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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20231003BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20231003BHJP
   H01R 13/516 20060101ALI20231003BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20231003BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/52 301E
H01R13/516
H01R13/6581
H01R13/52 301A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020031039
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021136135
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡安 恭志
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-250995(JP,A)
【文献】特開2010-170778(JP,A)
【文献】特開2017-004806(JP,A)
【文献】国際公開第2007/000814(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/40-13/533
H01R13/56-13/72
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側端子が電気的に接続される板状の接続部を有する端子と、
前記端子に電気的に接続された電線と、
前記接続部を露出させつつ前記端子の一部を埋設して前記端子を保持するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの外側を覆うシールドシェルと
を備え、
前記コネクタハウジングは、前記端子と前記電線との接続部分を埋設し前記電線が引き出された本体部と、前記本体部から突出した端子保持部とを有し、
前記接続部は、前記端子保持部から前記コネクタハウジングの外部に突出し、
前記シールドシェルは、前記本体部を収容する収容空間を規定する壁と、前記壁に設けられ前記収容空間と前記シールドシェルの外部とを連通し前記接続部を前記シールドシェルの外部に露出させる露出口とを有し、
前記接続部の板厚方向を第1方向とすると、前記収容空間における前記第1方向の幅は、前記本体部における前記第1方向の幅より広くなっており、
前記端子保持部からの前記接続部の突出方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とし、更に、前記第3方向のうち前記第1方向と垂直且つ前記第2方向と垂直な方向を第4方向とすると、
前記第2方向から見て、前記収容空間における前記第1方向の幅は、前記収容空間における前記第4方向の一端である第1端から前記収容空間における前記第4方向の他端である第2端に向かうにつれて単調増加しており、
前記本体部における前記第1方向の幅は、前記収容空間で前記第1端側に位置する前記本体部の前記第4方向の一端部において最大であるコネクタ。
【請求項2】
前記端子保持部からの前記接続部の突出方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とし、更に、前記第3方向のうち前記第1方向と垂直且つ前記第2方向と垂直な方向を第4方向とすると、
前記収容空間における前記第4方向の幅は、前記本体部における前記第4方向の幅より広い請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記収容空間に配置され、前記壁の内壁面と前記本体部の外壁面との間をシールする環状のシール部材を備えた請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
相手側端子が電気的に接続される板状の接続部を有する端子と、
前記端子に電気的に接続された電線と、
前記接続部を露出させつつ前記端子の一部を埋設して前記端子を保持するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの外側を覆うシールドシェルと
を備え、
前記コネクタハウジングは、前記端子と前記電線との接続部分を埋設し前記電線が引き出された本体部と、前記本体部から突出した端子保持部とを有し、
前記接続部は、前記端子保持部から前記コネクタハウジングの外部に突出し、
前記シールドシェルは、前記本体部を収容する収容空間を規定する壁と、前記壁に設けられ前記収容空間と前記シールドシェルの外部とを連通し前記接続部を前記シールドシェルの外部に露出させる露出口とを有し、
前記接続部の板厚方向を第1方向とすると、前記収容空間における前記第1方向の幅は、前記本体部における前記第1方向の幅より広くなっており、
前記収容空間に配置され、前記壁の内壁面と前記本体部の外壁面との間をシールする環状のシール部材を備えており、
前記壁は、前記収容空間から前記収容空間の外部に前記電線を引き出すための電線挿通孔を有し、
前記シール部材は、前記収容空間で前記露出口と前記電線挿通孔との間に配置され、
前記本体部の外壁面における前記電線が引き出された箇所は、前記シール部材と前記電線挿通孔との間に配置されているコネクタ。
【請求項5】
前記端子を2つ備え、
前記端子保持部からの前記接続部の突出方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とすると、
2つの前記端子の前記接続部は、前記第3方向に並び、
前記電線は、前記本体部から前記第3方向に沿って引き出されている請求項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シール部材は、前記第3方向には、前記接続部と、前記本体部における前記電線が引き出された前記第3方向の端面との間に配置されて、前記第3方向と交差する方向に沿って延びている請求項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記壁は、前記収容空間から前記収容空間の外部に前記電線を引き出すための電線挿通孔を有するとともに、前記電線挿通孔の貫通方向に前記電線挿通孔と対向する対向壁を含み、
前記対向壁は、前記壁における前記対向壁以外の部分と別体である請求項1から請求項の何れか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される機器を収容したケースに装着されるコネクタには、例えば特許文献1に記載されているように、端子と、端子を保持するコネクタハウジングと、コネクタハウジングの外側を覆うシールドシェルとを備えたものがある。端子は、コネクタをケースに装着する際に、機器に備えられた相手側端子に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-226948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコネクタを小型化しようとする場合、例えば、コネクタハウジングを、端子の一部を埋設することにより当該端子を保持する構成とすることが考えられる。この場合、コネクタハウジングに対して端子が相対的に移動し難くなるため、端子と当該端子が接続される相手側端子との間の寸法公差を、コネクタハウジングと端子との相対移動によって吸収することが困難になることが懸念される。従って、端子を保持するためにコネクタハウジングが同端子の一部を埋設する構成の場合、端子と、当該端子が接続される相手側端子との間の寸法公差をどのように吸収するかという課題が生じる。
【0005】
本開示の目的は、端子と当該端子が接続される相手側端子との間の寸法公差を吸収できるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、相手側端子が電気的に接続される板状の接続部を有する端子と、前記端子に電気的に接続された電線と、前記接続部を露出させつつ前記端子の一部を埋設して前記端子を保持するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの外側を覆うシールドシェルとを備え、前記コネクタハウジングは、前記端子と前記電線との接続部分を埋設し前記電線が引き出された本体部と、前記本体部から突出した端子保持部とを有し、前記接続部は、前記端子保持部から前記コネクタハウジングの外部に突出し、前記シールドシェルは、前記本体部を収容する収容空間を規定する壁と、前記壁に設けられ前記収容空間と前記シールドシェルの外部とを連通し前記接続部を前記シールドシェルの外部に露出させる露出口とを有し、前記接続部の板厚方向を第1方向とすると、前記収容空間における前記第1方向の幅は、前記本体部における前記第1方向の幅より広いコネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコネクタによれば、端子と当該端子が接続される相手側端子との間の寸法公差を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態におけるコネクタとケースとの分解斜視図である。
図2図2は、一実施形態におけるケースに装着されたコネクタの側面図である。
図3図3は、一実施形態におけるコネクタの斜視図である。
図4図4は、一実施形態におけるコネクタの分解斜視図である。
図5図5は、一実施形態における端子を保持したコネクタハウジングの斜視図である。
図6図6は、一実施形態における端子を保持したコネクタハウジングを模式的に示す斜視図である。
図7図7は、一実施形態におけるコネクタの断面図である。
図8図8は、一実施形態における別体部を除くコネクタの側面図である。
図9図9は、一実施形態における端子を保持したコネクタハウジングを模式的に示す平面図である。
図10図10は、一実施形態における端子を保持したコネクタハウジングを模式的に示す側面図である。
図11図11は、一実施形態における端子を保持したコネクタハウジングを模式的に示す正面図である。
図12図12は、一実施形態におけるコネクタの斜視図である。
図13図13は、一実施形態におけるコネクタの正面図である。
図14図14は、一実施形態におけるシェル本体部の正面図である。
図15図15は、一実施形態におけるシェル本体部の側面図である。
図16図16は、一実施形態におけるシェル本体部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)相手側端子が電気的に接続される板状の接続部を有する端子と、前記端子に電気的に接続された電線と、前記接続部を露出させつつ前記端子の一部を埋設して前記端子を保持するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの外側を覆うシールドシェルとを備え、前記コネクタハウジングは、前記端子と前記電線との接続部分を埋設し前記電線が引き出された本体部と、前記本体部から突出した端子保持部とを有し、前記接続部は、前記端子保持部から前記コネクタハウジングの外部に突出し、前記シールドシェルは、前記本体部を収容する収容空間を規定する壁と、前記壁に設けられ前記収容空間と前記シールドシェルの外部とを連通し前記接続部を前記シールドシェルの外部に露出させる露出口とを有し、前記接続部の板厚方向を第1方向とすると、前記収容空間における前記第1方向の幅は、前記本体部における前記第1方向の幅より広いコネクタである。
【0010】
上記態様によれば、第1方向において、収容空間を規定する壁の内壁面と本体部の外壁面との間に隙間が形成される。そのため、本体部は、シールドシェルに対して第1方向に相対移動可能である。従って、収容空間内で本体部が端子と一体的にシールドシェルに対して第1方向に相対移動することにより、端子の接続部と当該接続部が接続される相手側端子との間の第1方向の寸法公差を吸収可能になる。
【0011】
