が提供される。方法は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信するステップを含み得る。また、方法は、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させるステップを含み得る。方法は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させるステップ、第1再生デバイスの較正を開始するステップ、を含み得る。
【0058】
他の例では、デバイスが提供される。デバイスは、ネットワークインタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、データストレージと、データストレージに記憶され、動作を行うために少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラムロジックとを含む。動作は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信するステップを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させるステップを含み得る。動作は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させるステップ、第1再生デバイスの較正を開始するステップ、を含み得る。
【0059】
更に他の例では、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能メモリは、コンピュータにより実行可能で、コンピュータに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信するステップを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させるステップを含み得る。動作は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させるステップ、第1再生デバイスの較正を開始するステップ、を含み得る。
【0060】
他の例では、他の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体が提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能媒体は、1つ又は複数のプロセッサにより実行可能で、制御デバイスに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、メディア再生システムの第1ゾーンが未較正であることを示す較正状態変数を受信するステップを含んでよく、第1ゾーンは、1つ又は複数の第1再生デバイスを含み、メディア再生システムは、1つ又は複数のゾーンを含む。また、動作は、メディア再生システムの1つ又は複数のゾーンを列挙するゾーン制御インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させるステップを含んでよく、ゾーン設定インタフェースは、メディア再生システムの少なくとも1つのゾーンが未較正であるという情報を含む。動作は、更に、選択時に、ゾーン設定インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させる選択可能コントロールの選択を検出するステップを更に含んでよく、ゾーン設定インタフェースは、選択時に、メディア再生システムのそれぞれのゾーン用の設定インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させる1つ又は複数の選択可能コントロールを含む。動作は、更に、グラフィカルインタフェースに、第1ゾーンが未較正であるという情報をゾーン設定インタフェース上に表示させるステップを含み得る。動作は、更に、選択時にグラフィカルインタフェースに第1ゾーン用の設定インタフェースを表示させる、ゾーン設定インタフェース上の選択可能コントロールの選択を検出するステップ、グラフィカルインタフェースに、選択時に第1ゾーンの較正を開始する選択可能コントロールを、第1ゾーン用の設定インタフェース内に表示させるステップ、を含み得る。
【0061】
動作は、更に、グラフィカルインタフェースに、第1ゾーンの特定の第1再生デバイスが未較正であるという情報を、第1ゾーン用の設定インタフェース内に表示させるステップを更に含み得る。
【0062】
動作は、更に、メディア再生システムの第2ゾーンが較正済みであることを示す較正状態変数を受信するステップ、グラフィカルインタフェースに、第2ゾーンが較正済みであるという表示をゾーン設定インタフェース上に表示させるステップを含み得る。
【0063】
動作は、更に、選択時にグラフィカルインタフェースに第2ゾーン用の設定インタフェースを表示させる、ゾーン設定インタフェース上の選択可能コントロールの選択を検出するステップ、グラフィカルインタフェースに、選択時に第2ゾーンの再較正を開始する選択可能コントロールを、第2ゾーン用の設定インタフェース内に表示させるステップ、を含み得る。
【0064】
グラフィカルインタフェースに第1ゾーン用の設定インタフェースを表示させるステップは、第1ゾーンの動作をそれぞれ調整する複数のコントロールを含む第1ゾーン用の設定インタフェースを表示することを含み得る。
【0065】
動作は、更に、第1ゾーンの較正後、制御デバイスに、メディア再生システムの少なくとも1つのゾーンが未較正であるという情報をゾーン設定インタフェースから除去させるステップを含み得る。
【0066】
動作は、更に、第1ゾーンの較正後、第1ゾーンの所定の第1再生デバイスに、第1ゾーンが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新することを命令するコマンドを送信するステップを含み得る。
【0067】
第1ゾーンの較正を開始するステップは、選択時に、第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールの選択を検出することに基づいて、第1再生デバイスに較正音を発するように命令するコマンドを送信することを含み得る。
【0068】
第1ゾーンの較正を開始することは、グラフィカルインタフェースに、(i)所定の環境内での較正のために1つ又は複数の第1再生デバイスを準備させるプロンプト、(ii)1つ又は複数の第1再生デバイスの較正のために所定の環境を準備させるプロンプト、及び(iii)1つ又は複数の第1再生デバイスの較正のために制御デバイスを準備させるプロンプトを表示させることを含み得る。(i)1つ又は複数の第1再生デバイスが較正のために準備されていること、(ii)1つ又は複数の第1再生デバイスの較正のために環境が準備されていること、及び(iii)1つ又は複数の第1再生デバイスの較正のために制御デバイスが準備されていることを示す入力データを検出した際に、選択時に1つ又は複数の第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールを表示することを含み得る。較正を開始することは、更に、選択可能コントロールの選択を示す入力データを検出した際に、1つ又は複数の第1再生デバイスの較正を開始することを含み得る。
【0069】
更に他の例では、他の非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能媒体は、1つ又は複数のプロセッサにより実行可能で、制御デバイスに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信することを含んでよく、第1再生デバイスは、メディア再生システムの第1ゾーンのメンバーである。動作は、更に、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させることと、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させることとを含み得る。動作は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールの選択を検出することに基づいて、第1再生デバイスの較正を開始することを含み得る。
【0070】
動作は、更に、グラフィカルディスプレイに、メディア再生システムのゾーンを示すゾーン制御インタフェースを表示させるステップを含み、メディア再生システムは、1つ又は複数のゾーンを含み、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させることは、第1再生デバイスが未較正であるという情報を、ゾーン制御インタフェース内に表示することを含む。
【0071】
動作は、更に、選択時に、それぞれのゾーン用の設定インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させる1つ又は複数の選択可能コントロールを含むゾーン設定インタフェースをグラフィカルディスプレイに表示させるステップを含んでよく、メディア再生システムは、1つ又は複数のゾーンを含む。第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させるステップは、第1ゾーンが未較正であるという情報をゾーン設定インタフェース内に表示することを含み得る。
【0072】
選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させることは、グラフィックインタフェースに第1ゾーン用の設定インタフェースを表示させることを含んでよく、設定インタフェースは、選択時に、第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールを含み、設定インタフェースは、第1ゾーンの動作を調整する複数のコントロールを含む。動作は、更に、第1再生デバイスの較正後、グラフィカルインタフェースに第1ゾーン用の設定インタフェースを表示させることを含んでよく、設定インタフェースは、選択時に第1再生デバイスの再較正を開始する選択可能コントロールを含む。
【0073】
動作は、更に、第1再生デバイスの較正後、制御デバイスに、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースから除去させるステップを含み得る。
【0074】
動作は、更に、第1再生デバイスの較正後、第1再生デバイスに、第1ゾーンが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新することを命令するコマンドを送信することを含み得る。
【0075】
更に他の例では、他の非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能媒体は、1つ又は複数のプロセッサにより実行可能で、制御デバイスに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、メディア再生システムの第1ゾーンが較正済みであることを示す較正状態変数を受信するステップを含んでよく、第1ゾーンは1つ又は複数の第1再生デバイスを含み、メディア再生システムは、1つ又は複数のゾーンを含む。動作は、更に、メディア再生システムの1つ又は複数のゾーンを列挙するゾーン制御インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させるステップを含み得る。動作は、更に、選択時に、ゾーン設定インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させる選択可能コントロールの選択を検出するステップを含んでよく、ゾーン設定インタフェースは、選択時に、メディア再生システムのそれぞれのゾーン用の設定インタフェースをグラフィカルインタフェースに表示させる1つ又は複数の選択可能コントロールを含む。動作は、更に、選択時にグラフィカルインタフェースに第1ゾーン用の設定インタフェースを表示させる、ゾーン設定インタフェース上の選択可能コントロールの選択を検出するステップ、グラフィカルインタフェースに、選択時に第1ゾーンの較正を開始する選択可能コントロールを、第1ゾーン用の設定インタフェース内に表示させるステップ、を含み得る。
【0076】
