(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】移動空間提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231003BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/30
B60N2/90
(21)【出願番号】P 2020126422
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】日比野 清栄
(72)【発明者】
【氏名】山内 克仁
(72)【発明者】
【氏名】林 伸樹
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/235379(WO,A1)
【文献】特開2002-150009(JP,A)
【文献】国際公開第2016/092687(WO,A1)
【文献】特開2004-171454(JP,A)
【文献】特開2020-107219(JP,A)
【文献】特開2020-052748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上を走行すると共に、複数のユーザーが滞在するように構成された内部空間を有する移動体と、
前記複数のユーザーをマッチングするように構成された処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記複数のユーザーそれぞれの姿勢に関する情報及び前記複数のユーザーそれぞれの生体情報の少なくとも一方を含む推定用情報を取得するように構成された取得部と、
前記取得部が取得した前記推定用情報に基づいて前記複数のユーザーそれぞれの感情を推定するように構成された推定部と、
前記推定部が推定した前記感情に基づいてユーザーをグループ化するように構成されたグループ生成部と、
前記グループ生成部が生成したユーザーグループそれぞれに前記内部空間の一部を割り当てるように構成された空間割当部と、
を有する、移動空間提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動空間提供システムであって、
前記処理装置は、前記ユーザーグループごとに前記移動体の目的地を提示するように構成された目的地提示部を有する、移動空間提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動空間提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の位置情報と、ユーザーの行動パターンとに基づいて、サービス情報を提供する情報配信システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のシステムは、個別のユーザーに対してサービスを提供することはできるが、複数のユーザーに対するサービスの提供は想定されていない。
【0005】
本開示の一局面は、複数のユーザーが滞在する移動空間に付加価値を与えられる移動空間提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、地上を走行すると共に、複数のユーザーが滞在するように構成された内部空間(21)を有する移動体(2)と、複数のユーザーをマッチングするように構成された処理装置(3)と、を備える移動空間提供システム(1)である。
【0007】
処理装置(3)は、複数のユーザーそれぞれの姿勢に関する情報及び複数のユーザーそれぞれの生体情報の少なくとも一方を含む推定用情報を取得するように構成された取得部(31)と、取得部(31)が取得した推定用情報に基づいて複数のユーザーそれぞれの感情を推定するように構成された推定部(32)と、推定部(32)が推定した感情に基づいてユーザーをグループ化するように構成されたグループ生成部(33)と、グループ生成部(33)が生成したユーザーグループそれぞれに内部空間(21)の一部を割り当てるように構成された空間割当部(34)と、を有する。
【0008】
このような構成によれば、移動体(2)の内部空間(21)において趣向の近いユーザー同士が集まる空間が形成されるため、ユーザー間のコミュニケーションを活性化できる。そのため、複数のユーザーが滞在する移動空間に付加価値を与えることができる。
【0009】
