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特許7358809ストレージ制御装置、ストレージ制御プログラムおよびストレージシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ストレージ制御装置、ストレージ制御プログラムおよびストレージシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20231003BHJP
   G06F 3/06 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G06F11/14 658
G06F3/06 301X
G06F3/06 304F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019128752
(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公開番号】P2021015377
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】林 光一
(72)【発明者】
【氏名】山田 秀憲
(72)【発明者】
【氏名】古屋 昌徳
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-070456(JP,A)
【文献】特開2005-293469(JP,A)
【文献】特開2011-248668(JP,A)
【文献】特表2013-539094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置とを含むストレージシステムのストレージ制御装置であって、
バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、
前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、
前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始
前記バックアップデータのいずれかのデータの読み出し要求を受け付けた場合、前記セカンダリボリュームと前記第2ボリュームとの差分情報に基づいて、前記データが前記第2ボリュームにあるか否かを判断し、
前記第2ボリュームに前記データがあると判断した場合、前記第2ボリュームから前記データを読み出し、前記第2ボリュームに前記データがないと判断した場合には、前記プライマリボリュームまたは前記第1ボリュームから前記データを読み出し、
読み出した前記データを読み出し要求元に応答する、
制御部を有することを特徴とするストレージ制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記バックアップデータの参照が終了した場合、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピーを停止して、前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を再開し、
前記プライマリボリュームと前記第3ボリュームとの差分情報に基づいて、前記第3ボリューム内の新データを前記第1ボリュームにコピーし、
前記セカンダリボリュームと前記第4ボリュームとの差分情報に基づいて、前記第4ボリューム内の新データを前記第2ボリュームにコピーし、
前記第3ボリュームおよび前記第4ボリュームを削除する、
ことを特徴とする請求項1に記載のストレージ制御装置。
【請求項3】
プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置とを含むストレージシステムのコンピュータに、
バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、
前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、
前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始し、
前記バックアップデータのいずれかのデータの読み出し要求を受け付けた場合、前記セカンダリボリュームと前記第2ボリュームとの差分情報に基づいて、前記データが前記第2ボリュームにあるか否かを判断し、
前記第2ボリュームに前記データがあると判断した場合、前記第2ボリュームから前記データを読み出し、前記第2ボリュームに前記データがないと判断した場合には、前記プライマリボリュームまたは前記第1ボリュームから前記データを読み出し、
読み出した前記データを読み出し要求元に応答する、
処理を実行させることを特徴とするストレージ制御プログラム。
【請求項4】
プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、
前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置と、
バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始し、前記バックアップデータのいずれかのデータの読み出し要求を受け付けた場合、前記セカンダリボリュームと前記第2ボリュームとの差分情報に基づいて、前記データが前記第2ボリュームにあるか否かを判断し、前記第2ボリュームに前記データがあると判断した場合、前記第2ボリュームから前記データを読み出し、前記第2ボリュームに前記データがないと判断した場合には、前記プライマリボリュームまたは前記第1ボリュームから前記データを読み出し、読み出した前記データを読み出し要求元に応答するストレージ制御装置と、
を含むことを特徴とするストレージシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ制御装置、ストレージ制御プログラムおよびストレージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害などによる業務ボリュームのデータの損失への対策として、ストレージ装置のコピー機能を利用したリモートサイトへのバックアップが行われている。業務ボリュームから直接リモートサイトのストレージ装置上のボリュームに対してコピーを行うと、業務ボリュームへのI/O(Input/Output)性能に影響を及ぼす場合がある。
【0003】
このため、業務ボリュームと同一のストレージ装置内に、業務ボリュームのスナップショット、すなわち、一時点におけるデータのコピーを作成し、作成した複製ボリュームからリモートサイトへデータを転送する場合がある。
【0004】
先行技術としては、例えば、システム障害時における記憶制御装置の正副切り替え処理を行うストレージシステムがある。また、スナップショット機能を利用して、リモートコピーの作成を行うストレージ装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-213345号公報
【文献】特開2005-267569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、リモートサイトに格納されたバックアップデータを、冗長性を確保した状態でホストサーバなどから参照可能にすることができない。
【0007】
一つの側面では、本発明は、冗長性を確保した状態でバックアップデータを参照可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの実施態様では、プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置とを含むストレージシステムのコピー制御を行うストレージ制御装置であって、バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始する、制御部を有するストレージ制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、冗長性を確保した状態でバックアップデータを参照可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態にかかるストレージシステムのシステム構成例を示す説明図である。
図2図2は、データのバックアップ例を示す説明図である。
図3A図3Aは、バックアップデータを参照時のコピー制御例を示す説明図(その1)である。
図3B図3Bは、バックアップデータを参照時のコピー制御例を示す説明図(その2)である。
図3C図3Cは、バックアップデータを参照時のコピー制御例を示す説明図(その3)である。
図4A図4Aは、コピーセッションテーブル400(P)の記憶内容の一例を示す説明図である。
図4B図4Bは、コピーセッションテーブル400(S)の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5A図5Aは、セッション関係性テーブル500(P)の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5B図5Bは、セッション関係性テーブル500(S)の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6図6は、マスタノードMの機能的構成例を示すブロック図である。
図7図7は、バックアップデータを参照時の動作例を示す説明図である。
図8A図8Aは、バックアップデータの参照終了時の動作例を示す説明図(その1)である。
図8B図8Bは、バックアップデータの参照終了時の動作例を示す説明図(その2)である。
図8C図8Cは、バックアップデータの参照終了時の動作例を示す説明図(その3)である。
図9図9は、マスタノードMのバックアップ処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、マスタノードMの事前準備処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、マスタノードMのバックアップデータ参照処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、マスタノードMの事後処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本発明にかかるストレージ制御装置、ストレージ制御プログラムおよびストレージシステムの実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるストレージシステムのシステム構成例を示す説明図である。図1において、ストレージシステム100は、ストレージ装置101と、ストレージ装置102と、を含む。ストレージシステム100において、ストレージ装置101およびストレージ装置102は、有線または無線のネットワーク110を介して接続される。ネットワーク110は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
【0013】
