(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20231003BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
H04N23/60 300
G03B15/00 V
H04N23/60 500
(21)【出願番号】P 2020073024
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 望美
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 彩
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】武並 剛史
【審査官】淀川 滉也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114875(JP,A)
【文献】特開2019-114243(JP,A)
【文献】特開2015-220616(JP,A)
【文献】特開2019-053536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連付く車両に備わる情報処理装置であって、
記憶部と、
前記ユーザがソーシャルネットワーキングサービスを利用するときに用いる端末と近距離無線通信を行ったときに、前記端末から前記ユーザの前記ソーシャルネットワーキングサービスのアカウントを取得することと、
前記アカウントの取得に応答して、前記アカウントを含む画像送信依頼を生成して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを管理するサーバに送信することと、
前記画像送信依頼を受信した前記サーバから、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、
前記ユーザが投稿した画像
であって、前記アカウントに紐づけられた画像を取得
して、前記記憶部の第一のデータベースに記憶させることと、
前記端末との前記近距離無線通信が確立された後に、前記車両に備わり前記車両の外部に向けて設置された撮影装置によって撮影された画像
を取得して、前記記憶部の第二のデータベースに記憶させることと、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の特徴量と、前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像の特徴量とを比較することにより、前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像のうち、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する第一の画像を
抽出して、前記記憶部
の第三のデータベースに記憶させることと、
前記端末から画像閲覧要求を受信することと、
前記画像閲覧要求の受信に応答して、前記第三のデータベースに記憶されている前記第一の画像を、前記端末に送信することと、
を実行する制御部
と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記画像送信依頼を受信した前記サーバから、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、前記ユーザが投稿した画像に対してソーシャルボタンが押された数に関する情報を
更に取得し、
前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像のうち、前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像のうちの所定数以
上の前記ソーシャルボタンが押された画像と同じ特徴を有する画像を
前記第一の画像として抽出して、前記
第三のデータベースに記憶させる、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像と、前記ユーザが投稿した画像に対して前記ソーシャルボタンが押された数と、に基づいて、前記
第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の入力に対して、前記ソーシャルボタンが押される数が所定数以上であるか否かを出力する学習モデルを生成する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザに関連付く車両に備わり、記憶部を備えるコンピュータが、
前記ユーザがソーシャルネットワーキングサービスを利用するときに用いる端末と近距離無線通信を行ったときに、前記端末から前記ユーザの前記ソーシャルネットワーキングサービスのアカウントを取得することと、
前記アカウントの取得に応答して、前記アカウントを含む画像送信依頼を生成して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを管理するサーバに送信することと、
前記画像送信依頼を受信した前記サーバから、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、
前記ユーザが投稿した画像
であって、前記アカウントに紐づけられた画像を取得
して、前記記憶部の第一のデータベースに記憶させることと、
前記端末との前記近距離無線通信が確立された後に、前記車両に備わり前記車両の外部に向けて設置された撮影装置によって撮影された画像
を取得して、前記記憶部の第二のデータベースに記憶させることと、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の特徴量と、前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像の特徴量とを比較することにより、前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像のうち、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する第一の画像を
抽出して、前記記憶部
の第三のデータベースに記憶させることと、
前記端末から画像閲覧要求を受信することと、
前記画像閲覧要求の受信に応答して、前記第三のデータベースに記憶されている前記第一の画像を、前記端末に送信することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータが、
前記画像送信依頼を受信した前記サーバから、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、前記ユーザが投稿した画像に対してソーシャルボタンが押された数に関する情報を
更に取得し、
前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像のうち、前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像のうちの所定数以上の前記ソーシャルボタンが押された画像と同じ特徴を有する画像を
前記第一の画像として抽出して、前記
