(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】室外機及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/32 20110101AFI20231003BHJP
F16L 41/03 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
F24F1/32
F16L41/03
(21)【出願番号】P 2020064525
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝 英司
(72)【発明者】
【氏名】前田 訓孝
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/32
F16L 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機に接続される冷媒配管に接続される接続部材と、
前記冷媒配管が前記接続部材に固定されるように、前記接続部材に締結される第1固定部材と、
前記接続部材が支持部材に支持されるように、前記接続部材に接続される第2固定部材と、
前記接続部材を前記支持部材に固定する固定具とを備え、
前記接続部材は、
複数の外周面が形成されている本体部分と、
前記固定具を介して前記支持部材に固定される固定部分と、
前記複数の外周面のうちの第1外周面に前記固定部分を固定する連結部分とを有し、
前記連結部分は、前記複数の外周面のうちの前記第1外周面に隣接する2つの第2外周面のうちの少なくとも一方から延長される平面である連結表面を有する、
室外機。
【請求項2】
請求項1に記載の室外機と、
前記室内機と
前記冷媒配管と、
を備える空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の室内機が接続される空気調和装置の室外機及び空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室外機として、特許文献1に記載のように、複数台の室内機を接続するための複数の液管接続部及びガス管接続部を有する接続ポートが設けられたものがある。特許文献1に記載の空気調和装置の室外機では、接続ポートは、室外機の筐体の側面部に設けられており、具体的には、各液管接続部及び各ガス管接続部は、室外機の筐体の側面部に設けられた取付部材に規制プレートを用いて固定される。各液管接続部及び各ガス管接続部は、それぞれ液側接続部及びガス側接続部を有する。液側接続部には、一端が室外熱交換器に接続された内部液管が接続される。ガス側接続部には、一端が四方弁に接続された内部ガス管が接続される。各液管接続部及び各ガス管接続部は、それぞれ各液側ユニオン及び各ガス側ユニオンを有する。
【0003】
各液管接続部には、一端が各室内機に接続された液管が接続される。このとき、各液管接続部に各液管を差し込んで各液側接続部に各液側ユニオンを締結することにより、各液管を各液管接続部に接続する。各液側接続部に各液側ユニオンを締結する際は、各液側接続部を工具で保持しつつ、各液側ユニオンを別の工具で回転させる。また、各ガス管接続部には、一端が各室内機に接続されたガス管が接続される。このとき、各ガス管接続部に各ガス管を差し込んで各ガス側接続部に各ガス側ユニオンを締結することにより、各ガス管を各ガス管接続部に接続する。各ガス側接続部に各ガス側ユニオンを締結する際は、各ガス側接続部を工具で保持しつつ、各ガス側ユニオンを別の工具で回転させる。
【0004】
また、空気調和装置の室外機として、特許文献2に記載のように、液管接続部及びガス管接続部に、液管接続部やガス管接続部から突出する固定部が設けられているものがある。特許文献2に記載の空気調和装置の室外機では、各液管接続部及び各ガス管接続部の各固定部をそれぞれねじなどを用いて支持部材(特許文献1における取付部材に相当)に固定することで、液管接続部及びガス管接続部を支持部材に取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-180885号公報
