(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20231003BHJP
G03G 15/06 20060101ALI20231003BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G03G15/08 235
G03G15/06 101
G03G15/00 303
(21)【出願番号】P 2019147682
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 保
(72)【発明者】
【氏名】大久保 尭洋
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光弘
(72)【発明者】
【氏名】中地 一博
(72)【発明者】
【氏名】兼古 志郎
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-317948(JP,A)
【文献】特開2010-101986(JP,A)
【文献】特開2018-120219(JP,A)
【文献】特開2019-086695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/06
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に感光層が形成された像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電された前記像担持体を露光することにより静電潜像を形成する露光装置と、
前記像担持体に対向配置され、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を有し、前記像担持体に形成された前記静電潜像に前記トナーを付着させてトナー像を形成する現像装置と、
を含む画像形成部と、
前記現像剤担持体に直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を印加する高圧発生回路と、
前記現像剤担持体に前記現像電圧を印加したときに流れる現像電流の直流成分を検出する電流検出部と、
前記画像形成部および前記高圧発生回路を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置において、
前記制御部は、
第1基準画像を形成したときに前記現像剤担持体に流れる前記現像電流の直流成分に基づいて転写メモリーの発生レベルを推定する工程と、
測定された前記現像電流の直流成分が所定値よりも大きいとき前記現像装置内のトナー帯電量を測定し、測定された前記トナー帯電量に基づいて前記転写メモリーの発生原因を推定する工程と、
推定された前記転写メモリーの発生レベルおよび発生原因に応じて画像形成条件を変更する工程と、
を含む転写メモリー予測モードを実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤は、キャリアとトナーとを含む二成分現像剤であり、
前記制御部は、前記トナー帯電量が所定値よりも高いとき前記現像装置内のトナー濃度を高くし、前記トナー帯電量が所定値よりも低いとき前記現像電圧の交流成分のピーク間電圧値を低下させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、画像形成時に前記像担持体の非画像部が対向しているときに前記現像剤担持体に流れる前記現像電流の直流成分を検出し、検出された前記現像電流の直流成分の前回測定時からの変化量が所定値よりも大きいといき前記転写メモリー予測モードを実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記現像電流の直流成分
の変化量が所定値以下であるとき、前記転写メモリー予測モードを実行せずに画像形成条件を変更することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記現像電流の直流成分
の変化量が所定値以下であるとき、前記現像電圧の直流成分を
変更することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像装置により形成された前記トナー像の濃度を検知する濃度検知装置を備え、
前記制御部は、前記現像装置によって前記像担持体上に印字率の異なる複数の第2基準画像を形成し、前記濃度検知装置により検知された前記第2基準画像の濃度から算出されるトナー現像量と、前記第2基準画像の形成時に前記電流検出部により検出された現像電流の直流成分と、の相関関係を取得し、
前記トナー現像量に対する前記現像電流の直流成分の変化量から前記トナー帯電量を算出し、算出された前記トナー帯電量に基づいて前記転写メモリーの発生原因を推定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体を備えた複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、前回印字された画像が次の画像上に残像となって現れる転写メモリーを抑制する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、感光体ドラム(像担持体)表面の感光層を帯電装置によって所定の表面電位(トナーの帯電極性と同極性)に帯電させた後、露光装置によって感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、形成された静電潜像を現像装置内のトナーによって可視化し、そのトナー像を感光体ドラムと感光体ドラムに接触する転写部材とのニップ部(転写ニップ部)を通過する記録媒体上に転写した後、定着処理を行うプロセスが一般的である。このとき、トナー像の記録媒体への転写工程は、転写部材にトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧を印加した状態で行われる。
