(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20231003BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20231003BHJP
G06T 3/00 20060101ALI20231003BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231003BHJP
【FI】
H04N1/387
G06T1/00 310
G06T3/00
G06T7/00 300F
(21)【出願番号】P 2019152615
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕士郎
(72)【発明者】
【氏名】白木 聖二
(72)【発明者】
【氏名】宇根 清
(72)【発明者】
【氏名】三須 長政
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮佑
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-152760(JP,A)
【文献】特開2012-080232(JP,A)
【文献】特開2006-287625(JP,A)
【文献】特開2003-110835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38 - 1/393
G06T 1/00 - 1/40
3/00 - 5/50
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 -20/90
30/418
40/16
40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
読込手段によって読み込まれた、複数ページからなる文書の第1ページからパンチ穴に類似する類似画像を検知した際に、前記文書の該第1ページとは異なる第2ページでパンチ穴が検知された場合に、前記類似画像を除去
し、
前記第1ページは、前記文書の一つのページを示し、
前記類似画像を検知するのに、パンチ穴として検知するための第1閾値とパンチ穴ではないと検知するための第2閾値を用い、前記第1ページ内の対象としている画像が該第1閾値と該第2閾値の間にある場合は、該対象としている画像はパンチ穴に類似する類似画像であると検知し、
前記パンチ穴を検知するのに、前記第2ページ内の対象としている画像が前記第1閾値以上又はより大である場合は、該対象としている画像はパンチ穴であると検知し、
前記第1閾値又は前記第2閾値との比較するものは、前記対象としている画像の特徴量、特徴量空間において正式なパンチ穴の画像と前記対象としている画像との距離、パンチ穴確度のいずれかであり、
前記除去は、前記類似画像の周囲の色と同色の色を埋め込むことにより行い、
前記プロセッサが行う除去処理では、
前記第1ページが前記文書の先頭ページ又は最終ページである場合は、警告せずに前記類似画像の除去を行い、前記第1ページが途中ページである場合は、警告を行い、ユーザーの操作にしたがって除去を行う、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1ページ中の前記類似画像の位置が、前記第2ページ中の前記パンチ穴と同じ位置又は対称の位置にある場合、前記類似画像を除去する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
コンピュータを、
読込手段によって読み込まれた、複数ページからなる文書の第1ページからパンチ穴に類似する類似画像を検知した際に、前記文書の該第1ページとは異なる第2ページでパンチ穴が検知された場合に、前記類似画像を除去する除去手段
として機能させ、
前記第1ページは、前記文書の一つのページを示し、
前記類似画像を検知するのに、パンチ穴として検知するための第1閾値とパンチ穴ではないと検知するための第2閾値を用い、前記第1ページ内の対象としている画像が該第1閾値と該第2閾値の間にある場合は、該対象としている画像はパンチ穴に類似する類似画像であると検知し、
前記パンチ穴を検知するのに、前記第2ページ内の対象としている画像が前記第1閾値以上又はより大である場合は、該対象としている画像はパンチ穴であると検知し、
前記第1閾値又は前記第2閾値との比較するものは、前記対象としている画像の特徴量、特徴量空間において正式なパンチ穴の画像と前記対象としている画像との距離、パンチ穴確度のいずれかであり、
前記除去は、前記類似画像の周囲の色と同色の色を埋め込むことにより行い、
前記
コンピュータが行う除去処理では、
前記第1ページが前記文書の先頭ページ又は最終ページである場合は、警告せずに前記類似画像の除去を行い、前記第1ページが途中ページである場合は、警告を行い、ユーザーの操作にしたがって除去を行う、
画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パンチ穴が存在する原稿を入力した際に、パンチ穴のみを精度良く除去することが可能な画像処理装置を提供することを課題とし、パンチ穴探索範囲決定手段では、画像入力手段により得られた入力画像から、パンチ穴を探索する探索範囲を決定し、パンチ穴候補抽出手段では、パンチ穴探索範囲決定手段より得られた探索範囲を対象にパンチ穴の候補矩形を抽出し、パンチ穴検出手段では、パンチ穴候補抽出手段により得られたパンチ穴候補矩形の情報からパンチ穴を特定し、パンチ穴除去手段では、パンチ穴検出手段により得られたパンチ穴を除去することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、原稿の表面、裏面の画像情報を読み取る1または複数の画像読み取り手段と、画像記憶部と、前記画像読み取り手段で読み取った読取画像の解像度を変換する解像度変換手段と、前記解像度変換手段を用いて、表面、裏面の低解像度の画像をそれぞれ作成し、それらの画像に基づいて原稿の穴を検出する原稿穴検出手段と、前記原稿穴検出手段で検出された原稿の穴に基づいて、前記読取画像から穴画像を消去する原稿穴消去手段と、を備え、前記原稿穴検出手段は、前記表面の低解像度の画素情報から抽出された原稿の穴を検出するための特徴量と、前記裏面の低解像度の画素情報から抽出された原稿の穴を検出するための特徴量との一致の度合に基づいて原稿の穴を検出することを特徴とする画像処理装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-080341号公報
【文献】特許第4219333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パンチ穴があけられたページの画像から、パンチ穴を除去する場合に、予め定められた形状をパンチ穴として検知して、該ページの画像から除去する構成では、予め定められた形状以外のパンチ穴は、除去することができない。
一方、パンチ穴があけられた複数ページからなる文書の場合、パンチ穴でファイルされ、ファイルからの該文書の出し入れ等によって、文書のパンチ穴に破れや歪み等が発生することがある。このような場合、予め定められた形状をパンチ穴として検知する技術では、破れや歪みをもったパンチ穴は、パンチ穴として検知されない恐れがある。
