(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】シフトレバー位置を判断するための監視方法及び装置、車両全体コントロール及び車両
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20231002BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
B60L3/00 N
B60L15/20 K
(21)【出願番号】P 2022520339
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 CN2020135743
(87)【国際公開番号】W WO2021129420
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】201911378102.6
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521082075
【氏名又は名称】グレート ウォール モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオカイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ガン
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-096528(JP,A)
【文献】特開2007-024136(JP,A)
【文献】特開2005-133858(JP,A)
【文献】特開2016-109292(JP,A)
【文献】特開2018-115695(JP,A)
【文献】特開2015-017645(JP,A)
【文献】特開2001-163198(JP,A)
【文献】特開平10-110663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0219162(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフトレバー位置を判断するための監視方法であって、
前記シフトレバー位置を判断するための監視方法が、
機能層により計算された第一実際のシフトレバー位置及び第一許容可能なシフトレバー位置を取得すること、
シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算すること、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致するか否かを判断すること、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致する場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断すること、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致しない場合又は前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御すること、を含
み、
前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断することは、
前記第一実際のシフトレバー位置が前記第一許容可能なシフトレバー位置と一致する場合に、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することと、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができないと判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定することと、を実行し、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第一許容可能なシフトレバー位置が一致しない場合に、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することと、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のレバー位置に切り替えることができると判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定することと、を実行する、ことを含む
ことを特徴とするシフトレバー位置を判断するための監視方法。
【請求項2】
前記車両が安全状態に入るように制御することが、
前記車両の現在の車速が第一閾値より大きいか否かを判断すること、
前記現在の車速が前記第一閾値よりも大きい場合、前記車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように保持されるように制御し、かつ前記現在実行中の許容可能なシフトレバー位置に対して制限トルクを設定すること、
前記現在の車速が前記第一閾値以下である場合、前記車両をニュートラルで走行するように制御すること、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシフトレバー位置を判断するための監視方法。
【請求項3】
前記シフトレバーの位置信号は正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を含み、
前記シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算することが、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致するか否かを判断すること、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致する場合、前記第二実際のシフトレバー位置を計算することを含み、
前記シフトレバー位置を判断するための監視方法は、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致しない場合、車両が前記安全状態に入るように制御することを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシフトレバー位置を判断するための監視方法。
【請求項4】
シフトレバー位置を判断するための監視装置であって、
前記シフトレバー位置を判断するための監視装置が、
機能層により計算された第一実際のシフトレバー位置及び第一許容可能なシフトレバー位置を取得するための取得モジュールと、
シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算するための計算モジュールと、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致するか否かを判断するための第一判断モジュールと、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致する場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断するための第二判断モジュールと、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致しない場合又は前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御するための制御モジュールと、を含