【0003】
このような画像形成装置においては、感光体ドラムが1回転した後に、前回の画像パターンに起因する画像が次の画像上に発生する場合がある。これを転写メモリー(感光体ドラムメモリー)という。
図8は、現像、転写、帯電の各工程における画像部と白地部(非露光部)の表面電位を示す模式図である。なお、
図8では感光体ドラムの表面電位およびトナーの帯電極性が共に正(プラス)である場合を示している。
【0004】
図8(a)に示す現像工程においては、画像部(露光部)の表面電位VLは低く(20V)、白地部(非露光部)の表面電位V0は高く(280V)設定されている。この状態で現像ローラーに現像電圧Vdc(200V)が印加されると、白地部の表面電位V0はVdcに比べて高いためトナーが付着せず、画像部の表面電位VLはVdcに比べて低いため現像電位差(Vdc-VL)分のトナーが付着する。
【0005】
図8(b)に示す転写工程に入ると、画像部および白地部にトナーと逆極性(マイナス)の転写電圧が印加される。画像部はトナー層が抵抗層になるため転写電流は感光体ドラムへあまり流れない。一方、白地部はトナー層が無いため転写電流が多く流れる。その結果、画像部と白地部の表面電位が逆転し、画像部よりも白地部のほうが低くなる。その後、感光体ドラム表面の残留電荷を除去する除電工程に入るが、表面電位の順序(画像部<白地部)は変わらない。
【0006】
次回の画像形成において帯電工程に入ったときも表面電位の順序は変わらないため、
図8(c)に示すように、前回の画像形成時に画像部であった箇所のほうが白地部であった箇所よりも表面電位が高くなる。このように、前回の画像形成時の履歴によって次の画像形成時の表面電位V0に変化が発生するため、ハーフ画像等を印字すると、前回の画像形成時に画像部であった箇所の方が白地部であった箇所よりも表面電位VLが上昇する。その結果、前回の画像形成時に画像部であった箇所の現像電位差(Vdc-VL)が小さくなり、画像濃度が低くなってしまう。
【0007】
そこで、転写メモリーの発生を抑制する方法が提案されており、特許文献1には、像担持体と、像担持体に当接する転写手段とが当接する転写部位に記録材が存在しない非通紙時に、設定された電流で転写手段を定電流制御し、このときの電圧に応じて記録材の搬送間隔を変更する。または、転写部位に記録材が存在しない非通紙時に、設定された電圧で転写手段を定電圧制御し、このときの電圧が所定の値に満たない場合に記録材の搬送間隔を広げる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したような転写メモリーは、現像電流が流れ易いときにも発生する事が判明した。現像電流が流れ易いときとは、例えばキャリアとトナーとを含む二成分現像剤を用いる二成分現像式ではキャリア表面のコート層が削れてキャリア電流が大きくなったときである。また、トナーのみからなる一成分現像剤を用いる一成分現像式ではトナーの移動が活発になり現像空間電流が増加したときである。さらに現像方式に関係なく、高湿環境下においても現像電流が流れ易くなる。
【0010】
図9は、現像電流が流れ易いときの現像、転写、帯電の各工程における画像部と白地部(非露光部)の表面電位を示す模式図である。現象電流が増加すると、感光体ドラムの表面電位が変化する。具体的には、
図9(a)に示す現像工程において、白地部は現像電流の流れ込みによって表面電位が低下しており、画像部は表面電位が上昇している。即ち、画像部および白地部の何れの電位も現像電圧の直流成分(Vdc)に近づく方向に変化する。この表面電位の変化量は、現像電流からの電荷注入量の多い画像部の方が大きいため、現像電流が増加したことにより白地部と画像部の電位差が小さくなる。
【0011】
そして、
図9(b)に示す転写工程で、白地部に画像部よりも多くの転写電流が流れ、表面電位差が発生する。その結果、白地部の潜像電位は大きく低下し、画像部はトナー層が抵抗になるため少しだけ低下する。この表面電位差は
図9(c)に示す帯電工程においても維持されるため、前回の画像形成時に画像部であった箇所のほうが白地部であった箇所よりも表面電位が高くなる。この表面電位の逆転幅は、現像電流が流れにくい(小さい)ときよりも大きくなる。
【0012】
従って、画像形成装置の使用初期に転写メモリーが発生しない条件設定をしても、現像電流が増加する状態になれば転写メモリーが発生してしまうことになる。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑み、転写メモリーの発生レベルおよび発生原因を推定し、推定結果に応じた適切な画像形成条件を設定可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、画像形成部と、高圧発生回路と、電流検出部と、制御部と、を備えた画像形成装置である。画像形成部は、表面に感光層が形成された像担持体と、像担持体を帯電させる帯電装置と、帯電装置により帯電された像担持体を露光することにより静電潜像を形成する露光装置と、像担持体に対向配置され、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を有し、像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置と、を含む。