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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】接続体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/531 20210101AFI20231002BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20231002BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20231002BHJP
   C09J 9/02 20060101ALI20231002BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20231002BHJP
   C09J 151/06 20060101ALI20231002BHJP
   H01B 5/16 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
H01M50/531
B32B7/12
B32B15/08 N
C09J9/02
C09J11/04
C09J151/06
H01B5/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023054561
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-06-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591145335
【氏名又は名称】パナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大脇 正樹
【審査官】佐宗 千春
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/043160(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/116967(WO,A1)
【文献】特開2020-100687(JP,A)
【文献】特開2023-072774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-5/10
9/00-201/10
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
B32B 1/00-43/00
H01B 1/00-1/24
H01B 5/16
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属基材、導電性接着剤層及び第2の金属基材をこの順に有する接続体であって、
前記導電性接着剤層は、接着剤と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含み、
前記接着剤として、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂と、グリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物を含む、接続体。
【請求項2】
前記グリシジルアミン系エポキシ化合物のエポキシ当量が70g/eq以上140g/eq以下である、請求項1に記載の接続体。
【請求項3】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、前記グリシジルアミン系エポキシ化合物を0.1質量部以上27.5質量部以下含む、請求項1に記載の接続体。
【請求項4】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が0.1mgKOH/g以上15.0mgKOH/g未満である、請求項1に記載の接続体。
【請求項5】
前記硬化物の融点が60℃以上115℃以下である、請求項1に記載の接続体。
【請求項6】
前記接着剤100質量部に対して、前記導電性粒子を0.1質量部以上2.0質量部以下含む、請求項1に記載の接続体。
【請求項7】
前記導電性接着剤層の平均厚みをTn[μm]、前記導電性粒子の厚み方向の径の平均をDn[μm]と定義した際に、Dn/Tnが1.00以上の関係を満たす、請求項1に記載の接続体。
【請求項8】
Dn/Tnが1.01以上1.50以下の関係を満たす、請求項7に記載の接続体。
【請求項9】
リチウムイオン電池用である、請求項1~8の何れかに記載の接続体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気及び電子機器等の材料として、2つの導電性部材を、接着剤層を介して電気的に接続した接続体が用いられる場合がある。
接続体に用いられる接着剤は、等方導電性接着剤及び異方導電性接着剤が挙げられる。
【0003】
等方導電性接着剤の代表例として、導電剤としてカーボンブラックを用いた接着剤が挙げられる。等方導電性接着剤は、電気的に接続するために、接着剤中に導電剤を多量に含む必要がある。このため、等方導電性接着剤を用いた接続体は、層間密着性が低下しやすいという問題がある。また、等方導電性接着剤を用いた接続体は、抵抗値を十分に低くできないという問題がある。
【0004】
異方導電性接着剤を用いた接続体として、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-182709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の接続体は、接着剤中に導電粒子を多量に含む必要がないため、層間密着性の向上が期待できる。しかし、特許文献1の接続体は、層間密着性が経時的に低下する場合があった。
【0007】
本発明は、層間密着性の経時的な低下を抑制した接続体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意研究した結果、接続体の層間密着性が経時的に低下する原因が、電解液等の薬品の影響であることを見出した。そして、本発明者らはさらに研究した結果、上記課題を解決するに至った。
【0009】
本発明は、以下の[1]~[9]を提供する。
[1] 第1の金属基材、導電性接着剤層及び第2の金属基材をこの順に有する接続体であって、前記導電性接着剤層は、接着剤と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含み、前記接着剤として、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂と、グリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物を含む、接続体。
[2] 前記グリシジルアミン系エポキシ化合物のエポキシ当量が70g/eq以上140g/eq以下である、[1]に記載の接続体。
[3] 前記酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、前記グリシジルアミン系エポキシ化合物を0.1質量部以上27.5質量部以下含む、[1]又は[2]に記載の接続体。
[4] 前記酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が0.1mgKOH/g以上15.0mgKOH/g未満である、[1]~[3]の何れかに記載の接続体。
[5] 前記硬化物の融点が60℃以上115℃以下である、[1]~[4]の何れかに記載の接続体。
[6] 前記接着剤100質量部に対して、前記導電性粒子を0.1質量部以上2.0質量部以下含む、[1]~[5]の何れかに記載の接続体。
[7] 前記導電性接着剤層の平均厚みをTn[μm]、前記導電性粒子の厚み方向の径の平均をDn[μm]と定義した際に、Dn/Tnが1.00以上の関係を満たす、[1]~[6]の何れかに記載の接続体。
