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特許7359175サーバ、データ収集システム、プログラムおよびデータ収集方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】サーバ、データ収集システム、プログラムおよびデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/565 20220101AFI20231003BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231003BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231003BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H04L67/565
G06Q50/10
G08G1/00 C
G08G1/00 D
H04Q9/00 311H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021032912
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2022133946
(43)【公開日】2022-09-14
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖野 直人
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153128(JP,A)
【文献】特開2018-055191(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111781911(CN,A)
【文献】特開2007-288613(JP,A)
【文献】特開2020-187432(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111695627(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111435088(CN,A)
【文献】塩田 純 Jun Shioda,カメラ映像を収集するユースケースにおけるエッジコンピューティングを活用した映像トラヒック削減方式 Traffic Reduction Methods using Edge Computing for Camera Video Data Collection,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.117 No.459 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2018年03月31日,第117巻,P.43-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06Q 50/10
G08G 1/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部と、プロセッサと、を備えるサーバであって、
前記プロセッサは、
データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成する生成部と、
前記1つ以上の対象車両に対して、前記記憶部が記憶する複数のアプリケーションプログラムのいずれかを実行することによって各種のサービスを提供する複数の機能実行部と、
前記複数の機能実行部の各々から出力された複数のコマンドのデータに対して、重複するコマンドを調整する調整部と、
前記調整部から調整された前記複数のコマンドを所定のフォーマットに変換しつつパッケージ化を行った制御指令情報を生成する指令生成部と、
前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための前記制御指令情報を配信する配信部と、
備え、
前記制御指令情報は、
少なくとも前記該当車両から所望のデータを抽出して出力させる制御指令を含む、
サーバ。
【請求項2】
請求項に記載のサーバであって、
前記配信部は、
前記制御指令情報を配信した後に、前記該当車両の通信状態がオフライン状態となった場合において、前記通信状態がオンライン状態に復帰し、前記該当車両からの前記制御指令情報の再出力の要求指令情報を取得したとき、前記制御指令情報を配信する、
サーバ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサーバであって、
前記車両条件情報は、
前記対象車両の車種情報、型式情報、位置情報、対象収集データおよびデータ形式の少なくとも1つを含む、
サーバ。
【請求項4】
少なくとも車両状態に係る車両データを検出するセンサ群を有する複数の車両と、
複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部と、プロセッサを有するサーバと、
を備え
前記プロセッサは、
データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成する生成部と、
前記1つ以上の対象車両に対して、前記記憶部が記憶する複数のアプリケーションプログラムのいずれかを実行することによって各種のサービスを提供する複数の機能実行部と、
前記複数の機能実行部の各々から出力された複数のコマンドのデータに対して、重複するコマンドを調整する調整部と、
前記調整部から調整された前記複数のコマンドを所定のフォーマットに変換しつつパッケージ化を行った制御指令情報を生成する指令生成部と、
前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための前記制御指令情報を配信する配信部と、
を備え、
前記制御指令情報は、
少なくとも前記該当車両から所望のデータを抽出して出力させる制御指令を含む、
データ収集システム。
【請求項5】
請求項に記載のデータ収集システムであって、
前記該当車両から入力されたデータに対して、所定の画像処理を行って前記サーバへ出力するエッジサーバをさらに備え、
記該当車両は、
前記制御指令情報に応じて前記エッジサーバへ所望のデータを抽出して出力する、
データ収集システム。
【請求項6】
複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部と、プロセッサを備えるサーバに実行させるプログラムであって、
前記プロセッサに、
データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成する生成ステップと、
前記1つ以上の対象車両に対して、前記記憶部が記憶する複数のアプリケーションプログラムのいずれかを実行することによって各種のサービスを提供する複数の機能実行ステップと、
前記複数の機能実行ステップの各々から出力された複数のコマンドのデータに対して、重複するコマンドを調整する調整ステップと、
前記調整ステップで調整された前記複数のコマンドを所定のフォーマットに変換しつつパッケージ化を行った制御指令情報を生成する指令生成ステップと、
前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための前記制御指令情報を配信する配信ステップと、
実行させ、
前記制御指令情報は、
少なくとも前記該当車両から所望のデータを抽出して出力させる制御指令を含む、
プログラム。
【請求項7】
複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部と、プロセッサを備えるサーバが実行するデータ収集方法であって、
データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成する生成ステップと、
前記1つ以上の対象車両に対して、前記記憶部が記憶する複数のアプリケーションプログラムのいずれかを実行することによって各種のサービスを提供する複数の機能実行ステップと、
前記複数の機能実行ステップの各々から出力された複数のコマンドのデータに対して、重複するコマンドを調整する調整ステップと、
前記調整ステップで調整された前記複数のコマンドを所定のフォーマットに変換しつつパッケージ化を行った制御指令情報を生成する指令生成ステップと、
前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための前記制御指令情報を配信する配信ステップと、
を含み、
前記制御指令情報は、
少なくとも前記該当車両から所望のデータを抽出して出力させる制御指令を含む、
データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、データ収集システム、プログラムおよびデータ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両で取得されたデータをサーバにおいて適切なデータ収集頻度で収集するため、車両におけるプローブデータの収集頻度を含むデータ収集条件を決定して複数の車両の各々に配信し、各車両から送信されるプローブデータを受信して記憶装置に蓄積する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-55191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、サービスの多様化に伴い、必要となる車両データ、データ形式、データ収集タイミングのトリガーおよびリアルタイム性等に要求されている条件がサービス毎に異なっている。このため、このような場合、車両のECU(Electronic Control Unit)の仕様およびセンサでの処理フローを提供されるサービス毎に変更する必要があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、提供するサービスの多様化に対して柔軟に対応することができるサーバ、データ収集システム、プログラムおよびデータ収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るサーバは、データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成し、前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための制御指令情報を出力するように構成されたプロセッサを備える。
【0007】
また、本開示に係るデータ収集システムは、少なくとも車両状態に係る車両データを検出するセンサ群を有する複数の車両と、データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成し、前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための制御指令情報を出力するように構成されたプロセッサを有するサーバと、を備える。
【0008】
また、本開示に係るプログラムは、プロセッサに、データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成し、前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための制御指令情報を出力する、ことを実行させる。
【0009】
また、本開示に係るデータ収集方法は、プロセッサが、データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を生成し、前記1つ以上の対象車両のうち前記車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための制御指令情報を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、提供されるサービスの多様化に対して柔軟に対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施の形態に係るデータ収集システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、一実施の形態に係る車両の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、一実施の形態に係るエッジサーバの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施の形態に係るセンターサーバの機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、一実施の形態に係るセンターサーバが全ての車に車両条件情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
図6図6は、セ一実施の形態に係るンターサーバが特定の条件に合致する車両へ車両条件情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
