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特許7358595車両用クリーナシステムおよび車両用クリーナシステムを備える車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】車両用クリーナシステムおよび車両用クリーナシステムを備える車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20231002BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
B60S1/62 120C
B60S1/62 110A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022161247
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2018558981の分割
【原出願日】2017-12-08
(65)【公開番号】P2022185085
(43)【公開日】2022-12-13
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2016256292
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016256293
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016256294
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016256295
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 和貴
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】永井 輝
(72)【発明者】
【氏名】久保田 晃宜
(72)【発明者】
【氏名】市川 靖洋
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-019403(JP,A)
【文献】国際公開第2014/010578(WO,A1)
【文献】特開2011-240910(JP,A)
【文献】特開2015-214317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00-1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象物を洗浄するための車両用クリーナシステムであって、
洗浄液を収容するタンクと、
前記タンク内の洗浄液を圧送するポンプと、
高圧空気を生成する高圧空気生成部と、
前記洗浄液を前記洗浄対象物の洗浄面に向けて噴射する第一の出射口と、
前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射する第二の出射口と、
前記洗浄液の噴射と前記高圧空気の噴射とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記洗浄液および前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射させる第一の作動モードと、前記高圧空気のみを前記洗浄面に向けて噴射させる第二の作動モードと、を切り替えて実行可能であり、
前記制御部は、前記洗浄対象物の種類に応じて、前記第一の作動モードと前記第二の作動モードとを切り替える、
車両用クリーナシステム。
【請求項2】
前記洗浄対象物は、車両に搭載される車両用灯具および車載センサのうち少なくとも一つを含み、
前記タンクは、前記車両のウインドウに向けて前記洗浄液を噴射させるためのウインドウウォッシャ用のものを兼用している、請求項1に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項3】
洗浄対象物を洗浄するための車両用クリーナシステムであって、
洗浄液を収容するタンクと、
前記タンク内の洗浄液を圧送するポンプと、
高圧空気を生成する高圧空気生成部と、
前記洗浄液を前記洗浄対象物の洗浄面に向けて噴射する第一の出射口と、
前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射する第二の出射口と、
前記洗浄液の噴射と前記高圧空気の噴射とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記洗浄液および前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射させる第一の作動モードと、前記高圧空気のみを前記洗浄面に向けて噴射させる第二の作動モードと、を切り替えて実行可能であり、
前記洗浄対象物は、複数の車載カメラを含み、
前記制御部は、前記複数の車載カメラのうち一つのカメラに対しては、前記第一の作動モードを実行し、他のカメラに対しては前記第二の作動モードを実行する、
車両用クリーナシステム。
【請求項4】
前記洗浄対象物は、車両に搭載される車両用灯具をさらに含み、
前記タンクは、前記車両のウインドウに向けて前記洗浄液を噴射させるためのウインドウウォッシャ用のものを兼用している、請求項3に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項5】
前記ウインドウウォッシャが作動された状態において、前記制御部は、前記車両用クリーナシステムの作動スイッチがオンされているか否かを判定し、前記作動スイッチがオンされていると判定された場合に前記第一の作動モードを実行する、請求項2または請求項に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項6】
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは一つの出射口から構成されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項7】
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは、それぞれ独立した別個の出射口から構成され、
前記第一の出射口は、前記第二の出射口よりも前記洗浄面に対して離れた位置に形成されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の車両用クリーナシステムを備えている、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄対象物を洗浄する車両用クリーナシステムおよび車両用クリーナシステムを備える車両に関する。
【0002】
また、本発明は、洗浄対象物を洗浄する車両用クリーナおよび車両用クリーナを備える車両に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、車両周囲の状況を撮影する車載カメラが搭載された車両が増えてきている。車載カメラは、撮像面であるレンズが雨や泥等で汚れてしまう場合がある。このため、従来、レンズ上に付着した水滴等の異物を除去するために、車載カメラのレンズに洗浄液や圧縮空気等を吹き付けて異物を除去する装置が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、車載カメラの近傍に圧縮空気発生ユニットを設置し、圧縮空気発生ユニットの圧縮空気をノズルから噴射して車載カメラの前面ガラスに高圧の空気を吹き付けるようにすることで前面ガラスに付着した水滴を取り除く構成が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特開2001-171491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような構成において、前面ガラスに付着した異物(特に泥など)を除去するためには高圧空気の吹き付けだけでは不十分な場合がある。