(2)前記端子保持部からの前記接続部の突出方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とし、更に、前記第3方向のうち前記第1方向と垂直且つ前記第2方向と垂直な方向を第4方向とすると、前記第2方向から見て、前記収容空間における前記第1方向の幅は、前記収容空間における前記第4方向の一端である第1端から前記収容空間における前記第4方向の他端である第2端に向かうにつれて単調増加しており、前記本体部における前記第1方向の幅は、前記収容空間で前記第1端側に位置する前記本体部の前記第4方向の一端部において最大であることが好ましい。
【0012】
上記態様によれば、第4方向に沿って収容空間の第1端から第2端に向かうにつれて収容空間を規定する壁の内壁面と本体部の外壁面との間の第1方向の隙間が大きくなる。
(3)前記端子保持部からの前記接続部の突出方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とし、更に、前記第3方向のうち前記第1方向と垂直且つ前記第2方向と垂直な方向を第4方向とすると、前記収容空間における前記第4方向の幅は、前記本体部における前記第4方向の幅より広いことが好ましい。
【0013】
上記態様によれば、第4方向において、収容空間を規定する壁の内壁面と本体部の外壁面との間に隙間が形成される。そのため、本体部は、シールドシェルに対して第4方向にも相対移動可能になる。従って、収容空間内で本体部が端子と一体的にシールドシェルに対して第4方向に相対移動することにより、端子の接続部と当該接続部が接続される相手側端子との間の寸法公差を第4方向においても吸収可能になる。
【0014】
(4)前記収容空間に配置され、前記壁の内壁面と前記本体部の外壁面との間をシールする環状のシール部材を備えたことが好ましい。
上記態様によれば、本体部は、収容空間を規定する壁の内壁面と本体部の外壁面との間に形成された隙間の範囲内でシール部材を支点として収容空間内でシールドシェルに対して相対移動することになる。従って、シールドシェルに対して端子が相対移動する方向を、シール部材によって制限できる。
【0015】
(5)前記壁は、前記収容空間から前記収容空間の外部に前記電線を引き出すための電線挿通孔を有し、前記シール部材は、前記収容空間で前記露出口と前記電線挿通孔との間に配置され、前記本体部の外壁面における前記電線が引き出された箇所は、前記シール部材と前記電線挿通孔との間に配置されていることが好ましい。
【0016】
上記態様によれば、露出口から収容空間に浸入した液体が、本体部から引き出された電線に至ることを、シール部材によって抑制できる。
(6)前記端子を2つ備え、前記端子保持部からの前記接続部の突出方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とすると、2つの前記端子の前記接続部は、前記第3方向に並び、前記電線は、前記本体部から前記第3方向に沿って引き出されていることが好ましい。
【0017】
上記態様によれば、2つの端子の接続部が並ぶ方向と、本体部から電線が引き出される方向とが同じ方向である。更に、本体部から電線が引き出される方向は、第2方向と交差する方向である。従って、本体部から電線が第2方向に沿って引き出される場合に比べて、第2方向における本体部の小型化が可能になる。
【0018】
(7)前記シール部材は、前記第3方向には、前記接続部と、前記本体部における前記電線が引き出された前記第3方向の端面との間に配置されて、前記第3方向と交差する方向に沿って延びていることが好ましい。
【0019】
上記態様によれば、露出口から収容空間に浸入した液体が本体部から引き出された電線に至ることを抑制するためのシール部材を設けやすくなる。また、シール部材は、接続部よりも、本体部における電線が引き出された第3方向の端面に近い位置に配置されている。従って、収容空間内で本体部がシールドシェルに対して相対移動するときに、本体部から引き出された電線が振られる量を小さく抑えることができる。
【0020】
(8)前記壁は、前記収容空間から前記収容空間の外部に前記電線を引き出すための電線挿通孔を有するとともに、前記電線挿通孔の貫通方向に前記電線挿通孔と対向する対向壁を含み、前記対向壁は、前記壁における前記対向壁以外の部分と別体であることが好ましい。
【0021】
上記態様によれば、壁における対向壁以外の部分は、対向壁が外された状態では、対向壁が配置される部分に収容空間を露出させる開口が形成される。対向壁は、電線挿通孔の貫通方向に同電線挿通孔と対向するものであるため、当該開口は、電線挿通孔と同電線挿通孔の貫通方向に対向する。従って、シールドシェルにコネクタハウジングを組み付ける際に、当該開口から電線を収容空間に挿入していくと、収容空間側から電線挿通孔に容易に電線を挿通することができる。従って、コネクタの組付け性が向上する。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
以下、コネクタの一実施形態について説明する。
図1図3に示す本実施形態のコネクタ30は、自動車の車両に搭載される機器21と図示しないバッテリとを電気的に接続するために用いられるものである。本実施形態では、機器21は、インバータ22である。コネクタ30は、インバータ22を収容する導電性のケース23に装着される。
【0024】
(ケース23)
ケース23は、導電性の金属材料よりなる。ケース23は、インバータ22を収容する箱状をなすケース本体24と、ケース本体24に一体に設けられ同ケース本体24の外部に突出した装着部25とを有する。装着部25は、同装着部25を貫通する装着孔26を有することにより筒状をなしている。装着孔26は、ケース23の内外を連通している。また、装着孔26は、貫通方向から見た形状が長手方向と短手方向とを有する扁平な形状をなしている。
【0025】
ここで、図中のZ方向は、後述する接続部61,71の板厚方向である。順Z方向は、Z方向のうち、接続部61,71からZ方向における後述するシールドシェル36の中央に向かう方向である。逆Z方向は、Z方向のうち、Z方向におけるシールドシェル36の中央から接続部61,71に向かう方向である。また、Y方向は、後述する端子保持部42からの接続部61,71の突出方向である。順Y方向は、Y方向のうち、接続部61,71の基端から先端に向かう方向である。逆Y方向は、Y方向のうち、接続部61,71の先端から基端に向かう方向である。なお、接続部61,71の基端は、端子保持部42からの接続部61,71の突出方向における同接続部61,71の両端のうち、端子保持部42に近い方の端部である。また、接続部61,71の先端は、端子保持部42からの接続部61,71の突出方向における同接続部61,71の両端のうち、端子保持部42から遠い方の端部である。本実施形態では、Y方向は、Z方向と垂直に交差している。また、X方向は、Z方向と交差し且つY方向と交差する方向である。図7に示すように、順X方向は、X方向のうち、後述する電線挿通孔135,136を介してシールドシェル36の外部から後述する収容空間120に向かう方向である。逆X方向は、X方向のうち、電線挿通孔135,136を介して収容空間120からシールドシェル36の外部に向かう方向である。本実施形態では、X方向は、Z方向と垂直に交差するとともに、Y方向と垂直に交差している。
【0026】
なお、Z方向は、[本開示の実施形態の説明]における「第1方向」に該当する。また、Y方向は、[本開示の実施形態の説明]における「第2方向」に該当する。また、X方向は、[本開示の実施形態の説明]における「第4方向」に該当する。また、Z方向と交差し且つY方向と交差するX方向は、[本開示の実施形態の説明]における、第1方向と交差し且つ第2方向と交差する「第3方向」の一例に該当する。つまり、Z方向及びY方向に延びる平面と交差する方向は、[本開示の実施形態の説明]における「第3方向」に該当する。なお、図中では、順Z方向、順Y方向及び順X方向を矢印にて図示している。
【0027】
図1及び図2に示すように、コネクタ30は、装着部25の姿勢に応じて任意の向きでケース23に対して装着可能であるが、本実施形態では、装着孔26の貫通方向を前後方向としてコネクタ30の説明をする。図1において、Y方向は、装着孔26の貫通方向と一致している。そして、装着孔26の外側開口部から内側開口部に向かう方向は順Y方向に概ね一致している。また、装着孔26の内側開口部から外側開口部に向かう方向は逆Y方向に概ね一致している。即ち、装着孔26の外側開口部側が後方側、内側開口部側が前方側である。また、X方向は、装着孔26の貫通方向と垂直をなし且つ装着孔26の長手方向に沿った方向に概ね一致している。そして、装着孔26を同装着孔26の外側開口部側から見た場合の右方向は順X方向に概ね一致している。また、同場合の左方向は逆X方向に概ね一致している。更に、Z方向は、装着孔26の貫通方向と垂直をなし且つ装着孔26の短手方向に沿った方向に概ね一致している。そして、上方向は順Z方向に概ね一致している。また、下方向は逆Z方向に概ね一致している。以下、コネクタ30について方向を述べる際には、Y方向、X方向及びZ方向を使用する。
【0028】
装着部25の先端面には、装着孔26の外側開口部の周縁に沿って延びる挿入部27が設けられている。挿入部27は、装着部25に一体に形成されている。挿入部27は、装着部25の先端面から逆Y方向に突出するとともに環状をなしている。
【0029】
ケース23は、コネクタ30をケース23に固定するための固定穴28を有する。本実施形態では、ケース23は2つの固定穴28を有する。2つの固定穴28は、装着部25に形成されている。2つの固定穴28は、装着部25の上面から逆Z方向に凹設されている。また、2つの固定穴28は、装着孔26の貫通方向から見て、装着孔26の上方で装着孔26のX方向の両側に設けられている。各固定穴28は、雌ねじ穴である。
【0030】
(コネクタ30の構成)
図3及び図4に示すように、コネクタ30は、機器21に電気的に接続される複数の端子31,32と、端子31,32に電気的に接続された電線33,34と、端子31,32を保持するコネクタハウジング35と、コネクタハウジング35の外側を覆うシールドシェル36とを備えている。
【0031】
(コネクタハウジング35の構成)
図5に示すように、コネクタハウジング35は、本体部41と、本体部41から突出した端子保持部42とを有する。コネクタハウジング35は、絶縁性の樹脂材料よりなる。コネクタハウジング35の樹脂材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT:polybutylene terephthalate)を用いることができる。また、コネクタハウジング35の樹脂材料は、ガラスファイバー等のフィラーを含むものであってもよい。本体部41と端子保持部42とは一体に形成されている。
【0032】
本体部41は、Y方向から見た形状が矩形状をなしている。なお、「矩形状」をなすとは、厳密な矩形状でなくともよく、Y方向から見た本体部41の外径が略矩形状をなしていればよい。即ち、Y方向から見た本体部41の外形は、何れかの辺に凹凸が形成されていたり、何れかの辺が緩やかに湾曲していたり、交差する辺同士が直角をなしていなくても、矩形状をなしているものとする。
【0033】
本実施形態では、本体部41は、Y方向から見てX方向に長い長方形状をなしている。本体部41は、保持部43と、保持部43に一体に形成された2つの電線保持部44,45とを有する。保持部43は、Y方向から見た外形が矩形状をなしている。保持部43における逆X方向の端部から電線保持部44,45がX方向に沿って突出している。2つの電線保持部44,45は、Z方向に並んでいる。各電線保持部44,45は、X方向に延びる円筒状をなしている。2つの電線保持部44,45の逆X方向の先端面は、X方向と垂直をなすとともに、X方向の位置が互いに等しい。
【0034】
各電線保持部44,45の外周面には、第1シール溝46,47が凹設されている。第1シール溝46は、電線保持部44の外周を囲むように同電線保持部44の全周にわたって同電線保持部44の周方向に沿って延びる環状をなしている。第1シール溝47は、電線保持部45の外周を囲むように同電線保持部45の全周にわたって同電線保持部45の周方向に沿って延びる環状をなしている。第1シール溝46,47は、Y方向から見てZ方向に沿って延びるとともに、Z方向から見てY方向に沿って延びている。
【0035】
