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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20231003BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231003BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231003BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B65H7/14
G03G21/00 384
B41J29/38 204
B41J29/42 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020028316
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021130563
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】大澤 岳則
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-110777(JP,A)
【文献】特開2017-024284(JP,A)
【文献】特開2018-106113(JP,A)
【文献】特開2005-070508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00- 43/08
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 29/00- 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)媒体に画像を形成する画像形成処理部と、
(b)画像の形成に使用される媒体を設定する媒体設定部と、
(c)該媒体設定部によって設定された媒体に応じて、媒体を検出する媒体検出部の機能を設定し、媒体検出部の機能が変更された場合に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう促すとともに、画像形成処理部に画像の形成の受付けを停止させる指示を送る媒体検出部設定部と、
(d)媒体が給紙部にセットされたときに、媒体検出部の機能の設定内容及び媒体検出部のセンサ出力に基づいて、媒体検出部の配設状態が良好であるかどうかを判断し、媒体検出部の配設状態が良好である場合、画像形成処理部に画像の形成の受付けを開始させる指示を送り、媒体検出部の配設状態が良好でない場合、媒体検出部設定部に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう継続して促させる指示を送る媒体検出部判定部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記媒体設定部は、操作者が操作部を操作して指定した媒体を、画像の形成に使用される媒体として設定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
(a)前記媒体検出部は光学センサであり、
(b)前記媒体検出部設定部は、光学センサを、透過型センサとして機能させるか、又は反射型センサとして機能させるかによって、光学センサの機能の設定を変更する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体検出部設定部は、光学センサの機能の設定を変更した場合に、操作者に光学センサの受光部の位置を変更するよう促す請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記媒体検出部判定部は、媒体検出部のセンサ出力、並びに媒体検出部の機能の設定内容及び媒体検出部の配設状態に応じて設定された閾値に基づいて、媒体検出部の配設状態が良好であるかどうかを判断する請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記閾値は、媒体搬送路に媒体が存在していないときの媒体検出部の配設状態に応じて設定される請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機、画像読取装置等の画像処理装置である画像形成装置、例えば、電子写真式のプリンタには、画像形成ユニット、転写ユニット、定着器等が配設され、画像形成ユニットにおいて、感光体ドラムにトナー像が形成され、該トナー像が転写ユニットによって媒体としての用紙に転写され、定着器においてトナー像が用紙に定着させられて、用紙に画像が形成され、印刷が行われるようになっている。
【0003】
ところで、媒体として長尺状の用紙が使用されるプリンタにおいては、光学センサによって用紙が検出され、用紙上の所定の書出位置に画像が形成され、用紙が所定のカット位置でカットされる。
【0004】
前記光学センサには透過型センサ及び反射型センサがあり、透過型センサは、発光部から放射され、用紙を透過した透過光を受光部が受光したときの光量に基づいて用紙の位置を検出し、反射型センサは、発光部から放射され、用紙で反射された反射光を受光部が受光したときの光量に基づいて用紙の位置を検出するが、透過型センサ及び反射型センサをいずれも配設すると、プリンタのコストが高くなってしまう。
【0005】