本発明は、パンチ穴があけられた、複数ページからなる文書を読み込んで、該文書のパンチ穴を除去する場合において、形状が崩れたパンチ穴を除去することができる画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、読込手段によって読み込まれた、複数ページからなる文書の第1ページからパンチ穴に類似する類似画像を検知した際に、前記文書の該第1ページとは異なる第2ページでパンチ穴が検知された場合に、前記類似画像を除去することを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、前記プロセッサが行う除去処理では、前記類似画像の除去する領域の大きさは、前記パンチ穴の除去する領域の大きさとは異なる、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記プロセッサが行う除去処理では、前記類似画像の除去の面積は、前記パンチ穴の除去の面積よりも大きい、請求項2に記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記プロセッサが行う除去処理では、前記類似画像を除去する領域は、類似画像からページの端までである、請求項3に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記プロセッサが行う除去処理では、前記第1ページが、前記文書の先頭ページ又は最終ページである場合と、途中ページである場合とで、前記類似画像の除去方法が異なる、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項6の発明は、前記プロセッサは、前記第1ページが先頭ページ又は最終ページである場合は、警告せずに前記類似画像の除去を行う、請求項5に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項7の発明は、前記プロセッサは、前記第1ページが途中ページである場合は、警告を行い、ユーザーの判断にしたがって除去を行う、請求項5に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項8の発明は、前記プロセッサは、パンチ穴として検知するための第1閾値とパンチ穴ではないと検知するための第2閾値を用い、対象としている画像が該第1閾値と該第2閾値の間にある場合は、パンチ穴に類似する類似画像であると検知する、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項9の発明は、前記プロセッサは、前記第1ページ中の前記類似画像の位置が、前記第2ページ中の前記パンチ穴と同じ位置又は対称の位置にある場合、前記類似画像を除去する、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項10の発明は、コンピュータを、読込手段によって読み込まれた、複数ページからなる文書の第1ページからパンチ穴に類似する類似画像を検知した際に、前記文書の該第1ページとは異なる第2ページでパンチ穴が検知された場合に、前記類似画像を除去する除去手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の画像処理装置によれば、パンチ穴があけられた、複数ページからなる文書を読み込んで、該文書のパンチ穴を除去する場合において、形状が崩れたパンチ穴を除去することができる。
【0017】
請求項2の画像処理装置によれば、類似画像の除去する領域の大きさと、パンチ穴の除去する領域の大きさとを異ならせることができる。
【0018】
請求項3の画像処理装置によれば、類似画像の除去の面積を、パンチ穴の除去の面積よりも大きくすることができる。
【0019】
請求項4の画像処理装置によれば、類似画像を除去する領域は、類似画像からページの端までとすることができる。
【0020】
請求項5の画像処理装置によれば、文書の先頭ページ又は最終ページである場合と、途中ページである場合とで、類似画像の除去方法を異ならせることができる。
【0021】
請求項6の画像処理装置によれば、先頭ページ又は最終ページを対象とする場合は、警告せずに類似画像の除去を行うことができる。
【0022】
請求項7の画像処理装置によれば、途中ページを対象とする場合は、ユーザーの判断にしたがって除去を行うことができる。
【0023】
請求項8の画像処理装置によれば、対象としている画像が第1閾値と第2閾値の間にある場合は、パンチ穴に類似する類似画像であると検知することができる。
【0024】
請求項9の画像処理装置によれば、第1ページ中の類似画像の位置が、第2ページ中のパンチ穴と同じ位置又は対称の位置にある場合、類似画像を除去することができる。
【0025】
請求項10の画像処理プログラムによれば、パンチ穴があけられた、複数ページからなる文書を読み込んで、該文書のパンチ穴を除去する場合において、形状が崩れたパンチ穴を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図6】パンチ穴情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図7】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図9】閾値判断方法テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図10】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図11】埋め領域情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図13】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図14】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図15】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図16】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図17】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図18】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図19】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memoryの略)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unitの略)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0028】
本実施の形態である画像処理装置100は、文書を読み込んだ画像から、パンチ穴を除去する画像処理機能を有しており、
図1の例に示すように、読込モジュール105、パンチ穴検知モジュール110、パンチ穴除去モジュール130、画像記憶モジュール135、出力モジュール140を有している。
パンチ穴とは、書類等の紙を穿孔した(穴を開けた)ことによって生じる穴をいう。例えば、ファイル、クリップボード、綴り紐等を用いて書類を綴じるために穿孔された丸い穴をいう。なお、パンチ穴には、パンチ穴がある書類を複写したものを含む。
画像処理装置100は、パンチ穴がある書類を読み込んだ画像から、パンチ穴の画像を検出し、そのパンチ穴の画像を除去する。
