(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231003BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20231003BHJP
H01M 10/28 20060101ALI20231003BHJP
H01G 11/00 20130101ALI20231003BHJP
G01M 3/20 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M10/28 Z
H01G11/00
G01M3/20 B
(21)【出願番号】P 2019131222
(22)【出願日】2019-07-16
【審査請求日】2021-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】八田 真範
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184527(JP,A)
【文献】特開2002-117901(JP,A)
【文献】特開2006-202560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
H01M 10/28
H01G 11/00
G01M 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液を収容するための空間と、前記空間を封止する封止部とを有する蓄電モジュールにおける前記空間の気密性を検査する検査装置であって、
前記蓄電モジュールの前記封止部は、前記封止部を貫通して前記空間を外部に連通する連通孔と、前記連通孔を囲み前記封止部の外表面から突出する枠状部と、を有し、
前記検査装置は、前記枠状部に当接して前記連通孔を介して前記空間に検査ガスを導入するためのアタッチメントを有し、
前記アタッチメントは、前記検査ガスが流通する開口が形成された端面を含むベースと、前記端面を基端として突出する枠状の突起部と、前記突起部を覆うように前記ベースに装着され前記枠状部に押圧されるシール部材と、を有し、
前記シール部材は、前記突起部の先端に当接される板状の弾性部材であり、前記検査ガスが流通される流路を有し、前記ベースと前記枠状部とで挟持され、
前記突起部の内周の位置は、前記端面と直交する方向から見て前記枠状部の内周の位置よりも外側である、検査装置。
【請求項2】
前記突起部の内周の位置は、前記端面と直交する方向から見て前記枠状部の外周の位置と同じである、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記突起部の内周の位置は、前記端面と直交する方向から見て前記枠状部の外周の位置よりも内側である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記蓄電モジュールは、複数の前記空間と、複数の前記空間にそれぞれ連通された複数の前記連通孔と、を有し、
前記枠状部は、複数の前記連通孔を囲む
ように矩形枠状を呈しており、
前記枠状部の内側には、複数の前記連通孔を互いに仕切る
ように、前記枠状部が突出する方向から見て前記枠状部の内側を分割する壁部が形成されており、
前記ベースの前記端面には、
複数の前記開口が形成されており、
枠状の前記突起部の内側には、複数の前記開口を互いに仕切るように、前記端面と直交する方向から見て前記突起部の内側を分割し、前記壁部に対向する突起片が形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記シール部材に形成された前記流路の横断面は、角を有する形状である、請求項1~4のいずれか一項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電装置の容器の内側空間に不活性ガスを導入して、当該内側空間の漏洩検査を行うための検査装置が知られている。特許文献1に開示された検査装置では、蓄電装置の容器に形成された電解液を注液するための注液口をシール部材によってシールした状態で、シール部材を介して容器の内部に不活性ガスを導入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
漏洩検査を行う場合、容器の注液口(連通孔)がシール部材によって確実にシールされていないと、容器内に導入された不活性ガスがシール部分から外部に漏れ出てしまう。この場合、外部に漏れ出た不活性ガスが検出されることや、容器内に導入された不活性ガスの圧力が低下することにより、容器に漏洩箇所があると判定されることがある。このように、注液口が確実にシールされていない場合、正確な漏洩検査が困難となる虞がある。
【0005】
