(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】入力装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/023 20060101AFI20231003BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20231003BHJP
H03M 11/20 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G06F3/023 410
G06K7/10 436
H03M11/20
(21)【出願番号】P 2019229940
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森山 鉄平
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-506186(JP,A)
【文献】特開平03-276326(JP,A)
【文献】特開平10-254599(JP,A)
【文献】特開2019-036053(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0096949(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/023
H03M 11/20
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置であって、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段と、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段と、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記複数の操作キーには、所定の機能を開始させるためのトリガーキーが複数含まれており、
前記複数のトリガーキーは、前記キーマトリクス回路における同一の行に接続されており、
前記スキャン制御手段は、前記キーマトリクス回路における行の切り替え方向に対しては、前記複数のトリガーキーが接続されている行から前記スキャンを開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記情報更新手段は、前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、前記スキャン制御手段により最後に特定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記情報更新手段は、前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、操作された頻度が最も高い前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項
2又は3の何れか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記情報更新手段は、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、操作された頻度が最も高い前記トリガーキーの情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新し、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、前記スキャン制御手段により最後に特定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の入力装置。
【請求項6】
前記情報更新手段は、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、ユーザによって予め設定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新し、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、前記スキャン制御手段により最後に特定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の入力装置。
【請求項7】
前記情報更新手段は、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、ユーザによって予め設定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新し、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、操作された頻度が最も高い前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の入力装置。
【請求項8】
前記スキャン制御手段は、前記特定履歴に基づいて前記スキャンを行う際、前記列の切り替え方向に対する前記キーマトリクス回路のスキャンする順番を、操作された頻度が高い順番とすることを特徴とする請求項
2に記載の入力装置。
【請求項9】
前記トリガーキーは、バーコード読み取りを行うためのトリガーキーであることを特徴とする請求項
2~8の何れか一項に記載の入力装置。
【請求項10】
前記特定履歴は、ユーザごとの履歴情報であることを特徴とする請求項
2~9の何れか一項に記載の入力装置。
【請求項11】
前記仮信号の検出時に操作された前記操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、前記仮信号を検出した時点で前記所定の機能を開始させるための前処理を開始させることを特徴とする請求項
2~10の何れか一項に記載の入力装置。
【請求項12】
前記スキャン制御手段による前記スキャンにより所定の機能を開始させるためのトリガーキーがオンの状態であることが検出された場合に、前記トリガーキーの情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備えることを特徴とする請求項
2~11の何れか一項に記載の入力装置。
【請求項13】
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置のコンピュータを、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置のコンピュータを、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段、
前記仮信号の検出時に操作された前記操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、前記仮信号を検出した時点で前記所定の機能を開始させるための前処理を開始させるデバイス制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパーマーケットや量販店などの店舗や、商品等を格納する倉庫などへの商品等の入出庫を管理したり、入庫した商品等の検品などを行うために、ハンディターミナルなどの入力装置が用いられる場合がある(例えば特許文献1、2参照)。
そして、商品等の管理や検品などの際に、例えば、入庫した商品等や出庫する商品等のバーコードを入力装置のバーコードスキャナで読み取るバーコード読み取りが行われる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-32032号公報
【文献】特開2017-167634号公報
【文献】特開平10-240416号公報
【文献】特開2019-36297号公報
【文献】特開2007-34897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように入力装置のバーコードスキャナで商品等のバーコード読み取りを行う際、ユーザが入力装置の操作キーとして例えばトリガーキーを押圧するなどして操作すると入力装置のバーコードスキャナの電源がオンしたりスリープ状態からアクティブ状態に遷移するなどして、バーコードスキャナでバーコード読み取りを行うことが可能になるように構成された入力装置がある。
また、入力装置にこのようなトリガーキーが複数設けられている場合がある。
【0005】
そして、このような入力装置を用いて上記の商品等の入出庫管理や検品処理などを行う際、ユーザが何れかのトリガーキーを操作してからバーコードスキャナによるバーコード読み取りが開始されるまでに時間がかかると、その分、上記の商品等の入出庫管理や検品処理などにかかる時間が長くなる。