【0029】
読込モジュール105は、パンチ穴検知モジュール110と接続されている。読込モジュール105は、文書の画像を読み込み、その画像をパンチ穴検知モジュール110に渡す。例えば、スキャナ、カメラ等で紙の文書を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、記憶装置(コンピュータに内蔵されているハードディスク等の他に、ネットワークを介して接続されているサーバー等を含む)に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(多値画像には、カラー画像を含む)であってもよい。受け付ける画像は、複数ページからなる画像である。また、画像の内容として、ビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。なお、読み込んだ画像には、パンチ穴の画像が含まれている可能性があればよく、全ての画像にパンチ穴の画像が含まれていてもよく、パンチ穴のない画像が混在していてもよい。そして、パンチ穴がある画像は、従来の技術で検知できる程度のパンチ穴の画像があるページと、崩れた形状のパンチ穴の画像があるページが混在していてもよい。
【0030】
パンチ穴検知モジュール110は、第1段階検知モジュール115、第2段階検知モジュール120、パンチ穴情報記憶モジュール125を有しており、読込モジュール105、パンチ穴除去モジュール130と接続されている。パンチ穴検知モジュール110は、読込モジュール105によって読み込まれた画像からパンチ穴の画像、パンチ穴に類似する類似画像を検知する。
【0031】
第1段階検知モジュール115は、読込モジュール105によって読み込まれた画像からパンチ穴の画像を検知する。第1段階検知モジュール115は、パンチ穴の画像であると確実に認識できるものを検知する。例えば、第1閾値と比較することによって、パンチ穴の画像であるか否かを判断してもよい。第1閾値は、パンチ穴として検知するための閾値である。第1閾値と比較するのは、画像の特徴量であってもよいし、特徴量空間において、正式なパンチ穴の画像と対象としている画像との距離であってもよいし、後述するパンチ穴確度であってもよい。また、予め用意したパンチ穴の画像とのテンプレートマッチングによって、パンチ穴の画像を検知するようにしてもよい。
【0032】
第2段階検知モジュール120は、パンチ穴として検知するための第1閾値とパンチ穴ではないと検知するための第2閾値を用い、対象としている画像がその第1閾値とその第2閾値の間にある場合は、パンチ穴に類似する類似画像であると検知する。
なお、第1閾値又は第2閾値と比較するのは、画像の特徴量であってもよいし、特徴量空間において、正式なパンチ穴の画像と対象としている画像との距離であってもよいし、後述するパンチ穴確度であってもよい。
ここで「パンチ穴に類似する類似画像」は、本来はパンチ穴であったが、文書の取り扱い等によって、そのパンチ穴が広がってしまい、第1段階検知モジュール115ではパンチ穴とは検知できなかった画像である。詳細については、
図3、
図4、
図5の例を用いて後述する。
【0033】
パンチ穴情報記憶モジュール125は、第1段階検知モジュール115又は第2段階検知モジュール120による処理結果であるパンチ穴に関する情報を記憶する。例えば、パンチ穴情報テーブル600を記憶している。
図6は、パンチ穴情報テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。パンチ穴情報テーブル600は、文書ID欄605、ページID欄610、パンチ穴並び方向欄615、パンチ穴数欄620、位置欄625、大きさ欄630、形状欄635を有している。なお、
図6の説明においては、パンチ穴には、第1段階検知モジュール115によって検知されたパンチ穴と第2段階検知モジュール120によって検知されたパンチ穴に類似する類似画像の両方を含む。文書ID欄605は、本実施の形態において、文書を一意に識別するための情報(具体的には、文書ID:IDentificationの略)を記憶している。ページID欄610は、本実施の形態において、ページを一意に識別するための情報(具体的には、ページID)を記憶している。パンチ穴並び方向欄615は、そのページにおけるパンチ穴の並び方向を記憶している。例えば、縦方向、横方向等がある。パンチ穴数欄620は、そのページにおけるパンチ穴の数を記憶している。例えば、1、2、3等がある。なお、パンチ穴数欄620内の数だけ、以下の位置欄625~形状欄635の組がパンチ穴数欄620の後に続く。位置欄625は、そのパンチ穴がある位置を記憶している。例えば、中心位置の座標であってもよいし、パンチ穴の外接矩形の各角の位置等であってもよい。大きさ欄630は、そのパンチ穴の大きさを記憶している。例えば、直径であってもよいし、縦と幅であってもよいし、面積等であってもよい。形状欄635は、そのパンチ穴の形状を記憶している。例えば、第1段階検知モジュール115で検知された場合は円、第2段階検知モジュール120によって検知された場合は楕円形、弓形、四角形の一辺を円弧にした形状等がある。
【0034】
パンチ穴除去モジュール130は、パンチ穴検知モジュール110、画像記憶モジュール135、出力モジュール140と接続されている。
パンチ穴除去モジュール130は、第1段階検知モジュール115によって検知されたパンチ穴、第2段階検知モジュール120によって検知されたパンチ穴に類似する類似画像を除去する。除去する方法として、例えば、そのパンチ又は類似画像の周囲と同色の色を埋め込むようにしてもよい。
なお、第1段階検知モジュール115によって検知されたパンチ穴の除去は、その第1段階検知モジュール115によって検知されたパンチ穴の領域を除去対象とする。
パンチ穴除去モジュール130は、読込モジュール105によって読み込まれた、複数ページからなる文書の第1ページからパンチ穴に類似する類似画像をパンチ穴検知モジュール110によって検知した際に、文書のその第1ページとは異なる第2ページでパンチ穴が検知された場合に、類似画像を除去する。
「第1ページとは異なる第2ページ」は、同一文書内のページであって、第1ページではないページであればよい。また、第1ページではないページであって、予め定められたページであってもよい。例えば、第1ページの直前のページであってもよいし、第1ページの直後のページであってもよい。また、第1ページ以外の複数のページにおけるパンチ穴の統計的値を用いるようにしてもよい。ここで統計的値として、例えば、平均値、最頻値、中央値等がある。
なお、パンチ穴除去モジュール130による処理は、ページ順に行うのが一般的である。その場合、第2ページは、第1ページより前にある。また、第1ページ以降のページを第2ページとして用いる場合は、文書の全てのページを読み込んだ後に、最終のページから最初のページに向かって処理を行えばよい。つまり、第2ページは、読み込んだ順番において第1ページよりも前に読み込んだページだけでなく、第1ページよりも後に読み込んだページを対象としてもよい。
【0035】
また、パンチ穴除去モジュール130は、類似画像の除去する領域の大きさとして、パンチ穴の除去する領域の大きさとは異なるようにしてもよい。
例えば、類似画像の除去の面積は、パンチ穴の除去の面積よりも大きくしてもよい。
【0036】
また、パンチ穴除去モジュール130は、第1ページが、文書の先頭ページ又は最終ページである場合と、途中ページである場合とで、類似画像の除去方法を異なるようにしてもよい。