動作は、更に、選択時に第1ゾーンの較正を開始する選択可能コントロールの選択を検出するステップを含んでよく、第1ゾーンの較正を開始することは、グラフィカルインタフェースに、(i)所定の環境内での較正のために1つ又は複数の第1再生デバイスを準備させるプロンプト、(ii)1つ又は複数の第1再生デバイスの較正のための所定の環境を準備させるプロンプト、及び(iii)1つ又は複数の第1再生デバイスの較正のために制御デバイスを準備させるプロンプトのうち、1つ又は複数を表示させることを含む。動作は、更に、選択時に、1つ又は複数の第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールを表示することと、選択可能コントロールの選択を示す入力データを検出した際に、1つ又は複数の第1再生デバイスの較正を開始するステップを含み得る
【0077】
動作は、更に、メディア再生システムの第2ゾーンが未較正であることを示す較正状態変数を受信するステップ、グラフィカルインタフェースに、第2ゾーンが未較正であるという情報をゾーン設定インタフェース上に表示させるステップ、を含み得る。
【0078】
動作は、更に、選択時にグラフィカルインタフェースに第2ゾーン用の設定インタフェースを表示させる、ゾーン設定インタフェース上の選択可能コントロールの選択を検出するステップ、グラフィカルインタフェースに、選択時に第2ゾーンの較正を開始する選択可能コントロールを、第1ゾーン用の設定インタフェース内に表示させるステップ、を含み得る。
【0079】
本開示が他の多数の実施形態を含むことは、当業者に理解される。本開示が他の多数の実施形態を含むことは、当業者に理解される。本明細書に記載された一部の例は、「ユーザ」及び/又は他の実体等、所定の主体により実行される機能を示す場合があるが、この記載は、説明の目的のみを有することを理解されたい。特許請求の範囲自体に明示的に必要であることが記載されていない限り、こうした任意の主体による行動が必要であると解釈されるべきではない。
【0080】
II.動作環境の例
図1は、本明細書で開示されている1つ又は複数の実施形態で実施可能又は実装可能なメディア再生システム100の例示的な構成を示す。図示されるように、メディア再生システム100は、複数の部屋および空間、例えば、主寝室、オフィス、ダイニングルーム、およびリビングルームを有する例示的なホーム環境に関連付けられている。図1の例に示されるように、メディア再生システム100は、再生デバイス102-124、制御デバイス126および128、有線又は無線のネットワークルータ130を含む。
【0081】
更に、例示的なメディア再生システム100の異なる構成要素、および異なる構成要素がどのように作用してユーザにメディア体験を提供するかに関しての説明は、以下のセクションで述べられている。本明細書における説明は、概してメディア再生システム100を参照しているが、本明細書で述べられている技術は、図1に示されるホーム環境の用途に限定されるものではない。例えば、本明細書で述べられている技術は、マルチゾーンオーディオが望まれる環境、例えば、レストラン、モール、又は空港のような商業的環境、スポーツ用多目的車(SUV)、バス又は車のような車両、船、若しくはボード、飛行機などの環境において有益である。
【0082】
a.例示的な再生デバイス
図2は、図1のメディア再生システム100の再生デバイス102-124の1つ又は複数を構成する例示的な再生デバイス200の機能ブロック図を示す。再生デバイス200は、プロセッサ202、ソフトウェアコンポーネント204、メモリ206、オーディオ処理コンポーネント208、オーディオアンプ210、スピーカー212、およびネットワークインタフェース214を含んでもよい。ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216および有線インタフェース218を含む。ある場合では、再生デバイス200は、スピーカー212を含まないが、再生デバイス200を外部スピーカーに接続するためのスピーカーインタフェースを含んでもよい。別の場合では、再生デバイス200は、スピーカー212もオーディオアンプ210も含まないが、再生デバイス200を外部オーディオアンプ又はオーディオビジュアルレシーバーに接続するためのオーディオインタフェースを含んでもよい。
【0083】
ある例では、プロセッサ202は、メモリ206に記憶された命令に基づいて、入力データを処理するように構成されたクロック駆動コンピュータコンポーネントであってもよい。メモリ206は、プロセッサ202によって実行可能な命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ読み取り可能記録媒体であってもよい。例えば、メモリ206は、ある機能を実行するためにプロセッサ202によって実行可能なソフトウェアコンポーネント204の1つ又は複数をロードすることができるデータストレージであってもよい。ある例では、機能は、再生デバイス200がオーディオソース又は別の再生デバイスからオーディオデータを読み出すステップを含んでもよい。別の例では、機能は、再生デバイス200がネットワーク上の別のデバイス又は再生デバイスにオーディオデータを送信するステップを含んでもよい。更に別の例では、機能は、マルチチャンネルオーディオ環境を作るために、再生デバイス200と1つ又は複数の再生デバイスとをペアリングするステップを含んでもよい。
【0084】
ある機能は、再生デバイス200が、1つ又は複数の他の再生デバイスと、オーディオコンテンツの再生を同期するステップを含む。再生を同期している間、再生デバイス200によるオーディオコンテンツの再生と1つ又は複数の他の再生デバイスによる再生との間の遅延を、リスナーが気づかないことが好ましい。「複数の独立クロックデジタルデータ処理デバイス間の動作を同期するシステムおよび方法」と題する米国特許第8,234,395号が本明細書に参照として援用されており、それは再生デバイス間のオーディオ再生を同期することが述べられたより詳細な例を提供している。
【0085】
更に、メモリ206は、データを記憶するように構成されてもよい。データは、例えば、1つ又は複数のゾーン及び/又はゾーングループに一部として含まれる再生デバイス200などの再生デバイス200、再生デバイス200によりアクセス可能なオーディオソース、又は再生デバイス200(又は他の再生デバイス)に関連付け可能な再生キュー、に関連付けられている。データは、定期的に更新され、再生デバイス200の状態を示す1つ又は複数の状態変数として記憶されてもよい。また、メモリ206は、メディアシステムの他のデバイスの状態に関連付けられたデータを含んでもよく、デバイス間で随時共有することによって、1つ又は複数のデバイスが、システムに関連するほぼ直近のデータを有することができる。他の実施形態も可能である。
【0086】
オーディオ処理コンポーネント208は、1つ又は複数のデジタル-アナログ変換器(DAC)、オーディオ処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント、及びデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含んでいてもよい。ある実施形態では、1つ又は複数のオーディオ処理コンポーネント208は、プロセッサ202のサブコンポーネントであってもよい。ある実施形態では、オーディオコンテンツが、オーディオ処理コンポーネント208によって処理及び/又は意図的に変更されることによって、オーディオ信号を生成してもよい。生成されたオーディオ信号は、オーディオアンプ210に送信され、増幅され、スピーカー212を通じて再生される。特に、オーディオアンプ210は、1つ又は複数のスピーカー212を駆動できるレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成されたデバイスを含んでもよい。スピーカー212は、独立した変換器(例えば、「ドライバ」)又は1つ又は複数のドライバを内包する筐体を含む完全なスピーカーシステムを備えてもよい。スピーカー212に備えられたあるドライバは、例えば、サブウーファー(例えば、低周波用)、ミドルレンジドライバ(例えば、中間周波用)、及び/又はツイーター(高周波用)を含んでもよい。ある場合では、1つ又は複数のスピーカー212のそれぞれの変換器は、オーディオアンプ210の対応する個々のオーディオアンプによって駆動されてもよい。再生デバイス200で再生するアナログ信号を生成することに加えて、オーディオ処理コンポーネント208は、オーディオコンテンツを処理し、そのオーディオコンテンツを1つ又は複数の他の再生デバイスに再生させるために送信する。
【0087】
再生デバイス200によって処理及び/又は再生されるオーディオコンテンツは、外部ソース、例えば、オーディオライン-イン入力接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)又はネットワークインタフェース214を介して、受信されてもよい。
【0088】
ネットワークインタフェース214は、データネットワーク上で再生デバイス200と1つ又は複数の他のデバイスとの間のデータフローを可能にするように構成されてもよい。このように、再生デバイス200は、再生デバイスと通信する1つ又は複数の他の再生デバイス、ローカルエリアネットワーク内のネットワークデバイス、又は例えば、インターネット等のワイドエリアネットワーク上のオーディオコンテンツソースから、データネットワークを介してオーディオコンテンツを受信するように構成されてもよい。ある例では、再生デバイス200によって送信および受信されたオーディオコンテンツおよび他の信号は、インターネットプロトコル(IP)に基づくソースアドレスおよびIPに基づく宛先アドレスを含むデジタルパケットの形で送信されてもよい。そのような場合、ネットワークインタフェース214は、デジタルパケットデータを解析することによって、再生デバイス200宛てのデータを、再生デバイス200によって適切に受信して処理することができる。
【0089】
図示されるように、ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218とを含んでもよい。無線インタフェース216は、再生デバイス200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4Gモバイル通信基準などを含む無線基準(規格)のいずれか)に基づいて、他のデバイス(例えば、再生デバイス200に関連付けられたデータネットワーク内の他の再生デバイス、スピーカー、レシーバー、ネットワークデバイス、制御デバイス)と無線通信してもよい。有線インタフェース218は、再生デバイス200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に基づいて他のデバイスとの有線接続を介して通信してもよい。図2に示されるネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218との両方を含んでいるが、ネットワークインタフェース214は、ある実施形態において、無線インタフェースのみか、又は有線インタフェースのみを含んでもよい。
【0090】
ある例では、再生デバイス200と他の再生デバイスとは、ペアにされて、オーディオコンテンツの2つの別々のオーディオコンポーネントを再生してもよい。例えば、再生デバイス200は、左チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成される一方、他の再生デバイスは、右チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよい。これにより、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成するか、又は強化することができる。ペアにされた再生デバイス(「結合再生デバイス」とも言う)は、更に、他の再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生してもよい。
【0091】