高圧発生回路は、現像剤担持体に直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を印加する。電流検出部は、現像剤担持体に現像電圧を印加したときに流れる現像電流の直流成分を検出する。制御部とは画像形成部および高圧発生回路を制御する。制御部は、第1基準画像を形成したときに現像剤担持体に流れる現像電流の直流成分に基づいて転写メモリーの発生レベルを推定する工程と、測定された現像電流の直流成分が所定値よりも大きいとき現像装置内のトナー帯電量を測定し、測定されたトナー帯電量に基づいて転写メモリーの発生原因を推定する工程と、推定された転写メモリーの発生レベルおよび発生原因に応じて画像形成条件を変更する工程と、を含む転写メモリー予測モードを実行可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の構成によれば、現像電流を用いて転写メモリーの発生レベルを推定するとともに、トナー帯電量を用いて転写メモリーの発生原因を推定する転写メモリー予測モードを実行することにより、転写メモリーの発生原因を精度よく推定して転写メモリーの発生しない適切な画像形成条件を設定することができる。従って、転写メモリーによる画像不具合を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構成を示す側面断面図
【
図2】画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図
【
図3】現像装置3aの制御経路を含む画像形成部Pa周辺の部分拡大図
【
図4】本実施形態の画像形成装置100における転写メモリー予測モードの制御例を示すフローチャート
【
図5】第1基準画像を形成したときの現像電流の直流成分と転写メモリーの発生レベルとの関係を示すグラフ
【
図6】印字率の異なる第2基準画像を形成したときの現像量と現像電流との関係を示すグラフ
【
図7】実施例において、転写メモリー予測モードを実行し、第1画像形成条件または第2画像形成条件を変更した場合(本発明1、2)と変更しなかった場合(比較例1)とで耐久印字を行ったとき転写メモリーレベルの推移を示すグラフ
【
図8】現像、転写、帯電の各工程における画像部と白地部(非露光部)の表面電位を示す模式図
【
図9】現像電流が流れ易いときの現像、転写、帯電の各工程における画像部と白地部(非露光部)の表面電位を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。画像形成装置100(ここではカラープリンター)本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(
図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
【0018】
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1cおよび1dが配設されており、さらに駆動手段(図示せず)により
図1において時計回り方向に回転する中間転写ベルト(中間転写体)8が各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a~1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a~1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9によって記録媒体の一例としての転写紙P上に二次転写される。さらに、トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13においてトナー像が定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a~1dを
図1において反時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a~1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0019】
トナー像が二次転写される転写紙Pは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0020】
次に、画像形成部Pa~Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a~1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a~1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a~1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a~1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a~1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dが設けられている。