例えば、パンチ穴除去モジュール130は、第1ページが先頭ページ又は最終ページである場合は、警告せずに類似画像の除去を行うようにしてもよい。
例えば、パンチ穴除去モジュール130は、第1ページが途中ページである場合は、ユーザーに警告を行い、そのユーザーの判断にしたがって除去を行うようにしてもよい。途中ページとは、先頭ページかつ最終ページではないページである。
【0037】
また、パンチ穴除去モジュール130は、第1ページ中の類似画像の位置が、第2ページ中のパンチ穴と同じ位置又は対称の位置にある場合、類似画像を除去するようにしてもよい。第1ページと第2ページは、同じパンチ穴が開けられている可能性が高いので、第1ページ中の類似画像の位置が、第2ページ中のパンチ穴と同じ位置にあることを条件として、類似画像を除去するようにしている。なお、「対称の位置」もあるのは、対象としているページが天地逆、裏返し等になっている場合に対応するためである。対称として、点対称、ページの中心線を軸とした線対称等がある。
【0038】
画像記憶モジュール135は、パンチ穴除去モジュール130と接続されている。画像記憶モジュール135は、読込モジュール105によって読み込まれた画像、パンチ穴除去モジュール130によって処理された画像を記憶する。パンチ穴除去モジュール130は、パンチ穴検知モジュール110による処理結果を用いて、画像記憶モジュール135内の画像を対象として、パンチ穴の画像とパンチ穴に類似する類似画像を除去し、その除去結果を画像記憶モジュール135に記憶させる。
【0039】
出力モジュール140は、パンチ穴除去モジュール130と接続されている。出力モジュール140は、パンチ穴除去モジュール130によってパンチ穴の画像とパンチ穴に類似する類似画像が除去された画像を受け取り、その画像を出力する。画像を出力するとは、例えば、プリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、FAX等の画像送信装置で画像を送信すること、画像データベース等の画像記憶装置へ画像を書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。
【0040】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。また、本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図でもある。
画像処理装置200は、画像入力モジュール205、画像処理モジュール210、画像出力モジュール240、メモリ250、CPU255、ROM260、通信モジュール265、操作パネル270を有している。画像入力モジュール205は読込モジュール105の一例であり、検知モジュール215はパンチ穴検知モジュール110の一例であり、画像形成モジュール230はパンチ穴除去モジュール130の一例であり、画像出力モジュール240は出力モジュール140の一例である。
【0041】
画像入力モジュール205は、画像処理モジュール210の検知モジュール215、CPU255と接続されている。画像入力モジュール205として、例えば、スキャナ等がある。
画像処理モジュール210は、検知モジュール215、画像形成モジュール230を有しており、CPU255と接続されている。画像処理モジュール210は、画像入力モジュール205で入力された画像、又は、メモリ250に記憶されている画像に対して、パンチ穴の画像の除去等の処理を行い、その除去後の画像を画像出力モジュール240に渡す。
検知モジュール215は、画像入力モジュール205、メモリ250と接続されている。検知モジュール215は、パンチ穴の画像の検知、パンチ穴に類似する類似画像の検知を行う。
画像形成モジュール230は、画像出力モジュール240、メモリ250と接続されている。画像形成モジュール230は、対象としているページ画像から、パンチ穴の画像、パンチ穴に類似する類似画像を除去する。
画像出力モジュール240は、画像処理モジュール210の画像形成モジュール230、CPU255と接続されている。画像出力モジュール240として、例えば、プリンタ等がある。
【0042】
メモリ250は、画像処理モジュール210の検知モジュール215と画像形成モジュール230、CPU255と接続されている。メモリ250として、例えば、RAM、ハードディスク、フラッシュ・メモリ等がある。
CPU255は、画像入力モジュール205、画像処理モジュール210、画像出力モジュール240、メモリ250、ROM260、通信モジュール265、操作パネル270と接続されている。CPU255は、本実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、第1段階検知モジュール115、第2段階検知モジュール120、パンチ穴除去モジュール130等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
ROM260は、CPU255と接続されている。ROM260は、CPU255が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。
通信モジュール265は、CPU255と接続されている。通信モジュール265は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。
操作パネル270は、CPU255と接続されている。操作パネル270は、操作者により操作されるデバイスである。操作パネル270は、液晶表示装置又は有機ELディスプレイ等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイスとディスプレイの両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、タッチスクリーン上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0043】
コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、本実施の形態が実現される。
なお、
図2に示す画像処理装置100のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図2に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、プロセッサとして、GPU(Graphics Processing Unitの略、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Unitsの略)を含む)を用いてもよいし、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(具体例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略)等がある)や再構成可能な集積回路(具体例として、FPGA(Field-Programmable Gate Arrayの略)等がある)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図2に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯情報通信機器として、携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(複合機とは、スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等に組み込まれていてもよい。