図4及び図7に示すように、各第1シール溝46,47には、それぞれ電線側シール部材48,49が配置されている。電線側シール部材48,49は、弾性を有し電線保持部44,45の外周面に液密に密着可能な樹脂材料よりなる。また、電線側シール部材48,49は、環状をなしている。本実施形態では、電線側シール部材48,49は、ゴムリングである。電線側シール部材48は、電線保持部44に外挿されて第1シール溝46内に配置されている。そして、電線側シール部材48は、第1シール溝46の内側面によってコネクタハウジング35に対するX方向の位置決めがなされる。また、電線側シール部材49は、電線保持部45に外挿されて第1シール溝47内に配置されている。そして、電線側シール部材49は、第1シール溝47の内側面によってコネクタハウジング35に対するX方向の位置決めがなされる。電線側シール部材48,49は、Y方向から見てZ方向に沿って延びるとともに、Z方向から見てY方向に沿って延びている。なお、電線側シール部材48,49は、「シール部材」に該当する。
【0036】
図5及び図7に示すように、本体部41は、Z方向の幅が、本体部41における電線保持部44,45側のX方向の端部において最大になっている。本体部41のZ方向の幅の測定にあたっては、本体部41の端部における面取りがなされた部分の幅は無視するものとする。本実施形態では、本体部41におけるZ方向の幅は、電線保持部44,45の逆X方向の先端面と第1シール溝46,47との間の部分における幅D1が最大である。また、本実施形態では、本体部41におけるZ方向の幅は、多少の段差や凹凸はあるもののX方向に沿って略一定である。
【0037】
また、本体部41は、Y方向の幅が、本体部41における電線保持部44,45側のX方向の端部において最大になっている。本体部41のY方向の幅の測定にあたっては、本体部41の端部における面取りがなされた部分の幅は無視するものとする。本実施形態では、本体部41におけるY方向の幅は、電線保持部44,45の逆X方向の先端面と第1シール溝46,47との間の部分における幅D2が最大である。
【0038】
図5及び図8に示すように、端子保持部42は、本体部41の前面から順Y方向に突出している。詳しくは、端子保持部42は、本体部41の前面における下端部寄りの位置であって、本体部41の前面における電線保持部44,45と反対側のX方向の端部寄りの位置に一体に設けられている。端子保持部42は、本体部41の前面から順Y方向に突出したフランジ部51と、フランジ部51から順Y方向に更に突出した支持部52とを有する。フランジ部51と支持部52とは一体に形成されている。
【0039】
フランジ部51は、Y方向が厚さ方向となる板状をなしている。フランジ部51は、本体部41の前面における下端部寄り且つ、本体部41の前面における電線保持部44,45と反対側のX方向の端部寄りの部分を覆っている。また、フランジ部51の下端部は、本体部41よりも下方に、即ち逆Z方向に突出している。フランジ部51における順X方向の端は、本体部41における順X方向の端とX方向の位置が等しい。一方、フランジ部51における逆X方向の端は、本体部41における逆X方向の端よりも本体部41のX方向の中央寄りの位置にある。また、フランジ部51における逆X方向の端部は、Y方向から見て円弧状をなしている。
【0040】
支持部52は、フランジ部51の中央部から順Y方向に突出した略柱状をなしている。支持部52は、Y方向に見て、直交する2方向の長さが異なる形状、即ち長手方向と短手方向とを有する形状をなしている。本実施形態では、支持部52は、X方向が長手方向、Y方向が短手方向となる形状をなしている。そして、支持部52は、Y方向から見てX方向に長いトラック形状、即ち角丸長方形状をなしている。支持部52の下端は、本体部41の下端よりも下方に位置する。また、Y方向から見て、支持部52は、保持部43のX方向の両端の間に納まっている。
【0041】
支持部52の外周面には、第2シール溝53が凹設されている。第2シール溝53は、支持部52の外周を囲むように同支持部52の全周にわたって延びる環状をなしている。第2シール溝53は、X方向から見てZ方向に沿って延びるとともに、Z方向から見てY方向に沿って延びている。
【0042】
第2シール溝53には、ケース側シール部材54が配置されている。ケース側シール部材54は、弾性を有し支持部52の外周面に液密に密着可能な樹脂材料よりなる。また、ケース側シール部材54は環状をなしている。本実施形態では、ケース側シール部材54はゴムリングである。ケース側シール部材54は、支持部52に外挿されて第2シール溝53内に配置されている。そして、ケース側シール部材54は、第2シール溝53の内側面によってコネクタハウジング35に対するY方向の位置決めがなされる。
【0043】
(端子31,32の構成)
図5及び図6に示すように、コネクタハウジング35は、第1端子31と第2端子32との2つの端子を保持している。なお、図6及び図9図11では、コネクタハウジング35を二点鎖線で仮想的に図示するとともに、コネクタハウジング35の外形を簡略化して模式的に図示している。第1端子31及び第2端子32は、導電性の金属材料よりなる。第1端子31及び第2端子32の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属を用いることができる。なお、本実施形態では、第1端子31及び第2端子32は、銅もしくは銅合金よりなる板材にプレス加工を施して形成されている。
【0044】
図6及び図9図11に示すように、第1端子31は、インバータ22に備えられた相手側端子201に電気的に接続される第1接続部61と、第1電線33が電気的に接続される第1電線接続部62と、第1接続部61と第1電線接続部62とを連結する第1連結部63とを有する。本実施形態では、第1端子31の一端部に第1接続部61が設けられるとともに、第1端子31の他端部に第1電線接続部62が設けられている。コネクタハウジング35は、第1電線接続部62及び第1連結部63を内部に埋設することにより、第1接続部61をコネクタハウジング35の外部に露出させた状態で第1端子31を保持している。即ち、第1端子31は、コネクタハウジング35にインサート成形されている。
【0045】
第1接続部61は、板状をなしている。第1接続部61は、端子保持部42の支持部52の先端面からY方向に沿ってコネクタハウジング35の外部に突出している。本実施形態では、第1接続部61の突出方向は順Y方向である。因みに、第1端子31において、相手側端子201に電気的に接続されるためにコネクタハウジング35から同コネクタハウジング35の外部に突出した部分が第1接続部61である。第1接続部61は、板厚方向がZ方向に沿うように端子保持部42にて保持されている。支持部52の先端面から突出した第1接続部61の先端部には、第1接続部61を板厚方向に貫通した第1接続孔64が形成されている。
【0046】
第1端子31は、第1接続部61と第1電線接続部62との間に同第1端子31が折り曲げられた屈曲部65を有する。即ち、屈曲部65は、第1連結部63に設けられている。屈曲部65は、第1端子31を構成する金属板材を曲げ加工等により塑性変形させて形成された部分である。第1端子31は、屈曲部65を有することにより、第1端子31における屈曲部65よりも第1電線接続部62側の部分が、第1端子31における屈曲部65よりも第1接続部61側の部分に対して異なる方向に延びている。詳しくは、第1端子31における第1接続部61側の端部から屈曲部65までの部分は、Y方向に沿って延びるとともに、板厚方向がZ方向に沿っている。そして、第1端子31における屈曲部65の両側の部分のうち第1接続部61が含まれない部分、即ち第1端子31における屈曲部65から第1電線接続部62側の端部までの部分は、Z方向に沿って延びるとともに、板厚方向がY方向に沿っている。このため、第1端子31における第1接続部61側の端部から屈曲部65までの部分に対して、第1端子31における屈曲部65から第1電線接続部62側の端部までの部分は、垂直をなしている。
【0047】
屈曲部65は、コネクタハウジング35の内部に埋設されている。そして、第1端子31における屈曲部65から第1電線接続部62側の端部までの部分もコネクタハウジング35の内部に埋設されている。
【0048】
第1電線接続部62は、一対のバレル片66を有する。第1電線接続部62に接続される第1電線33は、芯線81と、芯線81の外周を全周にわたって被覆する絶縁被覆82とを有する。芯線81は、導電性を有する1本の金属線からなる単線であってもよいし、導電性を有する複数の金属線からなる撚線であってもよい。芯線81の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属を用いることができる。本実施形態では、芯線81は、第1端子31の材料と同一の金属材料よりなるものであって、銅もしくは銅合金よりなる。なお、芯線81と第1端子31とは同一の金属材料よりなるものに限定されない。例えば、芯線81と第1端子31とは異なる金属材料よりなるものであってもよい。具体的には、第1端子31が銅もしくは銅合金よりなるものである場合に、芯線81は、銅もしくは銅合金以外の金属材料、例えばアルミニウムもしくはアルミニウム合金よりなるものであってもよい。
【0049】
第1電線33における第1電線接続部62に接続される端部では、絶縁被覆82が除去されて芯線81が露出している。第1電線33の当該端部における芯線81が露出した部分が、一対のバレル片66によって包み込まれてバレル片66と共にかしめられることにより第1電線接続部62に圧着されている。これにより、第1電線33は第1電線接続部62に電気的に接続されている。なお、第1電線33における第1電線接続部62に接続される端部は、第1端子31における屈曲部65から第1電線接続部62側の端部までの平板状の部分に対して、後方側、即ち逆Y方向側に配置されている。第1端子31と第1電線33との電気的な接続部分は、コネクタハウジング35の内部に埋設されている。即ち、コネクタハウジング35は、第1端子31と第1電線33との電気的な接続部分を内側に保持している。
【0050】
第1電線33は、第1電線接続部62からコネクタハウジング35の内部を通ってコネクタハウジング35の外部に引き出されている。本実施形態では、第1電線33は、第1電線接続部62から上側の電線保持部44まで逆X方向に保持部43の内部を延びた後、更に、電線保持部44をX方向に沿って貫通してコネクタハウジング35の外部に引き出されている。即ち、第1電線33は、本体部41からコネクタハウジング35の外部に引き出されている。更に、第1電線33は、X方向に沿ってコネクタハウジング35の外部に引き出されている。
【0051】
第1電線33がコネクタハウジング35から外部に引き出された第1引出位置P1は、電線保持部44の逆X方向の先端面にある。即ち、第1引出位置P1のX方向の位置は、電線保持部44の逆X方向の先端面のX方向の位置と等しい。また、第1引出位置P1のZ方向の位置は、第1電線接続部62のZ方向の位置と等しい。更に、第1引出位置P1のY方向の位置は、第1電線接続部62に接続された第1電線33の端部の位置と略等しい。第1電線33は、コネクタハウジング35の内部では、湾曲されたり屈曲されたりすることなく直線的に第1電線接続部62から第1引出位置P1までX方向に沿って延びている。
【0052】
第2端子32は、インバータ22に備えられた相手側端子202に電気的に接続される第2接続部71と、第2電線34が電気的に接続される第2電線接続部72と、第2接続部71と第2電線接続部72とを連結する第2連結部73とを有する。本実施形態では、第2端子32の一端部に第2接続部71が設けられるとともに、第2端子32の他端部に第2電線接続部72が設けられている。コネクタハウジング35は、第2電線接続部72及び第2連結部73を内部に埋設することにより、第2接続部71をコネクタハウジング35の外部に露出させた状態で第2端子32を保持している。即ち、第2端子32は、コネクタハウジング35にインサート成形されている。第2端子32は、第1端子31とX方向に並んでいる。また、第2端子32は、X方向には、第1接続部61よりも電線保持部44,45側に配置されている。
【0053】
第2接続部71は、第1接続部61と同様の板状をなしている。第2接続部71は、第1接続部61と同様に、端子保持部42の支持部52の先端面からY方向に沿ってコネクタハウジング35の外部に突出している。第2接続部71は、コネクタハウジング35からの突出方向が第1接続部61と同じである。本実施形態では、第2接続部71の突出方向は順Y方向である。因みに、第2端子32において、相手側端子202に電気的に接続されるためにコネクタハウジング35から同コネクタハウジング35の外部に突出した部分が第2接続部71である。第2接続部71は、板厚方向がZ方向に沿うように端子保持部42にて保持されている。支持部52の先端面から突出した第2接続部71の先端部には、第2接続部71を板厚方向に貫通した第2接続孔74が形成されている。
