(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】エレベーターの運行効率の低下を抑制するエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置およびエレベーターシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/46 20060101AFI20231003BHJP
B66B 1/18 20060101ALI20231003BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B66B1/46 A
B66B1/18 G
B66B3/00 K
(21)【出願番号】P 2019177395
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】森 昭道
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-280332(JP,A)
【文献】特開2013-52968(JP,A)
【文献】特開平9-188481(JP,A)
【文献】特開平8-337366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/46
B66B 1/18
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの乗場において、一般用乗場呼び釦よりも下方に設けられた身障者用乗場呼び釦と、
前記身障者用乗場呼び釦よりも奥側に設けられ、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際または身障者用乗場呼び釦が押されることにより身障者用乗場呼びが登録された際に点灯する身障者用応答ランプと、
前記身障者用乗場呼び釦と前記身障者用応答ランプとの間に設けられ、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光を前記乗場の側に対して水平方向に通過させずに斜め上方の方向に通過させる切換体と、
を備えたエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置。
【請求項2】
前記切換体は、前記身障者用乗場呼び釦が押されることにより前記身障者用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光を前記乗場の側に対して水平方向に通過させる請求項1に記載のエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置。
【請求項3】
前記切換体は、鉛直方向に並んだ複数のスリット体を有し、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光が前記乗場の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように前記複数のスリット体の向きを制御し、前記身障者用乗場呼び釦が押されることにより前記身障者用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光を前記乗場の側に対して水平方向に通過するように前記複数のスリットの向きを制御する請求項2に記載のエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置。
【請求項4】
前記切換体は、偏光体を有し、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光が前記乗場の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように前記偏光体による偏光の向きを制御し、前記身障者用乗場呼び釦が押されることにより前記身障者用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光を前記乗場の側に対して水平方向に通過するように前記偏光体による偏光の向きを制御する請求項2に記載のエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置。
【請求項5】
前記切換体は、複数の液晶を有し、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光が前記乗場の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように前記複数の液晶の配列を制御し、前記身障者用乗場呼び釦が押されることにより前記身障者用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光を前記乗場の側に対して水平方向に通過するように前記複数の液晶の配列を制御する請求項2に記載のエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置。
【請求項6】
請求項1に記載のエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置と、
前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光が前記乗場の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように前記切換体を制御する群管理装置と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項7】