【0044】
図3は、パンチ穴の例についての説明図である。
複数ページからなる文書の場合、パンチ穴を用いてファイルされることから、そのパンチ穴に破れ等が発生することがある。例えば、ファイルされた文書をチェックしたり、そのファイルからページを取り出したりしていると、パンチ穴の部分が破れてしまったりする。
例えば、
図3に示すように、複数ページからなる文書300を、バインダー350にセットするために、文書300の各ページにはパンチ穴がある。つまり、文書300は、バインダー350のリング、綴じひも等によって複数枚綴じられている。そして、nページ目(表)310を見るために、ページをめくり、(n-1)ページ目(裏)305に対して、外側に引っ張る力390が加わることになる。すると、(n-1)ページ目(裏)305のパンチ穴が崩れ、その形状が円でなくなることとなる。したがって、予め定められた大きさの円の画像を検出するだけでは、パンチ穴を検出できない場合が発生する。
【0045】
図4は、パンチ穴の例についての説明図である。
図3の例に示した文書300の各ページのパンチ穴の例を示したものである。
各ページ(画像401、画像40n、画像40n1等)には、2つのパンチ穴が開けられている。
【0046】
画像401、画像40nは、パンチ穴が崩れていない状態の例を示すものである。
例えば、画像40nは、nページ目の表面の画像を表しており、パンチ穴410n、パンチ穴420nがあり、そのパンチ穴の画像を除去するために、パンチ穴埋め領域412n、パンチ穴埋め領域422nを対象としている。具体的には、
図4(a)の例に示すように、パンチ穴420nの周囲を含むように、パンチ穴埋め領域422nを設定して、そのパンチ穴埋め領域422を除去対象としている。
【0047】
画像40n1は、パンチ穴が崩れている状態の例を示すものである。
例えば、画像40n1は、(n+1)ページ目の表面の画像を表しており、パンチ穴410n1、類似パンチ穴420n1があり、その崩れたパンチ穴の画像を除去するために、パンチ穴埋め領域412n1、類似パンチ穴埋め領域422n1を対象としている。具体的には、
図4(b)の例に示すように、類似パンチ穴420n1の周囲を含み、さらに、埋め領域形状拡張方向440に拡張して類似パンチ穴埋め領域422n1を設定して、その類似パンチ穴埋め領域422n1を除去対象としている。なお、「埋め領域形状拡張方向440に拡張」として、
図4(b)の例では右方向と左方向の2つの方向があるが、埋め領域形状拡張方向440の画像40n1の端であって、近い方の端への方向を採用すればよい。
図4(b)の例では、左方向に拡張している。なお、埋め領域形状拡張方向440は、複数のパンチ穴の中心を通る直線であるパンチ穴の並び方向430と垂直に交わる直線であり、類似パンチ穴420n1の中心を通る。
類似パンチ穴埋め領域422n1の面積(類似パンチ穴埋め領域422n1の面積は、「類似画像の除去の面積」の一例)は、パンチ穴埋め領域422nの面積(パンチ穴埋め領域422nの面積は、「パンチ穴の除去する面積」の一例)よりも大きくしている。
【0048】
図5は、パンチ穴の例についての説明図である。崩れたパンチ穴の具体例を示すものである。
図5(a)の例に示す画像501には、パンチ穴領域510、パンチ穴領域520がある。そして、パンチ穴領域510を拡大した
図5(b)の例に示すように、パンチ穴515は崩れている。具体的には、円であるパンチ穴が、左方向に大きくなっている。
図3の例で示した外側に引っ張る力390が働くためである。2つのパンチ穴の中心を通る直線と垂直に交わる方向(
図5の例では水平方向)であって、画像501の端に近い方向(
図5の例では左方向)に、パンチ穴が大きくなっている。したがって、パンチ穴埋め領域も同じように拡張すればよい。
【0049】
本実施の形態では、パンチ穴の形状が崩れている場合であっても、その形状が崩れたパンチ穴の除去を行う。
形状が崩れたパンチ穴は、第1段階検知モジュール115では検知することができない。そこで、対象としているページ以外のページにおけるパンチ穴に関する情報を用いて、形状が崩れたパンチ穴であってもパンチ穴として除去の対象としている。
そして、形状が崩れたパンチ穴については、パンチ穴を埋める領域の形状をパンチ穴の並びとは垂直であって、ページの近い端に向かう方向に領域を拡張している。
【0050】
図7は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。文書を読み込んだ順に処理を行う例を示している。
1ページ目から最終ページまでの全ページについて、その順にステップS702からステップS722までの処理を繰り返す。
ステップS704では、iページ目をスキャンする。つまり、iページ目の画像を読み込む。
ステップS706では、パンチ穴の検知をする。
ステップS708では、「Ac
i≧th1」であるか否かを判断し、「Ac
i≧th1」の場合はステップS718へ進み、それ以外の場合はステップS710へ進む。つまり、パンチ穴としての確からしさを示すパンチ穴確度であるAc
iが、第1閾値であるth1以上である場合は、パンチ穴であると判断する。
【0051】
ステップS710では、「th1>Aci≧th2」であるか否かを判断し、「th1>Aci≧th2」の場合はステップS712へ進み、それ以外の場合はステップS722へ進む。つまり、パンチ穴に類似する類似画像を検知した場合は、ステップS712へ進むことになる。そして、パンチ穴に類似する類似画像でもない場合は、ステップS722へ進むことになる。
【0052】
ステップS712では、登録された埋め領域情報を取り出す。例えば、i-1ページにおける埋め領域情報テーブル1100を取り出す。
ステップS714では、i-1ページの同位置にパンチ穴があるか否かを判断し、ある場合はステップS716へ進み、それ以外の場合はステップS722へ進む。つまり、前のページのパンチ穴の位置と同じ位置に、対象ページのパンチ穴に類似する類似画像がある場合は、穴が連続しているとみなし、ステップS716以降の穴埋め処理を実施する。なお、i-1ページ(前のページ)を用いているが、対象としているページ(iページ)以外のページであればよい。
ステップS716では、埋め領域を拡張する。具体的には、パンチ穴の並び(複数のパンチ穴の中心を通る直線)とは垂直であって、ページ画像の端のうち近い方の端の方向へ領域を拡張する。
図4の例に示した類似パンチ穴埋め領域422n1を生成する。
【0053】
ステップS718では、埋め領域情報を登録する。具体的には、パンチ穴情報テーブル600を生成する。
ステップS720では、穴埋め処理を行う。具体的には、パンチ穴の周辺の画像を用いて、
図4の例に示したパンチ穴埋め領域422n、又は、類似パンチ穴埋め領域422n1内を塗りつぶす。
ステップS722では、全ページ終了までステップS702からの処理を繰り返し、全ページ終了したらステップS724へ進む。
【0054】
ステップS724では、「th1>Ac1≧th2」であるか否かを判断し、「th1>Ac1≧th2」の場合はステップS726へ進み、それ以外の場合は処理を終了(ステップS799)する。つまり、1ページ目のAc1について、ステップS710と同等の処理を行う。本フローチャートによる処理の場合は、1ページ目で、ステップS710でYesとなった場合であっても、ステップS714では前ページがないため、ステップS716以降の処理ができないこととなる。そこで、ステップS724の処理を行う。ただし、対象としている文書内にパンチ穴がなかった場合は、ステップS724を行わないようにしてもよい。
