(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】タッチパネルに適用可能なノブに対する較正方法及び較正装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20231002BHJP
G06F 3/0362 20130101ALI20231002BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20231002BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
G06F3/041 520
G06F3/0362 461
G06F3/044 Z
G06F3/03 400F
(21)【出願番号】P 2022115297
(22)【出願日】2022-07-20
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2021-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502429109
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】蘇 俊仁
(72)【発明者】
【氏名】蔡 政宏
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 柏軒
(72)【発明者】
【氏名】莊 竣凱
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特許第6391893(JP,B1)
【文献】特開2020-087174(JP,A)
【文献】国際公開第2019/116490(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/166793(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03-047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに適用可能なノブに対する較正方法であって、前記ノブは、少なくとも1つの感知パッドを含み、当該較正方法は、
前記タッチパネルを介して各感知パッドの位置を感知することによって、前記少なくとも1つの感知パッドの前記各感知パッドの少なくとも1つの感知位置を得るステップと、
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の位置を計算するステップと、
を含
み、
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置は、前記ノブが単一の感知パッドのみを含む場合に複数の感知位置を含み、
前記ノブの中心の位置は、前記ノブが単一の感知パッドのみを含む場合、前記ノブが2つの感知パッドのみを含む場合、及び、前記ノブが、3以上の正の整数であるNの感知パッドを含む場合に異なって計算される、較正方法。
【請求項2】
前記タッチパネルを介して前記各感知パッドの位置を感知することによって、前記各感知パッドの少なくとも1つの別の感知位置を得るステップであって、前記各感知パッドの前記少なくとも1つの別の感知位置は、前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置と同一ではない、ステップと、
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの別の感知位置に従った前記外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の別の位置を計算するステップと、
前記ノブの中心の複数の計算された位置に対して平均計算を行うことによって、前記ノブの中心の平均位置を得るステップであって、前記複数の計算された位置は、前記位置及び前記別の位置を含む、ステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項3】
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置は、前記ノブに触れ且つ回転させる事象に応答して得られた複数の感知位置を含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項4】
前記ノブは、1つの単一の感知パッドのみを含み、前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の位置を計算するステップは、
前記単一の感知パッドの感知位置に従って前記単一の感知パッドの回転トラックを感知することであって、前記回転トラックは、少なくとも前記ノブの四分円を横断することと、
前記回転トラックを、前記単一の感知パッドの移動トラックとして整理することと、
前記ノブの中心の位置を、前記移動トラックに従った前記外接円の半径の公式を使用することによって計算することと、
を含む、請求項3に記載の較正方法。
【請求項5】
前記ノブは、2つの感知パッドのみを含み、前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の位置を計算するステップは、
