(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】搬送システム及び搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20231003BHJP
B25J 5/00 20060101ALN20231003BHJP
G05D 1/02 20200101ALN20231003BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B25J5/00 A
G05D1/02 Y
(21)【出願番号】P 2020168119
(22)【出願日】2020-10-02
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大槻 将久
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
(72)【発明者】
【氏名】高木 裕太郎
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0166399(US,A1)
【文献】特開昭60-205712(JP,A)
【文献】特開2007-061964(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108583396(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0317498(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0242916(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/137
B65G 35/00
B25J 1/00 - 21/02
G05D 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部本体に、物品を収容する収容部が連結される搬送ロボットを有する搬送システムであって、
前記走行部本体と前記収容部との連結は、解除及び再連結が可能に構成されており、
前記走行部本体は、前記収容部からの前記物品の取り出し又は格納、及び、前記収容部から取り出された前記物品の搬送の少なくともいずれかを行う駆動部を備えており、
前記走行部本体は、前記収容部との連結を解除された状態において、前記駆動部を用いて前記物品の取り出し、格納、及び搬送の少なくともいずれかを実行
し、
前記駆動部は、
第2駆動部と、前記第2駆動部を昇降させる第1駆動部とを備えており、
前記走行部本体は、
前記収容部と連結された状態において、前記第1駆動部及び第2駆動部を収納状態にして走行し、
前記収容部との連結を解除した状態において、前記第2駆動部を上昇させた状態で、前記物品の前記収容部からの取り出し又は格納の少なくともいずれかを実行し、
前記収容部は、
脚部の出し入れ機構が設けられており、
前記走行部本体と連結された状態において、前記脚部が収納され、前記走行部本体に支持されており、
前記走行部本体との連結を解除した状態において、前記脚部によって自立しており、
前記脚部が収納された後、前記走行部本体が前記第2駆動部を用いて前記収容部を引き寄せることにより、前記走行部本体と前記収容部とが連結する
搬送システム。
【請求項2】
前記走行部本体は、
前記収容部との連結を解除された状態において、前記収容部に対して独立に移動することが可能である、
請求項
1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記収容部には、バッテリーが搭載されており、
前記走行部本体は、
前記収容部と連結された状態において、前記バッテリーから供給された電力を使用して走行可能である、
請求項1
または2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記収容部は、
前記走行部本体との通信インタフェースと、表示装置とを備えており、
前記走行部本体から取得した情報を前記表示装置に表示させる、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項5】
走行部本体に、物品を収容する収容部が連結される搬送ロボットの搬送方法であって、
前記走行部本体と前記収容部との連結は、解除及び再連結が可能に構成されており、
前記走行部本体は、前記収容部からの前記物品の取り出し又は格納、及び、前記収容部から取り出された前記物品の搬送の少なくともいずれかを行う駆動部を備えており、
前記走行部本体が、前記収容部との連結を解除された状態において、前記駆動部を用いて前記物品の取り出し、格納、及び搬送の少なくともいずれかを実行するステップ、
