IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許7359247指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム
<>
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図1
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図2
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図3
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図4
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図5
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図6
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図7
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図8
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図9
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図10
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図11
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図12
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図13
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図14
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図15
  • 特許-指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022060540
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】泉川 洋介
(72)【発明者】
【氏名】大塚 洋平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 徹
(72)【発明者】
【氏名】小久保 貴啓
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-241634(JP,A)
【文献】特開2002-99553(JP,A)
【文献】特開2022-42787(JP,A)
【文献】特開2005-122628(JP,A)
【文献】特開2021-101363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0243404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を登録する登録手段と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得手段と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定手段と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力手段と、
を備える指導者支援装置。
【請求項2】
前記指導関連情報は、前記第1の指導者における前記第1のチームに対する指導方針、指導項目及び活動内容のそれぞれを複数のノードとして含み、
前記第1の指導体系情報は、前記指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいてノード間を連結した情報である
請求項1に記載の指導者支援装置。
【請求項3】
前記登録手段は、
前記指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいて、少なくとも前記指導方針、前記指導項目及び前記活動内容の順序で階層化した前記第1の指導体系情報を登録する
請求項2に記載の指導者支援装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記第2の指導者の指導者レベル、並びに、前記第2のチームにおける前記指導方針及び前記チーム情報に基づいて、2以上の前記第1の指導体系情報を組み合わせて生成することにより、前記第2の指導体系情報を決定する
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の指導者支援装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記チーム活動計画に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに起因する複数のタイミングで測定された、前記チーム情報に含まれる所属選手の身体状態を含む複数の測定情報を取得し、
前記決定手段は、前記複数の測定情報にさらに基づいて、前記チーム活動計画を決定する
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の指導者支援装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記複数のタイミングで測定された、前記所属選手の複数の位置情報をさらに含めた前記測定情報を取得する
請求項5に記載の指導者支援装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記所属選手ごとに選手練習計画をさらに決定し、
前記出力手段は、前記選手練習計画を前記第2の指導者に対してさらに出力する
請求項5又は6に記載の指導者支援装置。
【請求項8】
記憶装置と、
指導者支援装置と、を備え、
前記指導者支援装置は、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を前記記憶装置に登録する登録手段と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得手段と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定手段と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力手段と、
を備える指導者支援システム。
【請求項9】
コンピュータが、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録し、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得し、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定し、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する、
指導者支援方法。
【請求項10】