第三のデータベースに記憶させる、
請求項
4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータが、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像と、前記ユーザが投稿した画像に対して前記ソーシャルボタンが押された数と、に基づいて、前記
第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の入力に対して、前記ソーシャルボタンが押される数が所定数以上であるか否かを出力する学習モデルを生成する、
請求項
5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
ソーシャルネットワーキングサービスを管理するサーバと、
ユーザが前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用するときに用いる端末と、
前記ユーザに関連付く車両に備わる車載装置と、
を備えたシステムであって、
前記車載装置は、
記憶部と、
前記ユーザがソーシャルネットワーキングサービスを利用するときに用いる端末と近距離無線通信を行ったときに、前記端末から前記ユーザの前記ソーシャルネットワーキングサービスのアカウントを取得することと、
前記アカウントの取得に応答して、前記アカウントを含む画像送信依頼を生成して、前記ソーシャルネットワーキングサービスを管理するサーバに送信することと、
前記画像送信依頼を受信した前記サーバから、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、
前記ユーザが投稿した画像
であって、前記アカウントに紐づけられた画像を取得
して、前記記憶部の第一のデータベースに記憶させることと、
前記端末との前記近距離無線通信が確立された後に、前記車両に備わり前記車両の外部に向けて設置された撮影装置によって撮影された画像
を取得して、前記記憶部の第二のデータベースに記憶させることと、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の特徴量と、前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像の特徴量とを比較することにより、前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像のうち、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する第一の画像を
抽出して、前記記憶部
の第三のデータベースに記憶させることと、
前記端末から画像閲覧要求を受信することと、
前記画像閲覧要求の受信に応答して、前記第三のデータベースに記憶されている前記第一の画像を、前記端末に送信することと、
を実行する制御部
と、を備える、
システム。
【請求項8】
前記端末は、
前記車載装置から受信した前記第一の画像を表示することと、
前記表示した前記第一の画像のうち、前記ユーザが選択した第二の画像を取得することと、
を実行する、
請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記端末は、前記ユーザが選択した前記第二の画像を、前記ソーシャルネットワーキングサービスに送信する、
請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記画像送信依頼を受信した前記サーバから、前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、前記ユーザが投稿した画像に対してソーシャルボタンが押された数に関する情報を
更に取得し、
前記第二のデータベースに記憶されている前記撮影装置によって撮影された画像のうち、前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像のうちの所定数以上の前記ソーシャルボタンが押された画像と同じ特徴を有する画像を
前記第一の画像として抽出して、前記
第三のデータベースに記憶させる、
請求項
7から
9の何れか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像と、前記ユーザが投稿した画像に対して前記ソーシャルボタンが押された数と、に基づいて、前記
第一のデータベースに記憶されている前記ユーザが投稿した画像の入力に対して、前記ソーシャルボタンが押される数が所定数以上であるか否かを出力する学習モデルを生成する、
請求項
10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びシステム関する。
【背景技術】
【0002】
撮影ポイントを特定するための位置情報、撮影目標(対象物)の方位、撮影を行う範囲、撮影枚数、及び、撮影間隔などの撮影条件を入力しておき、予め設定しておいた撮影地点に到達したら、自動的に撮影を実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、ユーザが好む画像を記憶することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、ユーザが投稿した画像を取得することと、
前記ユーザに関連付く車両に備わり前記車両の外部に向けて設置された撮影装置によって撮影された画像のうち、前記ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する第一の画像を記憶部に記憶させることと、
を実行する制御部を備える情報処理装置である。
【0006】
本開示の態様の一つは、
コンピュータが、
ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、ユーザが投稿した画像を取得することと、
前記ユーザに関連付く車両に備わり前記車両の外部に向けて設置された撮影装置によって撮影された画像のうち、前記ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する第一の画像を記憶部に記憶させることと、
を実行する情報処理方法である。
【0007】
本開示の態様の一つは、
ソーシャルネットワーキングサービスを管理するサーバと、
ユーザに関連付く車両に備わる車載装置と、
を備えたシステムであって、
前記車載装置は、
前記ソーシャルネットワーキングサービスにおいて、前記ユーザが投稿した画像を前記サーバから取得することと、
前記車両に備わり前記車両の外部に向けて設置された撮影装置によって撮影された画像のうち、前記ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する第一の画像を記憶部に記憶させることと、
を実行する制御部を備える、
システムである。
【0008】
また、本開示の他の態様は、上記の情報処理装置が実行するプログラム、または、このプログラムを非一時的に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザが好む画像を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係るシステムを構成する車載装置、ユーザ端末、及び、サーバのそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係るシステムの全体のシーケンス図である。