本発明の一側面は、検査ガスが導入される連通孔の周囲を適切にシールすることができる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る検査装置は、電解液を収容するための空間と、空間を封止する封止部とを有する蓄電モジュールにおける空間の気密性を検査する検査装置であって、蓄電モジュールの封止部は、封止部を貫通して空間を外部に連通する連通孔と、連通孔を囲み封止部の外表面から突出する枠状部と、を有し、検査装置は、枠状部に当接して連通孔を介して空間に検査ガスを導入するためのアタッチメントを有し、アタッチメントは、検査ガスが流通する開口が形成された端面を含むベースと、端面を基端として突出する枠状の突起部と、突起部を覆うようにベースに装着され枠状部に押圧されるシール部材と、を有し、シール部材は、突起部の先端に当接される板状の弾性部材であり、検査ガスが流通される流路を有し、突起部の内周の位置は、端面と直交する方向から見て枠状部の内周の位置よりも外側である。
【0007】
上記の検査装置では、ベースに設けられたシール部材が蓄電モジュールの枠状部に押圧されることで、ベースと枠状部とによってシール部材が挟持される。この場合、弾性変形したシール部材によって枠状部がシールされ得る。枠状部がシール部材によってシールされた状態において、検査ガスは、ベースの開口及びシール部材の流路を介して連通孔から筐体の内側の空間に導入される。シール部材が弾性変形した場合、枠状部の内周よりも外側の位置においてシール部材が枠状部から部分的に離間してしまうことがある。一側面の検査装置では、突起部の内周の位置は、枠状部の内周の位置よりも外側である。そのため、枠状部の内周よりも外側の位置において、シール部材は突起部によって蓄電モジュール側に押圧される。これにより、枠状部の内周よりも外側の位置においてシール部材が枠状部から離間してしまうことが抑制され、枠状部がシール部材によってシールされやすくなる。したがって、連通孔の周囲を適切にシールすることができる。
【0008】
また、突起部の内周の位置は、端面と直交する方向から見て枠状部の外周の位置と同じであってもよい。この構成では、突起部によって蓄電モジュール側に変形されるシール部材が枠状部の外周のエッジによって押圧されやすくなる。これにより、枠状部の外周がシールされやすくなる。また、シール部材が突起部のエッジと枠状部のエッジとによって押さえつけられることにより、連通孔の周囲における突起部、シール部材及び枠状部同士の密着性が向上する。
【0009】
また、突起部の内周の位置は、端面と直交する方向から見て枠状部の外周の位置よりも内側であってもよい。この構成では、枠状部の内周よりも外側の位置において突起部と枠状部とが対向する。そのため、枠状部の内周よりも外側の位置において、シール部材が突起部と枠状部とによって挟持されるので、シール部材が枠状部から離間してしまうことが抑制される。
【0010】
また、蓄電モジュールは、複数の空間と、複数の空間にそれぞれ連通された複数の連通孔と、を有し、枠状部は、複数の連通孔を囲み、枠状部の内側には、複数の連通孔を互いに仕切る壁部が形成されており、ベースの端面には、壁部に対向する突起片が形成されていてもよい。この構成では、突起片と壁部とによってシール部材が挟持されるので、壁部の先端及び突起部の先端がシール部材によってシールされる。すなわち、壁部と突起片とによってシール部材が圧迫されることで、連通孔の周囲における壁部、突起片及びシール部材同士の密着性が向上する。
【0011】
また、シール部材に形成された流路の横断面は、角を有する形状であってもよい。横断面が角を有するように流路が形成されることによって、変形によって流路が閉塞することが抑制される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によれば、検査ガスが導入される連通孔の周囲を適切にシールすることができる検査装置が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】蓄電モジュールを備える蓄電装置の一例を示す概略断面図である。
【
図2】
図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。
【
図3】蓄電モジュールの外観の一部を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示されたIV-IV線に沿った断面図である。
【
図6】検査装置のアタッチメントを示す斜視図である。
【
図7】アタッチメントを構成するベースを下側から見た図である。
【
図9】比較例に係るアタッチメントを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0015】
図1を参照して、蓄電モジュールを備える蓄電装置の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る検査装置の検査対象である蓄電モジュールを含む蓄電装置の一例を示す概略断面図である。