前記群管理装置は、前記身障者用乗場呼び釦が押されることにより前記身障者用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光が前記乗場の側に対して水平方向に通過するように前記切換体を制御する請求項6に記載のエレベーターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターの運行効率の低下を抑制するエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置およびエレベーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの制御装置を開示する。当該制御装置によれば、一般利用者と身障者との双方に配慮した応援運転を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置において、一般利用者が一般用乗場呼び釦を押すだけでなく身障者用乗場呼び釦を押すこともある。この場合、身障者がいなくても、複数のかごが配車される。このため、エレベーターの運行効率が低下する。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、エレベーターの運行効率の低下を抑制することができるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置およびエレベーターシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置は、エレベーターの乗場2において、一般用乗場呼び釦よりも下方に設けられた身障者用乗場呼び釦と、前記身障者用乗場呼び釦よりも奥側に設けられ、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際または身障者用乗場呼び釦が押されることにより身障者用乗場呼びが登録された際に点灯する身障者用応答ランプと、前記身障者用乗場呼び釦と前記身障者用応答ランプとの間に設けられ、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光を前記乗場の側に対して水平方向に通過させずに斜め上方の方向に通過させる切換体と、を備えた。
【0007】
この発明に係るエレベーターシステムは、前記身障者用乗場呼び登録装置と、前記一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、前記身障者用応答ランプからの光が前記乗場の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように前記切換体を制御する群管理装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、切換体は、一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、身障者用応答ランプからの光を乗場の側に対して水平方向に通過させずに斜め上方の方向に通過させる。このため、エレベーターの運行効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【
図2】実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図3】実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図4】実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図5】実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図6】実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用される群管理装置7のハードウェア構成図である。
【
図7】実施の形態2におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図8】実施の形態2におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図9】実施の形態2におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【
図10】実施の形態2におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0012】
図1において、エレベーターの昇降路は、建築物の各階を貫通する。例えば、第1昇降路1aは、建築物の一側において各階を貫く。例えば、第2昇降路1bは、建築物の他側において、各階を貫く。
【0013】
エレベーターの複数の乗場2の各々は、建築物の各階に設けられる。例えば、複数の乗場2の各々は、第1昇降路1aと第2昇降路1bとの間に設けられる。
【0014】
エレベーターの複数のかごは、昇降路の内部に設けられる。例えば、第1かご3aと第2かご3bと第3かご3cとは、第1昇降路1aの内部に設けられる。例えば、第4かご3dと第5かご3eと第6かご3fとは、第2昇降路1bの内部に設けられる。
【0015】
複数の一般用乗場呼び登録装置の各々は、複数の乗場2の各々に設けられる。例えば、複数の第1一般用乗場呼び登録装置4aの各々は、複数の乗場2の各々において第1昇降路1aの側の壁面に設けられる。例えば、複数の第2一般用乗場呼び登録装置4bの各々は、複数の乗場2の各々において第2昇降路1bの側の壁面に設けられる。
【0016】
複数の身障者用乗場呼び登録装置の各々は、複数の乗場2の各々に設けられる。例えば、複数の第1身障者用乗場呼び登録装置5aの各々は、複数の乗場2の各々において第1昇降路1aの側の壁面に設けられる。例えば、複数の第1身障者用乗場呼び登録装置5aの各々は、複数の第1一般用乗場呼び登録装置4aの各々の下方に設けられる。例えば、複数の第2身障者用乗場呼び登録装置5bの各々は、複数の乗場2の各々において第2昇降路1bの側の壁面に設けられる。例えば、複数の第2身障者用乗場呼び登録装置5bの各々は、複数の第2一般用乗場呼び登録装置4bの各々の下方に設けられる。
【0017】
例えば、複数の制御装置の各々は、図示されない機械室に設けられる。例えば、複数の制御装置の各々は、昇降路の上部または下部に設けられる。複数の制御装置の各々は、複数のかごの各々に対応して設けられる。例えば、第1制御装置6aは、第1かご3aに対応して設けられる。例えば、第2制御装置6bは、第2かご3bに対応して設けられる。例えば、第3制御装置6cは、第3かご3cに対応して設けられる。例えば、第4制御装置6dは、第4かご3dに対応して設けられる。例えば、第5制御装置6eは、第5かご3eに対応して設けられる。例えば、第6制御装置6fは、第6かご3fに対応して設けられる。
【0018】