別の例では、再生デバイス200は、1つ又は複数の他の再生デバイスと音響的に統合され、単一の統合された再生デバイス(統合再生デバイス)を形成してもよい。統合再生デバイスは、統合されていない再生デバイス又はペアにされた再生デバイスと比べて、サウンドの処理や再現を異なるように構成することができる。なぜならば、統合再生デバイスは、オーディオコンテンツを再生するスピーカー追加することができるからである。例えば、再生デバイス200が、低周波レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計されている場合(例えば、サブウーファー)、再生デバイス200は、全周波数レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計された再生デバイスと統合されてもよい。この場合、全周波数レンジの再生デバイスは、低周波の再生デバイス200と統合されたとき、オーディオコンテンツの中高周波コンポーネントのみを再生するように構成されてもよい。一方で低周波レンジの再生デバイス200は、オーディオコンテンツの低周波コンポーネントを再生する。更に、統合再生デバイスは、単一の再生デバイス、又は更に他の統合再生デバイスとペアにされてもよい。
【0092】
例として、現在、ソノズ・インコーポレイテッドは、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、および「SUB」を含む再生デバイスを販売提供している。他の過去、現在、及び/又は将来のいずれの再生デバイスにおいても、追加的に又は代替的に本明細書で開示された実施例の再生デバイスに実装して使用することができる。更に、再生デバイスは、図2に示された特定の例又は提供されるソノズ製品に限定されないことは理解される。例えば、再生デバイスは、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。別の例では、再生デバイスは、パーソナルモバイルメディア再生デバイス用のドッキングステーションを含むか、又は、それらと対話してもよい。更に別の例では、再生デバイスは、別のデバイス又はコンポーネント、例えば、テレビ、照明器具、又は屋内又は屋外で使用するためのいくつかの他のデバイスと一体化されてもよい。
【0093】
b.例示的な再生ゾーン構成
図1のメディア再生システムに戻って、環境は、1つ又は複数の再生ゾーンを有しており、それぞれの再生ゾーンは1つ又は複数の再生デバイスを含んでいる。メディア再生システム100は、1つ又は複数の再生ゾーンで形成されており、後で1つ又は複数のゾーンが追加又は削除して、図1に示す例示的な構成としてもよい。それぞれのゾーンは、異なる部屋又は空間、例えば、オフィス、浴室、主寝室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、リビングルーム、及び/又はバルコニーに基づく名前が与えられてもよい。ある場合では、単一の再生ゾーンは複数の部屋又は空間を含んでもよい。別の場合では、単一の部屋又は空間は、複数の再生ゾーンを含んでもよい。
【0094】
図1に示されるように、バルコニー、ダイニングルーム、キッチン、浴室、オフィス、および寝室のゾーンのそれぞれは、1つの再生デバイスを有する一方、リビングルームおよび主寝室のゾーンのそれぞれは、複数の再生デバイスを有する。リビングルームゾーンは、再生デバイス104、106、108、および110が、別々の再生デバイスとしてか、1つ又は複数の結合再生デバイスとしてか、1つ又は複数の統合再生デバイスとしてか、又はこれらのいずれかの組み合わせで、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。同様に、主寝室の場合では、再生デバイス122および124が、別々の再生デバイスとしてか、結合再生デバイスとしてか、又は統合再生デバイスとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。
【0095】
ある例では、図1の環境における1つ又は複数の再生ゾーンは、それぞれ異なるオーディオコンテンツを再生している。例えば、ユーザは、バルコニーゾーンでグリルしながら、再生デバイス102によって再生されるヒップホップ音楽を聞くことができる。一方、別のユーザは、キッチンゾーンで食事を準備しながら、再生デバイス114によって再生されるクラシック音楽を聞くことができる。別の例では、再生ゾーンは、同じオーディオコンテンツを別の再生ゾーンと同期して再生してもよい。例えば、ユーザがオフィスゾーンにいる場合、オフィスゾーンの再生デバイス118が、バルコニーの再生デバイス102で再生されている音楽と同じ音楽を再生してもよい。そのような場合、再生デバイス102および118は、ロック音楽を同期して再生しているため、ユーザは、異なる再生ゾーン間を移動してもアウト-ラウドで再生されるオーディオコンテンツをシームレス(又は少なくともほぼシームレス)に楽しむことができる。再生ゾーン間の同期は、前述の米国特許第8,234,395号で述べられているような再生デバイス間の同期と同様の方法で行ってもよい。
【0096】
上述したように、メディア再生システム100のゾーン構成は、動的に変更してもよく、ある実施形態では、メディア再生システム100は、複数の構成をサポートする。例えば、ユーザが1つ又は複数の再生デバイスを、物理的にゾーンに移動させるか、又はゾーンから移動させる場合、メディア再生システム100は変更に対応するように再構成されてもよい。例えば、ユーザが再生デバイス102をバルコニーゾーンからオフィスゾーンに物理的に移動させる場合、オフィスゾーンは、再生デバイス118と再生デバイス102との両方を含んでもよい。必要に応じて、制御デバイス、例えば制御デバイス126と128とを介して、再生デバイス102が、ペアにされるか、又はオフィスゾーンにグループ化されるか、及び/又はリネームされてもよい。一方、1つ又は複数の再生デバイスが、再生ゾーンを未だ設定していないホーム環境において、ある領域に移動させられた場合、新しい再生ゾーンがその領域に形成されてもよい。
【0097】
更に、メディア再生システム100の異なる再生ゾーンは、動的にゾーングループに組み合わされてもよいし、又は別々の再生ゾーンに分割されてもよい。例えば、ダイニングルームゾーンとキッチンゾーン114とがディナーパーティ用のゾーングループに組み合わされることによって、再生デバイス112と114とがオーディオコンテンツを同期して再生することができる。一方、あるユーザがテレビを見たい一方、他のユーザがリビングルーム空間の音楽を聞きたい場合、リビングルームゾーンが、再生デバイス104を含むテレビゾーンと、再生デバイス106、108および110を含むリスニングゾーンと、に分けられてもよい。
【0098】
c.例示的な制御デバイス
図3は、メディア再生システム100の制御デバイス126及び128のうちの一方又は両方を構成する例示的な制御デバイス300の機能ブロック図を示す。制御デバイス300は、コントローラ300とも称する場合がある。図示されるように、制御デバイス300は、プロセッサ302、メモリ304、ネットワークインタフェース306、およびユーザインタフェース308を含んでもよい。ある例では、制御デバイス300は、メディア再生システム100専用の制御デバイスであってもよい。別の例では、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアがインストールされたネットワークデバイス、例えば、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、又は任意の他のスマートフォン、タブレットあるいはネットワークデバイス(例えば、PC又はMac(登録商標)などのネットワークコンピュータ)であってもよい。
【0099】
プロセッサ302は、メディア再生システム100のユーザアクセス、コントロール、および構成を可能にすることに関する機能を実行するように構成されてもよい。メモリ304は、プロセッサ302によって実行可能な命令を記憶し、それらの機能を実行するように構成されてもよい。また、メモリ304は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアと、メディア再生システム100とユーザとに関連付けられた他のデータを記憶するように構成されてもよい。
【0100】
ある例では、ネットワークインタフェース306は、工業規格(例えば、赤外線、無線、IEEE802.3などの有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15などの無線規格、4G通信規格など)に基づいてもよい。ネットワークインタフェース306においては、制御デバイス300がメディア再生システム100内の他のデバイスと通信するための手段を提供してもよい。ある例では、データおよび情報(例えば、状態変数)は、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300と他のデバイスとの間で通信されてもよい。例えば、メディア再生システム100における再生ゾーンおよびゾーングループの構成は、制御デバイス300によって、再生デバイス又は別のネットワークデバイスから受信されてもよいし、あるいは制御デバイス300によって、ネットワークインタフェース306を介して別の再生デバイス又はネットワークデバイスに送信されてもよい。ある場合では、他のネットワークデバイスは、別の制御デバイスであってもよい。
【0101】
ボリュームコントロールおよびオーディオ再生コントロールなどの再生デバイス制御コマンドは、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300から再生デバイスに通信されてもよい。上述したように、メディア再生システム100の構成の変更は、ユーザにより制御デバイス300を用いて行うことができる。構成の変更は、1つ又は複数の再生デバイスをゾーンに追加すること、1つ又は複数の再生デバイスをゾーンから取り除くこと、1つ又は複数のゾーンをゾーングループに追加すること、1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くこと、結合プレーヤー又は統合プレーヤーを形成すること、結合プレーヤー又は統合プレーヤーから1つ又は複数の再生デバイスに分けることなどを含んでもよい。このように、制御デバイス300は、コントローラと呼ばれてもよく、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアをインストールした専用のコントローラか、又はネットワークデバイスであってもよい。
【0102】
制御デバイス300のユーザインタフェース308は、図4に示されるコントローラインタフェース400Aなどのようなコントローラインタフェースを提供することによって、メディア再生システム100のユーザアクセスおよび制御を可能にするように構成されてもよい。コントローラインタフェース400Aは、再生制御領域410、再生ゾーン領域420、再生ステータス領域430、再生キュー領域440、およびオーディオコンテンツソース領域450を含む。図示されるユーザインタフェース400は、図3の制御デバイス300などのようなネットワークデバイス(及び/又は図1の制御デバイス126および128)を設けられたユーザインタフェースの単なる一例であって、ユーザによってメディア再生システム100などのようなメディア再生システムを制御するためにアクセスされるものである。あるいは、様々なフォーマット、スタイル、および対話型シーケンスを他のユーザのインタフェースを1つ又は複数のネットワークデバイスに実装し、メディア再生システムへ類似の制御アクセスを提供してもよい。
【0103】
再生制御領域410は、(例えば、タッチ又はカーソルを用いることで)選択可能なアイコンを含んでもよい。このアイコンによって、選択された再生ゾーン又はゾーングループ内の再生デバイスが、再生又は停止、早送り、巻き戻し、次にスキップ、前にスキップ、シャッフルモードのオン/オフ、リピートモードのオン/オフ、クロスフェードモードのオン/オフを行う。再生制御領域410は、別の選択可能なアイコンを含んでもよい。別の選択可能なアイコンは、イコライゼーション設定、再生ボリュームなど他の設定などを変更してもよい。
【0104】
再生ゾーン領域420は、メディア再生システム100内の再生ゾーンの表示を含んでもよい。ある実施形態では、再生ゾーンのグラフィック表示が選択可能であってもよい。追加の選択可能なアイコンを移動させることによって、メディア再生システム内の再生ゾーンを管理又は構成することができる。例えば、結合ゾーンの作成、ゾーングループの作成、ゾーングループの分割、およびゾーングループのリネームなど他の管理又は構成を行うことができる。
【0105】