図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してモジュール積層体2の積層方向に拘束荷重を負荷する拘束部材3とを備えている。
【0016】
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは4つ)の導電板5とを含む。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
【0017】
積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側とにそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
【0018】
なお、積層端に位置する蓄電モジュール4の積層方向の外側には、導電板5が配置されていなくてもよい。この場合、蓄電モジュール4が、蓄電装置1における蓄電モジュール4と導電板5との積層体の最外層(スタック最外層)となっていてよい。蓄電モジュール4がスタック最外層を構成する場合、正極端子6は、積層端に位置する一方の蓄電モジュール4に接続され、負極端子7は、積層端に位置する他方の蓄電モジュール4に接続されることとなる。
【0019】
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向と、にそれぞれ交差(直交)する方向に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持っている。なお、
図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さくなっているが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくなっていてもよい。
【0020】
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8におけるモジュール積層体2側の面には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。なお、蓄電モジュール4がスタック最外層を構成する場合には、フィルムFにより、エンドプレート8と蓄電モジュール4との間が絶縁されることとなる。
【0021】
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されると共に、モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
【0022】
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。
図2は、
図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
図2に示すように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12とを備えている。電極積層体11は、セパレータ13を介して蓄電モジュール4の積層方向D1に沿って積層された複数の電極によって構成されている。これらの電極は、複数のバイポーラ電極14の積層体と、負極終端電極18と、正極終端電極19とを含む。
【0023】
バイポーラ電極14は、一方面15a及び一方面15aの反対側の他方面15bを含む電極板15と、一方面15aに設けられた正極16と、他方面15bに設けられた負極17とを有している。正極16は、正極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極17は、負極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向D1の一方に隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向D1の他方に隣り合う別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0024】
負極終端電極18は、電極板15と、電極板15の他方面15bに設けられた負極17とを有している。負極終端電極18は、他方面15bが電極積層体11における積層方向D1の中央側を向くように、積層方向D1の一端に配置されている。負極終端電極18の電極板15の一方面15aは、電極積層体11の積層方向における一方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5(
図1参照)と電気的に接続されている。負極終端電極18の電極板15の他方面15bに設けられた負極17は、セパレータ13を介して、積層方向D1の一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0025】