【
図6】第1実施形態に係る車載装置がサーバに画像をアップロードする処理のフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係るシステムの全体のシーケンス図である。
【
図9】第2実施形態に係る車載装置がサーバに画像をアップロードする処理のフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係るシステムの全体のシーケンス図である。
【
図11】第3実施形態に係るユーザ端末がサーバに画像をアップロードする処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の態様の一つである情報処理装置が備える制御部は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)において、ユーザが投稿した画像を取得する。この画像は、静止画または動画の何れであってもよい。なお、ユーザが投稿した画像を取得する際に、投稿した画像に対して他のユーザがソーシャルボタンを押した数などを併せて取得することもできる。
【0012】
また、制御部は、車両に備わり車両の外部を撮影する撮影装置によって撮影される画像であって、ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する画像を記憶部に記憶させる。撮影装置は、例えば、ドライブレコーダである。また、スマートフォンのカメラを車両の外部に向けた状態でスマートフォンを車両に固定することで、撮影装置として利用することもできる。ここで、一般的なドライブレコーダでは、記憶容量以上の画像を録画することができないため、古い画像は新しい画像に上書きされてしまう。そのため、古い画像の中にユーザの好みの風景等の画像が含まれていても、新しい画像に上書きされてしまう虞がある。また、一般的なドライブレコーダでは、ユーザの好みの風景を後から探すのに手間がかかる。これに対して、本開示に係る情報処理装置では、撮影装置によって撮影される画像であって、ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する画像を記憶部に記憶させる。このように、別途記憶部に記憶させておくことで、新しい画像で上書きされることを抑制できる。また、後から画像を検索する手間も省ける。記憶部に記憶させた画像は、例えばSNSに投稿してもよい。SNSへの投稿は、情報処理装置が自動的に行ってもよく、ユーザが行ってもよい。また、SNSへ投稿する画像を、記憶された画像の中からユーザが選択してもよい。
【0013】
画像の特徴は、特徴量としてもよい。特徴量は、例えば、色、テクスチャ、または、コンテキストに基づいて取得されてもよい。制御部は、画像から特徴量を取得し、例えば、特徴量のパターンマッチングによって画像を分類してもよい。また、画像を、例えば、山
、川、海、夕焼け、または、雨などの撮影対象ごとに分類してもよい。そして、ユーザが投稿した画像と同じ分類に属する画像を「ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有する画像」としてもよい。例えば、ユーザがSNSに海の画像を投稿している場合には、撮影装置によって海の画像が撮影された場合に、同じ特徴を有する画像と判断して記憶部に記憶してもよい。また、例えば、ユーザが投稿した画像に基づいた機械学習を行うことにより、撮影装置によって撮影される画像が、ユーザが投稿した画像の特徴と同じ特徴を有するか否か判断してもよい。例えば、ディープラーニングを使用してユーザがSNSに投稿した画像を学習させてもよい。なお、学習方法はこれに限らない。そして、この学習結果を用いて、撮影装置によって撮影される画像が同じ特徴を有するか否か判断してもよい。
【0014】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。システム1は、車両10に搭載されるカメラで撮影される画像の中で、過去にユーザがSNSに投稿した画像と同じ特徴を有する画像があった場合に、記憶部に記憶させておくシステムである。したがって、ユーザが自分で写真を撮らなくても、ユーザの好みの画像を車両10が自動的に記憶してくれる。
図1に示すユーザ端末20は、ユーザがSNSへ投稿すること、及び、SNSを閲覧することが可能な端末である。ユーザは、SNSに登録済みのユーザである。また、ユーザは、車両10に乗るユーザ、または、車両10を運転するユーザである。
【0016】
図1の例では、システム1は、車載装置100が搭載されている車両10、ユーザ端末20、及び、サーバ30を含む。車載装置100、ユーザ端末20、及び、サーバ30は、ネットワークN1によって相互に接続されている。なお、ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。また、車載装置100とユーザ端末20とは、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって接続されていてもよい。なお、
図1には、例示的に1つのユーザ端末20を図示しているが、ユーザ端末20は複数のユーザが夫々所持しており、ユーザ端末20はユーザの数だけ存在する。また、
図1には、例示的に1台の車両10を図示しているが、車両10も複数存在し得る。
【0017】
図2に基づいて、車載装置100、ユーザ端末20、及び、サーバ30のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るシステム1を構成する車載装置100、ユーザ端末20、及び、サーバ30のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0018】
サーバ30は、一般的なコンピュータの構成を有している。サーバ30は、プロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34を有する。これらは、バスにより相互に接続される。サーバ30は、例えば、SNSを管理するサーバ、または、SNSに関する情報を取得可能なサーバである。
【0019】
プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ31は、サーバ30を制御し、様々な情報処理の演算を
行う。主記憶部32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。補助記憶部33は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディ
スクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等である。補助記憶