【0006】
特に、規模が大きなスーパーマーケットや量販店、倉庫などでは、入出庫する商品等の数や個口数が非常に多くなる場合があるが、そのような場合に上記のように個々の商品等に対するバーコード読み取りに時間がかかると、結果的に、商品等の全体に対する入出庫管理や検品処理などに要する時間が長くなり、作業効率が低下する。
そのため、バーコードスキャナを備えるハンディターミナルなどの入力装置では、何れかのトリガーキーが操作されてからバーコードスキャナによるバーコード読み取りが開始されるまでの時間ができる限り短縮されることが望ましい。
【0007】
また、この問題は、キーボード(例えば特許文献3、4参照)やゲームコントローラ(例えば特許文献5参照)などの入力装置でも同様であり、ユーザがキーボード等の所定の操作キーすなわち例えばSHIFTキーやCTRLキー、ALTキーなどの何れかを操作して所定の処理を行う動作を繰り返す場合、これらの操作キーを操作してから所定の処理が開始されるまでに時間がかかると、結果的に、全ての所定の処理を行うために要する時間が長くなってしまう。
そのため、この場合も、キーボード等の所定の操作キーの何れかが操作されてから所定の処理が開始されるまでの時間ができる限り短縮されることが望ましい。
【0008】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、複数の所定の操作キー(トリガーキー等)の何れかが操作されてから所定の処理が開始されるまでの時間の短縮を図ることが可能な入力装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の入力装置は、
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置であって、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段と、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段と、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力装置において、複数の所定の操作キーの何れかが操作されてから所定の処理が開始されるまでの時間の短縮を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)本実施形態に係るハンディターミナルの正面図であり、(b)側面図である。
【
図2】ハンディターミナルの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図3】(a)キーマトリクス回路の構成例を示す図であり、(b)各キースイッチと各キーとの対応の例を示す図である。
【
図4】スキャンの際に各列の信号線に所定電圧を順次印加することを示すタイミングチャートである。
【
図5】
図4のように所定電圧を印加した場合、(a)トリガーキーTrg1がオンの場合は検出のタイミングが早くなり、(b)トリガーキーTrg5がオンの場合は検出のタイミングが遅くなることを示すタイミングチャートである。
【
図6】各列の信号線に所定電圧を印加する順番を変更するとトリガーキーTrg5がオンの場合でも検出のタイミングが早くなることを示すタイミングチャートである。
【
図7】各列の信号線に所定電圧を印加する順番をトリガーキーごとの操作頻度の順番にあわせて変更することを示すタイミングチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係るハンディターミナルのCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
【
図9】(a)第1の実施形態でバーコードスキャナの起動とバーコード読み取りを行うタイミングを示す図であり、(b)第2の実施形態でバーコードスキャナの起動とバーコード読み取りを行うタイミングを示す図である。
【
図10】第2の実施形態に係るハンディターミナルのCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1、第2の実施の形態について説明する。
なお、以下の実施形態においては、ユーザが入力装置としてのハンディターミナルを用い、ハンディターミナルのバーコードスキャナで商品等のバーコードを読み取る処理を行う場合について説明するが、入力装置はキーマトリクス回路を有しスキャン(キーマトリクススキャン等ともいう。)を行うものであればキーボードやゲームコントローラなどの他の形態の入力装置であってもよい。また、トリガーキー等の所定の操作キーが操作されて行われる所定の処理は、バーコード読み取り以外の処理であってもよい。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、
図1(a)、(b)を参照して、第1の実施形態の装置構成を説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るハンディターミナルの正面図であり、
図1(b)は側面図である。
【0014】
図1(a)、(b)に示すように、ハンディターミナル1(入力装置)は、ユーザによる各種情報の入力を受け付けるキー入力部15と、各種情報を表示する表示部16と、商品等のバーコードを読み取るバーコードスキャナ18と、を備える。
キー入力部15の操作キーは、装置の正面に配置されたカーソルキーや、数字、文字などの入力キー、ファンクションキーなどの機能キー15Aの他、装置の正面や側面、背面に設けられたバーコード読み取りを行うためのトリガーキー15Bを含む。
【0015】
表示部16は、装置の正面に配置されたLCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどで構成される。なお、本実施形態では、表示部16の画面に重ねられてタッチパネルが配置されており、ユーザがタッチパネルにタッチすることで入力を行うことができるようになっている。
【0016】
バーコードスキャナ18は、装置の背面に配置されており、商品等のバーコードを読み取る。バーコードスキャナ18は、レーザ光を走査させてバーコードを読み取るレーザスキャナを用いてもよく、バーコードを光学的に撮像してバーコードを読み取る撮像装置をバーコードスキャナ18として用いてもよく、特定の形態に限定されない。
【0017】
次に、ハンディターミナル1の主要な機能構成について説明する。
図2は、ハンディターミナルの主要な機能構成を示すブロック図である。
ハンディターミナル1は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶部14と、キー入力部15と、表示部16と、無線通信部17と、バーコードスキャナ18と、バス19などを備える。ハンディターミナル1の各部は、バス19を介して接続されている。
【0018】
CPU11は、記憶部14に記憶されているプログラム141に従って各種処理を行うことでハンディターミナル1の各部を制御するプロセッサである。CPU11は、プログラム141を実行して各種処理を行うことで、スキャン制御手段、情報更新手段、記憶制御手段及びデバイス制御手段として機能する。
なお、CPU11とは別にキーコントローラ部を設け、CPU11の制御の下でキーコントローラ部がスキャン制御手段として機能するように構成することも可能である。
【0019】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0020】
ROM13は、情報を読み出し可能な不揮発性の記憶部であり、各種設定データ等が格納されている。
【0021】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、プログラム141や各種データを記憶することで、記憶手段として機能する。
【0022】
キー入力部15には、カーソルキーや、数字、文字などの入力キー、ファンクションキーなどの機能キー15Aや、バーコード読み取りを行うためのトリガーキー15Bを含む各種の操作キーが設けられている。また、キー入力部15は、キーマトリクス回路151を有している。キーマトリクス回路151に対するスキャン等については後で説明する。
また、キー入力部15は、表示部16の画面に重ねられて配置されたタッチパネルに対するユーザからの入力操作を受け付けるようになっている。
【0023】
表示部16は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成され、ハンディターミナル1の各種処理の結果やステータスなどを表示する。
【0024】