本開示の一態様では、処理装置(3)は、ユーザーグループごとに移動体(2)の目的地を提示するように構成された目的地提示部(35)を有してもよい。このような構成によれば、ユーザーグループごとに異なる目的地に行くことができるため、移動体(2)による観光ツアーの付加価値を高めることができる。
【0010】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態における移動空間提供システムを示す模式的な構成図である。
【
図4】
図4は、シートにおけるユーザーの姿勢と加速度センサの出力との対応について説明する模式図である。
【
図5】
図5は、
図1の処理装置が実行する処理を概略的に示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す移動空間提供システム1は、主に観光を目的とした複数のユーザーを目的地へ運ぶ移動空間を提供するシステムである。移動空間提供システム1は、移動体2と、処理装置3とを備える。
【0013】
<移動体>
移動体2は、動力により地上を自走可能な乗物である。移動体2は、
図2に示すように、複数のユーザーが同時に滞在するように構成された内部空間21と、内部空間21に配置され、複数のユーザーが着席する複数のシート25A-25Hとを有する。移動体2の具体例としては、観光バスが挙げられる。
【0014】
また、
図1に示すように、移動体2は、検出装置22と、空間制御装置23と、運転支援装置24とを有する。移動体2は、運転支援装置24によって目的地まで自動走行してもよいし、ユーザー以外のドライバーによって手動で目的地まで運転されもよい。
【0015】
(検出装置)
検出装置22は、移動体2内(つまり内部空間21)における複数のユーザーそれぞれの姿勢に関する情報及び生体情報を検出するように構成されている。
【0016】
検出装置22は、
図3に示すように、第1クッション用加速度センサ22A、第2クッション用加速度センサ22B、及びバック用加速度センサ22Cと、カメラ22Dと、ウェアラブルデバイス22Eとを備える。
【0017】
第1クッション用加速度センサ22A、第2クッション用加速度センサ22B、及びバック用加速度センサ22Cは、それぞれ、3軸加速度センサであり、3次元の加速度データを出力可能に構成されている。
【0018】
第1クッション用加速度センサ22A、第2クッション用加速度センサ22B、及びバック用加速度センサ22Cは、内部空間21に配置された複数のシート25A-25Hそれぞれに配置されている。
【0019】
第1クッション用加速度センサ22A、第2クッション用加速度センサ22B、及びバック用加速度センサ22Cは、必要に応じて、3軸の角速度(つまり、ロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度)の検出機能を有してもよい。
【0020】
第1クッション用加速度センサ22A及び第2クッション用加速度センサ22Bは、シートクッション251の幅方向に互いに離間して、つまり左右方向に並んで第1シート25Aのシートクッション251の内部に埋められている。
【0021】
なお、
図3では内部空間21に配置されたシート25A-25Hのうち、第1シート25Aを例示しているが、他のシートにおけるセンサの配置も第1シート25Aと同様である。
【0022】
具体的には、第1クッション用加速度センサ22Aは、シートクッション251の幅方向中心よりも左側に配置されている。第2クッション用加速度センサ22Bは、シートクッション251の幅方向中心よりも右側に配置されている。第1クッション用加速度センサ22A及び第2クッション用加速度センサ22Bは、それぞれ、ユーザーのヒップポイント(つまり大腿骨の最外部)と重なるように配置されている。
【0023】
バック用加速度センサ22Cは、第1シート25Aのシートバック252の内部に埋められている。バック用加速度センサ22Cは、シートバック252の幅方向中央に配置されている。
【0024】
カメラ22Dは、各シートに着席したユーザーの姿勢を撮影する3次元カメラである。カメラ22Dは、ユーザーの体の向きを画像として取得し、処理装置3に出力する。検出装置22は、全てのユーザーの姿勢を撮影する1つのカメラ22Dを有してもよいし、1又は複数のユーザーの姿勢をそれぞれ撮影する複数のカメラ22Dを有してもよい。
【0025】
ウェアラブルデバイス22Eは、例えばリストバンド型の電子機器であり、複数のユーザーがそれぞれ装着する。ウェアラブルデバイス22Eは、装着者の脈拍、心拍、体温、発汗量等の生体情報を検出可能なセンサを内蔵している。