【0007】
本発明は、簡便な構成で、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することが可能な車両用クリーナシステムおよび車両用クリーナシステムを備える車両を提供することを目的とする。
【0008】
また、特許文献1のような構成では、単一の洗浄対象物(例えば、一台の車載カメラの前面ガラス)に付着した異物を除去することしかできない。
【0009】
本発明は、簡便な構成で、複数の洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することが可能な車両用クリーナおよび車両用クリーナを備える車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の車両用クリーナシステムは、
洗浄対象物を洗浄するための車両用クリーナシステムであって、
洗浄液を収容するタンクと、
前記タンク内の洗浄液を圧送するポンプと、
高圧空気を生成する高圧空気生成部と、
前記洗浄液を前記洗浄対象物の洗浄面に向けて噴射する第一の出射口と、
前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射する第二の出射口と、
前記洗浄液の噴射と前記高圧空気の噴射とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第一の出射口からの前記洗浄液の噴射を開始した後で、前記第二の出射口からの前記高圧空気の噴射を開始するように制御する。
【0011】
上記構成によれば、簡便な構成で、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0012】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記制御部は、前記第一の出射口からの前記洗浄液の噴射が完了してから所定時間経過後に前記第二の出射口からの前記高圧空気の噴射を開始してもよい。
【0013】
上記構成によれば、高圧空気用の第二の出射口に第一の出射口から噴射される流体が流入することを防止することができる。
【0014】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記洗浄対象物は、車両に搭載される車両用灯具および車載センサのうち少なくとも一つを含み、
前記タンクおよび前記ポンプは、前記車両のウインドウに向けて前記洗浄液を噴射させるためのウインドウウォッシャ用のものを兼用していてもよい。
【0015】
上記構成によれば、ウインドウウォッシャで用いられる洗浄液を、車両用灯具や車載センサの洗浄にも用いることができる。
【0016】
また、本発明の車両用クリーナシステムは、
前記車両のウインドウに向けて前記洗浄液を噴射させるためのウインドウウォッシャを、さらに備え、
前記ウインドウウォッシャは、前記ウインドウへ向けて前記洗浄液を噴射する第三の出射口を有し、
前記制御部は、前記第一の出射口と前記第三の出射口との双方から前記洗浄液を噴射させるモードと、前記第一の出射口と前記第三の出射口とのいずれか一方のみから前記洗浄液を噴射させるモードと、を切り替えて実行可能であってもよい。
【0017】
上記構成によれば、状況に応じてモードを切り替えることで、ポンプの寿命低下や洗浄液の消費を抑制することができる。
【0018】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは一つの出射口から構成されていてもよい。
【0019】
上記構成によれば、洗浄液と高圧空気との出射口を共通とすることで、出射口が形成されるノズルを小型化することができる。
【0020】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは、それぞれ独立した別個の出射口から構成され、
前記第一の出射口は、前記第二の出射口よりも前記洗浄面に対して離れた位置に形成されていてもよい。
【0021】
上記構成によれば、高圧空気用の第二の出射口に第一の出射口から噴射される流体が流入することをさらに防止することができる。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本発明の車両用クリーナシステムは、
洗浄対象物を洗浄するための車両用クリーナシステムであって、
洗浄液を収容するタンクと、
前記タンク内の洗浄液を圧送するポンプと、
高圧空気を生成する高圧空気生成部と、
前記洗浄液を前記洗浄対象物の洗浄面に向けて噴射する第一の出射口と、
前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射する第二の出射口と、
前記洗浄液の噴射と前記高圧空気の噴射とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記洗浄液および前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射させる第一の作動モードと、前記高圧空気のみを前記洗浄面に向けて噴射させる第二の作動モードとを、切り替えて実行可能である。
【0023】
上記構成によれば、簡便な構成で、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することが可能な車両用クリーナシステムを提供することができる。
【0024】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記制御部は、前記洗浄対象物の種類に応じて、前記第一の作動モードと前記第二の作動モードとを切り替えてもよい。
【0025】
上記構成によれば、洗浄対象物の種類に応じて適切な方法で洗浄することができる。
【0026】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記洗浄対象物は、車両に搭載される車両用灯具および車載センサのうち少なくとも一つを含み、
前記タンクおよび前記ポンプは、前記車両のウインドウに向けて前記洗浄液を噴射させるためのウインドウウォッシャ用のものを兼用してもよい。
【0027】
上記構成によれば、ウインドウウォッシャで用いられる洗浄液を、車両用灯具や車載センサの洗浄にも用いることができる。
【0028】
また、本発明の車両用クリーナシステムは、
前記ウインドウウォッシャが作動された状態において、前記制御部は、前記車両用クリーナシステムの作動スイッチがオンされているか否かを判定し、前記作動スイッチがオンされていると判定された場合に前記第一の作動モードを実行してもよい。
【0029】
上記構成によれば、車両の運転者による作動スイッチのオンオフに応じて、洗浄対象物への洗浄液および高圧空気の噴射を実行することができる。
【0030】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記洗浄対象物は、複数の車載カメラを含み、
前記制御部は、前記複数の車載カメラのうち一つのカメラに対しては、前記第一の作動モードを実行し、他のカメラに対しては前記第二の作動モードを実行してもよい。
【0031】
上記構成によれば、用途の異なる車載カメラに対して異なる作動モードを実行することで、ポンプの消耗や洗浄液の消費を抑制することができる。
【0032】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは一つの出射口から構成されていてもよい。
【0033】
上記構成によれば、洗浄液と高圧空気との出射口を共通とすることで、出射口が形成されるノズルを小型化することができる。
【0034】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは、それぞれ独立した別個の出射口から構成され、