無線通信部17は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、無線LAN(Local Area Network)による無線通信に係る通信規格に対応した通信制御を行う。
【0025】
バーコードスキャナ18は、所定の規則に従って生成された商品等のバーコードを読み取って得られた信号をデコードし、CPU11に出力する。なお、信号のデコード処理の少なくとも一部はCPU11により行われてもよい。
また、本実施形態では、バーコードスキャナ18は、ユーザが複数のトリガーキー15B(
図1(a)、(b)参照)の何れかを押圧するなどして操作されると、バーコードの読み取り動作を開始するようになっている。
【0026】
なお、ハンディターミナル1には、図示を省略するが、電池などの電源部を備え、他にも、NFC(Near Field Communication)などの近距離通信部やワイヤレスWAN(Wide Area Network)の無線通信部、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信部などを備える構成としてもよい。
【0027】
次に、キー入力部15におけるキーマトリクス回路151等の構成とキーマトリクス回路151に対するスキャンについて説明する。
図3(a)は、キーマトリクスの構成例を示す図であり、
図3(b)は、各キースイッチと各操作キーとの対応の例を示す図である。
なお、
図1(a)、(b)ではハンディターミナル1に4個のトリガーキー15Bが設けられている場合を示したが、以下では、
図3(a)、(b)に示すように、トリガーキーが5個(Trg1~Trg5)設けられているものとして説明する。また、トリガーキーTrg1~Trg5を一般的に言う場合はトリガーキーTrgという。
【0028】
キーマトリクス回路151は、複数のトリガーキーTrg1~Trg5を含む複数の操作キーが所定本数の行(
図3(a)、(b)では6列)の信号線S1(S1A~S1F)と所定本数の列(
図3(a)、(b)では5列)の信号線S2(S21~S25)にそれぞれ接続されてマトリックス状に配列されて構成されている。
【0029】
具体的には、キーマトリクス回路151では、各行の信号線S1A~S1Fと各列の信号線S21~S25との各交差部に、行の信号線S1と列の信号線S2を接続するように常開接点式の各キースイッチkswがそれぞれ配置されている。各キースイッチkswが
図3(b)に示すように各操作キーにそれぞれ対応している。また、本実施形態では、5個のトリガーキーTrg1~Trg5が1本の行の信号線S1Aに接続されている。
【0030】
各行の信号線S1A~S1Fにはそれぞれ電気抵抗を介してキーサンプリング電圧Vksが印加されている。
また、各行の信号線S1A~S1F及び各列の信号線S21~S25はそれぞれCPU11の対応する各端子にそれぞれ接続されている。
【0031】
スキャン制御手段としてのCPU11は、キーマトリクス回路151の各列の信号線S21~S25ごとに所定電圧Vを順次印加してスキャンを行い、各操作キーのオン又はオフの状態(すなわち複数の操作キーの何れが操作されたか)を順次検出するようになっている。
【0032】
具体的には、何れの操作キーも操作されていない状態(全ての操作キーがオフの状態)では、CPU11には各行の信号線S1A~S1Fからキーサンプリング電圧Vksが入力されている。また、各列の信号線S21~S25にはCPU11から所定の電圧Vaが印加されている。なお、この場合の所定の電圧Vaは、スキャンの際に各列の信号線S21~S25に順次印加する所定電圧Vと同じ電圧値であってもよく、所定電圧Vとは異なる電圧値であってもよい。
【0033】
そして、ユーザにより何れかの操作キーが操作されると、キーマトリクス回路151上でその操作キーに対応するキースイッチkswを介して行の信号線S1と列の信号線S2とが導通する。そのため、当該行の信号線S1の電圧が、キーサンプリング電圧Vksから、列の信号線S2に印加されている所定の電圧Vaに変化する。
CPU11は、このようにして、何れかの行の信号線S1から入力される電圧がキーサンプリング電圧Vksから所定の電圧Vaに変化したことを検出して何れかの操作キーが操作されたことを検出する。つまり、複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行毎にスキャンすることにより、複数の操作キーの何れかが操作されたことを検出している。
【0034】
なお、上記のように、何れかの行の信号線S1から入力される電圧がキーサンプリング電圧Vksから所定の電圧Vaに変化したことを表す信号を、以下、仮信号という。
また、仮信号を検出した場合、ある行の信号線S1に接続されている各キースイッチkswに対応する何れかの操作キーが操作されたことが検出されるが、どの操作キーが操作されたかは仮信号の検出の時点では分からない。
そのため、CPU11は、上記のように仮信号を検出すると、どの操作キーが操作されたか(すなわちどの操作キーがオンの状態か)を検出するために、仮信号を契機としてスキャンを開始するようになっている。
【0035】
スキャンを行う際、CPU11は、
図4に示すように、各列の信号線S21~S25への所定の電圧Vaの印加を一旦停止した後、各列の信号線S21~S25に所定電圧Vを順次印加してスキャンを行う。
【0036】
そして、CPU11は、n列目の信号線S2nに所定電圧Vを印加した際にある信号線S1mから入力されるキーサンプリング電圧Vksが所定電圧Vに変動して出力されれば、m行目のn列目のキースイッチkswに対応する操作キーはオンの状態であると検出し、n列目の信号線S2nに接続されているそれ以外のキースイッチkswに対応する操作キーはオフの状態であると検出する。
CPU11は、このような検出処理を、各列の信号線S21~S25に所定電圧Vを順次印加するごとに行うことで、各操作キーのオン又はオフの状態を順次検出するようになっている。
【0037】
なお、本実施形態では、CPU11は、上記のように各操作キーがオンの状態であること又はオフの状態であることを順次検出していく中で、トリガーキーTrgがオンの状態であることを検出した時点で、バーコードスキャナ18(所定のデバイス)にバーコード読み取り(所定の処理)を行わせるようになっている。
【0038】
すなわち、本実施形態では、CPU11は、トリガーキーTrgがオンの状態であることを検出した時点で、バーコードスキャナ18を起動させてバーコード読み取りを開始させ、又はバーコードスキャナ18が起動した状態でバーコード読み取りを開始させる。
なお、バーコードスキャナ18の構造やバーコードスキャナ18によるバーコード読み取り等については公知であるため、説明を省略する。
【0039】
次に、記憶手段としての記憶部14には、キーマトリクス回路に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている。このスキャン制御情報には、列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報と、行の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報と、がスキャン制御情報として登録されている。
以下、列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報としてのスキャン制御情報を具体的に説明する。
【0040】
CPU11は、上記のスキャンによりトリガーキーTrg1~Trg5の何れかがオンの状態であることが検出された場合に、オンの状態であると検出されたトリガーキーTrgの識別情報等の情報を、スキャン制御情報のうちの列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報として記憶部14に登録するようになっている。
このように構成することで、トリガーキーTrg1~Trg5の何れがユーザにより操作されたかをCPU11が認識することが可能となるとともに、後述するスキャン制御手段としてのCPU11がスキャン制御情報を読み出すことで位置情報に基づいてキーマトリクス回路に対するスキャンを開始することが可能となる。
【0041】
そして、前述したスキャン制御手段としてのCPU11は、複数の操作キーの何れかが操作された場合にキーマトリクス回路151から出力される仮信号を契機としてスキャンを開始するが、その際、上記のスキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路に対するスキャンを開始することによりユーザによって操作された操作キーを特定するようになっている。