例えば、図示されるように、「グループ」アイコンは、再生ゾーンのグラフィック表示のそれぞれに設けられてもよい。あるゾーンのグラフィック表示内の「グループ」アイコンは、メディア再生システム内の1つ又は複数のゾーンを選択して、あるゾーンとグループ化するオプションを出せるように選択可能であってもよい。一度グループ化すると、あるゾーンとグループ化されたゾーン内の再生デバイスは、あるゾーン内の再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するように構成される。同様に、「グループ」アイコンは、ゾーングループのグラフィック表示内に設けられてもよい。この場合、「グループ」アイコンは、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くために、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンを選択から外すというオプションを出すように選択可能であってもよい。ユーザインタフェース400等のユーザインタフェースを介してゾーンをグループ化およびグループ解除するための他の対話をすることも可能であるし、実施することも可能である。再生ゾーン領域420内の再生ゾーンの表示は、再生ゾーン又はゾーングループ構成が変更されると、動的に更新されてもよい。
【0106】
再生ステータス領域430は、現在再生されているオーディオコンテンツ、前に再生されたオーディオコンテンツ、又は選択された再生ゾーン又はゾーングループ内で次に再生するように予定されているオーディオコンテンツ、のグラフィック表示を含んでもよい。選択可能な再生ゾーン又は再生グループは、ユーザインタフェース上で、例えば、再生ゾーン領域420及び/又は再生ステータス領域430内で視覚的に区別されてもよい。グラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、アルバム名、アルバム年、トラックの長さ、およびメディア再生システムを、ユーザインタフェース400Aを介して制御するときに、ユーザにとって有益な他の関連情報を含んでもよい。
【0107】
再生キュー領域440は、選択された再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キュー内のオーディオコンテンツのグラフィック表示を含んでもよい。ある実施形態では、それぞれの再生ゾーン又はゾーングループは、再生ゾーン又は再生グループによって再生される0以上のオーディオアイテムに対応する情報を含む再生キューに関連付けられてもよい。例えば、再生キュー内のそれぞれのオーディオアイテムは、ユー・アール・アイ(URI)、ユー・アール・エル(URL)、又は再生ゾーン又はゾーングループ内の再生デバイスによって使用可能な他の識別子を含んでもよい。これらによって、ローカルオーディオコンテンツソース又はネットワークオーディオコンテンツソース、からオーディオアイテムを見つけ、及び/又は取り出し、再生デバイスによって再生することができる。
【0108】
ある例では、プレイリストが再生キューに追加されてもよい。この場合、プレイリスト内のそれぞれのオーディオアイテムに対応する情報が再生キューに追加されてもよい。別の例では、再生キュー内のオーディオアイテムは、プレイリストとして保存されてもよい。更に別の例では、再生デバイスがストリーミングオーディオコンテンツ、例えば、再生時間を有することで連続して再生されないオーディオアイテムよりも、停止しない限り連続して再生されるインターネットラジオを再生し続けているとき、再生キューは、空であってもよいし、又は「未使用」であるが埋められていてもよい。別の実施形態では、再生キューは、インターネットラジオ及び/又は他のストリーミングオーディオコンテンツアイテムを含むことができ、且つ再生ゾーン又はゾーングループがそれらのアイテムを再生しているとき「未使用」とすることができる。他の例も可能である。
【0109】
再生ゾーン又はゾーングループが「グループ化される」か、又は「グループ解除」されるとき、影響を受ける再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、クリアされてもよいし、又は再び関連付けられてもよい。例えば、第1再生キューを含む第1再生ゾーンが、第2再生キューを含む第2再生ゾーンとグループ化された場合、形成されたゾーングループは、関連付けられた再生キューを有してもよい。関連付けられた再生キューは、最初は空であるか、(例えば、第2再生ゾーンが第1再生ゾーンに追加された場合、)第1再生キューのオーディオアイテムを含むか、(例えば、第1再生ゾーンが第2再生ゾーンに追加された場合、)第2再生キューのオーディオアイテムを含むか、又は第1再生キューと第2再生キューとの両方のオーディオアイテムを組み合わせられる。その後、形成されたゾーングループがグループ解除された場合、グループ解除された第1再生ゾーンは、前の第1再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューに関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループに関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューに関連付けられてもよい。同様に、グループ解除された第2再生ゾーンは、前の第2再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューに関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループに関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューに関連付けられてもよい。
【0110】
図4のユーザインタフェース400Aに戻って、再生キュー領域440内のオーディオコンテンツのグラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、トラックの長さ、および再生キュー内のオーディオコンテンツに関連付けられた他の関連情報を含んでもよい。ある例では、オーディオコンテンツのグラフィック表示は、追加の選択可能なアイコンを選択して移動させることができる。これにより、再生キュー及び/又は再生キューに表示されたオーディオコンテンツを管理及び/又は編集することができる。例えば、表示されたオーディオコンテンツは、再生キューから取り除いてもよいし、再生キュー内の異なる位置に移動させてもよいし、すぐに再生させるか若しくは現在再生しているオーディオコンテンツの後に再生するように選択されてもよいし、あるいは他の動作を実行してもよい。再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、再生ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生デバイスのメモリ、再生ゾーン又はゾーングループに入っていない再生デバイスのメモリ、及び/又は他の指定のデバイスのメモリに記憶されていてもよい。そのような再生キューの再生は、連続的又はランダムな順序でキューのメディアアイテムを再生する1つ又は複数の再生デバイスを含んでもよい。
【0111】
オーディオコンテンツソース領域450は、選択可能なオーディオコンテンツソースのグラフィック表示を含んでいてもよい。このオーディオコンテンツソースにおいては、オーディオコンテンツが選択された再生ゾーン又はゾーングループによって取り出され、再生されてもよい。オーディオコンテンツソースに関する説明は、以降のセクションを参照することができる。
【0112】
d.例示的なオーディオコンテンツソース
前回図示したように、ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生デバイスは、再生するオーディオコンテンツを、(例えば、オーディオコンテンツの対応するURI又はURLに基づいて、)複数の入手可能なオーディオコンテンツソースから取り出すように構成されてもよい。ある例では、オーディオコンテンツは、再生デバイスによって、対応するオーディオコンテンツソース(例えば、ライン-イン接続)から直接取り出されてもよい。別の例では、オーディオコンテンツは、1つ又は複数の他の再生デバイス若しくはネットワークデバイスを介してネットワーク上の再生デバイスに提供されてもよい。
【0113】
例示的なオーディオコンテンツソースは、メディア再生システム内の1つ又は複数の再生デバイスのメモリを含んでもよい。メディア再生システムとしては、例えば、図1のメディア再生システム100、1つ又は複数のネットワークデバイス上のローカルミュージックライブラリ(例えば、制御デバイス、ネットワーク対応のパーソナルコンピュータ、又はネットワーク接続ストレージ(NAS)など)、インターネット(例えば、クラウド)を介してオーディオコンテンツを提供するストリーミングオーディオサービス、あるいは再生デバイス又はネットワークデバイスのライン-イン入力接続を介してメディア再生システムに接続されるオーディオソース、他の可能なシステムであってもよい。
【0114】
ある実施形態では、オーディオコンテンツソースは、図1のメディア再生システム100などのようなメディア再生システムに定期的に追加されてもよいし、定期的に取り除かれてもよい。ある例では、1つ又は複数のオーディオコンテンツソースが追加される、取り除かれる、又は更新される度に、オーディオアイテムのインデックス付けが行われてもよい。オーディオアイテムのインデックス付けは、ネットワーク上で共有される全てのフォルダ/ディレクトリ内の識別可能なオーディオアイテムをスキャンすることを含んでもよい。ここで、ネットワークは、メディア再生システム内の再生デバイスによってアクセス可能である。また、オーディオアイテムのインデックス付けは、メタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラックの長さなど)と他の関連情報とを含むオーディオコンテンツデータベースを作成すること、又は更新すること、を含んでもよい。他の関連情報とは、例えば、それぞれの識別可能なオーディオアイテムを見つけるためのURI又はURLを含んでもよい。オーディオコンテンツソースを管理し、且つ維持するための他の例も可能である。
【0115】
次に幾つかの実施の例へ進むと、図5及び図9に示す方法500及び900は、それぞれ、本明細書に記載の手法の実施形態例を提示している。これらの実施形態例は、例えば、図1のメディア再生システム100、図2の再生デバイス200の1つ又は複数、又は図3の制御デバイス300の1つ又は複数を含む動作環境内で実施することができる。更に、メディア再生システムにより実行されるものとして例示した動作は、メディア再生システムの再生デバイス又は制御デバイス等の任意の適切なデバイスにより実行することができる。方法500及び900は、図5及び図9に示した1つ又は複数のブロックが示すような1つ又は複数の動作、機能、又は行動を含み得る。ブロックは、連続した順序で例示されているが、これらのブロックは、並行して及び/又は本明細書に記載のものとは異なる順序で、実行してよい。また、様々なブロックを、所望の実施に基づいて、少数のブロックに結合しても、追加のブロックに分割しても、及び/又は除去してもよい。
【0116】
加えて、本明細書に開示した実施において、フローチャートは、本実施形態の可能な一実施の機能及び動作を示す。これに関して、各ブロックは、プロセスの特定の論理機能又はステップを実施するためにプロセッサにより実行可能な1つ又は複数の命令を含むモジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスク又はハードドライブを含む記憶デバイス等、任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶し得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及びランダムアクセスメモリ(RAM)のようなデータを短期間記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体等の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含み得る。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、リードオンリメモリ(ROM)、光学ディスク又は磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)のような二次又は持続的長期ストレージ等の非一時的媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、他の任意の揮発性又は不揮発性ストレージシステムであってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、又はタンジブルな記憶デバイスと考え得る。加えて、本明細書に開示された実施において、各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実行するように配線された回路を表し得る。