それぞれ前記2つの感知パッドの感知位置に従った前記2つの感知パッドの回転トラックを感知することであって、前記2つの感知パッドの前記回転トラックを合計することによって形成される総トラックは、少なくとも前記ノブの四分円を横断することと、
前記2つの感知パッドの移動トラックとして前記総トラックを整理することと、
前記ノブの中心の位置を、前記移動トラックに従った前記外接円の半径の公式を使用することによって計算することと、
を含む、請求項3に記載の較正方法。
【請求項6】
前記2つの
感知パッドの回転トラックの重複部分は、1つの回転トラックとしてみなされる、請求項5に記載の較正方法。
【請求項7】
前記ノブは、Nの感知パッドを含み、Nは、3以上の正の整数であり、前記ノブ上の前記Nの感知パッドの分布範囲は、前記ノブの四分円より小さく、前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の位置を計算するステップは、
それぞれ前記Nの感知パッドの感知位置に従って前記Nの感知パッドの回転トラックを感知することであって、前記Nの感知パッドの前記回転トラックを合計することによって形成される総トラックが、少なくとも前記ノブの四分円を横断することと、
前記総トラックを、前記Nの感知パッドの移動トラックとして整理することと、
前記ノブの中心の位置を、前記移動トラックに従った前記外接円の半径の公式を使用することによって計算することと、
を含む、請求項3に記載の較正方法。
【請求項8】
前記Nの
感知パッドの回転トラックのうち少なくとも2つから生じる重複部分は、1つの回転トラックとしてみなされる、請求項7に記載の較正方法。
【請求項9】
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置は、
前記ノブが単一の感知パッドのみを含む場合を除き、前記ノブに触れ且つ押す事象に応答して得られた単一の感知位置のみを含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項10】
前記ノブは、Nの感知パッドを含み、Nは、3以上の正の整数であり、前記ノブ上の前記Nの感知パッドの分布範囲は、前記ノブの四分円より小さくなく、前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の位置を計算するステップは、
前記Nの感知パッドの単一の感知位置に従った前記外接円の半径の公式を使用することによって前記ノブの中心の位置を計算すること
を含む、請求項9に記載の較正方法。
【請求項11】
タッチパネルに適用可能なノブに対する較正装置であって、前記ノブは、少なくとも1つの感知パッドを含み、当該較正装置は、
前記タッチパネルを介して各感知パッドの位置を感知することによって、前記少なくとも1つの感知パッドの前記各感知パッドの少なくとも1つの感知位置を得るように構成された感知処理回路と、
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、前記ノブの中心の位置を計算するように構成された計算回路と、
を含
み、
前記各感知パッドの前記少なくとも1つの感知位置は、前記ノブが単一の感知パッドのみを含む場合に複数の感知位置を含み、
前記ノブの中心の位置は、前記ノブが単一の感知パッドのみを含む場合、前記ノブが2つの感知パッドのみを含む場合、及び、前記ノブが、3以上の正の整数であるNの感知パッドを含む場合に異なって計算される、較正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインターフェース(UI)の機構設計に関し、特に、タッチパネルに適用可能なノブに対する較正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノブ装置は、オーディオプレーヤーの音量調整用ノブ、ラジオの周波数調整用ノブ、及びカーコンソールの空調/風量調整用ノブ等の一般的な電子装置に使用されることが多く、これらの電子装置の多くはタッチパネルを備えている。従って、どのようにしてノブ装置とタッチパネルとを統合してユーザの制御を支援するかが問題となっている。タッチパネルがノブを備えている場合、何らかの理由でノブの位置がオフセットされることがある。例えば、ノブの位置は、老朽化による積層材料の劣化又は位置決めエラーのためにオフセットされることがある。位置のオフセットは、ノブの回転角度の間違った決定を引き起こし、さらにノブの安定性及び信頼性に影響を及ぼすことがある。従って、新規の較正方法及び関連するアーキテクチャが、いかなる副作用も導入することなく、又は副作用を導入する可能性がより少ない方法で必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、ノブの新しい中心を得るための較正方法及び関連する較正装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、タッチパネルに適用可能なノブに対する較正方法を提供する。ノブは、少なくとも1つの感知パッドを含む。当該較正方法は:タッチパネルを介して各感知パッドの位置を感知することによって、上記の少なくとも1つの感知パッドの上記の各感知パッドの少なくとも1つの感知位置を得るステップ;及び、上記の各感知パッドの上記の少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブの中心の位置を計算するステップ;を含む。