[8] Dn/Tnが1.01以上1.50以下の関係を満たす、[7]に記載の接続体。
[9] リチウムイオン電池用である、[1]~[8]の何れかに記載の接続体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の接続体は、接続体の層間密着性の経時的な低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の接続体の一実施形態を示す断面図である。
図2】本発明の接続体の他の実施形態を示す断面図である。
図3】本発明の接続体の製造工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の接続体の実施の形態を説明する。
【0013】
[接続体]
本発明の接続体は、
第1の金属基材、導電性接着剤層及び第2の金属基材をこの順に有し、
前記導電性接着剤層は、接着剤と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含み、
前記接着剤として、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂と、グリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物を含む、ものである。
【0014】
本明細書において、「樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子」及び「酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂」のことを、「導電性粒子」及び「酸変性ポリオレフィン樹脂」と略称する場合がある。
【0015】
図1及び2は、本発明の接続体の実施の形態を示す断面図である。
図1及び2の接続体100は、第1の金属基材10の上に、導電性接着剤層30及び第2の金属基材20をこの順に有している。図1及び2において、導電性接着剤層30は、接着剤31と、導電性粒子30を含んでいる。図1及び2において、第1の金属基材10と第2の金属基材20とは、導電性粒子30を介して電気的に接続されている。
図1の接続体は、導電性接着剤層30と第2の金属基材20との全面が接触している。一方、図2の接続体は、導電性接着剤層30と第2の金属基材20との一部が接触していない。
図1及び2において、導電性粒子30は、厚み方向の粒子径が幅方向の粒子径よりも小さくなっている。この状態は、ラミネート時の圧力により、厚み方向の粒子径が小さくなっている状態を示している。
【0016】
<金属基材>
第1の金属基材、及び、第2の金属基材を構成する金属としては、銅、ステンレス、黄銅、銀、アルミニウム及びニッケル等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
第1の金属基材及び第2の金属基材を構成する金属は、同一種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
第1の金属基材及び第2の金属基材は、密着性を良好にするために、金属基材表面を凹凸化したり、金属基材表面の残油を取り除く処理をしたりしてもよい。
【0017】
第1の金属基材及び第2の金属基材の厚みは、1μm以上200μm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下であることがより好ましく、6μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
厚みを1μm以上とすることにより、接続体の強度を良好にしやすくできる。さらに、厚みを1μm以上とすることにより、第1の金属基材及び第2の金属基材に所定の強度を付与することができ、基材にテンションがかかった際に基材が破損することを抑制しやすくできる。
厚みを200μm以下とすることにより、第1の金属基材及び第2の金属基材が巻き取りやすくなるため、接続体をロールトウーロールで製造しやすくできる。
【0018】
<導電性接着剤層>
導電性接着剤層は、接着剤と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含む。
【0019】
《接着剤》
本発明の接続体は、接着剤として、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂と、グリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物を含むことを要する。接着剤として前記硬化物を含むことにより、電解液等の薬品への耐性を良好にできるため、接続体の層間密着性が経時的に低下することを抑制できる。特に、高温の薬品への耐性を良好にできる点で好ましい。電解液としては、リチウムイオン電池の電解液が挙げられる。リチウムイオン電池の電解液は、例えば、六フッ化リン酸リチウム等の電解質と、エチレンカーボネート等の溶媒とを含むものが挙げられる。リチウムイオン電池の電解液は高温になりやすい。このため、本発明の接続体は、リチウムイオン電池用の接続体として特に有用である。
【0020】
―酸変性ポリオレフィン樹脂―
酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂は、接着剤の主剤としての役割を有する。
酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が20.0mgKOH/gを超える場合、導電性接着剤層用塗布液がゲル化しやすくなり、導電性接着剤層を形成しにくくなる。また、酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が20.0mgKOH/gを超える場合、酸変性ポリオレフィン樹脂とグリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物の架橋点が増加しやすくなる。そして、架橋点が増加した場合、温度変化による体積の増減に硬化物が追随しにくくなるため、接続体の層間密着性が経時的に低下する場合がある。
【0021】
接続体の層間密着性が経時的に低下することを抑制しやすくするため、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂は、主剤の全量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
【0022】
酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価は、15.0mgKOH/g未満であることが好ましく、10.0mgKOH/g未満であることがより好ましく、5.0mgKOH/g未満であることがさらに好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が低すぎると、前記硬化物の架橋密度が不足する場合がある。前記硬化物の架橋密度が不足すると、耐薬品性が低下することにより、接続体の層間密着性の経時的な低下を抑制できない場合がある。このため、酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価は、0.1mgKOH/g以上であることが好ましく、0.5mgKOH/g以上であることがより好ましく、0.9mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。
【0023】
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン-α-オレフィン共重合体等から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン樹脂に、α,β-不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種をグラフトしたものが挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂は、例えば、ラジカルグラフト反応により製造することができる。