【文献】特開2015-10721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液管接続部及びガス管接続部を支持部材に取り付けるために、特許文献1に記載されている規制プレートを設ける場合、規制プレートを液管接続部やガス管接続部とは別に設ける必要があるため、空気調和装置のコストが高くなってしまうという問題がある。そこで、特許文献2に記載されているような液管接続部やガス管接続部と一体となった固定部を、特許文献1に記載されている液管接続部やガス管接続部に設けることで、空気調和装置のコストアップを抑えつつ、液管接続部やガス管接続部を取付部材に固定することが考えられる。しかし、固定部を液管接続部やガス管接続部における液側接続部とガス側接続部のそれぞれに設けると、液側接続部及びガス側接続部を工具で保持する際に固定部に工具が接触して、液側接続部及びガス側接続部を工具で十分に保持することができない。また、液側接続部やガス側接続部以外の固定具の位置として、固定部を液管接続部やガス管接続部における取付部材に近い位置に設けることも考えられるが、液管接続部やガス管接続部が取付部材から突出する寸法が大きくなり、室外機の筐体の前後方向の寸法が大きくなってしまう。
【0007】
開示の技術は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、室外機の筐体の前後方向の寸法が大きくなることを抑制しつつ、冷媒配管を室外機に取り付ける際に液側接続部及びガス側接続部を工具で十分に保持することができ、冷媒配管を室外機に取り付ける作業が容易となる空気調和装置の室外機及び空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する室外機の一態様は、室内機に接続される冷媒配管に接続される接続部材と、前記冷媒配管が前記接続部材に固定されるように、前記接続部材に締結される第1固定部材と、前記接続部材が支持部材に支持されるように、前記接続部材に接続される第2固定部材と、前記接続部材を前記支持部材に固定する固定具とを備えている。前記接続部材は、複数の外周面が形成されている本体部分と、前記固定具を介して前記支持部材に固定される固定部分と、前記複数の外周面のうちの第1外周面に前記固定部分を固定する連結部分とを有している。前記連結部分は、前記複数の外周面のうちの前記第1外周面に隣接する第2外周面から延長される平面である連結表面を有する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する室外機によれば、室外機の筐体の前後方向の寸法が大きくなることを抑制しつつ、冷媒配管を室外機に取り付ける際に液側接続部及びガス側接続部を工具で十分に保持することができ、冷媒配管を室外機に取り付ける作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例の空気調和装置の室外機を背面側から見た図である。
【
図2】
図2は、実施例の室外機を側面板側から見た図である。
【
図3】
図3は、実施例の室外機の液管接続部とガス管接続部とを示す正面図である。
【
図4】
図4は、実施例の室外機の液管接続部材を示す側面図である。
【
図5】
図5は、実施例の室外機の液管接続部材を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施例の室外機の液管接続部材を掴む工具を示す平面図である。
【
図7A】
図7Aは、実施例の室外機の外部液管固定部材を液管接続部材に締結する2つの工具を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、比較例の室外機の液管接続部材を掴む工具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる室外機及び空気調和装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例】
【0012】
[空気調和装置及び室外機の構成]
図1は、本実施例の空気調和装置の室外機を背面側から見た図である。
図1に示すように、本実施例における空気調和装置1は、5台の室内機3が液冷媒が流れる5本の液管5とガス冷媒が流れる5本のガス管6で室外機4に接続されるマルチ式の空気調和装置である。
【0013】
室外機4は、直方体形状の筐体14を有している。筐体14の内部には、ロータリ圧縮機11と、室外ファン12aと、熱交換器12と、ロータリ圧縮機11及び熱交換器12を制御する制御回路部13とが格納されている。具体的には、室外ファン12aと熱交換器12は、筐体14の内部の図示しない熱交換室に配置されている。熱交換器12は略L字形状に形成されて、後述する背面板14bおよび側面板14dに臨むように配置されている。室外ファン12aは、後述する前面板14aの図示しない吹出口に臨むように配置されている。また、ロータリ圧縮機11と制御回路部13は、筐体14の内部の図示しない機械室に配置されており、ロータリ圧縮機11の上方に制御回路部13が配置されている。なお、圧縮機としては、ロータリ圧縮機11に限定されず、例えば、スクロール圧縮機等の他の圧縮機が用いられてもよい。