また、情報更新手段としてのCPU11は、スキャン制御手段(CPU11)による操作キーの特定履歴に基づいて上記の位置情報を更新するようになっている。
以下、具体的に説明する。
【0042】
上記のように、本実施形態のハンディターミナル1では、ユーザによりトリガーキーTrg1~Trg5の何れかが操作されるとハンディターミナル1のバーコードスキャナ18がバーコードの読み取り動作を開始する。
【0043】
その際、スキャンの際に各列の信号線S21~S25に対する所定電圧Vの印加の順番が例えば信号線S21、信号線S22、…、信号線S25の順に固定されていると、例えば、ユーザがバーコード読み取りを行うためにトリガーキーTrg1を操作した場合には、
図5(a)に示すように、CPU11が信号線S21に所定電圧Vを印加した時点でトリガーキーTrg1がオンの状態であることを検出し、バーコードスキャナ18を起動させる。
このように、ユーザがトリガーキーTrg1を操作した場合には、ユーザがトリガーキーTrg1を操作すると短時間でバーコードスキャナ18によるバーコード読み取りが開始される。
【0044】
しかし、例えば、ユーザがトリガーキーTrg5(例えば
図1(b)における装置背面に設けられたトリガーキー15B)を操作した場合には、
図5(b)に示すように、CPU11が信号線S21、信号線S22、…、の順に所定電圧Vを順次印加していき信号線S25に所定電圧Vを印加した時点で初めてトリガーキーTrg5がオンの状態であることを検出する。
そのため、CPU11は、信号線S21~信号S24に所定電圧Vを順次印加する時点ではトリガーキーTrgの何れかがオンの状態であることを検出できないため、ユーザがトリガーキーTrg5を操作してからバーコードスキャナ18によるバーコード読み取りが開始されるまでに、信号線S21~信号S24に所定電圧Vを順次印加している間の時間だけいわば無駄な時間がかかることになる。そして、ユーザはその間、バーコード読み取りの開始を待たねばならなくなる。
【0045】
1回のバーコード読み取りでは、この遅延時間はさほど長い時間ではないとしても、前述したように、規模が大きなスーパーマーケットや量販店、倉庫などで入出庫する商品等の数や個口数が非常に多い場合は、個々の商品等に対するバーコード読み取りごとに遅延時間が累積していく。そのため、商品等の全体に対する入出庫管理や検品処理などにかかる時間が長くなり、作業効率が低下してしまう。
【0046】
そこで、本実施形態では、スキャン制御手段としてのCPU11は、上記のように仮信号を契機としてスキャンを開始する際、記憶手段としての記憶部14からスキャン制御情報を読み出し、スキャン制御情報に含まれる位置情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより、操作された操作キーを特定する。
また、その位置情報は、情報更新手段としてのCPU11により、スキャン制御手段(CPU11)による操作キーの特定履歴(すなわちスキャン制御手段が特定した操作キー等の履歴)に基づいて更新される(情報更新手段としての機能)。
【0047】
このように、キーマトリクス回路151に対するスキャンにより特定された操作キーの履歴に基づいて位置情報を更新し、次回のスキャンの際に、更新された位置情報(スキャン制御情報)に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始する。そのため、次回のスキャンでは、ユーザにより操作される可能性が高いトリガーキーTrgに対応する列の信号線から所定電圧Vの印加を開始することが可能となるため、トリガーキーTrgが操作されてからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性が高まる。
本実施形態では、このようにして、複数のトリガーキーTrg1~Trg5の何れかが操作されてから所定の処理(この場合はバーコード読み取り)が開始されるまでの時間の短縮を図るようになっている。
【0048】
この場合、操作キーの特定履歴を、例えば以下のような履歴とすることができる。
【0049】
(A)上記の特定履歴を、例えば、スキャン制御手段(CPU11)により最後に特定されたトリガーキーTrg(すなわち前回(直前)のスキャンの際に特定されたトリガーキーTrg)に関する識別番号等の履歴とすることが可能である。
そして、この場合は、CPU11は、トリガーキーTrgが操作されるごとに、操作されたトリガーキーTrgの識別番号等を特定履歴として上書き保存する。
【0050】
ユーザは、連続してバーコード読み取りを行う場合、同じトリガーキーTrgを繰り返し操作する可能性が高いと考えられる。そのため、特定履歴をスキャン制御手段(CPU11)により最後に特定されたトリガーキーTrgに関する識別番号等の履歴とすることで、スキャン制御手段としてのCPU11がスキャンを行う際に、ユーザにより操作されたトリガーキーTrgを、スキャンにおける最初の所定電圧Vの印加の時点で検出する可能性が高くなる。
そのため、トリガーキーTrgが操作されてからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性を高めることが可能となる。
【0051】
具体的には、スキャン制御手段としてのCPU11により最後に特定されたトリガーキーTrgが例えばトリガーキーTrg5である場合、CPU11は、情報更新手段(CPU11)により更新された位置情報(スキャン制御情報)に基づいて、
図6に示すように、スキャンにおける各列の信号線S21~S25に対する所定電圧Vの印加の順番を、トリガーキーTrg5(すなわちスキャン制御手段により最後に特定されたトリガーキーTrg5)に対応する列の信号線S25から所定電圧Vの印加を開始してキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始する。
このように構成すれば、ユーザは最後に操作したトリガーキーTrg5を再び操作する可能性が高いと考えられるため、ユーザがトリガーキーTrgを操作してからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性を高めることが可能となる。
【0052】
(B)また、上記の特定履歴を、例えば、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに関する履歴とすることも可能である。
この場合、CPU11は、例えばハンディターミナル1の電源がオンされた時点から、トリガーキーTrgが操作された回数をトリガーキーTrgごとにカウントするなどしてトリガーキーTrgごとに操作された頻度を履歴として記憶する。
【0053】
ユーザが連続してバーコード読み取りを行う場合、ユーザの癖や使いやすさなどによって同じトリガーキーTrgを繰り返し使用する傾向があるため、複数のトリガーキーTrg1~Trg5の操作頻度に差が生じ、操作頻度が高いトリガーキーTrgがより頻繁に操作されると考えられる。そのため、特定履歴を操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに関する履歴とすることで、スキャン制御手段としてのCPU11がスキャンを行う際に、ユーザにより操作されたトリガーキーTrgを、スキャンにおける最初の所定電圧Vの印加の時点で検出する可能性が高くなる。
そのため、トリガーキーTrgが操作されてからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性を高めることが可能となる。
【0054】
具体的には、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgが例えばトリガーキーTrg5である場合、CPU11は、情報更新手段(CPU11)により更新された位置情報(スキャン制御情報)に基づいて、スキャンにおける各列の信号線S21~S25に対する所定電圧Vの印加の順番を、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrg5に対応する列の信号線S25から所定電圧Vの印加を開始してキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始する(
図6参照)。
このように構成すれば、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrg5をユーザが操作する可能性が高いと考えられるため、ユーザがトリガーキーTrgを操作してからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性を高めることが可能となる。
【0055】