【0024】
プロピレン-α-オレフィン共重合体は、主体であるプロピレンにα-オレフィンを共重合したものである。α-オレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、酢酸ビニル等から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。α-オレフィンの中では、エチレン、1-ブテンが好ましい。プロピレン-α-オレフィン共重合体のプロピレン成分とα-オレフィン成分との比率は限定されないが、プロピレン成分が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。
【0025】
α,β-不飽和カルボン酸及びその酸無水物としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの酸無水物等が挙げられる。これらの中でも酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
【0026】
酸変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性プロピレン-エチレン共重合体、無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体、無水マレイン酸変性プロピレン-エチレン-ブテン共重合体等が挙げられる。
【0027】
酸変性ポリオレフィン樹脂は、重量平均分子量が20000以上200000以下であることが好ましく、40000以上150000以下であることがより好ましく、60000以上100000以下であることがさらに好ましい。
重量平均分子量を20000以上とすることにより、電解液浸漬後の接着力低下を抑制しやすくできる。重量平均分子量を200000以下とすることにより、融点の上昇を防ぎラミネート適性を向上させ、さらに粘度が高くなることを防ぐことにより塗布適正を向上しやすくできる。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値を意味する。
【0028】
―グリシジルアミン系エポキシ化合物―
グリシジルアミン系エポキシ化合物は、主剤を硬化する硬化剤としての役割を有する。硬化剤には多くの種類があるが、硬化剤としてグリシジルアミン系エポキシ化合物を用いることにより、接続体の層間密着性の経時的な低下を抑制することができる。また、グリシジルアミン系エポキシ化合物は、低温で硬化反応を進行できるため、金属基材の酸化を抑制できる点で好ましい。
グリシジルアミン系エポキシ化合物以外の硬化剤としては、例えば、グリシジルエーテル系エポキシ化合物、イソシアネート系化合物が挙げられる。グリシジルエーテル系エポキシ化合物を用いた場合、耐薬品性が不十分となり、接続体の層間密着性の経時的な低下を抑制できない。イソシアネート系化合物を用いた場合、副生成物として二酸化炭素が生じる。金属基材はガス透過性が低いため、二酸化炭素により膨れなどの欠陥が生じてしまう。
本明細書において、グリシジルエーテル系エポキシ化合物は、分子内にグリシジルエーテル基を有し、かつ、分子内に窒素原子を有さない化合物を意味する。
【0029】
グリシジルアミン系エポキシ化合物は、硬化剤の全量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
【0030】
グリシジルアミン系エポキシ化合物としては、分子の構成単位としてグリシジルアミンを有する化合物が挙げられる。グリシジルアミン系エポキシ化合物の1分子中のグリシジル基の数は、1以上であればよいが、接続体の層間密着性の経時的な低下をより抑制しやすくするため、2以上であることが好ましい。
グリシジルアミン系エポキシ化合物の1分子中のグリシジル基の数が多過ぎると、接続体の初期の層間密着性が弱くなる場合がある。このため、グリシジルアミン系エポキシ化合物の1分子中のグリシジル基の数は、6以下が好ましく、4以下がより好ましい。
【0031】
グリシジルアミン系エポキシ化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【化1】
【0032】
一般式(1)において、Rは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和若しくは不飽和の脂環式炭化水素基である。
mが1の場合、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基としては、フェニル基及びナフチル基等のアリール基が挙げられる。mが1の場合、置換基を有していてもよい飽和若しくは不飽和の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。mが1の場合、Rは、シクロアルキル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
mが2の場合、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフチレン基等のアリーレン基が挙げられる。mが2の場合、置換基を有していてもよい飽和若しくは不飽和の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等のシクロアルキレン基が挙げられる。mが2の場合、Rはシクロアルキレン基が好ましく、シクロヘキシレン基がより好ましい。
Rの置換基としては、特に限定されないが、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、グリシジル基、グリシジルアミノ基、またはグリシジルエーテル基が挙げられる。
【0033】
一般式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立して炭素数1以上5以下の置換基を有してもよい直鎖のアルキレン基であり、好ましい炭素数は4以下であり、より好ましくは3以下であり、さらに好ましくは2以下である。
置換基としては、特に限定されないが、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、またはアミノ基が挙げられる。
【0034】
一般式(1)において、mは1または2であり、nは1または2である。好ましくは、mまたはnのいずれかが2であり、より好ましくは、m、nとも2である。
【0035】
グリシジルアミン系エポキシ化合物の具体例としては、1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサノン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが好ましい。
【0036】
グリシジルアミン系エポキシ化合物は、エポキシ当量が70g/eq以上140g/eq以下であることが好ましく、80g/eq以上125g/eq以下であることがより好ましく、85g/eq以上110g/eq以下であることがより好ましく、90g/eq以上100g/eq以下であることがより好ましい。
エポキシ当量を125g/eq以下とすることにより、接続体の層間密着性の経時的な低下をより抑制しやすくできる。エポキシ当量を80g/eq以上とすることにより、接続体の初期の層間密着性が弱くなることを抑制しやすくできる。
【0037】
グリシジルアミン系エポキシ化合物の配合量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上27.5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上20.0質量部以下であることがより好ましく、0.7質量部以上10.0質量部以下であることがさらに好ましく、1.0質量部以上8.0質量部以下であることがよりさらに好ましい。
