(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ケーブル架設用腕金
(51)【国際特許分類】
H02G 7/00 20060101AFI20231003BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
(21)【出願番号】P 2020019871
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】双田 昌孝
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-060820(JP,U)
【文献】特開2007-300731(JP,A)
【文献】実開平07-020033(JP,U)
【文献】特表2005-506022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状で、少なくとも一端側にケーブルを架設可能な腕金本体と、
前記腕金本体の他端側に設けられ、前記腕金本体を電柱に取り付けるための取付手段と、を備え、
前記腕金本体は、屈折部を備え、該屈折部で回動することで前記ケーブルの架設高さを調整可能
で、
前記屈折部が前記腕金本体の中央部と他端側に設けられ、中央部の前記屈折部から前記腕金本体が棒状に延びている、
ことを特徴とするケーブル架設用腕金。
【請求項2】
前記屈折部は、任意の角度で回動可能となっている、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル架設用腕金。
【請求項3】
前記腕金本体が伸縮自在となっている、
ことを特徴とする請求項1
または2のいずれか1項に記載のケーブル架設用腕金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電柱に通信線や電線などのケーブルを架設するためのケーブル架設用腕金に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、通信線を電柱に架設・添架する場合、通信線と通信線との間隔が所定距離(法定距離)以上確保されるように、各通信事業者によって施工が行われる。しかしながら、架設箇所が少ないために、通信線間隔が所定距離未満にもかかわらず、既設の通信線の近くに新たな通信線が架設されてしまう場合がある。
【0003】
このため、このような離隔が確保されていない架設が生じていないか否かを定期的に巡視する必要がある。しかも、離隔が確保されていない架設が確認された場合には、該当の通信事業者と協議を行い、架設箇所を変更する工事を行う必要があり、多大な時間と労力を要していた。
【0004】
一方、電線を所定の間隔で配設できる、という支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この支持装置は、V字状の第1の腕金が上部と下部で電柱に取り付けられ、第1の腕金の傾斜部に電線を支持する碍子が所定間隔で複数配設されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電柱上部での添架スペースには限りがあるため、電柱に水平に延びる腕金を取り付けられたとしても、例えば、その腕金に新たな通信線を架設する場合に、既設の通信線との間に所定の離隔を確保することができない場合があり、架設位置に苦慮することが実情である。また、特許文献1に記載の支持装置を使用して通信線を架設したとしても、その後、新たな通信線を架設する場合、所定の離隔を確保することが困難である。すなわち、例えば、第1の腕金の上部と下部の間に水平に延びる腕金を取り付けたとしても、既に支持装置で架設されている通信線の間に新たな通信線が架設されるため、所定の離隔を確保することができない。
【0007】
そこでこの発明は、所定の離隔を確保してケーブルを架設可能なケーブル架設用腕金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、棒状で、少なくとも一端側にケーブルを架設可能な腕金本体と、前記腕金本体の他端側に設けられ、前記腕金本体を電柱に取り付けるための取付手段と、を備え、前記腕金本体は、屈折部を備え、該屈折部で回動することで前記ケーブルの架設高さを調整可能で、前記屈折部が前記腕金本体の中央部と他端側に設けられ、中央部の前記屈折部から前記腕金本体が棒状に延びている、ことを特徴とするケーブル架設用腕金である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のケーブル架設用腕金において、前記屈折部は、任意の角度で回動可能となっている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のケーブル架設用腕金において、前記腕金本体が伸縮自在となっている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、腕金本体を屈折部で回動させることでケーブルの架設高さを調整可能なため、限られた添架スペースであっても、所定の離隔を確保してケーブルを架設することが可能となる。すなわち、従来の腕金では、電柱に対して直交して水平に延びるため、腕金の取付間隔とケーブルの間隔とが同等になり、腕金の取付間隔が所定の離隔を確保されていないと、ケーブルの間隔も所定の離隔を確保することができない。これに対して、本ケーブル架設用腕金によれば、腕金の取付間隔が所定の離隔を確保できない場合であっても、腕金本体を屈折部で回動させてケーブルの架設高さを調整することで、ケーブル間において所定の離隔を確保することが可能となる。