(C)また、上記の(B)の場合、メモリにはトリガーキーTrgごとの操作頻度が記憶されているため、それを利用して、トリガーキーTrg1~Trg5に対応する各列の信号線S21~S25に対する所定電圧Vの印加の順番を、各トリガーキーTrgの操作頻度の順番に対応するように変更することも可能である。
すなわち、メモリに記憶されているトリガーキーTrgごとの操作頻度の順番が、高い順に、例えばトリガーキーTrg5、Trg3、Trg4、Trg1、Trg2である場合には、
図7に示すように、それらに対応する各列の信号線S25、S23、S24、S21、S22の順に所定電圧Vを印加するように印加の順番を決定することも可能である。なお、この場合、複数のトリガーキーTrgの操作頻度が同じ場合は例えば番号が小さい順に所定電圧Vを印加する等のルールを予め定めておく。
【0056】
このように構成すれば、ユーザが仮に操作頻度が最も高いトリガーキー以外のトリガーキーTrgを操作した場合でも、操作した経験が少ないトリガーキーTrg(すなわち操作頻度が低いトリガーキーTrg)よりも操作した経験が多いトリガーキーTrg(すなわち操作頻度が高いトリガーキーTrg)を操作する可能性が高いと考えられるため、操作されたトリガーキーTrgを、スキャンにおける最初の所定電圧Vの印加のより早い段階で検出する可能性が高くなる。
そのため、トリガーキーTrgが操作されてからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性をより高めることが可能となる。
【0057】
(D)なお、上記の(A)~(C)では、ユーザが頻繁に操作するトリガーキーTrgがユーザの癖や使いやすさなどによりユーザごとに異なる場合がある。
そのため、上記の情報をユーザごとに収集してユーザごとの情報とするように構成することが可能である。また、トリガーキーTrgごとの操作頻度の分布((C)の場合)をユーザごとに記憶しておくように構成することも可能である。
【0058】
この場合、CPU11は、例えば、ハンディターミナル1の使用開始時点でユーザが登録した自らの識別番号等に基づいてそのユーザに対応する上記の情報を取得するように構成される。
このように構成すれば、スキャンの際に各列の信号線S2に所定電圧Vを印加する順番を、ユーザごとにユーザの癖などにあわせて決定することが可能となり、トリガーキーTrgが操作されてからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性をより高めることが可能となる。
【0059】
(E)また、以上の各場合において、上記の特定履歴をハンディターミナル1自体がメモリに保存するように構成することも可能であるが、例えば、特定履歴を管理サーバなどに保存しておくように構成することも可能である。
この場合、CPU11は、ハンディターミナル1の起動時等にハンディターミナル1のメモリや管理サーバなどから特定履歴を取得するように構成される。
【0060】
(F)なお、ユーザが、使用するトリガーキーTrgを予め指定することができるように構成するなどして、上記の位置情報を、ユーザが予め設定することができるように構成する(すなわちユーザが指定したトリガーキーTrgが接続されている列の信号線S2からスキャンを開始するように構成する)ことも可能である。
例えば、ハンディターミナル1の使用開始時に、表示部16(
図1(a)参照)にハンディターミナル1の複数のトリガーキーTrg1~Trg5の一覧を表示するなどして、使用するトリガーキーTrgをユーザに指定させて設定するように構成することが可能である。この場合、CPU11は、ユーザにより指定されたトリガーキーTrgの識別番号等の情報を記憶する。
【0061】
この場合、ユーザは自らが指定したトリガーキーTrgを使用する可能性が高いと考えられる。そのため、CPU11がスキャンを開始する際、ユーザが指定したトリガーキーTrgが接続されている列の信号線S2からスキャンを開始すれば、ユーザにより操作されたトリガーキーTrgを、スキャンにおける最初の所定電圧Vの印加の時点で検出する可能性が高くなる。
そのため、トリガーキーTrgが操作されてからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性を高めることが可能となる。
【0062】
具体的には、ユーザが例えばトリガーキーTrg5を指定した場合、CPU11は、
図6に示したように、スキャンにおける各列の信号線S21~S25に対する所定電圧Vの印加を、ユーザが指定したトリガーキーTrg5に対応する列の信号線S25から所定電圧Vの印加を開始する。
このように構成すれば、ユーザは自らが指定したトリガーキーTrg5を操作する可能性が高いと考えられるため、ユーザがトリガーキーTrgを操作してからバーコードスキャナ1によるバーコード読み取りが開始されるまでの時間が短縮される可能性を高めることが可能となる。
【0063】
(G)さらに、上記の(A)~(D)、(F)を組み合わせてもよい。
上記の(A)~(D)、(F)を組み合わせて、以下のように構成することが可能である。
【0064】
(G-1)例えば、最初のスキャンの際には、最後に操作されたトリガーキーTrg(すなわち前日、又は前回等の最後のバーコード読み取りの際に操作されたトリガーキーTrg)に対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(A)参照)とともに、トリガーキーTrgごとの操作回数のカウントを開始する。
そして、2回目以降のスキャンの際には、トリガーキーTrgごとの操作頻度に基づいて操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(D)参照)ように構成することが可能である。
【0065】
そのため、この場合、情報更新手段としてのCPU11は、スキャン制御手段(CPU11)による最初のスキャンの際には、スキャン制御手段により最後に特定されたトリガーキーTrgに関する履歴としての特定履歴に基づいてスキャン開始位置を示す位置情報を更新し、スキャン制御手段による2回目以降のスキャンの際には、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに関する履歴としての特定履歴に基づいて位置情報を更新するように構成される。
なお、2回目以降のスキャンの際、トリガーキーTrgごとの操作頻度に応じてスキャンの際に各列の信号線S2に所定電圧Vを印加する順番を適宜変更する(上記の(C)参照)ように構成することも可能である。
【0066】
(G-2)また、例えば、最初のスキャンの際には、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(B)参照)。
そして、2回目以降のスキャンの際には、最後に操作されたトリガーキーTrg(すなわち直前のバーコード読み取りの際に操作されたトリガーキーTrg)に対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(A)参照)ように構成することも可能である。
【0067】
そのため、この場合、情報更新手段としてのCPU11は、スキャン制御手段(CPU11)による最初のスキャンの際には、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに関する履歴としての特定履歴に基づいてスキャン開始位置を示す位置情報を更新し、スキャン制御手段による2回目以降のスキャンの際には、スキャン制御手段により最後に特定されたトリガーキーTrgに関する履歴としての特定履歴に基づいて位置情報を更新するように構成される。
なお、この場合も、最初のバーコード読み取りの際、トリガーキーTrgごとの操作頻度に応じてスキャンの際に各列の信号線S2に所定電圧Vを印加する順番を適宜変更する(上記の(C)参照)ように構成することも可能である。
【0068】
(G-3)また、例えば、最初のスキャンの際には、ユーザが指定したトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(F)参照)とともに、トリガーキーTrgごとの操作回数のカウントを開始する。
そして、2回目以降のスキャンの際には、トリガーキーTrgごとの操作頻度に基づいて操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(B)参照)ように所定電圧Vを印加する順番を変更して決定するように構成することも可能である。
【0069】
そのため、この場合、情報更新手段としてのCPU11は、スキャン制御手段(CPU11)による最初のスキャンの際には、ユーザにより指定された操作キーに対応する位置情報をスキャン開始位置を示す位置情報として更新し、スキャン制御手段による2回目以降のスキャンの際には、操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに関する履歴としての特定履歴に基づいて位置情報を更新するように構成される。