グリシジルアミン系エポキシ化合物の配合量を0.1質量部以上とすることにより、接続体の層間密着性の経時的な低下をより抑制しやすくできる。グリシジルアミン系エポキシ化合物の配合量を27.5質量部以下とすることにより、接続体の初期の層間密着性が弱くなることを抑制しやすくできる。
【0038】
酸変性ポリオレフィン樹脂とグリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物は、融点が60℃以上115℃以下であることが好ましく、65℃以上110℃以下であることがより好ましく、70℃以上95℃以下であることがさらに好ましい。
融点を60℃以上とすることにより、熱を原因として、接続体の層間密着性が低下することを抑制しやすくできる。特に、融点を60℃以上とすることにより、高温の電解液に接続体を浸漬した際の層間密着性の低下を抑制しやすくできる。
融点を115℃以下とすることにより、第1の金属基材と第2の金属基材とを貼り合わせやすくできる。また、融点を115℃以下とすることにより、第1の金属基材と第2の金属基材とを貼り合わせる際のラミネート温度を低く設定できるため、金属基材が酸化することを抑制しやすくできる。
本明細書において、融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。具体的には、実施例に記載の手法で融点を測定できる。また、本明細書において、融解ピークが複数の温度で観察された場合には、低温側の融解ピークの温度を融点とみなす。
【0039】
硬化物の融点は、例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量、硬化剤の配合量で調整できる。例えば、重量平均分子量を大きくすると融点が高くなり、重量平均分子量を小さくすると融点が低くなる傾向がある。また、硬化剤の配合量を増やすと融点が高くなり、硬化剤の配合量を減らすと融点が低くなる傾向がある。また、エージングの時間を長くすると融点が高くなり、エージングの時間を短くすると融点が低くなる傾向がある。また、エージング温度を高くすると融点が高くなり、エージング温度を低くすると融点が低くなる傾向がある。
【0040】
《導電性粒子》
本発明では、導電性粒子として、樹脂コアの表面に導電層を有する粒子を用いる。前記導電性粒子は、表面に導電層を有するため、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続することができる。また、前記導電性粒子は、コアが樹脂であるため、ラミネート時の圧力により、厚み方向の粒子径が小さくなる。そして、導電性粒子の厚み方向の粒子径が小さくなることにより、導電性接着剤層と第2の金属基材との接触面積が増え、層間密着性を良好にしやすくできる。
樹脂コアの表面に導電層を有する粒子は、例えば、樹脂コアに金属をメッキ又は蒸着することにより得ることができる。
【0041】
導電性粒子は、表面に突起を有する粒子が好ましい。第1の金属基材及び第2の金属基材の表面に酸化物膜が形成されていても、表面に突起を有する導電性粒子は、前記突起により酸化物膜を突き破りやすいため、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続しやすくできる。
表面に突起を有する粒子は、例えば、樹脂コアの表面に、突起を形成する芯物質を複数配置した後、金属をメッキ又は蒸着することにより得ることができる。
樹脂コア粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、樹脂コアの分散液中に、芯物質を添加し、ファンデルワールス力等により、樹脂コア粒子の表面に芯物質を集積させる方法等が挙げられる。
【0042】
樹脂コアを構成する樹脂としては、ベンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂及びポリブタジエン樹脂等が挙げられる。また、樹脂コアを構成する樹脂としては、前述した樹脂を構成するモノマーの2種以上を組み合わせた共重合体も挙げられる。
【0043】
樹脂コアは、圧縮回復率が55%以下であることが好ましく、47%以下であることがより好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることがより好ましく、18%以下であることがより好ましい。圧縮回復率を55%以下とすることにより、ラミネート時の圧力により、導電性粒子の厚み方向の粒子径が小さくなりやすくなる。このため、導電性接着剤層と第2の金属基材との接触面積が増え、接続体の層間密着性を良好にしやすくできる。
樹脂コアは、圧縮回復率が5%以上であることが好ましく、6%以上であることがより好ましく、7%以上であることがさらに好ましい。圧縮回復率を5%以上とすることにより、ラミネート時の圧力により、導電性粒子の厚み方向の粒子径が極端に小さくなることを抑制できる。このため、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続しやすくできる。
樹脂コアの圧縮回復率は、例えば、樹脂コアを構成する樹脂の成分、樹脂コアを構成する樹脂の架橋度により調整できる。具体的には、樹脂の架橋度を高くすると圧縮回復率は大きくなり、樹脂の架橋度を低くすると圧縮回復率は小さくなる傾向がある。
【0044】
本明細書において、圧縮回復率は、以下のように測定できる。
試料台上に樹脂コアを散布する。散布された樹脂コア1個について、微小圧縮試験機を用いて、樹脂コアの中心方向に、樹脂コアが30%圧縮変形するまで負荷(反転荷重値)を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで除荷を行う。この間の荷重-圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。負荷速度は0.33mN/秒とする。微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」等が用いられる。
圧縮回復率(%)=[(L1-L2)/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでのまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの除荷変位
【0045】
芯物質は、モース硬度が5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、9以上であることがさらに好ましい。
芯物質の材質としては、ニッケル(モース硬度5)、ジルコニア(モース硬度8~9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)等が挙げられる。芯物質は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
芯物質の平均粒子径は、好ましくは50nm以上250nm以下、より好ましくは100nm以上200nm以下である。また、樹脂コアの表面に形成する突起の数は、好ましくは1個以上500個以下、より好ましくは30個以上200個以下である。
【0047】
導電層は、金属から構成することが好ましい。導電層を構成する金属としては、金、パラジウム、ニッケル、銅、銀、スズ及びアルミニウム等が挙げられる。導電層を構成する金属は合金であってもよい。
【0048】
導電層の厚みは、導電性及び経済性とのバランスの観点から、好ましくは50nm以上250nm以下、より好ましくは80nm以上150nm以下である。
【0049】