ステップS726では、1ページ目の穴埋め処理をする、又は、ユーザーに警告を通知する。なお、「1ページ目の穴埋め処理」は、ステップS716、S718、S720の処理を含む。また、「警告を通知」として、操作パネル270に警告を表示するようにしてもよいし、ユーザー宛に電子メール、SNSにおけるメッセージ等を用いて警告を送信するようにしてもよい。
【0055】
図8は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。第1段階検知モジュール115、第2段階検知モジュール120によるパンチ穴の検知方法、又は、
図7に示すフローチャートのステップS708、S710、S712の処理の一例について説明する。
具体的には、パンチ穴確度(前述のAc)を用いる。パンチ穴確度は、パンチ穴の検知時に算出される、穴としての確からしさ情報を用いるものである。以下、
図8(a)の例に示す画像801を用いて説明する。この画像801には、崩れたパンチ穴がある。
【0056】
1.画像内のエッジを検出し、2値化する。
図8(a)の例に示す画像801に対して、エッジを検出し、2値化した場合、
図8(b)の例に示す処理画像811のようになる。エッジの検出方法、2値化方法は、従来の技術を用いればよい。例えば、エッジの検出方法として、エッジ検出用のフィルターを用いてもよいし、微分エッジ検出法を用いてもよい。
【0057】
2.ハフ変換等を用いて、画像内の円を探索し、規定の円領域に所属する画素をカウントする。
図8(b)の例に示す処理画像811に対して、ハフ変換を用いて、処理画像811内の円を検出した結果を
図8(c)に示す。
図8(c)には、処理画像821内に、2つの円である検出円830、検出円832が検出されたことを示している。この検出円830内の画素数を円領域内の画素数としてカウントする。そして、検出円830と検出円832との間にある黒画素数とそれに接続している黒画素数を円周長としてカウントする。
3.円領域内の画素数[pixel]/領域の円周長[pixel]を計算し、パンチ穴確度を算出する。
【0058】
4.パンチ穴確度と、第1の閾値(以下Th1)又は第2の閾値(以下Th2)とを比較することによって、穴検知結果を決定する。例えば、閾値判断方法テーブル900を用いて判断する。
図9は、閾値判断方法テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。閾値判断方法テーブル900は、判断欄910、判断欄920、判断欄930を有している。なお、th1>th2とする。
判断欄910では、「Ac
i≧th1」の場合に、「パンチ穴と決定する」と判断する。
判断欄920では、「th1>Ac
i≧th2」の場合に、「決定困難」と判断する。
判断欄930では、「th2>Ac
i」の場合に、「パンチ穴ではないと決定する」と判断する。
つまり、円に近い画像である場合、つまり、崩れていないパンチ穴である場合は、パンチ穴確度は予め定められた閾値Th1以上であって、パンチ穴とは認められない場合は、パンチ穴確度は、予め定められた閾値Th2未満となる。そして、パンチ穴確度は閾値Th1より大であって、閾値Th2以上となる場合は、パンチ穴に類似する画像、つまり、崩れているパンチ穴であると判断する。
円領域の大きさは、一般的なパンチ穴サイズをカバーするように定めればよい。具体的には、2穴パンチ穴の場合、ISO838に直径5.5mm~6.5mmと規定されているため、この近辺とすればよい。これらの値によって、閾値Th1、閾値Th2を定めればよい。
パンチ穴確度は、パンチ穴の検知手法によって適切に定めるものとすればよい。例えば、パンチ穴の検知手法として、テンプレートマッチングを用いる場合は、累積二乗誤差の逆数をパンチ穴確度とすればよい。つまり、閾値を2つ用意し、一方の閾値との比較によってパンチ穴であると判断し、他方の閾値との比較によってパンチ穴ではないと判断し、両方の閾値の間にある場合は、パンチ穴に類似する画像であると判断するように、閾値、特徴量であるパンチ穴確度を設定すればよい。前述の例の他に、検出円830と検出円832の間にある黒画素数と本来のパンチ穴である場合の黒画素数との比率をパンチ穴確度としてもよい。
【0059】
図10、
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。パンチ穴除去モジュール130によるパンチ穴の除去方法、又は、
図7に示すフローチャートのステップS716、S718、S720の処理の一例について説明する。
パンチ穴の崩れ方として、紙端までやぶれが発生しているケースがあるため、パンチ穴か否かの決定が困難である。閾値判断方法テーブル900の判断欄920に該当する場合である。
そこで、対象としているページとは異なる他のページ(
図7に示すフローチャートでは、対象としているページの前ページ)の同じ位置、又は、その近辺に、パンチ穴が存在する場合は、他ページにおける埋め領域情報テーブル1100を用いて、パンチ穴の並び方向と垂直に、ページの紙端まで埋め領域形状を拡張する。
【0060】
(1)Ac≧Th1の場合(つまり、崩れていないパンチ穴の場合)
図10(a)の例に示すように、画像1001からパンチ穴を検知し、その埋め領域形状1010として「円」、埋め領域位置1015として「パンチ穴の中心位置の座標、そして、半径に予め定められた値を加えた値」を抽出し、また、他のパンチ穴との関係からパンチ穴の並び方向1005として「複数のパンチ穴の中心を通る縦線」を抽出する。これらの情報から埋め領域情報テーブル1100を生成する。
図11は、埋め領域情報テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。埋め領域情報テーブル1100は、パンチ穴並び方向欄1105、埋め領域形状欄1110、埋め領域位置欄1115を有している。パンチ穴並び方向欄1105は、前述のパンチ穴の並び方向1005を記憶している。埋め領域形状欄1110は、前述の埋め領域形状1010を記憶している。埋め領域位置欄1115は、前述の埋め領域位置1015を記憶している。
そして、
図10(b)の例に示す穴埋め処理後画像1031のように、パンチ穴を除去する。具体的には、そのパンチ穴の埋め領域位置1015を周囲の色で埋めればよい。
【0061】
(2)Th1>Ac≧Th2の場合(つまり、崩れているパンチ穴の場合)
図12(a)の例に示すように、画像1201には、やぶれのあるパンチ穴1202がある。他のページにおける埋め領域情報テーブル1100を利用する。もしも、他のページの同じ位置に埋め領域情報テーブル1100の情報がなければ(つまり、他のページの同じ位置にパンチ穴がない場合)、パンチ穴除去モジュール130による処理は行わない。
図7の例に示すフローチャートでは、ステップS714の「No」の判断が行われた場合は、ステップS716、S718、S720の処理は行われない。なお、
図7の例に示すフローチャートにおける「i-1ページ(前ページ)」が「他のページ」の一例である。