正極終端電極19は、電極板15と、電極板15の一方面15aに設けられた正極16とを有している。正極終端電極19は、一方面15aが電極積層体11における積層方向D1の中央側を向くように、積層方向D1の他端に配置されている。正極終端電極19の一方面15aに設けられた正極16は、セパレータ13を介して、積層方向D1の他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。正極終端電極19の電極板15の他方面15bは、電極積層体11の積層方向における他方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5(
図1参照)と電気的に接続されている。
【0026】
電極板15は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、電極板15は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の縁部15cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
【0027】
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
【0028】
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体12は、電極板15の縁部15cを包囲するように電極積層体11の側面11aに設けられている。封止体12は、側面11aにおいて縁部15cを保持している。封止体12は、電極板15の縁部15cに接合された複数の第1封止部21と、側面11aに沿って第1封止部21を外側から包囲し、第1封止部21のそれぞれに接合された第2封止部22とを有している。第1封止部21及び第2封止部22は、例えば、耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂である。第1封止部21及び第2封止部22の構成材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。
【0029】
第1封止部21は、電極板15の一方面15aにおいて縁部15cの全周にわたって連続的に設けられ、積層方向D1から見て矩形枠状をなしている。本実施形態では、バイポーラ電極14の電極板15のみならず、負極終端電極18の電極板15及び正極終端電極19の電極板15に対しても第1封止部21が設けられている。負極終端電極18では、電極板15の一方面15aの縁部15cに第1封止部21が設けられ、正極終端電極19では、電極板15の一方面15a及び他方面15bの双方の縁部15cに第1封止部21が設けられている。
【0030】
第1封止部21は、例えば超音波又は熱によって電極板15の一方面15aに溶着され、気密に接合されている。第1封止部21は、例えば積層方向D1に所定の厚さを有するフィルムである。第1封止部21の内側は、積層方向D1に互いに隣り合う電極板15の縁部15c同士の間に位置している。第1封止部21の外側は、電極板15の縁よりも外側に張り出しており、その先端部分は、第2封止部22に埋設されている。積層方向D1に沿って互いに隣り合う第1封止部21同士は、互いに離間していてもよく、接していてもよい。また、第1封止部21の外縁部分同士は、例えば熱板溶着などによって互いに接合していてもよい。
【0031】
電極板15と第1封止部21とが重なる領域は、電極板15と第1封止部21との接合領域Kとなっている。接合領域Kにおいて、電極板15の表面は、粗面化されている。粗面化された領域は、接合領域Kのみでもよいが、本実施形態では電極板15の全面が粗面化されている。粗面化は、例えば電解メッキによる複数の突起の形成により実現し得る。複数の突起が形成されることにより、電極板15と第1封止部21との接合界面では、溶融状態の樹脂が粗面化により形成された複数の突起間に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、電極板15と第1封止部21との間に接合強度を向上させることができる。粗面化の際に形成される突起は、例えば基端側から先端側に向かって先太りとなる形状を有している。これにより、隣り合う突起の間の断面形状がアンダーカット形状となり、アンカー効果を高めることが可能となる。
【0032】
第2封止部22は、電極積層体11及び第1封止部21によって構成されるユニット積層体40の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。第2封止部22は、例えば樹脂の射出成形によって形成され、積層方向D1に沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。第2封止部22は、積層方向D1を軸方向として延在する矩形の枠状を呈している。第2封止部22は、例えば射出成形時の熱によって第1封止部21の外表面に溶着されている。
【0033】