【0054】
コネクタ30において、第2接続部71のZ方向の位置は、第1接続部61のZ方向の位置と同じである。そして、第1接続部61と第2接続部71とは、X方向に並んでいる。第1接続部61は、X方向においては、第2接続部71よりも第1引出位置P1から遠い位置に配置されている。
【0055】
第2連結部73は、第2接続部71と同様に板厚方向がZ方向に沿った平板状をなしている。第2連結部73は、第2接続部71のZ方向の位置を第1接続部61のZ方向の位置に合わせるための段差部75を有する。段差部75は、第2連結部73における第2接続部71側の端部に設けられている。第2連結部73が段差部75を有することにより、第2連結部73における段差部75よりも第2接続部71側の部分が、第2連結部73における段差部75よりも第2電線接続部72側の部分よりも僅かに上方に位置する。なお、第2連結部73において、段差部75の両側の部分におけるZ方向の位置の差は、第2端子32の板厚の範囲内の値である。本明細書では、端子について、段差部75のような多少の段差を有する場合も、平板状をなすとみなすものとする。
【0056】
第2端子32は、第2接続部71と第2電線接続部72との間に、第2端子32の延びる方向を変化させる方向変換部76を有する。即ち、方向変換部76は、第2連結部73に設けられている。方向変換部76は、屈曲部65とは異なり、方向変換部76の両側で板厚方向を変化させることなく第2端子32の延びる方向を変化させるものである。そして、方向変換部76は、第2端子32における方向変換部76よりも第2電線接続部72側の部分が、端子保持部42からの第2接続部71の突出方向に対して交差する方向に延びるように第2端子32の延びる方向を変化させる部分である。従って、本実施形態では、第2端子32における方向変換部76から第2接続部71側の端部までの部分は、順Y方向に沿って延びるとともに、板厚方向がZ方向に沿っている。更に、第2端子32における方向変換部76から第2電線接続部72側の端部までの部分は、順Y方向と垂直に交差するX方向に沿って延びるとともに、板厚方向がZ方向に沿っている。そして、Z方向から見て、第2端子32における第2接続部71側の端部から方向変換部76までの部分に対して、第2端子32における方向変換部76から第2電線接続部72側の端部までの部分は、垂直をなしている。なお、方向変換部76は、曲げ加工等により塑性変形されて形成されるのではなく、例えば、第2端子32を形成するためにプレス加工により金属板材を所定の形状に打ち抜く際に形成される。
【0057】
方向変換部76は、コネクタハウジング35の内部に埋設されている。そして、第2端子32における方向変換部76から第2電線接続部72側の端部までの部分もコネクタハウジング35の内部に埋設されている。
【0058】
第2電線接続部72は、一対のバレル片77を有する。なお、第2端子32は、バレル片77を除いて全体として板厚方向がZ方向に沿った平板状をなしている。第2電線接続部72に接続される第2電線34は、第1電線33と同様の芯線81及び絶縁被覆82を有する。本実施形態では、第2電線34の芯線81は、第2端子32の材料と同一の金属材料よりなるものであって、銅もしくは銅合金よりなる。なお、第2電線34の芯線81と第2端子32とは同一の金属材料よりなるものに限定されない。例えば、第2電線34の芯線81と第2端子32とは異なる金属材料よりなるものであってもよい。具体的には、第2端子32が銅もしくは銅合金よりなるものである場合に、第2電線34の芯線81は、銅もしくは銅合金以外の金属材料、例えばアルミニウムもしくはアルミニウム合金よりなるものであってもよい。
【0059】
第2電線34における第2電線接続部72に接続される端部では、絶縁被覆82が除去されて芯線81が露出している。第2電線34の当該端部における芯線81が露出した部分が、一対のバレル片77によって包み込まれてバレル片77と共にかしめられることにより第2電線接続部72に圧着されている。これにより、第2電線34は第2電線接続部72に電気的に接続されている。なお、第2電線34おける第2電線接続部72に接続される端部は、第2端子32におけるバレル片77を除く平板状の部分に対して、上側、即ち順Z方向側に配置されている。第2端子32と第2電線34との電気的な接続部分は、コネクタハウジング35の内部に埋設されている。即ち、コネクタハウジング35は、第2端子32と第2電線34との電気的な接続部分を内側に保持している。
【0060】
第2電線接続部72は、Y方向の位置が第1電線接続部62と同じである。更に、X方向から見て、第2電線接続部72は、第1電線接続部62とZ方向に並んでいる。また、第2電線接続部72は、X方向の位置が第1電線接続部62よりもコネクタハウジング35における電線保持部44,45側のX方向の端部に近い位置に配置されている。そして、第2電線接続部72は、保持部43と電線保持部45とに跨って埋設されている。
【0061】
第2電線34は、第2電線接続部72からコネクタハウジング35の内部を通ってコネクタハウジング35の外部に引き出されている。本実施形態では、第2電線34は、第2電線接続部72から下側の電線保持部45内を逆X方向に延びた後、同第2電線接続部72の逆X方向の先端面からコネクタハウジング35の外部に引き出されている。即ち、第2電線34は、本体部41からコネクタハウジング35の外部に引き出されている。更に、第2電線34は、第1電線33と同様にX方向に沿ってコネクタハウジング35の外部に引き出されている。
【0062】
第2電線34がコネクタハウジング35から外部に引き出された第2引出位置P2は、電線保持部45の逆X方向の先端面にある。即ち、第2引出位置P2のX方向の位置は、電線保持部45の逆X方向の先端面のX方向の位置と等しい。また、第2引出位置P2のZ方向の位置は、第2電線接続部72のZ方向の位置と等しい。更に、第2引出位置P2のY方向の位置は、第2電線接続部72に接続された第2電線34の端部のY方向の位置と略等しい。そして、第2電線34は、コネクタハウジング35の内部では、湾曲されたり屈曲されたりすることなく直線的に第2電線接続部72から第2引出位置P2までX方向に沿って延びている。
【0063】
第1引出位置P1と第2引出位置P2とは、Y方向の位置が等しい。更に、第1引出位置P1と第2引出位置P2とは、X方向の位置が等しい。そして、第1引出位置P1と第2引出位置P2とは、Y方向と垂直に交差するZ方向に沿って並んでいる。第2引出位置P2は、第1引出位置P1の下方、即ち第1引出位置P1に対して逆Z方向側に位置する。
【0064】
また、第1電線33と第2電線34とは、コネクタハウジング35の内部でZ方向に並ぶとともに、同コネクタハウジング35の内部で平行に延びている。第1電線接続部62は、第2電線接続部72よりもX方向に引出位置P1,P2から離れた位置に配置されているため、第1引出位置P1と第1電線接続部62との間のX方向の距離は、第2引出位置P2と第2電線接続部72との間のX方向の距離よりも長い。即ち、第1端子31及び第2端子32のうち引出位置P1,P2から遠い方の第1端子31に接続された第1電線33におけるコネクタハウジング35の内部に埋設された部分の長さL1は、引出位置P1,P2に近い方の第2端子32に接続された第2電線34におけるコネクタハウジング35の内部に埋設された部分の長さL2よりも長い。
【0065】
(シールドシェル36の構成)
図4及び図12に示すように、シールドシェル36は、シェル本体部91と、シェル本体部91とは別体で設けられ同シェル本体部91に取り付けられる別体部92とを有する。シェル本体部91及び別体部92は、何れも導電性の金属材料よりなる。シェル本体部91及び別体部92の材料としては、例えばアルミニウムやアルミニウム合金などを用いることができる。
【0066】
図7図13及び図14に示すように、シェル本体部91は、コネクタハウジング35が内側に配置される配置部101と、配置部101における逆X方向側の端部に設けられた挿通部102と、配置部101に一体に設けられた固定部103とを有する。
【0067】
配置部101は、X方向に延びる略筒状をなす側壁111と、側壁111における逆X方向側の端部を略閉塞する隔壁112とを有する。隔壁112は、板厚方向がX方向に沿った板状をなしている。挿通部102は、側壁111における逆X方向側の端部に一体に設けられている。挿通部102は、側壁111における逆X方向側の端部から側壁111をX方向に沿って延長するように延びる筒状をなしている。側壁111の内部空間と、挿通部102の内部空間とは、隔壁112によってX方向に区画されている。
【0068】
図13及び図14に示すように、側壁111は、配置部101の内部とシールドシェル36の外部とを連通する第1開口部113を有する。第1開口部113は、「露出口」に該当する。第1開口部113は、側壁111における順Y方向側の端部であってケース23側を向く第1壁部111aに形成されている。第1壁部111aは、Y方向と垂直な板状をなしている。第1開口部113は、第1壁部111aにおける挿通部102と反対側のX方向の端部寄りの位置に形成されている。また、第1開口部113は、Z方向には、第1壁部111aにおける逆Z方向側の端部寄りの位置に形成されている。第1開口部113は、第1壁部111aを同第1壁部111aの板厚方向に貫通する孔状をなしている。第1開口部113は、Y方向に開口している。第1開口部113は、同第1開口部113の開口方向であるY方向から見た形状が、フランジ部51の外形よりも一回り大きい形状をなしている。更に、第1開口部113は、Y方向から見て、X方向に長い扁平な形状をなしている。即ち、第1開口部113は、X方向が長手方向、Z方向が短手方向となる形状をなしている。
【0069】
図13図15に示すように、側壁111は、配置部101の内部とシールドシェル36の外部とを連通する第2開口部114を有する。第2開口部114は、側壁111における挿通部102と反対側のX方向の端部に設けられている。ここで、側壁111における挿通部102と反対側のX方向の端部を第1端部115a、同側壁111における挿通部102側のX方向の端部を第2端部115bとする。第2開口部114は、第1開口部113の開口方向であるY方向と垂直に交差するX方向に開口している。また、第2開口部114は、第1開口部113と隣接して繋がっている。本実施形態では、第2開口部114は、第2開口部114における順Y方向側の一端において、第1開口部113における挿通部102と反対側のX方向の端と隣接して繋がっている。このように、第1開口部113は、同第1開口部113における順X方向側の端部において、第2開口部114と連通している。第2開口部114のZ方向の幅は、第1開口部113のZ方向の幅より広い。また、第1開口部113の下端と第2開口部の下端とは、Z方向の位置が等しい。更に、第2開口部114は、X方向から見て、コネクタハウジング35の外形よりも大きい。
【0070】
図12及び図13に示すように、第2開口部114は、別体部92によって覆われている。別体部92は、略四角形の平板状をなしている。別体部92は、側壁111の第1端部115aに固定されることにより、シェル本体部91に固定されて一体化されている。本実施形態では、別体部92は、Z方向の両端部の2箇所がねじ116により側壁111の第1端部115aに固定されている。
【0071】
別体部92は、同別体部92の板厚方向がX方向に沿うようにシェル本体部91に対して固定されている。従って、別体部92はX方向と垂直に延びている。また、別体部92は、第1開口部113の開口方向であるY方向から見て、Z方向に沿って延びている。
【0072】
別体部92は、第1開口部113の環状の内周面の一部を形成している。詳しくは、別体部92は、第1開口部113における挿通部102と反対側のX方向の端部に位置している。そして、別体部92は、第1開口部113の内周面のうち、第1開口部113における挿通部102と反対側のX方向の端部でZ方向に沿って延びる部分を形成している。
【0073】
別体部92は、第1開口部113を拡大する切欠き部117を有する。切欠き部117は、別体部92における順Y方向側の端部に設けられている。切欠き部117は、別体部92の前端部における下端側の部分を後方側に、即ち逆Y方向に凹設した部分である。切欠き部117は、第1開口部113を後方側に、即ち逆Y方向に広げている。第2開口部114に関して言うと、切欠き部117は、第2開口部114の一部を露出させている。
【0074】