み、
前記第二判断モジュールが前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断することは、
前記第一実際のシフトレバー位置が前記第一許容可能なシフトレバー位置と一致する場合に、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することと、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができないと判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定することと、を実行し、
前記第一実際のシフトレバー位置と前記第一許容可能なシフトレバー位置が一致しない場合に、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することと、
現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のレバー位置に切り替えることができると判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定することと、を実行する、ことを含む
ことを特徴とするシフトレバー位置を判断するための監視装置。
【請求項5】
前記制御モジュールは、
前記車両の現在の車速が第一閾値より大きいか否かを判断するステップ、
前記現在の車速が前記第一閾値よりも大きい場合、前記車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように制御し、かつ前記現在実行中の許容可能なシフトレバー位置に対して制限トルクを設定するステップ、
前記現在の車速が前記第一閾値以下である場合、前記車両をニュートラルで走行するように制御するステップ、に基づいて、
前記車両が前記安全状態に入るように制御するためのものであることを特徴とする請求項
4に記載のシフトレバー位置を判断するための監視装置。
【請求項6】
前記シフトレバーの位置信号は正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を含み、
前記計算モジュールがシフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算することは、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致するか否かを判断すること、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致する場合、前記第二実際のシフトレバー位置を計算することを含み、
前記制御モジュールは、更に前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致しない場合、車両が前記安全状態に入るように制御するために用いられる
ことを特徴とする請求項
4に記載のシフトレバー位置を判断するための監視
装置。
【請求項7】
請求項
4-6のいずれか一項に記載のシフトレバー位置を判断するための監視装置を含むことを特徴とする車両全体コントローラ。
【請求項8】
請求項
7に記載の車両全体コントローラを含むことを特徴とする車両。
【請求項9】
機器読取可能な記憶媒体であって、
前記機器読取可能な記憶媒体にプログラムが記憶され、該プログラムが実行されるときに請求項
1-3のいずれか一項に記載のシフトレバー位置を判断するための監視方法を実現することを特徴とする機器読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2019年12月27日に提出された、中国特許出願である201911378102.6の優先権を主張し、その出願の内容は引用により本願に組み込んでいる。
【0002】
本発明は車両の技術分野に関し、特にシフトレバー位置を判断するための監視方法及び装置、車両全体コントローラ及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、純粋な電気自動車の車両全体コントローラは車両全体の制御脳として車両全体の機能に密接に関連する。従来の燃料自動車のシフトレバー位置の判断がギアボックスコントローラにより完了されることと区別し、純粋な電気自動車のシフトレバー位置の判断は車両全体コントローラにより計算される。車両全体コントローラの機能層はレンジ信号に基づいて運転者が選択した実際のシフトレバー位置及び許容可能なシフトレバー位置を判断し、両者の一致性に基づいてトルク要求を実行する。
【0004】
車両全体コントローラの機能層が計算した切り替え対象シフトレバー位置と許容可能なシフトレバー位置が誤っているか又は失効していると、車両の運行に深刻な危害を与える。関連技術において、車両全体コントローラの機能層に対して計算された切り替え対象シフトレバー位置及び許容可能なシフトレバー位置には対応する監視ポリシーが不足する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明の目的はシフトレバー位置を判断するための監視方法を提供することにより、従来の技術における車両全体コントローラの機能層に対して計算された切り替え対象シフトレバー位置及び許容可能なシフトレバー位置に対応する監視ポリシーが不足するという欠陥を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の技術的解決手段は以下のように実現される。
シフトレバー位置を判断するための監視方法であって、前記シフトレバー位置を判断するための監視方法は、機能層により計算された第一実際のシフトレバー位置と第一許容可能なシフトレバー位置を取得すること、シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算すること、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致するか否かを判断すること、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致する場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断すること、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致しない場合又は前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御することを含む。
【0007】