部33には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部33に格納されたプログラムをプロセッサ31が主記憶部32の作業領域にロードして実行し、このプログラムの実行を通じて各構成部等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能をサーバ30が実現する。補助記憶部33は、記憶部の一例である。主記憶部32および補助記憶部33は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。なお、サーバ30は、単一のコンピュータであってもよいし、複数台のコンピュータが連携したものであってもよい。また、補助記憶部33に格納される情報は、主記憶部32に格納されてもよい。また、主記憶部32に格納される情報は、補助記憶部33に格納されてもよい。
【0020】
通信部34は、ネットワークN1経由で車載装置100、及び、ユーザ端末20と通信を行う手段である。通信部34は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボードや無線通信回路は、ネットワークN1に接続される。
【0021】
なお、サーバ30で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0022】
次に、ユーザ端末20について説明する。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)といった小型のコンピュータである。ユーザ端末20は、プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23、入力部24、ディスプレイ25、通信部26、位置情報センサ27、及び、カメラ28を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23については、サーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33と同様であるため、説明を省略する。
【0023】
入力部24は、ユーザが行った入力操作を受け付ける手段であり、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、または、押しボタン等である。ディスプレイ25は、ユーザに対して情報を提示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または、EL(Electroluminescence)パネル等である。入力部24及びディスプレイ25は、
1つのタッチパネルディスプレイとして構成してもよい。通信部26は、ユーザ端末20をネットワークN1に接続するための通信手段である。通信部26は、例えば、移動体通信サービス(例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の電話通信網)、Wi-Fi(登録商標
)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網を利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例えば車載装置100、または、サーバ30等)と通信を行うための回路である。
【0024】
位置情報センサ27は、ユーザ端末20の位置情報(例えば緯度、経度)を取得する。位置情報センサ27は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信部、無線L
AN通信部等である。カメラ28は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージ
センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサな
どの撮像素子を用いて撮影を行う。撮影により得られる画像は、静止画または動画の何れであってもよい。
【0025】
次に、車両10の車載装置100について説明する。車載装置100は、プロセッサ11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、ディスプレイ15、通信部16、位置情報センサ17、及び、カメラ18を有する。これらは、バスにより相互に接続される。
プロセッサ11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、ディスプレイ15、通信部16、位置情報センサ17、及び、カメラ18については、ユーザ端末20のプロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23、入力部24、ディスプレイ25、通信部26、位置情報センサ27、及び、カメラ28と同様であるため、説明を省略する。なお、プロセッサ11は、制御部の一例である。また、カメラ18は、撮影装置の一例である。また、補助記憶部13は、記憶部の一例である。カメラ18は、画角が車両10の周囲となるように、車両10の外部に向けて設置されている。
【0026】
次に、サーバ30の機能について説明する。サーバ30は、SNSへの投稿及びSNSの閲覧を管理するサーバである。サーバ30は、ネットワークN1を介して車載装置100及びユーザ端末20と通信可能である。サーバ30は、補助記憶部33に、各ユーザの投稿、及び、各ユーザが投稿をした位置等を記憶している。サーバ30は、ユーザ端末20からの要求に基づいて、SNSに関する情報を提供する。サーバ30は、例えば、ユーザが画像を含む投稿をした場合に、ユーザに固有の識別子であるユーザアカウントと紐付けして画像を補助記憶部33に記憶する。また、サーバ30は、投稿に対して、他のユーザが肯定的な反応を示したことを補助記憶部33に記憶する。例えば、サーバ30は、投稿に対してソーシャルボタンが押された(例えば、いいねボタンが押された、または、星の数が入力された)ことを補助記憶部33に記憶する。
【0027】
車両10の車載装置100の機能について説明する。
図3は、車載装置100の機能構成を例示した図である。車載装置100は、機能構成要素として、SNS情報取得部101、特徴量取得部102、撮影部103、画像抽出部104、画像提供部105、投稿画像情報DB111、走行画像情報DB112、及び、抽出画像情報DB113を備える。車載装置100のプロセッサ11は、主記憶部12上のコンピュータプログラムにより、SNS情報取得部101、特徴量取得部102、撮影部103、画像抽出部104、及び、画像提供部105の処理を実行する。ただし、それらの処理の全部または一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0028】
投稿画像情報DB111、走行画像情報DB112、及び、抽出画像情報DB113は、プロセッサ11によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部33に記憶されるデータを管理することで構築される。投稿画像情報DB111、走行画像情報DB112、及び、抽出画像情報DB113は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0029】