図7図7は、一実施の形態に係るセンターサーバが車両条件情報に合致する車両に対して、制御指令情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
図8図8は、一実施の形態に係るデータ収集システムが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図9図9は、一実施の形態に係るセンターサーバから複数の車両~車両に対して、複数のサービスからの制御指令情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
図10図10は、一実施の形態に係る車両~車両10の各々からセンターサーバの生成部までのデータ処理の概要を示す図である。
図11図11は、一実施の形態に係る車両の通信状態がオンライン状態からオフライン状態に切り替わった後に、再度、オンライン状態になったときのデータの処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態に係るデータ収集システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0013】
〔データ収集システムの概要〕
図1は、データ収集システムの概略構成を示す模式図である。図1に示すデータ収集システム1は、複数の車両10~10(n=3以上の整数)(以下、複数の車両10~10のいずれかを指す場合、単に「車両10」と表記する)と、複数のエッジサーバ20~20(m=2以上の)(以下、複数のエッジサーバ20~20のいずれかを指す場合、単に「エッジサーバ20」と表記する)と、センターサーバ30と、を備える。車両10およびエッジサーバ20は、基地局40およびネットワーク50等で構成される回線網、例えば携帯電話回線網等を介して相互に通信可能に構成される。また、エッジサーバ20およびセンターサーバ30は、例えばインターネット回線網等のネットワーク60を介して相互に通信可能に構成される。
【0014】
データ収集システム1は、例えばPublish/Subscribeメッセージモデルを用いて構成される。ここで、Publish/Subscribeメッセージモデルとは、データの伝送方式の一つであり、データの出し手(センターサーバ30)と受け手(車両10)とがそれぞれ複数存在し、それらが中継サーバまたは中継システム(例えばエッジサーバ20)等を介して任意の組み合わせで送信および受信できようにしたものである。具体的には、データ収集システム1は、センターサーバ30がオペレータからの入力に応じてメッセージを生成して送信する送信側のパブリッシャー(Publisher)として機能する。さらに、データ収集システム1は、車両10がメッセージを受信する側のサブスクライバー(Subscriber)として機能する。センターサーバ30は、オペレータからの指定・入力による任意の条件に基づいて生成したメッセージ、具体的には車両条件情報を、例えばMQTT_Broker(Message Queue Telemetry Transport Broker)にトピック(topic)として登録する(Publish)。その後、MQTT_Brokerに登録されたメッセージは、そのトピックに対して配信を申し込んでいた1つ以上の車両10に対して配信される(Subscribe)。続いて、メッセージ(車両条件情報)に合致した車両10は、車両条件情報に合致した旨の合致情報をセンターサーバ30へ配信する(Subscribe)。その後、センターサーバ30は、車両条件情報に合致する車両10から所定の処理を実行させるための制御指令情報を車両10へ出力する。ここで、任意の条件に基づき車両条件情報には、対象車両の車種情報、型式情報、モデル情報、位置情報、所定の処理の対象となる機能の搭載有無(例えば、車線逸脱警報機能が搭載されている、等)、対象収集データおよびデータ形式の少なくとも1つを含む。対象収集情報には、特定のデータ内容およびデータ形式等が含まれる。特定のデータ内容とは、例えば3分毎の加速度データ、1時間毎の車載カメラ等の動画データ、アプリケーションソフトの種別データ等の車両10に関する各種データに関するものである。また、データ形式とは、例えばファイル形式のMPEG-4およびJPEG等である。また、制御指令情報とは、車両10側で実行させる処理内容の制御指令である。具体的には、制御指令情報には、動画データを所定の時間間隔(例えば3分間隔)で抽出してセンターサーバ30へ出力させる処理を実行させる制御指令または所定の時間間隔毎の加速度情報を抽出してセンターサーバ30へ出力させる処理を実行させる制御指令等が含まれる。
【0015】
〔車両の機能構成〕
まず、車両10の機能構成について説明する。図2は、車両10の機能構成を示すブロック図である。図2に示す車両10は、センサ群11と、カメラ12と、記憶部13と、カーナビゲーションシステム14と、第1の通信部15と、第2の通信部16と、ECU(Electronic Control Unit)17と、を備える。なお、以下において、車両10を自動車として説明するが、これに限定されることなく、例えばバス、トラック、バイク、モータ等を備える自転車またはキックボード等の電動二輪車、三輪車、船舶およびドローン等であっても適用することができる。
【0016】
センサ群11は、車速センサ、アクセルセンサ、加速度センサ、角速度センサおよびブレーキセンサ等を用いて構成される。センサ群11は、車両10の車両状態に係る車両データを検出し、この検出結果をECU17へ出力する。具体的には、センサ群11は、車両10の走行時における車速、車両10に設けられたアクセルペダルの操作量、車両10に設けられたブレーキペダルの操作量、車両10の加速度および車両10の角速度等を検出し、この検出結果をECU17へ出力する。
【0017】
カメラ12は、一または複数のレンズ、およびレンズが集光した被写体像を撮像するCCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサのイメージセンサ等を用いて構成される。カメラ12は、車両10の前方、後方および側方に設けられる。カメラ12は、車両10の前方、後方および側方の少なくとも一方を撮像することによって画像データおよび動画データを生成し、この画像データおよび動画データをECU17へ出力する。