【0021】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a~1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a~3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a~3dにより感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0022】
そして、一次転写ローラー6a~6dにより一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a~1d上のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナー等がクリーニング装置7a~7dにより除去される。
【0023】
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
【0024】
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面に画像が形成された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0025】
さらに、中間転写ベルト8を挟んで駆動ローラー11と対向する位置には画像濃度センサー40が配置されている。画像濃度センサー40としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサーが用いられる。中間転写ベルト8上のトナー付着量を測定する際、発光素子から中間転写ベルト8上に形成された各基準画像に対し測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、およびベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
【0026】
トナーおよびベルト表面からの反射光には正反射光と乱反射光とが含まれる。この正反射光および乱反射光は、偏光分離プリズムで分離された後、それぞれ別個の受光素子に入射する。各受光素子は、受光した正反射光と乱反射光を光電変換して主制御部80(
図3参照)に出力信号を出力する。そして、正反射光と乱反射光の出力信号の特性変化からトナー量を検知し、予め定められた基準濃度と比較して現像電圧の特性値などを調整することにより、各色について濃度補正(キャリブレーション)が行われる。
【0027】
図2は、画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図である。なお、
図2は
図1の紙面奥側から見た状態を示しており、現像装置3a内の各部材の配置は
図1と左右が逆になっている。また、以下の説明では
図1の画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb~Pdに配置される現像装置3b~3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。
【0028】
図2に示すように、現像装置3aは、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤という)が収納される現像容器20を備えており、現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21および供給搬送室22には、トナーコンテナ4a(
図1参照)から供給されるトナーを磁性キャリアと混合して攪拌し、帯電させるための攪拌搬送スクリュー25aおよび供給搬送スクリュー25bがそれぞれ回転可能に配設されている。
【0029】
そして、攪拌搬送スクリュー25aおよび供給搬送スクリュー25bによって現像剤が攪拌されつつ軸方向(
図2の紙面と垂直な方向)に搬送され、仕切壁20aの両端部に形成された不図示の現像剤通過路を介して攪拌搬送室21、供給搬送室22間を循環する。即ち、攪拌搬送室21、供給搬送室22、現像剤通過路によって現像容器20内に現像剤の循環経路が形成されている。
【0030】
現像容器20は
図2の右斜め上方に延在しており、現像容器20内において供給搬送スクリュー25bの右斜め上方には現像ローラー31が配置されている。そして、現像ローラー31の外周面の一部が現像容器20の開口部20bから露出し、感光体ドラム1aに対向している。現像ローラー31は、
図2において反時計回り方向に回転する。
【0031】
現像ローラー31は、
図2において反時計回り方向に回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された複数の磁極を有するマグネット(図示せず)とで構成されている。なお、ここでは表面がローレット加工された現像スリーブを用いているが、表面に多数の凹形状(ディンプル)を形成したものや、表面がブラスト加工された現像スリーブ、更には、ローレット加工や凹形状の形成に加えてブラスト加工を施したものや、メッキ処理を施したものを用いることもできる。
【0032】
また、現像容器20には規制ブレード27が現像ローラー31の長手方向(
図2の紙面と垂直方向)に沿って取り付けられている。規制ブレード27の先端部と現像ローラー31表面との間には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
【0033】
現像ローラー31には、高圧発生回路43(
図3参照)により直流電圧(以下、Vslv(DC)という)および交流電圧(以下、Vslv(AC)という)からなる現像電圧が印加される。
【0034】