前記第一の出射口は、前記第二の出射口よりも前記洗浄面に対して離れた位置に形成されていてもよい。
【0035】
上記構成によれば、高圧空気を噴射する際に流体が混入することを防止することができる。
【0036】
また、上記目的を達成するために、本発明の車両用クリーナシステムは、
洗浄対象物を洗浄するための車両用クリーナシステムであって、
洗浄液を収容するタンクと、
前記タンク内の洗浄液を圧送するポンプと、
高圧空気を生成する高圧空気生成部と、
前記洗浄液および前記高圧空気を前記洗浄対象物の洗浄面に向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記洗浄液を前記洗浄面に向けて噴射する第一の出射口と、前記高圧空気を前記洗浄面に向けて噴射する第二の出射口とを互いに独立して有している。
【0037】
上記構成によれば、同一の洗浄対象物に対して、高圧空気と洗浄液とを互いに独立して噴射することで、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0038】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口は、前記第二の出射口よりも前記洗浄面に対して離れた位置に形成されていてもよい。
【0039】
上記構成によれば、高圧空気の噴射時に洗浄液が混入することを防止することができる。
【0040】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口と前記第二の出射口とは、前記洗浄面の同側面において並列配置されていてもよい。
【0041】
上記構成によれば、ノズルのサイズを小型化することができる。
【0042】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第二の出射口は、前記洗浄面の中心部と対向する位置に配置されていてもよい。
【0043】
上記構成によれば、洗浄液用の第一の出射口よりも周囲の環境に影響されやすい高圧空気用の第二の出射口を洗浄面の中心部に対向配置することで、洗浄面への高圧空気を適切に噴射させることができる。
【0044】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口と前記第二の出射口との間には段差が形成されていてもよい。
【0045】
上記構成によれば、高圧空気用の第二の出射口に第一の出射口から噴射される洗浄液が巻き込まれることを防止することができる。
【0046】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口の出射角度は、前記第二の出射口の出射角度よりも広くてもよい。
【0047】
上記構成によれば、第二の出射口よりも洗浄面に対して離れて配置されている第一の出射口からの洗浄液の噴射領域を広げることができる。
【0048】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記第一の出射口は、前記第二の出射口からの前記高圧空気の噴射方向とは異なる方向から前記洗浄液を噴射するように、配置されていてもよい。
【0049】
上記構成によれば、高圧空気の噴射と洗浄液の噴射とが互いに干渉することがない。
【0050】
また、本発明の車両用クリーナシステムにおいて、
前記洗浄対象物は、車両に搭載される車両用灯具および車載センサのうち少なくとも一つを含み、
前記第二の出射口は、前記高圧空気を前記洗浄面に対して前記車両の上下いずれか一方の方向から噴射する位置に配置され、
前記第一の出射口は、前記洗浄液を前記洗浄面に対して前記車両の左右いずれか一方の方向から噴射する位置に配置されてもよい。
【0051】
上記構成によれば、洗浄液よりも外気環境に影響を受けやすい高圧空気を洗浄面へ向けて適切に噴射することができる。
【0052】
また、本発明の車両用クリーナシステムを備える車両は、
上記いずれかの構成を有する車両用クリーナシステムを備えている。
【0053】
上記構成によれば、簡便な構成で、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0054】
また、上記目的を達成するために、本発明の車両用クリーナは、
洗浄対象物を洗浄するための車両用クリーナであって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記洗浄対象物の洗浄面に向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記生成部は、
内部に空気が流入されるシリンダと、
前記シリンダに移動自在に支持され前記高圧空気を前記ノズル側に送り出すピストンと、
前記ピストンを付勢する付勢バネと、
前記ピストンに移動力を付与して所定の位置まで移動させる移動機構と、
前記移動機構を駆動する単一の駆動部と、を備え、
前記単一の駆動部に対して、前記移動機構により移動可能なそれぞれのピストンと、前記それぞれのピストンに対応するそれぞれのシリンダが複数設けられている。
【0055】
上記構成によれば、簡便な構成で、複数の洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することが可能な車両用クリーナを提供することができる。
【0056】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記移動機構は、
前記単一の駆動部によって回転される単一のウォームと、
前記単一のウォームに噛合され前記単一のウォームの回転に伴って回転される複数のウォームホイールと、を有し、
各ウォームホイールは、外周部に複数のギヤ歯が突出するピニオンをそれぞれ有し、
各ピストンには、前記複数のギヤ歯と噛合するラック歯を有するラックがそれぞれ連結されていてもよい。
【0057】
上記構成によれば、簡便な構成で複数気筒の生成部を形成することができる。
【0058】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記単一の駆動部に対して、第一のシリンダと第二のシリンダとが設けられており、
前記第一のシリンダは、前記駆動部の駆動軸を中心にして、第二のシリンダとは対称位置に配置されていてもよい。
【0059】
上記構成によれば、生成部の薄型化を図ることができるとともに、各シリンダで発生する振動を互いに打ち消し合うことができる。
【0060】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記第一のシリンダと前記第二のシリンダとの間に前記駆動部が挟まれて配置されていてもよい。
【0061】
上記構成によれば、生成部のさらなる小型化を図ることができる。
【0062】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記第一のシリンダおよび前記第二のシリンダは、前記高圧空気を前記ノズル側に送り出すための出射口をそれぞれ備え、
前記第一のシリンダの出射口は、前記第二のシリンダの出射口とは反対方向を向くように形成されていてもよい。
【0063】
上記構成によれば、高圧空気噴射時の振動を更に打ち消し合うことができる。
【0064】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記単一の駆動部に対して、第一のシリンダと第二のシリンダとが設けられており、
前記第一のシリンダの前記ピストンの位相と、前記第二のシリンダの前記ピストンの位相とが異なっていてもよい。
【0065】
上記構成によれば、複数の洗浄対象物に対して異なるタイミングで高圧空気を噴射させることができる。
【0066】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記単一の駆動部に対して、第一のシリンダと第二のシリンダとが設けられており、
前記移動機構は、
前記単一の駆動部によって回転される単一のウォームと、