を含
み、
前記駆動部は、
第2駆動部と、前記第2駆動部を昇降させる第1駆動部とを備えており、
前記走行部本体は、
前記収容部と連結された状態において、前記第1駆動部及び第2駆動部を収納状態にして走行し、
前記収容部との連結を解除した状態において、前記第2駆動部を上昇させた状態で、前記物品の前記収容部からの取り出し又は格納の少なくともいずれかを実行し、
前記収容部は、
脚部の出し入れ機構が設けられており、
前記走行部本体と連結された状態において、前記脚部が収納され、前記走行部本体に支持されており、
前記走行部本体との連結を解除した状態において、前記脚部によって自立しており、
前記搬送方法は、
前記脚部が収納された後、前記走行部本体が前記第2駆動部を用いて前記収容部を引き寄せることにより、前記走行部本体と前記収容部とが連結するステップを含む
搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システム及び搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走行部本体に、荷物を収容する収容部が載せられ、又は牽引されるように連結された搬送ロボットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、収容して荷物を搬送するだけでなく、荷物の出し入れまでの一連の作業を実行することが望まれる。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、荷物を収容して搬送し、収容した荷物の出し入れを行うことができる搬送システム及び搬送方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態における搬送システムは、走行部本体に、物品を収容する収容部が連結される搬送ロボットを有する搬送システムであって、
前記走行部本体と前記収容部との連結は、解除及び再連結が可能に構成されており、
前記走行部本体は、前記収容部からの前記物品の取り出し又は格納、及び、前記収容部から取り出された前記物品の搬送の少なくともいずれかを行う駆動部を備えており、
前記走行部本体は、前記収容部との連結を解除された状態において、前記駆動部を用いて前記物品の取り出し、格納、及び搬送の少なくともいずれかを実行する。
【0007】
本実施の形態における搬送方法は、走行部本体に、物品を収容する収容部が連結される搬送ロボットの搬送方法であって、
前記走行部本体と前記収容部との連結は、解除及び再連結が可能に構成されており、
前記走行部本体は、前記収容部からの前記物品の取り出し又は格納、及び、前記収容部から取り出された前記物品の搬送の少なくともいずれかを行う駆動部を備えており、
前記走行部本体が、前記収容部との連結を解除された状態において、前記駆動部を用いて前記物品の取り出し、格納、及び搬送の少なくともいずれかを実行するステップ、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、荷物を収容して搬送し、収容した荷物の出し入れを行うことができる搬送システム及び搬送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態にかかる搬送ロボットの概要を示す概略図である。
【
図2】実施形態にかかる搬送ロボットが連結する前の状態を示す概略図である。
【
図3】実施形態にかかる搬送ロボットの搬送時の状態を示す概略図である。
【
図4】実施形態にかかる走行部本体の構成を示す概略図である。
【
図5】実施形態にかかる走行部本体の側面を示す概略図である。
【
図6】実施形態にかかる走行部本体の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態にかかる搬送ロボットの動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態にかかる搬送ロボットの連結前の状態を示す概略図である。
【
図9】実施形態にかかる走行部本体が収容部の下部に入り込んだ状態を示す概略図である。
【
図10】実施形態にかかる収容部の脚部の先端を浮かせる動作を示す概略図である。
【
図11】実施形態にかかる収容部の脚部を収納した状態を示す概略図である。
【
図12】走行部本体と収容部とが連結した状態を示す概略図である。
【
図13】実施形態にかかる走行部本体が、収容部の外側から脚部の先端を浮かせる動作を示す概略図である。
【
図14】実施形態にかかる走行部本体が、アームを用いて収容部を引き寄せる動作を示す概略図である。
【
図15】実施形態にかかる収容部における脚部の収納方法を例示する概略図である。
【