ストレージ装置101は、バックアップ対象のデータを記憶するコピー元のストレージ装置であり、いわゆる、プライマリストレージである。ストレージ装置102は、バックアップ対象のデータがコピーされるコピー先のストレージ装置であり、いわゆる、セカンダリストレージである。
【0014】
ホスト装置103は、ストレージシステム100に接続される上位装置である。例えば、ホスト装置103は、ストレージ装置101上に作成されるボリュームを用いて業務処理を行う。ホスト装置103は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)などにより実現される。
【0015】
各ストレージ装置101,102は、リモートコピー機能を有する。リモートコピーとは、遠隔地での筐体間コピーを実現する機能である。リモートコピーでは、例えば、コピー元(ボリューム)のデータを定期的にコピー先(ボリューム)に転送するにあたり、まず、開始時点のコピー元のデータをコピー先に転送し、コピー元へのデータ更新分を逐次コピー先に転送するという手順を踏む。
【0016】
ここで、ストレージ装置101,102は、1以上のノード120と、1以上のディスク130と、を有する。ノード120は、ディスク130、メモリ122等の資源管理や、コピー制御などを行うストレージ制御装置である。ノード120は、CPU(Central Processing Unit)121と、メモリ122と、通信I/F(Interface)123と、を有する。また、各構成部は、バス124によってそれぞれ接続される。
【0017】
CPU121は、ノード120の全体の制御を司る。CPU121は、複数のコアを有していてもよい。メモリ122は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュROM(Read Only Memory)などを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMは、各種プログラムを記憶する。DRAMは、CPU121のワークエリアとして使用される揮発メモリであり、例えば、処理中のユーザデータや制御情報を記憶する。メモリ122に記憶されるプログラムは、CPU121にロードされることで、コーディングされている処理をCPU121に実行させる。
【0018】
通信I/F123は、ネットワーク110等に接続され、ネットワーク110等を介して他のコンピュータに接続される。そして、通信I/F123は、ネットワーク110等とノード内部とのインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F123には、例えば、CA(Channel Adapter)やLANアダプタなどを採用することができる。
【0019】
また、ストレージシステム100において、ホスト装置103は、ストレージ装置101,102のうちのストレージ装置101に接続される。例えば、ホスト装置103は、FC(Fibre Channel)やiSCSI(Internet Small Computer System Interface)でストレージ装置101と接続される。
【0020】
ディスク130は、データを記憶するストレージの一例であり、ユーザデータや制御情報を記憶する不揮発性の記憶装置である。ディスク130は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)である。ディスク130は、全てがHDDまたはSSDであってもよいし、HDDとSSDとが混在していてもよい。
【0021】
ここで、セカンダリストレージのバックアップデータを、プライマリストレージに接続されたホストサーバ(例えば、ホスト装置103)から参照したい場合がある。この場合、バックアップデータを参照可能にするために、例えば、プライマリストレージからセカンダリストレージへのリモートコピーがサスペンド(停止)され、プライマリストレージ上に仮想ボリュームが作成される。
【0022】
ユーザは、プライマリストレージ上の仮想ボリュームにアクセスすることで、バックアップデータを参照することができる。また、バックアップデータの参照が終了すると、プライマリストレージ上の仮想ボリュームが削除され、プライマリストレージからセカンダリストレージへのリモートコピーが再開される。
【0023】
なお、プライマリストレージに接続されたホストサーバからバックアップデータを参照する理由としては、例えば、セキュリティ面を考慮してホストサーバからセカンダリストレージに直接アクセスできないようにしていることが挙げられる。また、セカンダリストレージが遠距離にあるため、コスト面を考慮してホストサーバからセカンダリストレージに直接アクセスしないようにしていることが挙げられる。
【0024】
しかしながら、バックアップデータを参照するにあたり、プライマリストレージからセカンダリストレージへのリモートコピーを停止すると、プライマリストレージのバックアップ処理が中断されるため、データの冗長性を確保することができない。
【0025】
例えば、プライマリストレージに格納されたデータがウィルス感染していることが発覚したため、バックアップデータのウィルス感染の有無を調べるために、セカンダリストレージに格納された全データにウィルススキャンをかける場合がある。バックアップデータのデータ量によっては、ウィルススキャンに数日かかることがある。
【0026】
このような場合、バックアップデータを参照中にプライマリストレージがダウンすると、直前の定期バックアップのデータが確保できていないため、プライマリストレージのデータを適切に復元することができなくなる。すなわち、何世代も前のデータ(参照中のバックアップデータ)しか確保できないことになる。
【0027】
そこで、本実施の形態では、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)に格納されたバックアップデータを、ストレージ装置101(プライマリストレージ)に接続されたホスト装置103から、冗長性を確保した状態で参照可能にするストレージ制御装置(ノード120)について説明する。
【0028】
(データのバックアップ例)
まず、ストレージシステム100におけるデータのバックアップ例について説明する。ここでは、ストレージ装置101のデータを、ストレージ装置102にリモートコピーすることにより、データのバックアップを行う。
【0029】
図2は、データのバックアップ例を示す説明図である。図2において、ボックスIDは、各ストレージ装置101,102を識別する識別子である。ここでは、ストレージ装置101のボックスIDは「A」である。また、ストレージ装置102のボックスIDは「B」である。
【0030】
ボリューム(P-V)は、ストレージ装置101に作成されるプライマリボリューム(コピー元のボリューム)である。ボリュームとは、各ストレージ装置101,102の管理単位となる記憶領域である。ボリュームは、1または複数の物理的な記憶装置であってもよく、論理的な記憶装置であるLUN(Logical Unit Number)であってもよい。例えば、ボリューム(P-V)は、業務ボリュームである。
【0031】
図2の例では、ボリューム(P-V)は、LUN#1である。LUN#(数字)の(数字)は、ボリュームIDである。ボリュームIDは、各ストレージ装置101,102においてボリュームを一意に識別する識別子である。ボリューム(S-V)は、ストレージ装置102に作成されるセカンダリボリューム(コピー先のボリューム)である。図2の例では、ボリューム(S-V)は、LUN#11である。
【0032】
なお、P-Vは、Primary-Volumeの略である。S-Vは、Secondary-Volumeの略である。
【0033】
ここで、ボリューム(P-V)からボリューム(S-V)へのデータのバックアップを行うにあたり、ボリューム(P-V)からボリューム(S-V)に対して直接コピーを行うと、ボリューム(P-V)へのI/O性能に影響を及ぼすおそれがある。そこで、ストレージ装置101は、自装置内のボリューム(P-Snap)に、ボリューム(P-V)のスナップショットを作成し、作成したボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーを行う。
【0034】
スナップショットとは、一時点におけるデータの論理的なコピーである。スナップショットは、例えば、データの更新時に、更新するデータ部の更新前の状態をコピーし、オリジナルの未更新部分とあわせて更新前の状態を保持する、いわゆる、コピー・オン・ライト方式により作成される。図2の例では、ボリューム(P-Snap)は、LUN#2である。
【0035】
さらに、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピー中に通信障害等が発生すると、ボリューム(S-V)がボリューム(P-Snap)と等価状態であることが保証されず、ボリューム(S-V)を使用できなくなるおそれがある。そこで、ストレージ装置102は、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピー完了後に、自装置内のボリューム(S-Snap)に、ボリューム(S-V)のスナップショットを作成する。図2の例では、ボリューム(S-Snap)は、LUN#12である。
【0036】
これにより、ボリューム(P-V)へのI/O性能に与える影響を抑えつつ、ボリューム(P-V)のデータのバックアップをとることができる。さらに、リモートコピー中の通信障害等を考慮して、リモートサイト側でもボリューム(S-V)のデータのバックアップをとることができる。
【0037】
なお、図2中、セッションIDは、コピーセッションを識別する識別子である。コピーセッションは、コピーの実行単位である。また、RECは、リモートコピーをあらわす。
【0038】
(バックアップデータを参照時のコピー制御例)
つぎに、ストレージシステム100におけるバックアップデータを参照時のコピー制御例について説明する。
【0039】
以下の説明では、ストレージ装置101内にノード120のうち、ストレージシステム100のコピー制御を行うノード120を「マスタノードM」と表記する場合がある。
【0040】
図3A図3Bおよび図3Cは、バックアップデータを参照時のコピー制御例を示す説明図である。図3Aにおいて、まず、マスタノードMは、バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、ボリューム(P-Snap’)とボリューム(S-Snap’)とを作成する。
【0041】
ここで、ボリューム(P-Snap’)は、ボリューム(P-V)のスナップショットが作成されるボリュームであり、ボリューム(P-Snap)とは異なる。ボリューム(S-Snap’)は、ボリューム(S-V)のスナップショットが作成されるボリュームであり、ボリューム(S-Snap)とは異なる。ボリューム(P-Snap’)は、例えば、LUN#3である。ボリューム(S-Snap’)は、例えば、LUN#13である。
【0042】