図3は、現像装置3aの制御経路を含む画像形成部Pa周辺の部分拡大図である。以下の説明では画像形成部Paの構成および現像装置3aの制御経路について説明するが、画像形成部Pb~Pdの構成および現像装置3b~3dの制御経路についても同様であるため説明を省略する。
【0035】
現像ローラー31は、直流電圧と交流電圧が重畳された振動電圧を生成する高圧発生回路43に接続されている。高圧発生回路43は、交流定電圧電源43aと、直流定電圧電源43bとを備える。交流定電圧電源43aは、昇圧トランス(図示せず)を用いてパルス状に変調した低圧直流電圧から発生させた正弦波の交流電圧を出力する。直流定電圧電源43bは、昇圧トランスを用いてパルス状に変調した低圧直流電圧から発生させた正弦波の交流電圧を整流した直流電圧を出力する。
【0036】
高圧発生回路43は、画像形成時には交流定電圧電源43aおよび直流定電圧電源43bから直流電圧に交流電圧を重畳させた現像電圧を出力する。電流検出部44は、現像ローラー31と感光体ドラム1aの間に流れる直流電流値を検出する。
【0037】
次に、画像形成装置100の制御システムについて
図3を参照して説明する。画像形成装置100には、CPU等で構成される主制御部80が設けられている。主制御部80は、ROMやRAM等からなる記憶部70に接続される。主制御部80は、記憶部70に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて画像形成装置100の各部(帯電装置2a~2d、露光装置5、現像装置3a~3d、一次転写ローラー6a~6d、クリーニング装置7a~7d、定着部13、高圧発生回路43、電流検出部44、電圧制御部45等)を制御する。
【0038】
電圧制御部45は、現像ローラー31に現像電圧を印加するとともに一次転写ローラー6a~6dおよび二次転写ローラー9に転写電圧を印加する高圧発生回路43を制御する。なお、電圧制御部45は、記憶部70に記憶される制御プログラムで構成されていてもよい。機内温湿度センサー50は、画像形成装置100の内部、具体的には感光体ドラム1a近傍の温度および湿度を常に検出しており、検出された温湿度は主制御部80に送信される。
【0039】
主制御部80には液晶表示部90、送受信部91が接続されている。液晶表示部90は、ユーザーが画像形成装置100の各種設定を行うためのタッチパネルとして機能するとともに、画像形成装置100の状態、画像形成状況や印字枚数等を表示する。送受信部91は、電話回線やインターネット回線を用いて外部との通信を行う。
【0040】
本発明の画像形成装置100は、現像電流とトナー現像量に基づいてトナー帯電量を測定するとともに、測定されたトナー帯電量から転写メモリーの発生レベルを予測する転写メモリー予測モードを実行可能である。
【0041】
転写メモリー予測モードは、トナー帯電量および現像電流の直流成分の実測値に基づいて転写メモリーの発生を予測するため精度は高いが、頻繁に実行すると画像形成装置100の画像形成効率を低下させてしまう。一方、実行間隔が開き過ぎると、その間にトナー帯電量や現像電流の変化が発生して画像品質を損なう可能性がある。そのため、適切なインターバルで転写メモリー予測モードを実行する必要がある。
【0042】
そこで、本発明では転写メモリーの発生レベルを予測する方法として非画像部の現像電流に着目した。なお、本明細書中における非画像部の現像電流とは、画像形成時において現像ローラー31に感光体ドラム1a~1dの非画像部(余白部)が対向したときに現像ローラー31に流れる電流をいう。本実施形態の画像形成装置100では、通常印字時における非画像部の現像電流の直流成分を測定し、現像電流の直流成分の変化量が所定値を超えるときに転写メモリー予測モードを実行することとしている。
【0043】
また、通常印字時はトナー帯電量を測定できないが、トナー濃度や機内温湿度は測定可能である。そこで、通常の画像形成時(通常印字モード)においても非画像部の現像電流の直流成分と現像装置3a~3d内のトナー濃度や機内温湿度データを利用して転写メモリーの発生レベルを予測し、画像形成条件を変更することができる。
【0044】
図4は、本実施形態の画像形成装置100における転写メモリー予測モードの制御例を示すフローチャートである。必要に応じて
図1~
図3および後述する
図5を参照しながら、
図4のステップに沿って転写メモリー予測モードの実行手順について詳細に説明する。
【0045】
図4において、カラープリンター100は通常印字モードに設定されており、主制御部80は印字命令を受信したか否かを判定する(ステップS1)。印字命令を受信した場合は(ステップS1でYes)通常の画像形成動作によって印字を実行する(ステップS2)。そして、印字時における非画像部の現像電流の直流成分Idcを測定する(ステップS3)。測定された現像電流の直流成分Idcは主制御部80に送信される。
【0046】
次に、主制御部80は送信された現像電流の直流成分Idcの変化量ΔIdcが所定値A(ここでは0.03μA)を超えるか否かを判定する(ステップS4)。ΔIdc≦Aである場合は(ステップS4でNo)、現像電流の直流成分Idcに基づいて第1画像形成条件の変更を行う(ステップS5)。変更される第1画像形成条件としては、現像電圧の直流成分Vdc等が挙げられる。その後、ステップS1に戻り、印字命令の待機状態を継続する。なお、ステップS1~S5を通常印字モードにおける転写メモリーの発生レベルの予測制御と捉えることもできる。
【0047】