そこで、透過型センサと反射型センサとを組み合わせたセンサを使用し、印刷に使用される用紙の透過性、反射性等に応じて、センサを、透過型センサとして機能させるか、又は反射型センサとして機能させるかの設定を変更し、用紙を透過した透過光、又は用紙で反射された反射光の光量に基づいて用紙の位置を検出するようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-24284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、印刷に使用される用紙に応じてセンサの機能を正確に設定しないと用紙が誤って検出されてしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、媒体の種類に係わらず媒体を確実に検出することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成装置においては、媒体に画像を形成する画像形成処理部と、画像の形成に使用される媒体を設定する媒体設定部と、該媒体設定部によって設定された媒体に応じて、媒体を検出する媒体検出部の機能を設定し、媒体検出部の機能が変更された場合に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう促すとともに、画像形成処理部に画像の形成の受付けを停止させる指示を送る媒体検出部設定部と、媒体が給紙部にセットされたときに、媒体検出部の機能の設定内容及び媒体検出部のセンサ出力に基づいて、媒体検出部の配設状態が良好であるかどうかを判断し、媒体検出部の配設状態が良好である場合、画像形成処理部に画像の形成の受付けを開始させる指示を送り、媒体検出部の配設状態が良好でない場合、媒体検出部設定部に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう継続して促させる指示を送る媒体検出部判定部とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置においては、媒体に画像を形成する画像形成処理部と、画像の形成に使用される媒体を設定する媒体設定部と、該媒体設定部によって設定された媒体に応じて、媒体を検出する媒体検出部の機能を設定し、媒体検出部の機能が変更された場合に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう促すとともに、画像形成処理部に画像の形成の受付けを停止させる指示を送る媒体検出部設定部と、媒体が給紙部にセットされたときに、媒体検出部の機能の設定内容及び媒体検出部のセンサ出力に基づいて、媒体検出部の配設状態が良好であるかどうかを判断し、媒体検出部の配設状態が良好である場合、画像形成処理部に画像の形成の受付けを開始させる指示を送り、媒体検出部の配設状態が良好でない場合、媒体検出部設定部に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう継続して促させる指示を送る媒体検出部判定部とを有する。
【0011】
この場合、媒体設定部によって設定された媒体に応じて媒体検出部の機能が変更された場合に、媒体検出部設定部が、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう促すとともに、画像形成処理部に画像の形成の受付けを停止させる指示を送り、媒体検出部判定部が、媒体検出部の機能の設定内容及び媒体検出部のセンサ出力に基づいて、媒体検出部の配設状態が良好であるかどうかを判断し、媒体検出部の配設状態が良好である場合、画像形成処理部に画像の形成を開始させる指示を送り、媒体検出部の配設状態が良好でない場合、媒体検出部設定部に、操作者に媒体検出部の配設状態を変更するように継続して促させる指示を送るので、媒体の種類に係わらず媒体を確実に検出することができる。
【0012】
また、媒体検出部の配設状態が良好でない場合に、媒体検出部の配設状態が良好になるまで、媒体検出部設定部が操作者に媒体検出部の配設状態を変更するよう促すので、媒体検出部の配設状態が変更されることなく画像の形成が行われるのを防止することができる。
【0013】
したがって、画像の形成を行う際に、媒体の検出に伴ってジャムが発生することがなく、媒体が無用に消費されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
図2】本発明の実施の形態におけるプリンタの斜視図である。
図3】本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図4】本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第1の図である。
図5】本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第2の図である。
図6】本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第1の図である。
図7】本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第2の図である。
図8】本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第1の図である。
図9】本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第2の図である。
図10】本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第1の図である。