【0014】
筐体14の外郭は、前面板14a、背面板14b、側面板14c、側面板14d、天板14e、底板14fで形成される。背面板14bには、熱交換器12における背面側に配置される部分に対向する位置に、室外ファン12aによって外気が取り込まれる吸込口14gが設けられている。側面板14dには、熱交換器12における側面側に配置される部分に対向する位置に、室外ファン12aによって外気が取り込まれる吸込口14hが設けられている前面板14aには、熱交換器12を通過した空気が排出される図示しない吹出口が設けられている。側面板14cには、接続端子部16と支持部材15と第1三方弁17と第2三方弁18が設けられており、これらは下方から上方に向かって、第1三方弁17および第2三方弁18、支持部材15、接続端子部16の順に配置されている。接続端子部16は、室外機4の制御回路部13と5台の室内機3とを電気的に接続するためのものである。なお、支持部材15については、後に詳細に説明する。
【0015】
以下の説明では、室外機4の筐体14の背面板14b側を正面、前面板14a側を背面として、正面から背面板14bを見たときに側面板14c側を左側面、側面板14d側を右側面とする。また、筐体14の正面から背面板14bを見たとき、筐体14の前後方向(奥行き方向)をX方向とし、筐体14の左右方向(横方向)をY方向とし、筐体14の上下方向(高さ方向)をZ方向とする。図面において、X、Y、Z方向を示す。
【0016】
[室外機の配管構造]
室外機4は、複数の液管接続部21と複数のガス管接続部22とをさらに備えている。複数の液管5は、一端が複数の液管接続部21にそれぞれ固定されることにより、室外機4に接続されている。また、複数の液管5のそれぞれの他端が複数の室内機3に接続されている。複数のガス管6は、一端が複数のガス管接続部22にそれぞれ固定されることにより、室外機4に接続されている。また、複数のガス管6のそれぞれの他端が複数の室内機3に接続されている。
【0017】
図2は、実施例の室外機4を側面板14c側から見た図である。支持部材15は、板金を用いて平坦な板状に形成されている。支持部材15は、室外機4の左右方向と上下方向とに平行である平面に沿うように配置されて側面板14cに固定されている。複数の液管接続部21と複数のガス管接続部22とは、上から液管接続部21、ガス管接続部22の順で交互に上下方向に並ぶように支持部材15に取り付けられている。室外機4は、複数の内部液管26と複数の内部ガス管27とをさらに備えている。複数の内部液管26は、支持部材15の前方側(室外機4の前面板14a側)の空間に配置され、一端が複数の液管接続部21にそれぞれ接続されている。また、複数の内部液管26の他端は、熱交換器12に接続される液ヘッダ部28に接続されている。複数の内部ガス管27は、支持部材15より内側の空間に配置され、複数の内部ガス管27の一端は、複数のガス管接続部22にそれぞれ接続されている。また、複数の内部ガス管27の他端は、ロータリ圧縮機11の冷媒吐出側(暖房運転時)あるいは冷媒吸入側(冷房運転時)に接続されるガスヘッダ部29に接続されている。
【0018】
複数の液管接続部21は、それぞれ液管接続部材31と内部液管固定部材32(本発明の第2固定部材に相当)と外部液管固定部材33(本発明の第1固定部材に相当)とを備えている。液管接続部材31と内部液管固定部材32と外部液管固定部材33とは、それぞれ内部に液冷媒が流れる断面が円形の流路を有し、各流路の中心軸が一直線(
図2の中心軸34)に並ぶように配置されており、かつ、液管接続部材31が内部液管固定部材32と外部液管固定部材33との間に配置されている。各液管接続部21は、中心軸34が支持部材15に沿う平面に直交するように、支持部材15に取り付けられている。
【0019】
液管接続部材31は、支持部材15の後方側(室外機4の背面板14b側)に配置されている。内部液管固定部材32は、支持部材15の前方側(室外機4の前面板14a側)に配置されている。液管接続部21は、内部液管固定部材32が液管接続部材31に接続されることにより、支持部材15に固定されている。複数の内部液管26の一端は、液管接続部材31における内部液管固定部材32側に溶接される。また、複数の液管5の一端は、外部液管固定部材33が液管接続部材31に締結される際に液管接続部21に接続される。
【0020】
複数のガス管接続部22は、それぞれガス管接続部材36と内部ガス管固定部材37と外部ガス管固定部材38とを備えている。ガス管接続部材36と内部ガス管固定部材37と外部ガス管固定部材38とは、それぞれ内部にガス冷媒が流れる断面が円形の流路を有し、各流路の中心軸が一直線(