前記単一のウォームに噛合され前記単一のウォームの回転に伴って回転される単一のウォームホイールと、を有し、
前記ウォームホイールは、外周部に複数のギヤ歯が突出するピニオンを有し、
前記第一のシリンダの前記ピストンおよび前記第二のシリンダの前記ピストンには、前記複数のギヤ歯と噛合するラック歯を有するラックがそれぞれ連結され、
前記第一のシリンダは、前記第二のシリンダと隣接して配置されていてもよい。
【0067】
上記構成によれば、生成部の幅方向の小型化を図ることができる。
【0068】
また、本発明の車両用クリーナにおいて、
前記シリンダは、前記生成部の筐体に形成された第一の係合部と対向する外側面に第二の係合部を有し、
前記第一の係合部と前記第二の係合部とが互いに係合されることで前記シリンダが前記筐体に取り付け可能となってもよい。
【0069】
上記構成によれば、シリンダを生成部の筐体に対して容易に取り付けることができる。
【0070】
また、本発明の車両用クリーナを備える車両は、
上記いずれかの構成を有する車両用クリーナを備えている。
【0071】
また、上記構成によれば、簡便な構成で、複数の洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【発明の効果】
【0072】
本発明の車両用クリーナシステムによれば、簡便な構成で、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。また、本発明の車両用クリーナシステムを備える車両によれば、簡便な構成で、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0073】
また、本発明の車両用クリーナによれば、簡便な構成で、複数の洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。また、本発明の車両用クリーナを備える車両によれば、簡便な構成で、複数の洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】本発明の実施形態に係る車両用クリーナシステムを備える車両の後部の斜視図である。
図2】車両用クリーナシステムの高圧空気生成部、ノズル等を示す正面図である。
図3図2に示す車両用クリーナシステムの平面図である。
図4図2の左側面図である。
図5図2のA-Aにおける断面図である。
図6】高圧空気生成部の平面図である。
図7図6に示す高圧空気生成部の内部を示す断面図である。
図8】高圧空気生成部の生成本体部を示す平面図である。
図9図8に示す生成本体部の断面図である。
図10】車載カメラに取り付けられたノズルの上方斜視図である。
図11】車載カメラに取り付けられたノズルの下方斜視図である。
図12】車載カメラに取り付けられたノズルの断面図である。
図13】車両用クリーナシステムの動作を説明するためのブロック図である。
図14】車両用クリーナシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図15】車両用クリーナシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図16】生成本体部の変形例1を示す平面図である。
図17A】生成本体部の変形例2を示す背面図である。
図17B】生成本体部の変形例2を示す平面図である。
図18】ノズルの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
本発明の車両用クリーナシステムは、車両に搭載される車両用灯具、車載センサ、あるいは車両のウインドウ等(洗浄対象物の一例)に付着する水滴や泥や塵埃等の異物を洗浄液や高圧空気を用いて洗浄するシステムとして適用される。
【0076】
図1に示すように、車両用クリーナシステム1は、例えば車両Vの後部に搭載される車載カメラ100(車載センサの一例)および車両Vのリアウインドウ200に付着する異物を洗浄するために使用されうる。
【0077】
車両用クリーナシステム1は、車両Vのリアウインドウ200に向けて洗浄液を噴射させるためのウインドウウォッシャ装置10を備えている。ウインドウウォッシャ装置10は、洗浄液を収容するタンク11と、タンク11に収容されている洗浄液を圧送するモータポンプ12(ポンプの一例)と、リアウインドウ200へ向けて洗浄液を噴射するノズル13とを備えている。ノズル13にはリアウインドウ200に向けて開口する出射口14(第三の出射口の一例)が設けられている。タンク11とモータポンプ12は車両Vの例えばボンネット内に配置されている。ノズル13は連結ホース15を介してモータポンプ12に連結されている。なお、タンク11とモータポンプ12は車両Vのリア側に配置されてもよい。ウインドウウォッシャ装置10は、車両Vのフロントウインドウを洗浄する装置としても機能し得る。
【0078】
ウインドウウォッシャ装置10は、車両ECU(Electronic Control Unit)40により制御されている。例えばリアウインドウ200を洗浄するためのリアウォッシャボタン(図示省略)が運転者により押されると、車両ECU40は、タンク11の洗浄液が出射口14からリアウインドウ200に向けて噴射されるように制御する。また、車両ECU40は、洗浄液が噴射された後、リアワイパー201が所定回数だけ動作するように制御する。
【0079】
また、車両用クリーナシステム1は、高圧空気を生成する高圧空気生成部2と、車載カメラ100に向けて洗浄液および高圧空気を噴射するノズル3と、ノズル3の噴射を制御する制御部4とを備えている。
【0080】
高圧空気生成部2は、例えばライセンスプレート300に光を照射するライセンスプレートランプ301が取り付けられている取付部材310に取り付けられる。ノズル3は、車載カメラ100のハウジングと一体的に形成されており、車載カメラ100と共に取付部材310に取り付けられている。取付部材310は、車両後部の例えばアウターパネル210に取り付けられている。アウターパネル210に取り付けられた取付部材310は、ガーニッシュ320によって上方側から覆われている。制御部4は、例えばアウターパネル210内に配置されており、ウインドウウォッシャ装置10を制御する車両ECU40に接続されている。また、制御部4は、高圧空気生成部2に接続されている。なお、制御部4の処理を車両ECU40で行うことにより、制御部を統合する構成としてもよい。
【0081】
図2図3に示すように、取付部材310に取り付けられている車載カメラ100には、例えばインナーミラーカメラ100Aと、バックカメラ100Bとが含まれる。インナーミラーカメラ100Aは、インナーミラー(バックミラー)で確認することが可能な後方の状況(映像)を撮影するためのカメラであり、少なくとも車両Vのエンジンがオンしている間において動作する。バックカメラ100Bは、車両Vの後方近傍の映像を撮影するためのカメラであり、例えば車両Vのギヤがリバースに切り替えられたときに動作する。インナーミラーカメラ100Aおよびバックカメラ100Bで撮影された映像は、例えば車内に設けられているモニタ(図示省略)に表示される。
【0082】
インナーミラーカメラ100Aに取り付けられているノズル3Aは、連結ホース15を介してウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12に連結されており、また、連結ホース29Aを介して高圧空気生成部2に連結されている。バックカメラ100Bに取り付けられているノズル3Bは、連結ホース15を介してウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12に連結されており、また、連結ホース29Bを介して高圧空気生成部2に連結されている。ウインドウウォッシャ装置10用のタンク11とモータポンプ12とは、インナーミラーカメラ100Aおよびバックカメラ100Bを洗浄する洗浄液を噴射するためのタンクおよびモータポンプとして兼用されている。