例えば、群管理装置7は、機械室に設けられる。例えば、群管理装置7は、昇降路の上部または下部に設けられる。群管理装置7は、複数の一般用乗場呼び登録装置の各々と複数の身障者用乗場呼び登録装置の各々とに電気的に接続される。例えば、群管理装置7は、複数の第1一般用乗場呼び登録装置4aの各々と複数の第2一般用乗場呼び登録装置4bの各々と複数の第1身障者用乗場呼び登録装置5aの各々と複数の第2身障者用乗場呼び登録装置5bの各々とに電気的に接続される。群管理装置7は、複数の制御装置の各々に電気的に接続される。例えば、群管理装置7は、第1制御装置6aと第2制御装置6bと第3制御装置6cと第4制御装置6dと第5制御装置6eとに電気的に接続される。
【0019】
いずれかの一般用乗場呼び登録装置が操作された際、群管理装置7は、当該一般用乗場呼び登録装置が設けられた階に対応した一般用乗場呼びを割り当てるかごを決定する。その後、群管理装置7は、当該かごに対応した制御装置に対し当該かごを当該一般呼びに対応した階に走行させるように指示する。
【0020】
いずれかの身障者用乗場呼び登録装置が操作された際、群管理装置7は、当該身障者用乗場呼び登録装置が設けられた階に対応した身障者用乗場呼びを割り当てるかごを決定する。その後、群管理装置7は、当該かごに対応した制御装置に対し当該かごを当該身障者用乗場呼びに対応した階に走行させるように指示する。
【0021】
なお、身障者用乗場呼びを割り当てるかごが決定している階において、いずれかの一般用乗場呼び登録装置が操作された際、群管理装置7は、当該一般用乗場呼び登録装置が設けられた階に対応した一般用乗場呼びを割り当てるかごを決定しない。これに対し、一般用乗場呼びを割り当てるかごが決定している階において、いずれかの身障者用乗場呼び登録装置が操作された際、群管理装置7は、当該一般用乗場呼び登録装置が設けられた階に対応した身障者用乗場呼びを割り当てるかごを決定する。
【0022】
次に、
図2から
図5を用いて、第1一般用乗場呼び登録装置4aと第1身障者用乗場呼び登録装置5aとを説明する。
図2から
図5は実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。なお、
図2から
図5において、各部は、模式的に示される。このため、
図2から
図5の各部の大小関係は、現実の各部の大小関係と同一ではない。
【0023】
図2から
図5に示されるように、第1一般用乗場呼び登録装置4aは、一対の第1一般用乗場呼び釦8と一対の第1一般用応答ランプ9とを備える。
【0024】
上側の第1一般用乗場呼び釦8は、押された際に上昇方向の一般用乗場呼びの登録を要求する信号を送信し得るように設けられる。下側の第1一般用乗場呼び釦8は、押された際に下降方向の一般用乗場呼びの登録を要求する信号を送信し得るように設けられる。
【0025】
上側の第1一般用応答ランプ9は、上側の第1一般用乗場呼び釦8よりも奥側に設けられる。上側の第1一般用応答ランプ9は、上側の第1一般用乗場呼び釦8が押された際に点灯し得るように設けられる。下側の第1一般用応答ランプ9は、下側の第1一般用乗場呼び釦8よりも奥側に設けられる。下側の第1一般用応答ランプ9は、下側の第1一般用乗場呼び釦8が押された際に点灯し得るように設けられる。
【0026】
図2から
図5に示されるように、第1身障者用乗場呼び登録装置5aは、一対の第1身障者用乗場呼び釦10と一対の第1身障者用応答ランプ11と一対の第1切換体12を備える。
【0027】
上側の第1身障者用乗場呼び釦10は、押された際に上昇方向の身障者用乗場呼びの登録を要求する信号を送信し得るように設けられる。下側の第1身障者用乗場呼び釦10は、押された際に下降方向の身障者用乗場呼びの登録を要求する信号を送信し得るように設けられる。
【0028】
上側の第1身障者用応答ランプ11は、上側の第1身障者用乗場呼び釦10よりも奥側に設けられる。上側の第1身障者用応答ランプ11は、上側の第1一般用乗場呼び釦8または上側の第1身障者用乗場呼び釦10が押された際に点灯し得るように設けられる。下側の第1身障者用応答ランプ11は、下側の第1身障者用乗場呼び釦10よりも奥側に設けられる。下側の第1身障者用応答ランプ11は、下側の第1一般用乗場呼び釦8または下側の第1身障者用乗場呼び釦10が押された際に点灯し得るように設けられる。
【0029】
上側の第1切換体12は、上側の第1身障者用乗場呼び釦10と上側の第1身障者用応答ランプ11との間に設けられる。
図2に示されるように、上側の第1切換体12は、上側の一般用乗場呼び釦が押されることにより上昇方向の一般用乗場呼びが登録された際に、上側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過させずに斜め上方の方向に通過させ得るように設けられる。
図3に示されるように、上側の第1切換体12は、上側の身障者用乗場呼び釦が押されることにより上昇方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、上側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過させ得るように設けられる。
【0030】
例えば、上側の第1切換体12は、複数の第1スリット体を有する。複数の第1スリット体は、鉛直方向に並ぶ。
図2に示されるように、上側の第1切換体12は、上側の一般用乗場呼び釦が押されることにより上昇方向の一般用乗場呼びが登録された際に、上側の身障者用応答ランプからの光が乗場2の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。
図3に示されるように、上側の第1切換体12は、上側の身障者用乗場呼び釦が押されることにより上昇方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、上側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。
【0031】
下側の第1切換体12は、下側の第1身障者用乗場呼び釦10と下側の第1身障者用応答ランプ11との間に設けられる。