具体的には、例えば、マスタノードMは、ストレージ装置101上にボリューム(P-Snap’)を作成する。また、マスタノードMは、ストレージ装置102にボリューム(S-Snap’)の作成指示を送信する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMからボリューム(S-Snap’)の作成指示を受信すると、ストレージ装置102上にボリューム(S-Snap’)を作成する。
【0043】
つぎに、マスタノードMは、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap)へのスナップショット、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピー、および、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap)へのスナップショットを用いた、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を停止する。
【0044】
以下の説明では、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap)へのスナップショットを、「スナップショット(P-V/P-Snap)」と表記する場合がある。また、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap)へのスナップショットを、「スナップショット(S-V/S-Snap)」と表記する場合がある。また、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーを「リモートコピー(REC)」と表記する場合がある。
【0045】
図3Bにおいて、つぎに、マスタノードMは、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap’)へのスナップショット、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)へのリモートコピー、および、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap’)へのスナップショットを用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を開始する。
【0046】
以下の説明では、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap’)へのスナップショットを、「スナップショット(P-V/P-Snap’)」と表記する場合がある。また、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap’)へのスナップショットを、「スナップショット(S-V/S-Snap’)」と表記する場合がある。また、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)へのリモートコピーを「リモートコピー(REC’)」と表記する場合がある。
【0047】
これにより、ストレージ装置101,102の両ストレージに新世代のスナップショット用ボリュームおよびスナップショットセッションを作成して、旧世代のスナップショット用ボリュームおよびスナップショットセッションから、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を引き継ぐことができる。
【0048】
図3Cにおいて、マスタノードMは、例えば、ボリューム(P-V)、ボリューム(P-Snap)およびボリューム(S-Snap)を用いて、バックアップデータの読み出しを行う。具体的には、例えば、マスタノードMは、ストレージ装置101上にボリューム(S-V’)を作成する。
【0049】
ボリューム(S-V’)は、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)に格納されたバックアップデータを参照可能な仮想ボリュームである。マスタノードMは、例えば、図1に示したホスト装置103から、ボリューム(S-V’)内のデータの読み出し要求を受け付ける。
【0050】
そして、マスタノードMは、読み出し要求に応じて、ボリューム(P-V)、ボリューム(P-Snap)およびボリューム(S-Snap)のいずれかからデータを読み出して、ホスト装置103に応答する。これにより、ユーザは、ホスト装置103からボリューム(S-V’)にアクセスして、バックアップデータを参照することができる。
【0051】
このように、マスタノードMによれば、ストレージ装置101(プライマリストレージ)に接続されたホスト装置103から、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)に格納されているバックアップデータを、冗長性を確保した状態で参照可能にすることができる。
【0052】
図3Cの例では、(N-1)世代のバックアップデータを参照中に、定期バックアップが1回行われたとする。この場合、(N+1)世代のデータがボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)にリモートコピーされ、ボリューム(S-Snap’)に(N)世代のデータがコピーされる。
【0053】
このため、(N-1)世代のバックアップデータを参照中に、ストレージ装置101(プライマリストレージ)がダウンしたとしても、(N)世代のデータを確保することができる。例えば、(N-1)世代のバックアップデータを参照中に、ストレージ装置101(プライマリストレージ)がダウンしたとする。
【0054】
この場合、ストレージ装置102のノード120(図1参照)は、ボリューム(S-Snap’)をリストア元ボリュームに決定する。そして、ストレージ装置102のノード120は、プライマリストレージの復旧後、リストア元ボリュームのデータをプライマリストレージに転送する。これにより、(N)世代のデータを復元することができる。
【0055】
(コピーセッションテーブル400の記憶内容)
つぎに、各ストレージ装置101,102が有するコピーセッションテーブル400の記憶内容について説明する。コピーセッションテーブル400は、例えば、各ストレージ装置101,102内のノード120のメモリ122やディスク130に記憶される。
【0056】
以下の説明では、ストレージ装置101が有するコピーセッションテーブル400を「コピーセッションテーブル400(P)」と表記し、ストレージ装置102が有するコピーセッションテーブル400を「コピーセッションテーブル400(S)」と表記する場合がある。
【0057】
まず、ストレージ装置101が有するコピーセッションテーブル400(P)の記憶内容について説明する。
【0058】
図4Aは、コピーセッションテーブル400(P)の記憶内容の一例を示す説明図である。図4Aにおいて、コピーセッションテーブル400(P)は、セッションID、コピー元ID、コピー先ID、ローカルボックスID、リモートボックスID、リモートセッションID、コピー種別、方向、ステータスおよびフェーズのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、コピーセッション情報410-1~410-4がレコードとして記憶される。
【0059】
ここで、セッションIDは、コピーセッションを識別する識別子である。コピー元IDは、コピー元ボリュームのボリュームIDである。コピー先IDは、コピー先ボリュームのボリュームIDである。ローカルボックスIDは、自装置のボックスIDである。リモートボックスIDは、他装置のボックスIDである。リモートセッションIDは、他装置で用いられるリモートコピーのセッションIDである。
【0060】
コピー種別は、コピーの種別を示す。コピー種別には、「Snapshot」または「RemoteCopy」が設定される。コピー種別「Snapshot」は、スナップショットを示す。コピー種別「RemoteCopy」は、リモートコピーを示す。方向は、リモートコピーの方向である。方向「L to R」は、ローカルサイト(自装置)からリモートサイト(他装置)への方向を示す。方向「R to L」は、リモートサイト(他装置)からローカルサイト(自装置)への方向を示す。
【0061】
ステータスは、コピーセッションの状態を示す。ステータスには、「Active」、「Suspend」および「Error」のいずれかが設定される。ステータス「Active」は、コピーセッションの状態が正常であることを示す。ステータス「Suspend」は、コピーセッションを停止中であることを示す。ステータス「Error」は、コピーセッションの状態が異常であることを示す。
【0062】
フェーズは、コピー中またはコピー完了を示す。コピー種別「Snapshot」のコピーセッションの場合、フェーズには「Copying」が設定される。コピー種別「RemoteCopy」のコピーセッションの場合、フェーズには、「Copying」または「Equivalent」が設定される。フェーズ「Copying」は、コピー中であることを示す。フェーズ「Equivalent」は、コピーが完了して等価状態にあることを示す。なお、ローカルボックスID、リモートボックスIDおよびリモートセッションIDは、リモートコピーの場合にのみ設定される。
【0063】
つぎに、ストレージ装置102が有するコピーセッションテーブル400(S)の記憶内容について説明する。
【0064】
図4Bは、コピーセッションテーブル400(S)の記憶内容の一例を示す説明図である。図4Bにおいて、コピーセッションテーブル400(S)は、セッションID、コピー元ID、コピー先ID、ローカルボックスID、リモートボックスID、リモートセッションID、コピー種別、方向、ステータスおよびフェーズのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、コピーセッション情報420-1~420-4がレコードとして記憶される。
【0065】
なお、コピーセッションテーブル400(S)についての詳細な説明は、図4Aに示したコピーセッションテーブル400(P)と同様のため省略する。
【0066】
(セッション関係性テーブル500の記憶内容)
つぎに、各ストレージ装置101,102が有するセッション関係性テーブル500の記憶内容について説明する。セッション関係性テーブル500は、例えば、各ストレージ装置101,102内のノード120のメモリ122やディスク130に記憶される。
【0067】
以下の説明では、ストレージ装置101が有するセッション関係性テーブル500を「セッション関係性テーブル500(P)」と表記し、ストレージ装置102が有するセッション関係性テーブル500を「セッション関係性テーブル500(S)」と表記する場合がある。
【0068】
まず、ストレージ装置101が有するセッション関係性テーブル500(P)の記憶内容について説明する。
【0069】
図5Aは、セッション関係性テーブル500(P)の記憶内容の一例を示す説明図である。図5Aにおいて、セッション関係性テーブル500(P)は、ストレージ装置101,102間で作成されるコピーセッション間の関係性を記憶する。
【0070】