さらに、前記車両が安全状態に入るように制御することは、前記車両の現在の車速が第一閾値より大きいか否かを判断すること、前記現在の車速が前記第一閾値より大きい場合、前記車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように保持されるように制御し、かつ前記現在実行中の許容可能なシフトレバー位置に対して制限トルクを設定すること、前記現在の車速が前記第一閾値以下である場合、前記車両がニュートラルで走行するように制御すること、を含む。
【0008】
さらに、前記シフトレバーの位置信号は正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を含み、前記シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算することは、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致するか否かを判断すること、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致する場合、前記第二実際のシフトレバー位置を計算することを含み、前記シフトレバー位置を判断するための監視方法は、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致しない場合、車両が前記安全状態に入るように制御することを更に含む。
【0009】
さらに、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断することは、前記第一実際のシフトレバー位置が前記第一許容可能なシフトレバー位置と一致する場合、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断するステップと、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができないと判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定するステップと、を実行し、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第一許容可能なシフトレバー位置が一致しない場合、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断するステップと、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のレバー位置に切り替えることができると判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定するステップと、を実行する、ことを含む。
【0010】
従来の技術に比べて、本発明に記載されたシフトレバー位置を判断するための監視方法は以下の利点を有する。
本発明に記載されたシフトレバー位置を判断するための監視方法は機能層で計算された第一実際のシフトレバー位置と第一許容可能なシフトレバー位置を監視することができ、かつ機能層で計算された第一実際のシフトレバー位置と自身で計算された第二シフトレバー位置が一致せず、又は第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御し、このように車両全体の走行の安全性を保証することができる。
【0011】
本発明の他の目的はシフトレバー位置を判断するための監視装置を提供することにより、従来の技術における車両全体コントローラの機能層に対して計算された切り替え対象のシフトレバー位置及び許容可能なシフトレバー位置に対応する監視ポリシーが不足するという欠陥を解決することである。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の技術的解決手段は以下のように実現される。
シフトレバー位置を判断するための監視装置であって、前記シフトレバー位置を判断するための監視装置が、機能層により計算された第一実際のシフトレバー位置及び第一許容可能なシフトレバー位置を取得するための取得モジュールと、シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算するための計算モジュールと、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致するか否かを判断するための第一判断モジュールと、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致する場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断するための第二判断モジュールと、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致しない場合又は前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御するための制御モジュールと、を含む。
【0013】
さらに、前記制御モジュールは、前記車両の現在の車速が第一閾値より大きいか否かを判断するステップ、前記現在の車速が前記第一閾値よりも大きい場合、前記車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように制御し、かつ前記現在実行中の許容可能なシフトレバー位置に対して制限トルクを設定するステップ、前記現在の車速が前記第一閾値以下である場合、前記車両をニュートラルで走行するように制御するステップ、に基づいて、前記車両が前記安全状態に入るように制御するためのものである。
【0014】
さらに、前記シフトレバーの位置信号は正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を含み、前記計算モジュールがシフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算することは、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致するか否かを判断すること、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致する場合、前記第二実際のシフトレバー位置を計算することを含み、前記制御モジュールは、更に前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致しない場合、車両が前記安全状態に入るように制御するために用いられる。
【0015】
前記第二判断モジュールは以下のステップに基づいて前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断することは、前記第一実際のシフトレバー位置が前記第一許容可能なシフトレバー位置と一致する場合、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断するステップと、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができないと判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定するステップと、を実行し、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第一許容可能なシフトレバー位置が一致しない場合、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断するステップと、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のレバー位置に切り替えることができると判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定するステップと、を実行する、ことを含む。