図11】本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第2の図である。
図12】本発明の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施の形態におけるセンサ機能テーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの斜視図、図3は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0017】
図において、10はプリンタ、Csは該プリンタ10の筐体であり、該筐体Csは、前壁Wf、背壁Wr、第1、第2の側壁Ws1、Ws2及び頂壁Wtから成る。そして、プリンタ10は、本体部Q1、該本体部Q1に対して開閉自在に、かつ、回動自在に配設されたトップカバー41、及び本体部Q1の後端から後方に向けて突出させて配設された給紙部としてのフィーダユニットFdを備える。
【0018】
該フィーダユニットFdは、図示されない繰出リールを備えたハウジングHz、及び該ハウジングHzを開閉する給紙部カバー44を備え、繰出リールにロール紙をセットすることによって、媒体としての長尺状の用紙がフィーダユニットFdにセットされる。
【0019】
前記トップカバー41における前壁Wf側には、操作部84及び表示部85が配設される。そして、前記前壁Wfには、画像が形成された用紙を本体部Q1外に排出する排出口heが形成される。
【0020】
また、Rt1は、前記繰出リールから繰り出され、フィーダユニットFdから給紙された用紙を搬送するための媒体搬送路としての用紙搬送路、m1は、該用紙搬送路Rt1に配設され、用紙を搬送する第1の搬送部材としての搬送ローラ対、23は、前記用紙搬送路Rt1における搬送ローラ対m1より下流側に配設され、用紙に設定されたマーク等の指標を検出する媒体検出部としてのセンサ、本実施の形態においては、光学センサ、ctは、前記用紙搬送路Rt1における光学センサ23より下流側に配設され、図示されない回転刃及び揺動刃を備え、所定の箇所で用紙をカットするカッタユニット、m2は、前記用紙搬送路Rt1におけるカッタユニットctより下流側に配設され、用紙を搬送する第2の搬送部材としての搬送ローラ対である。
【0021】
そして、Kaは、本体部Q1において、前記用紙搬送路Rt1における搬送ローラ対m2より下流側に配設された画像形成部である。該画像形成部Kaは、用紙搬送路Rt1における上流側から下流側にかけて配設された複数の、本実施の形態においては、イエロー、マゼンタ及びシアンの3個の画像形成ユニット12Y、12M、12C、並びに該画像形成ユニット12Y、12M、12Cの下方に配設された転写ユニットu1を備える。
【0022】
各画像形成ユニット12Y、12M、12Cは、回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム13、該感光体ドラム13と当接させて回転自在に配設され、感光体ドラム13の表面を一様に帯電させる帯電装置としての図示されない帯電ローラ、前記感光体ドラム13と当接させて回転自在に配設され、感光体ドラム13の表面に形成された潜像としての静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させ、可視像である各色の現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての図示されない現像ローラ、該現像ローラと当接させて回転自在に配設され、トナーを現像ローラに供給する現像剤供給部材としての図示されない供給ローラ、現像ローラに圧接させて配設され、供給ローラから現像ローラに供給されたトナーを薄層化する現像剤規制部材としての図示されない現像ブレード、前記供給ローラにトナーを供給する現像剤収容部としての図示されないトナーカートリッジ等を備える。
【0023】
前記各画像形成ユニット12Y、12M、12Cにおける感光体ドラム13の上方には、露光装置としての図示されないLEDヘッドが配設される。該LEDヘッドは、後述される制御部80(図1)から送られた画像データに従って、感光体ドラム13を露光し、静電潜像を形成する。
【0024】
また、前記転写ユニットu1は、駆動ローラR1、従動ローラR2、駆動ローラR1と従動ローラR2とによって張設された図示されないベルト、及び該ベルトを介して前記各感光体ドラム13と対向させて回転自在に配設された転写部材としての転写ローラ33を備える。
【0025】
そして、用紙搬送路Rt1における画像形成部Kaより下流側には、定着装置としての定着器35が配設される。該定着器35は、第1の定着部材としての加熱ローラRh及び第2の定着部材としてのバックアップローラRpを備える。
【0026】
また、用紙搬送路Rt1における定着器35より下流側には、排出部材としての排出ローラ対m3が配設される。
【0027】
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。
【0028】
前記フィーダユニットFdにおいて、ロール紙から繰り出された用紙は、搬送ローラ対m1によって搬送され、プリンタ10の本体部Q1に送られ、搬送ローラ対m2によって画像形成部Kaに送られる。そして、用紙は、各画像形成ユニット12Y、12M、12Cの感光体ドラム13と転写ローラ33との間を搬送される。
【0029】