【0117】
III.較正状態変数を維持する手法の例
上述したように、本明細書に記載の実施形態は、較正状態変数(Calibration State Variable)を含み得る。図5は、較正状態変数を更新し、較正状態変数が示す較正状態を他のデバイスと共有する方法500の例を示す。
【0118】
a.第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信
ブロック502において、方法500は、第1再生デバイスが較正済み(キャリブレーション済み)であるという情報を受信することを含む。例えば、第1再生デバイス(例えば、図1に示したメディア再生システム100の再生デバイス102~124のうちの1つ)は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信し得る。情報は、他の再生デバイス(例えば、メディア再生システム100の再生デバイス102~124のうちの他の再生デバイス)から、又は制御デバイス(例えば、制御デバイス126又は128)から、第1再生デバイスに送信してよく、他の例も考えられる(例えば、リモートサーバ)。
【0119】
再生デバイスの較正(キャリブレーション)は、再生デバイスのスピーカー(例えば、チャネル)の1つ又は複数の音響パラメータを、所定の環境内のそれらのスピーカーの音響特性を改善するために調整することを含み得る。例えば、較正プロファイルは、所定の環境の音響をオフセットして、その環境で所望の応答(例えば、恐らくは特定音周波数をブースト又はカットするイコライゼーションにより調整されたフラットな応答)を生成し得る。所定の環境内の特定位置における再生デバイスに対する較正プロファイルを決定するために、再生デバイスは、恐らくは制御デバイスと共に、較正手順を実行し得る。例えば、幾つかの較正手順の例には、音波(例えば、1つ又は複数の較正音)を発生させるメディア再生システムの再生デバイスと、発生した音波を検出及び分析するメディア再生システムの制御デバイスとが含まれる。
【0120】
一例として、図1を参照すると、メディア再生システム100の再生デバイス122は、恐らくは再生デバイス122が発した較正音を検出し分析する制御デバイス126により、このような手順を用いて較正し得る。較正手順実行後、制御デバイス126は、再生デバイス122が較正済みであるという情報を、再生デバイス122に対して、ネットワークインタフェースを介して送信し得る。再生デバイス122は、デバイス自体のインタフェースを介して、制御デバイス126から情報を受信し得る。一部の実施形態において、情報は、恐らくは主寝室環境の音響特性をオフセットするために、再生デバイス122のイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを含み得る。
【0121】
他の例として、再び図1を参照すると、再生デバイス122は、再生デバイス122が較正済みであるという情報を、再生デバイス124等のメディア再生システム100の他の再生デバイスから受信し得る。再生デバイス124は、再生デバイス122の較正状態を示す較正状態変数を記憶し得る。再生デバイス124は、再生デバイス122が電源オンされたことを検出した際に、又は定期的な(例えば、周期的な)送信の一部として等、様々な状況において、この較正状態の情報を再生デバイスに送信し得る。
【0122】
他の例として、再生デバイス122は、再生デバイス122が較正済みであるという情報をリモートサーバから受信し得る。このようなリモートサーバは、メディア再生システム100にクラウドサービスを提供することに関与し得る。クラウドサービスは、メディア再生システム100の再生デバイス102~124の較正状態を示す較正状態変数を維持し得る。クラウドサービスは、恐らくは他の家庭にある他のメディア再生システムの較正状態を示す較正状態変数も記憶する場合がある。
【0123】
b.第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を構成
再び図5を参照すると、ブロック504において、方法500は、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を構成することを含む。例えば、図1を参照すると、再生デバイス122は、再生デバイス122の較正状態を示す較正状態変数をデータストレージ内(例えば、図2に示す再生デバイス200のメモリ206等のデータストレージ内)に記憶し得る。再生デバイス122は、再生デバイス122の較正状態(例えば、再生デバイス122が較正済みであること、又は再生デバイス122が未較正(キャリブレーションしていない)であること)を示すように、その較正状態変数を構成し得る。一部の実施形態において、再生デバイス122は、再生デバイス122が再生デバイス122の較正状態の情報(及び恐らくは更に他の再生デバイスの較正状態)を受信したときに、恐らくは較正状態の情報が状態変数を更新する命令を含み得ることから、このような状態変数を更新し得る。
【0124】
図6は、図1のメディア再生システム100の再生デバイスと、1つ又は複数の較正状態変数として記憶し得る、それぞれの較正状態とを示すテーブル600を示す。この例では、メディア再生システム100の再生デバイスは、それぞれ特定の環境(例えば、ゾーン)に対して較正される。このような較正状態は、1つ又は複数の較正状態変数として記憶し得る。較正状態変数等の状態変数は、更に、再生デバイスが最後に較正された時間の情報と、場合により最後の較正時の結合ゾーン構成とを記憶し得る。図6には示していないが、表600が表す較正状態を示す較正状態変数は、更に、恐らくはそれぞれの環境の音響特性をオフセットするために、再生デバイスのイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルも含み得る。
【0125】
再生デバイスの較正状態を示す較正状態変数は、メディア再生システムにアクセス可能な様々なデバイスに記憶し得る。例えば、場合により、メディア再生システム自体が、恐らくはメディア再生システムの1つ又は複数の再生デバイス又は制御デバイスのデータストレージに、恐らくはデータベース又はテーブルを使用して、状態変数を記憶してもよい。又は、リモートサーバ(例えば、クラウドサービスを提供するサーバ)が、状態変数を記憶してもよい。他の例も可能である。
【0126】
例の中で、較正状態変数は、様々な構成を用いてメディア再生システム全体で維持してもよい。例えば、一部の例において、メディア再生システムの各再生デバイスは、メディア再生システムの他の再生デバイスの較正状態を示す較正状態変数を記憶し得る。又は、所定のデバイスは、メディア再生システムの較正状態変数のサブセットを記憶し得る。例えば、図6を参照すると、リビングルームゾーンのデバイスは、リビングルームゾーンに属する再生デバイスの較正状態を示す較正状態変数を記憶し得る。
【0127】
c.第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出
図5では、ブロック506において、方法500は、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出することを含む。例えば、図1を参照すると、再生デバイス122は、再生デバイス122が未較正となったことを示すトリガ条件を検出し得る。幾つかの例として、環境の変化、デバイスの物理的位置若しくは配向性、又はデバイスの構成の変化を契機として、較正状態が失われる場合がある。
【0128】
一部の例において、第1再生デバイスを示すトリガ条件を検出することは、第1再生デバイスのゾーン構成を変更するコマンドを受信することを含み得る。例えば、再び図1を参照すると、制御デバイス126等の制御デバイスは、再生デバイス122に、そのゾーン構成を変更するように命令するコマンドを送信し得る。再生デバイスのゾーン構成に対する様々な変更は、再生デバイスが較正済みではなくなったことを示す場合がある。
【0129】
図7は、図1のメディア再生システム100の他の構成例である、メディア再生システム700の例を示す。図1と比較して、特定の再生デバイスは、家庭内で移動又は再構成されている。後述するように、このような変化は、較正状態の喪失を示し得る。
【0130】
例の中で、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出することは、第1再生デバイスを結合ゾーンに参加(又は離脱)させるコマンドを受信することを含み得る。例えば、図7を参照すると、再生デバイス112は、第2デバイス(即ち、再生デバイス114)をステレオペアの第2チャンネルとして含むステレオペアの第1チャンネルとして、キッチンゾーンに参加するように再生デバイス112に命令するコマンドを制御デバイス128から受信し得る。再生デバイス112は、単独での動作と比較して、ステレオペアのチャネルとして異なる動作をしてよく、ステレオペアへの参加又は離脱は、較正の喪失を引き起こす場合がある。較正済みとなるために、再生デバイス112及び114は、ステレオペアとして較正手順を実行し得る。他のコマンドは、再生デバイス112に、再生デバイス114との結合ゾーン構成(即ち、ステレオペア)から結合解除するように命令する場合があり、これにより較正状態の喪失が再び生じる可能性がある。
【0131】
サブウーファー等の一部の再生デバイスは、特定の周波数範囲を出力し得るため、このような再生デバイスが結合ゾーン構成に参加又は離脱すると較正状態に影響する場合がある。例えば、図7を参照すると、リビングルームゾーンは、低周波数を出力する再生デバイス110(即ち、サブウーファー)と、中高周波数を出力する再生デバイス104、106、及び108とを含む。再生デバイス110がリビングルームゾーンを離脱する場合、このような変更は、ゾーンからのサブウーファーの除去が低周波数を含む範囲全体で再生デバイス104、106、及び108を再較正するべきであることを示唆し得ることから、再生デバイス104、106、及び108が未較正となったことを示す場合がある。
【0132】
一部の実施形態では、再生デバイスには、再生デバイスが属する特定のゾーンに対応する特定の名前が割り当てられてもよい。このような変更から再生デバイスが異なるゾーンに移動したと推定し得ることから、この特定の名前の変更により、較正状態の喪失が生じる場合がある。例えば、図7を参照すると、再生デバイス118は、オフィスゾーンからバルコニーゾーンに移動させ得る。再生デバイス118をバルコニーゾーンの一部として動作させるために、制御デバイス128等の制御デバイスは、再生デバイス118にバルコニーゾーンに参加するように命令するコマンドを送信し、これにより再生デバイス118に割り当てられた名前をオフィスからバルコニーに変更し得る。他の例において、制御デバイスは、再生デバイスに新たなゾーン(例えば、私室ゾーン)を形成させるコマンドを再生デバイスに送信し、これにより新たなゾーンの名前を反映するように再生デバイスの名前を変更し得る。このような再生デバイスのゾーンの変更は、この新しいゾーンに対応する環境内で再生デバイスを較正することを示唆し得る。
【0133】
上述したように、再生デバイスを回転又は移動させることにより、その再生デバイスが環境内でどのように聞こえるかが変化し得るため、物理的位置又は配向性の変更は、較正の喪失を引き起こす場合がある。例えば、再生デバイスが部屋の中心を向いているとき、その再生デバイスは、通常、デバイスが壁を向いているときとは異なって聞こえる。一部の実施形態において、再生デバイスは、再生デバイスの物理的配向性の変更を検出する1つ又は複数のセンサ(例えば、加速度計)を含み得る。このようなセンサは、更に環境内の再生デバイスの物理的位置の変更を検出してもよい。例示のために、図7において、再生デバイス122及び124は、図1に示した物理的配向性に対して回転されている。このような物理的回転が閾値回転を超えたこと(例えば、15度より大きいこと)を1つ又は複数のセンサにより検出することにより、再生デバイス122及び/又は再生デバイス124が未較正となったことを示し得る。反響定位等の他の位置決め手法を用いて、物理的配向性又は位置の変更を検出してもよい。