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録する登録処理と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得処理と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定処理と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させる指導者支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツの競技者の競技力の向上を支援するための技術がある。特許文献1には、運動教育を受ける人に対し、正しい運動教育を実施するための技術が開示されている。特許文献1にかかる技術では、競技者個人への指導要求に対して、当該競技者の動作状態を表す動作データに基づいて改善点の表示データを生成し、表示データを端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-040794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1にかかる技術では、チームスポーツの経験豊富な指導者の指導ノウハウを活用して、指導対象のチームに対する他の指導者による指導を支援できない、という問題点がある。その理由は、チームスポーツにおいては、指導者によって、知識、経験及び費やせる時間にバラつきあり、かつその指導ノウハウを経験豊富な指導者が属人的に保有し共有がされないためである。そして、指導対象のチームの指導方針に沿った適切なトレーニング等の活動計画を提案することが困難であったためである。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、チームスポーツの指導者が自由に選択又は入力した指導方針に沿って、指導対象のチームに対する指導者による指導を適切に支援するための指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる指導者支援装置は、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を登録する登録手段と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得手段と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定手段と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力手段と、
を備える。
【0007】
本開示にかかる指導者支援システムは、
記憶装置と、
指導者支援装置と、を備え、
前記指導者支援装置は、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を前記記憶装置に登録する登録手段と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得手段と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定手段と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力手段と、
を備える。
【0008】
本開示にかかる指導者支援方法は、
コンピュータが、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録し、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得し、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定し、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する。
【0009】
本開示にかかる指導者支援プログラムは、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録する登録処理と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得処理と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定処理と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、チームスポーツの指導者が自由に選択又は入力した指導方針に沿って、指導対象のチームに対する指導者による指導を適切に支援するための指導者支援装置、システム、方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態1にかかる指導者支援装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態1にかかる指導者支援方法の流れを示すフローチャートである。
図3】本実施形態2にかかる指導者支援システムの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態2にかかる指導者支援装置の構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態2にかかる指導体系情報の概念を説明するための図である。
図6】本実施形態2にかかるコンテンツホルダの指導体系情報の登録処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】本実施形態2にかかる指導者(利用者)への指導体系情報及びチーム活動計画の推薦処理の流れを示すシーケンス図である。
図8】本実施形態2にかかる指導体系情報の表示例を示す図である。
図9】本実施形態2にかかるチーム活動計画の表示例を示す図である。
図10】本実施形態2にかかる練習内容の詳細の表示例を示す図である。
図11】本実施形態2にかかるチーム活動計画の修正処理の流れを示すシーケンス図である。
図12】本実施形態2にかかる評価情報入力画面の例を示す図である。
図13】本実施形態2にかかる統計情報生成処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】本実施形態2にかかる統計情報から生成された表示データの例を示す図である。
図15】本実施形態2にかかる統計情報から生成された表示データの例を示す図である。
図16】本実施形態2にかかる推薦エンジンの学習処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本実施形態1にかかる指導者支援装置1の構成を示すブロック図である。指導者支援装置1は、所定のチームスポーツにおける特定のチームの任意の指導者による当該チームへの指導を支援するための情報処理装置である。指導者支援装置1は、登録部11、取得部12、決定部13及び出力部14を備える。
【0014】
登録部11は、所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を登録する。ここで、「指導関連情報」とは、指導方針、指導項目、練習や試合の活動内容を含むものである。ここで、「練習」とは、トレーニング、エクササイズ等と呼んでも良い。「指導方針」とは、例えば、チーム構想やビジョン、チームを指導するにあたっての指導者の指導哲学やチームを構築する上での哲学、チームのプレイスタイルやプレイモデル等を示すテキスト情報を含んでも良い。また、「指導体系情報」とは、チームを指導するにあたっての指導方針から各指導項目及び各活動内容までの関連性を体系化した情報である。尚、指導体系情報は、指導関連情報に加えて、第1のチームのチーム情報、活動内容に対する評価情報、指導者の指導経験、指導者レベル等に基づき体系化された情報であるとよい。ここで、「チーム情報」は、チームの所属選手の総数、ポジションごとの人数、各所属選手に関する属性や能力に関する情報を含んでも良い。また、登録部11は、内蔵する記憶装置、又は、接続された外部の記憶装置に、第1の指導体系情報を登録する。
【0015】