なお、車載装置100の各機能構成要素のいずれか、またはその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0030】
SNS情報取得部101は、サーバ30からSNS情報を取得する。ここでいうSNS情報は、車両10を運転しているユーザがSNSに投稿した画像に関する情報である。SNS情報取得部101は、例えば、ユーザ端末20と近距離無線通信を行うことにより、車両10を運転しているユーザのSNSアカウントを特定する。ユーザのSNSアカウントは、ユーザに対してサーバ30が予め付与しており、例えば、ユーザ端末20の補助記憶部23に記憶されている。別法として、ユーザが、車載装置100の入力部14を介して、SNSアカウントを入力してもよい。そして、SNS情報取得部101は、サーバ30から、ユーザのSNSアカウントに紐付けされている画像を取得する。この画像は、車両10の運転者であるユーザが、SNSに投稿した画像である。SNS情報取得部101は、取得したSNS情報を後述する投稿画像情報DB111に格納する。投稿画像情報DB111では、ユーザのSNSアカウントが紐付けされた画像が格納されている。
【0031】
特徴量取得部102は、例えば、投稿画像情報DB111に格納されている各画像の特徴量を取得する。特徴量は、例えば、色、テクスチャ、または、コンテキストに基づいて取得される。特徴量取得部102は、投稿画像情報DB111に格納されている各画像の特徴量を取得すると、投稿画像情報DB111に格納する。同様にして、特徴量取得部102は、後述する走行画像情報DB112に格納されている画像の特徴量を取得して、走行画像情報DB112に格納する。特徴量の取得方法については限定しない。
【0032】
撮影部103は、カメラ18により車両10周辺の撮影を行い、画像を走行画像情報DB112に格納する。走行画像情報DB112には、画像およびその画像の特徴量が格納されている。画像は、静止画であってもよく、動画であってもよい。撮影部103は、例えば、車載装置100とユーザ端末20とで近距離無線通信が確立された後、車両10の電源がOFFになるまでの間、撮影を行ってもよいし、車両10の走行時に限り(例えば、速度が0よりも大きいときに限り)、撮影を行ってもよい。
【0033】
画像抽出部104は、投稿画像情報DB111に格納されている画像の特徴量と、走行画像情報DB112に格納されている画像の特徴量と、を比較することにより、走行画像情報DB112に格納されている画像の中から、ユーザがSNSに投稿した画像と特徴が同じ画像を抽出する。特徴が同じ画像とは、例えば、類似しているといえる画像である。例えば、画像抽出部104は、例えば、パターンマッチングにより特徴が同じ画像を抽出してもよい。画像抽出部104が抽出した画像は、抽出画像情報DB113に格納される。抽出画像情報DB113に格納される画像には、特徴が同じと判断された投稿画像が紐付けされていてもよい。なお、走行画像情報DB112に格納されている画像であって、ユーザがSNSに投稿した画像と類似していないと判断された画像は、画像抽出部104が消去してもよい。
【0034】
画像提供部105は、抽出画像情報DB113に格納されている画像を、ユーザ端末20またはサーバ30に送信する。画像提供部105は、例えば、所定の時間毎、または、抽出画像情報DB113に画像が格納される毎に、画像をSNSに投稿するためにサーバ30に送信してもよい。また、画像提供部105は、ユーザ端末20から画像の提供を依頼された場合に、抽出画像情報DB113に格納されている画像をユーザ端末20へ送信してもよい。また、画像提供部105は、ユーザがユーザ端末20を介して画像の送信を許可した場合に限り、画像をサーバ30に提供してもよい。
【0035】
次に、ユーザ端末20の機能について説明する。
図4は、ユーザ端末20の機能構成を例示した図である。ユーザ端末20は、機能構成要素として、SNS利用部201、及び、画像取得部202を備える。ユーザ端末20のプロセッサ21は、主記憶部22上のコンピュータプログラムにより、SNS利用部201及び画像取得部202の処理を実行する。ただし、SNS利用部201及び画像取得部202、またはそれらの処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0036】
SNS利用部201は、ディスプレイ25に操作画面を表示させ、ユーザによる入力部24への入力に応じた情報をサーバ30に送信する。例えば、SNS利用部201は、タッチパネルディスプレイにSNSの操作画面等を表示し、当該操作画面等においてユーザが何らかの入力を行った場合に、その入力に応じた情報をサーバ30に送信する。ユーザは、例えば、カメラ28によって撮影した画像の投稿を行うことができる。
【0037】
また、SNS利用部201は、SNS上で公開されている画像をディスプレイ25に表示させることができる。SNS利用部201は、画像をディスプレイ25に表示するように、ユーザから所定の入力があった場合に、サーバ30へ画像の提供を要求する。そして、その要求に応じてサーバ30が画像を送信すると、SNS利用部201は、画像をディ
スプレイ25に表示させる。
【0038】
画像取得部202は、車載装置100の画像提供部105から画像を取得する。取得した画像は、ユーザが選択可能なように、ディスプレイ25に表示させることもできる。例えば、ユーザが、ディスプレイ25に表示されている画像をタップすると、その画像がSNSの投稿としてサーバ30に送信されてもよい。
【0039】
次に、システム1の全体の処理について説明する。
図5は、システム1の全体のシーケンス図である。
図5において、ユーザがユーザ端末20を所持して車両10に乗ると、ユーザ端末20と車載装置100とが、例えば近距離無線通信を行う(S11)。これにより、ユーザ端末20から車載装置100へ、ユーザのSNSアカウント等の情報が送信される。次に、車載装置100において画像送信依頼が生成される(S12)。画像送信依頼は、車載装置100がサーバ30への依頼に関する情報であって、ユーザが投稿した画像を送信するように依頼するための情報である。画像送信依頼には、例えば、ユーザのSNSアカウント、及び、車載装置100に固有の識別子(以下、車両IDともいう。)が含まれる。画像送信依頼が生成されると、車載装置100からサーバ30へ画像送信依頼が送信される(S13)。
【0040】
画像送信依頼を受信したサーバ30は、ユーザの投稿した画像を収集し(S14)、車載装置100へ送信する(S15)。サーバ30から画像を受信した車載装置100は、各画像の特徴量を取得して補助記憶部13(投稿画像情報DB111)に記憶させる(S16)。また、車載装置100は、カメラ18による撮影を行う(S17)。車載装置100は、撮影した画像を補助記憶部13に記憶すると共に、その画像の特徴量を取得して、補助記憶部13(走行画像情報DB112)に記憶させる(S18)。サーバ30は、投稿画像情報DB111に記憶されている各画像の特徴量と、走行画像情報DB112に記憶されている各画像の特徴量とを比較する。サーバ30は、例えば、パターンマッチングによって、走行画像情報DB112に記憶されている画像の中から、投稿画像情報DB111に記憶されている画像と同じ特徴を有する画像を抽出する(S19)。S19では、車載装置100により抽出された画像(第一の画像)が、抽出画像情報DB113に記憶される。そして、車載装置100により抽出された画像は、車載装置100からサーバ30へ送信される(S20)。この画像を受信したサーバ30は、ユーザの投稿としてこの画像をSNSで公開する(S21)。