第1封止部21及び第2封止部22は、隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止する。より具体的には、第2封止部22は、第1封止部21と共に、積層方向D1に沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、積層方向D1に沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び積層方向D1に沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、隣り合うバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。一例として、本実施形態では、積層された電極によって24個の内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16、及び負極17内に含浸されている。
【0034】
図3は、蓄電モジュールの外観の一部を示す斜視図である。
図4は、
図3に示されたIV-IV線に沿った断面図である。上述の通り、第2封止部22は、ユニット積層体40の側面を封止している。すなわち、電極の長手方向をD2とし、長手方向D2に交差する幅方向をD3とした場合、第2封止部22は、
図3に示すように、積層方向D1及び長手方向D2に沿った側面22cと、積層方向D1及び幅方向D3に沿った側面(外壁面)22aとを有する。
【0035】
図4に示すように、第2封止部22には、各内部空間Vに電解液を注入するための注液口として機能する複数の連通孔23が設けられている。一例として、連通孔23は、第2封止部22の側面22aに設けられている。複数の連通孔23は、第2封止部を貫通して、複数の内部空間Vにそれぞれ連通している。すなわち、本実施形態では、24個の内部空間Vにそれぞれ連通した24個の連通孔23が形成されている。各連通孔23は、側面22aを長手方向D2に沿った方向に貫通している。
【0036】
連通孔23は、枠状部24によって囲まれている。本実施形態では、枠状部24は複数(
図3の例では6個)の連通孔23を囲んでいる。枠状部24の内側には、当該枠状部24によって囲まれている複数の連通孔23を互いに仕切る壁部25が形成されている。枠状部24及び壁部25は、第2封止部22の側面(外表面)22aから長手方向D2に沿って突出している。一例として、枠状部24と壁部25とは互いに面一となっている。図示例の枠状部24は、矩形枠状をなしている。壁部25は、枠状部24の内側を積層方向D1において2つに分割するとともに、幅方向D3において3つに分割している。これにより、枠状部24の内側は、壁部25によって6つに仕切られている。側面22aのうち壁部25によって仕切られた6つの部分にはそれぞれ連通孔23が形成されている。なお、
図3では、24個の連通孔23のうちの6個の連通孔23を囲む一つの枠状部24が示されている。一例の蓄電モジュール4においては、
図3に示す枠状部24と同様の枠状部が側面22aにさらに3つ形成されている。1つの枠状部24に囲まれる6つの連通孔23は、例えば積層方向D1における高さ位置が4段ずつずれた6つの内部空間Vとそれぞれ連通している。
【0037】
続いて、蓄電モジュール(ワーク)4の漏洩検査、すなわち各内部空間Vが液密(気密)に形成されているか否かの検査を行うための検査装置100について説明する。
図5は、一例の検査装置の概略構成図である。本実施形態の検査装置100は、例えば、内部空間Vにヘリウムガス等の検査ガスを導入し、導入された検査ガスが内部空間Vから漏洩しているか否かを検出する。
【0038】
検査装置100は、流量計101と、真空ポンプ103,107と、真空チャンバ105と、分析器109とを含む。流量計101は導入される検査ガスの流量を計測する。流量計101は、パイプ111を介して蓄電モジュール4の各内部空間Vに接続されている。すなわち、流量計101を通過した検査ガスは蓄電モジュール4の各内部空間Vに導入され得る。図示例では、流量計101に接続されたパイプ111は、下流において複数の内部空間Vに対応するように分岐している。パイプ111の先端111aには、パイプ111を蓄電モジュール4の連通孔23に接続するためのアタッチメント130が設けられている。分岐したパイプ111にはそれぞれバルブ121(121a,121b)が設けられている。なお、図示例では、説明の簡単のために、内部空間Vを2つのみ示している。
【0039】