【0016】
前記シフトレバー位置を判断するための監視装置は上記シフトレバー位置を判断するための監視方法が従来の技術に対して有する利点と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0017】
それに応じて、本発明の実施例はさらに車両全体コントローラを提供し、前記車両全体コントローラは上記シフトレバー位置を判断するための監視装置を含む。
【0018】
それに応じて、本発明の実施例はさらに車両を提供し、前記車両は上記車両全体コントローラを含む。
【0019】
それに応じて、本発明の実施例はさらに機器読取可能な記憶媒体を提供し、前記機器読取可能な記憶媒体にプログラムが記憶され、該プログラムが実行される時に上記シフトレバー位置を判断するための監視方法を実現する。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は次の具体的な実施の形態部分で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の一部を構成する図面は本発明のさらなる理解を提供するために用いられ、本発明の例示的な実施の形態及びその説明は本発明を説明するために用いられ、本発明を不当に限定するものではない。
【0022】
図面において、
図1は本発明の一つの実施例に記載されたシフトレバー位置を判断するための監視方法のフローチャートを示し、
図2は本発明の一つの実施例に記載されたシフトレバー位置を判断するための監視装置の構成ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
なお、衝突しない場合に、本発明における実施の形態及び実施の形態における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0024】
また、本発明の実施例に言及された「実際のシフトレバー位置」は運転者が現在のシフトレバー位置から目的シフトレバー位置に切り替えることを指し、「許容可能なシフトレバー位置」は車両の安全を保証する場合に、車両全体状態、車速、実際のシフトレバー位置等に基づいて計算された現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から切り替え可能な次の許容可能なシフトレバー位置を指す。本発明の実施例に係る実際のシフトレバー位置及び許容可能なシフトレバー位置は、例えば、Pレンジ(パーキングレンジ)、Dレンジ(ドライブレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)等を含み得る。
【0025】
本発明の実施例に言及された「第一」、「第二」等は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示するか或いは指示された技術的特徴の数量を暗黙的に示すと理解されるべきではない。
【0026】
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の一つの実施例に係るシフトレバー位置を判断するための監視方法のフローチャートを示す。
図1に示すように、本発明の実施例はシフトレバー位置を判断するための監視方法を提供し、前記方法は車両全体コントローラにより実行することができ、具体的には車両全体コントローラの監視層により実行することができ、前記監視層は車両全体コントローラの機能層を監視することができ、前記機能層はシフトレバーの位置判断を実行することに用いられる。前記車両全体コントローラは例えば純粋な電気自動車の車両全体コントローラであってもよい。この方法は、ステップS110からステップS150を含んでもよい。
【0028】
ステップS110において、機能層により計算された第一実際のシフトレバー位置及び第一許容可能なシフトレバー位置を取得する。
【0029】
シフトレバー位置にセンサが設置され、シフトレバー位置を検出するために用いられる。車両電子シフタはセンサにより検出されたシフトレバーの位置信号を収集し、かつバスによりシフトレバーの位置信号を車両全体コントローラに提供することができる。シフトレバー位置に二つのセンサを設置することにより、二つのシフトレバーの位置信号を検出するために用いられ、この二つのシフトレバーの位置信号は例えば正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号であってもよい。
【0030】
運転者がレンジを切り替える時、二つのセンサはシフトレバー位置の変化を検出し、正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を生成することができ、正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号をそれぞれ電子シフタに伝送することができ、電子シフタはバスを介して正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を車両全体コントローラに提供することができる。車両全体コントローラの機能層は正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号に基づいて第一実際のシフトレバー位置を計算することができる。
【0031】
さらに、機能層はさらに車両全体状態、現在の車速及び計算された第一実際のシフトレバー位置に基づいて第一許容可能なシフトレバー位置を計算することができる。具体的には、機能層は現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から第一許容可能なシフトレバー位置に切り替える条件が満たされるか否かを判断することができ、満たされると、第一許容可能なシフトレバー位置が前記第一実際のシフトレバー位置であると決定することができ、満たされないと、第一許容可能なシフトレバー位置が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置であると決定する。例えば、車両がNレンジにある場合、運転者がシフトレバーを操作すれば、シフトレバーの位置をNレンジからDレンジに切り替え、ここでNレンジからDレンジに切り替える条件はブレーキペダルが踏み込まれることである。論理故障がない場合、機能層は第一実際のシフトレバー位置であるDレンジを算出することができる。機能層はさらに現在実行中の許容可能なシフトレバー位置であるNレンジから第一実際のシフトレバー位置であるDレンジに切り替える条件を満たすか否かを判断することができ、すなわち、ブレーキペダルが踏み込まれたか否かを判断する。踏み込まれると、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置であるNレンジから第一実際のシフトレバー位置であるDレンジに切り替える条件を満たすことを決定することができ、第一許容可能なシフトレバー位置がDレンジであることを決定することができ、そうでなければ、第一許容可能なシフトレバー位置がNレンジであることを決定することができる。