図16】走行部本体と収容部との電気的な連結を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
【0011】
以下、図面を参照して実施形態にかかる搬送システムについて説明する。実施形態にかかる搬送システムは、搬送ロボット1を有している。搬送システムは、搬送ロボット1が物品を搬送するシステムである。
図1は、実施形態にかかる搬送ロボット1を例示する概略図である。搬送ロボット1は、収容部100と走行部本体200とを備えている。
【0012】
まず、収容部100について説明する。収容部100は、収容エリア3と、扉4と、車輪5と、脚部6とを備えている。
【0013】
収容エリア3には、物品2が収容されている。物品2は、収容エリア3の内壁に取り付けられた支持部材により支持されていてもよい。物品2は、搬送先で使用する荷物であり、自販機等で販売される飲料であってもよい。また、監視業務用のカメラが物品2として運搬されてもよい。
【0014】
扉4は、収容エリア3に設けられた扉であり、
図1では開いた状態となっている。扉4は、搬送時には閉じることが可能に構成されている。なお、搬送ロボット1は、扉4を有していなくてもよい。
【0015】
収容部100は、車輪5と脚部6により自立している。図示するように、脚部6はキャスターを備えていてもよい。脚部6は、物品2の搬送時には収納されていてもよい。
【0016】
次に、走行部本体200について説明する。走行部本体200は、載置台8と、第1駆動部9と、第2駆動部10と、移動部11と、を備えている。第1駆動部9は、昇降部とも呼ぶ。第2駆動部10は、アーム部とも呼ぶ。走行部本体200は、収容部100の収容エリア3の下の空間に収まる形状となっている。走行部本体200は、第1駆動部9及び第2駆動部10を用いて物品2を移動させることができる。
【0017】
載置台8は、物品2を載置することが可能な台であり、第1駆動部9に取り付けられている。第1駆動部9は、昇降機構を有しており、収容部100との連結時には載置台8を降下させる。また、第1駆動部9は、物品2の収容あるいは取り出しを行う際には載置台8を上昇させる。載置台8は、円形であってもよい。
【0018】
第2駆動部10は、載置台8に取り付けられた伸縮可能なアームである。第2駆動部10は、載置台8に載置された物品2を、収容エリア3に格納(収容)することが可能である。また、第2駆動部10は、収容エリア3に収容された物品2を載置台8に載置することが可能である。また、第2駆動部10は、載置台8の内部に収納可能である。載置台8の中央部には、第2駆動部10を収納するためのスペースが存在していてもよい。
【0019】
第2駆動部10は、図示するようなL字型のアームであってもよく、物品を把持するハンド型の形状のアームであってもよい。走行部本体200は、L字型アームの先端を物品2と係合させた状態で第2駆動部10を伸ばすことにより物品2を収容してもよく、当該先端を収容エリア3の物品2と係合させた状態で第2駆動部10を縮めることにより、載置台8に物品2を載置してもよい。
【0020】
走行部本体200は、移動部11により走行する。走行部本体200は、収容部100と連結した状態で走行可能であり、連結を解除した状態でも走行可能である。走行部本体200は、連結を解除した状態で物品2を搬送可能に構成されている。
【0021】
次に、
図2を用いて、収容部100と走行部本体200との連結動作について説明する。収容部100と走行部本体200とを連結する際、載置台8を降下させ、第1駆動部9(不図示)を縮めた状態とする。また、第2駆動部10(不図示)を載置台8の内部に収納した状態にする。このような状態を、収納状態と呼ぶ。なお、収納状態は、第1駆動部9及び第2駆動部10を動作時(物品の取り出し時、又は収容時)よりも縮めた状態であればよく、最も短い状態である必要はない。収納状態は、非動作状態ともいえる。収容部100は、扉4が閉じられた状態となっている。なお、上述した通り、搬送ロボット1は、扉4を有していなくてもよい。
【0022】
このような状態から、走行部本体200が、収容部100に向かって前進し、収容部100と連結する。連結は、機械的に行われてもよく、磁力等により行われてもよい。例えば、収容エリア3の下面7の形状と、載置台8の上面の形状とが係合することにより、走行部本体200と収容部100とが連結してもよい。また、載置台8の上面等に爪状部材等が備えられており、下面7に爪状部材と係合する部材が備えられていてもよい。また、収容部100が、走行部本体200に搭載されることにより、両者が連結してもよい。連結は、解除、及び再連結が可能な構成となっている必要がある。なお、連結の際に、脚部6が収納されてもよい。脚部6の収納機構の動作については、後述する。
【0023】
なお、収容部100と走行部本体200とは、さらに電気的に連結されてもよい。例えば、収容部100は、バッテリーが搭載されており、連結時に走行部本体200に対して電力を供給してもよい。また、収容部100は、連結時に走行部本体200から情報を受けとり、受け取った情報を収容部100の側面等に設けられた表示装置に表示してもよい。
【0024】
図3は、収容部100と走行部本体200とが連結された状態の搬送ロボット1を示している。走行部本体200に、収容部100が載せられ、又は牽引されるように連結されている。走行部本体200が、収容部100と連結した状態で走行することにより、図示しない物品2を搬送することが可能である。
【0025】
なお、搬送システムには、搬送ロボット1の走行を制御するサーバが備えられていてもよいが、搬送ロボット1が自ら搬送ルートを生成して自律移動を行ってもよい。サーバを含まない搬送ロボット1内で処理が完結したシステムも、実施形態にかかる搬送システムには含まれ得る。
【0026】
次に、
図4、
図5、及び
図6を用いて、走行部本体200の構成について詳細に説明する。
図4は、走行部本体200の構成を例示する斜視図である。
図5は、走行部本体200の構成を例示する側面図である。
図6は、走行部本体200の機能構成を示すブロック図である。
【0027】
走行部本体200は、移動可能な移動部11と、鉛直方向に伸縮する第1駆動部9と、水平方向に伸縮する第2駆動部10とを備えている。走行部本体200は、移動部11、第1駆動部9、及び第2駆動部10を制御する制御部50を備えている。
【0028】
移動部11は、移動体本体21と、移動体本体21に回転可能に設けられた左右一対の駆動車輪22及び前後一対の従動車輪23、各駆動車輪22を回転駆動する一対のモータ24と、を有している。各モータ24は減速機などを介して、各駆動車輪22を回転させる。各モータ24は、制御部50からの制御信号に応じて、各駆動車輪22を回転させることで、移動体本体21を任意の位置に移動することができる。なお、上記移動部11の構成は一例であり、これに限定されない。例えば、移動部11の駆動車輪22及び従動車輪23の数は任意でよく、移動体本体21を任意の位置に移動させることができれば任意の構成が適用可能である。
【0029】
第1駆動部9は、上下方向へ伸縮するテレスコピック型の伸縮機構として構成されていてもよい。回転装置96は、軸線周りに柱状構造を回転させる回転機構、回転機構を駆動するモータ、などにより構成されている。第1駆動部9の構成は任意でよい。
【0030】
走行部本体200は、載置台8に物品を載置して運搬することができる。載置台8には、第2駆動部10が取り付けられている。なお、第2駆動部10は、載置台8の上面や下面に取り付けられていてもよい。
【0031】
図5を参照すると、第2駆動部10には駆動装置101が取り付けられている。駆動装置101は、載置台8の内部の図示しないガイドレール機構に取り付けられており、第2駆動部10を水平方向に移動させることができる。また、駆動装置101は、第2駆動部10を軸回りに回転させる機構をさらに有していてもよい。
【0032】
なお、走行部本体200には、収容部100との連結に用いられる爪状の部材等が備えられていてもよい。爪状部材は、動作可能に構成されていてもよい。
【0033】
図6を参照すると、制御部50は、移動部11、第1駆動部9、及び第2駆動部10を制御する。制御部50は、移動部11の各モータ24に制御信号を送信することで、各駆動車輪22の回転を制御し、移動体本体21を任意の位置に移動させることができる。制御部50は、第1駆動部9の回転装置96に対して制御信号を送信することで、柱状構造を軸線方向へ伸縮させ、載置台8の高さ位置を制御することができる。また、制御部50は、第2駆動部10の駆動装置101に制御信号を送信することでアームの先端の水平位置を制御することができる。なお、制御部50は、収容部100との連結機構に制御信号を送信することで、収容部100との連結を制御してもよい。
【0034】
制御部50は、駆動車輪22に設けられた回転センサにより検出された駆動車輪22の回転情報などに基づいて、フィードバック制御、ロバスト制御等の周知の制御を行うことで、走行部本体200の移動を制御してもよい。制御部50は、走行部本体200に設けられたカメラや超音波センサなどの距離センサにより検出された距離情報、移動環境の地図情報などの情報に基づいて、移動部11、第1駆動部9、及び第2駆動部10を制御してもよい。
【0035】
制御部50は、例えば、制御処理、演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)51、CPU51によって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)からなるメモリ52、外部と信号の入出力を行うインタフェース部(I/F)53、などからなるマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。CPU51、メモリ52、及びインタフェース部53は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0036】
次に、
図7を用いて、実施形態にかかる搬送方法の例について説明する。収容部100と走行部本体200とは連結されておらず、搬送する物品2が載置台8に載置されているものとする。まず、走行部本体200は、収容部100の収容エリアの前まで移動し、第1駆動部9及び第2駆動部10を用いて物品2を収容部100に格納(収容)する(ステップS101)。次に、走行部本体200は、第1駆動部9及び第2駆動部10を収納状態とする(ステップS102)。次に、走行部本体200は、収容部100の下部に入り込み、収容部100と連結する(ステップS103)。なお、走行部本体200が、第1駆動部9及び第2駆動部10を収納状態とはしないような例も本実施形態には含まれ得る。
【0037】
次に、走行部本体200は、連結した状態で目的地の周辺の停車位置まで物品2を搬送する(ステップS104)。停車位置は、収容部100の大きさや、目的地周辺の停車可能な位置などに応じて適切に決定されてよい。次に、走行部本体200は、収容部100との連結を解除する(ステップS105)。次に、走行部本体200は、収容部100とは独立に動作し、第1駆動部9及び第2駆動部10を用いて収容部100から物品2を取り出し、物品2を載置台8に載置する(ステップS106)。最後に、走行部本体200は、物品2を、停車位置から目的地まで搬送する(ステップS107)。走行部本体200は、第1駆動部9及び第2駆動部10を用いて、物品2を目的地に設置された棚等に収容してもよい。
【0038】
次に、収容部100が脚部6の出し入れ機構を有する場合の連結方法の例について、
図8から
図12を用いて説明する。
図8は、連結を解除した状態であり、走行部本体200の第1駆動部9は収納状態となっている。したがって、走行部本体200が、収容部100に向かって移動することで収容部100の下部に入り込むことが可能となっている。収容部100は、脚部6によって自立した状態となっている。
【0039】
なお、走行部本体200の本体部分は、軸25まわりに回転可能となっている。つまり、走行部本体200は、第1駆動部9(昇降部)の昇降軸を鉛直方向から傾けた状態で載置台8を上昇させることが可能となっている。
【0040】
図9は、走行部本体200が、収容部100の下部に入り込んだ状態である。ここで、収容部100の脚部6は、搬送時には不要であるため、収納されることが好ましい。脚部6は、収納可能に構成されているが、地面と接触しているため収納することができない状態になっている。
【0041】
そこで、
図10に示すように、走行部本体200は、第1駆動部9の昇降軸を鉛直方向から傾けた状態で、第1駆動部9を伸張させる。これにより、脚部6の先端が浮いた状態となる。脚部6の先端が浮いた状態となった後、
図11に示すように、脚部6が収納される。脚部6は、収容部100の内部に収容されてもよい。第1駆動部9の伸張動作と連動して、機械的に収納動作が行われるようになっていてもよい。収納動作は、別途電動化されていてもよい。
【0042】
脚部6を収容した後、
図12に示すように、走行部本体200は、第1駆動部9を収縮させ、収納状態にする。脚部6が収納され、収容部100は、走行部本体200に支持された状態になっている。以上の動作により、脚部6を収納した上で、走行部本体200と収容部100とが連結して走行可能となる。
【0043】
なお、
図10に示した脚部6の先端を浮かせる動作は、収容部100の外側から行うことも可能である。
図13に示す方法により、走行部本体200の幅が、2つの脚部6の間の間隔よりも大きい場合であっても、脚部6を収納することが可能となる。
【0044】
図13の方法により脚部6を収納した後、走行部本体200は、
図14に示すように、第2駆動部10を用いて収容部100を引き寄せる。これにより、
図12の連結状態に移行することが可能となる。
【0045】
なお、脚部6の収納方法は、上述した回転動作に限られず任意の動作であってよい。例えば、
図15の(a)に示す引き込み動作であってもよく、(b)に示す折り畳み動作であってもよい。
【0046】
次に、
図16を用いて、連結状態において、収容部100と走行部本体200とが電気的にも連結される場合について説明する。
図16は、実施形態にかかる搬送システム500の機能構成を示すブロック図である。なお、機能の一部については適宜省略している。搬送システム500は、搬送ロボット1と、サーバ400とを備えている。なお、既に述べた通り、搬送システム500は、サーバ400を備えていなくてもよい。
【0047】
収容部100は、通信部13と、バッテリー14と、ディスプレイ等の表示部15とを備えている。走行部本体200は、移動部11と、第1通信部61と、第2通信部62と、電力インタフェース63と、バッテリー64とを備えている。
【0048】
収容部100は、走行部本体200と連結しているものとする。連結状態において、収容部100の通信部13と、走行部本体200の第1通信部61は電気的に接続されている。通信部13及び第1通信部61は、通信インタフェースである。
【0049】
また、収容部100に搭載されたバッテリー14は、走行部本体200の電力インタフェース63と接続されており、走行部本体200の移動部11に電力を供給することができる。なお、収容部100が、走行部本体200のバッテリー64を充電し、バッテリー64から移動部11に電力が供給されてもよい。なお、バッテリー14の残量によっては、走行部本体200は、バッテリー64の電力を使用して走行してもよい。
【0050】
以上の構成により、搬送ロボット1は、連結状態において収容部100から供給された電力を用いて走行することができる。したがって、走行部本体200に容量の大きいバッテリーを搭載できない場合であっても、搬送ロボット1は、十分な距離を走行することができる。なお、分離後は、走行部本体200は、バッテリー64の電力により物品の取り出し等を行う。
【0051】
走行部本体200の第2通信部62は、走行部本体200とネットワーク300との通信インタフェースである。走行部本体200は、ネットワーク300を介してサーバ400から走行ルートを取得し、自律移動を行う。なお、走行部本体200は、自律移動を行うためのカメラ等のセンサを備えている。ネットワーク300は、WiFi(登録商標)、4G、5G等の汎用無線ネットワークであってもよい。
【0052】
また、走行部本体200は、ネットワーク300から収容部100の表示部15に表示する情報を取得する。表示する情報は、運搬する物品に関する情報や、広告情報であってもよく、物品を搬送中であるか否かを示す情報であってもよい。第2通信部62は、第1通信部61を介して、取得した情報を収容部100に送信する。
【0053】
以上の構成により、収容部100の側面等に設置された表示部15に、走行部本体200が取得した広告情報等を表示させることができる。
【0054】
なお、上述した説明では、走行部本体200が第1駆動部9と第2駆動部10とを備えていたが、走行部本体200は第2駆動部10のみを備えていてもよい。走行部本体200は、例えば、ハンド型のアームのみを備えていてもよい。このような場合、走行部本体200は、アームを収容し、爪状部材等の連結機構を用いて収容部100と連結してもよい。走行部本体が備える駆動部は、収容部からの物品の取り出し又は格納、及び前記収容部から取り出された物品の搬送の少なくともいずれかを行うことができればよい。走行部本体は、例えば、昇降アームを用いて物品を搬送してもよい。
【0055】
なお、走行部本体200が複数のロボットで構成されており、複数のロボットが収容部100を搬送してもよい。連結する際には、複数のロボットのそれぞれが収容部100と連結される。
【0056】
最後に、本実施形態の効果について説明する。上述した搬送ロボット及び搬送方法によると、物品の搬送だけでなく、物品の出し入れまでの一連の作業を実行することが可能となるため、効率的に搬送を行うことができる。また、収容部の形状、大きさ等を変更することにより、搬送する物品の量、種類などを変更することが可能となる。
【0057】
また、走行部本体は、収容部と連結された状態において駆動部を収納状態にして走行してもよい。これにより、搬送ロボットは、よりコンパクトな形状で走行することが可能となる。
【0058】
走行部本体200で実行されるプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 搬送ロボット
100 収容部
200 走行部本体
2 物品
3 収容エリア
4 扉
5 車輪
6 脚部
8 載置台
9 第1駆動部
10 第2駆動部
101 駆動装置
11 移動部
13 通信部
14、64 バッテリー
21 移動体本体
22 駆動車輪
23 従動車輪
24 モータ
50 制御部
51 CPU
52 メモリ
53 I/F
61 第1通信部
62 第2通信部
63 電力インタフェース
300 ネットワーク
400 サーバ
500 搬送システム