セッション関係性テーブル500(P)は、ローカルスナップショットセッションIDと、ローカルRECセッションIDと、リモートRECセッションIDと、ローカルスナップショットセッションID(#)と、ローカルRECセッションID(#)と、リモートRECセッションID(#)と、ローカルボリュームIDと、ローカルスナップボリュームIDと、ローカルスナップボリュームID(#)と、リモートボリュームIDと、リモートスナップボリュームIDと、リモートスナップボリュームID(#)と、プライマリーフラグと、ローカルボックスIDと、リモートボックスIDと、を対応付けて記憶する。
【0071】
ローカルスナップショットセッションIDは、ローカルサイト(自装置内)におけるコピー種別「Snapshot」のコピーセッションのセッションIDである。ローカルRECセッションIDは、ローカルサイト(自装置内)におけるコピー種別「RemoteCopy」のコピーセッションのセッションIDである。
【0072】
リモートRECセッションIDは、リモートサイト(他装置内)におけるコピー種別「RemoteCopy」のコピーセッションのセッションIDである。ローカルスナップショットセッションID(#)は、バックアップデータを参照するにあたり作成される、ローカルサイト(自装置内)におけるコピー種別「Snapshot」のコピーセッションのセッションIDである。
【0073】
ローカルRECセッションID(#)は、バックアップデータを参照するにあたり作成される、ローカルサイト(自装置内)におけるコピー種別「RemoteCopy」のコピーセッションのセッションIDである。リモートRECセッションID(#)は、バックアップデータを参照するにあたり作成される、リモートサイト(他装置内)におけるコピー種別「RemoteCopy」のコピーセッションのセッションIDである。
【0074】
ローカルボリュームIDは、ローカルサイト(自装置内)にあるコピー元ボリュームのボリュームIDである。ローカルスナップボリュームIDは、ローカルサイト(自装置内)にある、コピー元ボリュームのスナップショットを記憶するボリュームのボリュームIDである。ローカルスナップボリュームID(#)は、バックアップデータを参照するにあたりローカルサイト(自装置内)に作成される、コピー元ボリュームのスナップショットを記憶するボリュームのボリュームIDである。
【0075】
リモートボリュームIDは、リモートサイト(他装置内)にあるコピー先ボリュームのボリュームIDである。リモートスナップボリュームIDは、リモートサイト(他装置内)にある、コピー先ボリュームのスナップショットを記憶するボリュームのボリュームIDである。リモートスナップボリュームID(#)は、バックアップデータを参照するにあたりリモートサイト(他装置内)に作成される、コピー先ボリュームのスナップショットを記憶するボリュームのボリュームIDである。
【0076】
プライマリーフラグは、自装置がリモートコピーのコピー元であるか否かを示すフラグである。プライマリーフラグ「TRUE」は、自装置がコピー元であることを示す。プライマリーフラグ「FALSE」は、自装置がコピー先であることを示す。ローカルボックスIDは、自装置を識別する識別子である。リモートボックスIDは、他装置を識別する識別子である。
【0077】
つぎに、ストレージ装置102が有するセッション関係性テーブル500(S)の記憶内容について説明する。
【0078】
図5Bは、セッション関係性テーブル500(S)の記憶内容の一例を示す説明図である。図5Bにおいて、セッション関係性テーブル500(S)は、ストレージ装置101,102間で作成されるコピーセッション間の関係性を記憶する。
【0079】
なお、セッション関係性テーブル500(S)についての詳細な説明は、図5Aに示したセッション関係性テーブル500(P)と同様のため省略する。
【0080】
(マスタノードMの機能的構成例)
図6は、マスタノードMの機能的構成例を示すブロック図である。図6において、マスタノードMは、受付部601と、バックアップ制御部602と、コピー制御部603と、を含む。具体的には、例えば、受付部601~コピー制御部603は、図1に示したマスタノードM(ノード120)のメモリ122に記憶されたプログラムをCPU121に実行させることにより、または、通信I/F123により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ122、ディスク130などの記憶装置に記憶される。
【0081】
受付部601は、プライマリボリュームに対するバックアップ指示を受け付ける。バックアップ指示は、プライマリボリュームのデータを、セカンダリボリュームへバックアップするよう指示するものである。プライマリボリュームは、例えば、図2に示したストレージ装置101のボリューム(P-V)である。また、セカンダリボリュームは、例えば、図2に示したストレージ装置102のボリューム(S-V)である。
【0082】
バックアップ指示には、例えば、プライマリストレージのボックスID、プライマリボリュームのボリュームID、セカンダリストレージのボックスID、セカンダリボリュームのボリュームIDが含まれる。具体的には、例えば、受付部601は、図1に示したホスト装置103から、プライマリボリュームに対するバックアップ指示を受け付ける。
【0083】
以下の説明では、プライマリボリュームとして「ストレージ装置101のボリューム(P-V)」を、セカンダリボリュームとして「ストレージ装置102のボリューム(S-V)」を例に挙げて説明する。また、初期状態において、ボリューム(P-V)からボリューム(S-V)への初期コピーは、完了しているものとする。
【0084】
バックアップ制御部602は、ボリューム(P-V)に対するバックアップ指示を受け付けると、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)にボリューム(S-Snap)を作成する。また、バックアップ制御部602は、ストレージ装置101(プライマリストレージ)にボリューム(P-Snap)を作成する。そして、バックアップ制御部602は、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーを開始する。
【0085】
ここで、ボリューム(P-Snap)は、プライマリボリュームであるボリューム(P-V)のスナップショットが作成される第1ボリュームである。また、ボリューム(S-Snap)は、セカンダリボリュームであるボリューム(S-V)のスナップショットが作成される第2ボリュームである。
【0086】
具体的には、例えば、バックアップ制御部602は、セカンダリストレージであるストレージ装置102に、ボリューム(S-Snap)の作成指示を送信する。ストレージ装置102は、ボリューム(S-Snap)の作成指示を受信すると、自装置内にボリューム(S-Snap)を作成する。
【0087】
そして、ストレージ装置102は、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap)へのスナップショットセッションを作成する。また、ストレージ装置102は、ボリューム(S-Snap)のボリュームID、およびスナップショットセッションのセッションIDをストレージ装置101に通知する。
【0088】
また、バックアップ制御部602は、自装置内にボリューム(P-Snap)を作成し、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap)へのスナップショットを作成する。つぎに、バックアップ制御部602は、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションを作成する。
【0089】
そして、バックアップ制御部602は、スナップショット(P-V/P-Snap)、リモートコピー(REC)およびスナップショット(S-V/S-Snap)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を開始する。
【0090】
リモートコピー(REC)は、例えば、所定時間(数時間、1日など)ごとに定期的に行われる。具体的には、例えば、バックアップ制御部602は、リモートコピー(REC)の開始タイミングとなったら、ボリューム(P-Snap)とボリューム(S-V)との差分を求めて、差分データのコピーを開始する。
【0091】
これにより、ボリューム(P-V)へのI/O性能に与える影響を抑えつつ、ボリューム(P-V)のデータのバックアップをとることができる。また、リモートコピー中の通信障害等を考慮して、セカンダリストレージ側でもボリューム(S-V)のデータのバックアップをとることができる。
【0092】
なお、ストレージ装置101において、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap)へのスナップショットセッションが作成されると、例えば、コピーセッションテーブル400(P)にコピーセッション情報410-1が記憶される。また、ストレージ装置102において、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap)へのスナップショットが作成されると、例えば、コピーセッションテーブル400(S)にコピーセッション情報420-2が記憶される。
【0093】
また、ストレージ装置101において、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションが作成されると、コピーセッションテーブル400(P)にコピーセッション情報410-2が記憶される。また、ストレージ装置102において、コピーセッションテーブル400(S)にコピーセッション情報420-1が記憶される。
【0094】
また、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションが作成されると、各ストレージ装置101,102において、セッション関係性テーブル500(P),500(S)がそれぞれ作成される。各種テーブルに設定する情報は、例えば、ストレージ装置101,102間で通信することにより取得される。
【0095】
なお、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)への差分データのコピーが完了すると、コピーセッションテーブル400(P)内のコピーセッション情報410-2のフェーズに「Equivalent」が設定される。また、コピーセッションテーブル400(S)内のコピーセッション情報420-1のフェーズに「Equivalent」が設定される。
【0096】
また、受付部601は、バックアップデータの参照要求を受け付ける。ここで、バックアップデータの参照要求は、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)に格納されたバックアップデータの参照を要求するものである。
【0097】
バックアップデータの参照要求には、例えば、プライマリストレージのボックスID、プライマリボリュームのボリュームID、セカンダリストレージのボックスID、セカンダリボリュームのボリュームIDが含まれる。具体的には、例えば、受付部601は、ホスト装置103から、バックアップデータの参照要求を受け付ける。