【0018】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および記録媒体等を用いて構成される。記憶部13は、車両10に関する各種情報を記憶する。記憶部13は、プログラム記憶部131と、データ記憶部132と、を有する。プログラム記憶部131は、車両10が実行する各種のプログラムを記憶する。データ記憶部132は、車両10における処理中のデータ、自車両を識別する自車両情報および各種のデータを記憶する。ここで、自車両情報とは、車種情報、型式情報、識別情報、カメラ12の性能情報およびモデル等である。なお、自車両情報に、自車両の現在の位置情報および車速等の自車両に関する状態情報を含めてもよい。
【0019】
カーナビゲーションシステム14は、GPS(Global Positioning System)141と、地図データベース142と、報知装置143と、を有する。
【0020】
GPS141は、GPS衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて車両10の位置を算出する。GPS141は、GPS受信センサ等を用いて構成される。
【0021】
地図データベース142は、各種の地図データを記憶する。地図データベース142は、HDDおよびSSD等の記録媒体を用いて構成される。
【0022】
報知装置143は、画像、映像および文字情報を表示する表示部143aと、音声や警報音等の音を発生する音声出力部143bと、を有する。表示部143aは、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネルを用いて構成される。音声出力部143bは、スピーカ等を用いて構成される。
【0023】
このように構成されたカーナビゲーションシステム14は、ECU17の制御のもと、GPS141によって取得した現在の車両10の位置を、地図データベース142が記憶する地図データに重ねることによって、車両10が現在走行している道路および目的地までの経路等を含む情報を、表示部143aと音声出力部143bとによって搭乗者に対して報知する。
【0024】
第1の通信部15は、ECU17の制御のもと、基地局40およびネットワーク50を介して携帯電話回線の通信規格に従って各種情報を送信するとともに、各種情報を受信する。第1の通信部15は、無線通信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0025】
第2の通信部16は、ECU17の制御のもと、基地局40およびネットワーク50を介して、第1の通信部15の通信規格と異なる通信規格、例えばWi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)によって各種情報を送信するとともに、各種情報を受信する。または、第2の通信部16は、他の車両10または車両10に乗車する搭乗者が所持する携帯端末へ各種情報を送信するとともに、他の車両10または車両10に乗車する搭乗者が所持する携帯端末から各種情報を受信する。第2の通信部16は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0026】
ECU17は、車両10を構成する各部の動作を制御する。ECU17は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。
【0027】
〔エッジサーバの機能構成〕
次に、エッジサーバ20の機能構成について説明する。図3は、エッジサーバ20の機能構成を示すブロック図である。図3に示すエッジサーバ20は、通信部21と、記憶部22と、エッジ制御部23と、を備える。なお、以下においては、エッジサーバ20として、ユーザが所持する携帯端末およびタブレット型端末またはクラウドコンピューティング等を想定して説明するが、これに限定されることはない。さらに、エッジサーバ20は、車両10と双方向に通信を行うことによって、車両10における高負荷な処理、例えば動画データに対する被検体またはオブジェクト等を検出する画像処理等を車両10のECU17の代わりに実行する。
【0028】
通信部21は、エッジ制御部23の制御のもと、基地局40およびネットワーク50またはネットワーク60を介して所定の通信規格に従って各種情報を車両10またはセンターサーバ30へ送信するとともに、車両10またはセンターサーバ30から各種情報を受信する。通信部21は、通信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0029】
記憶部22は、ROM、RAM、HDDおよびSSD等の記録媒体を用いて構成される。記憶部22は、エッジサーバ20が実行する各種のプログラム、例えばエッジサーバ20がMQTT Brokerとして機能するためのプログラムおよび処理中のデータを記憶する。
【0030】
エッジ制御部23は、エッジサーバ20を構成する各部の動作を制御する。エッジ制御部23は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。
【0031】
〔センターサーバの機能構成〕
次に、センターサーバ30の機能構成について説明する。図4は、センターサーバ30の機能構成を示すブロック図である。図4に示すセンターサーバ30は、通信部31と、入力部32と、記憶部33と、表示部34と、サーバ制御部35と、を備える。なお、一実施の形態では、センターサーバ30がサーバとして機能する。
【0032】
通信部31は、サーバ制御部35の制御のもと、基地局40およびネットワーク50またはネットワーク60を介して所定の通信規格に従って各種情報を車両10またはエッジサーバ20へ送信する。また、通信部31は、基地局40およびネットワーク50またはネットワーク60を介して所定の通信規格に従って車両10またはエッジサーバ20から各種情報を受信する。通信部31は、通信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0033】
入力部32は、キーボード、タッチパネルおよびマウス等を用いて構成される。入力部32は、ユーザからの各種の操作の入力を受け付け、受け付けた各種の操作に応じた情報をサーバ制御部35へ出力する。
【0034】
記憶部33は、ROM、RAM、HDDおよびSSD等の記録媒体を用いて構成される。記憶部33は、センターサーバ30が実行する各種のプログラムを記憶するプログラム記憶部331と、センターサーバ30が実行中の各種データを記憶するデータ記憶部332と、を有する。
【0035】
表示部34は、液晶または有機ELディスプレイ等の表示パネル等を用いて構成される。表示部34は、サーバ制御部35の制御のもと、各種情報を表示する。
【0036】