前記導電性粒子の含有量は、前記接着剤100質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下であることが好ましく、0.15質量部以上1.8質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以上1.7質量部以下であることがさらに好ましい。
導電性粒子の含有量を0.1質量部以上とすることにより、接続体の抵抗値を低くしやすくできる。導電性粒子の含有量を2.0質量部以下とすることにより、導電性粒子の凝集を抑制しやすくできるため、接続体の抵抗値を低くしやすくできる。
【0050】
《厚み》
導電性接着剤層の平均厚みをTn[μm]、導電性粒子の厚み方向の径の平均をDn[μm]と定義した際に、Dn/Tnが1.00以上の関係を満たすことが好ましい。
Dn/Tnを1.00以上とすることにより、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続しやすくできる。
Dn/Tnは、1.01以上であることがより好ましく、1.03以上であることがさらに好ましい。また、Dn/Tnは、接続体の層間密着性を良好にしやすくするため、1.50以下であることが好ましく、1.40以下であることがより好ましく、1.30以下であることがさらに好ましい。
【0051】
DnとTnとの差(Dn-Tn)は、0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることがさらに好ましい。
DnとTnとの差(Dn-Tn)は、1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることがさらに好ましい。
【0052】
本明細書において、導電性接着剤層の平均厚みを示すTnは、ランダムに選択した30箇所の導電性接着剤層の厚みの平均値とする。前述した30箇所の厚みは、例えば、SEM等で撮影した導電性接着剤層の断面写真から測定できる。
【0053】
本明細書において、導電性粒子の平均粒子径を示すDnは、例えば、下記A1及びA2の手順で測定できる。
A1:SEM等で導電性接着剤層の断面写真を撮影する。
A2:前記断面写真に写った導電性粒子の厚み方向の径を測定する。合計30個の導電性粒子の厚み方向の径の平均を、Dnとする。
【0054】
導電性接着剤層の平均厚みを示すTnは、1.0μm以上10.0μm以下が好ましく、2.0μm以上8.0μm以下がより好ましく、3.0μm以上6.0μm以下がさらに好ましい。Tnを1.0μm以上とすることにより、接続体の層間密着性を良好にしやすくできるとともに、第1の金属基材と第2の金属基材とが導電性粒子を介さずに接触することを抑制しやすくできる。Tnを10.0μm以下とすることにより、導電性接着剤層の塗工安定性を良好にしやすくできる。
【0055】
導電性粒子の厚み方向の径の平均を示すDnは、1.5μm以上12.0μm以下が好ましく、2.5μm以上9.0μm以下がより好ましく、3.5μm以上7.0μm以下がさらに好ましい。
【0056】
導電性粒子の粒子径分布のばらつきを示すCV値は10%以下が好ましく、5%以下がさらに好ましい。CV値の小さな材料を使用することにより、貼合の外観での粒子径の大きなフィラー起因の凸状欠点を抑制することができる。CV値は、「変動係数」の略称である。
【0057】
<面積比>
接続体を平面視した際の接続体の面積をS、接続体を平面視した際の第1の金属基材の面積をS1、接続体を平面視した際の第2の金属基材の面積をS2とした際に、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。下記式(1)及び(2)を満たすことにより、位置合わせを不要とすることができる。また、下記式(1)及び(2)を満たすことにより、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続しやすくできる。
0.99≦S1/S≦1.01 (1)
0.99≦S2/S≦1.01 (2)
【0058】
接続体を平面視した際の導電性接着剤層の面積をS3とした際に、上述したS1及びS2と、S3とが、下記式(3)及び(4)を満たすことが好ましい。下記式(3)及び(4)を満たすことにより、位置合わせを不要とすることができる。また、下記式(3)及び(4)を満たすことにより、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続しやすくできる。
1.00≦S1/S3≦1.02 (3)
1.00≦S2/S3≦1.02 (4)
【0059】
<抵抗値>
接続体は、抵抗値が10.0mΩ以下であることが好ましく、8.0mΩ以下であることがより好ましく、6.0mΩ以下であることがさらに好ましい。接続体の抵抗値の下限は特に制限されないが、1.0mΩ以上であることが好ましく、2.0mΩ以上であることがより好ましい。
接続体の抵抗値は、一方の端子を第1の金属基材に設置し、他方の端子を第2の金属基材に設置して、4端子法により測定できる。
【0060】
[製造方法]
本発明の接続体は、例えば、下記の工程1及び2により製造することができる。
【0061】
工程1:第1の金属基材上に、接着剤用組成物と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含む導電性接着剤層用塗布液を塗布、乾燥して、導電性接着剤層を形成する工程。前記接着剤用組成物は、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂と、グリシジルアミン系エポキシ化合物とを含む組成物である。
工程2:前記導電性接着剤層上に、第2の金属基材をラミネートして、前記第1の金属基材、前記導電性接着剤層及び前記第2の金属基材をこの順に有する、接続体を得る工程。
【0062】
<工程1>
工程1は、第1の金属基材上に、接着剤と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含む導電性接着剤層用塗布液を塗布、乾燥して、導電性接着剤層を形成する工程である。
【0063】
工程1では、前記導電性接着剤層の平均厚みをT1[μm]、前記導電性粒子の平均粒子径をD1[μm]と定義した際に、T1<D1の関係を満たすようにすることが好ましい。
【0064】
図3(a)は、工程1の後の状態の一実施形態を示す断面図である。
図3(a)の積層体50は、第1の金属基材10の上に導電性接着剤層30を有している。図3(a)において、導電性接着剤層30は、接着剤31、及び、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子32を有している。
【0065】
工程1では、T1<D1の関係を満たすようにすることが好ましい。
T1<D1の関係を満たすことにより、製造時に高温及び高圧で処理をしなくても、簡易なラミネート工程により、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続することができる。
【0066】
D1とT1との比(D1/T1)は、1.03以上であることが好ましく、1.05以上であることがより好ましく、1.10以上であることがさらに好ましい。前記比を1.03以上とすることにより、第1の金属基材と第2の金属基材とを電気的に接続しやすくできる。
D1とT1との比(D1/T1)は、1.50以下であることが好ましく、1.30以下であることがより好ましく、1.20以下であることがさらに好ましい。前記比を1.50以下とすることにより、接続体の層間密着性を良好にしやすくできる。
【0067】
D1とT1との差(D1-T1)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.4μm以上であることがさらに好ましい。
D1とT1との差(D1-T1)は、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることがさらに好ましい。
【0068】