図2の中心軸39)に並ぶように配置されており、かつ、ガス管接続部材36が内部ガス管固定部材37と外部ガス管固定部材38との間に配置されている。各ガス管接続部22は、中心軸39が支持部材15に沿う平面に直交するように、支持部材15に取り付けられている。
【0021】
ガス管接続部材36は、支持部材15の後方側(室外機4の背面板14b側)に配置されている。内部ガス管固定部材37は、支持部材15の前方側(室外機4の前面板14a側)に配置されている。ガス管接続部22は、内部ガス管固定部材37がガス管接続部材36に接続されることにより、支持部材15に固定されている。複数の内部ガス管27の一端は、ガス管接続部材36における内部ガス管固定部材37側に溶接される。また、複数のガス管6の一端は、外部ガス管固定部材38がガス管接続部材36に締結される際にガス管接続部22に接続される。
【0022】
図4は、液管接続部材31の側面図である。また、
図5は、
図4における矢印Xの方向から液管接続部材31を見た図面である。ここで、
図5に示す接続点A~D(詳細は後述)は、後述する連結部分47における雄ねじ52側の端点を示している。
図4および
図5に示すように、液管接続部材31は、本体部分45と固定部分46と連結部分47とを備えている。本体部分45の内側には、中心軸34に沿って内部に液冷媒が流れる断面が円形の流路である液冷媒流路51が形成されており、この液冷媒流路51の一端が内部液管26に接続されるととともに、液冷媒流路51の他端が液管5に接続される。本体部分45には、雄ねじ52と複数の外周面53とがさらに形成されている。雄ねじ52は、外部液管固定部材33に設けられる図示しない雌ねじに嵌合するように形成されている。
【0023】
図4に示すように、複数の外周面53は、本体部分45のうちの雄ねじ52より支持部材15に近い側に形成されている。また、
図5に示すように、複数の外周面53は、本実施形態では外周面53-1~53-6の同じ形状を有する6面が設けられており、それぞれが平坦に形成されて正六角柱の6つの側面を形成している。なお、
図5に示すように、外周面53-1~53-6は、中心軸34を中心として反時計回りに外周面53-1、53-2、・・・の順で配置されている。
【0024】
連結部分47は、外周面53-1から突出するように設けられており、外周面53-1を基準として中心軸34とは反対の方向に設けられている。具体的には、
図5に示すように、連結部分47は、外周面53-1と外周面53-2の接続点Bから、外周面53-2の一部を延伸して形成されており、外周面53-1を基準として中心軸34から離れる方向に形成された第1連結表面55と、外周面53-1と外周面53-6の接続点Dから、外周面53-6の一部を延伸して形成されており、外周面53-1を基準として中心軸34から離れる方向に延伸して形成した第2連結表面56とを有する。
【0025】
ここで、第1連結表面55における接続点Bと反対側の端部を、第1連結表面55と後述する固定部分46との接続点Aとし、第2連結表面56における接続点Dと反対側の端部を、第2連結表面56と後述する固定部分46との接続点Cとしている。そして、接続点Bから接続点Aまでの長さを第1連結表面55の長さ62とし、接続点Dから接続点Cまでの長さを第2連結表面56の長さ66とする。本実施形態では、一例として第1連結表面55の長さ62及び第2連結表面56の長さ66は、外周面53-2の長さ63及び外周面53-6の長さ67のそれぞれ0.2倍以上の長さとしている。また、第1連結表面55の長さ62と第2連結表面56の長さ66とは同じ長さとされる。
【0026】
また、
図4に示すように、連結部分47は、第1連結表面55と第2連結表面56の一方(液管接続部材31における内部液管固定部材32が取り付けられる側)の縁部を連結した第3連結表面57と、第1連結表面55と第2連結表面56の他方の縁部を連結した第4連結表面58とを有する。ここで、第3連結表面57は、外周面53における内部液管固定部材32が取り付けられる側の端部から、支持部材15の厚さ寸法以上離れた位置に設けられている。
以上に説明した第1連結表面55、第2連結表面56、第3連結表面57、および、第4連結表面58により、連結部分47は、
図5の上面視で台形形状に形成される。
【0027】
固定部分46は、
図5に示すように、円弧形状に形成された外形部46aを有しており、円弧形状の一端が第1連結表面55の接続点Aに接続されており、円弧形状の他端が第2連結表面56の接続点Cに接続されている。本実施形態では、外形部46aの円弧形状を中心角が180度以上の円弧としている。また、固定部分46には、外形部46aと中心を同じとして固定部分46を貫通する孔54が形成されている。孔54は、液管接続部21を支持部材15に後述する固定具(以下、ねじ41と記載する)で固定する際に、ねじ41が貫通する孔となる。