真空ポンプ103は、パイプ111から分岐したパイプ112に接続されている。パイプ112にはバルブ122が設けられている。また、パイプ111には、パイプ112の分岐位置の上流及び下流にそれぞれバルブ123,124が設けられている。真空チャンバ105は、蓄電モジュール4を密閉した状態で収容し得る。真空チャンバ105内には、分岐したパイプ111の先端111a及びアタッチメント130が配置されている。真空ポンプ107及び分析器109は、真空チャンバ105に接続されている。図示例では、真空ポンプ107と真空チャンバ105とがパイプ113によって接続されており、このパイプ113から分岐するパイプ115を介して分析器109が接続されている。パイプ115にはバルブ125が設けられている。また、パイプ113には、パイプ115の分岐位置の上流及び下流にそれぞれバルブ126,127が設けられている。さらに、パイプ115とパイプ111とはパイプ116によって互いに接続されている。パイプ116の一端は、パイプ111におけるバルブ124よりも下流であってバルブ121よりも上流の位置に接続されている。また、パイプ116の他端は、パイプ115におけるバルブ125よりも下流に接続されている。パイプ116にはバルブ128が設けられている。分析器109は、例えば質量分析等の技術によって回収されたガスの同定を行う。
【0040】
このような検査装置100では、一方の内部空間V1から他方の内部空間V2に検査ガスが漏洩しているか否かが検査され得る。例えば、真空ポンプ103によって内部空間Vの空気が真空引きされた後に、一方の内部空間V1のみに検査ガスが導入される。そして、バルブ121aが閉じられることによって一方の内部空間V1が密閉された後に、バルブ121,123,128が閉じられた状態、且つ、バルブ122,124が開いた状態で、真空ポンプ103によってパイプ111内に残留する検査ガスが除去される。そして、バルブ121a,124,125が閉じられた状態、且つ、バルブ121b,128が解放された状態で、分析器109によってガスの同定が行われ得る。分析器109によって検査ガスが検出された場合、一方の内部空間V1から他方の内部空間V2に検査ガスが漏洩したと判定され得る。
【0041】
また、内部空間Vから蓄電モジュール4の外部に検査ガスが漏洩しているか否かが検査され得る。例えば、真空ポンプ103によって内部空間Vの空気が真空引きされた後に、内部空間Vに検査ガスが導入される。真空チャンバ105内は、真空ポンプ107によって事前に真空引きされていてよい。そして、バルブ121が閉じられることによって内部空間Vが密閉された後に、バルブ121,127,128が閉じられた状態、且つ、バルブ125,126が解放された状態で、分析器109によってガスの同定が行われ得る。分析器109によって検査ガスが検出された場合、内部空間Vから蓄電モジュール4の外部に検査ガスが漏洩したと判定され得る。
【0042】
続いて、検査装置100に設けられたアタッチメント130について詳細に説明する。
図6は、アタッチメントを示す分解斜視図である。
図6では、アタッチメント130を下方から見ている。
図7は、アタッチメントを構成するベースを下側から見た図である。
図7では、アタッチメント130に当接された状態における蓄電モジュール4の枠状部24及び壁部25が二点鎖線によって示されている。
図8は、アタッチメントを示す断面図である。
図8では、アタッチメントと共に蓄電モジュール4の一部が断面図によって示されている。なお、
図8は、蓄電モジュール4の積層方向D1に沿った断面図である。
【0043】
アタッチメント130は、枠状部24に当接して連通孔23を介して各内部空間Vに検査ガスを導入するための付属具である。
図6に示すように、アタッチメント130は、ベース131とシール部材139とを含む。ベース131は、パイプ111の先端111aに取り付けられている(
図8参照)。本実施形態では、24個の内部空間Vのそれぞれに別々に検査ガスを導入できるように、パイプ111の先端111aが24本に分岐されている。検査装置100は、4つのベース131を備えており、それぞれのベース131に対して24本のパイプ111の先端111aのうちの6本が接続されている。
【0044】
図示例のベース131は矩形板状をなす板状部132と、板状部132の周縁に形成された外枠部133とを含む。板状部132には、厚み方向に板状部132を貫通する複数(図示例では6つ)の流路134が形成されている。それぞれの流路134には、分岐したパイプ111のいずれかの先端111aが接続されている。すなわち、流路134には検査ガスが流通され得る。流路134において、パイプ111に接続されているのと反対側の端部は、板状部132の下面(端面)132aに形成された開口134aとなっている。外枠部133は、板状部132の周縁から下向きに突出している。外枠部133は、矩形枠状をなしており、その内側に空間SPを画成する。
【0045】
ベース131の下面132aには、下面132aを基端として下向きに突出する枠状の突起部135が形成されている。図示例の突起部135は、矩形枠状をなしており、下面132aに形成された6つの開口134aの全てを囲んでいる。上下方向において、突起部135の先端の位置は、外枠部133の先端の位置よりも下面132aに近い。すなわち、突起部135の高さは、外枠部133の高さよりも小さい。図示例では、突起部135の外周135aの位置が、外枠部133の内周133aの位置と一致しているが、例えば、突起部135の外周135aと外枠部133の内周133aとは互いに離間していてもよい。