【0134】
他の例では、再生デバイス上でのコントローラ構成の変更が、再生デバイスが較正を失ったことを示し得る。例えば、再生デバイスは、工場出荷時の設定にリセットするように再生デバイスに命令するコマンドを受信してよく、これにより以前の較正を消去し得る。他の例として、再生デバイスは、再生デバイスに較正済み状態を喪失させる、以前の較正の消去及び/又は再生デバイスの動作の仕方の変更等の様々な効果を有し得るソフトウェア更新を受信してもよい。
【0135】
制御デバイスの例に関して上述したように、メディア再生システムの制御デバイスは、そのメディア再生システム内の再生デバイスの動作を制御するために、コントロールを含むグラフィカルユーザインタフェースを表示し得る。特定のコントロールは、再生デバイスが未較正となったことを示し得る。例えば、コントローラインタフェースは、再生デバイスが他の物理的位置に移動されたかの情報を要求するプロンプトを表示し得る。再生デバイスが移動されたことを示すコントロールの選択を検出することは、再生デバイスが未較正となったことを示し得る。このようなユーザインタフェースは、較正状態の喪失の契機となり得る、再生デバイスによるゾーンへの参加又は結合ゾーン構成の形成等の様々な構成変更をもたらすコントロールを含んでもよい。
【0136】
d.第1再生デバイスが未較正であることを示すように較正状態変数を更新
再び図5を参照すると、ブロック508において、方法500は、第1再生デバイスが未較正であることを示すように較正状態変数を更新することを含む。上述したように、図1の再生デバイス122等の再生デバイスは、データストレージ(例えば、図2に示す再生デバイス200のメモリ206等のデータストレージ)に、その較正状態を示す較正状態変数を記憶し得る。新たな較正状態の情報を受信すると、再生デバイスは、新しい較正状態を示すように較正状態を更新し得る。
【0137】
例えば、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件を検出することに基づいて、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが未較正であることを示すように較正状態変数を更新し得る。このような較正状態変数を更新することは、トリガが検出されたときに再生デバイスが較正状態変数を更新するようなトリガを検出することに応答してもよい。
【0138】
図8は、図7のメディア再生システム100の再生デバイスと、1つ又は複数の較正状態変数として記憶し得る、それぞれの較正状態とを示すテーブル800を示す。テーブル800は、再生デバイスにより記憶された較正状態変数が、図1と比較して図7に示したメディア再生システム100で行われた変更に基づいて、どのように更新され得るかを表している。図示したように、再生デバイス102及び118は、再生デバイス118がバルコニーゾーンに移動され、再生デバイス102とのステレオペアに結合されると、未較正となる場合がある。再生デバイス110も、リビングルームゾーンを離脱するように命令されると、未較正となる場合がある。再生デバイス112及び114は、ステレオペアとして連結したときに未較正となり、ステレオペアを分離して、再生デバイスを元のゾーンに戻したときに未較正のままとなる場合がある。加えて、再生デバイス122及び124は、回転させたときに未較正となり得る。このような較正状態の変化を示すトリガ条件を検出することに基づいて、図8に示すように、このような状態を表す較正状態変数を更新して較正状態の変化を反映し得る。
【0139】
再生デバイスが新しい位置及び/又は構成に対して再較正された後、較正状態変数は、再生デバイスが較正済みであることを示すように更新し得る。例えば、再生デバイス122及び124は、制御デバイス126により較正手順を実行し得る。制御デバイス126は、再生デバイス122及び124に較正プロファイルを送信し、再生デバイスに対して、現在の較正状態を示すように較正状態変数を更新することを命令し得る。また、再生デバイスは、最後の較正の時間と、最後の較正中の再生デバイスの結合ゾーン構成とを示すように、状態変数を更新し得る。
【0140】
e.更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信
図5では、ブロック510において、方法500は、更新された状態変数の情報を第2デバイスに送信することを含む。例えば、再生デバイス122は、更新された状態変数の情報を、再生デバイス124等の第2再生デバイスに、又は制御デバイス126及び/又は128等の制御デバイスに、送信し得る。このような情報を第2デバイスに送信することにより、第1再生デバイスは、現在の較正状態を第2デバイス(群)と共有し得る。
【0141】
上述したように、場合により、第1再生デバイスは、更新された状態変数の情報を第2再生デバイスに送信し得る。一部の実施形態では、このような情報を送信することは、第2再生デバイスに、第2再生デバイスに記憶された状態変数を更新させる命令を送信することを含み得る。例えば、再生デバイス122は、再生デバイス122が未較正である(又は、状況に応じて、再生デバイス122が較正済みである)ことを示すように、再生デバイス124に記憶された状態変数を再生デバイス124に更新させる命令を送信し得る。更に、場合により、再生デバイス122は、追加の再生デバイス(例えば、1つ又は複数の再生デバイス102~120)に対して、これらの再生デバイスにそれぞれの較正状態変数を更新させる命令を送信し得る。このような共有は、複数のデバイス全体で再生デバイスの現在の較正状態を維持するのに役立つ場合がある。実施形態例において、第1再生デバイスは、周期的に、又は、恐らくは所定の再生デバイスの較正状態に対する第2デバイスからのクエリに応答して、較正状態を送信し得る。
【0142】
一部の例において、第1再生デバイスは、第2再生デバイスの較正状態を示す較正状態変数を記憶し得る。例えば、第2再生デバイスが較正済みである(又は未較正である)という情報を受信した後、第1再生デバイスは、第2再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新し得る。第1再生デバイスは、第2再生デバイスの較正状態を、制御デバイス又は他の再生デバイス等、他のデバイスと共有し得る。
【0143】
また、上述したように、第1再生デバイスは、更新された状態変数の情報を制御デバイスに送信し得る。例えば、再生デバイス122は、更新された状態変数の情報を、制御デバイス126及び/又は制御デバイス等の1つ又は複数の制御デバイスに送信し得る。このような情報により、制御デバイスは、再生デバイスの更新された較正状態(例えば、その再生デバイス122が未較正であること)を示すように、表示されたインタフェースを更新し得る。
【0144】
例の中で、第1再生デバイスは、較正状態に追加して、情報を1つ又は複数の第2デバイスと共有し得る。例えば、第1再生デバイスは、第1再生デバイスの較正に用いた較正情報を送信し得る。このような較正情報は、第1再生デバイスのイコライゼーションを調整する1つ又は複数の較正値を示す較正プロファイルを含み得る。上述したように、このようなイコライゼーション調整により、所定の環境の音響特性をオフセットさせ、第1再生デバイスのスピーカーが発した音に対して所望の周波数応答を生成し得る。このようなプロファイルを第2デバイスと共用することにより、第2デバイスは、第1再生デバイスが(例えば、停電からの復帰のため)プロファイルを必要とするか又は要求した場合に、第1再生デバイスに送り返す情報を有し得る。
【0145】
また、第1再生デバイスは、較正に関するコンテキスト情報を1つ又は複数の第2デバイスと共有し得る。例えば、第1再生デバイスは、第1再生デバイスが最後に較正された時間を決定し、場合により更に、第1再生デバイスが最後に較正されたときに第1再生デバイスが構成されていた結合ゾーン構成を特定し得る。このような決定を行った後、第1再生デバイスは、これらの較正パラメータの情報を1つ又は複数の第2デバイスに送信し得る。
【0146】
このような較正パラメータを有することにより、第1再生デバイスが未較正となったことを第2デバイスが検出するのが容易となる。例えば、最後に較正時に第1再生デバイスが第1結合ゾーン構成内にあったことを第1再生デバイスが共有し、その後、第1再生デバイスが第2結合ゾーン較正内にあるという情報を第2デバイスが受信した場合、第2デバイスは、第1再生デバイスの較正が古くなったと判断し得る。このような判断を行うことに基づいて、第2再生デバイスは、第1再生デバイスが較正済みでなくなったという情報を、第1再生デバイスに送信し得る。制御デバイスは、考えられる動作として特に、第1再生デバイスを較正する手順を開始し得る、又は場合により第1再生デバイスの未較正状態の情報を表示し得る。
【0147】
上述したように、メディア再生システムのデバイスの例は、較正状態変数を記憶、更新、及び/又は共有し得るものであり、本明細書で考察したように、様々な利益を提供し得る。
【0148】
IV.較正状態変数の情報を表示する手法の例
上述したように、本明細書に記載の実施形態は、較正状態変数を含み得る。図9は、較正状態変数の情報を表示する方法900の例を示す。
【0149】
a.第1ゾーンの較正状態を示す較正状態変数を受信
ブロック902において、方法900は、第1ゾーンの較正状態を示す較正状態変数を受信することを含む。例えば、図1に示す制御デバイス126又は制御デバイス128等の制御デバイスは、特定のゾーン(例えば、メディア再生システム100のリビングルームゾーン)の1つ又は複数の再生デバイスの較正状態を示す1つ又は複数の較正状態変数を受信し得る。
【0150】
場合により、較正状態変数は、あるゾーンが未較正である(即ち、そのゾーンの1つ又は複数の再生デバイスが較正されていない)ことを示し得る。ゾーンの再生デバイスは、再生デバイスが未較正となったときに、このような較正状態変数を共有し得る。例えば、上述したように、メディア再生システム100の再生デバイス106等の再生デバイスは、第1再生デバイスが未較正となったことを示すトリガ条件(例えば、図5のブロック506に関連して上述したトリガ条件の1つ)を検出し得る。このようなトリガ条件を検出することに基づいて、再生デバイス106は、再生デバイス106が未較正であることを示すように較正状態変数を更新し、更新された較正状態変数の情報を制御デバイスに送信し得る。
【0151】
b.グラフィカルインタフェースに較正状態の情報を表示
再び図9を参照すると、ブロック904において、方法900は、グラフィカルインタフェースに較正状態変数が示す較正状態の情報を表示させることを含む。例えば、制御デバイス(例えば、制御デバイス126又は128)は、較正状態の情報を含むコントローラインタフェース(例えば、図4のコントローラインタフェース400A)を表示し得る。上述したように、場合により、較正状態変数は、所定のゾーンが未較正であることを示し得る。このような場合、制御デバイスは、所定のゾーンが未較正であるという情報を表示する。
【0152】
上述したように、メディア再生システムの例は、1つ又は複数のゾーンを含み得る。例えば、メディア再生システム100は、複数のゾーン(例えば、リビングルームゾーン、キッチンゾーン、ダイニングルームゾーン、寝室ゾーン)を含む。制御デバイスは、メディア再生システムのゾーンを列挙するゾーン制御インタフェースを表示し得る。このようなゾーン制御インタフェースの一例は、図4に示したコントローラインタフェース400Aの再生ゾーン領域420である。このようなゾーン制御インタフェースは、1つ又は複数のゾーンの較正状態の情報を含み得る。
【0153】
図10は、図1のメディア再生システム100に対応するコントローラインタフェース400Bの一例であるコントローラインタフェース400Bを示す。コントローラインタフェース400Aと同様、コントローラインタフェース400Bは、再生制御領域410、再生ゾーン領域420、再生ステータス領域430、再生待ち領域440、及びオーディオコンテンツソース領域450を含む。再生ゾーン領域420内において、コントローラインタフェース400Bは、リビングルームゾーンに関する問題を示すグラフィカル要素402を更に含み、これによりリビングルームゾーンが未較正であることを示し得る。逆に、オフィス及び主寝室ゾーンに関して図示したように、このようなグラフィック要素の欠如は、これらのゾーンが較正済みであることを示してもよい。
【0154】