なお、この場合も、2回目以降のスキャンの際、トリガーキーTrgごとの操作頻度に応じてスキャンの際に各列の信号線S2に所定電圧Vを印加する順番を適宜変更して決定する(上記の(C)参照)ように構成することも可能である。
【0070】
(G-4)また、例えば、最初のスキャンの際には、ユーザが指定したトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(F)参照)。
そして、2回目以降のスキャンの際には、最後に操作されたトリガーキーTrg(すなわち直前のバーコード読み取りの際に操作されたトリガーキーTrg)に対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始してスキャンを行う(上記の(A)参照)ように所定電圧Vを印加する順番を変更して決定するように構成することも可能である。
【0071】
そのため、この場合、情報更新手段としてのCPU11は、スキャン制御手段(CPU11)による最初のスキャンの際には、ユーザにより指定された操作キーに対応する位置情報をスキャン開始位置を示す位置情報として更新し、スキャン制御手段による2回目以降のスキャンの際には、スキャン制御手段により最後に特定されたトリガーキーTrgに関する履歴としての特定履歴に基づいて位置情報を更新するように構成される。
【0072】
次に、本実施形態に係るハンディターミナル1において実行される各処理の制御手順について説明する。ここでは、ユーザがトリガーキーTrgを押下してバーコード読み取りを行う場合において、上記の(G-1)の各処理を例示して説明する。
図8は、本実施形態に係るハンディターミナルのCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
【0073】
CPU11は、ハンディターミナル1の電源が投入されると、メモリから読み出して、あるいは管理サーバなどから送信させて、特定履歴、すなわちこの場合は最後に操作されたトリガーキーTrg(すなわち前日等の最後のバーコード読み取りの際に操作されたトリガーキーTrg)の識別番号等の履歴を取得する(ステップS101)。
そして、CPU11は、取得した特定履歴に基づいて、キーマトリクス回路151に対するスキャン開始位置を示す位置情報を更新する(ステップS102。情報更新手段としての機能)。
【0074】
続いて、CPU11は、キーマトリクス回路151上の各列の信号線S21~S25に所定の電圧Vaを印加し、何れかの操作キーが操作されたことを表す仮信号を検出するまで待機する(ステップS103で“NO”)。そして、仮信号を検出すると(ステップS103で“YES”)、各列の信号線S21~S25への所定の電圧Vaの印加を一旦停止した後、上記の位置情報を含むスキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定する(ステップS104。スキャン制御手段としての機能)。
【0075】
そして、CPU11は、スキャンで各列の信号線S2に所定電圧Vを順次印加するごとに各操作キーのオン又はオフの状態を順次検出していき、オンの状態の操作キーすなわちユーザにより操作された操作キーがトリガーキーTrgではない場合は(ステップS105で“NO”)、スキャンを最後まで行った後に、処理をステップS103に戻す。
【0076】
なお、CPU11は、操作された操作キー(特定した操作キー)がトリガーキーTrgではない場合は、このバーコード読み取り(所定の処理)を行うための制御については処理をステップS103に戻すが、それと同時に、操作された操作キーに対応する処理を行うことは言うまでもない。
また、「操作された操作キーがトリガーキーTrgではない場合」には、操作された操作キーがトリガーキーTrg以外の操作キーである場合の他、操作された操作キーはトリガーキーTrgであるが無効に設定されているトリガーキーTrgである場合や、バーコード読み取りを行うためのトリガーキーTrgではなく他の用途のための操作キーとしてカスタマイズされているような場合も含む。
【0077】
一方、CPU11は、オンの状態の操作キーすなわちユーザにより操作された操作キーがトリガーキーTrgである場合は(ステップS105で“YES”)、バーコードスキャナ18を起動させて、バーコードスキャナ18にバーコード読み取りを行わせる(ステップS106)。なお、バーコードスキャナ18はユーザ操作によって事前に起動されていても良いものとする。
【0078】
また、CPU11は、上記のように、バーコードスキャナ18を起動させてバーコード読み取りを行わせている間に(ステップS106)、操作されたトリガーキーTrg(特定したトリガーキーTrg)の識別番号等の情報を記憶部14に記憶させる(記憶制御手段)。また、CPU11は、当該トリガーキーTrgを特定したことを特定履歴として記憶部14に記憶するとともに(ステップS107)、特定履歴としてトリガーキーTrgごとの操作回数(すなわち操作頻度)をカウントして記憶部14に記憶する(ステップS108)。
続いて、CPU11は、ユーザの操作に従って、バーコードを読み取った商品等の検品や、管理サーバ等へのデータの送信などの必要な処理を行う(ステップS109)。
【0079】
そして、CPU11は、ユーザからの処理の終了の指示がなければ(ステップS110で“NO”)、処理をステップS101に戻して特定履歴を取得し(ステップS101)、取得した特定履歴、この場合は2回目以降は記憶部14に記憶されているトリガーキーTrgごとに操作頻度に基づいて操作された頻度が最も高いトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始するようにスキャン開始位置を示す位置情報を更新する(ステップS102。情報更新手段としての機能)。
そして、CPU11は、以上の各処理を繰り返し、ユーザからの処理の終了の指示があった時点で(ステップS110で“YES”)、バーコード読み取り処理を終了する。
【0080】
以上のように、第1の実施形態に係るハンディターミナル1(入力装置)及びプログラムによれば、複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路151を行S1A~S1Fごとにスキャンすることにより複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置1において、キーマトリクス回路151における列S21~S25の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段14を備え、CPU11は、複数の操作キーの何れかが操作された場合にキーマトリクス回路151から出力される仮信号を契機として、スキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するとともに(スキャン制御手段)、スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて位置情報を更新する(情報更新手段)。
【0081】
そのため、上記の特定履歴に基づいて位置情報を更新することで、ユーザにより操作される可能性が高いトリガーキーTrgに対応する列の信号線S2から所定電圧Vの印加を開始するようになるため、スキャンにより操作された操作キーがトリガーキーTrgであることが検出されるタイミングが早くなる。そのため、ユーザにより複数のトリガーキーTrg1~Trg5のうちの何れかが操作されてからバーコード読み取り等の所定の処理が開始されるまでの時間が短縮される可能性が高まる。
本実施形態では、このようにして、複数のトリガーキーTrg1~Trg5のうちの何れかが操作されてから所定の処理(例えばバーコード読み取り)が開始されるまでの時間の短縮を図ることが可能となる。
【0082】
また、本実施形態のプログラムは、複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路151を行S1A~S1Fごとにスキャンすることにより複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能であり、キーマトリクス回路151における列S21~S25の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段14を備える入力装置1のコンピュータであるCPU11を、複数の操作キーの何れかが操作された場合にキーマトリクス回路151から出力される仮信号を契機として、スキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段と、スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて位置情報を更新する情報更新手段、として機能させる。