【0041】
次に、車載装置100がサーバ30に画像をアップロードする処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る車載装置100がサーバ30に画像をアップロードする処理のフローチャートである。
図6に示した提供処理は、車載装置100において、所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、サーバ30の補助記憶部33には、ユーザから投稿された画像が格納されているものとして説明する。
【0042】
ステップS101では、SNS情報取得部101が、ユーザ端末20との近距離無線通信が確立しているか否か判定する。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを終了させる。ステップS102においてSNS情報取得部101は、ユーザ端末20からユーザのSNSアカウントを取得する。ステップS103では、SNS情報取得部101は、サーバ30に対して、画像の送信を依頼するための情報である画像送信依頼を生成する。画像送信依頼には、ユーザのSNSアカウント及び車両IDが含まれる。そして、ステップS104では、SNS情報取得部101が、サーバ30へ画像送信依頼を送信する。
【0043】
ステップS105では、SNS情報取得部101が、サーバ30から画像を受信したか否か判定する。ステップS105で肯定判定された場合には、SNS情報取得部101が
、ユーザアカウントに紐付けされた画像を投稿画像情報DB111に格納して、ステップS106へ進む。一方、ステップS105で否定判定された場合には、ステップS105の処理を再度実行する。
【0044】
ステップS106では、特徴量取得部102が、投稿画像情報DB111に格納されている画像から特徴量を取得する。特徴量の取得方法については限定しない。特徴量取得部102は、取得した特徴量を投稿画像情報DB111に格納する。ステップS107では、撮影部103が撮影を行う。例えば、所定時間毎に静止画を撮影してもよく、動画を撮影してもよい。撮影部103は、画像を走行画像情報DB112に格納する。ステップS108では、特徴量取得部102が、走行画像情報DB112に格納されている画像から特徴量を取得する。取得した特徴量は、走行画像情報DB112に格納される。走行画像情報DB112に動画が格納されている場合には、例えば、所定時間毎に動画から静止画を切り出して特徴量を取得してもよい。そして、ステップS109では、画像抽出部104が、投稿画像情報DB111に格納されている特徴量(ユーザがSNSに投稿した画像の特徴量)と、走行画像情報DB112に格納されている特徴量(撮影部103によって撮影された画像の特徴量)とを比較する。そして、ステップS110において、画像抽出部104が、特徴量が所定の一致度合いの画像(撮影部103によって撮影された画像)を抽出画像情報DB113に格納することで、抽出画像情報DB113を更新する。このようにして、抽出画像情報DB113には、ユーザがSNSにアップロードした画像と類似する画像が格納される。すなわち、ユーザがSNSにアップロードすることを望む可能性の高い画像が抽出画像情報DB113に格納される。
【0045】
以上説明したように本実施形態によれば、SNSにユーザが投稿した画像に基づいてユーザの好みの景色等を自動的に撮影及び保存することができる。また、ユーザが運転中であっても、車載装置100により撮影が可能であるため、ユーザが好む景色をより確実に撮影することができる。また、ユーザが好む景色等が記憶されるため、後で検索する手間が省ける。
【0046】
なお、上記説明では、例えば、パターンマッチングによって画像が類似しているか否か判断しているが、これに代えて、例えば、ユーザの好みの画像であるか否かを機械学習に基づいて判断してもよい。例えば、ユーザがSNSに投稿した画像に基づいてディープラーニングによる学習を行い、車載装置100によって撮影された画像が、SNSに投稿した画像と特徴が同じである否か判断してもよい。
【0047】
<第2実施形態>
本実施形態では、ユーザがSNSに投稿した画像のうち、他のユーザから肯定的な反応が得られた画像に基づいて、車載装置100が記憶する画像を選定する。肯定的な反応を得られたとは、例えば、他のユーザによってソーシャルボタンが押されたことをいう。これには、例えば、他のユーザによって「いいね」ボタンが押された、星の数が入力された、または、点数が入力された等が含まれる。例えば、所定数以上のソーシャルボタンが押された画像と特徴が同じ画像を車載装置100が記憶してもよい。所定数は、人気があるものとして扱うことのできる数としてもよい。所定数は、ユーザが決めてもよく、システム1の管理者等が決めてもよい。
【0048】
車載装置100は、例えば、ユーザがSNSに投稿した画像を入力データとし、所定数以上の肯定的な反応を得られた画像(以下、人気のある画像、または、人気画像ともいう。)を正解データとして、機械学習を行う。なお、学習は教師あり学習に限らない。また、学習に限らず、例えば、第1実施形態で説明したパターンマッチングを用いて人気のある画像と同じ特徴を有する画像を抽出してもよい。
【0049】
ハードウェアの構成については、第1実施形態と同じため説明を省略する。また、ユーザ端末20の機能についても、第1実施形態と同じため、説明を省略する。次に、本実施形態におけるサーバ30の機能について説明する。サーバ30は、第1実施形態で説明した機能の他に、ユーザの投稿に対する他のユーザからの肯定的な反応を記憶する機能を有する。例えば、サーバ30は、投稿された画像に対して、SNS上でソーシャルボタンが押された数を記憶している。
【0050】
次に、車両10の車載装置100の機能について説明する。
図7は、車載装置100の機能構成を例示した図である。車載装置100は、機能構成要素として、SNS情報取得部101、人気画像学習部106、撮影部103、人気画像抽出部107、人気画像提供部108、投稿画像情報DB111、走行画像情報DB112、抽出画像情報DB113、及び、モデル記憶部115を備える。車載装置100のプロセッサ11は、主記憶部12上のコンピュータプログラムにより、SNS情報取得部101、人気画像学習部106、撮影部103、人気画像抽出部107、人気画像提供部108の処理を実行する。ただし、それらの処理の全部または一部がハードウェア回路により実行されてもよい。投稿画像情報DB111、走行画像情報DB112、及び、抽出画像情報DB113については、第1実施形態と同じため説明を省略する。
【0051】
モデル記憶部115は、学習モデルを記憶する。学習モデルは、ユーザによって投稿された画像と、他のユーザによって所定数以上のソーシャルボタンが押された画像と、に基づいて生成され、画像の入力に対して、ソーシャルボタンが押された数が所定数以上であるか否かを出力する機械学習モデルである。人気画像学習部106が、機械学習モデルの学習を行うフェーズを実行し、当該機械学習モデルを利用して、人気画像抽出部107が、人気画像の抽出を行うフェーズを実行する。