他の例として、図11は、ゾーン制御インタフェース1102を表示しているスマートフォン1100を示す。ゾーン制御インタフェース1102は、メディア再生システム100のゾーンを示す。ゾーンコントロール1104、1106、及び1108は、オフィスゾーン、主寝室ゾーン、及びリビングルームゾーンを示す。メディア再生システム100の他のゾーンを表す追加ゾーンコントロールは、スクロールにより表示し得る。ゾーンコントロール1104、1106、及び1108等のゾーンコントロールは、ゾーンの再生デバイス(群)上で再生している媒体を示し得る。ゾーン制御インタフェース1102は、メディア再生システム100のゾーンの少なくとも1つに関する問題を示すグラフィック要素1110を更に含み、これによりメディア再生システム100のゾーンの少なくとも1つが未較正であることを示し得る。
【0155】
一部の実施形態において、制御デバイスは、所定のゾーンの較正状態(例えば、所定のゾーンが未較正であること)を示すゾーン設定インタフェースを表示し得る。幾つかのインタフェースの例において、このような情報は、(少なくとも1つのゾーンに関する問題を全般的に示すのではなく)未較正である特定のゾーンを示すことにより、ゾーン制御インタフェース上に表示される情報と対比させ得る。図10のグラフィカル要素402又は図11のグラフィック要素1110のような選択可能コントロールの選択により、このようなゾーン設定インタフェースを表示させてもよい。
【0156】
ゾーン設定インタフェースを例示するために、図12は、ゾーン設定インタフェース1202を表示しているスマートフォン1200を示す。図11のグラフィック要素1110のような選択可能コントロールの選択を検出することにより、ゾーン設定インタフェース1202を表示させ得る。ゾーン設定インタフェース1202は、選択時にそれぞれ主寝室、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、バスルーム、寝室、及びバルコニー用の設定インタフェースを表示させる選択可能コントロール1204、1206、1208、1210、1212、1212、1216、及び1218を含む。
【0157】
選択可能コントロール1204~1218は、その選択可能コントロールに対応するゾーンが較正済みであるかを示す。例えば、選択可能コントロール1208は、リビングルームゾーンが未較正であることを示す(「未チューニング」)。同様に、選択可能コントロール1212は、キッチンゾーンが未較正であることを示す。一方、選択可能コントロール1204、1206、1210、1214、1216、及び1218でのこのような表示の欠如は、これらのコントロールに対応するゾーンが較正済みであることを示し得る。上述したように、制御デバイス(即ち、スマートフォン1200)は、そのゾーンが較正済みであるかを示す較正状態変数を受信した後、所定のゾーンの較正状態を更新し得る。
【0158】
また、ゾーン設定インタフェース1202は、ゾーンの再生デバイスに対する較正の効果を示すグラフィカル領域1220を含む(「チューニングにより、あなたのスピーカーのサウンドを部屋内での配置に合わせます」)。一部の例では、メディア再生システムの全てのゾーンが較正済みである場合に、グラフィカル領域1220には、このような情報を表示しなくてもよい。他の例では、メディア再生システムの全てのゾーンが較正済みであるときに、グラフィカル領域1220には、異なる情報を表示してもよい。例えば、グラフィカル領域1220は、メディア再生システムのゾーンがチューニング済みであることを示し得る。
【0159】
上述したように、一部の実施形態において、制御デバイスは、メディア再生システムの特定のゾーン用の設定インタフェースを表示し得る。特定のゾーン用の設定インタフェースは、特定のゾーンの動作を様々な形で調整する複数のコントロールを含み得る。更に、このような設定インタフェースは、第1ゾーンの特定の第1再生デバイスが未較正であるという情報を含み得る。図12の選択可能コントロール1208又は選択可能コントロール1212のような選択可能コントロールの選択により、このような設定インタフェースを表示させてもよい。
【0160】
一例として、図13は、メディア再生システム100のリビングルームゾーン用の設定インタフェース1302を表示しているスマートフォン1300を示す。上述したように、このリビングルームゾーンは、連結してサラウンドサウンド構成とした再生デバイス104、106、108、及び110を含む。選択可能コントロール(例えば、図12の選択可能コントロール1208)の選択を検出することにより、ゾーン設定インタフェース1302を表示させてもよい。ゾーン設定インタフェース1302は、選択時に、リビングルームゾーンがどのように動作するか(即ち、再生デバイス104、106、108、及び110がどのように動作するか)を様々な面で調整又は変更する選択可能コントロール1304、1306、1308、1310、1312、1314、1316、及び1318を含む。
【0161】
特に、選択可能コントロール1304は、選択時、リビングルームゾーンのゾーン名を変更するインタフェースを提供する。図5のブロック506に関連して上述したように、ゾーンの名前の変更から、ゾーンの再生デバイスが移動したことを推定し、これにより較正状態を喪失させてもよい。例示のために、一部の例では、リビングルームゾーンのゾーン名の変化を検出すると、スマートフォン1300等の制御デバイスは、リビングルームゾーンの再生デバイスに対して、ゾーンが未較正であることを示す命令を送信し、これによりリビングルームゾーンの再生デバイス(群)に、この較正状態を反映するように較正状態変数を更新させ得る。
【0162】
他の選択可能コントロールは、ゾーンの他の態様を調整する。選択可能コントロール1308は、選択時、ゾーンの再生デバイスのイコライゼーションを調整する(例えば、低音、高音、又は中域周波数等の特定の周波数をブースト又はカットする)インタフェースを提供する。選択可能コントロール1310及び1312は、再生デバイス110(即ち、サブウーファー)の動作を調整する。特に、選択可能コントロール1310は、選択時に、再生デバイス110のオン及びオフを切り替え、選択可能コントロール1312は、選択時に、再生デバイス110のボリュームレベルを調整するインタフェースを提供する。選択可能コントロール1314及び1316は、リビングルームゾーンの結合ゾーン較正(即ち、サラウンドサウンド構成)を調整する。特に、選択可能コントロール1314は、再生デバイス110のみを結合ゾーン構成から除去し、選択可能コントロール1314は、結合ゾーン構成から再生デバイス104、106、108、及び110を除去する。最後に、選択可能コントロール1318は、再生デバイス104、106、108、及び110上のそれぞれの電源インジケータライトのオン及びオフを切り替える。
【0163】
幾つかのコントロールの例を示して、設定インタフェースの例を説明してきたが、本明細書において考えられる他の設定インタフェースの例には、追加の若しくはより少数のコントロール、又は設定インタフェースの例に示していないコントロールが含まれてもよい。
【0164】
c.グラフィカルインタフェースに第1ゾーンの較正を開始する選択可能コントロールを表示
図9では、ブロック906において、方法900は、グラフィカルインタフェースに第1ゾーンの較正を開始する選択可能コントロールを表示させることを含む。例えば、制御デバイス(例えば、制御デバイス126又は128)は、第1ゾーンの1つ又は複数の第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールを含むコントローラインタフェース(例えば、図4のコントローラインタフェース400A)を表示し得る。他の例において、制御デバイスは、図12のゾーン設定インタフェース1202又は図13の設定インタフェース1302のような設定インタフェース上に、このような選択可能コントロールを表示し得る。
【0165】
例示のために、図13を参照すると、設定インタフェース1302は、選択時に、リビングルームゾーンの較正を開始する選択可能コントロール1306を含む。また、選択可能コントロール1306は、リビングルームゾーンの特定の再生デバイスが未較正であるという情報を含む(即ち、再生デバイス106)。選択可能コントロール1306の選択により、少なくとも再生デバイス106(及び場合によりリビングルームゾーンの他の再生デバイス)を較正する較正手順を開始し得る。
【0166】
d.ゾーンの較正を開始
再び図9を参照すると、ブロック908において、方法900は、第1ゾーンの較正の開始を含み、これは第1ゾーンの1つ又は複数の再生デバイスを較正することを含み得る。本明細書において考えられる幾つかの較正手順は、再生デバイスが発した音波(例えば、1つ又は複数の較正音)を制御デバイスが検出及び解析することを含む。第1段階において、較正プロセスは、再生デバイスの較正のために再生デバイス、制御デバイス、及び/又は環境を準備することを含み得る。較正プロセスの第2段階は、較正自体を実行することを含み得る。一部の実施形態において、制御デバイスは、ユーザに較正手順の一方又は両方の段階で支援するように指示するプロンプト又は一連のプロンプトを表示し得る。
【0167】
較正のために再生デバイスを準備するために、制御デバイスは、後で再生デバイスを動作される状態で、再生デバイスを環境内に位置決めさせるプロンプトを提供し得る。環境の音響は、環境内の物理的な場所毎に異なる場合があるため、第1物理的位置で再生デバイスを較正することは、再生デバイスが第2物理的位置にある状態で聴取される場合、有用ではない可能性がある。再生デバイスをその動作位置で較正するために、制御デバイスは、再生デバイスを動作させる物理的位置に再生デバイスを位置決めさせるプロンプトを表示し得る。
【0168】
較正のために制御デバイスを準備するために、制御デバイスは、再生デバイスが発した較正音を検出するマイクロホンの音響を改善するための1つ又は複数のステップを実行させるプロンプトを提供し得る。例えば、制御デバイスは、マイクロホンの感度又は他の音響特性を改善し得る配向性であることから、マイクロホンが上方を向くように制御デバイスを回転させるように促し得る。他の例として、制御デバイスは、制御デバイスに設置された取り外し可能なケース又はカバーを取り外すように促し得る。ケース又はカバーは、マイクロホンに到達する前に物理的に音を遮断又は減衰させる可能性があるため、マイクロホンが音を感知する能力に悪影響を与え得る。例の中では、制御デバイスは、同様に他のステップを実行するように促し得る。
【0169】
較正のために環境を準備するために、制御デバイスは、較正に対する環境の影響を低減又は排除する1つ又は複数のステップを実行させるプロンプトを提供し得る。例えば、制御デバイスは、環境内の周辺雑音を低減するように促し得る。較正は、再生デバイスが発した較正音を検出する制御デバイスを含むため、周辺雑音は、マイクロホンが較正音を検出する能力に影響を与えることにより、較正手順に悪影響を与え得る。
【0170】
実施形態例において、第1段階は、再生デバイス、制御デバイス、及び環境を準備する上記のステップの任意の組み合わせを含み得る。更に、これらのステップは、任意の順序で実行し得る。例えば、制御デバイスは、制御デバイスの前に環境を準備するように促してもよい。更に、一部の例は、これらのステップを全て含まなくてもよい。例えば、一部の較正手順は、制御デバイス及び再生デバイスを準備することを含むが、必ずしも環境を準備することを含まない。加えて、記載した実体の何れかを準備することは、このような実体をどのように準備するかの記載例を全て含まなくてもよい。一例として、一部の実施形態において、制御デバイスは、制御デバイスを回転させるように促す一方で、ケースを取り外すことを促さなくてもよい。
【0171】
第1段階の後、制御デバイスは、較正に進み得る。一部の実施形態では、準備が完了したという情報を制御デバイスが受信するまで、制御デバイスは、開始しない場合がある(又は、較正を開始させない場合がある)。例えば、制御デバイスは、再生デバイス、制御デバイス、及び環境がそれぞれ較正のために準備されたことを示す入力データを検出した際に、較正を開始する選択可能コントロールを表示し得る。次に、表示されたコントロールの選択を示す入力データを検出した際に、制御デバイスは、較正を開始し得る。例えば、制御デバイスは、再生デバイスに較正音の発生を開始させる命令を再生デバイスに送信し得る。
【0172】