【0083】
図4に示すように、インナーミラーカメラ100Aは、車両Vの略真後ろを向くように取り付けられている。また、図5に示すように、バックカメラ100Bは、車両Vの後ろ斜め下向きに取り付けられている。
【0084】
図6図7に示すように、高圧空気生成部2は、筐体21と、筐体21内に収容される生成本体部22と、生成本体部22の動作を制御する制御ユニット(制御基板)23とを備えている。生成本体部22は、ダンパ24を介して筐体21に取り付けられている。
【0085】
図8図9に示すように、生成本体部22は、複数(本例では、二個)のシリンダ50A,50Bと、各々のシリンダ内に移動自在に支持されるピストン60A,60Bとを備えている。また、生成本体部22は、ピストン60A,60Bに移動力を付与して所定の位置まで移動させる移動機構70と、移動機構70を駆動する単一の駆動部80とを備えている。
【0086】
シリンダ50Aとシリンダ50Bとは、駆動部80の駆動軸81を中心にして、左右対称の位置に配置されている。また、本例ではシリンダ50Aとシリンダ50Bとの間に駆動部80が挟まれるように配置されている。
【0087】
シリンダ50Aは、高圧空気をインナーミラーカメラ100A用のノズル3Aへ向けて送り出すための出射口51Aを有している。シリンダ50Bは、高圧空気をバックカメラ100B用のノズル3Bへ向けて送り出すための出射口51Bを有している。シリンダ50Aの出射口51Aは、シリンダ50Bの出射口51Bとは反対方向(本例では、出射口51Aが左方向で出射口51Bが右方向)を向くように形成されている。出射口51Aには、ノズル3Aに通じる連結ホース29Aが連結される。出射口51Bには、ノズル3Bに通じる連結ホース29Bが連結される。
【0088】
生成本体部22において、シリンダ50A,50Bは、着脱可能に構成されている。生成本体部22の筐体90には、凹部91(第一の係合部の一例)が形成されている。シリンダ50A,50Bの外側面には、上方へ突出する凸部52A,52B(第二の係合部の一例)が形成されている。筐体90の凹部91にシリンダ50A,50Bの凸部52A,52Bが係合されることで各シリンダ50A,50Bが筐体90に取り付けられる。
【0089】
ピストン60A,60Bは、シリンダ50A,50Bに対して前後方向へ往復運動されるように支持されている。ピストン60A,60Bの前部には、シリンダ50A,50Bの内部において、付勢バネ61A,61Bが支持されている。付勢バネ61A,61Bは、例えば圧縮コイルで構成されており、ピストン60A,60Bを後方へ付勢する。ピストン60A,60Bが付勢バネ61A,61Bの付勢により後方へ移動されると、シリンダ50A,50B内で圧縮された高圧空気が出射口51A,51Bから送り出される。これに対してピストン60A,60Bが付勢バネ61A,61Bの付勢に反して前方へ移動されると、空気(外気)が空気流入溝(図示省略)を通ってシリンダ50A,50B内に流入される。
【0090】
ピストン60A,60Bの前方側の端部には前後に延びるラック62A,62Bが連結されている。ラック62A,62Bは、シリンダ50A,50Bの外部へ飛び出した状態で延在され、ピストン60A,60Bと共に前後方向へ往復運動される。ラック62A,62Bにはラック歯63A,63Bが設けられている。ラック62Aのラック歯63Aは、ラック62Bの方向(右方向)へ突出して設けられており、ラック62Bのラック歯63Bは、ラック62Aの方向(左方向)へ突出して設けられている。
【0091】
移動機構70は、駆動部80によって回転される単一のウォーム71と、ウォーム71に噛合されウォーム71の回転に伴って回転される複数(本例では、二個)のウォームホイール72A,72Bとを備えている。
【0092】
ウォーム71は、駆動部80において前方へ延びる駆動軸81に固定されており、駆動軸81の回転に伴って回転される。
ウォームホイール72A,72Bは、その中心部が筐体90の支持軸部92A,92Bにベアリングを介してそれぞれ支持されている。ウォームホイール72Aとウォームホイール72Bとは、ウォーム71を中心にして、左右対称の位置に配置されている。
【0093】
各ウォームホイール72A,72Bは、従動ギヤ(はす歯ギヤ)73A,73Bと、従動ギヤ73A,73Bの中心部から側方に突出して設けられたピニオン74A,74Bとで構成されている。従動ギヤ73A,73Bは、ウォーム71に噛合されており、ウォーム71の回転に伴って回転される。ピニオン74A,74Bは、従動ギヤ73A,73Bと同軸にされており、従動ギヤ73A,73Bと共に回転される。従動ギヤ73Aおよびピニオン74Aは、図8図9において、時計回りに回転され、従動ギヤ73Bおよびピニオン74Bは、その反対方向である反時計回りに回転される。
【0094】
ピニオン74A,74Bの外周部には、放射状に突出する複数(本例では、二個)のギヤ歯75A,75Bが形成されている。ピニオン74Aのギヤ歯75Aは、ラック62Aのラック歯63Aに噛合可能とされており、ピニオン74Bのギヤ歯75Bは、ラック62Bのラック歯63Bに噛合可能とされている。なお、ピニオン74Aのギヤ歯75Aがピニオン74Aの外周方向において形成されている位置とピニオン74Bのギヤ歯75Bがピニオン74Bの外周方向において形成されている位置とは、ウォーム71を中心にして、左右対称の位置であってもよいし、非対称の位置であってもよい。例えば非対称の場合、前後方向へ往復運動するピストン60Aの位相とピストン60Bの位相とが相違する。
【0095】
このように構成された生成本体部22において所定の条件下において駆動部80が駆動されると、ウォーム71が回転され、ウォーム71に噛合されているウォームホイール72A,72Bの従動ギヤ73A,73Bがそれぞれ反対周りに回転される。従動ギヤ73A,73Bが回転されると、従動ギヤ73A,73Bと一体に形成されているピニオン74A,74Bが回転し、ピニオン74A,74Bのギヤ歯75A,75Bがラック62A,62Bのラック歯63A,63Bにそれぞれ噛合する。ピニオン74A,74Bがさらに回転されると、ラック62A,62Bは、ギヤ歯75A,75Bとの噛合により付勢バネ61A,61Bの付勢力に反して高圧空気の送出方向(後方)と反対方向(前方)へ移動される。これにより、ラック62A,62Bに連結されたピストン60A,60Bが前方に位置され、シリンダ50A,50B内に空気が流入される。ピニオン74A,74Bがさらに回転されると、ラック歯63A,63Bとギヤ歯75A,75Bとの噛合が解除され、ピストン60A,60Bは、付勢バネ61A,61Bの付勢力によって、送出方向(後方)へ移動される。このピストン60A,60Bの移動により、シリンダ50A,50B内の空気は、各出射口51A,51Bから高圧空気となってノズル3A,3Bへ向けて送出される。
【0096】
図10図12に示すように、インナーミラーカメラ100Aに取り付けられているノズル3Aは、洗浄液をインナーミラーカメラ100Aのレンズ101A(洗浄面の一例)に向けて噴射する洗浄液出射口31A(第一の出射口の一例)と、高圧空気をレンズ101Aに向けて噴射する高圧空気出射口32A(第二の出射口の一例)とを有している。なお、バックカメラ100Bに取り付けられているノズル3Bは、ノズル3Aと同様の構成であるため、対応する各部の符号はアルファベット「A」を「B」に置き替えて表されるものとし、ノズル3Bについてはノズル3Aと相違する点のみを説明する。
【0097】
洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aとは、単一のノズル3Aにおいて、それぞれ独立した別個の出射口として形成されている。洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aとは、インナーミラーカメラ100Aの同側面(本例では、上面側)において左右方向に並列配置されている。高圧空気出射口32Aは、レンズ101Aの中心部と対向する位置に配置されている。洗浄液出射口31Aは、レンズ101Aの中心部からずれた位置(本例では、右方向にずれた位置)に配置されている。すなわち、洗浄液出射口31Aは、高圧空気出射口32Aよりもレンズ101Aに対して離れた位置に形成されている。また、洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aとの間には上下方向に段違いとなる段差33が形成されている。
【0098】
洗浄液出射口31Aには、洗浄液が通過する管路34Aが連通されている。また、高圧空気出射口32Aには、高圧空気が通過する管路35Aが連通されている。管路34A,35Aは、インナーミラーカメラ100Aの上面上を前後方向へ延びるように配置されている。
【0099】
管路34A,35Aは、後端側で径が小さくなるように絞られて形成されている。管路34Aの後端口36Aの径は、管路35Aの後端口37Aの径よりも小さく形成されている(図12参照)。後端口36Aと洗浄液出射口31Aとは出射路38Aによって連通され、後端口37Aと高圧空気出射口32Aとは出射路39Aによって連通されている。出射路38Aおよび出射路39Aは、それぞれ出射口31A,32Aに近いほど広くなるように形成されている。出射路38Aの出射角度θ1は、出射路39Aの出射角度θ2よりも広く形成されている。出射路38Aは、レンズ101Aの中心点に向けて右斜め下向きに形成されている。出射路39Aは、レンズ101Aの中心点に向けて真下向きに形成されている。
【0100】
管路34Aの前端部には、ウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12に通じる連結ホース15が連結される。管路35Aの前端部には、シリンダ50Aに通じる連結ホース29Aが連結される。なお、バックカメラ100Bのノズル3Bにおける管路34Bの前端部にはウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12に通じる連結ホース15が連結され、管路35Bの前端部にはシリンダ50Bに通じる連結ホース29Bが連結される。
【0101】
本例では、洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aが、インナーミラーカメラ100Aの上面側において左右方向に並列配置されているがこれに限定されなくてもよい。例えば、洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aとは、インナーミラーカメラ100Aの異なる側面にそれぞれ配置されてもよい。その場合、高圧空気出射口32Aは、高圧空気をレンズ101Aに対して上下いずれか一方の方向から噴射する位置に配置され、洗浄液出射口31Aは、洗浄液をレンズ101Aに対して左右いずれか一方の方向から噴射する位置に配置されることが好ましい。なお、例えば車載カメラが車両の前部に搭載されている構成の場合には、前方からの風圧を考慮すると、高圧空気出射口はレンズに対して下方に配置されていることが好ましい。
【0102】
制御部4および車両ECU40は、例えば洗浄液および高圧空気を洗浄面に向けて噴射させ洗浄する作動モードと、高圧空気のみを洗浄面に向けて噴射させ洗浄する作動モードとを切り替えて実行することが可能である。この場合、制御部4および車両ECU40は、例えば洗浄対象物の種類に応じて上記二つの作動モードを切り替えて実行することが可能である。また、洗浄液および高圧空気を洗浄面に向けて噴射させ洗浄する作動モードの場合、制御部4および車両ECU40は、例えばノズル3Aの洗浄液出射口31Aからの洗浄液の噴射を開始した後で、ノズル3Aの高圧空気出射口32Aからの高圧空気の噴射を開始することが可能である。
【0103】
また、制御部4および車両ECU40は、例えばノズル3Aの洗浄液出射口31Aとノズル13の出射口14との双方から洗浄液を噴射させる作動モードと、ノズル3Aの洗浄液出射口31Aとノズル13の出射口14とのいずれか一方のみから洗浄液を噴射させる作動モードとを切り替えて実行することが可能である。
【0104】
次に、図13図15を参照しつつ車両用クリーナシステム1の動作を説明する。
図13図14に示すように、例えば車両Vのリアウインドウ200を洗浄するためのリアウォッシャボタンが押されると、リアウォッシャ信号が車両ECU40からウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12と、制御部4とに送信される。
【0105】
リアウォッシャ信号を受信したモータポンプ12は、タンク11の洗浄液を、連結ホース15を介して、ウインドウウォッシャ装置10のノズル13と、インナーミラーカメラ100Aのノズル3Aと、バックカメラ100Bのノズル3Bとに圧送する。ノズル13に圧送される洗浄液は、連結ホース15からノズル13の出射口14へ送られてリアウインドウ200に向けて噴射される。ノズル3Aに圧送される洗浄液は、連結ホース15から管路34Aを通過し洗浄液出射口31Aへ送られてインナーミラーカメラ100Aのレンズ101Aに向けて噴射される。ノズル3Bに圧送される洗浄液は、連結ホース15から管路34Bを通過し洗浄液出射口31Bへ送られてバックカメラ100Bのレンズ101Bに向けて噴射される。
【0106】
一回のリアウォッシャ信号に基づいてリアウインドウ200が洗浄される時間T1は、任意に設定することが可能である。また、一回のリアウォッシャ信号に基づくインナーミラーカメラ100Aおよびバックカメラ100Bの洗浄は、リアウインドウ200が洗浄される洗浄動作に同期して実施される。したがって、インナーミラーカメラ100Aおよびバックカメラ100Bが洗浄される時間は、リアウインドウ200が洗浄される時間T1と同じ長さになる(時間T1と異なる長さとなるように制御しても良い)。
【0107】
リアウォッシャ信号を受信した制御部4は、リアウインドウ200が洗浄される時間T1に基づき、リアウインドウ200の洗浄が完了する時点から所定の時間T2が経過した後に、高圧空気生成部2を動作させるための高圧空気生成信号を制御ユニット23に向けて送信する。制御ユニット23は、高圧空気生成部2の生成本体部22を動作させて高圧空気を生成させ、生成された高圧空気をインナーミラーカメラ100Aのノズル3Aと、バックカメラ100Bのノズル3Bとに送出させる。
【0108】
ノズル3Aに送出される高圧空気は、シリンダ50Aの出射口51Aから連結ホース29Aと管路35Aを通過し高圧空気出射口32Aへ送られてインナーミラーカメラ100Aのレンズ101Aに向けて噴射される。ノズル3Bに送出される高圧空気は、シリンダ50Bの出射口51Bから連結ホース29Bと管路35Bを通過し高圧空気出射口32Bへ送られてバックカメラ100Bのレンズ101Bに向けて噴射される。高圧空気の噴射は、洗浄液によるリアウインドウ200の洗浄が完了した時点から時間T2遅延して実施される。高圧空気による洗浄の時間T3は、任意に設定することが可能である。
【0109】
また、図13図14に示すように、例えば車両Vのギヤがリバースポジションにシフトされると、リバース信号が車両ECU40から制御部4に送信される。
リバース信号を受信した制御部4は、ギヤがシフトされた時点から所定の時間T4が経過した後に、高圧空気生成部2を動作させる高圧空気生成信号を制御ユニット23に向けて送信する。制御ユニット23は、高圧空気生成部2の生成本体部22を動作させて高圧空気を生成させ、生成された高圧空気をインナーミラーカメラ100Aのノズル3Aと、バックカメラ100Bのノズル3Bに送出させる。
【0110】