図3に示すように、液管接続部21を支持部材15に取り付ける際は、固定部分46の孔54を介して、ねじ41を用いて固定部分46を支持部材15に固定する。
【0028】
ガス管接続部22のガス管接続部材36も、液管接続部21の液管接続部材31と同様に形成されており、
図3に示すように、液管接続部21の固定部分46と同様に形成された固定部分48を有する。ガス管接続部22を支持部材15に取り付ける際は、固定部分48を介して、ねじ41を用いて固定部分48を支持部材15に固定する。
【0029】
液管接続部材31を支持部材15に固定する場合、液管接続部材31が回転しないように保持される。このとき、
図6に示されているように、液管接続部材31を工具71(例えば、モンキーレンチ)で掴む。
図6は、実施例の室外機4の液管接続部材31を掴む工具71を示す平面図である。工具71は、第1対向面72と第2対向面73と基底面76を有する。第1対向面72と第2対向面73は、平行となるように形成されている。基底面76は、第1対向面72および第2対向面73に対し直交する面である。
【0030】
工具71は、第1対向面72と第2対向面73とが外周面53-2と外周面53-5とを保持するように配置され、
図5に示されているように、外周面53-2に平行な第1工具挿入方向61に挿入されることにより液管接続部材31を掴む。
図6に示すように、工具71の第1対向面72と第2対向面73とにより、液管接続部材31の外周面53-2と外周面53-5とを保持して、液管接続部材31が中心軸34を中心に回転しないようにする。このとき、工具71の第1対向面72の先端74が、固定部分46と第1連結表面55との接続点である接続点Aに接触するように、工具71が液管接続部材31を保持する。これにより、工具71の先端74が接続点Aに接触するまで工具71を挿入することができ、液管接続部材31を工具71の基底面76に近い箇所に保持することが可能となり、工具71が液管接続部材31から抜けにくくなる。このため、工具71で液管接続部材31を十分に保持でき、液管5を液管接続部21に接続する作業を容易化できる。
【0031】
また、工具71は、第1対向面72と第2対向面73とが外周面53-3と外周面53-6とを保持するように配置され、
図5に示されているように、外周面53-6に平行な第2工具挿入方向65に挿入されることにより液管接続部材31を掴む。この場合も、
図6に示すように、工具71の第1対向面72と第2対向面73とにより、液管接続部材31の外周面53-3と外周面53-6とを保持して、液管接続部材31が中心軸34を中心に回転しないようにする。このとき、工具71の第1対向面72の先端74が、固定部分46と第2連結表面56との接続点である接続点Cに接触するように、工具71が液管接続部材31を保持する。これにより、工具71の先端74が接続点Cに接触するまで工具71を挿入することができ、液管接続部材31を工具71の基底面76に近い箇所に保持することが可能となり、工具71が液管接続部材31から抜けにくくなる。このため、工具71で液管接続部材31を十分に保持でき、液管5を液管接続部21に接続する作業を容易化できる。
【0032】
また、
図4に示すように、固定部分46と連結部分47は、液管接続部材31における支持部材15に近い位置に設けている。これにより、固定部分46と連結部分47を液管接続部材31における内部液管固定部材32が取り付けられる側に設ける場合と比べて、液管接続部材31が支持部材15から突出する寸法が小さくなり、室外機4の筐体の前後方向の寸法が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
【0033】
外部液管固定部材33が液管接続部材31に締結される場合、
図7Aに示されているように、液管接続部材31が工具71に掴まれ、外部液管固定部材33が工具78に掴まれる。外部液管固定部材33を液管接続部材31に締結する場合、液管接続部材31が回転しないように工具71により保持し、外部液管固定部材33を工具78により回転させて、液管接続部材31に締結する。このとき、
図7Bに示されているように、工具71の先端74が接続点Aに接触するまで工具71を挿入することができ、工具71が液管接続部材31から抜けにくくなる。このため、工具71で液管接続部材31を十分に保持できるので、液管5を液管接続部21に接続する作業を容易化できる。
【0034】
ところで、ここまで説明した液管接続部材31の連結部分47がない場合は、