【0026】
(空間制御装置)
図1に示す空間制御装置23は、後述する処理装置3の指令に基づいて移動体2の内部空間21のレイアウトを変更するように構成されている。
【0027】
具体的には、空間制御装置23は、内部空間21を物理的に区切る分割装置、複数のシート25A-25Hの位置及び姿勢を変更するシート制御装置、ユーザーの席を指定する席表示装置、後述するユーザーグループごとにコンテンツを提供するコンテンツ提供装置等を有する。
【0028】
分割装置は、例えば
図2に示す内部空間21内に配置されたパーティション26を移動又は変形させて、内部空間21を任意の大きさの複数の空間に分割する。パーティション26は、例えば、移動体2の床、天井、壁等に設けられた収納空間から搬出されるように構成されている。
【0029】
シート制御装置は、シート25A-25Hを内部空間21内でスライドさせて配置を変更させると共に、シート25A-25Hを回転させてそれぞれの向きを変更する。シート25A-25Hは、ユーザーグループのコミュニケーションが促進されるようにレイアウトされる。
【0030】
席表示装置は、同じユーザーグループに所属するユーザー同士が近くに位置するように、複数のユーザーに対し着席するシートを表示する。席表示装置は、例えば、内部空間21に配置されたディスプレイ、又は各ユーザーが携帯している端末によって座るべき席をユーザーに提示する。
【0031】
コンテンツ提供装置は、ディスプレイ、スピーカ等を使用して、映像、音響等のコンテンツをユーザーグループごとに提供する。コンテンツ提供装置は、処理装置3がユーザーグループの関心が高いと推定したコンテンツ、又はユーザーグループの盛り上がりを高められると推定したコンテンツを提供する。
【0032】
(運転支援装置)
図1に示す運転支援装置24は、処理装置3の指令に基づいて、移動体2の運転を支援するように構成されている。
【0033】
移動体2が自動運転で走行する場合には、運転支援装置24は、目的地を自動運転装置に出力する。一方、移動体2がドライバーの手動運転で走行する場合には、運転支援装置24は、ドライバーに目的地をディスプレイ等の機器によって提示する。
【0034】
<処理装置>
処理装置3は、複数のユーザーをマッチングするように構成されている。処理装置3は、取得部31と、推定部32と、グループ生成部33と、空間割当部34と、目的地提示部35とを有する。
【0035】
処理装置3は、例えばプロセッサと、RAM、ROM等の記憶媒体と、入出力部とを備えるコンピュータにより構成される。処理装置3は、移動体2の内部に設置されている。ただし、処理装置3の一部は、移動体2の外部(つまり地上設備)に設置されてもよい。
【0036】
(取得部)
取得部31は、検出装置22が検出した、複数のユーザーそれぞれの姿勢に関する情報及び複数のユーザーそれぞれの生体情報の少なくとも一方を含む推定用情報を取得するように構成されている。取得部31は、推定用情報を推定部32に出力する。
【0037】
(推定部)
推定部32は、推定用情報に基づいて、複数のユーザーそれぞれの感情(例えば、盛り上がり具合、興味の高さ等)を推定するように構成されている。
【0038】
推定部32は、取得部31が取得したユーザーの姿勢に関する情報に基づいて、ユーザーの姿勢を推定する。さらに、推定部32は、推定した姿勢と取得部31が取得した生体情報とを組み合わせてユーザーの感情を推定する。
【0039】
以下、推定部32によるユーザーの姿勢の推定手順の一例を説明する。この例では、推定部32は、機械学習により構築された学習モデルを用いて各加速度センサの出力からユーザーの姿勢を推定する。
【0040】
この学習モデルは、第1クッション用加速度センサ22A、第2クッション用加速度センサ22B、及びバック用加速度センサ22Cの出力に基づく入力データと、ユーザーの姿勢に係る情報に基づく教師データ(つまりラベルデータ)とによる機械学習により構築される。
【0041】
学習モデルは、教師あり機械学習によって構築される分類器(つまり分類モデル)であり、例えば多層ニューラルネットワークで構成される。多層ニューラルネットワークの例としては、例えば、CNN(Convolution Neural Network)、DNN(Deep Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)等が挙げられる。