このようなプログラムによりハンディターミナル1のCPU11を動作させることで、複数のトリガーキーTrg1~Trg5のうちの何れかが操作されてから所定の処理(例えばバーコード読み取り)が開始されるまでの時間の短縮を図ることが可能となる。
【0083】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、ハンディターミナル1(入力装置)の構成は第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態の場合と同じ符号を用いて説明する。
【0084】
上記第1の実施形態では、前述したように、CPU11は、特定履歴に基づいて更新した位置情報を含むスキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定し、特定した操作キーがトリガーキーTrgであること(すなわちトリガーキーTrgがオンの状態であること)を検出すると、
図9(a)に示すように、バーコードスキャナ18を起動させてバーコード読み取りを行わせた。
【0085】
第2の実施形態では、このように、スキャンを行ってトリガーキーTrgがオンの状態であることを検出してからバーコードスキャナ18を起動する代わりに、
図9(b)に示すように、スキャンの前に仮信号が検出された時点でバーコードスキャナ18を起動させるなどの所定の機能を開始させるための前処理を開始させることで、より早期にバーコード読み取りを開始させるようになっている。
すなわち、本実施形態では、CPU11は、前述したように、仮信号を検出した時点で列の切り替え方向に対するスキャンを開始するが、仮信号の検出時に操作された操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合には、仮信号を検出した時点で所定の機能を開始させるための前処理を開始させるようになっている。
【0086】
ここで、仮信号の検出時に操作された操作キーがトリガーキーTrgである可能性がある場合とは、トリガーキーTrgが接続されている行の信号線S1からCPU11に入力される電圧がキーサンプリング電圧Vksから所定の電圧Vaに変化した場合を意味する。
例えば、
図3(a)、(b)に示したようにトリガーキーTrgが何れも1本の行の信号線S1Aに接続されている場合には、信号線S1Aから入力される電圧がキーサンプリング電圧Vksから所定の電圧Vaに変化した場合を表し、例えば、図示を省略するが、複数のトリガーキーTrgが行の信号線S1A、S1B、S1Cにそれぞれ接続されている場合には、行の信号線S1A~S1Cの何れかから入力される電圧がキーサンプリング電圧Vksから所定の電圧Vaに変化した場合を表す。
【0087】
本実施形態では、このように構成することで、バーコードスキャナ18をいわば前倒しして起動させることで、複数のトリガーキーTrgのうちの何れかが操作されてからバーコード読み取りが開始されるまでの時間をより短縮するようになっている。
なお、バーコードスキャナ18(所定のデバイス)の起動とは、スキャナの電源をオンしたり、スリープ状態からアクティブ状態(スタンバイ状態)に遷移させたり、レーザスキャナの場合はミラーを振る動作を開始させたり(この時点ではレーザは点灯しない。)、2Dスキャナの場合はカメラの画像の転送を開始したり露光制御を行うこと(この時点では補助光は点灯しない。)等を含む。
【0088】
次に、第2の実施形態に係るハンディターミナル1においてユーザがトリガーキーTrgを押下してバーコード読み取りを行う場合の各処理の制御手順について説明する。
図10は、第2の実施形態に係るハンディターミナルのCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
図10のフローチャートは、
図8のフローチャートのステップS103の後にステップS111、S112を追加し、ステップS105でNO判定の場合にステップS105の後にステップS113を追加したものに相当する。以下では、
図8のフローチャートとの相違点について説明する。
【0089】
本実施形態では、CPU11は、何れかの行の信号線S1から入力される電圧がキーサンプリング電圧Vksから所定の電圧Vaに変化したことを検出するなどして何れかの操作キーが操作されたことを仮信号を検出すると(ステップS103で“YES”)、上記のようにして仮信号の検出時に操作された操作キーがトリガーキーTrgである可能性があるか否かを判定し(ステップS111)、可能性がある場合には(ステップS111で“YES”)、仮信号を検出した時点でバーコードスキャナ18(所定のデバイス)を起動させる(ステップS112)。
【0090】
CPU11は、仮信号の検出時に操作された操作キーがトリガーキーTrgである可能性がない場合には(ステップS111で“NO”)、ステップS112の処理をスキップして、処理をステップS104に移行させる。
なお、CPU11は、ステップ111の判定処理とステップS104のスキャン開始の処理とを同時並行で行う。
【0091】
また、CPU11は、仮信号の検出時に操作された操作キーがトリガーキーTrgである可能性があると判定して(ステップS111で“YES”)バーコードスキャナ18(所定のデバイス)を起動させたが(ステップS112)、ステップS105の判定処理で、オンの状態の操作キーすなわちユーザにより操作された操作キーがトリガーキーTrgではないと判定された場合は(ステップS105で“NO”)、バーコードスキャナ18(所定のデバイス)の起動を停止(ステップS113)させた後に、処理をステップS103に戻す。
【0092】
なお、CPU11は、操作された操作キーがトリガーキーTrgではない場合は、このバーコード読み取り(所定の処理)を行うための制御については処理をステップS103に戻すが、それと同時に、操作された操作キーに対応する処理を行うことは言うまでもない。
また、「操作された操作キーがトリガーキーTrgではない場合」には、操作された操作キーがトリガーキーTrg以外の操作キーである場合の他、操作された操作キーはトリガーキーTrgであるが、無効に設定されているトリガーキーTrgである場合や、バーコード読み取りを行うためのトリガーキーTrgではなく他の用途のための操作キーとしてカスタマイズされているような場合も含む。
【0093】
以上のように、第2の実施形態に係るハンディターミナル1(入力装置)及びプログラムによれば、複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路151を行S1A~S1Fごとにスキャンすることにより複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置1において、キーマトリクス回路151における列S21~S25の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段14を備え、CPU11は、複数の操作キーの何れかが操作された場合にキーマトリクス回路151から出力される仮信号を契機として、スキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するとともに(スキャン制御手段)、スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて位置情報を更新する(情報更新手段)。
また、CPU11は、仮信号の検出時に操作された操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、仮信号を検出した時点で所定の機能を開始させるための前処理を開始させる。
【0094】
このように、本実施形態では、仮信号の検出時に操作された操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、仮信号の検出時点で所定の機能を開始させるための前処理を開始させる(例えばバーコードスキャナ18(所定のデバイス)を起動させる)ため、より早期にバーコード読み取りを開始させることが可能となる。
【0095】
そのため、ユーザにより複数のトリガーキーTrgのうちの何れかが操作されてからバーコード読み取り等の所定の処理が開始されるまでの時間がさらに短縮される可能性が高まる。