【0052】
なお、車載装置100の各機能構成要素のいずれか、またはその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0053】
SNS情報取得部101は、サーバ30からSNS情報を取得する。ここでいうSNS情報は、車両10を運転しているユーザがSNSに投稿した情報であって、画像を含む情報である。また、SNS情報には、画像に紐付けされているソーシャルボタンが押された数を含む。SNS情報取得部101は、取得したSNS情報を後述する投稿画像情報DB111に格納する。
【0054】
人気画像学習部106は、投稿画像情報DB111に格納されているユーザがSNSに投稿した画像を入力データとし、人気がある画像を正解データとして、機械学習を行う。生成される学習モデルは、画像を入力すると、ソーシャルボタンが押される数が所定数以上である否かを出力する学習モデルである。人気画像学習部106は、学習モデルを生成すると、モデル記憶部115に格納する。なお、人気画像学習部106による学習は上記に限らない。撮影部103によって撮影された画像の中から、人気画像と特徴が一致する画像を抽出できれば、他の学習方法を採用することもできる。また、学習モデルは、画像の入力に対して、ソーシャルボタンが押される数を出力する学習モデルであってもよい。
【0055】
撮影部103は、カメラ18により車両10周辺の撮影を行い、画像を走行画像情報DB112に格納する。人気画像抽出部107は、モデル記憶部115に記憶されている学習モデルと、走行画像情報DB112に格納されている画像と、に基づいて、走行画像情報DB112に格納されている画像の中から、人気画像と特徴が同じ画像を抽出する。人気画像抽出部107が抽出した画像は、抽出画像情報DB113に格納される。なお、人気画像抽出部107によって人気画像と同じ特徴を有していないと判断された画像は、人気画像抽出部107が消去してもよい。
【0056】
人気画像提供部108は、抽出画像情報DB113に格納されている画像を、ユーザ端末20またはサーバ30に送信する。人気画像提供部108は、例えば、所定の時間毎、または、抽出画像情報DB113に画像が格納される毎に、画像をSNSに投稿するためにサーバ30に送信してもよい。また、人気画像提供部108は、ユーザ端末20から画像の提供を依頼された場合に、抽出画像情報DB113に格納されている画像をユーザ端末20へ送信してもよい。また、人気画像提供部108は、ユーザが許可した場合に限り、画像をサーバに提供してもよい。
【0057】
次に、システム1の全体の処理について説明する。
図8は、システム1の全体のシーケンス図である。
図8において、
図5と同じ処理には同じ符号を付している。
図8において、ユーザがユーザ端末20を所持して車両10に乗ると、ユーザ端末20と車載装置100とが近距離無線通信を行う(S11)。これにより、ユーザ端末20から車載装置100へ、ユーザのSNSアカウント等の情報が送信される。次に、車載装置100において画像送信依頼が生成される(S31)。画像送信依頼は、車載装置100がサーバ30への依頼に関する情報であって、ユーザが投稿した画像およびその画像に紐付けされたソーシャルボタンが押された数を送信するように依頼するための情報である。画像送信依頼には、例えば、ユーザのSNSアカウント、及び、車両IDが含まれる。画像送信依頼が生成されると、車載装置100からサーバ30へ画像送信依頼が送信される(S32)。
【0058】
画像送信依頼を受信したサーバ30は、ユーザの投稿した画像を収集し(S33)、画像に紐付けされたソーシャルボタンが押された数と共に、車載装置100へ送信する(S34)。サーバ30から画像を受信した車載装置100は、各画像、及び、人気画像に基づいて学習モデルを生成し、モデル記憶部115に記憶させる(S35)。また、車載装置100は、カメラ18による撮影を行う(S17)。車載装置100は、撮影した画像を補助記憶部13(走行画像情報DB112)に記憶すると共に、その画像と、学習モデルとに基づいて、人気画像と同じ特徴を有する画像を抽出する(S36)。S36では、車載装置100により抽出された画像が、抽出画像情報DB113に記憶される。そして、車載装置100により抽出された画像は、車載装置100からサーバ30へ送信される(S37)。この画像を受信したサーバ30は、ユーザの投稿としてこの画像をSNSで公開する(S21)。
【0059】
次に、車載装置100がサーバ30に画像をアップロードする処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る車載装置100がサーバ30に画像をアップロードする処理のフローチャートである。
図9に示した提供処理は、車載装置100において、所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、サーバ30の補助記憶部33には、ユーザから投稿された画像が格納されているものとして説明する。
図6に示した処理と同じ処理が実行されるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
図9に示したフローチャートでは、ステップS102の処理の後に、ステップS201の処理が実行される。ステップS201では、SNS情報取得部101が、サーバ30に対して画像の送信を依頼するための情報である画像送信依頼を生成する。画像送信依頼には、ユーザのSNSアカウント及び車両IDが含まれる。この画像送信依頼には、画像に紐付けされているソーシャルボタンが押された数の送信の依頼も含まれる。そして、ステップS202では、SNS情報取得部101が、サーバ30へ画像送信依頼を送信する。
【0061】
ステップS203では、SNS情報取得部101が、サーバ30から画像を受信したか否か判定する。ステップS203で肯定判定された場合には、SNS情報取得部101が、受信した画像をソーシャルボタンが押された数と紐付けして投稿画像情報DB111に格納して、ステップS204へ進む。一方、ステップS203で否定判定された場合には
、ステップS203の処理を再度実行する。
【0062】
ステップS204では、人気画像学習部106が、投稿画像情報DB111に格納されている画像から学習モデルを生成する。学習方法については限定しない。人気画像学習部106は、生成した学習モデルをモデル記憶部115に格納する。ステップS107では、撮影部103が撮影を行う。ステップS205では、人気画像抽出部107が、走行画像情報DB112に格納されている画像と、モデル記憶部115に格納されている学習モデルとから、人気画像と特徴が同じ画像を抽出する。人気画像抽出部107は、抽出した画像を抽出画像情報DB113に格納することで、抽出画像情報DB113を更新する。このようにして、抽出画像情報DB113は、ユーザがSNSにアップロードした画像のうち、人気画像と特徴が同じ画像を格納している。すなわち、ユーザがSNSにアップロードすることを望む可能性の高い画像が抽出画像情報DB113に格納されている。
【0063】