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、タッチパネルに適用可能なノブに対する較正装置を提供する。ノブは、少なくとも1つの感知パッドを含む。当該較正装置は、感知処理回路と、計算回路とを含む。感知処理回路は、タッチパネルを介して各感知パッドの位置を感知することによって、上記の少なくとも1つの感知パッドの上記の各感知パッドの少なくとも1つの感知位置を得るように構成される。計算回路は、上記の各感知パッドの上記の少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブの中心の位置を計算するように構成される。
【0006】
本発明の較正方法及び較正装置は、計算することによってノブの新しい中心を得ることができる。ノブを押すか又は回転させることを介して、1つ以上の感知パッドの位置を得ることができる。ノブの新しい中心を、1つ以上の感知パッドの十分な感知位置に従って計算することができる。本発明の較正方法は、ノブの中心の正確な位置を提供し、それによって、ノブの回転角度が誤って決定されるのを防ぎ、ノブの安定性及び信頼性を改善している。
【0007】
本発明のこれら及び他の目的は、少しの疑いもなく、様々な図及び図面において例示されている以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による、タッチパネルに適用可能なノブに対する較正装置の図である。
【
図2】ノブの位置のオフセット及び影響を受ける回転角度を例示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、ノブに対する較正方法の流れ図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、1つの単一の感知パッドのみを有するノブに対する較正方法を例示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、2つの単一の感知パッドを有するノブに対する較正方法を例示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、分布範囲がノブの四分円よりも小さい3つの単一の感知パッドを有するノブに対する較正方法を例示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、分布範囲がノブの四分円よりも小さくない3つの単一の感知パッドを有するノブに対する較正方法を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照されたい。
図1は、本発明の一実施形態による、タッチパネル200に適用可能なノブ100に対する較正装置180の図である。
図1において示されているように、ノブ100は、タッチパネル200上に配置され、少なくとも1つの感知パッド120を含む。一実施形態において、ノブ100は、1つの単一の感知パッド120のみを含んでもよい。別の実施形態において、ノブ100は、複数の感知パッド120を含んでもよい。簡潔にするために、1つの感知パッド120のみが
図1において示されている。1つの単一の感知パッド120のみを有するノブ100を一例とすると、ユーザがノブ100に接触することによってノブ100を動作させる場合、ノブ100は、感知パッド120を通る導電経路を形成する。この経路は、ノブ100に触れたユーザの指が、導電経路を介してタッチパネル200に接続されるのを可能にし、これは、ユーザがタッチパネル200を間接的に制御するのを可能にするのと同等である。言い換えると、ユーザがノブ100に触れると、タッチパネル200は、タッチパネル200、ノブ100、及びユーザによって形成されたループに応答して感知信号を生成する。感知信号は、感知パッド120の位置情報を含む。さらに、ユーザがノブ100を回転させると、回転角度を、感知パッド120の位置を介して計算することができるように、タッチパネル200は、感知パッド120の移動及び位置に応答して複数の感知信号を生成する。加えて、ノブ100に対する較正装置180が、ノブの位置に対する較正を行うために提供される。較正装置180は、感知処理回路140及び計算回路160を含む。感知処理回路140は、タッチパネル200を介して各感知パッド120の位置を感知することによって、各感知パッド120の少なくとも1つの感知位置を得るように構成される。計算回路160は、ノブ100の中心の新しい位置を得て、ノブ100の中心の元の位置と置き換えることができるように、各感知パッド120の少なくとも1つの感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブ100の中心の位置を計算するように構成される。
【0010】
回転角度が、ノブのオフセットされた中心に対して誤って決定され得るように、ノブの位置は、何らかの理由でオフセットされることがある。
図2を参照されたい。
図2は、ノブ100の位置のオフセットと、影響を受ける回転角度とを例示した図である。