本実施形態では、このようにして、複数のトリガーキーTrgのうちの何れかが操作されてから所定の処理(例えばバーコード読み取り)が開始されるまでの時間の短縮を図ることが可能となる。
【0096】
また、本実施形態のプログラムは、複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路151を行S1A~S1Fごとにスキャンすることにより複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能であり、キーマトリクス回路151における列S21~S25の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段14を備える入力装置1のコンピュータであるCPU11を、複数の操作キーの何れかが操作された場合にキーマトリクス回路151から出力される仮信号を契機として、スキャン制御情報に基づいてキーマトリクス回路151に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段と、スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて位置情報を更新する情報更新手段と、
仮信号の検出時に操作された操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、仮信号を検出した時点で所定の機能を開始させるための前処理を開始させるデバイス制御手段、として機能させる。
このようなプログラムによりハンディターミナル1のCPU11を動作させることで、複数のトリガーキーTrg1~Trg5のうちの何れかが操作されてから所定の処理(例えばバーコード読み取り)が開始されるまでの時間の短縮を図ることが可能となる。
【0097】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置であって、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段と、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段と、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
<請求項2>
前記複数の操作キーには、所定の機能を開始させるためのトリガーキーが複数含まれており、
前記複数のトリガーキーは、前記キーマトリクス回路における同一の行に接続されており、
前記スキャン制御手段は、前記キーマトリクス回路における行の切り替え方向に対しては、前記複数のトリガーキーが接続されている行から前記スキャンを開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
<請求項3>
前記情報更新手段は、前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、前記スキャン制御手段により最後に特定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
<請求項4>
前記情報更新手段は、前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、操作された頻度が最も高い前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の入力装置。
<請求項5>
前記情報更新手段は、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、操作された頻度が最も高い前記トリガーキーの情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新し、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、前記スキャン制御手段により最後に特定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
<請求項6>
前記情報更新手段は、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、ユーザによって予め設定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新し、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、前記スキャン制御手段により最後に特定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
<請求項7>
前記情報更新手段は、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する最初のスキャンが行われる場合に、ユーザによって予め設定された前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新し、
前記スキャン制御手段によって前記列の切り替え方向に対する2回目以降のスキャンが行われる場合に、操作された頻度が最も高い前記トリガーキーに関する情報を前記特定履歴として前記位置情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
<請求項8>
前記スキャン制御手段は、前記特定履歴に基づいて前記スキャンを行う際、前記列の切り替え方向に対する前記キーマトリクス回路のスキャンする順番を、操作された頻度が高い順番とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
<請求項9>
前記トリガーキーは、バーコード読み取りを行うためのトリガーキーであることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の入力装置。
<請求項10>
前記特定履歴は、ユーザごとの履歴情報であることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の入力装置。
<請求項11>
前記仮信号の検出時に操作された前記操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、前記仮信号を検出した時点で前記所定の機能を開始させるための前処理を開始させることを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載の入力装置。
<請求項12>
前記スキャン制御手段による前記スキャンにより所定の機能を開始させるためのトリガーキーがオンの状態であることが検出された場合に、前記トリガーキーの情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備えることを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の入力装置。
<請求項13>
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置のコンピュータを、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項14>
複数の操作キーが接続されたキーマトリクス回路を行ごとにスキャンすることにより前記複数の操作キーの何れが操作されたか検出可能な入力装置のコンピュータを、
前記キーマトリクス回路における列の切り替え方向に対するスキャン開始位置を示す位置情報を含むスキャン制御情報が登録されている記憶手段、
前記複数の操作キーの何れかが操作された場合に前記キーマトリクス回路から出力される仮信号を契機として、前記スキャン制御情報に基づいて前記キーマトリクス回路に対するスキャンを開始することにより操作された操作キーを特定するスキャン制御手段、
前記スキャン制御手段による操作キーの特定履歴に基づいて前記位置情報を更新する情報更新手段、
前記仮信号の検出時に操作された前記操作キーが所定の機能を開始させるためのトリガーキーである可能性がある場合に、前記仮信号を検出した時点で前記所定の機能を開始させるための前処理を開始させるデバイス制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0098】
1 ハンディターミナル(入力装置)
11 CPU(スキャン制御手段、情報更新手段、記憶制御手段、デバイス制御手段)
14 記憶部(記憶手段)
141 プログラム
15A 機能キー(操作キー)
15B トリガーキー(操作キー、トリガーキー)
151 キーマトリクス回路
S1、S1A~A1F 行の信号線(行)
S2、S21~S25 列の信号線(列)
Trg、Trg1~Trg5 トリガーキー