【0042】
なお、学習モデルは、多層ニューラルネットに限定されず、ニューラルネットワーク以外の学習モデルが用いられてもよい。例えば、SVC(サポートベクターマシンによるクラス分類)、ランダムフォレスト等のアルゴリズムを用いて学習モデルが構築されてもよい。
【0043】
学習モデルの機械学習では、入力データとして、各加速度センサの出力(つまり、3次元の加速度、又は3次元の加速度に3次元の角速度を加えた加速度データ)を用いる。また、教師データとして、ユーザーの姿勢パターンを示す一定数の姿勢ラベルを用いる。
【0044】
学習モデルを生成する学習ステップでは、多数のラベル付きデータを機械学習装置(図示省略)に分析させる。ラベル付きデータは、加速度データに、対応する姿勢ラベルを付けたデータである。機械学習装置は、多数のラベル付きデータから加速度データを複数のラベルに分類するための特徴量を学習し、学習モデルを構築する。
【0045】
学習モデルの構築は、機械学習装置を用いて行われる。機械学習装置によって構築された学習モデルは、処理装置3の記憶部に出力される。なお、機械学習装置は処理装置3に組み込まれていてもよい。
【0046】
図4に示すように、例えば、前傾の姿勢P1から、直立の姿勢P2にユーザーUの姿勢が遷移する場合、推定部32は、姿勢ラベルを教師データとした学習モデルに遷移時の各加速度センサの出力Oを入力し、「直立」という姿勢ラベルを入力データに付与する。これにより、「直立」というユーザーUの姿勢が推定される。
【0047】
一方で、推定部32は、カメラ22Dの映像に基づいてユーザーの姿勢を推定してもよい。さらに、推定部32は、上述した学習モデルによる姿勢の推定と、カメラ22Dの映像に基づく姿勢の推定とを組み合わせてもよい。つまり、推定部32は、2つの推定方法の組み合わせによる補完を行ってもよい。
【0048】
推定部32は、姿勢の推定後、推定した姿勢に対応する数値と生体情報に含まれる数値とに対する積分、平均等の演算に基づいて、少なくとも1つのユーザー特徴量を算出する。ユーザー特徴量は、例えば、ユーザーの特定の方向への動き、ユーザーの特定の部位の動きの大きさ等を表すパラメータである。
【0049】
推定部32は、ユーザー特徴量ごとに予め設定された閾値を用いて、各ユーザーの感情スコアを算出する。具体的には、推定部32は、ユーザー特徴量がそのユーザー特徴量に対して設定された閾値を超えたか判定し、閾値を超えた場合にユーザーの関心度又は興奮度を表す感情スコアを増加させる。また、推定部32は、特定のユーザー特徴量が閾値よりも小さい場合に感情スコアを減少させてもよい。
【0050】
推定部32は、このようにして算出される感情スコアを複数のユーザーそれぞれの感情の推定値としてグループ生成部33に出力する。なお、感情スコアは、複数のパラメータの組み合わせで構成されてもよい。例えば、感情スコアは、建築物に対する興味を表す第1興味度と、自然物に対する興味を表す第2興味度とで構成されてもよい。
【0051】
推定部32は、移動体2におけるイベントの発生時(例えば、特定のランドマークに近づいたとき、ガイドによる案内があったとき、映像又は音響を含むコンテンツが提供されたときなど)にユーザーの感情スコアを算出する。
【0052】
(グループ生成部)
図1に示すグループ生成部33は、推定部32が推定した感情(つまり感情スコア)に基づいてユーザーをグループ化するように構成されている。
【0053】
具体的には、グループ生成部33は、感情スコアの近いユーザー同士をマッチングし、2名以上のユーザーを含む複数のユーザーグループを生成する。なお、グループ生成部33は、感情スコアに加えて、ユーザーに対する事前アンケート等によって取得した各ユーザーの趣向を考慮してユーザーグループを生成してもよい。
【0054】
グループ生成部33は、マッチングの一例として、2人のユーザーからなるグループ(つまりペア)のみをユーザーグループとして生成してもよい。つまり、グループ生成部33は、カップリングに特化されてもよい。
【0055】
グループ生成部33は、生成したユーザーグループと、各ユーザーグループに含まれるユーザー(つまり構成メンバー)を空間割当部34に出力する。また、グループ生成部33は、ユーザーグループそれぞれの属性(例えば、グループ内のユーザーの感情スコアの平均値、グループ内のユーザーの多くが興味を有する対象等)を目的地提示部35に出力する。
【0056】
(空間割当部)
空間割当部34は、グループ生成部33が生成したユーザーグループそれぞれに内部空間21の一部を割り当てるように構成されている。
【0057】
具体的には、空間割当部34は、同じユーザーグループに属するユーザー同士が近接して着席できるように内部空間21をユーザーグループと同じ数の空間に分割する。空間割当部34は、分割された空間に同じユーザーグループのユーザーが着席するように、空間制御装置23に指示を出す。
【0058】
例えば、
図2に示すように、空間割当部34は、第1シート25A、第2シート25B、第3シート25C及び第4シート25Dが含まれる第1分割空間S1を第1ユーザーグループに割り当て、第5シート25E及び第7シート25Gが含まれる第2分割空間S2を第2ユーザーグループに割り当て、第6シート25F及び第8シート25Hが含まれる第3分割空間S3を第3ユーザーグループに割り当てる。
【0059】
また、空間割当部34は、空間制御装置23によって、各分割空間に含まれる複数のシートが互いに向き合うように(つまり、分割空間の中心を向くように)回転させる。例えば第2分割空間S2では、第5シート25Eが第7シート25Gと向き合うようにシート後方に向かって回転する。さらに、空間割当部34は、空間制御装置23によって、各分割空間に含まれる複数のシートを互いに近接するように移動させてもよい。
【0060】
さらに、空間割当部34は、空間制御装置23を介して、割り当てられた分割空間内のシートへの着席をユーザーに指示する。例えば、空間割当部34は、第1ユーザーグループに属するユーザーに対し、第1シート25A、第2シート25B、第3シート25C及び第4シート25Dのいずれかに着席するように支持する。
【0061】
(目的地提示部)
図1に示す目的地提示部35は、ユーザーグループごとに移動体2の目的地を提示するように構成されている。
【0062】
具体的には、目的地提示部35は、グループ生成部33から取得したユーザーグループの属性に合わせて、目的地の候補を選択する。目的地提示部35は、少なくとも1つの候補を各ユーザーグループに提示し、選択又は承認を促す。
【0063】
目的地提示部35は、ユーザーグループがそれぞれ選択又は承認した目的地を運転支援装置24に出力する。
【0064】
[1-2.処理]
以下、
図5のフロー図を参照しつつ、処理装置3が実行する処理の一例について説明する。
【0065】
本処理では、処理装置3は、最初に、ユーザーそれぞれの推定用情報を取得する(ステップS110)。次に、処理装置3は、推定用情報に基づいてユーザーそれぞれの感情を推定する(ステップS120)。
【0066】
感情の推定後、処理装置3は、推定された感情に基づいてユーザーをグループ化する(ステップS130)。ユーザーのグループ化後、処理装置3は、ユーザーグループそれぞれに内部空間21の一部を割り当てる(ステップS140)。続けて、処理装置3は、ユーザーグループごとに移動体2の目的地を提示する(ステップS150)。
【0067】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)移動体2の内部空間21において趣向の近いユーザー同士が集まる空間が形成されるため、ユーザー間のコミュニケーションを活性化できる。そのため、複数のユーザーが滞在する移動空間に付加価値を与えることができる。
【0068】
(1b)ユーザーグループごとに異なる目的地に行くことができるため、移動体2による観光ツアーの付加価値を高めることができる。
【0069】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0070】
(2a)上記実施形態の移動空間提供システム1において、処理装置3は、必ずしもユーザーグループごとに移動体2の目的地を提示しなくてもよい。
【0071】
(2b)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0072】
1…移動空間提供システム、2…移動体、3…処理装置、21…内部空間、
22…検出装置、22A…第1クッション用加速度センサ、
22B…第2クッション用加速度センサ、22C…バック用加速度センサ、
22D…カメラ、22E…ウェアラブルデバイス、23…空間制御装置、
24…運転支援装置、25A-25H…シート、26…パーティション、
31…取得部、32…推定部、33…グループ生成部、34…空間割当部、
35…目的地提示部、251…シートクッション、252…シートバック。