導電性接着剤層の平均厚みを示すT1は、1.0μm以上10.0μm以下が好ましく、2.0μm以上8.0μm以下がより好ましく、3.0μm以上6.0μm以下がさらに好ましい。T1を1.0μm以上とすることにより、接続体の層間密着性を良好にしやすくできるとともに、第1の金属基材と第2の金属基材とが導電性粒子を介さずに接触することを抑制しやすくできる。T1を10.0μm以下とすることにより、導電性接着剤層の塗工安定性を良好にしやすくできる。
【0069】
導電性粒子の平均粒子径を示すD1は、1.5μm以上12.0μm以下が好ましく、2.5μm以上9.0μm以下がより好ましく、3.5μm以上7.0μm以下がさらに好ましい。
上述したように、導電性粒子は、ラミネート時の圧力によって、厚み方向に若干つぶれる。このため、D1はDnよりも若干大きくすることが好ましい。D1とDnの差は0.05μm以上0.70μm程度である。
【0070】
本明細書において、導電性接着剤層の平均厚みを示すT1は、ランダムに選択した30箇所の導電性接着剤層の厚みの平均値とする。前述した30箇所の厚みの測定は、工程1が完了した後であって、工程2の開始前に実施するものとする。前述した30箇所の厚みは、例えば、SEM等で撮影した導電性接着剤層の断面写真から測定できる。
【0071】
本明細書において、導電性粒子の平均粒子径を示すD1は、例えば、下記B1及びB2の手順で測定できる。下記B1及びB2は、工程1が完了した後であって、工程2の開始前に実施するものとする。
B1:SEM等で導電性接着剤層の断面写真を撮影する。
B2:前記断面写真に写った導電性粒子の最大径を測定する。合計30個の導電性粒子の最大径の平均を、D1とする。
【0072】
導電性接着剤層用塗布液は、溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、グリコールエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等)、等の有機溶剤が挙げられる。また、溶剤としては、前記有機溶剤と水との混合溶剤を用いることもできる。溶剤は、1種類からなる溶剤であってもよいし、2種類以上の混合溶剤であってもよい。
【0073】
塗布手段としては、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、ダイコート等の汎用の塗布手段が挙げられる。
乾燥条件は、金属基材の特性、導電性接着剤層用塗布液を構成する材料、塗布液の塗布量等により調整すればよい。例えば、乾燥温度は80℃以上120℃以下、乾燥時間は30秒以上90秒以下とすることが好ましい。前記温度範囲であれば、金属基材の膨張及び酸化等を抑制しやすくでき、接続体の品質を良好にしやすくできる。
酸変性ポリオレフィン樹脂とグリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化反応は、工程1の乾燥によっても進行する。前記硬化反応をより進行するため、工程2の後に工程3を行うことが好ましい。
【0074】
<工程2>
工程2は、前記導電性接着剤層上に、第2の金属基材をラミネートして、前記第1の金属基材、前記導電性接着剤層及び前記第2の金属基材をこの順に有する、接続体を得る工程である。
【0075】
図3(b)は、工程2の後の状態の一実施形態を示す断面図である。
図3(b)の接続体100は、第1の金属基材10の上に、導電性接着剤層30及び第2の金属基材20をこの順に有している。図3(b)において、第1の金属基材10と第2の金属基材20とは、導電性粒子30を介して電気的に接続されている。
【0076】
図3(a)と図3(b)とを対比すると、図3(b)の導電性粒子30は、厚み方向につぶされることにより、厚み方向の粒子径が小さくなっている。このように、導電性粒子が厚み方向につぶされることにより、導電性粒子の上方に存在する接着剤(図3(a)の導電性粒子32の上側に存在する接着剤31)は、ラミネート時の圧力で幅方向に広がりやすくなる。このため、導電性接着剤層と第2の金属基材との接触面積が増加しやすくなり、接続体の層間密着性を良好にしやすくできる。
【0077】
図3(b)の左右両端は、導電性接着剤層30と第2の金属基材20とが接触していない。このような箇所は、ラミネート時に混入した気泡である。後述するように、ラミネート時の温度を調整することにより、気泡を減らしやすくできる。
【0078】
工程2において、ラミネート温度は55℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。
ラミネート温度を55℃以上とすることにより、ラミネート時の気泡の混入を抑制し、抵抗値を低くしやすくできる。ラミネート時に気泡が混入すると、導電性粒子が元の形状に復元しようとすることを接着剤が抑制しにくくなるため、接続体の抵抗値が経時的に上昇する場合がある。このため、ラミネート温度を上記範囲とすることにより、初期の抵抗値を低くできるとともに、接続体の抵抗値の経時的な上昇を抑制しやすくできる。
ラミネート温度の上限は特に制限されないが、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下である。
【0079】
工程2のラミネートの圧力は、0.1MPa以上1.0MPa以下が好ましく、0.2MPa以上0.7MPa以下がより好ましく、0.3MPa以上0.5MPa以下がさらに好ましい。
圧力を0.1MPa以上とすることにより、導電性粒子を厚み方向に潰しやすくできる。また、圧力を0.1MPa以上とすることにより、導電性粒子の上方に存在する接着剤(図1の導電性粒子32の上側に存在する接着剤31)をは、ラミネート時の圧力で幅方向に広がりやすくできる。
圧力を1.0MPa以下とすることにより、高い圧力を付加することが不要になるため、接続体の製造を簡易にすることができ、かつ接続体の製造が安定し、さらに、接続体を連続的に製造しやすくできる。
【0080】
工程2のラミネートの速度は、0.2m/min以上30m/min以下が好ましく、0.4m/min以上2.0m/min以下がより好ましく、1.0m/min以上15.0m/min以下がさらに好ましい。
【0081】
<ロールトウーロール>
上述した接続体の製造方法は、前記第1の金属基材のロール状物から前記第1の金属基材を連続的に送り出すことにより、前記工程1を行うとともに、前記第2の金属基材のロール状物から前記第2の金属基材を連続的に送り出すことにより、前記工程2を行うことが好ましい。
上記手段を採用することにより、接続体を連続的に製造することができ、製造効率を飛躍的に高めることができる。
なお、工程1の後に、第1の金属基材上に導電性接着剤層を形成した積層体を一旦巻き取ってもよい。そして、巻き取ったロール状の積層体から積層体を連続的に送り出すとともに、前記第2の金属基材のロール状物から前記第2の金属基材を連続的に送り出すことにより、工程2を行ってもよい。このように、工程1と工程2との間に、積層体を巻き取る工程を含んでいても、ロールトウーロールでの製造であるため、製造率を飛躍的に高めることができる。
【0082】
<工程3>
接続体の製造方法は、さらに、下記の工程3を有していてもよい。
工程3:接続体をエージング処理する工程。
【0083】
工程3のエージング処理を行うことにより、酸変性ポリオレフィン樹脂とグリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化を進行させることができる。このため、工程3を実施した接続体は、接続体の層間密着性の経時的な低下を抑制しやすくできる。さらに、工程3を実施した接続体は、導電性粒子が元の形状に復元しようとすることを接着剤が抑制しやすくなるため、接続体の抵抗値の経時的な変化を抑制しやすくできる。
【0084】
工程3において、エージング処理の温度及び時間は、以下の範囲が好ましい。
【0085】