一方、各画像形成ユニット12Y、12M、12Cにおいては、感光体ドラム13の表面が、前記帯電ローラによって一様に帯電させられ、LEDヘッドによって露光され、感光体ドラム13上に静電潜像が形成される。
【0030】
また、トナーカートリッジから供給ローラに供給されたトナーは、供給ローラの回転に伴って現像ローラに供給され、現像ローラ上において現像ブレードによって薄層化され、感光体ドラム13上の静電潜像に静電的に付着させられて各色のトナー像を形成する。
【0031】
そして、前記各転写ローラ33に所定の電圧が印加されて発生させられた静電気力によって、各感光体ドラム13上に形成された各色のトナー像が、順次、用紙に重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0032】
続いて、用紙は定着器35に送られ、該定着器35において、カラーのトナー像が、加熱ローラRhによって加熱され、バックアップローラRpによって用紙に押し付けられて定着させられ、用紙の表面(印刷面)側にカラーの画像が形成される。そして、前記定着器35から排出された用紙は、排出ローラ対m3によって排出口heから本体部Q1外に排出される。
【0033】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0034】
図1は本発明の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0035】
図において、10はプリンタ、23は光学センサ、80はプリンタ10の全体の制御を行う制御部、81は不揮発性メモリから成る第1の記憶装置としてのROM、82は揮発性メモリから成る第2の記憶装置としてのRAM、83は操作部84及び表示部85を備えた操作パネル、M1は搬送ローラ対m1、m2(図3)を回転させる搬送用の駆動部としての搬送モータ、M2はカッタユニットctの回転刃を回転させるカット用の駆動部としてのカッタモータ、Sw1は給紙部カバー44の開閉に伴ってオン・オフさせられる給紙部カバースイッチである。
【0036】
前記光学センサ23は、透過型センサと反射型センサとを組み合わせて形成され、用紙の種類に応じて検出方式を切り換えることによって、透過型センサ又は反射型センサとして機能させられる。そのために、光学センサ23は、用紙の一方側、本実施の形態においては、裏面側に配設され、発光部91及び受光部92から成る発光・受光部93、並びに用紙の他方側、本実施の形態においては、画像が形成される表面側に、前記発光・受光部93と対向させて配設された受光部95を備える。なお、本実施の形態においては、光学センサ23が透過型センサとして機能させられる場合に、発光部91から放射され、用紙を透過した透過光を受光部95が受光したときの光量をセンサ出力ηとし、光学センサ23が反射型センサとして機能させられる場合に、発光部91から放射され、用紙で反射された反射光を受光部92が受光したときの光量をセンサ出力ηとする。
【0037】
前記発光・受光部93は前記本体部Q1の所定の箇所に固定されるが、受光部95は、用紙の幅方向において移動自在に配設され、光学センサ23が透過型センサとして機能させられる場合に、発光・受光部93と対向する受光位置に置かれ、光学センサ23が反射型センサとして機能させられる場合に、発光・受光部93と対向しない非受光位置に置かれる。
【0038】
前記光学センサ23が指標を検出するときのセンサ出力ηの閾値は、指標ごとにROM81に記録される。閾値は、操作者が操作部84を操作して設定したり、自動キャリブレーションを行うことによって取得したりすることができる。
【0039】
前記制御部80は、図示されない演算装置としてのCPU、入出力ポート、計時部材としてのタイマ等を備え、ROM81に記録されたプログラムに基づいて各種の処理を行う。ROM81には、前記プログラムのほかに、各種の設定値、後述される第1、第2の閾値α1、α2等が記録される。また、RAM82には、印刷データに基づいて生成され、用紙に画像を形成するための画像データのほかに、各種の制御用のデータが一時的に記録される。なお、前記RAM82は、前記CPUが演算を行う際にワーキングメモリとして使用される。
【0040】
そして、前記制御部80は、画像形成処理部Pr1、搬送処理部Pr2、給紙判断部Pr3、媒体位置算出部としての用紙位置算出部Pr4、カット処理部Pr5等を有する。
【0041】
また、前記制御部80において、プリンタ10の設定を管理する装置設定管理部88は、媒体設定部としての用紙設定部Pr6、媒体検出部設定部としてのセンサ設定部Pr7媒体検出部判定部としてのセンサ判定部Pr8等を備える。
【0042】
画像形成処理部Pr1は用紙に画像を形成する。そのために、画像形成処理部Pr1は、画像形成部Kaにおいて感光体ドラム13上に各色のトナー像を形成し、用紙にカラーのトナー像を形成し、定着器35においてカラーの画像を形成する。なお、画像形成処理部Pr1は、前記用紙位置算出部Pr4によって算出された用紙の位置に基づいて、用紙上に画像を形成するための書出位置を設定し、該書出位置にカラーの画像を形成する。
【0043】
搬送処理部Pr2は、搬送モータM1を駆動し、搬送ローラ対m1、m2を回転させ、用紙を搬送する。
【0044】
給紙判断部Pr3は、用紙設定部Pr6によって設定された用紙がフィーダユニットFdにセットされたかどうかを判断する。そのために、給紙判断部Pr3は、フィーダユニットFdの給紙部カバー44に配設された給紙部カバースイッチSw1のオン・オフを監視し、給紙部カバー44が閉じられたかどうか、すなわち、給紙部カバースイッチSw1がオンになったかどうかを判断し、給紙部カバー44が閉じられ、給紙部カバースイッチSw1がオンになると、用紙がフィーダユニットFdにセットされたと判断する。