ノズル3Aおよびノズル3Bに送出された高圧空気は、上記リアウォッシャボタンが押された場合と同様に、高圧空気出射口32Aおよび高圧空気出射口32Bから各カメラのレンズに向けてそれぞれ噴射される。高圧空気による洗浄の時間T5は、任意に設定することが可能である。このように、リアウインドウ200に対する噴射と同期せずに、ギヤのシフトポジションの変更等に応じて、インナーミラーカメラ100Aやバックカメラ100Bに対する洗浄液の噴射が実施されるようにしてもよい。なお、ギヤがリバースポジションにシフトされた場合、制御部4は、インナーミラーカメラ100Aのノズル3Aからは高圧空気を噴射させずに、バックカメラ100Bのノズル3Bからのみ高圧空気を噴射させるように制御してもよい。
【0111】
また、図13図15に示すように、例えばインナーミラーカメラ100Aのレンズ101Aまたはバックカメラ100Bのレンズ101Bが汚れていると認識されると、カメラ汚れ信号が車両ECU40からウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12と、制御部4とに送信される。レンズ汚れの有無は、例えば、各カメラで撮影された画像データに基づいて認識される。
【0112】
カメラ汚れ信号を受信したモータポンプ12は、タンク11の洗浄液を、連結ホース15を介して、インナーミラーカメラ100Aのノズル3Aと、バックカメラ100Bのノズル3Bとに圧送する。圧送された洗浄液は、ノズル3Aの洗浄液出射口31Aからインナーミラーカメラ100Aのレンズ101Aに向けて、また、ノズル3Bの洗浄液出射口31Bからバックカメラ100Bのレンズ101Bに向けてそれぞれ噴射される。なお、カメラ汚れ信号が送信された場合、リアウインドウ200の洗浄は実施されない。この場合、例えば、連結ホース15の途中に洗浄液の流路を切り替えるための流路切替部を設けておき、カメラ汚れ信号が送信された場合には、この流路切替部を制御することで洗浄液をノズル3A,3B側にのみ流すようにして、両カメラ100A,100Bのレンズ101A,101Bのみを洗浄することが可能である。一回のカメラ汚れ信号に基づいてレンズ101A,101Bが洗浄される時間T6は、任意に設定することが可能である。
【0113】
カメラ汚れ信号を受信した制御部4は、レンズ101A,101Bが洗浄液で洗浄される時間T6に基づき、レンズ101A,101Bの洗浄が完了した時点から所定の時間T2が経過した後に、高圧空気生成部2を動作させる高圧空気生成信号を制御ユニット23に向けて送信する。その後の動作は、上記リアウォッシャボタンが押されてリアウォッシャ信号が受信された場合と同様であり、高圧空気出射口32Aおよび高圧空気出射口32Bからインナーミラーカメラ100Aのレンズ101Aおよびバックカメラ100Bのレンズ101Bに向けてそれぞれ高圧空気が噴射される。高圧空気の噴射は、洗浄液の噴射によるレンズ101A,101Bの洗浄が完了した時点から時間T2遅延して実施される。
【0114】
また、図13図15に示すように、例えば車載カメラを洗浄するためのカメラ洗浄ボタン(作動スイッチ)を車内に設けておき、カメラ洗浄ボタンが押されたか否かを車両ECU40により判定して、インナーミラーカメラ100Aおよびバックカメラ100Bに対する洗浄液の噴射を制御してもよい。具体的には、カメラ洗浄ボタンが押されると、カメラ洗浄信号が車両ECU40からウインドウウォッシャ装置10のモータポンプ12と、制御部4とに送信される。
カメラ洗浄信号を受信したモータポンプ12および制御部4の動作は、上記のカメラのレンズが汚れていると認識されてカメラ汚れ信号を受信した場合のモータポンプ12および制御部4の動作と同様である。
【0115】
なお、上述した各動作では、インナーミラーカメラ100Aとバックカメラ100Bとを洗浄する場合、両カメラに対して洗浄液の噴射と高圧空気の噴射とによる二種類の洗浄を実施しているがこれに限定されない。例えばインナーミラーカメラ100Aに対しては洗浄液の噴射と高圧空気の噴射とによる二種類の洗浄を実施し、バックカメラ100Bに対しては高圧空気の噴射のみによる洗浄を実施するようにしてもよいし、またその逆であってもよい。
【0116】
上記構成の車両用クリーナシステム1によれば、洗浄液および高圧空気を車載カメラ100に向けて噴射させる作動モードと、高圧空気のみを車載カメラ100に向けて噴射させる作動モードとを有し、制御部によりモードを切り替えて作動させることが可能である。したがって、簡便な構成で、車載カメラ100に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0117】
また、洗浄対象物の種類に応じて、洗浄液および高圧空気を噴射させる作動モードと高圧空気のみを噴射させる作動モードとを切り替えて作動させることが可能である。したがって、各種の洗浄対象物を適切な方法で洗浄することができる。この場合、例えば少なくともエンジンがオンしている間において動作するインナーミラーカメラ100Aに対しては洗浄液および高圧空気を噴射させて洗浄し、ギヤがリバースに切り替えられたときに動作するバックカメラ100Bに対しては高圧空気のみを噴射させて洗浄することが可能である。したがって、使用頻度の多いインナーミラーカメラ100Aに対する高い洗浄性を確保しつつ、モータポンプ12の消耗や洗浄液の消費を抑制することができる。
【0118】
また、例えばインナーミラーカメラ100Aを洗浄する場合、ノズル3Aの洗浄液出射口31Aからの洗浄液の噴射を開始した後で、高圧空気出射口32Aからの高圧空気の噴射を開始するように制御することが可能である。したがって、簡便な構成で、インナーミラーカメラ100Aに付着した異物を効果的に除去することができる。
【0119】
また、ノズル3Aの洗浄液出射口31Aとノズル13の出射口14との双方から洗浄液を噴射させる作動モードと、洗浄液出射口31Aと出射口14とのいずれか一方のみから洗浄液を噴射させる作動モードと有し、制御部によりモードを切り替えて作動させることが可能である。したがって、状況に応じてモードを切り替えることで、モータポンプ12の寿命低下や洗浄液の消費を抑制することができる。
【0120】
また、例えば運転者による設定操作が可能な作動スイッチ(カメラ洗浄ボタン)を車内に設け、作動スイッチがオンされているときに車載カメラ100に対して洗浄液が噴射されるように制御することができる。したがって、運転者による作動スイッチのオンオフに応じて、車載カメラ100への洗浄液および高圧空気の噴射を実行することができる。
【0121】
また、例えばインナーミラーカメラ100Aにおいてノズル3Aの洗浄液出射口31Aからの洗浄液の噴射が完了してから時間T2が経過した後に高圧空気出射口32Aからの高圧空気の噴射が開始される。このため、高圧空気用の高圧空気出射口32Aに洗浄液出射口31Aから噴射される洗浄液が流入することを防止することができる。
【0122】
また、車載カメラ100に洗浄液を噴射させるために使用するタンクおよびモータポンプは、車両のウインドウに洗浄液を噴射させるウインドウウォッシャ装置10のタンク11およびモータポンプ12を兼用される。したがって、ウインドウウォッシャ装置10で用いられる洗浄液を、車載センサ100等を洗浄する洗浄液としても用いることができ、簡便な構成で異物を除去することができる。
【0123】
また、例えばインナーミラーカメラ100Aに取り付けられたノズル3Aは、洗浄液を噴射する洗浄液出射口31Aと、高圧空気を噴射する高圧空気出射口32Aとを互いに独立して有している。このため、同一の洗浄対象物(インナーミラーカメラ100A)に対して、高圧空気と洗浄液とを互いに独立して噴射することで、洗浄対象物に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0124】
また、ノズル3Aの洗浄液出射口31Aは、高圧空気出射口32Aよりもレンズ101Aに対して離れた位置に形成されている。このため、洗浄液と高圧空気とを用いてレンズ101Aを洗浄する場合、高圧空気出射口32Aから高圧空気が噴射される際に洗浄液出射口31Aの洗浄液が流入することを防止することができる。また、洗浄液出射口31Aにおける出射路38Aの出射角度θ1は、高圧空気出射口32Aにおける出射路39Aの出射角度θ2よりも広く形成されている。このため、レンズ101Aに対して高圧空気出射口32Aよりも離れて配置されている洗浄液出射口31Aからの洗浄液の噴射領域を広げることができる。