【0014】
しかも、共架物を移動することなく腕金本体を屈折部で回動させるだけで所定の離隔を確保可能なため、容易かつ迅速に架設作業を行うことが可能となるとともに、共架物の移動スペースがなくても所定の離隔を確保可能となる。また、本ケーブル架設用腕金が複数配設されている場合、架設状態や周囲環境などに応じて、隣接する一方の腕金本体を回動させたり、他方の腕金本体を回動させたり、あるいは、双方の腕金本体を回動させたりすることで、より柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。
【0015】
また、請求項1の発明によれば、腕金本体の一端側から離れた他端側に屈折部が設けられ、腕金本体が他端側を軸に回動するため、腕金本体の一端側つまりケーブルの架設高さを大きく調整することが可能となる。この結果、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。
【0016】
さらに、請求項1の発明によれば、腕金本体の中央部に屈折部が設けられ、腕金本体が中央部で回動する(曲がる)ため、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。例えば、電柱周辺に共架物があるために腕金本体を他端側で曲げられない場合であっても、腕金本体を中央部で曲げて一端側を上下させることで、所定の離隔を確保することが可能となる。
【0017】
請求項2の発明によれば、屈折部が任意の角度で回動可能なため、腕金本体を任意の傾斜角だけ回動させて、ケーブルの架設高さを任意に調整することが可能となる。
【0018】
請求項3の発明によれば、腕金本体が伸縮自在なため、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。すなわち、他のケーブルの架設位置などに応じて、腕金本体を屈折部で回動させるとともに、伸ばしたり縮めたりすることで、所定の離隔を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の実施の形態1に係るケーブル架設用腕金の配設状態を示す正面図である。
【
図2】
図1のケーブル架設用腕金の腕金本体に配設されている架設具を示す正面図である。
【
図3】この発明の実施の形態2に係るケーブル架設用腕金の配設状態を示す正面図である。
【
図4】この発明の実施の形態3に係るケーブル架設用腕金の配設状態を示す正面図である。
【
図5】この発明の実施の形態4に係るケーブル架設用腕金の配設状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1、
図2は、この実施の形態を示し、
図1は、この実施の形態に係るケーブル架設用腕金1の配設状態を示す正面図である。このケーブル架設用腕金1は、電柱Pに通信線や電線などのケーブル110を架設するための吊り具であり、主として、腕金本体2と、屈折体(屈折部)3と、取付バンド(取付手段)4と、を備える。ここで、
図1に示すように、従来の腕金100が既に電柱Pに取り付けられている場合について、主として説明する。この腕金100は、腕金本体101の一端側にケーブル110が架設され、他端側の基端部102において取付バンド103で電柱Pに取り付けられ、腕金本体101が電柱Pに対して直交して水平に延びている。
【0022】
腕金本体2は、棒状で、少なくとも一端側にケーブル110を架設可能な部材である。具体的には、断面が四角い中空棒で構成され、他端側に正面から裏面に、する軸孔が形成され、この軸孔に後述する回転軸(水平軸)30が挿入されている。また、この軸孔よりも一端側(ケーブル110側)に、正面から裏面に貫通するボルト挿入孔が形成され、後述するように調整ボルトが挿入されるようになっている。
【0023】
また、腕金本体2には、ケーブル110を架設するための架設具5が所定数配設されている。ここで、この実施の形態では、腕金本体2の一端側にのみ1つの架設具5が配設されている場合について説明するが、腕金本体2の中央部などにも配設してもよい。
【0024】
架設具5の構成は、ケーブル110を架設できればどのようなものであってもよいが、この実施の形態では、
図2に示すように、L字取付材51と把持材54などを備える。L字取付材51は、L字状で、その水平部が架設ボルト52と架設ナット53とによって腕金本体2に固定されている。把持材54は、ケーブル110を挿入、把持するリング状の把持部54aを備え、L字取付材51の垂直部に把持ボルト55と把持ナット56によって固定されている。
【0025】
このような腕金本体2は、屈折体3を備え、この屈折体3で回動することでケーブル110の架設高さを調整可能となっており、この実施の形態では、屈折体3が腕金本体2の他端側に設けられている。すなわち、屈折体3は、腕金本体2の正面と裏面を挟持する2つの平板で構成され、2つの平板を貫通して軸孔が形成され、この軸孔と腕金本体2の軸孔とを重ねて回転軸30が挿入、装着されている。