図12(b)の例に示すように、他のページの埋め領域情報テーブル1100の情報を用いて、パンチ穴並び方向1205、埋め領域形状1210を決定し、さらに、パンチ穴並び方向1205と垂直方向に、埋め領域形状1210を紙端まで拡張して、埋め領域1225を生成する。前述したように、拡張する方向は、ページの端が近い方向である。
図12(b)の例では左方向である。
そして、
図12(c)の例に示す穴埋め処理後画像1231のように、崩れているパンチ穴を除去する。具体的には、その崩れているパンチ穴の埋め領域1225を周囲の色で埋めればよい。
【0062】
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図13は、パンチ穴の崩れがない場合の処理例を示している。
図13(a1)の例に示す1ページ目おもて面画像1301a、
図13(a2)の例に示す2ページ目おもて面画像1302a、
図13(a3)の例に示す3ページ目おもて面画像1303a、
図13(a4)の例に示す4ページ目おもて面画像1304a、
図13(a5)の例に示す5ページ目おもて面画像1305aのように、2つのパンチ穴(例えば、パンチ穴1311a、パンチ穴1321a等)がある場合、それぞれのパンチ穴確度は、0.95であり、閾値Th1は0.90であるので、
図7の例に示すフローチャートではステップS708で「Yes」の判断となる。そして、各ページにおける埋め領域情報テーブル1100は、1つ目のパンチ穴では、パンチ穴並び方向欄1105は90度(縦線)、埋め領域形状欄1110は円、埋め領域位置欄1115は(中心座標が(x1、x2)、半径がx3)となり、2つ目のパンチ穴では、パンチ穴並び方向欄1105は90度(縦線)、埋め領域形状欄1110は円、埋め領域位置欄1115は(中心座標が(x4、x5)、半径がx6)となる。
そして、各ページに対して、
図13(c1)の例に示す1ページ目おもて面画像1301b、
図13(c2)の例に示す2ページ目おもて面画像1302b、
図13(c3)の例に示す3ページ目おもて面画像1303b、
図13(c4)の例に示す4ページ目おもて面画像1304b、
図13(c5)の例に示す5ページ目おもて面画像1305bのように、パンチ穴を除去する処理を行う。例えば、
図13(c1)に示す1ページ目おもて面画像1301bでは、パンチ穴1311aを囲む埋め領域1311c内、パンチ穴1321aを囲む埋め領域1321c内を、それぞれの周囲の色で埋めることを行う。
【0063】
図14は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図14は、崩れたパンチ穴が、途中のページである4ページ目にある場合の処理例を示している。なお、他のページである1~3ページ目、5ページ目は、パンチ穴の崩れがない。
【0064】
1~3ページ目は、
図13の例と同様の処理を行う。
図14(a4)の例に示す4ページ目おもて面画像1404aでは、崩れたパンチ穴1414a、パンチ穴1424aがある。この場合、パンチ穴確度は0.80となり、閾値Th1(0.90)より小であり、閾値Th2(0.70)以上であるので、閾値判断方法テーブル900の判断欄920に該当する。
そこで、4ページ目おもて面画像1404aのパンチ穴1414aとパンチ穴1424aの位置と同じ位置にパンチ穴がある、前ページである3ページ目における埋め領域情報テーブル1100を利用して、埋め領域を決定する。具体的には、3ページ目おもて面画像1403bでの埋め領域1413c、埋め領域1423cを拡張して、埋め領域1414c、埋め領域1424cを生成する。より具体的には、埋め領域1413c、埋め領域1423cの中心を通る直線(パンチ穴並び方向、
図14(c3)の例では縦線)に垂直であって、4ページ目おもて面画像1404bの端のうち近い方の端(
図14(c4)の例では左方向)に向かって、埋め領域1413c、埋め領域1423cを拡張して、埋め領域1414c、埋め領域1424cを生成する。
その埋め領域1414c、埋め領域1424cを対象として、パンチ穴の除去処理を行う。
【0065】
図15は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図15は、1~4ページ目にはパンチ穴がなく、5ページ目にはパンチ穴がある場合の処理例を示している。なお、パンチ穴に類似した文字が、途中のページである4ページ目にある。具体的には、4ページ目おもて面画像1504aの左端に文字「a」が印字されている。この部分のパンチ穴確度が0.72となり、閾値判断方法テーブル900の判断欄920に該当する。
しかし、この場合、
図7の例に示すフローチャートにしたがうと、前ページである3ページ目おもて面画像1503aではパンチ穴がないと判断されているので、ステップS714で「No」となり、4ページ目おもて面画像1504aでも、パンチ穴がないと判断されることになる。
なお、前述したように、参照するページを前ページに限らず、他のページである後のページ、例えば5ページ目おもて面画像1505aとした場合は、5ページ目おもて面画像1505aにはパンチ穴があるので、4ページ目おもて面画像1504aに対してもパンチ穴の除去処理を行うことになる。
【0066】
図16は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図16は、1ページ目には崩れたパンチ穴があり、2~5ページ目には崩れていないパンチ穴がある場合の処理例を示している。
1ページ目おもて面画像1601aでは、1ページ目であるため前ページにおける埋め領域情報テーブル1100がないため、
図7の例に示すフローチャートのステップS714で「No」となる。
2~5ページ目は、
図13の例と同様の処理を行う。
そして、最終ページの処理が終了した時点で、
図7の例に示すフローチャートのステップS724を行い、「Yes」となるので、
図16の例では、ユーザーに「1ページ目に対しても穴埋め処理を行うか否か」の表示を行う警告処理を行う。
なお、前述したように、対象としている文書の他のページにおいてパンチ穴の穴埋め処理が行われていない場合は、ステップS724を行わないようにしてもよい。つまり、そのような処理にした場合は、1ページ目にパンチ穴に類似した画像があったとしても、他のページでパンチ穴の穴埋め処理が行われていない場合は、1ページ目に対しても、パンチ穴の穴埋め処理は行わない。
【0067】
図17は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図7の例に示したフローチャートに対して、ステップS1718の処理を加えたものである。つまり、パンチ穴の除去処理を行わないページがある場合は、警告処理を行うようにしている。
さらに、警告処理を行った結果、ユーザーによって、パンチ穴の除去処理を行うとの操作が行われた場合は、他のページにおける埋め領域情報テーブル1100を用いてパンチ穴の除去処理を行うようにしてもよい。例えば、ここでの他のページとして、対象ページの前ページとしてもよい。
【0068】
1ページ目から最終ページまでの全ページについて、その順にステップS1702からステップS1724までの処理を繰り返す。
ステップS1704では、iページ目をスキャンする。
ステップS1706では、パンチ穴を検知する。
ステップS1708では、「Aci≧th1」であるか否かを判断し、「Aci≧th1」の場合はステップS1720へ進み、それ以外の場合はステップS1710へ進む。
【0069】
ステップS1710では、「th1>Aci≧th2」であるか否かを判断し、「th1>Aci≧th2」の場合はステップS1712へ進み、それ以外の場合はステップS1718へ進む。