一部の較正手順は、環境内の複数の物理的位置で較正音を検出する制御デバイスにより改善され得る。上述したように、環境の音響は、環境内の位置毎に異なる場合がある。環境内の複数の物理的位置で較正音を検出することにより、環境を全体としてより良く理解し得る。複数の物理的位置での較正音の検出を容易にするために、制御デバイスは、較正手順中に移動をさせるプロンプトを提供し得る。移動は、較正中の再生デバイスが較正音を発している間に、ユーザが部屋の中で制御デバイスを運ぶことを含み得る。このようにして、制御デバイスは、環境内の複数の物理的位置で較正音を検出し得る。
【0173】
較正音を検出した後、制御デバイスは、較正音を分析して、所定の環境内の1つ又は複数の再生デバイスのそれぞれの周波数応答を決定し得る。このような応答を所定の再生デバイスに対して決定した後、制御デバイスは、所定の再生デバイスに、環境の音響をオフセットする特定の較正プロファイル(例えば、イコライゼーション)を採用するように命令し得る。
【0174】
他の較正手順の例又はその態様は、開示内容全体を本願明細書の一部とする2012年6月28日提出の米国特許出願第13/536,493号「デバイス再生較正のためのシステム及び方法」、2014年3月17日提出の米国特許出願第14/216,306号「環境に基づくオーディオ設定」、2014年9月9日提出の米国特許出願第14/481,511号「再生デバイス較正」、及び米国特許出願第14/696,014号「スピーカー較正」に記載されている。
【0175】
ゾーン(例えば、メディア再生システム100のリビングルームゾーン)の再生デバイスを較正するために較正手順を実行した後、制御デバイスは、メディア再生システムを更新するための特定の動作を実行し得る。例えば、制御デバイスは、グラフィカルインタフェースに、ゾーンが未較正であるという情報(群)を除去させ得る。特に、メディア再生システムのゾーンが較正済みとなった場合、スマートフォン1100は、メディア再生システムの少なくとも1つのゾーンが未較正であると示すことを止めるように、グラフィック要素1110を削除又は変更し得る。他の例として、スマートフォン1200は、リビングルームゾーンが未較正であると示すことを止めるように、選択可能コントロール1208を変更し得る。更に他の例として、スマートフォン1300は、再生デバイス106が未較正であると示すことを止めるように、選択可能コントロール1306を変更し得る。他の例も可能である。
【0176】
制御デバイスは、第1ゾーンの更新された較正状態により、メディア再生システムの再生デバイスを更新し得る。例えば、制御デバイス126等の制御デバイスは、リビングルームゾーンが較正済みとなったこと(即ち、再生デバイス104、106、108、及び110が較正済みであること)を示すように再生デバイス106に較正状態変数を更新させる命令を送信し得る。上述したように、一部の実施形態において、複数の再生デバイスは、所定の再生デバイスの較正状態を示すそれぞれの較正変数を記憶し得る。場合により、制御デバイスは、リビングルームゾーンの更新された較正状態の情報を、これらの再生デバイスに送信してもよい。又は、再生デバイスは、較正状態の情報を1つ又は複数の追加の再生デバイスに送信することにより、この較正状態をメディア再生システム100に伝搬させてもよい。
【0177】
上述したゾーン設定インタフェースの例を参照すると、場合により、制御デバイスは、較正されたゾーン用の設定インタフェースを表示させる選択可能コントロールの選択を検出し得る。例えば、図12において、スマートフォン1200は、スマートフォン1200に寝室ゾーン用の設定インタフェースを表示させ得る選択可能コントロール1216の選択を検出し得る。設定インタフェース1302と同様に、このような設定インタフェースは、設定インタフェース(即ち、寝室ゾーン)に対応するゾーンの動作を制御する複数のコントロールを含み得る。
【0178】
図14は、メディア再生システム100の寝室ゾーン用の設定インタフェース1402を表示しているスマートフォン1400を示している。上述したように、この寝室ゾーンは、再生デバイス120を含む。選択可能コントロール(例えば、図12の選択可能コントロール1216)の選択を検出することで、ゾーン設定インタフェース1402を表示させ得る。ゾーン設定インタフェース1402は、選択時に、寝室ゾーンがどのように動作するか(即ち、再生デバイス120がどのように動作するか)を様々な面で調整又は変更する選択可能コントロール1404、1406、1408、1410、及び1412を含む。
【0179】
選択可能コントロール1404、1410、及び1412は、それぞれ、図13の選択可能コントロール1304,1308、及び1318と同様に動作する。特に、選択可能コントロール1304と同様に、選択可能コントロール1404は、選択時、寝室ゾーンのゾーン名を変更するインタフェースを提供する。選択可能コントロール1410は、選択時、再生デバイス120のイコライゼーションを調整するインタフェースを表示させる。選択可能コントロール1412は、選択時、再生デバイス120の電源インジケータライトのオン及びオフを切り替える。寝室ゾーンは、結合ゾーン構成又は特定のタイプの再生デバイス(例えば、サブウーファー)を含まないため、設定インタフェース1402は、設定インタフェース1302が含むコントロールの全てを含まなくてもよい。
【0180】
しかしながら、設定インタフェース1402は、寝室ゾーンが較正済みであることから、設定インタフェース1302が含まない選択可能コントロールも含む。代わりに、設定インタフェース1402は、寝室ゾーンの較正済み状態を調整する選択可能コントロール1406及び1408を含む。特に、選択可能コントロール1406は、選択時、寝室ゾーンの較正のオン及びオフを切り替える。選択可能コントロール1408は、選択時、再生デバイス120を再較正するために寝室ゾーンの較正手順を開始する。
【0181】
V.結論
上記の説明は、多数の構成要素のうち、ハードウェア上で実行されるファームウェア及び/又はソフトウェアを含む、様々なシステム、方法、デバイス(装置)、及び製品の例を特に開示している。このような例は、単なる例示的なものであり、限定的と見做すべきではないと理解される。例えば、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はソフトウェアの態様又は構成要素の何れか又は全ては、ハードウェアのみで、ソフトウェアのみで、ファームウェアのみで、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせにおいて、実施可能であると考えられる。したがって、提示した例は、このようなシステム、方法、デバイス、及び/又は製品を実現する唯一の方法ではない。
【0182】
手法の例は、較正状態変数を含み得る。一例では、方法が提供される。方法は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することを含み得る。また、方法は、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新することを含み得る。方法は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信することを含み得る。
【0183】
他の例では、デバイスが提供される。デバイスは、ネットワークインタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、データストレージと、データストレージに記憶され、動作を行うために少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラムロジックとを含む。動作は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新することを含み得る。動作は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信することを含み得る
【0184】
更に他の例では、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能メモリは、コンピュータにより実行可能で、コンピュータに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、ネットワークインタフェースを介して、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが較正済みであるという情報を受信することに基づいて、第1再生デバイスが較正済みであることを示すように較正状態変数を更新することを含み得る。動作は、更に、ネットワークインタフェースを介して、更新された較正状態変数の情報を第2デバイスに送信することを含み得る。
【0185】
他の手法の例は、較正状態変数の情報を表示するグラフィカルユーザインタフェースを含み得る。一例では、方法が提供される。方法は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信することを含み得る。また、方法は、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させることを含み得る。方法は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させることと、第1再生デバイスの較正を開始することとを含み得る。
【0186】
他の例では、デバイスが提供される。デバイスは、ネットワークインタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、データストレージと、データストレージに記憶され、動作を行うために少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なプログラムロジックとを含む。動作は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信することを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させることを含み得る。動作は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させることと、第1再生デバイスの較正を開始することとを含み得る。
【0187】
更に他の例では、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能メモリは、コンピュータにより実行可能で、コンピュータに動作を実行させる命令を記憶している。動作は、メディア再生システムの第1再生デバイスから、第1再生デバイスが未較正であることを示す較正状態変数を受信することを含み得る。また、動作は、第1再生デバイスが未較正であるという情報をグラフィカルインタフェースに表示させることを含み得る。動作は、更に、選択時に第1再生デバイスの較正を開始する選択可能コントロールをグラフィカルインタフェースに表示させることと、第1再生デバイスの較正を開始することとを含み得る。
【0188】
本明細書は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他のシンボル表現に関して広く示されており、それらは直接又は間接的にネットワークに接続されるデータ処理デバイスの動作に類似するものである。これらの処理説明および表現は、一般的に当業者によって使用され、それらの仕事の内容を他の当業者に最も効率良く伝えることができる。多くの具体的な内容が、本開示を理解するために提供されている。しかしながら、当業者にとって、本開示の特定の実施形態が特定の、具体的な詳細なしに実施され得ることは理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が、実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるため、詳細に説明していない。したがって、本開示の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0189】
添付の特許請求の範囲のいずれかが単にソフトウェア及び/又はファームウェアへの実装をカバーするように読み取ると、少なくとも1つの例における要素の1つ又は複数は、本明細書では、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形の非一時的な記憶媒体、例えば、メモリ、DVD、CD、Blu-ray(登録商標)等を含むことが明確に定められている。
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