【0032】
ステップS120において、シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算する。
【0033】
機能層がシフトレバーの位置信号に基づいて第一実際のシフトレバー位置を計算する場合、監視層はシフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を対応して計算することができる。
【0034】
前記のように、前記シフトレバーの位置信号は二つのシフトレバーの位置信号を含むことができ、この二つのシフトレバーの位置信号はそれぞれ正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号である。監視層はまず正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号が一致するか否かを判断することができる。例えば、正のシフトレバーの位置信号に基づいて一つのシフトレバーの位置を計算することができ、負のシフトレバーの位置信号に基づいて一つのシフトレバーの位置を計算し、計算された二つのシフトレバーの位置が一致すれば、正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号が一致することを説明する。そうでなければ、正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号が一致しないと考えられ、正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号が一致しないと、車両が安全状態に入るように制御することができる。
【0035】
監視層は正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号が一致すると判断すると、いずれかのシフトレバーの位置信号に基づいて決定された実際のシフトレバー位置を第二実際のシフトレバー位置として決定する。
【0036】
ステップS130において、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致するか否かを判断する。
【0037】
ステップS140において、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致する場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断する。
【0038】
第一実際のシフトレバー位置と第二実際のシフトレバー位置が一致すれば、機能層が実際のシフトレバー位置を計算する論理に故障がないことを示し、機能層により決定された第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断し続けることができる。機能層が実際のシフトレバー位置を計算する論理に故障する場合、第一実際のシフトレバー位置と第二実際のシフトレバー位置は一致しない。
【0039】
第一実際のシフトレバー位置が第一許容可能なシフトレバー位置と一致する場合、監視層は現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することができ、すなわち車両全体の状態及び/又は現在の車速等に基づいて切替条件が満たされるか否かを判断することができる。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができないと判断すれば、第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると確定することができる。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができると判断すれば、第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると決定することができる。
【0040】
第一実際のシフトレバー位置と第一許容可能なシフトレバー位置が一致しない場合、監視層は現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することができ、すなわち車両全体の状態及び/又は現在の車速等に基づいて切替条件が満たされるか否かを判断することができる。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができると判断すれば、第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると確定することができる。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができないと判断すれば、第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると決定することができる。
【0041】
例えば、車両がNレンジにある場合、運転者がシフトレバーを操作すれば、例えばシフトレバーの位置をNレンジからDレンジに切り替える。理解できるように、この例では、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置はNレンジであり、実際のシフトレバー位置はDレンジである。
【0042】
機能層の論理に故障がないと仮定すると、機能層により算出された第一実際のシフトレバー位置はDレンジである。NレンジからDレンジに切り替える場合、同時に実行する必要がある動作はブレーキペダルを踏み込むことである。機能層はブレーキペダルが踏み込まれたか否かを対応して検出し、ブレーキペダルが踏み込まれると、機能層は現在NレンジからDレンジに切り替えることができると決定することができ、第一許容可能なシフトレバー位置がDレンジであると算出する。機能層はブレーキペダルが踏み込まれていないことを検出すると、現在NレンジからDレンジに切り替えることができないと決定することができ、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置であるNレンジを前記第一許容可能なシフトレバー位置として決定する。
【0043】