図4に示されるように、下側の第1切換体12は、下側の一般用乗場呼び釦が押されることにより下降方向の一般用乗場呼びが登録された際に、下側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過させずに斜め上方の方向に通過させ得るように設けられる。
図5に示されるように、下側の第1切換体12は、下側の身障者用乗場呼び釦が押されることにより下降方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、下側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過させ得るように設けられる。
【0032】
例えば、下側の第1切換体12は、複数の第1スリット体を有する。複数の第1スリット体は、鉛直方向に並ぶ。
図4に示されるように、下側の第1切換体12は、下側の一般用乗場呼び釦が押されることにより下降方向の一般用乗場呼びが登録された際に、下側の身障者用応答ランプからの光が乗場2の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。
図5に示されるように、下側の第1切換体12は、下側の身障者用乗場呼び釦が押されることにより下降方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、下側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。
【0033】
図示されないが、第2一般用乗場呼び登録装置4bの構成も、第1一般用乗場呼び登録装置4aの構成と同様の構成である。第2身障者用乗場呼び登録装置5bの構成も、第1身障者用乗場呼び登録装置5aの構成と同様の構成である。
【0034】
以上で説明した実施の形態1によれば、上側の第1切換体12は、上側の一般用乗場呼び釦が押されることにより上昇方向の一般用乗場呼びが登録された際に、上側の身障者用応答ランプからの光が乗場2の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。上側の第1切換体12は、上側の身障者用乗場呼び釦が押されることにより上昇方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、上側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。この際、上側の一般用乗場呼び釦が押されると、一般の利用者は、上側の身障者用応答ランプの点灯を確認することができる。このため、一般の利用者が上側の身障者用応答ランプを押すことを抑制できる。これに対し、身障者は、上側の身障者用応答ランプの点灯を確認することができない。このため、身障者が上側の身障者用応答ランプを押すことを促すことができる。その結果、エレベーターの運行効率の低下を抑制することができる。
【0035】
また、下側の第1切換体12は、複数の第1スリット体を有する。複数の第1スリット体は、鉛直方向に並ぶ。下側の第1切換体12は、下側の一般用乗場呼び釦が押されることにより下降方向の一般用乗場呼びが登録された際に、下側の身障者用応答ランプからの光が乗場2の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。下側の第1切換体12は、下側の身障者用乗場呼び釦が押されることにより下降方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、下側の身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過するように複数の第1スリット体の向きを制御する。この際、下側の一般用乗場呼び釦が押されると、一般の利用者は、下側の身障者用応答ランプの点灯を確認することができる。このため、一般の利用者が下側の身障者用応答ランプを押すことを抑制できる。これに対し、身障者は、下側の身障者用応答ランプの点灯を確認することができない。このため、身障者が下側の身障者用応答ランプを押すことを促すことができる。その結果、エレベーターの運行効率の低下を抑制することができる。
【0036】
なお、既設の身障者用乗場呼び登録装置に対して切換体を後付けしてもよい。この場合、既設の身障者用乗場呼び登録装置の付加価値を高めることができる。
【0037】
次に、
図6を用いて、群管理装置7の例を説明する。
図6は実施の形態1におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用される群管理装置7のハードウェア構成図である。
【0038】
群管理装置7の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0039】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、群管理装置7の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、群管理装置7の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0040】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、群管理装置7の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、群管理装置7の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0041】
群管理装置7の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、かご3を移動させる機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、かご3を移動させる機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0042】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで群管理装置7の各機能を実現する。
【0043】
図示されないが、制御装置の各機能も、群管理装置7の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0044】
実施の形態2.