図7に示すように、シールドシェル36において、配置部101及び別体部92によって囲まれた空間は、コネクタハウジング35を収容する収容空間120である。そして、側壁111、隔壁112及び別体部92は、収容空間120を規定する壁に該当する。更に、配置部101及び別体部92は、収容空間120を備えた収容部121を形成している。また、別体部92は、「対向壁」に該当する。そして、側壁111及び隔壁112は、「壁における対向壁以外の部分」に該当する。第1開口部113は、収容空間120と収容部121の外部とを連通する。また、コネクタハウジング35は、端子保持部42を第1開口部113からシールドシェル36の外部に突出させて収容空間120に配置されている。
【0075】
図7及び図15に示すように、隔壁112には、別体部92側、即ち順X方向側に開口した挿入凹部131,132が形成されている。挿入凹部131,132は、隔壁112における別体部92側のX方向の端面から挿通部102側に、即ち逆X方向に凹設されている。2つの挿入凹部131,132は、Y方向の位置が等しいとともに、Z方向に並んでいる。挿入凹部132は、挿入凹部131の下方に設けられている。各挿入凹部131,132は、X方向から見た形状が円形状をなしている。挿入凹部131の内径は、電線保持部44の外径より大きい。同様に、挿入凹部132の内径は、電線保持部45の外径より大きい。なお、挿入凹部131,132の内部空間は、収容空間120の一部である。
【0076】
収容空間120に本体部41が収容された状態では、電線保持部44は挿入凹部131に挿入されるとともに、電線保持部45は挿入凹部132に挿入されている。そして、コネクタハウジング35における隔壁112とX方向に対向する端部、即ち電線保持部44,45の逆X方向側の先端部は、隔壁112とX方向に対向する。電線保持部44の外周面と挿入凹部131の内周面との間には、電線保持部44の外周面と挿入凹部131の内周面とに押圧された状態で電線側シール部材48が配置されている。電線側シール部材48は、コネクタハウジング35の外壁面とシールドシェル36の内壁面との間をシールする。具体的には、電線側シール部材48は、電線保持部44の外周面と挿入凹部131の内周面とに液密に密着することにより、電線保持部44の外周面と挿入凹部131の内周面との間をシールする。同様に、電線保持部45の内周面と挿入凹部132の内周面との間には、電線保持部45の外周面と挿入凹部132の内周面とに押圧された状態で電線側シール部材49が配置されている。電線側シール部材49は、コネクタハウジング35の外壁面とシールドシェル36の内壁面との間をシールする。具体的には、電線側シール部材49は、電線保持部45の外周面と挿入凹部132の内周面とに液密に密着することにより、電線保持部45の外周面と挿入凹部132の内周面との間をシールする。なお、収容空間120の内部において、電線側シール部材48と電線側シール部材49とは、X方向の位置が等しいとともに、Z方向に並んでいる。
【0077】
図7及び図16に示すように、隔壁112には、挿通部102側に開口したシール凹部133,134が形成されている。シール凹部133,134は、隔壁112における挿通部102側のX方向の端面から別体部92側に、即ち順X方向に凹設されている。シール凹部133は、隔壁112において挿入凹部131の裏側に設けられている。そして、シール凹部133は、挿入凹部131とZ方向の位置が等しいとともに、挿入凹部131とX方向に並んでいる。シール凹部134は、隔壁112において挿入凹部132の裏側に設けられている。そして、シール凹部134は、挿入凹部132とZ方向の位置が等しいとともに、挿入凹部132とX方向に並んでいる。シール凹部133,134は、X方向から見た形状が円形状をなしている。
【0078】
図7図15及び図16に示すように、隔壁112は、電線挿通孔135,136を有する。電線挿通孔135は、挿入凹部131の底部であってシール凹部133の底部に形成されて隔壁112をX方向に貫通している。電線挿通孔136は、挿入凹部132の底部であってシール凹部134の底部に形成されて隔壁112をX方向に貫通している。電線挿通孔135,136は、収容空間120の内外を連通する。本実施形態では、電線挿通孔135,136は、収容空間120と挿通部102の内部空間とを連通している。2つの電線挿通孔135,136は、X方向の位置が等しいとともに、Z方向に並んでいる。
【0079】
なお、収容部121のX方向の両端部のうち、一方の端部に電線挿通孔135,136を有する隔壁112が設けられるとともに、他方の端部に別体部92にて覆われた第2開口部114が設けられている。従って、第1開口部113は、X方向における収容部121の両端部のうち電線挿通孔135,136に近い端部とは反対側の端部に近い位置に設けられている。即ち、第1開口部113は、電線挿通孔135,136よりも、収容部121における電線挿通孔135,136と反対側のX方向の端部に近い位置に設けられている。
【0080】
収容空間120の内部においては、電線側シール部材48,49は、Y方向から見て、第1開口部113と電線挿通孔135,136との間に配置されている。即ち、電線側シール部材48,49、第1開口部113及び電線挿通孔135,136は、X方向の並び順が、第1開口部113と電線挿通孔135,136との間に電線側シール部材48,49が配置される並び順になっている。
【0081】
図7に示すように、収容空間120にコネクタハウジング35の本体部41が配置された状態において、電線挿通孔135は第1引出位置P1とX方向に対向するとともに、電線挿通孔136は第2引出位置P2とX方向に対向する。電線保持部44の先端面から逆X方向に引き出された第1電線33は、電線挿通孔135及び挿通部102を通ってシールドシェル36の外部に引き出されている。コネクタハウジング35から引き出された第1電線33は、X方向に沿って電線挿通孔135に挿通されている。そして、第1電線33は、電線挿通孔135から収容空間120の外部に引き出されている。第1電線33は、第1引出位置P1から挿通部102における隔壁112と反対側の端までX方向に沿って延びている。また、電線保持部45の先端面から逆X方向に引き出された第2電線34は、電線挿通孔136及び挿通部102を通ってシールドシェル36の外部に引き出されている。コネクタハウジング35から引き出された第2電線34は、X方向に沿って電線挿通孔136に挿通されている。そして、第2電線34は、電線挿通孔136から収容空間120の外部に引き出されている。第2電線34は、第2引出位置P2から挿通部102における隔壁112と反対側の端までX方向に沿って延びている。
【0082】
なお、コネクタ30において、電線側シール部材48,49は、X方向には、接続部61,71と、本体部41における電線33,34が引き出されたX方向の端面との間に配置されている。また、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所は、電線側シール部材48,49と電線挿通孔135,136との間にある。本実施形態では、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所は、Y方向から見て、電線側シール部材48,49と電線挿通孔135,136との間にある。即ち、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所、電線側シール部材48,49、及び電線挿通孔135,136は、X方向の並び順が、電線側シール部材48,49と電線挿通孔135,136との間に、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所が配置される並び順になっている。なお、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所は、本体部41において電線33,34の出口になっている部分である。即ち、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所は、本体部41の外壁面における引出位置P1,P2で開口する部分である。
【0083】
図4及び図7に示すように、挿通部102を貫通する第1電線33には、第1電線33とシールドシェル36との間をシールするゴム栓141が装着されている。また、挿通部102を貫通する第2電線34には、第2電線34とシールドシェル36との間をシールするゴム栓142が装着されている。ゴム栓141,142は、環状をなしている。ゴム栓141は、第1電線33に外挿されるとともに、シール凹部133に挿入されている。ゴム栓141は、第1電線33の外周面とシール凹部133の内周面とに液密に密着することにより、第1電線33の外周面とシール凹部133の内周面との間をシールしている。ゴム栓142は、第2電線34に外挿されるとともに、シール凹部134に挿入されている。ゴム栓142は、第2電線34の外周面とシール凹部134の内周面とに液密に密着することにより、第2電線34の外周面とシール凹部134の内周面との間をシールしている。
【0084】
挿通部102には、バックリテーナ143が装着されている。バックリテーナ143は、絶縁性の樹脂材料よりなる。バックリテーナ143は、挿通部102の開口部を覆う板状をなしている。バックリテーナ143は、挿通部102の内側に挿入されてゴム栓141,142とX方向に隣接している。バックリテーナ143は、Y方向の両端部に固定爪144を有する。また、挿通部102におけるY方向の両端部には、係止孔137がそれぞれ形成されている。バックリテーナ143は、係止孔137に固定爪144が嵌ることにより挿通部102に対して固定されている。また、バックリテーナ143は、Z方向に並ぶ2つの挿通孔145,146を有する。第1電線33は挿通孔145を通ってシールドシェル36の外部にX方向に沿って引き出されるとともに、第2電線34は挿通孔146を通ってシールドシェル36の外部にX方向に沿って引き出されている。
【0085】
図13に示すように、シールドシェル36から同シールドシェル36の外部に引き出された第1電線33及び第2電線34は、シールド導電体147にて一括して覆われている。シールド導電体147は、シールドシェル36に電気的に接続される図示しない導電性の編組線と、当該編組線の端部に電気的に接続される導電性のシールドパイプとを有する。2本の電線33,34は、当該編組線及びシールドパイプの内側に配置される。
【0086】
図12及び図14に示すように、固定部103は、第1壁部111aに一体に形成されている。本実施形態では、シェル本体部91は、2つの固定部103を有する。固定部103は、第1開口部113のX方向の両側、且つ、第1開口部113の順Z方向側となる2箇所に設けられている。各固定部103は、第1壁部111aからシールドシェル36の外部に突出している。各固定部103は、同固定部103をZ方向に貫通した固定孔151を有する。
【0087】
各固定部103の下面は、ケース23の装着部25と対向する固定面152である。各固定部103の固定面152は、固定孔151の貫通方向であるZ方向と垂直な平面状をなしている。また、一方の固定部103の固定面152と、他方の固定部103の固定面152とは、Z方向の位置が等しく、同一平面内に位置する。本実施形態では、固定面152は、コネクタ30を搭載した車両が水平面に停車している場合、第1開口部113よりも上方に配置される。また、本実施形態のコネクタ30においては、同車両が水平面に停車している場合、固定孔151の貫通方向が鉛直方向に沿うとともに、固定面152は鉛直方向と垂直に配置される。
【0088】
図4図7図14及び図15に示すように、収容空間120を規定する壁の一部である側壁111は、第1壁部111aと、第1壁部111aとY方向に対向する第2壁部111bと、第1壁部111aと第2壁部111bとを順Z方向側で連結する第3壁部111cと、第1壁部111aと第2壁部111bとを逆Z方向側で連結する第4壁部111dとを有する。そして、側壁111は、X方向に延びる四角筒状をなしている。なお、側壁111に関して、「四角筒状」とは、厳密な四角筒状に限らず、筒状になる4つの壁を有する形状であればよい。
【0089】
第3壁部111cと第4壁部111dとはZ方向に対向する。第3壁部111cの外壁面は、Z方向と垂直な平面状をなしている。第4壁部111dは、第3壁部111cの外壁面との間のZ方向の距離が異なる第1収容壁部161及び第2収容壁部162を有する。
【0090】
第1収容壁部161は、第2壁部111bの逆Z方向側の端部から順Y方向に延びている。更に、第1収容壁部161は、X方向の長さが側壁111のX方向の長さと等しい。即ち、第1収容壁部161は、X方向には、第2開口部114から隔壁112まで延びている。