一つの場合に、さらに運転者がシフトレバー位置をNレンジからDレンジに切り替える時に、ブレーキペダルが踏み込まれないと仮定する。機能層は論理故障のため、算出された第一実際のシフトレバー位置はDレンジであり、第一許容可能なシフトレバー位置はDレンジである。監視層はまず第二実際のシフトレバー位置であるDレンジを計算し、第一実際のシフトレバー位置と第二実際のシフトレバー位置が一致すると判断する。次に監視層は第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを計算して判断する。第一実際のシフトレバー位置が前記第一許容可能なシフトレバー位置と一致するため、監視層はまず前に実行している許容可能なシフトレバー位置であるNレンジから第一許容可能なシフトレバー位置であるDレンジに切り替える実行条件がブレーキペダルが踏み込まれることであることを決定し、監視層はブレーキペダルが踏み込まれるか否かを監視する。前に仮定したように、運転者がブレーキペダルを踏み込まないと、監視層は、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置であるNレンジから第一許容可能なシフトレバー位置であるDレンジに切り替えることができないと決定することができ、したがって、第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると判断することができる。
【0044】
一つの場合に、さらに運転者がシフトレバー位置をNレンジからDレンジに切り替える時に、ブレーキペダルが踏み込まれると仮定する。機能層は論理故障のため、算出された第一実際のシフトレバー位置はDレンジであり、第一許容可能なシフトレバー位置はNレンジである。監視層はまず第二実際のシフトレバー位置であるDレンジを計算し、第一実際のシフトレバー位置と第二実際のシフトレバー位置が一致すると判断する。次に監視層は第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを計算して判断する。第一実際のシフトレバー位置が前記第一許容可能なシフトレバー位置と一致しないため、監視層はまず前に実行中の許容可能なシフトレバー位置であるNレンジから第一実際のシフトレバー位置であるDレンジに切り替える実行条件がブレーキペダルが踏み込まれることであると決定し、監視層はブレーキペダルが踏み込まれるか否かを監視する。前に仮定したように、ブレーキペダルが踏み込まれると、監視層は、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置であるNレンジから第一実際のシフトレバー位置であるDレンジに切り替えることができると決定することができ、すなわち、第一許容可能なシフトレバー位置はDレンジであるべきであり、監視層により決定された第一許容可能なシフトレバー位置はNレンジであり、したがって、第一許容可能なシフトレバー位置が無効であることを判断することができる。
【0045】
以上はNレンジからDレンジに切り替えることを例として説明し、理解されるように、本発明の実施例は任意のレンジの間の切り替えに適用することができる。例えば、DレンジからRレンジへの切替条件は車速が所定値を超えることができないことであり、監視層は該条件に基づいて機能層により計算された第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを監視することができる。
【0046】
ステップS150において、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致しない場合又は前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御する。
【0047】
監視層は第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると確定すれば、機能層の実行に干渉せず、機能層が次回に計算した第一実際のシフトレバー位置及び第一許容可能なシフトレバー位置を取得し続けることができる。
【0048】
監視層は第一実際のシフトレバー位置と第二実際のシフトレバー位置が一致しないことを確定するか、又は第一許容可能なシフトレバー位置が無効であることを確定するか、又は前述のように監視層は正のシフトレバーの位置信号と負のシフトレバーの位置信号が一致しないことを確定し、即ち監視層は機能層の論理故障を確定すると、監視層は車両が安全状態に入るように制御して、車両の安全走行を保証することができる。
【0049】
本発明のさらなる実施例において、車両の現在の車速に基づいて車両が安全状態に入るように制御することができる。前記車両の現在の車速はバスを介して取得することができる。監視層は車両の現在車速が第一閾値より大きいか否かを判断することができる。実際の状況に応じて、第一閾値を任意の適切な値に設定することができる。
【0050】
現在の車速が第一閾値より大きい場合、車速が速く、ニュートラルに直接設定することが好ましくないと説明し、車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように制御することができる。例えば、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置はDレンジであり、運転者の目標レンジはRレンジであり、現在の車速は第一閾値より大きい。監視層は機能層の論理故障を確定し、車両が安全状態に入るように制御する必要がある場合、車両がDレンジで走行するように制御することができる。車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように制御する場合、機能層はさらに前記現在実行中の許容可能なシフトレバー位置に対して制限トルクを設定することにより、車両が速度を低下させるように制御することができる。理解されるように、異なるレンジに対応する制限トルクは同じであっても異なってもよく、又は前記制限トルクは故障しない場合のレンジの要求トルクより小さく、例えば正常な場合のレンジの要求トルクの半分であってもよい。
【0051】
現在の車速が第一閾値より小さい場合、車速が相対的に低いことを示し、ニュートラル(例えば、Nレンジ)走行に直接設定することができ、それにより車両が静止状態まで減速する。
【0052】
いくつかの選択可能な実施例において、車両が安全状態に入るように制御した後、車両全体コントローラは車両故障に関する提示を送信することができ、該提示は例えば最終的に運転者に観察される形式で運転者に提示することができ、運転者が車両をメンテナンスすることに役立つ。
【0053】
本発明の実施例が提供するシフトレバー位置を判断するための監視方法により車両全体コントローラの機能層の論理処理結果を監視し、機能層が故障した場合、車両が安全状態に入るように制御し、それにより車両走行の安全性を保証することができる。
【0054】
図2は本発明の一つの実施例に係るシフトレバー位置を判断するための監視装置の構成ブロック図を示す。