サーバ制御部35は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。サーバ制御部35は、センターサーバ30を構成する各部を制御する。サーバ制御部35は、生成部351と、機能実行部352~機能実行部352(p=3以上の整数)(以下、機能実行部352~機能実行部352のいずれかを指す場合、単に「機能実行部352」と表記する)と、調整部353と、指令生成部354と、判定部355と、確認部356と、配信部357と、を有する。
【0037】
生成部351は、オペレータが入力部32を操作することによって入力されたブロードキャストデータ(Broadcast data)に基づいて、トピック(topic)を含むパブリッシュデータ(publish data)としての車両条件情報を生成し、この車両条件情報を、少なくとも配信部357および機能実行部352の一方へ出力する。
【0038】
機能実行部352~機能実行部352の各々は、プログラム記憶部331に記憶された複数のアプリケーションプログラムの各々を実行することによって各種のサービスを提供する。複数の機能実行部352の数は、プログラム記憶部331に記憶するアプリケーションソフトの数に応じて、適宜変更することができる。
【0039】
調整部353は、複数の機能実行部352の各々から入力される複数の制御指令情報において重畳する制御指令情報を削除して調整することによって指令生成部354へ出力する。また、調整部353は、複数のアプリケーションの各々を実行する機能実行部352~機能実行部352において、複数のアプリケーション毎に所望のデータとして一部が重なり合うデータを抽出して出力させるとき、判定部355の判定と連結し、複数のアプリケーションのうち代表のアプリケーションに関する第1のアプリケーション情報と一部が重なり合うデータとを対応付けて出力させる。
【0040】
指令生成部354は、調整部353から入力された調整後の複数の制御指令情報に基づいて、車両10へ配信するための制御指令情報を生成して配信部357へ出力する。
【0041】
判定部355は、複数のアプリケーションの各々を実行する機能実行部352~機能実行部352において、複数のアプリケーション毎に所望のデータとして一部が重なり合うデータがあるか否かを判定し、この判定結果を調整部353へ出力する。
【0042】
確認部356は、配信部357を介して入力された車両10の通信状態情報に基づいて、車両10がオフライン状態となる直前に、指令生成部354が車両10へ出力した制御指令情報を再送信(再出力)するように要求する再送信要求指令情報(request to send valid commands again)を指令生成部354へ出力する。
【0043】
配信部357は、生成部351から入力された車両条件情報に基づいて、複数の車両10~10へ出力する。
【0044】
〔データ収集システムにおける各処理の概要〕
次に、データ収集システム1が実行する処理の概要について説明する。なお、以下においては、データ収集システム1をPublish/Subscribeメッセージモデルを用いて場合について説明する。
【0045】
〔全ての車両10への配信処理の概要〕
まず、センターサーバ30が全ての車両10に車両条件情報を配信(Subscribe)する際の処理の概要について説明する。図5は、センターサーバ30が全ての車両10に車両条件情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
【0046】
図5に示すように、まず、センターサーバ30は、生成部351が入力部32を介してオペレータU1から入力されたブロードキャストデータに基づいて、車両条件情報(例えばPublish topic:/jit/addr/all data)を生成してMQTT_Brokerとして機能する配信部357へ出力する(ステップS1)。
【0047】
続いて、センターサーバ30は、配信部357が全ての車両10~車両10に対して、生成部351から入力された車両条件情報(Subscribe topic://jit/addr/all data)を配信(送信)する(ステップS2)。この場合、配信部357は、センターサーバ30が配信するトピックに対して配信を申し込んでいた車両10~車両10のみに対して配信する。
【0048】
このように、センターサーバ30は、全ての車両10~車両10に対して、車両条件情報を配信することができる。
【0049】
〔特定の条件に合致する車両への配信処理の概要〕
次に、センターサーバ30が特定の条件に合致する車両10へ車両条件情報を配信する際の処理の概要について説明する。図6は、センターサーバ30が特定の条件に合致する車両10へ車両条件情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
【0050】
図6に示すように、まず、センターサーバ30は、生成部351が入力部32を介してオペレータU1から入力された特定の車両情報(Viecle1 data)に基づいて、車両条件情報(例えばPublish topic:/jit/addr/all data)を生成してMQTT_Brokerとして機能する配信部357へ出力する(ステップS11)。
【0051】
続いて、センターサーバ30は、配信部357が所定の条件に合致する車両10に対して、生成部351から入力された車両条件情報(Subscribe topic://jit/addr/all data)を配信する(ステップS12)。
【0052】
このように、センターサーバ30は、所定の条件に合致する車両10(該当車両)に対して、車両条件情報を送信することができる。
【0053】
〔制御指令情報の配信処理の概要〕
次に、センターサーバ30が車両条件情報に合致する車両10に対して、制御指令情報を配信する配信処理の概要について説明する。図7は、センターサーバ30が車両条件情報に合致する車両10に対して、制御指令情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
【0054】
図7に示すように、まず、センターサーバ30は、生成部351が入力部32を介してオペレータU1から入力されたブロードキャストデータに基づいて、車両条件情報(例えばtopic:/jit/addr/all if condition is true then Subscribe/jit/addr/multi/1)を生成してMQTTBrokerとして機能する配信部357へ出力する(ステップS21)。
【0055】