エージング処理の温度は、55℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、47℃以下であることがさらに好ましい。エージング処理の温度を55℃以下とすることにより、金属基材が酸化することを抑制しやすくできる。さらに、エージング処理の温度を55℃以下とすることにより、エージング処理中に導電性粒子が元の形状に復元することを抑制しやすくできる。
エージング処理の温度の下限は、酸変性ポリオレフィン樹脂とグリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化を促進するため、25℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。
エージング処理の時間は特に制限されないが、1日以上9日以下が好ましく、3日以上7日以下がより好ましい。
【実施例
【0086】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0087】
1.測定
1-1.抵抗値
実施例及び比較例で作製した接続体の抵抗値を測定した。一方の一対の端子を第1の金属基材に設置し、他方の一対の端子を第2の金属基材に設置して、4端子法により抵抗値を測定した。測定装置は日置電機社の商品名「抵抗計RM3544」を用いた。結果を表1に示す。
【0088】
1-2.層間密着性の経時変化
(1)初期の層間密着性の測定
実施例及び比較例で作製した接続体を、幅15mm、長さ10cmに切断したサンプルを2つ作製した。一方のサンプルの先端10mmの第2の金属基材を剥離し、剥離した第2の金属基材をチャックでつかみ、島津製作所社の商品名「AUTOGRAPH AGS-50D」を用いて、剥離角度180°剥離速度200mm/minの条件で剥離し、剥離力1を測定した。
もう1方のサンプルの先端10mmの第1の金属基材を剥離し、剥離した第1の金属基材をチャックでつかみ、島津製作所社の商品名「AUTOGRAPH AGS-50D」を用いて、剥離角度180°剥離速度200mm/minの条件で剥離し、剥離力2を測定した。
剥離力1及び剥離力2のうち、弱い方の剥離力を「初期の層間密着力」とした。
【0089】
(2)耐久試験を300時間実施した後の層間密着性の測定
各実施例及び比較例の接続体に関して、上記(1)と同様のサンプルを2つ作製した。パウチ内に下記の耐久試験液を充填した後、さらに、パウチ内にサンプルを投入した。パウチを60℃のオイルバスに300時間浸漬した後、パウチからサンプルを取り出した。その後、上記(1)と同様にして、2つのサンプルの剥離力を測定した。測定した剥離力を、剥離力3及び4とした。剥離力3及び剥離力4のうち、弱い方の剥離力を「300時間後の層間密着力」とした。
<耐久試験液>
X1:六フッ化リン酸リチウムと溶媒とを、六フッ化リン酸リチウムの濃度が1mol/Lとなるように混合し、リチウムイオン電池用の電解液を調整した。溶媒は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを、質量比1:1で混合した、混合溶媒を用いた。
X2:X1で得た電解液1kgに対して、水を600mg添加した。水を添加する理由は、六フッ化リン酸リチウムからフッ酸を発生させるためである。
【0090】
(3)層間密着性の経時変化の算出
各実施例及び比較例の接続体に関して、300時間後の層間密着力/初期の層間密着力、を算出した。結果を表1に示す。比較例4は、耐久試験液中でサンプルの界面が剥離してしまい、300時間後の層間密着力が測定できなかった。このため、表1の比較例4の評価は「-」と記載した。
【0091】
1-3.融点の測定
実施例及び比較例で用いた酸変性ポリオレフィン樹脂とエポキシ化合物との硬化物の融点を測定した。測定方法は下記の通りとした。
<融点の測定方法>
測定温度0~160℃、昇温速度20℃/分の条件で、示差走査熱量計(商品名:EXSTRA DSC6200、日立ハイテクサイエンス社製)により融解ピーク温度を測定した。1stヒーティングの融解ピークを、硬化物の融点とした。
【0092】
2.樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子の作製
特開2020-97739号公報の実施例3の記載に準じて、樹脂コア(圧縮回復率:9.8%)の表面に、厚み0.1μm程度の導電層(ニッケル層)が形成された導電性粒子を得た(平均粒子径3.1μm)。
【0093】
3.酸変性ポリオレフィン樹脂の製造
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂1
1Lオートクレーブに、プロピレン-ブテン共重合体(三井化学社製「タフマー(登録商標)XM7080」)100質量部、トルエン150質量部及び無水マレイン酸1質量部、ジ-tert-ブチルパーオキサイド5質量部を加え、140℃まで昇温した後、更に3時間撹拌した。その後、得られた反応液を冷却後、多量のメチルエチルケトンが入った容器に注ぎ、樹脂を析出させた。その後、当該樹脂を含有する液を遠心分離することにより、無水マレイン酸がグラフト重合した酸変性プロピレン-ブテン共重合体と(ポリ)無水マレイン酸および低分子量物とを分離、精製した。その後、減圧下70℃で5時間乾燥させることにより、酸変性ポリオレフィン樹脂1(無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体、酸価1mgKOH/g、重量平均分子量100000)を得た。
【0094】
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂2
無水マレイン酸の仕込み量を19質量部に変更し、ジ-tert-ブチルパーオキサイドの仕込み量を5質量部に変更した以外は、製造例1と同様にすることにより、酸変性ポリオレフィン樹脂2(無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体、酸価12mgKOH/g、重量平均分子量100000)を得た。
【0095】
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂3
プロピレン-ブテン共重合体(三井化学社製「タフマー(登録商標)XM7080」)をプロピレン-ブテン共重合体(三井化学社製「タフマー(登録商標)XM7090」)に変更し、無水マレイン酸の仕込み量を19質量部に変更し、ジ-tert-ブチルパーオキサイドの仕込み量を5質量部に変更した以外は、製造例1と同様にすることにより、酸変性ポリオレフィン樹脂3(無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体、酸価12mgKOH/g、重量平均分子量100000)を得た。
【0096】
4.接続体の作製
[実施例1]
下記の工程1~3により、実施例1の接続体を作製した。実施例1の接続体は、明細書本文のT1が2.9μm、D1が3.1μm、Tnが2.9μm、Dnが2.93μmであった。
【0097】
工程1:第1の金属基材(厚み50μmのアルミニウム箔)上に、下記の導電性接着剤層用塗布液1をグラビアコート法により塗布した。次いで、100℃で1分間乾燥して、平均厚み2.9μmの導電性接着剤層を形成した。工程1は、第1の金属基材のロール状物から、第1の金属基材を連続的に送り出すことにより、連続的に実施した。
【0098】
<導電性接着剤層用塗布液1>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.27質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂1)
・硬化剤 5質量部
(グリシジルアミン系エポキシ化合物)
(1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・希釈溶剤 適量
【0099】
工程2:導電性接着剤層上に、第2の金属基材(厚み8μmの銅箔)をラミネートして、第1の金属基材、導電性接着剤層及び第2の金属基材とをこの順に有する、接続体を得た。ラミネート条件は下記の通りとした。