【0125】
また、ノズル3Aの洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aとは、例えばインナーミラーカメラ100Aの上側面において並列配置されている。このため、ノズル3Aのサイズを小型化することができる。また、高圧空気出射口32Aは、インナーミラーカメラ100Aの上側面においてレンズ101Aの中心部と対向する位置に配置されている。このため、洗浄液よりも周囲の環境(例えば、風などの気象条件)に影響されやすい高圧空気をレンズ101Aに対して適切に噴射させることができる。また、洗浄液出射口31Aと高圧空気出射口32Aとの間には上下方向に段違いとなる段差33が形成されている。このため、高圧空気用の高圧空気出射口32Aに洗浄液出射口31Aから噴射される洗浄液が巻き込まれることを防止することができる。
【0126】
また、洗浄液出射口31Aは、高圧空気出射口32Aからの高圧空気の噴射方向とは異なる方向から洗浄液を噴射するように配置されうる。この場合、高圧空気の噴射と洗浄液の噴射とが互いに干渉しないようにすることができる。例えば高圧空気出射口32Aは、高圧空気をレンズ101Aに対して上下いずれか一方の方向から噴射する位置に配置され、洗浄液出射口31Aは、洗浄液をレンズ101Aに対して左右いずれか一方の方向から噴射する位置に配置されうる。この場合、洗浄液よりも外気環境に影響を受けやすい高圧空気を洗浄面へ向けて適切に噴射することができる。
【0127】
また、高圧空気を生成するための高圧空気生成部2において、単一の駆動部80に対して、移動機構70により移動可能な二個のピストン60A,60Bと、それぞれのピストンに対応するシリンダ50A,50Bが設けられている。このため、簡便な構成で、複数の車載カメラ100に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0128】
また、移動機構70は、単一の駆動部80によって回転される単一のウォーム71と、ウォーム71に噛合されて回転される二個のウォームホイール72A,72Bとを有する。このため、簡便な構成で複数気筒の高圧空気生成部2を形成することができる。
【0129】
また、シリンダ50Aとシリンダ50Bとは、駆動部80の駆動軸81を中心にして対称位置に配置されている。このため、高圧空気生成部2の薄型化を図ることができるとともに、高圧空気噴射時に各シリンダ50A,50Bで発生する振動を互いに打ち消し合うことができる。また、シリンダ50Aとシリンダ50Bとの間に駆動部80が挟まれて配置されているので、高圧空気生成部2のさらなる小型化を図ることができる。さらに、シリンダ50Aの出射口51Aは、シリンダ50Bの出射口51Bとは反対方向を向くように形成されているので、高圧空気噴射時の振動を更に打ち消し合うことができる。
【0130】
また、シリンダ50Aのピストン60Aの位相と、シリンダ50Bのピストン60Bの位相とが異なるように構成しうる。この場合、複数の車載カメラ100に対して異なるタイミングで高圧空気を噴射させることができる。
【0131】
また、シリンダ50A,50Bと生成本体部22の筐体90とは、互いに係合し合う係合部を有している。このため、シリンダ50A,50Bを生成本体部22の筐体90に対して容易に取り付けることできる。
【0132】
<変形例>
次に、高圧空気生成部2における生成本体部22の変形例1について図16を参照して説明する。なお、上記形態と同一番号を付した部分については、同じ機能であるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0133】
上記形態における生成本体部22(図8参照)は、駆動部80がシリンダ50Aとシリンダ50Bとの間に挟まれて配置されている。これに対して、変形例1の生成本体部22Aは、図16に示すように、駆動部80がシリンダ50Aおよびシリンダ50Bの前方側に配置されている。なお、シリンダ50Aとシリンダ50Bとが駆動部80の駆動軸81を中心にして、左右対称の位置に配置されている構成は上記生成本体部22と同様である。
この構成によれば、シリンダ50Aとシリンダ50Bとが対称の位置に配置されているので各シリンダの動作時に発生する振動を互いに打ち消し合うことができる。
【0134】
次に、高圧空気生成部2における生成本体部22の変形例2について図17A図17Bを参照して説明する。なお、変形例1と同様、上記形態と同一番号を付した部分についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0135】
上記形態における生成本体部22(図8参照)は、移動機構70が単一のウォーム71と、二個のウォームホイール72A,72Bとを備えている。これに対して、変形例2の生成本体部22Bは、移動機構70aが単一のウォーム71と、単一のウォームホイール72とを備えている。ウォームホイール72は、従動ギヤ73と、従動ギヤ73の一側方(例えば図17Bに示されている上側)に突出して並列配置されたピニオン74a,74bとで構成されている。ピニオン74a,74bのギヤ歯75a,75bは、ラック62A,62Bのラック歯63A,63Bにそれぞれ噛合可能とされている。なお、二個のピニオン74a,74bは、従動ギヤ73を間に挟んで従動ギヤ73の中心部から両側方(図17Bにおいて上下方向の両側)にそれぞれ突出して配置されるようにしてもよい。
【0136】
二個のシリンダ50A,50Bは、図17Aに示すように、上下方向に隣接して並列配置されており、各シリンダの出射口51A,51Bが同じ方向(本例では、右方向)を向くように設けられている。シリンダ50A,50Bの左側には単一の駆動部80が配置されている。
この構成によれば、生成本体部22Bの左右方向における幅を小さくすることができるので、高圧空気生成部2を小型化することが可能となる。
【0137】
次に、車載カメラ100に取り付けられるノズル3A,3Bの変形例について図18を参照して説明する。なお、上記形態と同一番号を付した部分については、同じ機能であるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0138】
上記形態におけるノズル3A(図10~12参照)は、洗浄液を噴射する洗浄液出射口31Aと高圧空気を噴射する高圧空気出射口32Aとがそれぞれ独立した別個の出射口として形成されている。これに対して、変形例のノズル130は、図18に示すように、洗浄液を噴射する出射口と高圧空気を噴射する出射口とが一個の共通の出射口131として形成されている。ノズル130の内部には洗浄液の通路132Aと高圧空気の通路132Bとが並列して別々に形成されており、両通路の端部の中央に出射口131が設けられている。
この構成によれば、ノズルの出射口を一個とすることでノズル130を小型化することができる。また、ノズル130の構造が簡略化できるので製造が容易になる。
【0139】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0140】
本出願は、2016年12月28日出願の日本特許出願2016-256292号と、2016年12月28日出願の日本特許出願2016-256293号と、2016年12月28日出願の日本特許出願2016-256294号と、2016年12月28日出願の日本特許出願2016-256295号とに基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
図1
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図17B
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