【0098】
コピー制御部603は、バックアップデータの参照要求を受け付けると、ストレージ装置101(プライマリストレージ)にボリューム(P-Snap’)を作成する。また、コピー制御部603は、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)にボリューム(S-Snap’)を作成する。
【0099】
ここで、ボリューム(P-Snap’)は、プライマリボリュームであるボリューム(P-V)のスナップショットが作成される第3ボリュームである。また、ボリューム(S-Snap’)は、セカンダリボリュームであるボリューム(S-V)のスナップショットが作成される第4ボリュームである。
【0100】
具体的には、例えば、コピー制御部603は、自装置内にボリューム(P-Snap’)を作成し、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap’)へのスナップショットを作成する。また、コピー制御部603は、セカンダリストレージであるストレージ装置102に、ボリューム(S-Snap’)の作成指示を送信する。
【0101】
ストレージ装置102は、ボリューム(S-Snap’)の作成指示を受信すると、自装置内にボリューム(S-Snap’)を作成する。また、ストレージ装置102は、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap’)へのスナップショットセッションを作成する。また、ストレージ装置102は、ボリューム(S-Snap’)のボリュームID、およびスナップショットセッションのセッションIDをストレージ装置101に通知する。
【0102】
つぎに、コピー制御部603は、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションを作成する。
【0103】
なお、ストレージ装置101において、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap’)へのスナップショットセッションが作成されると、例えば、コピーセッションテーブル400(P)にコピーセッション情報410-3が記憶される。また、ストレージ装置102において、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap’)へのスナップショットが作成されると、例えば、コピーセッションテーブル400(S)にコピーセッション情報420-4が記憶される。
【0104】
また、ストレージ装置101において、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションが作成されると、コピーセッションテーブル400(P)にコピーセッション情報410-4が記憶される。また、ストレージ装置102において、コピーセッションテーブル400(S)にコピーセッション情報420-3が記憶される。
【0105】
また、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションが作成されると、各ストレージ装置101,102において、セッション関係性テーブル500(P),500(S)がそれぞれ更新される。各種テーブルに設定する情報は、例えば、ストレージ装置101,102間で通信することにより取得される。
【0106】
なお、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)への差分データのコピーが完了すると、コピーセッションテーブル400(P)内のコピーセッション情報410-4のフェーズに「Equivalent」が設定される。また、コピーセッションテーブル400(S)内のコピーセッション情報420-3のフェーズに「Equivalent」が設定される。
【0107】
つぎに、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap)、リモートコピー(REC)およびスナップショット(S-V/S-Snap)を用いた、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を停止する。
【0108】
具体的には、例えば、コピー制御部603は、リモートコピー(REC)を停止(サスペンド)する。また、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap)を停止する。また、コピー制御部603は、スナップショット(S-V/S-Snap)の停止指示を、ストレージ装置102に送信する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該停止指示を受信すると、スナップショット(S-V/S-Snap)を停止する。
【0109】
つぎに、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap’)、リモートコピー(REC’)およびスナップショット(S-V/S-Snap’)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を開始する。
【0110】
具体的には、例えば、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap’)を開始する。また、コピー制御部603は、リモートコピー(REC’)を開始する。また、マスタノードMは、スナップショット(S-V/S-Snap’)の開始指示を、ストレージ装置102に送信する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該開始指示を受信すると、スナップショット(S-V/S-Snap’)を開始する。
【0111】
これにより、ストレージ装置101,102の両ストレージに新世代のスナップショット用ボリュームおよびスナップショットセッションを作成して、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を引き継ぐことができる。
【0112】
コピー制御部603は、ボリューム(P-V)、ボリューム(P-Snap)およびボリューム(S-Snap)を用いて、バックアップデータの読み出しを行う。具体的には、例えば、コピー制御部603は、ストレージ装置101上にボリューム(S-V’)を作成する。ボリューム(S-V’)は、バックアップデータを参照するために作成される仮想ボリュームである。
【0113】
受付部601は、バックアップデータのいずれかのデータの読み出し要求を受け付ける。具体的には、例えば、受付部601は、ホスト装置103から、ボリューム(S-V’)内のデータの読み出し要求を受け付ける。以下の説明では、読み出し要求されたデータを「対象データ」と表記する場合がある。
【0114】
読み出し要求は、例えば、ボリューム(S-V’)内の論理ブロックを指定する論理アドレスを含む。論理ブロックは、所定容量で規定された管理単位の領域である。論理アドレスは、例えば、LBA(Logical Block Address)によって指定される。1LBAは、例えば、512B(Byte)の記憶領域に相当する。
【0115】
コピー制御部603は、読み出し要求を受け付けた場合、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap)との差分を示す差分情報に基づいて、対象データがボリューム(S-Snap)にあるか否かを判断する。差分情報は、例えば、所定のブロック単位の差分の有無を示す差分ビットマップである。所定のブロックは、例えば、16LBAである。
【0116】
なお、コピー制御部603は、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap)との差分を示す差分情報を、ストレージ装置102から取得して、自ノードのメモリ122に記憶する。これにより、メモリ122に記憶した差分情報を参照して、ボリューム(S-Snap)に対象データがあるか否かを判断することができる。ただし、コピー制御部603は、ストレージ装置102に対して、ボリューム(S-Snap)に対象データがあるか否かを問い合わせることにしてもよい。
【0117】
ここで、ボリューム(S-Snap)に対象データがあると判断した場合、コピー制御部603は、ストレージ装置102内のボリューム(S-Snap)から対象データを読み出す。一方、ボリューム(S-Snap)に対象データがないと判断した場合には、コピー制御部603は、ボリューム(P-V)またはボリューム(P-Snap)から対象データを読み出す。そして、コピー制御部603は、読み出した対象データを、読み出し要求元に応答する。読み出し要求元は、例えば、ホスト装置103である。
【0118】
なお、ストレージシステム100におけるバックアップデータを参照時の動作例については、図7を用いて後述する。また、コピー制御部603は、対象データを読み出すにあたり、例えば、ボリューム(S-V)やボリューム(S-Snap’)から読み出すことにしてもよい。
【0119】
コピー制御部603は、バックアップデータの参照が終了した場合、リモートコピー(REC’)を停止する。また、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap)、リモートコピー(REC)およびスナップショット(S-V/S-Snap)を用いた、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を再開する。
【0120】
具体的には、例えば、コピー制御部603は、ホスト装置103からバックアップデータの参照終了要求を受け付けた場合、リモートコピー(REC’)を停止する。つぎに、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap)と、スナップショット(S-V/S-Snap)を再開する。また、コピー制御部603は、リモートコピー(REC)を再開する。これにより、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を再開することができる。そして、コピー制御部603は、ボリューム(S-V’)を削除する。
【0121】
また、コピー制御部603は、ボリューム(P-Snap’)内の新データをボリューム(P-Snap)にコピーし、ボリューム(S-Snap’)内の新データをボリューム(S-Snap)にコピーする。そして、コピー制御部603は、ボリューム(P-Snap’)およびボリューム(S-Snap’)を削除する。
【0122】
具体的には、例えば、コピー制御部603は、ボリューム(P-V)とボリューム(P-Snap’)との差分情報に基づいて、ボリューム(P-Snap’)内の新データをボリューム(P-Snap)にコピーする。また、コピー制御部603は、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap’)との差分情報に基づいて、ボリューム(S-Snap’)内の新データをボリューム(S-Snap)にコピーする。ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap’)との差分を示す差分情報は、例えば、ストレージ装置102から取得される。