【0091】
第2収容壁部162は、第4壁部111dにおける第2開口部114とX方向に隣接し且つ第1開口部113とY方向に隣接した部分に設けられている。そして、第2収容壁部162は、X方向には、第2開口部114から隔壁112より手前の位置にわたって設けられている。このため、第2収容壁部162は、X方向の長さが第1収容壁部161のX方向の長さより短い。本実施形態では、第2収容壁部162のX方向の長さは、第1開口部113のX方向の幅より短い。また、第2収容壁部162のY方向の長さは、本実施形態では、第4壁部111dのY方向の長さの半分程度の長さである。
【0092】
第2収容壁部162は、第3壁部111cの外壁面との間のZ方向の距離が、第1収容壁部161における第3壁部111cの外壁面との間のZ方向の距離よりも長い。このため、第1収容壁部161と第2収容壁部162との間には段差が設けられている。第1収容壁部161と第2収容壁部162との境界部分には、第2収容壁部162の周縁から第1収容壁部161の周縁までZ方向に延びる段差壁163が設けられている。段差壁163は、第1収容壁部161と第2収容壁部162との境界部分でX方向と平行に延びる部分では、Y方向と垂直をなすように設けられている。また、段差壁163は、第2収容壁部162における隔壁112側、即ち第2開口部114と反対側のX方向の端部においては、X方向と垂直をなすように設けられている。段差壁163におけるX方向と垂直をなす当該部分には、段差壁163をX方向に貫通する水抜き孔164が設けられている。水抜き孔164は、収容空間120とシールドシェル36の外部とを連通している。
【0093】
なお、図8に示すように、収容空間120に配置されたコネクタハウジング35においては、フランジ部51は、第2収容壁部162とZ方向に重なる位置に配置されている。また、フランジ部51は、水抜き孔164よりも前方側に配置されている。更に、コネクタ30においてX方向に水抜き孔164よりも第2開口部114となる部分では、フランジ部51と段差壁163との間にY方向の隙間が形成されている。また、支持部52の先端部及び接続部61,71は、第1開口部113から順Y方向にシールドシェル36から突出してシールドシェル36の外部に露出している。第1開口部113は、第1接続部61及び第2接続部71を収容部121の外部、即ちシールドシェル36の外部に露出させている。
【0094】
図7図14及び図15に示すように、収容部121は、同収容部121の内壁面に、固定孔151の貫通方向であるZ方向に垂直な基準面に対して傾斜した傾斜面165を有する。傾斜面165は、基準面と水平面とが平行になるようにコネクタ30が配置されている場合に、傾斜面165に付着した液体を第1開口部113の方へ案内するように基準面に対して傾斜している。
【0095】
本実施形態では、Z方向に垂直な仮想平面であって、固定面152を含みX方向及びY方向に延びる仮想平面を基準面としている。但し、基準面は、固定孔151の貫通方向に垂直な平面であればよく、固定孔151の貫通方向と垂直をなし且つ固定面152を含まない仮想平面を基準面とすることもできる。また、基準面は、Z方向と垂直な仮想平面に限らず、シールドシェル36が備える平面であって固定孔151の貫通方向に垂直な平面を基準面とすることもできる。また、基準面は、当該基準面と水平面とが平行になるようにコネクタ30が配置されている場合において、傾斜面165よりも上方に位置することが好ましい。なお、本明細書において、「基準面と水平面とが平行」とは、基準面と水平面とが完全に平行になる場合だけでなく、基準面と水平面とのなす角度が0.4度未満であることを意味する。また、傾斜面165が「基準面に対して傾斜」とは、基準面と傾斜面165とのなす角度が0.4度以上であることを意味する。そして、基準面と傾斜面165とのなす角度は、0.7度以上であることが好ましく、0.8度以上であることがより好ましく、0.9度以上であることが最も好ましい。
【0096】
本実施形態では、傾斜面165は、第4壁部111dの内壁面に設けられている。第4壁部111dの内壁面は、2つの傾斜面165を有する。一方の傾斜面165である第1傾斜面166は第1収容壁部161の内壁面であり、他方の傾斜面165である第2傾斜面167は第2収容壁部162の内壁面である。
【0097】
第1傾斜面166は、基準面と水平面とが平行になるようにコネクタ30が配置されている場合に、同第1傾斜面166に付着した液体を第1開口部113の方へ案内するように固定面152を含む基準面に対して傾斜している。本実施形態では、基準面と第1傾斜面166との間のZ方向の距離、即ち固定面152と第1傾斜面166との間のZ方向の距離は、X方向に沿って電線挿通孔135,136から遠ざかるにつれて単調増加している。更に、基準面と第1傾斜面166との間のZ方向の距離は、Y方向に沿って第1開口部113に近づくにつれて単調増加している。詳しくは、基準面と第1傾斜面166との間のZ方向の距離は、X方向に沿って電線挿通孔135,136から遠ざかるにつれて徐々に増加する。更に、基準面と第1傾斜面166との間のZ方向の距離は、Y方向に沿って第1開口部113に近づくにつれて徐々に増加する。そのため、第1傾斜面166は、平面状をなしている。
【0098】
第2傾斜面167は、基準面と水平面とが平行になるようにコネクタ30が配置されている場合に、同第2傾斜面167に付着した液体を第1開口部113の方へ案内するように固定面152を含む基準面に対して傾斜している。本実施形態では、基準面と第2傾斜面167との間のZ方向の距離、即ち固定面152と第2傾斜面167との間のZ方向の距離は、X方向に沿って電線挿通孔135,136から遠ざかるにつれて単調増加している。更に、基準面と第2傾斜面167との間のZ方向の距離は、Y方向に沿って第1開口部113に近づくにつれて単調増加している。詳しくは、基準面と第2傾斜面167との間のZ方向の距離は、X方向に沿って電線挿通孔135,136から遠ざかるにつれて徐々に増加する。更に、基準面と第2傾斜面167との間のZ方向の距離は、Y方向に沿って第1開口部113に近づくにつれて徐々に増加する。そのため、第2傾斜面167は、平面状をなしている。
【0099】
図7図8及び図14に示すように、コネクタ30において、水抜き孔164は、Z方向には電線側シール部材48よりも傾斜面165側に設けられ、且つ、X方向には電線側シール部材48のX方向の両側のうち電線挿通孔135と反対側に設けられている。更に、水抜き孔164は、第2傾斜面167におけるX方向の中央よりもX方向に電線挿通孔135寄りとなる位置に設けられている。本実施形態では、水抜き孔164は、第2傾斜面167における逆X方向側の端部とX方向に隣り合う位置に設けられている。
【0100】
図8に示すように、第1壁部111aの内壁面及び第2壁部111bの内壁面には、側壁111の内側に突出した規制凸部168,169が設けられている。規制凸部168,169は、Y方向に突出しX方向に沿って延びる突条をなしている。規制凸部168と規制凸部169との間のY方向の距離は、保持部43におけるY方向の幅よりも広い。
【0101】
図7図8及び図13に示すように、コネクタ30において、コネクタハウジング35は、第1接続部61及び第2接続部71の板厚方向がZ方向となるように収容空間120に配置されている。そして、収容空間120におけるZ方向の幅は、本体部41におけるZ方向の幅より広い。X方向のどの位置においても、Z方向と平行な平面で切ったコネクタ30の断面では、本体部41のZ方向の幅よりも収容空間120のZ方向の幅の方が広い。また、Y方向のどの位置においても、Z方向と平行な平面で切ったコネクタ30の断面では、本体部41のZ方向の幅よりも収容空間120のZ方向の幅の方が広い。更に、収容空間120におけるフランジ部51が配置された部分では、Z方向の幅は、フランジ部51のZ方向の幅より広い。また、収容空間120におけるX方向の幅は、本体部41におけるX方向の幅より広い。更に、収容空間120におけるY方向の幅は、本体部41におけるY方向の幅より広い。
【0102】
Y方向から見て、収容空間120におけるZ方向の幅は、収容空間120におけるX方向の一端である第1端120aから収容空間120におけるX方向の他端である第2端120bに向かうにつれて単調増加している。本実施形態では、第1端120aは、収容空間120における電線挿通孔135,136側のX方向の端であり、第2端120bは、収容空間120における第2開口部114側のX方向の端である。更に、Z方向から見て、収容空間120におけるY方向の幅は、第1端120aから第2端120bに向かうにつれて単調増加している。従って、X方向と垂直な平面で切った収容空間120の断面積は、X方向に沿って第1端120aから第2端120bに向かうにつれて単調増加している。なお、Y方向から見て、本体部41におけるZ方向の幅は、収容空間120の第1端120a側に位置する本体部41のX方向の一端部において最大になっている。
【0103】
これらのことから、コネクタハウジング35の外壁面と収容部121の内壁面との間には、隙間が形成されている。従って、コネクタハウジング35は、電線側シール部材48,49を支点としてシールドシェル36に対して相対移動可能である。コネクタハウジング35は、接続部61,71がシールドシェル36に対してZ方向及びY方向に相対移動されるように、電線側シール部材48,49を支点としてコネクタハウジング35の外壁面と収容部121の内壁面との間の隙間の範囲内でシールドシェル36に対して相対移動可能である。なお、本実施形態では、シールドシェル36に対する保持部43のY方向の相対移動は、規制凸部168と規制凸部169との間の範囲内で可能である。
【0104】
(コネクタ30の組み立て)
コネクタ30を組み立てる際には、コネクタハウジング35は、第2開口部114から収容空間120の内部に挿入される。このとき、コネクタハウジング35は、同コネクタハウジング35からの電線33,34の引出し方向であるX方向に沿って第2開口部114から収容空間120の内部に挿入される。詳しくは、シールドシェル36に組み付けられるコネクタハウジング35においては、第1シール溝46,47に電線側シール部材48,49が配置されるとともに、第2シール溝53にケース側シール部材54が配置されている。そして、まず、収容空間120側から挿通部102側に向かってX方向に沿って電線33,34が電線挿通孔135,136に挿通される。即ち、電線33,34は、X方向に隔壁112を貫通する。その後、コネクタハウジング35は、引出位置P1,P2のある端部からX方向に沿って収容空間120の内部に挿入されていく。このとき、端子保持部42は、第1開口部113における第2開口部114側のX方向の端部からX方向に沿って第1開口部113に挿入されていく。コネクタハウジング35は、電線保持部44,45が挿入凹部131,132内に配置されるとともに、本体部41における引出位置P1,P2と反対側のX方向の端部が収容空間120の内部に入るまで、X方向に沿ってシールドシェル36の内部に挿入される。そして、別体部92がねじ116によりシェル本体部91に固定される。また、電線挿通孔135,136から引き出された電線33,34には、ゴム栓141,142が外挿される。更に、挿通孔145,146に電線33,34を挿通させつつ、挿通部102にバックリテーナ143が固定される。
【0105】
(コネクタ30のケース23への装着)
図2及び図3に示すように、コネクタ30をケース23に装着する際には、第1接続部61及び第2接続部71を装着孔26からケース23の内部に挿入しつつ、コネクタ30をケース23に対して配置する。なお、このとき、電線側シール部材48,49を支点としてコネクタハウジング35がシールドシェル36に対してZ方向及びY方向に相対移動することにより、第1接続部61と相手側端子201との位置合わせ、並びに、第2接続部71と相手側端子202との位置合わせが行われる。固定部103は、装着部25の上面と固定孔151の固定面152とが対向し且つ固定穴28に固定孔151がZ方向に重なるように装着部25に対して配置される。この状態で、固定孔151及び固定穴28に固定部材171が挿通されることにより、固定部材171によって固定部103が装着部25に固定される。なお、本実施形態の固定部材171は、ボルトである。
【0106】