ΔIdc>Aである場合は(ステップS4でYes)転写メモリー予測モードを開始する(ステップS6)。転写メモリー予測モードでは、先ず帯電装置2a~2dにより感光体ドラム1a~1dの表面を帯電させた後、露光装置5によって感光体ドラム1a~1d上に第1基準画像の静電潜像を形成する。そして、高圧発生回路43によって現像ローラー31に現像電圧を印加して静電潜像をトナー像に現像することにより、感光体ドラム1a~1d上に第1基準画像(ベタ画像)を形成する(ステップS7)。そして、電流検出部44によって第1基準画像を形成したときの現像電流の直流成分Istを検出し(ステップS8)、Istが基準値Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS9)。Ist≦Bである場合は(ステップS9でNo)、転写メモリー予測モードを終了してステップS1に戻り、印字命令の待機状態を継続する。
【0048】
図5は、第1基準画像を形成したときの現像電流の直流成分と転写メモリーの発生レベルとの関係を示すグラフである。転写メモリーランクは、転写メモリーが発生しない場合をランク5、転写メモリーがかすかに発生している場合をランク4、転写メモリーが発生しているが目立たない場合をランク3、転写メモリーが発生しており少し目立つ場合をランク2、転写メモリーが発生しており大変目立つ場合をランク1としている。
図5に示すように、転写メモリーは現像電流の直流成分が一定値以上のときに発生するため、電流検出部44により検出された現像電流の直流成分が基準値B(
図5では4μA)を超えるとき転写メモリーが発生すると推測できる。
【0049】
Ist>Bである場合は(ステップS9でYes)、現像装置3a~3d内のトナー帯電量を算出する(ステップS10)。具体的には、帯電装置2a~2dにより感光体ドラム1a~1dの表面を帯電させた後、露光装置5によって感光体ドラム1a~1d上に第2基準画像の静電潜像を形成する。そして、高圧発生回路43によって現像ローラー31に現像電圧を印加して静電潜像をトナー像に現像することにより、感光体ドラム1a~1d上に印字率の異なる複数の第2基準画像を形成する。同時に、電流検出部44によって現像ローラー31に流れる現像電流の直流成分を検出する。
【0050】
次に、一次転写ローラー6a~6dに所定の一次転写電圧を印加して第2基準画像を中間転写ベルト8上に転写する。そして、画像濃度センサー40により各第2基準画像の濃度を検知する。主制御部80は、検出された現像電流と第2基準画像の濃度(トナー現像量)に基づいてトナー帯電量を算出する。
【0051】
図6は、印字率の異なる第2基準画像を形成したときのトナー現像量と現像電流との関係を示すグラフである。
図6に点線で示す近似直線(y=11.722x-0.2079)の傾きからトナー帯電量を求めることができる。なお、実際の計算では現像電流を測定面積で除算することで単位面積当たりの電流量[μA/cm
2]を算出する必要がある。また、画像濃度は1つの第2基準画像の複数箇所で測定し、各測定値の平均値を用いると誤差が小さくなる。
【0052】
図4に戻って、次に主制御部80は、トナー帯電量に基づいて転写メモリーの発生原因を推定する(ステップS11)。転写メモリーはトナー帯電量が高い場合、またはトナー現像量が多い場合に発生し易くなる。そのため、トナー帯電量がわかれば転写メモリーの発生原因を推定することができる。具体的には、測定されたトナー帯電量が高い場合は転写メモリーの発生原因としてトナー帯電量が高いことが推定される。一方、測定されたトナー帯電量が低い場合は転写メモリーの発生原因としてトナー現像量が多いことが推定される。
【0053】
主制御部80は、転写メモリーの発生原因の推定結果に基づいて第2画像形成条件を変更し(ステップS12)、転写メモリー予測モードを終了する。変更される第2画像形成条件としては、現像装置3a~3d内のトナー濃度の変更、または現像ローラー31に印加する現像電圧の交流成分のVpp(ピーク間電圧値)が挙げられる。具体的には、トナー帯電量が所定値(閾値)よりも高いときは転写メモリーの発生原因がトナー帯電量であると推定されるため、トナー濃度を高くすることでトナー帯電量を低下させる。また、トナー帯電量が所定値(閾値)以下であるときは転写メモリーの発生原因がトナー現像量であると推定されるため、現像電圧の交流成分のVppを低下させることでトナー現像量を低下させる。
【0054】
以上説明したように、現像電流を用いて転写メモリーの発生レベルを推定するとともに、トナー帯電量を用いて転写メモリーの発生原因を推定する転写メモリー予測モードを実行することにより、転写メモリーの発生原因を精度よく推定して転写メモリーの発生しない適切な画像形成条件を設定することができる。従って、転写メモリーによる画像不具合を効果的に抑制することができる。
【0055】
また、画像形成時における非画像部の現像電流の直流成分の電流値を用いて転写メモリーの発生レベルを予測し、転写メモリーの発生レベルが高いと推測されるときのみ転写メモリー予測モードを実行することにより、転写メモリー予測モードを適切なタイミングで実行することができる。従って、不必要な転写メモリー予測モードの実行による消費トナーおよび消費電力の増加、画像形成効率の低下を極力抑制しつつ、転写メモリーの発生による画像不具合を効果的に抑制することができる。
【0056】
また、転写メモリー予測モードを実行しなかったときは、通常印字モードを継続しつつ、第1画像形成条件(現像電圧の直流成分Vdc)の変更を行うことで、転写メモリーの発生レベルの短期的な変化に対して即効性のある対処が可能となる。なお、後述する実施例からわかるように、第2画像形成条件の変更のみでも転写メモリーの抑制効果が十分に得られるため、第1画像形成条件の変更(