【0123】
これにより、ユーザによるバックアップデータの参照が終了したことに応じて、ストレージシステム100内のコピーセッションの状態を、バックアップデータの参照前の状態に戻すことができる。
【0124】
ボリューム(P-Snap’)およびボリューム(S-Snap’)が削除されると、ストレージ装置101において、例えば、コピーセッションテーブル400(P)内のコピーセッション情報410-3,410-4が削除される。また、ストレージ装置102において、例えば、コピーセッションテーブル400(S)内のコピーセッション情報420-3,420-4が削除される。また、各ストレージ装置101,102において、セッション関係性テーブル500(P),500(S)がそれぞれ更新される。
【0125】
なお、ストレージシステム100におけるバックアップデータの参照終了時の動作例については、図8A図8Bおよび図8Cを用いて後述する。
【0126】
(バックアップデータを参照時の動作例)
つぎに、図7を用いて、ストレージシステム100におけるバックアップデータを参照時の動作例について説明する。
【0127】
図7は、バックアップデータを参照時の動作例を示す説明図である。図7において、コピー制御部603は、ホスト装置103から、ボリューム(S-V’)内の対象データの読み出し要求を受け付けた場合、差分情報710に基づいて、ボリューム(S-Snap)に対象データがあるか否かを判断する。
【0128】
差分情報710は、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap)との差分を示す差分ビットマップである。具体的には、例えば、コピー制御部603は、差分情報710を参照して、対象データが記憶された該当ブロックが差分ありの場合、ボリューム(S-Snap)に対象データがあると判断する。一方、該当ブロックが差分なしの場合、コピー制御部603は、ボリューム(S-Snap)に対象データがないと判断する。
【0129】
ここで、ボリューム(S-Snap)に対象データがあると判断した場合、コピー制御部603は、ストレージ装置102内のボリューム(S-Snap)から対象データを読み出す。そして、コピー制御部603は、読み出した対象データをホスト装置103に送信する。
【0130】
一方、ボリューム(S-Snap)に対象データがないと判断した場合には、コピー制御部603は、差分情報720に基づいて、ボリューム(P-Snap)に対象データがあるか否かを判断する。差分情報720は、ボリューム(P-V)とボリューム(P-Snap)との差分を示す差分ビットマップである。
【0131】
具体的には、例えば、コピー制御部603は、差分情報720を参照して、対象データが記憶された該当ブロックが差分ありの場合、ボリューム(P-Snap)に対象データがあると判断する。一方、該当ブロックが差分なしの場合、コピー制御部603は、ボリューム(P-Snap)に対象データがないと判断する。
【0132】
ここで、ボリューム(P-Snap)に対象データがあると判断した場合、コピー制御部603は、自装置内のボリューム(P-Snap)から対象データを読み出す。一方、ボリューム(P-Snap)に対象データがないと判断した場合には、コピー制御部603は、自装置内のボリューム(P-V)から対象データを読み出す。そして、コピー制御部603は、読み出した対象データをホスト装置103に送信する。
【0133】
これにより、バックアップデータを読み出して応答することができる。また、ストレージ装置101,102の両ストレージにあるデータについては、ストレージ装置101(プライマリストレージ)から読み出すことで、データ読み出し時の転送コストを抑えることができる。
【0134】
(バックアップデータの参照終了時の動作例)
つぎに、図8A図8Bおよび図8Cを用いて、ストレージシステム100におけるバックアップデータの参照終了時の動作例について説明する。
【0135】
図8A図8Bおよび図8Cは、バックアップデータの参照終了時の動作例を示す説明図である。図8Aにおいて、まず、コピー制御部603は、バックアップデータの参照終了要求を受け付けた場合、リモートコピー(REC’)を停止して、スナップショット(P-V/P-Snap)、スナップショット(S-V/S-Snap)およびリモートコピー(REC)を再開する。
【0136】
これにより、コピー制御部603は、スナップショット(P-V/P-Snap)、スナップショット(S-V/S-Snap)およびリモートコピー(REC)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を再開する。そして、コピー制御部603は、ボリューム(S-V’)を削除する。
【0137】
図8Bにおいて、つぎに、コピー制御部603は、差分情報810に基づいて、ボリューム(P-Snap’)内の新データをボリューム(P-Snap)にコピーする。差分情報810は、ボリューム(P-V)とボリューム(P-Snap’)との差分を示す差分ビットマップである。具体的には、例えば、コピー制御部603は、差分情報810を参照して、差分ありのブロックのデータ(新データ)を、ボリューム(P-Snap)にコピーする。
【0138】
また、コピー制御部603は、ボリューム(S-Snap’)内の新データのボリューム(S-Snap)へのコピー指示を、ストレージ装置102に送信する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該コピー指示を受信すると、差分情報820に基づいて、ボリューム(S-Snap’)内の新データをボリューム(S-Snap)にコピーする。
【0139】
差分情報820は、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap’)との差分を示す差分ビットマップである。具体的には、例えば、ストレージ装置102のノード120は、差分情報820を参照して、差分ありのブロックのデータ(新データ)を、ボリューム(S-Snap)にコピーする。
【0140】
図8Cにおいて、コピー制御部603は、ボリューム(P-Snap’)を削除する。また、コピー制御部603は、ボリューム(S-Snap’)を削除する。具体的には、例えば、コピー制御部603は、ボリューム(S-Snap’)の削除指示を、ストレージ装置102に送信する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該削除指示を受信すると、ボリューム(S-Snap’)を削除する。
【0141】
これにより、ユーザによるバックアップデータの参照が終了したことに応じて、ストレージシステム100内のコピーセッションの状態を、バックアップデータの参照前の状態に戻すことができる。図8Cの例では、(N+1)世代のデータがボリューム(P-Snap)およびボリューム(S-V)に記憶され、(N)世代のデータがボリューム(S-Snap)に記憶されている。
【0142】
(マスタノードMのバックアップ処理手順)
つぎに、ストレージ装置101内のマスタノードMのバックアップ処理手順について説明する。マスタノードMのバックアップ処理は、例えば、ボリューム(P-V)に対するバックアップ指示に応じて、または、指定時間間隔(例えば、1時間、1日など)で実行される。ここでは、初期状態において、ボリューム(P-V)からボリューム(S-V)への初期コピーは、完了しているものとする。
【0143】
図9は、マスタノードMのバックアップ処理手順の一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、マスタノードMは、ボリューム(S-Snap)が存在するか否かを判断する(ステップS901)。
【0144】
具体的には、例えば、マスタノードMは、セッション関係性テーブル500(P)を参照して、リモートスナップボリュームIDにボリュームIDが設定されていれば、ボリューム(S-Snap)が存在すると判断する。一方、リモートスナップボリュームIDにボリュームIDが未設定であれば、ボリューム(S-Snap)が存在しないと判断する。また、マスタノードMは、ストレージ装置102に問い合わせることにより、ボリューム(S-Snap)が存在するか否かを判断することにしてもよい。
【0145】
ここで、ボリューム(S-Snap)が存在する場合(ステップS901:Yes)、マスタノードMは、ステップS903に移行する。一方、ボリューム(S-Snap)が存在しない場合(ステップS901:No)、マスタノードMは、ストレージ装置102に、ボリューム(S-Snap)の作成指示を送信する(ステップS902)。
【0146】
なお、ストレージ装置102は、マスタノードMからボリューム(S-Snap)の作成指示を受信すると、ボリューム(S-Snap)を作成する。そして、ストレージ装置102は、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap)へのスナップショットセッションを作成する。この結果、ストレージ装置102において、コピーセッションテーブル400(S)にコピーセッション情報420-2が記憶される。また、ストレージ装置102は、ボリューム(S-Snap)のボリュームID、およびスナップショット(S-V/S-Snap)のセッションIDをマスタノードMに通知する。
【0147】
つぎに、マスタノードMは、自装置内にボリューム(P-Snap)が存在するか否かを判断する(ステップS903)。ここで、ボリューム(P-Snap)が存在する場合(ステップS903:Yes)、マスタノードMは、ステップS906に移行する。一方、ボリューム(P-Snap)が存在しない場合(ステップS903:No)、マスタノードMは、自装置内にボリューム(P-Snap)を作成する(ステップS904)。
【0148】
そして、マスタノードMは、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap)へのスナップショットセッションを作成する(ステップS905)。この結果、マスタノードMにおいて、コピーセッションテーブル400(P)にコピーセッション情報410-1が記憶される。
【0149】
つぎに、マスタノードMは、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションを作成する(ステップS906)。この結果、マスタノードMにおいて、コピーセッションテーブル400(P)にコピーセッション情報410-2が記憶される。また、ストレージ装置102において、コピーセッションテーブル400(S)にコピーセッション情報420-1が記憶される。また、各ストレージ装置101,102において、セッション関係性テーブル500(P),500(S)がそれぞれ作成される。
【0150】