図2において示されているように、例えば、ノブ100は、ノブ100の中心もオフセットされるように、元の位置からオフセットされた位置までオフセットされる。感知パッド120が(オフセットされた位置における)位置Aから位置Bまで回転されると仮定すると、感知パッド120の位置Bは感知位置であるため、感知パッド120はオフセット中心に対して回転角度θ1だけ回転されていると決定される。しかし、ノブ100の中心がオフセットされ且つ較正されていないと仮定すると、中心の位置は、元の中心の位置としてみなされる。その結果、感知パッド120の感知位置は位置Bであるため、元の中心に対する感知パッド120の回転角度はθ2であると計算されるため、ノブの回転角度は回転角度θ2として誤って決定される。従って、ノブの中心の位置は修正されなければならない。
【0011】
図3を参照されたい。
図3は、本発明の一実施形態による、ノブ100に対する較正方法の流れ
図300である。本発明の較正方法300は、
図1において示されている較正装置180によって利用されてもよく、以下のステップを含んでもよい。
【0012】
ステップ302:タッチパネルを介して感知パッドの位置を感知することによって、各感知パッドの少なくとも1つの感知位置を得る;
ステップ304:ノブ100によって利用される感知パッドの量を決定する。ノブ100は、Nの感知パッドを有し、Nは正の整数である。ノブ100が1つの単一の感知パッドのみを有する(簡潔にするために、
図3においては「N=1」とラベルされている)場合、流れはステップ306に進み;ノブ100が2つの感知パッドのみを有する(簡潔にするために、
図3においては「N=2」とラベルされている)場合、流れはステップ312に進み;ノブ100が3つ以上の感知パッドを有する(簡潔にするために、
図3においては「N≧3」とラベルされている)場合、流れはステップ320に進む;
ステップ306:単一の感知パッドの感知位置に従って、単一の感知パッドの回転トラックを感知し、この回転トラックは、少なくともノブの四分円を横断する;
ステップ308:単一の感知パッドの移動トラックとして回転トラックを整理する、及び
ステップ310:移動トラックに従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブの中心の位置を計算する。
【0013】
ステップ312:それぞれ、2つの感知パッドの感知位置に従って、2つの感知パッドの回転トラックを感知し、2つの感知パッドの回転トラックを合計することによって形成された総トラックが、少なくともノブの四分円を横断する;
ステップ314:2つの感知パッドの移動トラックとして総トラックを整理する;及び
ステップ316:移動トラックに従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブの中心の位置を計算する。
【0014】
ステップ318:ノブ上のN(N≧3)の感知パッドの分布範囲が、ノブの四分円よりも小さいかどうかを決定する。はいの場合、流れはステップ320に進み;いいえの場合、流れはステップ326に進む。
【0015】
ステップ320:それぞれ、Nの感知パッドの感知位置に従って、Nの感知パッドの回転トラックを感知し、Nの感知パッドの回転トラックを合計することによって形成された総トラックは、少なくともノブの四分円を横断する;
ステップ322:Nの感知パッドの移動トラックとして総トラックを整理する;及び、
ステップ324:移動トラックに従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブの中心の位置を計算する。
【0016】
ステップ326:Nの感知パッドの単一の感知位置に従った外接円の半径の公式を使用することによって、ノブの中心の位置を計算し、感知パッドの各感知位置は、ノブに触れ且つ押す事象に応答して得られる1つの単一の感知位置のみを含む。
【0017】
当該較正方法は、外接円の半径の公式を使用して、1つ又は複数の感知パッドの複数の感知位置に従ってノブの中心の新しい位置を計算する。複数の感知位置の分布範囲は、計算の精度を得るために、ノブの四分円よりも大きく(例えば、それ以上で)なくてはならない。従って、異なる数の感知パッドを有するノブに応答して、ノブは、異なる角度で回転されるか又は押される必要がある。
【0018】
図4を参照されたい。
図4は、本発明の一実施形態による、1つの単一の感知パッド120のみを有するノブ100に対する較正方法を例示した図である。ノブ100の四分円よりも小さくはない部分的な周囲長に沿って分布された感知位置を得るために、1つの単一の感知パッド120のみを有するノブ100は、少なくともノブの四分円回転させる必要がある。言い換えると、1つの単一の感知パッド120のみを有するノブ100は、少なくとも90度回転させる必要がある。感知位置は、ノブ100に触れ且つ回転させる事象に応答して生成される。感知パッド120の元の位置及び最終の位置は、ノブの四分円よりも小さくない部分的な周囲長に沿って分布されるため、1つの単一の感知パッド120の元の位置、最終の位置、及び移動トラック上の任意の位置を使用して、ノブ100の中心の位置を計算することができる。
【0019】
図5を参照されたい。