以上説明したように本実施形態によれば、SNSにユーザがアップロードした画像のうち他のユーザから人気のある画像に基づいて、景色等を自動的に撮影及び保存することができる。
【0064】
なお、上記説明では、例えば、ユーザがSNSに投稿した画像と、人気画像とに基づいて学習モデルを生成しているが、これに代えて、人気画像のみから学習モデルを生成してもよい。また、第1実施形態と同様にして、人気画像の特徴量を取得して、パターンマッチングにより人気画像と特徴の同じ画像を抽出してもよい。
【0065】
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態では、主に、車載装置100からサーバ30へ画像が自動的に送信される例について説明した。一方、本実施形態では、車載装置100からユーザ端末20へ画像が送信され、ユーザ端末20においてユーザが選択した画像がサーバ30へ送られる。ハードウェアの構成については上記実施形態と同じため説明を省略する。また、車載装置100が画像を抽出画像情報DB113に格納するまでのシステム1の処理は上記実施形態と同じである。
【0066】
システム1の全体の処理について説明する。
図10は、システム1の全体のシーケンス図である。
図10において、
図5のS18または
図8のS37までは同じ処理が行われるため、図示及び説明を省略している。
図10において、ユーザがユーザ端末20に画像の閲覧を要求するための依頼をする旨の入力を行うと、ユーザ端末20が、画像閲覧要求を生成する(S41)。例えば、ユーザ端末20に画像閲覧要求を生成するためのアイコンが表示されており、このアイコンをユーザがタップした場合に、画像取得部202によって画像閲覧要求が生成される。画像閲覧要求は、車載装置100の抽出画像情報DB113に格納されている画像の送信を依頼するための情報である。生成された画像閲覧要求は、車載装置100へ送信される(S42)。画像閲覧要求を受信した車載装置100は、抽出画像情報DB113に格納されている画像をユーザ端末20へ送信する(S43)。
【0067】
車載装置100から画像を受信したユーザ端末20では、例えば、ディスプレイ25に画像のサムネイルが表示され、ユーザがそのサムネイルをタップすることで、ユーザが画像を選定する(S44)。選定される画像は、ユーザがSNSで公開することを望む画像である。選択された画像は、サーバ30へ送信され(S45)、サーバ30によってSNS上で公開される(S21)。
【0068】
図11は、本実施形態に係るユーザ端末20がサーバ30に画像をアップロードする処理のフローチャートである。
図11に示した提供処理は、ユーザ端末20において、所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、車載装置100の抽出画像情報DB113には、
画像が格納されているものとして説明する。
【0069】
ステップS301では、画像取得部202が、ユーザがディスプレイ25に表示されている所定のアイコンをタップしたか否か判定する。所定のアイコンは、ユーザがユーザ端末20に画像閲覧要求を生成させるときに、ユーザがタップするアイコンである。所定のアイコンは、ユーザが画像を選択したサーバ30へ送信するときにユーザによってタップされる。ステップS301で肯定判定されるとステップS302へ進み、否定判定されると本ルーチンを終了させる。ステップS302では、画像取得部202が、画像閲覧要求を生成する。そして、ステップS303では、画像取得部202が、車載装置100へ画像閲覧要求を送信する。
【0070】
ステップS304では、画像取得部202が、車載装置100から画像を受信したか否か判定する。ステップS304で肯定判定された場合にはステップS305へ進み、否定判定された場合にはステップS304の処理を再度実行する。ステップS305では、画像取得部202が、受信した画像をディスプレイ25に表示させる。画像取得部202は、例えば、受信した画像を縮小した画像であるサムネイルをディスプレイ25に表示させてもよい。さらに、画像取得部202は、例えば、SNSに投稿する画像のサムネイルをタップすることを促す表示をディスプレイ25に表示させる。このときに、例えば、ユーザが選択した画像がチェックされるようにラジオボタンを表示させてもよい。
【0071】
ステップS306では、画像取得部202が、ユーザが選択した画像(第二の画像)に関する情報を取得し、ステップS307では、画像取得部202が、ユーザが選択した画像をサーバ30に送信する。以上のようにしてユーザ端末20からサーバ30へ送信された画像は、サーバ30によってSNS上で公開される。
【0072】
以上説明したように本実施形態によれば、車載装置100で記憶された画像の中から、SNSで公開する画像をユーザが選択することができる。これにより、ユーザが好む画像に限りSNSに公開することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、ユーザがユーザ端末20のディスプレイ25に表示されている画像の中からSNSに投稿する画像を選択しているが、これに代えて、車載装置100がディスプレイ15に画像を表示し、ユーザが車載装置100のディスプレイ15に表示されている画像の中からSNSに投稿する画像を選択してもよい。この場合、車載装置100は、例えば、ユーザの操作に基づいて、記憶されている画像のサムネイルをディスプレイ15に表示させ、ユーザがサムネイルをタップすることで、SNSに投稿する画像を選択してもよい。そして、ユーザが選択した画像を車載装置100からサーバ30へ送信してもよい。
【0074】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0075】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0076】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。例えば、サーバ30は、SNSを管理するサーバと、洗車機情報を管理するサーバとから構成されていて
もよい。
【0077】
上記実施形態では、車載装置100が情報処理装置として機能する例について説明したが、これに限らず、サーバ30が情報処理装置として機能してもよく、または、ユーザ端末20が情報処理装置として機能してもよい。また、サーバ30、車載装置100、及び、ユーザ端末20が、連携して情報処理装置として機能してもよい。
【0078】
また、特徴量取得部102は特徴量のパターンマッチングによって画像を分類してもよい。例えば、各画像を、山、川、若しくは海などの風景、または、夕焼け若しくは雨などの状況に応じて分類してもよい。そして、例えば、撮影部103によって撮影された画像の中から、ユーザが好む風景に分類される画像を、補助記憶部13に記憶させてもよい。
【0079】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0080】
1 システム
10 車両
11 プロセッサ
13 補助記憶部
18 カメラ
20 ユーザ端末
30 サーバ
100 車載装置
101 SNS情報取得部
102 特徴量取得部
103 撮影部
104 画像抽出部
105 画像提供部