そして、マスタノードMは、スナップショット(P-V/P-Snap)、スナップショット(S-V/S-Snap)、および、リモートコピー(REC)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を開始して(ステップS907)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0151】
これにより、ボリューム(P-V)へのI/O性能に与える影響を抑えつつ、ボリューム(P-V)のデータのバックアップをとることができる。さらに、リモートコピー中の通信障害等を考慮して、リモートサイト側でもボリューム(S-V)のデータのバックアップをとることができる。
【0152】
なお、リモートコピー(REC)では、ボリューム(P-Snap)とボリューム(S-V)との差分データのコピーが行われ、差分データのコピーが完了したら、コピーセッション情報410-2のフェーズに「Equivalent」が設定される。また、コピーセッション情報420-1のフェーズに「Equivalent」が設定される。
【0153】
(マスタノードMの事前準備処理手順)
つぎに、ストレージ装置101内のマスタノードMの事前準備処理手順について説明する。マスタノードMの事前準備処理は、例えば、バックアップデータを参照する際に事前準備として実行される。
【0154】
図10は、マスタノードMの事前準備処理手順の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、まず、マスタノードMは、ホスト装置103からバックアップデータの参照要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1001)。
【0155】
ここで、マスタノードMは、バックアップデータの参照要求を受け付けるのを待つ(ステップS1001:No)。マスタノードMは、バックアップデータの参照要求を受け付けた場合(ステップS1001:Yes)、ボリューム(P-Snap)からボリューム(S-V)へのリモートコピー(REC)の完了を待つ(ステップS1002)。
【0156】
つぎに、マスタノードMは、自装置内にボリューム(P-Snap’)を作成する(ステップS1003)。そして、マスタノードMは、ストレージ装置102に、ボリューム(S-Snap’)の作成指示を送信する(ステップS1004)。なお、ストレージ装置102は、マスタノードMからボリューム(S-Snap’)の作成指示を受信すると、ボリューム(S-Snap’)を作成する。
【0157】
つぎに、マスタノードMは、ボリューム(P-V)からボリューム(P-Snap’)へのスナップショットセッションを作成する(ステップS1005)。そして、マスタノードMは、ボリューム(P-Snap’)からボリューム(S-V)へのリモートコピーセッションを作成する(ステップS1006)。
【0158】
つぎに、マスタノードMは、ストレージ装置102に、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap’)へのスナップショットセッションの作成指示を送信する(ステップS1007)。なお、ストレージ装置102は、マスタノードMからスナップショットセッションの作成指示を受信すると、ボリューム(S-V)からボリューム(S-Snap’)へのスナップショットセッションを作成する。
【0159】
そして、マスタノードMは、リモートコピー(REC)をサスペンドする(ステップS1008)。つぎに、マスタノードMは、スナップショット(P-V/P-Snap)とスナップショット(S-V/S-Snap)をサスペンドする(ステップS1009)。
【0160】
なお、スナップショット(S-V/S-Snap)については、マスタノードMは、ストレージ装置102にスナップショット(S-V/S-Snap)の停止指示を送信する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該停止指示を受信すると、スナップショット(S-V/S-Snap)を停止する。
【0161】
つぎに、マスタノードMは、スナップショット(P-V/P-Snap’)、スナップショット(S-V/S-Snap’)、および、リモートコピー(REC’)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を開始する(ステップS1010)。そして、マスタノードMは、自装置上にボリューム(S-V’)を作成して(ステップS1011)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0162】
これにより、ストレージ装置101,102の両ストレージに新世代のスナップショット用ボリュームおよびスナップショットセッションを作成して、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を引き継ぐことができる。
【0163】
(マスタノードMのバックアップデータ参照処理手順)
つぎに、ストレージ装置101内のマスタノードMのバックアップデータ参照処理手順について説明する。
【0164】
図11は、マスタノードMのバックアップデータ参照処理手順の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、まず、マスタノードMは、ホスト装置103から、ボリューム(S-V’)内のデータの読み出し要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1101)。
【0165】
ここで、マスタノードMは、データの読み出し要求を受け付けるのを待つ(ステップS1101:No)。マスタノードMは、データの読み出し要求を受け付けた場合(ステップS1101:Yes)、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap)との差分を示す差分情報に基づいて、ボリューム(S-Snap)に対象データがあるか否かを判断する(ステップS1102)。
【0166】
ここで、ボリューム(S-Snap)にある場合(ステップS1102:Yes)、マスタノードMは、ボリューム(S-Snap)から対象データを読み出して(ステップS1103)、ステップS1107へ移行する。
【0167】
一方、ボリューム(S-Snap)にない場合(ステップS1102:No)、マスタノードMは、ボリューム(P-V)とボリューム(P-Snap)との差分を示す差分情報に基づいて、ボリューム(P-Snap)に対象データがあるか否かを判断する(ステップS1104)。
【0168】
ここで、ボリューム(P-Snap)にある場合(ステップS1104:Yes)、マスタノードMは、ボリューム(P-Snap)から対象データを読み出して(ステップS1105)、ステップS1107へ移行する。
【0169】
一方、ボリューム(P-Snap)にない場合(ステップS1104:No)、マスタノードMは、ボリューム(P-V)から対象データを読み出す(ステップS1106)。そして、マスタノードMは、読み出したデータをホスト装置103に送信して(ステップS1107)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0170】
これにより、ホスト装置103からの読み出し要求に応じて、バックアップデータを読み出して応答することができる。また、ストレージ装置101,102の両ストレージにあるデータについては、ストレージ装置101(プライマリストレージ)から読み出すことで、データ読み出し時の転送コストを抑えることができる。
【0171】
(マスタノードMの事後処理手順)
つぎに、ストレージ装置101内のマスタノードMの事後処理手順について説明する。
【0172】
図12は、マスタノードMの事後処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、マスタノードMは、ホスト装置103から、バックアップデータの参照終了要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1201)。
【0173】
ここで、マスタノードMは、バックアップデータの参照終了要求を受け付けるのを待つ(ステップS1201:No)。そして、マスタノードMは、バックアップデータの参照終了要求を受け付けた場合(ステップS1201:Yes)、リモートコピー(REC’)をサスペンドする(ステップS1202)。
【0174】
つぎに、マスタノードMは、リモートコピー(REC)を再開し(ステップS1203)、スナップショット(P-V/P-Snap)とスナップショット(S-V/S-Snap)を再開する(ステップS1204)。そして、マスタノードMは、スナップショット(P-V/P-Snap)、スナップショット(S-V/S-Snap)およびリモートコピー(REC)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を再開する(ステップS1205)。
【0175】
つぎに、マスタノードMは、ボリューム(S-V’)を削除する(ステップS1206)。そして、マスタノードMは、ボリューム(P-V)とボリューム(P-Snap’)との差分を示す差分情報に基づいて、ボリューム(P-Snap’)内の新データをボリューム(P-Snap)にコピーする(ステップS1207)。
【0176】
つぎに、マスタノードMは、ボリューム(S-Snap’)内の新データのボリューム(S-Snap)へのコピー指示を、ストレージ装置102に送信する(ステップS1208)。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該コピー指示を受信すると、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap’)との差分を示す差分情報に基づいて、ボリューム(S-Snap’)内の新データをボリューム(S-Snap)にコピーする。
【0177】
つぎに、マスタノードMは、ボリューム(P-Snap’)を削除する(ステップS1209)。そして、マスタノードMは、ボリューム(S-Snap’)の削除指示を、ストレージ装置102に送信して(ステップS1210)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。ストレージ装置102のノード120は、マスタノードMから当該削除指示を受信すると、ボリューム(S-Snap’)を削除する。
【0178】
これにより、ユーザによるバックアップデータの参照が終了したことに応じて、ストレージシステム100内のコピーセッションの状態を、バックアップデータの参照前の状態に戻すことができる。
【0179】
なお、本フローチャートによる一連の処理を実行中に、ボリューム(P-Snap)またはボリューム(S-Snap)が参照されるとき、ボリューム(P-Snap’)またはボリューム(S-Snap’)に新データが存在する場合がある。この場合、マスタノードMは、ボリューム(P-Snap’)またはボリューム(S-Snap’)から新データを読み出して応答する。
【0180】