コネクタ30がケース23に固定された状態では、端子保持部42の支持部52がケース側シール部材54と共に装着孔26に挿入されている。ケース側シール部材54は、支持部52の外周面と装着孔26の内周面とに液密に密着することにより、支持部52の外周面と装着孔26の内周面との間をシールする。ケース側シール部材54は、支持部52の外周面と装着孔26の内周面との間からケース23の内部に水等の液体が浸入することを抑制する。
【0107】
また、第1接続部61は、ケース23の内部で相手側端子201と電気的に接続される。例えば、第1接続部61は、相手側端子201がZ方向に重ね合わされるとともに、第1接続孔64に挿通されたボルト及びナットにより同相手側端子201と電気的に接続される。同様に、第2接続部71は、ケース23の内部で相手側端子202と電気的に接続される。例えば、第2接続部71は、相手側端子202がZ方向に重ね合わされるとともに、第2接続孔74に挿通されたボルト及びナットにより同相手側端子202と電気的に接続される。
【0108】
また、図2に示すように、切欠き部117は、別体部92における装着部25と対向する端部において、コネクタ30がケース23に装着された際にケース23から離間する方向、即ち逆Y方向に凹設されている。そのため、コネクタ30がケース23に固定された状態では、装着部25と別体部92との間には切欠き部117が設けられることによりY方向に幅が広げられた隙間G1が形成される。隙間G1は、収容空間120をシールドシェル36の外部に露出させる。
【0109】
図2図7図8及び図14に示すように、上記のようなコネクタ30では、収容部121の内壁面に設けられた傾斜面165は、基準面と水平面とが平行になるようにコネクタ30が配置されている場合に、当該傾斜面165に付着した液体を第1開口部113の方へ案内するように基準面に対して傾斜している。このため、車両が水平方向に沿って延びる平坦な場所に停車されている場合等、コネクタ30が固定孔151に挿通された固定部材171を用いて車両側の水平面に対して固定されている状態では、シールドシェル36の傾斜面165に付着した液体は、傾斜面165に沿って鉛直方向の上側から下側に移動する。本実施形態において、シールドシェル36の傾斜面165に付着した液体は、第1開口部113に向かって移動する。
【0110】
詳しくは、コネクタ30に水等の液体がかかった場合、当該液体の一部は、第1開口部113などの開口からシールドシェル36の内部、即ち収容空間120に浸入することがある。基準面と水平面とが平行になるようにコネクタ30が配置されている場合、収容空間120に浸入した液体のうち傾斜面165に付着した液体は、傾斜面165によって第1開口部113の方へ案内されていく。詳しくは、第1傾斜面166に付着した液体は、第1傾斜面166に案内されることにより第1傾斜面166上を伝って、X方向には第2開口部114側、Y方向には第1開口部113側へ流れる。そして、第1傾斜面166に付着した液体は、第2傾斜面167上に流れ落ちる。第2傾斜面167に付着した液体は、第2傾斜面167に案内されることにより第2傾斜面167上を伝って、X方向には第2開口部114側、Y方向には第1開口部113側へ流れる。その後、第2傾斜面167上を流れた液体は、第1開口部113からシールドシェル36の外部に排出される。このとき、当該液体の一部は、切欠き部117によって形成された隙間G1を通って順X方向に排出される。また、当該液体の別の一部は、第2傾斜面167における順Y方向側の端部、即ち第1開口部113の内周面における配置部101にて形成された部分の下端からシールドシェル36の外部に排出される。
【0111】
また、第1開口部113からの液体の排出量に比べてシールドシェル36の内部に浸入する液体の量が多くなる等して、第2傾斜面167上に液体が溜まった場合には、当該液体の一部は、水抜き孔164からシールドシェル36の外部に排出される。
【0112】
(作用)
本実施形態の作用について説明する。
コネクタ30においては、収容空間120におけるZ方向の幅は、本体部41におけるZ方向の幅より広い。また、収容空間120におけるX方向の幅は、本体部41におけるX方向の幅より広い。更に、収容空間120におけるY方向の幅は、本体部41におけるY方向の幅より広い。このため、収容空間120を規定する側壁111、隔壁112及び別体部92の内壁面と本体部41の外壁面との間には、Z方向、X方向及びY方向の隙間が形成される。また、端子保持部42の外壁面とシールドシェルの内壁面との間にもZ方向及びX方向の隙間が形成されている。従って、コネクタハウジング35は、これらの隙間の範囲内で、シールドシェル36に対して端子31,32と共に相対移動可能である。
【0113】
そして、コネクタ30をケース23に装着する際に、相手側端子201に対して第1接続部61を配置するとともに、相手側端子202に対して第2接続部71を配置するとき、電線側シール部材48,49を支点としてコネクタハウジング35がシールドシェル36に対してZ方向及びY方向に相対移動することができる。また、電線側シール部材48,49の弾性変形の範囲内で、コネクタハウジング35がシールドシェル36に対してX方向に相対移動することができる。これにより、第1接続部61と相手側端子201との間のZ方向、Y方向及びX方向の寸法公差、並びに、第2接続部71と相手側端子202とのZ方向、Y方向及びX方向の寸法公差を吸収できる。
【0114】
本実施形態の効果について説明する。
(1)コネクタ30は、相手側端子201,202が電気的に接続される板状の接続部61,71を有する端子31,32と、端子31,32に電気的に接続された電線33,34を備えている。更に、コネクタ30は、接続部61,71を露出させつつ端子31、32の一部を埋設して端子31,32を保持するコネクタハウジング35と、コネクタハウジング35の外側を覆うシールドシェル36とを備えている。コネクタハウジング35は、端子31,32と電線33,34との接続部分を埋設し電線33,34が引き出された本体部41と、本体部41から突出した端子保持部42とを有する。接続部61,71は、端子保持部42からコネクタハウジング35の外部に突出している。シールドシェル36は、本体部41を収容する収容空間120を規定する側壁111、隔壁112及び別体部92と、収容部121に設けられ収容空間120とシールドシェル36の外部とを連通し接続部61,71をシールドシェル36の外部に露出させる第1開口部113とを有する。接続部61,71の板厚方向は、Z方向である。収容空間120におけるZ方向の幅は、本体部41におけるZ方向の幅より広い。
【0115】
上記態様によれば、Z方向において、収容空間120を規定する側壁111の内壁面と本体部41の外壁面との間に隙間が形成される。そのため、本体部41は、シールドシェル36に対してZ方向に相対移動可能である。従って、収容空間120内で本体部41が端子31,32と一体的にシールドシェル36に対してZ方向に相対移動することにより、端子31,32の接続部61,71と当該接続部61,71が接続される相手側端子201,202との間のZ方向の寸法公差を吸収できる。
【0116】
(2)Y方向から見て、収容空間120におけるZ方向の幅は、収容空間120におけるX方向の一端である第1端120aから収容空間120におけるX方向の他端である第2端120bに向かうにつれて単調増加している。更に、本体部41におけるZ方向の幅は、収容空間120で第1端120a側に位置する本体部41のX方向の一端部において最大である。
【0117】
上記態様によれば、X方向に沿って収容空間120の第1端120aから第2端120bに向かうにつれて収容空間120を規定する側壁111の内壁面と本体部41の外壁面との間のZ方向の隙間が大きくなる。このZ方向の隙間により、本体部41は、シールドシェル36に対してZ方向に相対移動可能である。従って、収容空間120内で本体部41が端子31,32と一体的にシールドシェル36に対してZ方向に相対移動することにより、端子31,32の接続部61,71と当該接続部61,71が接続される相手側端子201,202との間のZ方向の寸法公差を吸収できる。
【0118】
(3)収容空間120におけるX方向の幅は、本体部41におけるX方向の幅より広い。
上記態様によれば、X方向において、収容空間120を規定する隔壁112及び別体部92の少なくとも一方の内壁面と本体部41の外壁面との間に隙間が形成される。そのため、本体部41は、シールドシェル36に対してX方向にも相対移動可能になる。従って、収容空間120内で本体部が端子31,32と一体的にシールドシェル36に対してX方向に相対移動することにより、端子31,32の接続部61,71と当該接続部61,71が接続される相手側端子201,202との間の寸法公差をX方向においても吸収可能になる。本実施形態では、本体部41は、電線側シール部材48,49の弾性変形の範囲内で、シールドシェル36に対してX方向にも相対移動可能である。
【0119】
(4)コネクタ30は、収容空間120に配置され、収容部121の内壁面と本体部41の外壁面との間をシールする環状の電線側シール部材48,49を備えている。
上記態様によれば、本体部41は、収容空間120を規定する側壁111、隔壁112及び別体部92の内壁面と本体部41の外壁面との間に形成された隙間の範囲内で電線側シール部材48,49を支点として収容空間120内でシールドシェル36に対して相対移動することになる。従って、シールドシェル36に対して端子31,32が相対移動する方向を、電線側シール部材48,49によって制限できる。即ち、シールドシェル36に対して接続部61,71が相対移動する方向を、電線側シール部材48,49によって制限できる。
【0120】
(5)隔壁112は、収容空間120から収容空間120の外部に電線33,34を引き出すための電線挿通孔135,136を有する。電線側シール部材48,49は、収容空間120で第1開口部113と電線挿通孔135,136との間に配置されている。本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所は、電線側シール部材48,49と電線挿通孔135,136との間に配置されている。
【0121】
上記態様によれば、第1開口部113から収容空間120に浸入した液体が、本体部41から引き出された電線33,34に至ることを、電線側シール部材48,49によって抑制できる。
【0122】
(6)コネクタ30は、第1端子31と第2端子32との2つの端子を備えている。2つの端子31,32の接続部61,71は、X方向に並んでいる。電線33,34は、本体部41からX方向に沿って引き出されている。
【0123】
上記態様によれば、2つの端子31,32の接続部61,71が並ぶ方向と、本体部41から電線33,34が引き出される方向とが同じ方向である。更に、本体部41から電線33,34が引き出される方向であるX方向は、接続部61,71が端子保持部42から突出する方向であるY方向と交差する方向である。従って、本体部41から電線33,34がY方向に沿って引き出される場合に比べて、Y方向における本体部41の小型化が可能になる。そして、ひいては、Y方向におけるコネクタハウジング35小型化、更にはコネクタ30の小型化に貢献できる。
【0124】
(7)電線側シール部材48,49は、X方向には、接続部61,71と、本体部41における電線33,34が引き出されたX方向の端面との間に配置されて、X方向と交差する方向に沿って延びている。本実施形態では、電線側シール部材48,49は、Y方向から見てZ方向に沿って延びるとともに、Z方向から見てY方向に沿って延びている。
【0125】
上記態様によれば、第1開口部113から収容空間120に浸入した液体が本体部41から引き出された電線33,34に至ることを抑制するための電線側シール部材48,49を設けやすくなる。また、電線側シール部材48,49は、接続部61,71よりも、本体部41における電線33,34が引き出されたX方向の端面に近い位置に配置されている。従って、収容空間120内で本体部41がシールドシェル36に対して相対移動するときに、本体部41から引き出された電線33,34が振られる量を小さく抑えることができる。
【0126】
(8)収容空間120を規定する隔壁112は、収容空間120から収容空間120の外部に電線33,34を引き出すための電線挿通孔135,136を有する。更に、収容空間を規定する側壁111、隔壁112及び別体部92のうち別体部92は、電線挿通孔135,136の貫通方向に電線挿通孔135,136と対向する。収容空間を規定する側壁111及び隔壁112は一体に形成されている一方、別体部92は、側壁111及び隔壁112と別体である。
【0127】