【0045】
用紙がフィーダユニットFdにセットされたと判断すると、給紙判断部Pr3は、用紙がフィーダユニットFdにセットされたことをセンサ判定部Pr8に通知する。
【0046】
用紙位置算出部Pr4は、光学センサ23が用紙に設定された指標を検出したときのセンサ出力ηに基づいて用紙の位置を算出する。
【0047】
カット処理部Pr5は、用紙位置算出部Pr4によって算出された用紙の位置に基づいて、用紙をカットするためのカット位置を設定し、用紙がカット位置に到達すると、カッタモータM2を駆動し、回転刃を回転させて用紙をカットする。
【0048】
用紙設定部Pr6は、操作者が操作部84を操作して用紙を指定すると、指定された用紙を画像の形成に使用される用紙として設定する。
【0049】
センサ設定部Pr7は、用紙設定部Pr6によって設定された用紙(の種類)に応じて、用紙の検出方式である光学センサ23の機能を設定する。すなわち、センサ設定部Pr7は、光学センサ23を、透過型センサとして機能させるか、又は反射型センサとして機能させるかの設定を変更する。
【0050】
また、センサ設定部Pr7は、前回の画像の形成で設定された光学センサ23の機能が今回の画像の形成で設定された機能と異なるかどうか、すなわち、光学センサ23の機能が変更されたかどうかを判断し、光学センサ23の機能が変更された場合に、表示部85にメッセージを表示することによって、操作者に、光学センサ23の配設状態、本実施の形態においては、受光部95の位置を変更するよう促すとともに、画像形成処理部Pr1に画像の形成の受付けを停止させる指示を送る。
【0051】
センサ判定部Pr8は、センサ設定部Pr7による光学センサ23の機能の設定内容及び光学センサ23のセンサ出力ηに基づいて、光学センサ23の配設状態が良好であるかどうかを判断し、光学センサ23の配設状態が良好である場合に、用紙の位置を検出することが可能であるとし、画像形成処理部Pr1に画像の形成の受付けを開始させる指示を送る。
【0052】
次に、光学センサ23の配設状態について説明する。
【0053】
図4は本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第1の図、図5は本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第2の図、図6は本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第1の図、図7は本発明の実施の形態における透過型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第2の図、図8は本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第1の図、図9は本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好である場合のセンサ出力を説明するための第2の図、図10は本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第1の図、図11は本発明の実施の形態における反射型センサとして機能させられる光学センサの配設状態が良好でない場合のセンサ出力を説明するための第2の図である。
【0054】
図において、Rt1は用紙搬送路、Pは用紙搬送路Rt1を搬送される用紙、eg1は用紙搬送路Rt1の上流側から下流側を見たときの用紙Pの左縁、eg2は用紙搬送路Rt1の上流側から下流側を見たときの用紙Pの右縁、23は光学センサ、91は発光部、92、95は受光部、93は発光・受光部である。
【0055】
また、Saは発光部91によって放射された放射光、Sbは用紙Pを透過した透過光、Scは用紙Pで反射された反射光、Sdは受光部95で反射された反射光である。
【0056】
光学センサ23が透過型センサとして機能させられる場合において、光学センサ23の配設状態が良好であり、受光部95が、受光位置に置かれ、発光部91と対向させられている場合、図4に示されるように、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していると、発光部91によって放射された放射光Saは、用紙Pを透過し、光量が減衰させられた透過光Sbとなって受光部95によって受光され、光学センサ23のセンサ出力ηは透過光Sbの光量を表す値Vbになり、図5に示されるように、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないと、発光部91によって放射された放射光Saは、用紙搬送路Rt1を通過し、受光部95によって受光され、光学センサ23のセンサ出力ηは放射光Saの光量を表す値Va(>Vb)になる。
【0057】
また、光学センサ23の配設状態が良好でなく、図6及び7に示されるように、受光部95が、非受光位置に置かれ、発光部91と対向させられていない場合、受光部95は、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在しているときの透過光Sb、及び用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないときの放射光Saのいずれも受光することはなく、光学センサ23のセンサ出力ηは0になる。