図4のステップS5)はなくてもよい。
【0057】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では画像濃度(印字率)の異なる複数の測定パターンを形成し、各測定パターンの現像量差(濃度差)と測定パターンの形成時に流れる現像電流の差との関係に基づいてトナー帯電量を測定したが、トナー帯電量の測定方法は上述した方法に限らず、例えば同一の測定パターンの静電潜像を現像電圧の交流成分の周波数を切り替えてトナー像に現像して2種類の測定パターンを形成し、各測定パターンの形成時に流れる現像電流の差と現像量差(濃度差)と測定パターンの関係に基づいてトナー帯電量を測定する方法や、周波数と現像量差(濃度差)との関係に基づいてトナー帯電量を測定する方法を用いることもできる。
【0058】
また、上記実施形態では二成分現像剤を担持する現像ローラー31を備えた二成分現像式の現像装置3a~3dを備えた画像形成装置100について説明したが、現像装置は二成分現像式に限定されるものではない。例えば、トナーのみからなる一成分現像剤を用いる一成分現像式の現像装置を備えた画像形成装置100においても本発明を同様に適用可能である。
【0059】
また、上記実施形態では画像形成装置100として
図1に示したようなカラープリンターを例に挙げて説明したが、カラープリンターに限らず、モノクロおよびカラー複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。以下、実施例により本発明の効果について更に詳細に説明する。
【実施例】
【0060】
図4に示した転写メモリー予測モードを実行し、推定された転写メモリーの発生レベルおよび発生原因に基づいて画像形成条件を変更した場合の転写メモリーの抑制効果についての検証試験を行った。試験機の条件としては、
図1に示したような画像形成装置100において、アモルファスシリコン(a-Si)感光層を有する感光体ドラム1a~1dを用い、非露光部電位V0=270V、露光部電位VL=20Vとした。また、ドラム線速(プロセス速度)を55枚/minとした。
【0061】
現像装置3a~3dは、ローレット加工により周方向に80列の凹部が形成された直径20mmの現像ローラー31を用い、規制ブレード35としてステンレス(SUS430)製の磁性ブレードを用いた。現像ローラー31による現像剤搬送量を250g/m2とした。現像ローラー31と感光体ドラム1a~1dの周速比を1.8(対向位置でトレール回転)、現像ローラー31と感光体ドラム1a~1d間の距離を0.30mmとした。現像ローラー31には、現像電圧として170Vの直流電圧Vslv(DC)に、周波数4.2kHz、duty=50%の矩形波の交流電圧を重畳した電圧を印加した。
【0062】
また、平均粒子径6.8μmの正帯電性トナーと、平均粒子径35μmのフェライト・樹脂コートキャリアとからなる二成分現像剤を用い、トナー濃度を8%とした。
【0063】
試験方法としては、転写メモリーの発生原因に応じて現像装置3a~3d内のトナー濃度を高くするか、または現像電圧の交流成分のVppを低下させる第2画像条件の変更を行った場合(本発明1)、第2画像形成条件に加えて、現像電圧の直流成分Vdcを低下させる第1画像条件の変更を行った場合(本発明2)、および画像条件の変更を行わなかった場合(比較例1)で220k枚の耐久印字を行い、転写メモリーの発生レベルを評価した。転写メモリーの評価は官能評価(目視)であり、テスト画像としてベタ画像の印字後に25%ハーフ画像を印字し、転写メモリーの発生レベルを
図5と同様の評価基準で評価した。結果を
図7に示す。
【0064】
図7から明らかなように、転写メモリーの発生原因に応じて第2画像形成条件の変更を行った本発明1(
図7の×のデータ系列)では、220k枚の耐久印字後における転写メモリーの発生レベルは最大でランク4であり、転写メモリーがかすかに発生しているレベルであった。また、第2画像形成条件に加えて第1画像条件の変更を行った本発明2(
図7の○のデータ系列)では、220k枚の耐久印字後における転写メモリーの発生レベルは最大でランク4.5であり、転写メモリーが発生しない~かすかに発生しているレベルであった。
【0065】
これに対し、画像形成条件の変更を行わなかった比較例1(
図7の●のデータ系列)では、220k枚の耐久印字後における画像メモリーの発生レベルは最大でランク2.5であり、転写メモリーが発生しているが目立たない~少し目立つレベルであった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、現像電流およびトナー帯電量を用いて転写メモリーの発生レベルおよび発生原因を精度よく推定可能な転写メモリー予測モードを実行し、推定結果に基づいて画像形成条件を変更することにより、転写メモリーの発生原因に応じた適切な画像形成条件を設定可能な画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0067】
1a~1d 感光体ドラム(像担持体)
2a~2d 帯電装置
3a~3d 現像装置
5 露光装置
6a~6d 一次転写ローラー(転写部材)
31 現像ローラー(現像剤担持体)
43 高圧発生回路
43a 直流定電圧電源
43b 交流定電圧電源
44 電流検出部
45 電圧制御部
50 機内温湿度センサー(温湿度検知装置)
70 記憶部
80 主制御部(制御部)
90 液晶表示部(通知装置)
91 送受信部(通知装置)
100 画像形成装置