続いて、センターサーバ30は、配信部357が全ての車両10~車両10に対して、生成部351から入力された車両条件情報(例えばtopic:/jit/addr/all if condition is true then Subscribe/jit/addr/multi/1)を配信する(ステップS22)。この場合、配信部357は、センターサーバ30が配信するトピックに対して配信を申し込んでいた全ての車両10~車両10に対して配信する。
【0056】
その後、車両10~車両10の各々は、センターサーバ30の配信部357から配信された車両条件情報に合致するか否かを判定し(ステップS23)、車両10は、車両条件情報に合致する合致情報(例えばSubscribe/jit/addr/multi/1)をセンターサーバ30へ送信する(ステップS24)。
【0057】
続いて、センターサーバ30は、生成部351が車両条件情報に合致する車両10から所望のデータを抽出させるための制御指令情報(例えばtopic:/jit/addr/multi/1 data)を配信部357へ出力する(ステップS25)。
【0058】
その後、センターサーバ30は、配信部357が車両条件情報に合致する車両10に対して、生成部351から入力された制御指令情報(例えばtopic:/jit/addr/multi/1 data)を配信する(ステップS26)。
【0059】
続いて、車両10は、センターサーバ30から出力された制御指令情報に応じた処理を実行する(ステップS27)。この場合、車両10は、制御指令情報に所定のデータを抽出してセンターサーバ30へ出力する旨の指令が含まれている場合、データ記憶部132に記憶されたデータの中から制御指令情報に応じたデータを抽出してセンターサーバ30へ出力する。ここで、所定のデータとは、例えば車両102の現在の位置情報、車速情報、自車両の状態に関する状態情報およびオペレータU1等によって指定された所定時間内の動画データである。
【0060】
このように、センターサーバ30は、複数の車両10~車両10の中からオペレータU1が入力した車両条件情報に合致する車両10に対して、制御指令情報を配信(出力)することによってオペレータU1が指定した所望の処理を実行させることができる。
【0061】
〔データ収集システムの処理〕
次に、データ収集システム1が実行する処理について説明する。図8は、データ収集システム1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、説明を簡略化するため、1台の車両10に対する処理の流れについて説明するが、図5図7において説明したように、車両10~車両10に対して、同様の処理を行う。
【0062】
図8に示すように、センターサーバ30は、オペレータU1から入力された特定の車両情報に基づいて生成した車両条件情報を車両10へ送信する(ステップS31)。この場合、センターサーバ30は、センターサーバ30が配信するトピックに対して配信を申し込んでいた車両10に対して配信する。
【0063】
続いて、車両10は、センターサーバ30から送信された車両条件情報と自車両とを照合し(ステップS32)、自車両が車両条件情報に合致するか否かを判断する(ステップS33)。具体的には、車両10のECU17は、データ記憶部132に記憶された自車両の自車両情報とセンターサーバ30から送信された車両条件情報とを照合し、自車両が車両条件情報に合致するか否かを判断する。例えば、車両10のECU17は、データ記憶部132に記憶された自車両の自車両情報に含まれる車種と、車両条件情報に含まれる車種とが合致するか否かを判断する。さらに、車両10のECU17は、車種以外にも、車両条件情報に含まれる位置情報が含まれている場合、データ記憶部132に記憶された自車両の自車両情報に含まれる自車両の位置情報と、車両条件情報に含まれる位置情報とが合致するか否かを判断してもよい。もちろん、車両10のECU17は、センターサーバ30から出力された車両条件情報に含まれる項目毎(例えば、車種情報および型式情報等)に全て合致するか否かを判定する。車両10は、自車両が車両条件情報に合致すると判断した場合(ステップS33:Yes)、ステップS34へ移行する。これに対して、車両10は、自車両が車両条件情報に合致しないと判断した場合(ステップS33:No)、車両10は、本処理を終了する。
【0064】
ステップS34において、車両10は、自車両が車両条件情報に合致することを示す合致情報をセンターサーバ30へ送信する。
【0065】
続いて、センターサーバ30は、車両10から送信された合致情報に基づいて、車両条件情報に合致する車両10に対して、制御指令情報を送信する(ステップS35)。
【0066】
その後、車両10は、センターサーバ30から受信した制御指令情報に応じた情報をセンターサーバ30へ送信する(ステップS36)。例えば、車両10は、制御指令情報に応じたデータを抽出した情報をセンターサーバ30へ送信する。具体的には、車両10は、制御指令情報に所定の移動区間で撮影した動画データを所定の時間間隔で抽出して出力する指令が含まれている場合、データ記憶部132に記憶された動画データの中から所定の移動区間で撮影した動画データを所定の時間間隔で抽出してセンターサーバ30へ送信する。また、制御指令情報には、車両10で実行させる制御指令等も含む。例えば、制御指定情報には、3分毎の車両10の加速度情報をセンターサーバ30へ送信するための制御指令、1時間毎にカメラ12によって撮像された画像データまたは動画データをセンターサーバ30へ出力するための制御指令、および車両10のプログラム記憶部131に記憶された所定のプログラムを実行させる制御指令等を含む。ステップS36の後、車両10は、本処理を終了する。
【0067】
続いて、センターサーバ30は、車両10から情報を受信して記憶部33に記憶する(ステップS37)。ステップS37の後、センターサーバ30は、本処理を終了する。
【0068】
〔複数のサービスから車両に向けての配信処理〕
次に、センターサーバ30から車両10~車両10に対して、複数のサービスからの制御指令情報を配信する配信処理について説明する。まず、センターサーバ30から車両10~車両10に制御指令情報を配信する配信処理の流れについて説明する。図9は、センターサーバ30から複数の車両10~車両10に対して、複数のサービスからの制御指令情報を配信する配信処理の概要を示す図である。
【0069】
図9に示すように、まず、センターサーバ30は、生成部351は、入力部32を介して入力されたオペレータU1の操作に基づく制御指令情報を、車両10のデータを用いて各々がアプリケーションに応じたサービスを行う機能実行部352~機能実行部352へ出力する(ステップS41)。
【0070】