【0026】
また、屈折体3の2つの平板には、軸孔つまり回転軸30を中心とする円弧上に3つボルト挿入孔31~33が形成されている。そして、腕金本体2を回転軸30回りに回動させて、いずれかのボルト挿入孔31~33と腕金本体2のボルト挿入孔とに調整ボルトを挿入して、調整ボルトにナットを締め付ける。これにより、腕金本体2の傾斜角が調整されて、ケーブル110の架設高さを調整できるようになっている。
【0027】
ここで、この実施の形態では、後述するようにして電柱Pに取り付けられた状態で、第1のボルト挿入孔31に調整ボルトを挿入すると、腕金本体2が電柱Pに対して略直交して略水平に延びて(
図1中の二点鎖線の状態で)配設される。また、第3のボルト挿入孔33に調整ボルトを挿入すると、最大傾斜角で腕金本体2が最も高く立ち上がって配設される。さらに、第2のボルト挿入孔32に調整ボルトを挿入すると、最大傾斜角よりも低い傾斜角で腕金本体2が屈折体3から斜め上方に延びて配設される。このようにして腕金本体2が回動する回動範囲(回動角)は、限られた添架スペースにおいても腕金本体2を回動させることで、ケーブル110間において所定の離隔・距離が確保できるように設定されている。
【0028】
このように、この実施の形態では、3段階でケーブル110の架設高さを調整可能となっているが、無段階で調整可能にしてもよい。例えば、屈折体3の2つの平板にボルト挿入孔31~33に代って、回転軸30を中心とする円弧状のスリット(長孔)を形成する。そして、このスリットの任意の位置と腕金本体2のボルト挿入孔とに調整ボルトを挿入して、調整ボルトにナットを締め付けることで、腕金本体2を任意の傾斜角だけ回動させて、ケーブル110の架設高さを任意に調整できるようにしてもよい。
【0029】
また、屈折体3の一方の平板に、ボルト挿入孔31~33に代ってネジ孔・雌ネジを形成し、調整ボルトを締め付けるようにしてもよい。これにより、ナットをなくして作業性や安全性を高めるとともに、費用を削減することができる。
【0030】
取付バンド4は、腕金本体2の他端側に設けられ、腕金本体2を電柱Pに取り付けるためのバンドである。具体的にこの実施の形態では、帯体で、
図1に示すように、電柱Pに巻き付けて両端部をそれぞれ屈折体3の平板に締付具(例えば、ボルト、ナット)41で固定することで、腕金本体2が電柱Pに取り付けられる。ここで、この実施の形態では、1つの取付バンド4しか設けていないが、腕金本体2の重量やケーブル110の架設数などに応じて複数の取付バンド4を設けてもよい。
【0031】
このような構成のケーブル架設用腕金1によれば、腕金本体2を屈折体3で回動させることでケーブル110の架設高さを調整可能なため、限られた添架スペースであっても、隣接するケーブル110に対して所定の離隔・距離を確保してケーブル110を架設することが可能となる。すなわち、従来の腕金では、
図1の二点鎖線や既設の腕金100で示すように、電柱Pに対して直交して水平に延びるため、腕金の取付間隔Dとケーブル110の間隔D1とが同等になり、腕金の取付間隔Dが所定の離隔を確保されていないと、ケーブルの間隔D1も所定の離隔を確保することができない。これに対して、本ケーブル架設用腕金1によれば、腕金の取付間隔Dが所定の離隔を確保できない場合であっても、腕金本体2を屈折体3で回動させてケーブル110の架設高さを調整することで、ケーブル110の間隔D2を所定の離隔以上に確保することが可能となる。
【0032】
しかも、共架物を移動することなく腕金本体2を屈折体3で回動させるだけで所定の離隔を確保可能なため、容易かつ迅速に架設作業を行うことが可能となるとともに、共架物の移動スペースがなくても所定の離隔を確保可能となる。また、本ケーブル架設用腕金1が複数配設されている場合、架設状態や周囲環境などに応じて、隣接する一方の腕金本体2を回動させたり、他方の腕金本体2を回動させたり、あるいは、双方の腕金本体2を回動させたりすることで、より柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。
【0033】
また、この実施の形態では、腕金本体2の一端側から離れた他端側(電柱P側)に屈折体3が設けられ、腕金本体2が他端側を軸に回動するため、腕金本体2の一端側つまりケーブル110の架設高さを大きく調整することが可能となる。この結果、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
図3は、この実施の形態に係るケーブル架設用腕金11の配設状態を示す正面図である。この実施の形態では、屈折体3が腕金本体6の一端側と他端側との間の中央部に設けられている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0035】
すなわち、この実施の形態では、腕金本体6が第1の腕金本体61と第2の腕金本体62とで構成され、第1の腕金本体61の一端側(反電柱P側)と第2の腕金本体62の他端側(反ケーブル110側)とが屈折体3で連結されている。ここで、2つの腕金本体61、62は、実施の形態1と同様に断面が四角い中空棒で構成され、第1の腕金本体61の他端側には電柱P側に広がる基端部61aが設けられ、この基端部61aにおいて第1の腕金本体61が取付バンド4で電柱Pに取り付けられる。このようにして取り付けられた状態で、第1の腕金本体61が電柱Pに対して略直交して略水平に延びて配設される。