以上説明したように、実施の形態にかかるマスタノードM(ストレージ制御装置)によれば、バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、ボリューム(P-V)のスナップショットが作成されるボリューム(P-Snap’)と、ボリューム(S-V)のスナップショットが作成されるボリューム(S-Snap’)とを作成することができる。また、マスタノードMによれば、スナップショット(P-V/P-Snap)、リモートコピー(REC)およびスナップショット(S-V/S-Snap)を用いた、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を停止することができる。そして、マスタノードMによれば、スナップショット(P-V/P-Snap’)、リモートコピー(REC’)およびスナップショット(S-V/S-Snap’)を用いて、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を開始することができる。
【0181】
これにより、バックアップデータの参照時に、ストレージ装置101,102の両ストレージに新世代のスナップショット用ボリュームおよびスナップショットセッションを作成して、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を引き継ぐことができる。このため、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)に格納されているバックアップデータを、冗長性を確保した状態で参照可能にすることができる。
【0182】
また、マスタノードMによれば、ボリューム(P-V)、ボリューム(P-Snap)およびボリューム(S-Snap)を用いて、バックアップデータの読み出しを行うことができる。例えば、マスタノードMは、ホスト装置103からデータの読み出し要求を受け付けた場合、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap)との差分を示す差分情報に基づいて、ボリューム(S-Snap)に対象データがあるか否かを判断する。ここで、ボリューム(S-Snap)に対象データがあると判断した場合、マスタノードMは、ボリューム(S-Snap)から対象データを読み出す。一方、ボリューム(S-Snap)に対象データがないと判断した場合には、マスタノードMは、ボリューム(P-V)またはボリューム(P-Snap)から対象データを読み出す。そして、マスタノードMは、読み出した対象データをホスト装置103に送信する。
【0183】
これにより、ストレージ装置101(プライマリストレージ)に接続されたホスト装置103からの読み出し要求に応じて、バックアップデータを読み出して応答することができる。また、ストレージ装置101,102の両ストレージにあるデータについては、ストレージ装置101から読み出すことで、データ読み出し時の転送コストを抑えることができる。
【0184】
また、マスタノードMによれば、バックアップデータの参照が終了した場合、リモートコピー(REC’)を停止して、スナップショット(P-V/P-Snap)、リモートコピー(REC)およびスナップショット(S-V/S-Snap)を用いた、ボリューム(P-V)のバックアップ処理を再開することができる。また、マスタノードMによれば、ボリューム(P-V)とボリューム(P-Snap’)との差分情報に基づいて、ボリューム(P-Snap’)内の新データをボリューム(P-Snap)にコピーし、ボリューム(S-V)とボリューム(S-Snap’)との差分情報に基づいて、ボリューム(S-Snap’)内の新データをボリューム(S-Snap)にコピーすることができる。そして、マスタノードMによれば、ボリューム(P-Snap’)およびボリューム(S-Snap’)を削除することができる。
【0185】
これにより、ユーザによるバックアップデータの参照が終了したことに応じて、ストレージシステム100内のコピーセッションの状態を、バックアップデータの参照前の状態に戻すことができる。
【0186】
これらのことから、実施の形態にかかるマスタノードM(ストレージ制御装置)およびストレージシステム100によれば、ストレージ装置101(プライマリストレージ)に接続されたホスト装置103から、ストレージ装置102(セカンダリストレージ)に格納されているバックアップデータを、冗長性を確保した状態で参照可能にすることができる。
【0187】
なお、本実施の形態で説明したストレージ制御方法は、予め用意されたプログラムをストレージ制御装置等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本ストレージ制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本ストレージ制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0188】
また、本実施の形態で説明したストレージ制御装置(マスタノードM)は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
【0189】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0190】
(付記1)プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置とを含むストレージシステムのストレージ制御装置であって、
バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、
前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、
前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始する、
制御部を有することを特徴とするストレージ制御装置。
【0191】
(付記2)前記制御部は、
前記プライマリボリューム、前記第1ボリュームおよび前記第2ボリュームを用いて、前記バックアップデータの読み出しを行う、ことを特徴とする付記1に記載のストレージ制御装置。
【0192】
(付記3)前記制御部は、
前記バックアップデータのいずれかのデータの読み出し要求を受け付けた場合、前記セカンダリボリュームと前記第2ボリュームとの差分情報に基づいて、前記データが前記第2ボリュームにあるか否かを判断し、
前記第2ボリュームに前記データがあると判断した場合、前記第2ボリュームから前記データを読み出し、前記第2ボリュームに前記データがないと判断した場合には、前記プライマリボリュームまたは前記第1ボリュームから前記データを読み出す、
ことを特徴とする付記2に記載のストレージ制御装置。
【0193】
(付記4)前記制御部は、
前記バックアップデータの参照が終了した場合、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピーを停止して、前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を再開し、
前記プライマリボリュームと前記第3ボリュームとの差分情報に基づいて、前記第3ボリューム内の新データを前記第1ボリュームにコピーし、
前記セカンダリボリュームと前記第4ボリュームとの差分情報に基づいて、前記第4ボリューム内の新データを前記第2ボリュームにコピーし、
前記第3ボリュームおよび前記第4ボリュームを削除する、
ことを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載のストレージ制御装置。
【0194】
(付記5)前記ストレージ制御装置は、前記第1のストレージ装置に設けられ、
前記制御部は、前記第1のストレージ装置に接続されたホスト装置から、前記バックアップデータのいずれかのデータの読み出し要求を受け付ける、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載のストレージ制御装置。
【0195】
(付記6)前記第3ボリュームは、前記第1のストレージ装置上に作成され、
前記第4ボリュームは、前記第2のストレージ装置上に作成される、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載のストレージ制御装置。
【0196】
(付記7)プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置とを含むストレージシステムのコンピュータに、
バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、
前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、
前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始する、
処理を実行させることを特徴とするストレージ制御プログラム。
【0197】
(付記8)プライマリボリュームと前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第1ボリュームとを有する第1のストレージ装置と、
前記プライマリボリュームのスナップショットのデータがリモートコピーされるセカンダリボリュームと前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第2ボリュームとを有する第2のストレージ装置と、
バックアップデータの参照要求を受け付けたことに応じて、前記プライマリボリュームのスナップショットが作成される第3ボリュームと、前記セカンダリボリュームのスナップショットが作成される第4ボリュームとを作成し、前記プライマリボリュームから前記第1ボリュームへのスナップショット、前記第1ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第2ボリュームへのスナップショットを用いた、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を停止し、前記プライマリボリュームから前記第3ボリュームへのスナップショット、前記第3ボリュームから前記セカンダリボリュームへのリモートコピー、および、前記セカンダリボリュームから前記第4ボリュームへのスナップショットを用いて、前記プライマリボリュームのバックアップ処理を開始するストレージ制御装置と、
を含むことを特徴とするストレージシステム。
【符号の説明】
【0198】
100 ストレージシステム
101,102 ストレージ装置
103 ホスト装置
110 ネットワーク
120 ノード
121 CPU
122 メモリ
123 通信I/F
124 バス
130 ディスク
400,400(P),400(S) コピーセッションテーブル
500,500(P),500(S) セッション関係性テーブル
601 受付部
602 バックアップ制御部
603 コピー制御部
710,720,810,820 差分情報
M マスタノード
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12