【0046】
図7に示すように、突起部135の内周135bの位置は、下面132aと直交する方向から見て、枠状部24の内周24aの位置よりも外側である。図示例において、突起部135の内周135bの位置は、枠状部24の外周24bの位置と同じである。すなわち、突起部135の内周135bの形状及び大きさは、枠状部24の外周24bの形状及び大きさと一致している。
【0047】
また、ベース131の下面132aにおいて、突起部135の内側には、当該突起部135によって囲まれている複数の開口134aを互いに仕切る突起片136が形成されている。突起片136は、下面132aを基準として下向きに突出している。一例の突起片136は、壁状をなしており、側面22aの壁部25に対応する位置に形成されている。すなわち、突起片136は、枠状をなす突起部135の内側を積層方向D1において2つに分割するとともに、幅方向D3において3つに分割している。アタッチメント130が枠状部24に当接された状態では、壁部25と突起片136とが互いに対向し得る。上下方向において、突起片136の先端の位置は、突起部135の先端の位置と同じである。すなわち、突起片136と突起部135とは互いに面一に形成されている。また、一例として、突起片136の幅は壁部25の幅より大きく形成されている。なお、突起片136の幅は、壁部25の幅と同じであってもよいし、壁部25の幅より小さくてもよい。
【0048】
シール部材139は、下面132aを覆うようにベース131に装着される。ベース131に装着されたシール部材139は、ベース131と枠状部24及び壁部25とに挟持されることにより、相対的に枠状部24及び壁部25に向けて押圧される。例えば、
図5の例では、真空チャンバ105内において連通孔23の開口を上側に向けた状態で蓄電モジュール4が載置されている。この場合、連通孔23の上方に配置されたアタッチメント130が蓄電モジュール4に向けて押圧されることで、ベース131によってシール部材139が連通孔23(枠状部24及び壁部25)に向けて押圧され得る。
【0049】
シール部材139は、矩形板状(直方体形状)をなすゴム等の弾性部材であり、互いに対応する流路134と連通孔23とを気密に接続する。シール部材139の外周の形状及び大きさは、外枠部133の内周133aの形状及び大きさと同じであってよい。シール部材139は、外枠部133によって画成される空間SPに配置される。例えば、シール部材139は外枠部133の内側に嵌合されてもよい。シール部材139がベース131に装着された状態では、シール部材139は、突起部135及び突起片136の先端に当接される。シール部材139には、それぞれの流路134に対応する流路139aが形成されている。図示例では、6つの流路139aがシール部材139を厚み方向に貫通している。流路139aの横断面の形状は例えば円形であってよい。シール部材139に形成された複数の流路139aは、ベース131に形成された複数の流路134及び蓄電モジュール4に形成された複数の連通孔23とそれぞれ気密に接続され得る。
【0050】
上記の検査装置100では、ベース131に設けられたシール部材139が蓄電モジュール4の枠状部24及び壁部25に押圧されることで、ベース131と枠状部24及び壁部25とによってシール部材139が挟持される。この場合、弾性変形したシール部材139によって枠状部24がシールされ得る。枠状部24がシール部材139によってシールされた状態において、検査ガスは、ベース131の開口134a及びシール部材139の流路139aを介して連通孔23から蓄電モジュール4の内部空間Vに導入される。
【0051】
図9は、比較例に係るアタッチメントを示す断面図である。比較例に係るアタッチメント930は、突起部135及び突起片136を有さないベース931と、ベース931に装着されたシール部材939とを備えている。説明の簡単のために、
図9の例では、蓄電モジュールを構成する第2封止部922の側面に内部空間に連通する連通孔923が1つのみ示されている。連通孔923は、例えば矩形枠状の枠状部924によって囲まれている。シール部材939には、連通孔923に対応する1つの流路939aが形成されている。比較例においても、ベース931と第2封止部922とによりシール部材939が挟持されることによって、シール部材939は弾性変形する。
図9では、弾性変形したシール部材939の下面939bの形状の一例を二点鎖線によって模式的に示している。
図9に模式的に示すように、シール部材939が枠状部924によって相対的に押圧された場合、枠状部924の内周924aよりも外側の位置においてシール部材939が枠状部924から部分的に離間してしまうことがある。この場合、枠状部924が適切にシールされない虞がある。
【0052】