続いて、機能実行部352~機能実行部352の各々は、自身のサービスに応じた制御指令(コマンド)を生成してコマンドマネジャーとして機能する調整部353へ出力する(ステップS42)。
【0071】
その後、調整部353は、機能実行部352~機能実行部352の各々から出力された複数のコマンドに対して、重複するコマンドを調整してコミニケションマネージャーとして機能する指令生成部354へ出力する(ステップS43)。
【0072】
続いて、指令生成部354は、調整部353から調整された複数のコマンドを所定のフォーマットに変換しつつパッケージ化を行った制御指令情報をMQTT_Brokerとして機能する配信部357へ出力する(ステップS44)。
【0073】
その後、配信部357は、車両10~車両10に対して、指令生成部354がパッケージ化を行った制御指令情報を配信(送信)する(ステップS45)。
【0074】
このように、センターサーバ30は、提供する複数のアプリケーションに対応する複数のサービスの各々に応じた制御指令情報を車両10~車両10に配信することができる。
【0075】
次に、車両10~車両10の各々からセンターサーバ30の生成部351までのデータ処理の流れについて説明する。図10は、車両10~車両10の各々からセンターサーバ30の生成部351までのデータ処理の概要を示す図である。
【0076】
図10に示すように、車両10~車両10の各々は、通信状況の通信レベルまたはデータの種別に応じて、配信部357、エッジサーバ20およびセンターサーバ30のいずれか1つを介して機能実行部352へデータを送信する(ステップS51)。例えば、車両10は、データの種別が動画データである場合において、センターサーバ30からの制御指令情報に動画データから被写体を検出するが画像処理の制御指令が含まれているとき、ECU17の代わりに、エッジサーバ20に被写体を検出する画像処理を実行させるため、エッジサーバ20へ制御指令に応じて指定された動画データを出力する。また、車両10は、データの種別が動画データの場合、複数の通信回線網の中から動画データを出力可能な通信レベルの通信回線網を選択してセンターサーバ30へ送信する。
【0077】
続いて、配信部357は、車両10から出力されたデータを指令生成部354へ出力する(ステップS52)、かつ、エッジサーバ20は、車両10から出力されたデータをセンターサーバ30の指令生成部354へ送信する(ステップS53)。この場合、エッジサーバ20は、車両10において高負荷となる処理を行って指令生成部354へ出力する。例えば、エッジサーバ20は、センターサーバ30からの制御指令情報に動画データに写る被写体またはオブジェクトを検知した検知結果を出力する制御指令が含まれている場合、車両10の代わりに、動画データに写る被写体またはオブジェクトを検知する検知処理を行って、この検知結果と動画データとを対応付けて指令生成部354へ送信する。
【0078】
その後、指令生成部354は、配信部357またはエッジサーバ20から出力されたデータを判定部355へ出力する(ステップS54)。この場合、指令生成部354は、所定の通信フォーマットのデータをセンターサーバ30内で処理可能なフォーマットに変換して判定部355へする。
【0079】
続いて、判定部355は、指令生成部354か出力された複数のデータに対して、複数のアプリケーションの各々を実行する機能実行部352~機能実行部352において一部が重なり合うデータを使用して実行しているか否かを判定し、この判定結果を調整部353へ出力する(ステップS55)。
【0080】
その後、調整部353は、複数のアプリケーションの各々を実行する機能実行部352~機能実行部352において、複数のアプリケーション毎に所望のデータとして一部が重なり合うデータを抽出して出力させるとき、判定部355と連結し、複数のアプリケーションのうち代表のアプリケーションに関する第1のアプリケーション情報と一部が重なり合うデータとを対応付けて出力させる(ステップS56)。この場合、判定部355は、複数のアプリケーションの各々を実行する機能実行部352~機能実行部352において、複数のアプリケーション毎に所望のデータとして一部が重なり合うデータがあるか否かを判定し、この判定結果を調整部353へ出力する。調整部353は、判定部355の判定結果に基づいて、他のアプリケーションに関する第2のアプリケーション情報と一部が重なり合うデータのメタデータとを対応付けてさらに出力する。ここで、複数のアプリケーション毎に所望のデータとして一部が重なり合うデータとは、例えばセンターサーバ30の記憶部33にアプリケーション毎に記憶された動画データやキャッシュであり、時間が重なり合う時間のデータである。また、メタデータには、少なくとも、動画データの代表画像(例えばサムネイル画像)および動画データにおける一部が重なり合う区間の時間を示す時間情報が含まれる。これにより、無駄なデータ量を削減することができる。
【0081】
続いて、機能実行部352~機能実行部352の各々は、アプリケーションに応じたサービスのデータを生成部351へ出力する(ステップS57)。
【0082】
その後、生成部351は、オペレータU1の操作に応じて入力された制御指令情報に応じたデータを表示部34に表示させる(ステップS58)。
【0083】
このように、複数のアプリケーションに対応するサービス毎にオペレータU1が所望するデータを抽出することができる。
【0084】
〔再接続における処理〕
次に、センターサーバ30から制御指令情報を車両10へ送信している場合において、車両10の通信状態がオンライン状態からオフライン状態に切り替わった後に、再度、オンライン状態になったときのデータの処理の流れについて説明する。図11は、車両10の通信状態がオンライン状態からオフライン状態に切り替わった後に、再度、オンライン状態になったときのデータ処理の概要を示す図である。
【0085】
図11に示すように、車両10のECU17は、通信状態がオフライン状態からオンライン状態になった場合、センターサーバ30の配信部357に対して、再度、制御指令情報を送信するように要求する要求指令情報を送信する(ステップS61)。具体的には、車両10のECU17は、車両10のオフライン状態になる直前までに実行したコマンドの番号(Publish topic for re-connection with last sequence number)を含む要求指令情報を配信部357へ出力する。
【0086】
続いて、配信部357は、車両10から出力された要求指令情報をコミニケションマネージャーとして機能する調整部353へ出力する(ステップS62)。
【0087】