上記態様によれば、収容空間120を規定する側壁111、隔壁112及び別体部92のうち別体部92以外の部分は、別体部92が外された状態では、別体部92が配置される部分に収容空間120を露出させる第2開口部114が形成される。別体部92は、電線挿通孔135,136の貫通方向に同電線挿通孔135,136と対向するものであるため、第2開口部114は、電線挿通孔135,136と同電線挿通孔135,136の貫通方向に対向する。従って、シールドシェル36にコネクタハウジング35を組み付ける際に、第2開口部114から電線33,34を収容空間120に挿入していくと、収容空間120側から電線挿通孔135,136に容易に電線33,34を挿通することができる。従って、コネクタ30の組付け性が向上する。
【0128】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、収容空間120を規定する側壁111、隔壁112及び別体部92のうち、電線挿通孔135,136の貫通方向に同電線挿通孔135,136と対向する別体部92が、側壁111及び隔壁112とは別体で設けられている。しかしながら、収容部121において、電線挿通孔135,136の貫通方向に同電線挿通孔135,136と対向する部分以外の部分に、別体となる部分を設けてもよい。
【0129】
・電線挿通孔135,136の貫通方向は、X方向に限らない。即ち、コネクタハウジング35から引き出された電線33,34が電線挿通孔135,136に挿通される方向は、X方向に限らない。例えば、電線挿通孔135,136の貫通方向は、X方向以外でZ方向と交差する方向であってもよい。また、電線挿通孔135,136の形状は上記実施形態の形状に限らない。例えば、電線挿通孔135,136は、2つの電線33,34が合わせて挿通される1つの孔であってもよい。
【0130】
・本体部41から電線33,34が引き出される方向は、X方向に限らない。例えば、本体部41から電線33,34が引き出される方向は、接続部61,71の板厚方向と交差し且つ接続部61,71の端子保持部42からの突出方向と交差する方向としてもよい。このようにすると、接続部61,71の端子保持部42からの突出方向において本体部41の小型化が可能になる。また、コネクタハウジング35の外壁面における引出位置P1,P2は、適宜変更してもよい。
【0131】
・上記実施形態では、収容部121は、配置部101と、配置部101とは別体で設けられた別体部92とを有する。しかしながら、収容部121は、収容空間120を規定する3つ以上の部品を有するものであってもよい。また、配置部101と別体部92とは、必ずしも別体で設けられなくてもよい。即ち、収容部121は、分割されず1つの部品よりなるものであってもよい。
【0132】
・収容空間120における電線側シール部材48,49の配置態様は、上記実施形態の配置態様に限らない。例えば、電線側シール部材48,49は、X方向と交差する方向であれば、Y方向に対して傾斜した方向や、Z方向に対して傾斜した方向に沿って延びていてもよい。また例えば、Z方向において、本体部41の外壁面における電線33,34が引き出された箇所と第1開口部113との間となる位置に、電線側シール部材を配置してもよい。この場合、電線側シール部材は、例えば、Y方向から見てX方向に沿って延びるとともに、X方向から見てY方向に沿って延びる。更に、同場合、電線側シール部材は、例えば、Z方向から見て本体部41の外周を囲むように延びる。
【0133】
・コネクタハウジング35の外壁面とシールドシェル36の内壁面との間をシール可能であれば、電線側シール部材48,49の形状は上記実施形態の形状に限らない。また、例えば、電線保持部44と電線保持部45とが一体に形成されて1つの電線保持部となっている場合には、コネクタ30は、電線側シール部材を1つのみ備えた構成であってもよい。なお、コネクタ30は、必ずしも電線側シール部材48,49を備えなくてもよい。
【0134】
・上記実施形態では、第1接続部61と第2接続部71とが並ぶ方向と、本体部41から電線33,34が引き出される方向とが同じ方向である。しかしながら、接続部61,71が並ぶ方向と、本体部41から電線33,34が引き出される方向とは、異なる方向であってもよい。
【0135】
・上記実施形態では、コネクタ30は、第1端子31と第2端子32との2つの端子を備えている。しかしながら、コネクタ30が備える端子の数は、2つに限らない。コネクタ30が備える端子の数は、例えば、1つもしくは3つであってもよい。
【0136】
・収容空間120におけるX方向の幅は、本体部41におけるX方向の幅と等しくてもよい。また、収容空間120におけるY方向の幅は、本体部41におけるY方向の幅と等しくてもよい。
【0137】
・収容空間120におけるZ方向の幅が、本体部41におけるZ方向の幅より広いのであれば、収容空間120の形状及び本体部41の形状は、上記実施形態の形状に限らない。即ち、収容部121の内壁面と本体部41の外壁面との間にZ方向の隙間が設けられるとともに、当該隙間が設けられたことにより、本体部41が端子31,32と一体的にシールドシェル36に対してZ方向に相対移動可能であれば、収容空間120の形状及び本体部41の形状は上記実施形態の形状に限らない。ただし、本体部41は、端子31,32と電線33,34との接続部分を埋設するものであるとともに、同本体部41から電線33,34が引き出される。
【0138】
例えば、Y方向から見て、収容空間120におけるZ方向の幅は、第1端120aから第2端120bまで一定の幅であってもよい。また例えば、X方向と垂直な平面で切った収容空間120の断面積は、X方向に沿って第1端120aから第2端120bに向かうにつれて徐々に増加するのではなく、段階的に増加してもよい。また例えば、X方向と垂直な平面で切った収容空間120の断面積は、X方向に沿って第1端120aから第2端120bに向かうにつれて単調増加していなくてもよい。
【0139】
例えば、本体部41におけるZ方向の幅は、収容空間120で第2端120b側に位置する本体部41のX方向の他端部において最大になってもよい。また例えば、本体部41におけるZ方向の幅は、本体部41のX方向の両端部の間の何れかの位置で最大になってもよい。また例えば、本体部41は、Y方向から見た形状が、台形、三角形状、Z方向に高低差のある段差部を有する形状等、矩形状以外の形状をなすものであってもよい。
【0140】
・電線33,34がシールドシェル36から引き出される方向及び位置は、適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、第1電線33は、一対のバレル片66によって包み込まれてバレル片66と共にかしめられることにより第1電線接続部62に圧着されている。しかしながら、第1端子31と第1電線33とを電気的に接続する方法は、これに限らない。例えば、第1端子31と第1電線33とは、超音波溶接等の溶接により電気的に接続されてもよい。この場合、第1電線接続部62は、バレル片66を備えなくてもよい。第2端子32と第2電線34との電気的な接続についても同様である。
【0141】
・端子31,32の形状は、上記実施形態の形状に限らない。第1端子31は、板状の第1接続部61を有するものであればよい。また、第2端子は、板状の第2接続部71を有するものであればよい。
【0142】
・端子保持部42の形状は、上記実施形態の形状に限らない。端子保持部42は、本体部41から突出するとともに、同端子保持部42から接続部61,71が突出するものであればよい。
【0143】
・シールドシェル36における第1開口部113の位置及び開口方向は、上記実施形態の位置及び開口方向に限らない。第1開口部113は、収容空間120とシールドシェル36の外部とを連通し接続部61,71をシールドシェル36の外部に露出させるものであればよい。例えば、第1開口部113は、シールドシェル36において、X方向における側壁111の中央部よりも電線挿通孔135,136側に寄った位置に設けられてもよい。
【0144】
・シールドシェル36は、本体部41を収容する収容空間120を規定する壁と、当該壁に設けられ収容空間120とシールドシェル36の外部とを連通し接続部61,71をシールドシェル36の外部に露出させる第1開口部113とを有するのであれば、上記実施形態の形状に限らない。当然ながら、第1開口部113等の形状は適宜変更してもよい。例えば、シールドシェル36は、切欠き部117を備えない別体部92を有する構成であってもよい。また例えば、シールドシェル36は、傾斜面165や水抜き孔164を備えないものであってもよい。また、上記実施形態では、第2開口部114はX方向に開口しているが、第2開口部114の開口方向は、X方向に限らず、任意の方向であってもよい。また、第2開口部114は、第1開口部113と隣接して繋がる位置ではなく、第1開口部113から離れた位置に設けられてもよい。また、上記実施形態では、シールドシェル36は、シェル本体部91と別体部92との2部品で構成されているが、1部品のみ、もしくは3部品以上で構成されてもよい。
【0145】
・上記実施形態では、接続部61,71の板厚方向である「第1方向」は、上下方向に概ね一致している。しかしながら、接続部61,71の板厚方向は、必ずしも上下方向に一致していなくてもよい。接続部61,71の板厚方向は、コネクタハウジング35の形状や、コネクタ30の姿勢に応じて上下方向に限らずその他の方向になることもある。また、上記実施形態では、端子保持部42からの接続部61,71の突出方向である「第2方向」は、Z方向と垂直に交差するY方向に該当している。しかしながら、「第2方向」は、第1方向と交差する方向であれば、必ずしも第1方向と垂直に交差していなくてもよい。また、上記実施形態では、第1方向と交差し且つ第2方向と交差する「第3方向」の一例としてX方向を挙げた。しかしながら、Z方向と垂直且つY方向と垂直なX方向以外に、第1方向及び第2方向に延びる平面と交差する方向を「第3方向」としてもよい。
【0146】
・固定部材171は、ボルトに限らない。固定部材171は、ねじ等、固定孔151に挿通されて固定部103と装着部25とを固定可能なものであればよい。
・ケース23の形状は、ケース23の内部に収容される機器21の形状や、コネクタ30の形状に応じて適宜変更してもよい。
【0147】
・上記実施形態では、車両に搭載される機器21として、インバータ22を例に挙げた。しかしながら、コネクタ30が接続される機器21は、これに限らず、車両に搭載される電気機器であればよい。
【符号の説明】
【0148】
21 機器
22 インバータ
23 ケース
24 ケース本体
25 装着部
26 装着孔
27 挿入部
28 固定穴
30 コネクタ
31 第1端子
32 第2端子
33 第1電線
34 第2電線
35 コネクタハウジング
36 シールドシェル
41 本体部
42 端子保持部
43 保持部
44 電線保持部
45 電線保持部
46 第1シール溝
47 第1シール溝
48 電線側シール部材
49 電線側シール部材
51 フランジ部
52 支持部
53 第2シール溝
54 ケース側シール部材
61 第1接続部
62 第1電線接続部
63 第1連結部
64 第1接続孔
65 屈曲部
66 バレル片
71 第2接続部
72 第2電線接続部
73 第2連結部
74 第2接続孔
75 段差部
76 方向変換部
77 バレル片
81 芯線
82 絶縁被覆
91 シェル本体部
92 別体部
101 配置部
102 挿通部
103 固定部
111 側壁
111a 第1壁部
111b 第2壁部
111c 第3壁部
111d 第4壁部
112 隔壁
113 第1開口部
114 第2開口部
115a 第1端部
115b 第2端部
116 ねじ
117 切欠き部
120 収容空間
120a 第1端
120b 第2端
121 収容部
131 挿入凹部
132 挿入凹部
133 シール凹部
134 シール凹部
135 電線挿通孔
136 電線挿通孔
137 係止孔
141 ゴム栓
142 ゴム栓
143 バックリテーナ
144 固定爪
145 挿通孔
146 挿通孔
147 シールド導電体
151 固定孔
152 固定面
161 第1収容壁部
162 第2収容壁部
163 段差壁
164 水抜き孔
165 傾斜面
166 第1傾斜面
167 第2傾斜面
168 規制凸部
169 規制凸部
171 固定部材
201 相手側端子
202 相手側端子
D1 幅
D2 幅
G1 隙間
L1 長さ
L2 長さ
P1 第1引出位置
P2 第2引出位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16