【0058】
一方、光学センサ23が反射型センサとして機能させられる場合において、光学センサ23の配設状態が良好であり、受光部95が、非受光位置に置かれ、発光部91と対向させられていない場合、図8に示されるように、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していると、発光部91によって放射された放射光Saは、用紙Pで反射され、光量が減衰させられた反射光Scとなって受光部92によって受光され、光学センサ23のセンサ出力ηは反射光Scの光量を表す値Vcになり、図9に示されるように、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないと、発光部91によって放射された放射光Saは、用紙搬送路Rt1を通過するので、受光部92によって受光されることはなく、光学センサ23のセンサ出力ηは0になる。
【0059】
また、光学センサ23の配設状態が良好でなく、受光部95が、受光位置に置かれ、発光部91と対向させられている場合、図10に示されるように、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していると、発光部91によって放射された放射光Saは、用紙Pで反射され、光量が減衰させられた反射光Scとなって受光部92によって受光され、光学センサ23のセンサ出力ηは反射光Scの光量を表す値Vcになり、図11に示されるように、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないと、発光部91によって放射された放射光Saは用紙搬送路Rt1を通過し、受光部92は、受光部95で反射され、光量が減衰させられた反射光Sdを受光し、光学センサ23のセンサ出力ηは反射光Sdの光量を表す値Vdになる。
【0060】
このことから、光学センサ23が透過型センサとして機能させられる場合において、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないときに、受光部95が放射光Saを受光し、光学センサ23のセンサ出力ηが放射光Saの光量を表す値Vaである場合に、光学センサ23の配設状態が良好であることが分かる。
【0061】
また、光学センサ23が反射型センサとして機能させられる場合において、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないときに、受光部92が反射光を受光せず、光学センサ23のセンサ出力ηが0になる場合に、光学センサ23の配設状態が良好であることが分かる。
【0062】
そこで、本実施の形態において、前記センサ判定部Pr8(図1)は、ROM81から第1、第2の閾値α1、α2を読み出すとともに、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないときの光学センサ23のセンサ出力ηを読み込み、光学センサ23が透過型センサとして機能させられる場合、光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1以上であるかどうかを判断し、
η≧α1
である場合に、光学センサ23の配設状態が良好であると判断し、
η<α1
である場合に、光学センサ23の配設状態が良好でないと判断する。
【0063】
また、センサ判定部Pr8は、光学センサ23が反射型センサとして機能させられる場合、光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2以下であるかどうかを判断し、
η≦α2
である場合に、光学センサ23の配設状態が良好であると判断し、
η>α2
である場合に、光学センサ23の配設状態が良好でないと判断する。
【0064】
なお、前記第1、第2の閾値α1、α2は、用紙搬送路Rt1に用紙Pが存在していないときの光学センサ23の配設状態に対応させて設定され、第1の閾値α1は、放射光Saの光量を表す値Vaより低く、かつ、透過光Sbの光量を表す値Vbより高くされ、第2の閾値α2は、反射光Sdの光量を表す値Vdより低く、かつ、反射光Scの光量を表す値Vcより高くされる。
【0065】
次に、前記制御部80の動作について説明する。
【0066】
図12は本発明の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャート、図13は本発明の実施の形態におけるセンサ機能テーブルの例を示す図である。
【0067】
まず、操作者が操作部84を操作して用紙Pを指定すると、用紙設定部Pr6は、指定された用紙Pを画像の形成に使用される用紙Pとして設定する。
【0068】
次に、センサ設定部Pr7は、ROM81に配設されたセンサ機能テーブルTb1を参照し、用紙設定部Pr6によって設定された用紙Pに応じて、光学センサ23の機能を設定する。
【0069】
前記センサ機能テーブルTb1には、用紙Pの種類ごとに設定された、用紙Pの位置を算出するための指標と、光学センサ23の機能(光学センサ23が透過型センサとして機能させられるか、又は反射型センサとして機能させられるか)とが対応させて記録される。例えば、用紙Pの指標が、用紙Pの表に形成されたマーク、本実施の形態においては、ブラックマークである場合、及び用紙Pの裏に形成されたブラックマークである場合、光学センサ23は反射型センサとして機能させられる。また、用紙Pの指標が、用紙Pに形成されたホール(穴)である場合、ノッチである場合及びギャップである場合、並びに用紙Pの指標が無しである場合、光学センサ23は透過型センサとして機能させられる。なお、ギャップは、用紙Pにあらかじめ貼付されたラベル間のギャップである。