図8に示すように、固定部分46は、円弧形状に形成された外形部46aと第1連結表面103と第2連結表面104とを有する。第1連結表面103は、外周面53-2と外周面53-1の接続点である接続点Eから垂直に形成されている。第2連結表面104は、外周面53-6と外周面53-1の接続点である接続点Fから垂直に形成されている。
【0035】
このような液管接続部材31を工具71で保持するとき、液管接続部材31は、工具71の第1対向面72が形成されるヘッド部分の先端74が接続点Eに接触する。このため、工具71の先端74が接続点Eまでしか工具71を挿入することができないため、実施例の液管接続部材31と比べて、液管接続部材31を工具71の基底面76に近い箇所に保持することができない、つまり、工具71で液管接続部材31を十分に保持できない。このため、実施例の液管接続部材31と比べて、工具71が液管接続部材31から抜けやすくなり、液管5を液管接続部21に接続する際の作業性が悪化する。
【0036】
以上に説明したように、液管接続部材31と固定部分46を連結する連結部分47は、外周面53-1と外周面53-2の接続点Bから、外周面53-2の一部を延伸して形成されており、外周面53-1を基準として中心軸34から離れる方向に形成された第1連結表面55と、外周面53-1と外周面53-6の接続点Dから、外周面53-6の一部を延伸して形成されており、外周面53-1を基準として中心軸34から離れる方向に延伸して形成した第2連結表面56とを有する。これにより、工具71で液管接続部材31の外周面53-2を保持する際に、工具71の第1対向面72の先端74が、固定部分46と第1連結表面55との接続点である接続点Aに接触するように、工具71が液管接続部材31を保持する。また、工具71で液管接続部材31の外周面53-6を保持する際にも、工具71の第1対向面72の先端74が、固定部分46と第2連結表面56との接続点である接続点Cに接触するように、工具71が液管接続部材31を保持する。これにより、工具71の先端74が接続点Aまたは接続点Cに接触するまで工具71を挿入することができ、液管接続部材31を工具71の基底面76に近い箇所に保持することが可能となり、工具71が液管接続部材31から抜けにくくなる。このため、工具71で液管接続部材31を十分に保持でき、液管5を液管接続部21に接続する作業を容易化できる。
【0037】
ところで、実施例の連結部分47における第1連結表面55は外周面53-2の一部を延伸して形成されており、第2連結表面56は、外周面53-6の一部を延伸して形成されている。このため、第1連結表面55と外周面53-2とは面一となっており、かつ、第2連結表面56と外周面53-6とも面一となっている。これに対し、第1連結表面55と外周面53-2、あるいは、第2連結表面56と外周面53-6のうちいずれか一方のみが面一となっていてもよい。例えば、
図6において、工具71の先端74が接触しない接続点Cが第2連結表面56から見て接続点Dより離れた位置となるように、第2連結表面56が形成されてもよい。あるいは、接続点Dが、
図5に示す位置より外周面53-1に沿って内側に配置されるように、第2連結表面56が形成されてもよい。これらの場合も、液管接続部21あるいはガス管接続部22を工具71の基底面76の近くまで挿入することができるので、工具71が液管接続部21あるいはガス管接続部22から抜けにくくなる。このため、液管5を液管接続部21に接続する作業やガス管6をガス管接続部22に接続する作業を容易化できる。
【0038】
また、実施例の室外機4のガス管接続部材36は、液管接続部材31と同様に形成されていることにより、液管接続部材31と同様の効果を得ることができる。ガス管接続部22を工具71の基底面76の近くまで挿入することができるので、工具71がガス管接続部材36から抜けにくくなる。このため、ガス管6をガス管接続部22に接続する作業を容易化することができる。
【0039】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 :空気調和装置
3 :室内機
4 :室外機
5 :液管
6 :ガス管
15:支持部材
21:液管接続部
22:ガス管接続部
26:内部液管
27:内部ガス管
31:液管接続部材
32:内部液管固定部材
33:外部液管固定部材
36:ガス管接続部材
37:内部ガス管固定部材
38:外部ガス管固定部材
41:ねじ
45:本体部分
46:固定部分
47:連結部分
53:複数の外周面
55:第1連結表面
56:第2連結表面
57:第3連結表面
58:第4連結表面
62:長さ
63:長さ
66:長さ
67:長さ