図7から
図10とは実施の形態2におけるエレベーターの身障者用乗場呼び登録装置が適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。また、
図7から
図10において、各部は、模式的に示される。このため、
図7から
図10の各部の大小関係は、現実の各部の大小関係と同一ではない。
【0045】
実施の形態2の第1身障者用乗場呼び登録装置5aは、実施の形態1の第1身障者用乗場呼び登録装置5aに対して一対の第1ピストグラム体13と一対の第1ピストグラム用応答ランプ14が付加された装置である。
【0046】
上側の第1ピストグラム体13は、上側の第1身障者用乗場呼び釦10に内蔵される。上側の第1ピストグラム体13は、身障者用であることを示すピストグラムが型抜きされた透明の部材である。下側の第1ピストグラム体13は、下側の第1身障者用乗場呼び釦10に内蔵される。下側の第1ピストグラム体13は、身障者用であることを示すピストグラムが型抜きされた透明の部材である。
【0047】
例えば、上側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、青色LEDである。上側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、上側の第1身障者用乗場呼び釦10に内蔵される。上側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、上側の第1ピストグラム体13よりも奥側に設けられる。上側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、上側の第1身障者用乗場呼び釦10が押されることにより上昇方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、乗場2の側に対して水平方向に光を発する。例えば、下側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、青色LEDである。下側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、下側の第1身障者用乗場呼び釦10に内蔵される。下側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、下側の第1ピストグラム体13よりも奥側に設けられる。下側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、下側の第1身障者用乗場呼び釦10が押されることにより下降方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、乗場2の側に対して水平方向に光を発する。
【0048】
以上で説明した実施の形態2によれば、上側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、上側の第1身障者用乗場呼び釦10が押されることにより上昇方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、乗場2の側に対して水平方向に光を発する。その結果、身障者には、上側の第1ピストグラム体13が浮かび上がるように見える。
【0049】
また、下側の第1ピストグラム用応答ランプ14は、下側の第1身障者用乗場呼び釦10が押されることにより下降方向の身障者用乗場呼びが登録された際に、乗場2の側に対して水平方向に光を発する。その結果、身障者には、下側の第1ピストグラム体13が浮かび上がるように見える。
【0050】
なお、既設の身障者用乗場呼び登録装置に対してピストグラム体とピストグラム用応答ランプとを後付けしてもよい。この場合、既設の身障者用乗場呼び登録装置の付加価値を高めることができる。
【0051】
また、身障者用乗場呼びが登録された際にピストグラム体が浮かび上がるように見えることを示す情報を身障者用乗場呼び登録装置の周囲に表示してもよい。この場合、身障者に対し、身障者用乗場呼び釦への意識を高めさせることができる。
【0052】
また、身障者用乗場呼びが登録された際に「身障者用乗場呼び釦が押されました」等の情報を身障者用乗場呼び登録装置の周囲に表示したり音声出力したりしてもよい。この場合も、身障者に対し、身障者用乗場呼び釦への意識を高めさせることができる。
【0053】
なお、実施の形態1または実施の形態2の切換体において、光が通過する方向の制御を偏光体で行ってもよい。具体的には、一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、身障者用応答ランプからの光が乗場2の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように偏光体による偏光の向きを制御し、身障者用乗場呼び釦が押されることにより身障者用乗場呼びが登録された際に、身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過するように偏光体による偏光の向きを制御すればよい。この場合も、エレベーターの運行効率の低下を抑制することができる。
【0054】
また、実施の形態1または実施の形態2の切換体において、光が通過する方向の制御を複数の液晶で行ってもよい。具体的には、一般用乗場呼び釦が押されることにより一般用乗場呼びが登録された際に、身障者用応答ランプからの光が乗場2の側に対して水平方向に通過せずに斜め上方の方向に通過するように複数の液晶の配列を制御し、身障者用乗場呼び釦が押されることにより身障者用乗場呼びが登録された際に、身障者用応答ランプからの光を乗場2の側に対して水平方向に通過するように複数の液晶の配列を制御すればよい。この場合も、エレベーターの運行効率の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0055】
1a 第1昇降路、 1b 第2昇降路、 2 乗場、 3a 第1かご、 3b 第2かご、 3c 第3かご、 3d 第4かご、 3e 第5かご、 3f 第6かご、 4a 第1一般用乗場呼び登録装置、 4b 第2一般用乗場呼び登録装置、 5a 第1身障者用乗場呼び登録装置、 5b 第2身障者用乗場呼び登録装置、 6a 第1制御装置、 6b 第2制御装置、 6c 第3制御装置、 6d 第4制御装置、 6e 第5制御装置、 6f 第6制御装置、 7 群管理装置、 8 第1一般用乗場呼び釦、 9 第1一般用応答ランプ、 10 第1身障者用乗場呼び釦、 11 第1身障者用応答ランプ、 12 第1切換体、 13 第1ピストグラム体、 14 第1ピストグラム用応答ランプ、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア