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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、建物、及び、方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20231003BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20231003BHJP
   E06B 9/24 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
E06B5/00 D
E04H1/02
E06B9/24 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020156672
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022050204
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 智也
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 伊吹
(72)【発明者】
【氏名】庄司 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】山本 修平
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-52339(JP,A)
【文献】特開平8-260846(JP,A)
【文献】特開平6-101384(JP,A)
【文献】国際公開第2014/010498(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/016154(WO,A1)
【文献】特開2005-274657(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0032110(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02
E06B 5/00
E06B 9/24-9/388
G02F 1/15-1/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調光ガラスが用いられている、第1の建物における外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサの検知値を取得することと、
前記センサの検知値に基づいて、前記1又は複数の開口部のうちの少なくとも第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、前記第1の開口部に用いられている第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが半透明又は不透明な状態になるように制御することと、
を実行する制御部、
を備え
前記制御部は、
少なくとも前記第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知されていても、第1の条件が満たされる場合には、前記第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが透明な状態となるように制御し、
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記第1の建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないことである、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の開口部の前記外側の所定範囲内の人の存在が検知されない場合に、前記第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが透明となるように制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記第1の建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、又は、外部が前記第1の建物の内部よりも明るいことである、
請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記第1の建物に
関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、又は、前記第1の開口部に設置されているカーテンが閉じられていることである、
請求項からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記1又は複数の開口部のそれぞれは、複数の領域ごとに調光ガラスを備え、
前記制御部は、前記第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、前記第1の調光ガラスとして、前記第1の開口部に含まれる複数の領域のうち、前記人の目線の高さに該当する領域に用いられている調光ガラスを特定する、
請求項からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
調光ガラスが用いられている、外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部と、
前記1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサと、
前記センサの検知値に基づいて、前記1又は複数の開口部のうちの少なくとも第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、前記第1の開口部に用いられている第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが半透明又は不透明な状態になるように制御することを実行する制御装置と、
を備える建物であって、
前記制御装置は、
少なくとも前記第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知されていても、第1の条件が満たされる場合には、前記第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが透明な状態となるように制御し、
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないことである、
建物。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記第1の開口部の前記外側の所定範囲内に人の存在が検知されない場合に、前記第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが透明となるように制御する、
請求項に記載の建物。
【請求項8】
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、又は、外部が前記建物の内部よりも明るいことである、
請求項又はに記載の建物。
【請求項9】
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、又は、前記第1の開口部に設置されているカーテンが閉じられていることである、
請求項からのいずれか一項に記載の建物。
【請求項10】
前記1又は複数の開口部のそれぞれは、複数の領域ごとに調光ガラスを備え、
前記制御装置は、前記第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、前記第1の調光ガラスとして、前記第1の開口部に含まれる複数の領域のうち、前記人の目線の高さを含む領域に用いられている調光ガラスを特定する、
請求項からのいずれか一項に記載の建物。
【請求項11】
調光ガラスが用いられている、第1の建物における外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサの検知値を取得することと、
前記センサの検知値に基づいて、前記1又は複数の開口部のうちの少なくとも第1の開
口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、前記第1の開口部に用いられている第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが半透明又は不透明な状態になるように制御することと、
を含み、
少なくとも前記第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知されていても、第1の条件が満たされる場合には、前記第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが透明な状態となるように制御し、
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記第1の建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないことである、
方法。
【請求項12】
前記1又は複数の開口部のそれぞれは、複数の領域ごとに調光ガラスを備え、
前記第1の開口部について、前記外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、前記第1の調光ガラスとして、前記第1の開口部に含まれる複数の領域のうち、前記人の目線の高さを含む領域に用いられている調光ガラスを特定する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の開口部の前記外側の所定範囲内の人の存在が検知されない場合に、前記第1の調光ガラスの透過率を前記第1の調光ガラスが透明となるように制御する、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記第1の建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、又は、外部が前記第1の建物の内部よりも明るいこと、である、
請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の条件は、前記第1の開口部の外側の前記所定範囲内から、前記第1の建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、又は、前記第1の開口部に設置されているカーテンが閉じられていること、である、
請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、建物、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の部屋の主たる開口部は、建物の内側に上方が開口した内部コートに面して設けられており、外壁部の窓は、人が通り抜けられない狭い幅であり、外壁が外塀と一体化していることで、プライバシーを保護する機能を有する住宅が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-132672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示の態様の一つは、建物の外部から建物内部を見られないようにすることができる情報処理装置、建物、及び、方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
調光ガラスが用いられている、第1の建物における外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサの検知値を取得することと、
前記センサの検知値に基づいて、前記調光ガラスの透過率を制御することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
調光ガラスが用いられている、外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部と、
前記複数の1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサと、
前記センサの検知値に基づいて、前記調光ガラスの透過率を制御することを実行する制御装置と、
を備える建物である。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
調光ガラスが用いられている、第1の建物における外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサの検知値を取得することと、
前記センサの検知値に基づいて、前記調光ガラスの透過率を制御することと、
を含む方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、建物の外部から建物内部を見られないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る家の一例を示す図である。
図2図2は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、ガラス情報テーブルの一例である。
図5図5は、制御装置の調光ガラスの透明状態の制御処理のフローチャートの一例である。
図6図6は、第2実施形態に係る窓の一例を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る調光ガラスの透明状態の制御処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つは、調光ガラスが用いられている、第1の建物における外部に面する壁面に形成された1又は複数の開口部の外側の所定範囲内の人の存在の有無を検知するセンサの検知値を取得することと、センサの検知値に基づいて、調光ガラスの透過率を制御することと、を実行する制御部を備える情報処理装置である。
【0011】
調光ガラスは、例えば、電気など外部の信号によって透過する光の量を調整することができるガラスである。例えば、調光ガラスは電圧を加えることによって透過率が制御され、濃度(透明度)及び/又は色調等を変化させ、透明、半透明、又は不透明な状態とすることができる。これによって、調光ガラスの透明、半透明、又は不透明を制御することができる。本明細書において、調光ガラスは、表面に調光フィルムが設置されたガラスであってもよい。
【0012】
第1の建物は、例えば、家、マンション、アパート、ビル、及び、店舗等である。第1の建物は、例えば、集合住宅のうちの一室であってもよい。第1の建物の開口部は、例えば、窓、出入り口、及び、玄関等である。
【0013】
センサは、例えば、カメラ、及び、人感センサ等である。なお、センサが検知する人は、例えば、歩行者、自転車で走行している者、及び、立ち止まっている者等である。また、当該センサが検知するものは、人に限定されず、例えば、車両、及び、バイク等の所定量以上の体積を有する移動体も含まれる。
【0014】
情報処理装置は、例えば、第1の建物内にある、制御装置、スマートスピーカ、及び、ホームセキュリティ用の機器、PC、及び、ネットワーク上のサーバである。例えば、第1の建物の開口部の外側の所定範囲内の人の存在が検出される場合の一例には、第1の建物の前面を人が通過する場合がある。
【0015】
本開示の態様の一つによれば、第1の建物の開口部の外側の所定範囲内に人が存在する場合には、当該開口部に用いられている調光ガラスの透過率が制御される。これによって、当該開口部を通じて、外部から第1の建物の内部を見えづらくすることができ、第1の建物の内部のセキュリティ及びプライバシーを護ることができる。
【0016】
本開示の態様の一つでは、制御部は、1又は複数の開口部のうちの少なくとも第1の開口部について、外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、第1の開口部に用いられている第1の調光ガラスの透過率を第1の調光ガラスが半透明又は不透明な状態になるように制御するようにしてもよい。これによって、第1の開口部を通じて、外部から第1の建物の内部を見えづらくすることができる。
【0017】
本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の調光ガラスが半透明又は不透明な状態になるように制御されている状況下で、第1の開口部の外側の所定範囲内に人の存在が検出されない場合に、第1の調光ガラスの透過率を第1の調光ガラスが透明となるように制御す
るようにしてもよい。これによって、第1の開口部の周辺に人が存在しない場合には、第1の開口部に用いられてる第1の調光ガラスは透明な状態になるので、例えば、第1の建物内部からの景観が損なわれる状態が継続すること、採光が減少すること、及び、開放感が低減することを抑制することができる。
【0018】
本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の開口部について、外側の所定範囲内の人の存在が検出された場合でも、第1の条件が満たされる場合には、第1の開口部に用いられている第1の調光ガラスの透過率を第1の調光ガラスが透明な状態となるように制御してもよい。第1の条件は、第1の開口部の外側の所定範囲内から、第1の建物に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、外部が第1の建物の内部よりも明るいこと、又は、第1の開口部に設置されているカーテンが閉じられていることのいずれか又は組み合わせであってもよい。第1の条件は、外部から第1の建物の内部が見えてもよい、又は、外部から第1の建物の内部が見えづらい環境を示す条件である。すなわち、第1の建物の内部を見えづらくする必要性が低い場合には、第1の開口部に人が接近したとしても第1の開口部に用いられている調光ガラスは透明な状態のままである。これによって、人の接近によって、第1の建物内部からの景観が損なわれる状態の継続時間、採光が低減する時間、及び、開放感が低減する時間をより短くすることができる。
【0019】
本開示の態様の一つでは、1又は複数の開口部のそれぞれは、複数の領域ごとに調光ガラスを備えてもよい。この場合に、制御部は、第1の開口部について、外側の所定範囲内の人の存在が検知された場合に、第1の調光ガラスとして、第1の開口部に含まれる複数の領域のうち、人の目線の高さを含む領域に用いられている調光ガラスを特定するようにしてもよい。これによって、第1の開口部の外側の所定範囲内に人が存在する場合でも、第1の開口部の複数の領域のうち、人の目の高さに対応する領域の調光ガラスが半透明又は不透明な状態となり、その他の領域の調光ガラスは透明な状態を維持することになる。これによって、開口部の外側の所定範囲内に人が存在することによって、第1の建物内部からの景観が損なわれること、採光が低減すること、及び、開放感が低減することをより少なく抑えることができる。
【0020】
なお、本開示の態様の他の一つは、上記の調光ガラスが用いられた開口部と、上記のセンサと、上記の情報処理装置に相当する制御装置と、を備える建物として特定されてもよい。当該建物は、家、マンション及びアパート等の集合住宅、ビル、店舗、及び、集合住宅の一室である。なお、本開示の態様の情報処理装置は、集合住宅の一室の共用部に面する壁及び屋内の部屋の共用部に面する壁に設けられたものに適用することもできる。
【0021】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る家100の一例を示す図である。家100は、少なくとも人通りに面する窓110に調光ガラス2が用いられており、窓110の外側の所定範囲内に人が存在の有無に応じて、調光ガラスの透過率を制御する車両である。家100は、「第1の建物」の一例である。窓110は、「開口部」の一例である。
【0023】
調光ガラス2は、例えば、外壁に設置されている窓、及び、外壁に設置されているドアの窓に用いられる。また、調光ガラス2は、例えば、外壁のうち、歩道、道路、公園、及び、駐車場等の不特定多数の人の通りが予想される場所に面した外壁に設置されている窓及びドアの窓に用いられてもよい。調光ガラス2が用いられている窓は、「調光ガラスが用いられている、第1の建物における外部に面する壁面に形成された開口部」の一例である。
【0024】
調光ガラス2は、例えば、電圧が印加されることによって、透過する光の量が調整される。第1実施形態では、例えば、調光ガラス2は、印加される電圧の値によって透過率が制御され、濃度(透明度)及び/又は色調等が変化させられるものである。調光ガラス2は、電圧が印加されることによって、半透明から不透明のいずれかの状態になる。調光ガラス2の初期状態は、電圧が印加されていない状態であり、電圧が印加されていない状態では透明な状態であるとする。調光ガラス2の電圧の印加が停止されることで、調光ガラス2は透明な状態となり、半透明から不透明のいずれかの状態が解除される。
【0025】
第1実施形態では、調光ガラス2は、透過率が上昇するほど透明度が低い、すなわち、不透明へと近づくものであるとする。また、第1実施形態では、電圧が印加されると透過率が所定値以上となり、不透明な状態でとなるものとする。すなわち、第1実施形態では、調光ガラス2は、透明な状態と不透明な状態との2つの状態間を遷移可能なものであることを想定する。なお、調光ガラス2は、電圧が印加されることによって、透過する光の量が調整される調光シートが表面に設置されたガラスであってもよい。または、調光ガラス2は、例えば、不透明な状態でスクリーンとしてプロジェクタの映像を投影させることができるものであってもよいし、液晶フィルムを有し映像を表示するディスプレイとして用いることができるものであってもよい。
【0026】
家100は、制御装置1とセンサ3とを備える。センサ3は、例えば、所定範囲内の人の存在を検知可能なセンサである。所定範囲内の人の存在を検知可能なセンサには、例えば、カメラ、人感センサ、又は、レーダ等がある。ただし、センサはこれらに限定されない。センサ3は、調光ガラス2が用いられている窓110と同じ壁上の当該窓110の周辺、当該窓110の外側の周辺に設置される。より具体的には、センサ3は、窓110の外側にある人通りがある範囲が検知範囲に含まれるように設置される。例えば、センサ3がカメラである場合には、検知範囲は撮像範囲であり、検知値は撮像画像である。例えば、センサ3が人感センサの場合には、検知値は検知範囲内に人がいるか否かを示す情報である。
【0027】
制御装置1は、センサ3から検知値が入力されると、検知値に基づいて、制御対象となる調光ガラス2を特定し、特定した調光ガラス2の透明状態を制御する。制御対象となる調光ガラス2は、例えば、検知値を取得したセンサ3に対応する窓110に用いられている調光ガラス2である。調光ガラス2の透明状態には、例えば、透明、半透明、及び、不透明な状態が含まれる。調光ガラス2が透明な状態とは、調光ガラス2を挟んで一方からもう一方が明確に見える状態である。調光ガラス2が半透明な状態とは、調光ガラス2を挟んで一方からもう一方が見えるものの、明確には見えない状態である。調光ガラス2が不透明な状態とは、調光ガラス2を挟んで一方からもう一方が見えない状態である。調光ガラス2の半透明及び不透明な状態は、例えば、調光ガラス2の透過率によって制御される。なお、調光ガラス2の半透明な状態は、調光ガラス2の透過率に応じて複数のレベルが設定されてもよい。なお、第1実施形態では、調光ガラス2は、透明状態として、透明又は不透明の2つの状態間で遷移するものとする。
【0028】
第1実施形態では、窓110の外側の所定範囲内に人が存在する場合には、調光ガラス2が不透明な状態になる。これによって、外部から自宅の内部を見えづらくすることができ、プライバシーを護ること、及び、セキュリティを向上させることができる。
【0029】
図2は、制御装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。制御装置1は、例えば、家100内に配置されている、家100に係る制御を行うコンピュータ、ホームセキュリティ機器、スマートスピーカ、及び、PC(Personal Computer)等である。制御装置
1は、CPU 101と、メモリ102と、外部記憶装置103と、画像処理部104と
、インタフェース IF1とを有する。インタフェース IF1は、調光ガラス2及びセンサ3と接続される。なお、調光ガラス2を接続するインタフェースとセンサ3を接続するインタフェースとは、異なるインタフェースであってもよい。
【0030】
CPU 101は、メモリ102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、制御装置1としての処理を実行する。メモリ102は、CPU 101が実行するコンピュータプログラム、CPU 101が処理するデータ等を格納する。メモリ102は、例えば、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。外部記憶装置103は、不揮発
性の記憶装置であり、例えば、Solid State Drive(SSD)、ハードディスクドライブ
等である。画像処理部104は、CPU 101と連携し、センサ3の一例としてのカメラが用いられる場合に、当該カメラから所定のフレーム周期ごとに得られる撮像画像を処理する。画像処理部104は、例えば、GPUとフレームバッファとなる画像メモリを有する。
【0031】
なお、制御装置1のハードウェア構成は、図2に示される構成に限定されない。実施の態様に応じて適宜変更可能である。制御装置1は、「情報処理装置」、又は、「制御装置」の一例である。CPU 101は、「制御部」の一例である。
【0032】
調光ガラス2とセンサ3とは、複数備えられてもよい。センサ3は、カメラ、人感センサ、又は、レーダ等である。センサ3として採用されるカメラは、Charged-Coupled Devices(CCD)、Metal-Oxide-Semiconductor(MOS)あるいはComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)等のイメージセンサによる撮像装置である。センサ3と
して採用されるカメラは、フレーム周期と呼ばれる所定時間間隔で画像を取得し、制御装置1へ出力する。センサ3としてカメラが採用される場合には、当該カメラは、窓110の外側の所定範囲を撮像範囲に含むように設置される。なお、1つの窓110に対して複数のカメラがそれぞれが異なる撮像方向となるように設置されてもよい。窓110が家100の異なる複数の外壁に存在する場合には、それぞれの窓110についてセンサ3が設置される。
【0033】
図2では、インタフェース IF1が例示されているが、制御装置1と制御対象との間の信号の授受がインタフェース IF1に限定される訳ではない。すなわち、制御装置1は、インタフェース IF1以外の複数の信号授受経路を有してもよい。また、図2では、制御装置1は、単一のCPU 101を有している。ただし、CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成を有していても良い。上記各部の少なくとも一部の処理は、CPU以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)等の専用プロセッサで行われても良い。また、上記各部の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のディジタル回路であっても良い。また、上記各部の少なくとも一部にアナログ回路が含まれても良い。
【0034】
図3は、制御装置1の機能構成の一例を示す図である。制御装置1は、機能構成要素として、制御部11、画像処理部12、及び、ガラス情報テーブル13を有する。これらの機能構成要素は、例えば、制御装置1のCPU 101が外部記憶装置103に格納されている所定のプログラムを実行することによって達成される。なお、図3では、ユーザ情報DB 14も機能構成として示されているが、第1実施形態では用いられない。ユーザ情報DB 14の説明は、第2実施形態において行われる。
【0035】
制御部11は、センサ3からの検知値の入力を受ける。制御部11は、センサ3から検知値が入力されると、窓110の外側の所定範囲内に人が存在するか否かを判定する。ま
た、窓110の外側の所定範囲内に人が存在するか否かに応じて、制御対象となる調光ガラス2を特定する。制御対象となる調光ガラス2は、例えば、窓110の外側の所定範囲内に人が存在することを検出したセンサ3に対応する窓110に用いられている調光ガラス2、及び、窓110の外側の所定範囲内に人が存在しないと検出したセンサ3に対応する窓110に用いられている調光ガラス2である。
【0036】
例えば、制御部11は、不透明条件が満たされる場合には、外側の所定範囲内に人が存在することが判定された窓110に対応する調光ガラス2を制御対象として特定し、制御対象の調光ガラス2を不透明な状態にする。例えば、制御部11は、不透明解除条件が満たされる場合には、不透明な状態となっている調光ガラス2を制御対象として特定し、制御対象の調光ガラス2を透明な状態にする。不透明解除条件は、調光ガラス2を不透明な状態から透明な状態へと戻す条件である。
【0037】
不透明条件は、調光ガラスを不透明な状態にする条件である。不透明条件は、例えば、窓110の外側の所定範囲に人が存在することである。不透明解除条件は、例えば、窓110の外側の所定範囲に人が存在しないことである。不透明解除条件は、窓110の外側の所定範囲に人が存在しないことが所定時間継続して判定されることであってもよい。
【0038】
例えば、センサ3がカメラである場合には、画像処理部12による当該カメラの撮像画像の画像処理の結果、人が検出されることによって、制御部11は、窓110の外側の所定範囲に人が存在することを検出する。例えば、センサ3がカメラである場合には、画像処理部12による当該カメラの撮像画像の画像処理の結果、人が検出されないことによって、制御部11は、窓110の外側の所定範囲に人が存在しないことを検出する。
【0039】
例えば、センサ3が人感センサ又はレーダの場合には、検知値が検知範囲内に人が存在することを示すことによって、窓110の外側の所定範囲に人が存在することを検出する。例えば、センサ3が人感センサ又はレーダの場合には、検知値が検知範囲内に人が存在しないことを示すことによって、窓110の外側の所定範囲に人が存在しないことを検出する。
【0040】
制御部11は、調光ガラス2の透明状態を制御する場合には、例えば、調光ガラス2の透過率を制御する。例えば、調光ガラス2の透過率は、調光ガラス2に電圧を印加することによって上昇させることができる。例えば、調光ガラス2の透過率を第1の透過率閾値以上とすることで、調光ガラス2は不透明な状態となる。制御部11は、不透明条件が満たされた場合には、制御対象の調光ガラス2の透過率が第1の透過率閾値以上となるように所定量の電圧を制御対象の調光ガラス2に印加する。
【0041】
例えば、調光ガラス2は、調光ガラス2への電圧の印加が停止される、又は、調光ガラスの透過率が第2の透過率閾値以下となることによって、透明な状態となる。第2の透過率閾値は、第1の透過率閾値以下の値である。制御部11は、不透明解除条件が満たされた場合には、制御対象の調光ガラス2への電圧の印加を停止する、又は、透過率を第1の透過率閾値以下とする。
【0042】
画像処理部12は、制御部11からの指示に従って、画像解析を行う。画像処理部12は、画像処理部104に対応する機能構成要素である。画像処理部12の画像解析結果は制御部11へ出力される。画像処理部12の画像解析結果からは、例えば、撮像範囲内の人の存在、又は/及び、検出された人の識別結果が取得される。ただし、画像解析結果から取得される情報はこれに限定されない。
【0043】
図4は、ガラス情報テーブル13の一例である。ガラス情報テーブル13は、調光ガラ
ス2に関する情報を保持する。ガラス情報テーブル13は、例えば、外部記憶装置103の記憶領域に格納されている。
【0044】
ガラス情報テーブル13には、ガラスID、位置、センサID、及び、透明状態のフィールドが含まれている。ガラスIDのフィールドには、各窓110に設けられている調光ガラス2の識別情報が格納される。位置のフィールドには、調光ガラス2が設けられている位置を示す情報が格納されている。調光ガラス2が設けられている位置を示す情報は、例えば、調光ガラス2が用いられている窓110の識別情報であってもよいし、家100における窓110の位置を示す情報であってもよい。または、調光ガラス2が設けられている位置を示す情報は、家100内の座標系における座標であってもよい。
【0045】
センサIDのフィールドには、調光ガラス2に対応付けられるセンサ3の識別情報が格納される。透明状態のフィールドには、調光ガラス2の透明状態を示す情報が格納される。調光ガラス2の透明状態を示す情報は、例えば、「透明」又は「不透明」である。これらは、例えば、フラグで示されていてもよい。なお、調光ガラス2の透明状態を示す情報は、これに限定されず、例えば、現在設定されている透過率であってもよい。
【0046】
なお、図3に示される制御装置1の機能構成及び図4に示されるガラス情報テーブル13の構成は、一例であって、これらに限定されない。
【0047】
<処理の流れ>
図5は、制御装置1の調光ガラス2の透明状態の制御処理のフローチャートの一例である。図5に示される処理は、制御装置1の稼働中、所定の周期で、繰り返し実行される。又は、図5に示される処理は、制御装置1に対して調光ガラス2の透明状態の制御がユーザ操作によって有効にされており、且つ、制御装置1の稼働中繰り返し実行される。図5に示される処理の実行主体は、CPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。
【0048】
OP101では、制御部11は、センサ3の検知値を受信したか否かを判定する。センサ3の検知値が受信された場合には(OP101:YES)、処理がOP102へ進む。センサ3の検知値が受信されていない場合には(OP101:NO)、図5に示される処理が終了する。
【0049】
OP102では、制御部11は、センサ3の検知値に基づいて、不透明条件が満たされているか否かを判定する。不透明条件が満たされている場合には(OP102:YES)、処理がOP103へ進む。不透明条件が満たされていない場合には(OP102:NO)、処理がOP106へ進む。
【0050】
OP103では、制御部11は、制御対象の調光ガラス2を特定する。例えば、制御部11は、不透明条件を満たしたセンサ3に対応する調光ガラス2を、ガラス情報テーブル13を参照して、制御対象として特定する。
【0051】
OP104では、制御部11は、制御対象の調光ガラス2が不透明な状態であるか否かを、ガラス情報テーブル13を参照して判定する。制御対象の調光ガラス2が不透明な状態である場合には(OP104:YES)、制御対象の調光ガラス2が不透明な状態を維持するように、調光ガラス2の透過率の制御は行われず、図5に示される処理が終了する。制御対象の調光ガラス2が不透明な状態でない場合には(OP104:NO)、処理がOP105に進む。
【0052】
OP105では、制御部11は、制御対象の調光ガラス2が不透明な状態になるように
、例えば、透過率が第1の透過率閾値以上となる所定値の電圧を制御対象の調光ガラス2に印加する。その後、図5に示される処理が終了する。
【0053】
OP106では、制御部11は、センサ3の検知値に基づいて、不透明解除条件が満たされているか否かを判定する。不透明解除条件が満たされている場合には(OP106:YES)、処理がOP107へ進む。不透明解除条件が満たされていない場合には(OP106:NO)、図5に示される処理が終了する。
【0054】
OP107では、制御部11は、制御部11は、制御対象の調光ガラス2を特定する。例えば、制御部11は、不透明解除条件を満たしたセンサ3に対応する調光ガラス2を、ガラス情報テーブル13を参照して、制御対象として特定する。
【0055】
OP108では、制御部11は、制御対象の調光ガラス2が不透明な状態であるか否かを、ガラス情報テーブル13を参照して判定する。制御対象の調光ガラス2が不透明な状態である場合には(OP108:YES)、処理がOP109へ進む。制御対象の調光ガラス2が透明な状態である場合には(OP108:NO)、制御対象の調光ガラス2が透明状態を維持するように、透過率の制御は行われず、図5に示される処理が終了する。
【0056】
OP109では、制御部11は、制御対象の調光ガラス2を透明な状態にする。例えば、制御部11は、制御対象の調光ガラス2への電圧の印加を停止する、又は、制御対象の調光ガラス2の透過率が第2の透過率閾値以下になるように印加する電圧の値を制御する。その後、図5に示される処理が終了する。
【0057】
なお、制御装置1の調光ガラス2の透明状態の制御処理は、図5に示される処理に限定されない。
【0058】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、例えば、窓110に人が接近すると、当該窓110に用いられている調光ガラス2が不透明な状態となる。これによって、窓110の外側を歩行する人等から当該窓110を通じて家100の内部を見づらくすることができ、家100内のプライバシーの保護及びセキュリティの向上をすることができる。
【0059】
また、例えば、窓110の前を人が通過し終わり、窓110の外側の所定範囲内に人が存在しなくなると、当該窓110に用いられている調光ガラス2は、透明な状態に戻る。これによって、当該調光ガラス2が不透明になることによって、例えば、家100内からの視界及び採光が遮られる状態の継続時間が長くなることを抑制することができる。
【0060】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係る窓110Aの一例を示す図である。第2実施形態では、1つの窓110Aの領域が複数に分割され、それぞれの領域に1つずつ調光ガラス2が設けられる。図6では、窓110Aの領域は上下に2等分され、窓110は2つの領域を有する。窓110Aは、上の領域に調光ガラス2A、下の領域に調光ガラス2Bを有する。
【0061】
センサ3によって、窓110Aの外側の所定範囲内に人が存在することが検知された場合には、当該人の目線の高さに応じた窓110Aの領域に用いられている調光ガラス2Aが不透明になり、それ以外の窓110Aの領域の調光ガラス2Bは透明な状態を維持する。これによって、窓110Aの一部は透明な状態が維持されるので、窓110の外側にいる人からの家100内への視線を遮りつつも、家100内からの視界及び採光を所定量維持することができる。
【0062】
また、第2実施形態では、不透明条件が満たされていても、調光ガラス2が不透明な状態とされない除外条件が設けられる。除外条件は、例えば、窓110の外側の所定範囲内に存在する人が家100に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、外部が家100の内部よりも明るいこと、又は、窓110Aに設置されたカーテンが閉められていること、である。除外条件は、「第1の条件」の一例である。
【0063】
例えば、窓110Aの外側の所定範囲内に存在する人が家100の住人であり、それ以外の人が検出されない場合には、家100の住人に外部から家100の内部が見られても問題ない。外部が家100の内部よりも明るい場合には、明るさの差により、外部から家100の内部は見えづらい。窓110Aに設置されたカーテンが閉められている場合には、そもそも外部から家100の内部は見えない。すなわち、第2実施形態では、調光ガラス2を不透明な状態にする必要性が低い場合には、窓110の外側の所定範囲内に人が存在していても、対応する調光ガラス2は、透明なままである。これによって、調光ガラス2が不透明な状態になることが頻発することを抑制することができる。
【0064】
第2実施形態では、第1実施形態と共通する説明は省略される。第2実施形態では、ハードウェア構成は第1実施形態と同様である。第2実施形態では、制御装置1は、機能構成として、図3で示されるように、制御部11、画像処理部12、ガラス情報テーブル13、及び、ユーザ情報DB 14を備える。
【0065】
第2実施形態では、制御部11は、不透明条件が満たされた場合に、除外条件が満たされるか否かを判定する。除外条件は、例えば、窓110の外側の所定範囲内に存在する人が家100に関連付けられている人物以外の人物が検出されないこと、外部が家100の内部よりも明るいこと、又は、窓110Aに設置されたカーテンが閉められていること、である。制御部11は、除外条件が満たされている場合には、対象の調光ガラス2を透明な状態とする。
【0066】
窓110の外側の所定範囲内に存在する人が家100に関連付けられている人物以外の人物が検出されないことは、例えば、センサ3がカメラである場合に有効になる条件である。窓110の外側の所定範囲内に存在する人が家100に関連付けられている人物以外の人物が検出されないことは、例えば、当該カメラの撮像画像から検出された人に、後述のユーザ情報DB 14に登録されているユーザ以外の人物が検出されないことによって取得される。
【0067】
外部が家100の内部よりも明るいことは、例えば、時間帯及び/又は天気、家100の照明器具のオンオフ、又は、家100の外部と内部とにそれぞれ設置された照度センサの検知値等に基づいて判定される。例えば、天気は、ウェブ上から取得されてもよい。照明器具のオンオフは、例えば、制御装置1が当該照明器具のスイッチと接続していることで取得されてもよいし、照明器具の状態を管理する装置から取得されてもよい。例えば、制御装置1は、家100の外部と内部とにそれぞれ設置された照度センサと接続されている、又は、通信可能であり、外部の照度の方が内部の照度よりも所定値以上高い場合に、外部が家100の内部よりも明るいことを判定してもよい。
【0068】
窓110Aに設置されたカーテンが閉められていることは、例えば、カーテンの開閉状態を検知するセンサと制御装置1とが接続している、又は、カーテンの開閉状態を管理する装置から取得されてもよい。
【0069】
第2実施形態では、ガラス情報テーブル13は、調光ガラス2の位置情報として、対応する窓110の領域の識別情報も含む。具体的には、図4に示される位置のフィールドには、調光ガラス2が用いられている窓の110の識別情報と領域の識別情報とが格納され
る。領域の識別情報は、例えば、「上」及び「下」等の位置を示す情報であってもよい。
【0070】
ユーザ情報DB 14は、制御装置1の外部記憶装置103の所定の記憶領域に作成される。ユーザ情報DB 14には、家100に関連付くユーザの顔画像が格納されている。家100に関連付くユーザには、例えば、家100の住人、及び、家100の住人によって許可された人がいる。家100の住人によって許可された人には、例えば、親族、及び、友人等がいる。
【0071】
図7は、第2実施形態に係る調光ガラス2の透明状態の制御処理のフローチャートの一例である。図7では、図5に示される第1実施形態に係る調光ガラス2の透明状態の制御処理のフローチャートと同じ処理の説明については同じ符号が付与されており、その説明は省略される。
【0072】
第2実施形態では、不透明条件が満たされた場合には(OP102:YES)、処理がOP201へ進む。OP201では、制御部11は、除外条件が満たされるか否かを判定する。除外条件が満たされていない場合には(OP201:NO)、処理がOP202へ進み、OP202において制御対象の調光ガラス2が特定され、制御対象の調光ガラス2が不透明な状態になる(OP105)。
【0073】
除外条件が満たされている場合には(OP201:YES)、処理がOP203へ進み、OP203において制御対象の調光ガラス2が特定され、制御対象の調光ガラス2が透明な状態になるように制御される(OP109)。
【0074】
OP202及びOP203では、制御部11は、不透明条件又は不透明解除条件が満たされた窓110を特定し、さらに、当該窓110のうち制御する領域を特定する。例えば、窓110の制御する領域は、センサ3としてのカメラの撮像画像から、窓110の外側に存在する人の目線の高さが特定され、該当する窓110の領域が特定されてもよい。または、予め人の目線の高さに対応する窓110の領域を定めておき、当該領域が特定されるようにしてもよい。制御部11は、ガラス情報テーブル13を参照して、特定された領域に対応する調光ガラス2を制御対象として特定する。
【0075】
第2実施形態によれば、外側に人が存在することが検出された窓110の、人の目線の高さに対応する領域の調光ガラス2が不透明となり、それ以外の領域は透明なままになる。これによって、家100内からさえぎられる視界、及び、家100内への入射する光量の減少量を少なく抑えることができる。
【0076】
また、第2実施形態では、外側に人が存在する場合でも、家100に関連付く人物以外の人物が検出されない場合には、窓110の調光ガラス2は透明状態となるように制御される。これによって、必要性の高い場合に限定して調光ガラス2を不透明にすることができる。また、調光ガラス2が不透明な状態となることの頻発を抑制することができる。
【0077】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0078】
第1実施形態及び第2実施形態では、調光ガラス2の透明状態は、透明又は不透明の2つであったが、これに限定されず、透明と不透明の間に、透過率に応じて半透明に相当する複数のレベルが設定されてもよい。例えば、制御部11は、家100の外部と内部との照度の差、季節、及び、時間帯等に基づいて、調光ガラス2の透明状態のレベルを判定してもよい。
【0079】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、調光ガラス2の透明状態の制御は、透過率を制御することで行われるが、これに限定されない。調光ガラス2の透明状態の制御は、例えば、色調を制御することで行われてもよい。
【0080】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0081】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0082】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0083】
1 :制御装置
2 :調光ガラス
3 :センサ
11 :制御部
12 :画像処理部
13 :ガラス情報テーブル
100 :家
101 :CPU
102 :メモリ
103 :外部記憶装置
104 :画像処理部
110 :窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7