工程2は、第2の金属基材のロール状物から、第2の金属基材を連続的に送り出すことにより、連続的に実施した。工程1及び工程2は、一つのラインで連続的に実施した。
<ラミネート条件>
・ラミネートロールの温度:80℃
・ラミネートの圧力:0.4MPa
・ラミネート速度:5m/min
【0100】
工程3:工程2で得られた接続体を巻き取り、45℃で5日間エージング処理した。
【0101】
[実施例2]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液2>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.28質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂2)
・硬化剤 1.12質量部
(グリシジルアミン系エポキシ化合物)
(1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・希釈溶剤 適量
【0102】
[実施例3]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液3>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.75質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂3)
・硬化剤 2.45質量部
(グリシジルアミン系エポキシ化合物)
(1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・希釈溶剤 適量
【0103】
[実施例4]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液4に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液4>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.27質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂1)
・硬化剤 25質量部
(グリシジルアミン系エポキシ化合物)
(1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・希釈溶剤 適量
【0104】
[実施例5]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液5に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液5>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.27質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂1)
・硬化剤 30質量部
(グリシジルアミン系エポキシ化合物)
(1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・希釈溶剤 適量
【0105】
[比較例1]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液6に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液6>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.14質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂2)
・硬化剤 2.16質量部
(グリシジルエーテル系エポキシ化合物)
(ナガセケムテックス社、商品名:デナコール EX-321L、固形分100%)
・希釈溶剤 適量
【0106】
[比較例2]
導電性接着剤層用塗布液1を、上記の導電性接着剤層用塗布液6に変更し、さらに、工程3のエージング処理を120℃2時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の接続体を作製した。
【0107】
[比較例3]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液7に変更し、さらに、工程3のエージング処理を120℃2時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液7>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.14質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂2)
・硬化剤 2.16質量部
(グリシジルエーテル系エポキシ化合物)
(ナガセケムテックス社、商品名:デナコール EX-321L、固形分100%)
・硬化触媒 0.9質量部
(四国化成社、キュアゾール2E4MZ、固形分1%)
・希釈溶剤 適量
【0108】
[比較例4]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液8に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液8>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.24質量部
・主剤 100質量部
(ポリエステル系樹脂)
(東洋モートン社、商品名:AD76P1、固形分51質量%)
・硬化剤 10質量部
(イソシアネート系化合物)
(東洋モートン社、商品名:CAT10L、固形分53質量%)
・希釈溶剤 適量
【0109】
[比較例5]
導電性接着剤層用塗布液1を、下記の導電性接着剤層用塗布液9に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の接続体を作製した。
<導電性接着剤層用塗布液9>
・上記「2」で作製した導電性粒子 0.27質量部
・主剤 100質量部
(上記の酸変性ポリオレフィン樹脂1)
・希釈溶剤 適量
【0110】
【表1】
【0111】
表1の結果から、実施例の接続体は、層間密着性の経時的な低下を抑制し得ることを確認できる。なお、実施例1~4では300時間後の層間密着力が上昇している。この理由は、「工程2のラミネート時の接着剤層の軟化が不十分であったこと」、及び、「60℃のオイルバスに長時間浸漬することにより、工程2で十分に軟化しなかった接着剤層が軟化して、金属基材と接着剤層との密着性が向上したこと」が考えられる。
表1には記載していないが、実施例の接続体は、いずれも、初期の層間密着力、100時間後の層間密着力、及び300時間後の層間密着力が0.20N/mm以上であり、十分な層間密着力を有するものであった。
表1には記載していないが、実施例及び比較例の接続体は、明細書本文のS1/S、S2/S、S1/S3、S2/S3は、何れも1.00である。
【符号の説明】
【0112】
10::第1の金属基材
20::第2の金属基材
30:導電性接着剤層
31:接着剤
32:樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子
50:積層体
100:接続体
【要約】
【課題】層間密着性の経時的な低下を抑制できる接続体を提供する。
【解決手段】第1の金属基材、導電性接着剤層及び第2の金属基材をこの順に有する接続体であって、前記導電性接着剤層は、接着剤と、樹脂コアの表面に導電層を有する導電性粒子とを含み、前記接着剤として、酸価が20.0mgKOH/g未満である酸変性ポリオレフィン樹脂と、グリシジルアミン系エポキシ化合物との硬化物を含む、接続体。
【選択図】図1
図1
図2
図3