【0070】
続いて、センサ設定部Pr7は、光学センサ23の機能が変更されたかどうかを判断し、光学センサ23の機能が変更された場合、表示部85にメッセージを表示することによって、操作者に光学センサ23の受光部95の位置を変更するよう促すとともに、画像形成処理部Pr1に画像の形成の受付けを停止させる指示を送る。一方、光学センサ23の機能が変更されなかった場合、センサ設定部Pr7は処理を終了する。
【0071】
次に、給紙判断部Pr3は、フィーダユニットFdの給紙部カバー44に配設された前記給紙部カバースイッチSw1のオン・オフを監視し、給紙部カバー44が閉じられ、給紙部カバースイッチSw1がオンになったかどうかによって、繰出リールにロール紙がセットされ、光学センサ23の受光部95の位置が変更されたかどうかを判断する。
【0072】
操作者が、給紙部カバー44を開き、繰出リールにロール紙をセットし、光学センサ23の受光部95の位置を変更し、給紙部カバー44を閉じると、給紙部カバースイッチSw1がオンになる。
【0073】
続いて、センサ判定部Pr8は、画像の形成が開始される前に、用紙搬送路Rt1を用紙Pが搬送されない状態で、センサ設定部Pr7による光学センサ23の機能の設定内容及び光学センサ23のセンサ出力ηに基づいて、光学センサ23の配設状態が良好であり、用紙Pの位置を検出することが可能かどうかを判断する。
【0074】
そのために、センサ判定部Pr8は、光学センサ23が透過型センサとして機能させられているかどうかを判断し、光学センサ23が透過型センサとして機能させられている場合、ROM81から第1の閾値α1を読み出し、光学センサ23のセンサ出力ηを読み込み、光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1以上であるかどうかを判断する。
【0075】
光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1以上である場合、センサ判定部Pr8は、光学センサ23の配設状態が良好であると判断し、表示部85へのメッセージの表示を停止させ、画像形成処理部Pr1に画像の形成の受付けを開始させる指示を送る。
【0076】
一方、光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1より小さい場合、センサ判定部Pr8は、光学センサ23の配設状態が良好でないと判断し、センサ設定部Pr7は、操作者に光学センサ23の受光部95の位置を変更するよう促す。
【0077】
また、光学センサ23が反射型センサとして機能させられている場合、センサ判定部Pr8は、ROM81から第2の閾値α2を読み出し、光学センサ23のセンサ出力ηを読み込み、光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2以下であるかどうかを判断する。
【0078】
光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2以下である場合、センサ判定部Pr8は、光学センサ23の配設状態が良好であると判断し、表示部85へのメッセージの表示を停止させ、画像形成処理部Pr1に画像の形成の受付けを開始させる指示を送る。
【0079】
一方、光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2より大きい場合、センサ判定部Pr8は、光学センサ23の配設状態が良好でないと判断し、センサ設定部Pr7は、操作者に光学センサ23の受光部95の位置を変更するよう促す。
【0080】
このようにして、センサ判定部Pr8によって光学センサ23の配設状態が良好であると判断された後、画像形成処理部Pr1が画像の形成を受け付けると、搬送処理部Pr2は、搬送モータM1を駆動し、搬送ローラ対m1、m2(図3)を回転させ、用紙Pを搬送する。
【0081】
そして、光学センサ23が用紙Pを検出すると、用紙位置算出部Pr4は、光学センサ23が用紙Pに設定された指標を検出したときのセンサ出力ηに基づいて用紙Pの位置を算出し、カット処理部Pr5は、算出された用紙Pの位置を基準位置とし、該基準位置に基づいて、用紙P上にカット位置を設定する。
【0082】
続いて、カット処理部Pr5は、前記カット位置と用紙搬送路Rt1上のカッタユニットctとの距離、及び搬送モータM1の回転速度に基づいてカットタイミングを設定し、タイマによる計時に基づいて、現時刻がカットタイミングになると、カッタモータM2を駆動して用紙Pをカットする。なお、用紙Pがカットされている間、搬送処理部Pr1は、搬送モータM1の駆動を停止させ、用紙Pの搬送を停止させる。
【0083】
また、画像形成処理部Pr1は、用紙位置算出部Pr4によって算出された用紙Pの位置を基準位置とし、該基準位置に基づいて用紙P上に書出位置を設定する。
【0084】
続いて、画像形成処理部Pr1は、前記書出位置と用紙搬送路Rt1上の画像形成ユニット12Yの感光体ドラム13との間の距離、及び搬送モータM1の回転速度に基づいて書出タイミングを設定し、タイマによる計時に基づいて、現時刻が書出タイミングになると、感光体ドラム13に形成されたトナー像を用紙Pに転写し、画像の書出しを開始する。