【0036】
この第1の腕金本体61の一端側に、締付具(例えば、ボルト、ナット)64で屈折体3が固定されている。また、第2の腕金本体62の他端側が屈折体3に接続され、実施の形態1と同様にして、第2の腕金本体62が屈折体3の回転軸30回りに回動可能となっている。一方、第2の腕金本体62の一端側に、架設具5を介してケーブル110が架設され、第2の腕金本体62が屈折体3で回動することでケーブル110の架設高さを調整可能となっている。
【0037】
このような実施の形態によれば、腕金本体6の中央部に屈折体3が設けられ、腕金本体6が中央部で回動する(曲がる)ため、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。例えば、電柱P周辺に共架物があるために腕金本体6を他端側で曲げられない場合であっても、腕金本体6を中央部で曲げて一端側を上下させることで、ケーブル110間において所定の離隔を確保することが可能となる。
【0038】
(実施の形態3)
図4は、この実施の形態に係るケーブル架設用腕金12の配設状態を示す正面図である。この実施の形態では、複数の屈折体3が腕金本体6に設けられている点で実施の形態1、2と構成が異なり、実施の形態1、2と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0039】
この実施の形態では、腕金本体6の他端側と中央部に屈折体3が設けられている。すなわち、実施の形態2と同様に、腕金本体6が第1の腕金本体61と第2の腕金本体62とで構成され、第1の腕金本体61の一端側(反電柱P側)と第2の腕金本体62の他端側(反ケーブル110側)とが第2の屈折体32で連結されている。さらに、第1の腕金本体61の他端側が第1の屈折体31に接続され、実施の形態1と同様に、第1の屈折体31が取付バンド4で電柱Pに取り付けられている。
【0040】
これにより、第1の腕金本体61が第1の屈折体31の回転軸30回りに回動可能となり、さらに、第2の腕金本体62が第2の屈折体32の回転軸30回りに回動可能となっている。つまり、腕金本体6が電柱P側を基点に回動する(曲げられる)とともに、中央部でも回動するようになっている。
【0041】
このような実施の形態によれば、屈折体3が複数設けられ腕金本体6が複数の箇所で曲げられるため、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。例えば、共架物を避けるように腕金本体6を複数の箇所で曲げながら、一端側つまりケーブル110を上下させることで、所定の離隔を確保することが可能となる。
【0042】
(実施の形態4)
図5は、この実施の形態に係るケーブル架設用腕金13の配設状態を示す正面図である。この実施の形態では、腕金本体2が伸縮自在となっている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0043】
この実施の形態では、腕金本体2が第1の腕金本体21と第2の腕金本体22とで構成され、第2の腕金本体22の他端側(反ケーブル110側)が第1の腕金本体21の一端側(反電柱P側)に挿入され、出し入れ自在となっている。また、第2の腕金本体22の他端側には、正面から裏面に貫通し長手方向に延びる長孔22aが形成され、第1の腕金本体21の一端側には、長孔22aを貫通する固定ボルト23が装着されている。そして、第1の腕金本体21からの第2の腕金本体22の突出量を調整し、固定ボルト23にナットを締め付けることで、腕金本体2の長さを調整自在(伸縮自在)となっている。
【0044】
このような実施の形態によれば、腕金本体2が伸縮自在なため、架設状態や周囲環境などに応じて、柔軟かつ確実に所定の離隔を確保することが可能となる。すなわち、他のケーブル110の架設位置などに応じて、腕金本体2を屈折体3で回動させるとともに、伸ばしたり縮めたりすることで、所定の離隔を確保することが可能となる。
【0045】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態1~4では、腕金本体2、6を屈折体3の回転軸30回りに回動させているが、ギアを介して腕金本体2、6が回動するようにしてもよい。また、上記の実施の形態3では、2つの屈折体3が腕金本体6に設けられている場合について説明したが、3つ以上の屈折体3を腕金本体6に設けてもよい。さらに、上記の実施の形態1~4では、腕金本体2、6が屈折体3から上方に傾斜する場合について例示したが、腕金本体2、6が下方に傾斜するものや、上下に傾斜するものであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1、11、12、13 ケーブル架設用腕金
2 腕金本体
21 第1の腕金本体
22 第2の腕金本体
3 屈折体(屈折部)
30 回転軸
4 取付バンド(取付手段)
5 架設具
6 腕金本体
61 第1の腕金本体
62 第2の腕金本体
110 ケーブル
P 電柱