ステップS1712では、登録された埋め領域情報を取り出す。
ステップS1714では、i-1ページの同位置にパンチ穴があるか否かを判断し、ある場合はステップS1716へ進み、それ以外の場合はステップS1718へ進む。
ステップS1716では、埋め領域を拡張し、ステップS1720へ進む。
ステップS1718では、警告を通知し、ステップS1724へ進む。
ステップS1720では、埋め領域情報を登録する。
ステップS1722では、穴埋め処理を行う。
ステップS1724では、全ページ終了までステップS1702からの処理を繰り返し、全ページ終了したらステップS1726へ進む。
【0070】
ステップS1726では、「th1>Ac1≧th2」であるか否かを判断し、「th1>Ac1≧th2」の場合はステップS1728へ進み、それ以外の場合は処理を終了(ステップS1799)する。
ステップS1728では、1ページ目の穴埋め処理をする、又は、ユーザーに警告を通知する。
【0071】
図18は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図7の例に示したフローチャートに対して、ステップS1818、S1820、S1822の処理を加えたものである。つまり、ステップS1814で「No」と判断された場合であっても、ページの天地逆等に対応できるようにしたものである。そして、パンチ穴の除去処理を行わないページがある場合は、警告処理を行うようにしている。
【0072】
1ページ目から最終ページまでの全ページについて、その順にステップS1802からステップS1828までの処理を繰り返す。
ステップS1804では、iページ目をスキャンする。
ステップS1806では、パンチ穴を検知する。
ステップS1808では、「Aci≧th1」であるか否かを判断し、「Aci≧th1」の場合はステップS1824へ進み、それ以外の場合はステップS1810へ進む。
【0073】
ステップS1810では、「th1>Aci≧th2」であるか否かを判断し、「th1>Aci≧th2」の場合はステップS1812へ進み、それ以外の場合はステップS1818へ進む。
ステップS1812では、登録された埋め領域情報を取り出す。
ステップS1814では、i-1ページの同位置にパンチ穴があるか否かを判断し、ある場合はステップS1816へ進み、それ以外の場合はステップS1818へ進む。
ステップS1816では、埋め領域を拡張し、ステップS1824へ進む。
【0074】
ステップS1818では、i-1ページの対称の位置にパンチ穴があるか否かを判断し、ある場合はステップS1820へ進み、それ以外の場合はステップS1822へ進む。ページの天地逆等に対応するために、前のページのパンチ穴の位置と対称となる位置に、対象ページのパンチ穴に類似する類似画像がある場合は、穴が連続しているとみなし、ステップS1820以降の穴埋め処理を実施する。
ステップS1820では、埋め領域を拡張し、ステップS1824へ進む。もちろんのことながら、i-1ページにおける埋め領域と対称の位置に、対象ページにおける埋め領域を拡張する処理を行う。
ステップS1822では、警告を通知し、ステップS1828へ進む。
【0075】
ステップS1824では、埋め領域情報を登録する。
ステップS1826では、穴埋め処理を行う。
ステップS1828では、全ページ終了までステップS1802からの処理を繰り返し、全ページ終了したらステップS1830へ進む。
ステップS1830では、「th1>Ac1≧th2」であるか否かを判断し、「th1>Ac1≧th2」の場合はステップS1832へ進み、それ以外の場合は処理を終了(ステップS1899)する。
ステップS1832では、1ページ目の穴埋め処理をする、又は、ユーザーに警告を通知する。
【0076】
図7、
図17、
図18の例に示すフローチャートでは、ステップS714、ステップS1714、ステップS1814で「i-1ページ」(「i-1ページ」とは、対象ページの前ページ)としているが、iページ以外であれば、他のページであってもよい。例えば、パンチ穴が検知されたページであって、iページに最も近いページとしてもよい。
【0077】
図19は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図18の例に示したフローチャートによる処理例を示したものである。
図19は、崩れたパンチ穴が、途中のページである4ページ目にあって、その4ページ目が他のページとは天地逆になっている場合の処理例を示している。なお、他のページである1~3ページ目、5ページ目は、パンチ穴の崩れがなく、正立のページである。
【0078】
1~3ページ目、5ページ目は、
図13の例と同様の処理を行う。
図19(a4)の例に示す4ページ目おもて面画像1904aでは、崩れたパンチ穴1914a、パンチ穴1924aがある。この場合、パンチ穴確度は0.80となり、閾値Th1(0.90)より小であり、閾値Th2(0.70)以上であるので、閾値判断方法テーブル900の判断欄920に該当する。
そこで、4ページ目おもて面画像1904aのパンチ穴1914aとパンチ穴1924aの位置と対称の位置にパンチ穴がある、前ページである3ページ目における埋め領域情報テーブル1100を利用して、埋め領域を決定する。具体的には、3ページ目おもて面画像1903bでの埋め領域1913c、埋め領域1923cを拡張して、対称変換を行って、埋め領域1914c、埋め領域1924cを生成する。より具体的には、埋め領域1913c、埋め領域1923cの中心を通る直線(パンチ穴並び方向、
図19(c3)の例では縦線)に垂直であって、対称変換を行って、4ページ目おもて面画像1904bの端のうち近い方の端(
図19(c4)の例では右方向)に向かって、埋め領域1913c、埋め領域1923cを拡張して、埋め領域1914c、埋め領域1924cを生成する。なお、4ページ目おもて面画像1904bでのパンチ穴1914a、パンチ穴1924aを拡張して、埋め領域1914c、埋め領域1924cを生成するようにしてもよい。
その埋め領域1914c、埋め領域1924cを対象として、パンチ穴の除去処理を行う。
【0079】
なお、前述の実施の形態の説明内での比較処理において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、例示であって、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0080】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって行われてもよいし、また、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0081】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
100…画像処理装置
105…読込モジュール
110…パンチ穴検知モジュール
115…第1段階検知モジュール
120…第2段階検知モジュール
125…パンチ穴情報記憶モジュール
130…パンチ穴除去モジュール
135…画像記憶モジュール
140…出力モジュール
200…画像処理装置
205…画像入力モジュール
210…画像処理モジュール
215…検知モジュール
230…画像形成モジュール
240…画像出力モジュール
250…メモリ
255…CPU
260…ROM
265…通信モジュール
270…操作パネル