図5は、本発明の一実施形態による、2つの感知パッド120を有するノブ100に対する較正方法を例示した図である。同様に、ノブ100の四分円よりも小さくない部分的な周囲長に沿って分布された感知位置を得るために、2つの感知パッド120A及び120Bを有するノブ100を回転させる必要がある。感知位置は、ノブ100に触れ且つ回転させる事象に応答して生成される。2つの感知パッド120A及び120Bは、それぞれ2つの回転トラックを有する。総トラックは、2つの感知パッド120A及び120Bの回転トラックを合計することによって形成され、総トラックは、少なくともノブの四分円を横断しなければならない。
図5において示されているように、感知パッド120Aの元の位置及び感知パッド120Bの最終の位置は、ノブの四分円よりも小さくない部分的な周囲長に沿って分布されるため、感知パッド120Aの元の位置、感知パッド120Bの最終の位置、及び任意の感知パッドの回転トラック上の任意の位置を使用して、ノブ100の中心の位置を計算することができる。2つの回転トラックの重複部分は、総トラックにおいて1つの回転トラックとしてみなされることが注意されるべきである。
【0020】
図6を参照されたい。
図6は、本発明の一実施形態による、3つの単一の感知パッド120を有するノブ100に対する較正方法を例示した図であり、分布範囲は、ノブの四分円よりも小さい。同様に、ノブ100の四分円よりも小さくはない部分的な周囲長に沿って分布された感知位置を得るために、3つの感知パッド120A、120B、及び120Cを有するノブ100を回転させる必要がある。感知位置は、ノブ100に触れ且つ回転させる事象に応答して生成される。3つの感知パッド120A、120B、及び120Cは、それぞれ3つの回転トラックを有する。総トラックは、3つの感知パッド120A、120B、及び120Cの回転トラックを合計することによって形成され、総トラックは、少なくともノブの四分円を横断しなければならない。
図6において示されているように、感知パッド120Aの元の位置及び感知パッド120Cの最終の位置は、ノブの四分円よりも小さくない部分的な周囲長に沿って分布されるため、感知パッド120Aの元の位置、感知パッド120Cの最終の位置、及び任意の感知パッドの回転トラック上の任意の位置を使用して、ノブ100の中心の位置を計算することができる。3つの回転トラックの重複部分は、総トラックにおいて1つの回転トラックとしてみなされることが注意されるべきである。さらに、ノブが3つ以上の感知パッドを有し、分布範囲がノブの四分円よりも小さい場合も、必要な感知位置を得るために、総トラックは少なくともノブの四分円を横断しなければならない。
【0021】
図7を参照されたい。
図7は、本発明の一実施形態による、3つの単一の感知パッド120を有し、分布範囲がノブの四分円よりも小さくないノブ100に対する較正方法を例示した図である。ノブの四分円よりも小さくない部分的な周囲長に沿って分布された感知位置を得るために、3つの感知パッド120A、120B、及び120Cを有するノブ100は、回転されることなく直接押されてもよい。
図7において示されているように、3つの感知パッド120A、120B、及び120Cは、ノブの四分円よりも小さくない部分的な周囲長に沿って分布されているため、3つの感知パッド120A、120B、及び120Cの位置を使用して、ノブ100の中心の位置を計算することができる。感知位置は、ノブ100に触れ且つ押す事象に応答して生成される。ノブ100を押す事象は、3つの感知パッド120A、120B、及び120Cの位置を得ることであるということが注意されるべきである。一部の実施形態では、わずかに触れることによって、タッチパネルに、ノブの3つの感知パッドの位置を感知させることができる。さらに、ノブが3つ以上の感知パッドを有し、分布範囲がノブの四分円よりも小さくない場合、ノブの中心の位置を、感知パッドの元の位置に従って計算することができる。
【0022】
具体的には、回転トラックにおける異なる感知位置に従って計算されたノブの中心の位置において、ある程度の差が実際には生じる。従って、ノブの中心の少なくとも1つの別の位置を、各感知パッドの別の感知位置に従って計算することができ、ノブの中心の平均位置を、ノブの中心の複数の計算された位置に対する平均計算を行うことによって得て、中心の較正された位置をより正確にすることができ、ここで、複数の計算された位置は、ノブの中心の位置と別の位置とを含む。
【0023】
上記の構成によると、本発明の較正方法及び較正装置は、計算することによってノブの中心の新しい位置を得ることができる。ノブを押すか又は回転させることを介して、1つ以上の感知パッドの位置を得ることができる。ノブの中心の新しい位置を、1つ以上の感知パッドの十分な感知位置に従って計算することができる。本発明の較正方法は、ノブの中心の正確な位置を提供し、それによって、ノブの回転角度が誤って決定されるのを防ぎ、ノブの安定性及び信頼性を改善している。
【0024】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多くの修正及び変更を行うことができることを容易に観察することになる。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。