図2に示すように、本発明の実施例はさらにシフトレバー位置を判断するための監視装置を提供し、前記装置は車両全体コントローラに設置することができ、例えば車両全体コントローラの監視層を形成することができ、該監視層は車両全体コントローラの機能層を監視することに用いることができる。前記車両全体コントローラは例えば純粋な電気自動車の車両全体コントローラであってもよい。前記装置は、機能層により計算された第一実際のシフトレバー位置と第一許容可能なシフトレバー位置を取得するための取得モジュール210と、シフトレバーの位置信号に基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算するための計算モジュール220と、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致するか否かを判断するための第一判断モジュール230と、前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致する場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であるか否かを判断するための第二判断モジュール240と、及び前記第一実際のシフトレバー位置と前記第二実際のシフトレバー位置が一致しない場合又は前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効である場合、車両が安全状態に入るように制御するための制御モジュール250と、を含むことができる。本発明の実施例が提供するシフトレバー位置を判断するための監視装置は機能層の論理処理結果を監視することができ、機能層が故障した場合、車両が安全状態に入るように制御し、それにより車両全体の走行の安全性を保証することができる。
【0055】
いくつかの選択可能な実施例において、制御モジュールは以下のステップに基づいて車両が安全状態に入るように制御する:前記車両の現在の車速が第一閾値より大きいか否かを判断すること、前記現在の車速が第一閾値より大きい場合、前記車両が現在実行中の許容可能なシフトレバー位置で走行するように保持するように制御し、かつ前記現在実行中の許容可能なシフトレバー位置に対して制限トルクを設定すること、及び前記現在の車速が前記第一閾値以下である場合、前記車両がニュートラルで走行するように制御することである。
【0056】
いくつかの選択可能な実施例において、シフトレバーの位置信号は正のシフトレバーの位置信号及び負のシフトレバーの位置信号を含むことができ、計算モジュールは以下のステップに基づいて第二実際のシフトレバー位置を計算することができる:前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致するか否かを判断すること、及び前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致する場合、前記第二実際のシフトレバー位置を計算することである。好ましくは、前記正のシフトレバーの位置信号と前記負のシフトレバーの位置信号が一致しない場合、制御モジュールは車両が前記安全状態に入るように制御することができ、それにより車両全体の走行の安全性を保証する。
【0057】
いくつかの選択可能な実施例において、第二判断モジュールは前記第一実際のシフトレバー位置と前記第一許容可能なシフトレバー位置が一致する場合に、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することができる。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができないと判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定する。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一許容可能なシフトレバー位置に切り替えることができると判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると決定する。第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると確定すれば、機能層の実行に干渉せず、第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると確定すれば、機能層が故障すると説明し、車両が安全状態に入るように制御することができ、それにより車両全体の走行の安全性を保証する。
【0058】
いくつかの選択可能な実施例において、第二判断モジュールは前記第一実際のシフトレバー位置と前記第一許容可能なシフトレバー位置が一致しない場合に、現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができるか否かを判断することができる。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のレバー位置に切り替えることができると判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると決定する。現在実行中の許容可能なシフトレバー位置から前記第一実際のシフトレバー位置に切り替えることができないと判断した場合、前記第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると決定する。第一許容可能なシフトレバー位置が有効であると確定すれば、機能層の実行に干渉せず、第一許容可能なシフトレバー位置が無効であると確定すれば、機能層が故障すると説明し、車両が安全状態に入るように制御することができ、それにより車両全体の走行の安全性を保証する。
【0059】
本発明の実施例が提供するシフトレバー位置を判断するための監視装置の具体的な動作原理及び利点は上記本発明の実施例が提供するシフトレバー位置を判断するための監視方法の具体的な動作原理及び利点と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0060】
それに応じて、本発明の実施例はさらに車両全体コントローラを提供し、前記車両全体コントローラは本発明の任意の実施例に記載のシフトレバー位置を判断するための監視装置を含むことができる。
【0061】
それに応じて、本発明の実施例はさらに車両を提供し、前記車両は本発明の実施例に記載の車両全体コントローラを含むことができ、前記車両は例えば純粋な電気自動車などであってもよい。
【0062】
それに応じて、本発明の実施例はさらに機器読取可能な記憶媒体を提供し、前記機器読取可能な記憶媒体にプログラムが記憶され、該プログラムが実行される時に本発明の任意の実施例に記載のシフトレバー位置を判断するための監視方法を実現する。ここで、前記機器読取可能な記憶媒体は相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)又は他のメモリ技術、光ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多機能光ディスク(DVD)又は他の光学メモリ、磁気カートリッジ式磁気テープ、磁気テープ磁気ディスクメモリ又は他の磁気メモリ等の様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含むがこれらに限定されない。
【0063】
以上の記載は本発明の好ましい実施の形態に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で、行われたいかなる修正、同等置換、改善等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。