上記の検査装置100では、突起部135の内周135bの位置は、枠状部24の内周24aの位置よりも外側である。そのため、枠状部24の内周24aよりも外側の位置において、シール部材139は突起部135によって第2封止部22側に押圧される。これにより、枠状部24の内周24aよりも外側の位置においてシール部材139が枠状部24から離間してしまうことが抑制され、枠状部24がシール部材139によってシールされやすくなる。したがって、連通孔23の周囲を適切にシールすることができる。
【0053】
本実施形態では、突起部135の内周135bの位置が、枠状部24の外周24bの位置と同じになっている。この構成では、突起部135によって第2封止部22側に変形されるシール部材139が、枠状部24の外周24bのエッジに向かって押圧されやすくなる。これにより、枠状部24の外周24bにおけるシール部材139の浮き上がりが抑制され、枠状部24の外周24bがシールされやすくなる。また、シール部材139が突起部135のエッジと枠状部24のエッジとによって押さえつけられることにより、連通孔の周囲における突起部135(アタッチメント130)、シール部材139及び枠状部24(蓄電モジュール4)同士の密着性が向上する。
【0054】
さらに、本実施形態では、ベース131の下面132aに、壁部25に対向する突起片136が形成されている。この構成では、突起片136と壁部25とによってシール部材139が挟持されることにより、壁部25の先端及び突起片136の先端がシール部材139によってシールされる。すなわち、壁部25と突起片136とによってシール部材139が圧迫されることで、連通孔の周囲における壁部25、突起片136及びシール部材139同士の密着性が向上するため、複数の流路134同士、及び、複数の連通孔23同士における検査ガスの漏洩が抑制される。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0056】
例えば、上記の実施形態では、シール部材139に形成された流路139aの横断面の形状が円形である例を示したが、流路の断面形状はこれに限定されない。上述の通り、シール部材は、ベースと第2封止部(蓄電モジュール)とに挟持されることにより、厚み方向に押圧される。このようにシール部材が押圧された場合、シール部材が厚み方向と交差する方向に広がることによって、シール部材に形成された流路が閉塞される虞がある。
図10は、シール部材の変形例を示す平面図である。
図10の(a)に示すシール部材239に形成された流路239aの横断面の形状は正方形状となっている。
図10の(b)に示すシール部材339に形成された流路339aの横断面の形状は互いに隣り合う辺の長さが異なる長方形状となっている。
図10の(c)に示すシール部材439に形成された流路439aの横断面の形状は台形状となっている。
図10の(d)に示すシール部材539に形成された流路539aの横断面の形状は星形状(図示例は五芒星)となっている。
図10の(e)に示すシール部材639に形成された流路639aの横断面の形状は星形状(図示例は十芒星)となっている。
図10の(f)に示すシール部材739に形成された流路739aの横断面の形状は十字形状となっている。
図10の(a)~(f)に示すように、流路の横断面は、角を有する形状であってもよい。流路の横断面が角を有する場合、シール部材が圧縮された際に、シール部材が不均一に押し広げられる。そのため、角に近い位置又は角から遠い位置において流路が閉塞することが抑制される。
【0057】
また、突起部135の内周135bの位置が枠状部24の外周24bの位置と同じである例を示したが、例えば、突起部の内周の位置は、枠状部の外周の位置よりも内側であってもよい。この構成では、枠状部の内周よりも外側の位置において突起部と枠状部とが対向する。そのため、枠状部の内周よりも外側の位置において、シール部材が突起部と枠状部とによって挟持されるので、シール部材が枠状部から離間してしまうことが抑制される。
【0058】
また、例えば突起部の内周の位置は、枠状部の外周の位置よりも外側であってもよい。この場合、少なくとも枠状部の外周から突起部の内周までの距離が、シール部材の厚みよりも小さければ、枠状部の外周と突起部の内周とによってシール部材が挟持され得る。
【0059】
また、一つの枠状部24によって囲まれる連通孔23の数が6個の場合を示したが、枠状部によって囲まれる連通孔の数は限定されない。例えば、一つの枠状部によって囲まれる連通孔の数は、5以下であってもよいし、7以上であってもよい。上記実施形態のように連通孔が24個形成されている場合には、例えば12個の連通孔を囲む枠状部が二つ形成されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
4…蓄電モジュール、22…第2封止部(筐体)、23…連通孔、24…枠状部、100…検査装置、130…アタッチメント、131…ベース、132a…下面(端面)、135…突起部、139…シール部材、139a…流路、V…内部空間。