その後、調整部353は、配信部357から出力された要求指令情報に基づいて、車両10の通信状態を示す通信状態情報(target state management)を生成してターゲットマネジャーとして機能する確認部356へ出力する(ステップS63)。
【0088】
その後、確認部356は、通信状態情報に基づいて、車両10がオフライン状態となる直前に、指令生成部354が車両10へ出力した制御指令情報を再送信(再出力)するように要求する再送信要求指令情報(request to send valid commands again)を指令生成部354へ出力(ステップS64)。
【0089】
続いて、指令生成部354は、再送信要求指令情報に基づいて、所定の回数の制御指令情報(例えばcommand N,command n+1)を調整部353へ出力する(ステップS65_1,ステップS65_N+1)。
【0090】
その後、調整部353は、車両10がオフライン状態となる直前までに実行されていない、指令生成部354が出力した制御指令情報(Publish valid commands after off-line)を配信部357へ出力する(ステップS66)。
【0091】
続いて、配信部357は、通信状態がオンライン状態に復帰した車両10に対して、調整部353から入力された制御指令情報を送信する(ステップS67)。
【0092】
このように、センターサーバ30は、車両10の通信状態がオフライン状態からオンライン状態に復帰した場合、オフライン状態の直前に出力した制御指令情報であっても、車両10からの要求指示信号に応じて、再度、制御指令情報を送信することができる。
【0093】
以上説明した一実施の形態によれば、サーバ制御部35が、データ収集の対象となる1つ以上の対象車両に対して、任意の条件に基づき車両条件情報を出力し、1つ以上の対象車両の中から車両条件情報に合致する該当車両に対して、所定の処理を実行させるための制御指令情報を出力する。これにより、提供するサービスの多様化に対して柔軟に対応することができる。
【0094】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部35が車両10~車両10の中から車両条件情報を出力する対象車両を特定して出力するため、無駄な送信トラフィックを抑えることができる。
【0095】
また、一実施の形態によれば、制御指令情報が少なくとも該当車両から所望のデータを抽出して出力させる制御指令を含むため、オペレータU1が所望するデータを効率的に抽出して収集することができる。
【0096】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部35は、対象車両が複数のアプリケーションにおいて一部が重なり合うデータを使用して実行している場合において、複数のアプリケーション毎に所望のデータとして一部が重なり合うデータを抽出して出力させるとき、複数のアプリケーションのうち代表のアプリケーションに関する第1のアプリケーション情報と前記一部が重なり合うデータとを対応付けて出力させ、かつ、他のアプリケーションに関する第2のアプリケーション情報と一部が重なり合うデータのメタデータとを対応付けて出力させる。これにより、同じデータが重複して記憶されることを防止することができるので、トラフィック量を抑えることができる。
【0097】
また、一実施の形態によれば、一部が重なり合うデータが動画データであり、メタデータが少なくとも動画データにおける一部が重なり合うデータの時間を示す時間情報を含み、最小のデータ量のみを送信するため、車両10からセンターサーバ30への送信トラフィック量を抑えることができる。
【0098】
また、一実施の形態によれば、サーバ制御部35が制御指令情報を出力した後に、該当車両の通信状態がオフライン状態となった場合において、通信状態がオンライン状態に復帰し、該当車両からの制御指令情報の再出力の要求指令情報を取得したとき、制御指令情報を出力する。これにより、センターサーバ30から該当車両に制御指令情報を送信中であっても、該当車両の通信状態がオンライン状態に復帰したタイミングでオペレータU1が所望する処理を実行させることができる。
【0099】
また、一実施の形態によれば、車両条件情報が対象車両の車種情報、型式情報、位置情報、対象収集データおよびデータ形式の少なくとも1つを含むため、車両10~車両10の中からオペレータU1が所望する対象車両を容易に選択することができる。
【0100】
なお、一実施の形態では、サーバ制御部35に、生成部351、機能実行部352、調整部353、指令生成部354、判定部355、確認部356および配信部357の各々が設けられていたが、例えば各機能をクラウドコンピューティング等のサーバ上で機能するように構成してもよい。もちろん、生成部351、機能実行部352、調整部353、指令生成部354、判定部355、確認部356および配信部357の機能をエッジサーバ20に設けてもよい。
【0101】
また、一実施の形態に係るデータ収集システムでは、「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、サーバ制御部は、サーバ制御回路に読み替えることができる。
【0102】
また、一実施の形態に係るデータ収集システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0103】
また、一実施の形態に係るデータ収集システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0104】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0105】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 データ収集システム
10~10 車両
11 センサ群
12 カメラ
13,22,33 記憶部
14 カーナビゲーションシステム
15 第1の通信部
16 第2の通信部
17 ECU
20 エッジサーバ
21,31 通信部
23 エッジ制御部
30 センターサーバ
34,143a 表示部
35 サーバ制御部
40 基地局
50,60 ネットワーク
131,331 プログラム記憶部
132,332 データ記憶部
141 GPS
142 地図データベース
143 報知装置
143b 音声出力部
351 生成部
352~352 機能実行部
353 調整部
354 指令生成部
355 判定部
356 確認部
357 配信部
U1 オペレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11