【0085】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 用紙設定部Pr6は用紙Pを設定する。
ステップS2 センサ設定部Pr7は光学センサ23の機能を設定する。
ステップS3 センサ設定部Pr7は光学センサ23の機能が変更されたかどうかを判断する。光学センサ23の機能が変更された場合はステップS4に進み、光学センサ23の機能が変更されなかった場合は処理を終了する。
ステップS4 センサ設定部Pr7は操作者に光学センサ23の受光部95の位置を変更するよう促す。
ステップS5 給紙判断部Pr3は繰出リールにロール紙がセットされたかどうかを判断する。繰出リールにロール紙がセットされた場合はステップS6に進み、繰出リールにロール紙がセットされなかった場合はステップS4に戻る。
ステップS6 センサ判定部Pr8は光学センサ23が透過型センサとして機能させられているかどうかを判断する。光学センサ23が透過型センサとして機能させられている場合はステップS7に進み、光学センサ23が透過型センサとして機能させられていない場合はステップS12に進む。
ステップS7 センサ判定部Pr8はセンサ出力ηを読み込む。
ステップS8 センサ判定部Pr8は光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1以上であるかどうかを判断する。光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1以上である場合はステップS9に進み、光学センサ23のセンサ出力ηが第1の閾値α1より小さい場合はステップS11に進む。
ステップS9 センサ判定部Pr8は光学センサ23の配設状態が良好であると判断する。
ステップS10 センサ判定部Pr8は表示部85へのメッセージの表示を停止させ、処理を終了する。
ステップS11 センサ判定部Pr8は光学センサ23の配設状態が良好でないと判断し、ステップS4に戻る。
ステップS12 センサ判定部Pr8はセンサ出力ηを読み込む。
ステップS13 センサ判定部Pr8は光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2以下であるかどうかを判断する。光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2以下である場合はステップS9に進み、光学センサ23のセンサ出力ηが第2の閾値α2より大きい場合はステップS14に進む。
ステップS14 センサ判定部Pr8は光学センサ23の配設状態が良好でないと判断し、ステップS4に戻る。
【0086】
このように、本実施の形態においては、用紙設定部Pr6によって設定された用紙Pに応じて光学センサ23の機能が変更された場合に、センサ設定部Pr7が、操作者に光学センサ23の配設状態を変更するよう促すとともに、画像形成処理部Pr1に画像の形成の受付けを停止させる指示を送り、センサ判定部Pr8が、光学センサ23の機能の設定内容及び光学センサ23のセンサ出力ηに基づいて、光学センサ23の配設状態が良好であるかどうかを判断し、光学センサ23の配設状態が良好である場合、画像形成処理部Pr1に画像の形成を開始させる指示を送り、光学センサ23の配設状態が良好でない場合、センサ設定部Pr7に、操作者に光学センサ23の配設状態を変更するように継続して促させる指示を送るので、用紙Pの種類に係わらず用紙Pを確実に検出することができる。
【0087】
また、光学センサ23の配設状態が良好でない場合に、光学センサ23の配設状態が良好になるまで、センサ設定部Pr7が操作者に光学センサ23の配設状態を変更するよう促すので、光学センサ23の配設状態が変更されることなく画像の形成が行われるのを防止することができる。
【0088】
したがって、画像の形成を行う際に、用紙Pの検出に伴ってジャムが発生することがなく、用紙Pが無用に消費されるのを防止することができる。
【0089】
本実施の形態においては、フィーダユニットFdに配設された繰出リールにセットされたロール紙から長尺状の用紙が繰り出されるようになっているが、媒体として普通紙等の用紙を使用することもできる。その場合、操作者が操作部84を操作して用紙を指定すると、用紙設定部Pr6は、指定された用紙を画像の形成に使用される用紙として設定する。また、操作者が操作部84を操作して各用紙が収容されたトレイを指定すると、用紙設定部Pr6が指定されたトレイに収容された用紙を画像の形成に使用される用紙として設定するようにすることもできる。さらに、用紙設定部Pr6は、用紙の種類を判別するための各種のセンサのセンサ出力に基づいて、画像の形成に使用される用紙を設定することもできる。
【0090】
また、本実施の形態においては、用紙位置算出部Pr4が、光学センサ23が用紙Pに設定された指標を検出したときのセンサ出力ηに基づいて用紙Pの位置を算出するようになっているが、メカセンサ等の読取り値に基づいて用紙Pの位置を算出することもできる。
【0091】
前記実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0092】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0093】
10 プリンタ
23 光学センサ
Fd フィーダユニット
P 用紙
Pr1 画像形成処理部
Pr6 用紙設定部
Pr7 センサ設定部
Pr8 センサ判定部
η センサ出力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13