取得部12は、チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する。ここで、第2のチームの指導方針等は、第2の指導者が複数の指導方針の選択肢の中から選択したものか、第2の指導者がテキスト情報で入力したもの等であるとよい。つまり、取得部12は、第2の指導者から自由に選択又は入力により指定された第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する。決定部13は、指導方針及びチーム情報、並びに、1以上の第1の指導体系情報に基づいて、第2のチームにおける第2の指導体系情報と、第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する。ここで、「チーム活動計画」とは、チーム練習の内容、日程、対象選手や、試合の日程等を含む情報である。出力部14は、第2の指導体系情報及びチーム活動計画を第2の指導者に対して出力する。ここで、出力部14は、例えば、第2の指導者が操作する端末へ第2の指導体系情報及びチーム活動計画を出力する。
【0016】
図2は、本実施形態1にかかる指導者支援方法の流れを示すフローチャートである。まず、登録部11は、所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録する(S11)。尚、登録部11は、複数の異なる第1のチーム及び第1の指導者における複数の第1の指導体系情報を記憶装置に登録してもよい。
【0017】
次に、取得部12は、チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する(S12)。そして、決定部13は、指導方針及びチーム情報、並びに、記憶装置に登録された1以上の第1の指導体系情報に基づいて、第2のチームにおける第2の指導体系情報と、第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する(S13)。
【0018】
続いて、出力部14は、ステップS13で決定された第2の指導体系情報及びチーム活動計画を第2の指導者に対して出力する(S14)。
【0019】
このように本実施形態では、所定のチームスポーツにおける経験豊富な第1の指導者の指導履歴や効率が良く、効果の高い練習内容やスケジューリングなどの指導ノウハウを体系化した第1の指導体系情報を、予め蓄積しておく。そして、第1の指導者とは異なる第2の指導者が第2のチームを指導するにあたり、指導者支援装置1は、第2の指導者から自身の指導方針や指導対象である第2のチームのチーム情報を取得する。そこで、指導者支援装置1は、過去の第1の指導体系情報に基づいて、第2の指導者の指導方針やチーム情報を加味した第2の指導体系情報を決定し、第2の指導者へ推薦できる。そのため、第2の指導者は、経験者の指導ノウハウを用いて自身の指導方針から具体的な指導項目やチーム練習の内容等に落とし込んだ第2の指導体系情報を得ることができる。よって、第2の指導者の指導経験が浅いとしても、指導項目やチーム練習の意図等を把握し易くなり、指導の助けとなる。また、第2の指導者は、効果が高く、効率的な練習内容や試合のスケジュールを得ることができる。そのため、チームスポーツの指導者が選択又は入力した指導方針に沿って、指導対象のチームに対する指導者による指導を適切に支援することができる。
【0020】
尚、指導者支援装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる指導者支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラム等を前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、登録部11、取得部12、決定部13及び出力部14の機能を実現する。
【0021】
または、指導者支援装置1の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0022】
また、指導者支援装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、指導者支援装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0023】
<実施形態2>
本実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図3は、本実施形態2にかかる指導者支援システム1000の構成を示すブロック図である。指導者支援システム1000は、推薦エンジン300を用いた指導者支援装置400が第2の指導者U2による第2のチームT2の指導を支援するための情報システムである。指導者支援システム1000は、ユーザ端末101及び102、測定装置221~223、推薦エンジン300及び指導者支援装置400のそれぞれがネットワークNを介して通信可能に接続されている。ここで、ネットワークNは、有線又は無線の通信回線又は通信ネットワークであり、例えばLAN(Local Area Network)、インターネット、無線通信回線網、携帯電話回線網等である。また、ネットワークNは、通信プロトコルの種別を問わない。尚、測定装置221~223は、必ずしもネットワークNに接続されている必要はなく、少なくともユーザ端末102と通信可能であればよい。また、指導者支援装置400は、推薦エンジン300を内蔵してもよい。
【0024】
第1のチームT1は、所定のチームスポーツにおける所属選手の集合である。また、第2のチームT2は、第1のチームT1と同一のチームスポーツにおける他のチームであり、所属選手U21、U22及びU23等の集合である。または、第1のチームT1及び第2のチームT2は、チームスポーツに限らず、個人スポーツであってもよい。例えば、陸上競技のチーム等であってもよい。また、第1のチームT1及び第2のチームT2における対象スポーツは、同一でなくてもよい。尚、図3で図示した第1のチームT1及び第2のチームT2の所属選手の人数は、例示に過ぎず、実際には図示した以上の所属選手がいる場合がある。
【0025】
第1の指導者U1は、第1のチームT1を指導した経験を有する。本実施形態2は、指導経験、指導ノウハウをコンテンツと呼び、第1の指導者U1を「コンテンツホルダ」と呼ぶ場合がある。ユーザ端末101は、第1の指導者U1が操作する情報端末である。ユーザ端末101は、第1の指導者U1から指導者情報、第1のチームT1の指導関連情報やチーム情報等の入力を受け付け、これらの情報を指導者支援装置400へ送信する。または、ユーザ端末101は、第1の指導者U1から指導者情報、指導関連情報及びチーム情報等に基づく第1の指導体系情報の入力を受け付け、第1の指導体系情報を指導者支援装置400へさらに送信してもよい。
【0026】
第2のチームT2の所属選手U21は測定装置221を装着し、所属選手U22は測定装置222を装着し、所属選手U23は測定装置223を装着しているものとする。そして、例えば、所属選手U21等は、測定装置221等を装着した状態で、練習や試合を行っても良い。または、所属選手U21等は、練習や試合の前後に測定装置221等を装着してもよい。測定装置221等は、装着した所属選手U21等の身体状態を含む測定情報を測定する。測定装置221等は、体表温度、心拍数といった身体状態の定量的な基礎データや、これらから算出された疲労度、免疫度等を含むフィジカルデータ、コンディションデータ等を測定情報として測定する。また、測定装置221等は、GPS(Global Positioning System)情報等の位置情報を測定情報に含めてもよい。測定装置221等は、測定情報を、定期的に又は所定のタイミングでユーザ端末102又は指導者支援装置400へ送信する。測定装置221等は、例えば、ウェアラブルデバイスである。
【0027】
第2の指導者U2は、第2のチームT2を指導中の者、又は、これから指導しようとする者である。ユーザ端末102は、第2の指導者U2が操作する情報端末である。ユーザ端末102は、第2の指導者U2から指導者情報、指導方針及びチーム情報等の入力を受け付け、これらの情報を指導者支援装置400へ送信する。また、ユーザ端末102は、指導者支援装置400から、第2のチームT2における指導体系情報及びチーム活動計画を受信し、画面に表示する。また、ユーザ端末102は、第2の指導者U2からチーム活動計画の修正内容を受け付けた場合、修正内容を指導者支援装置400へ送信してもよい。また、ユーザ端末102は、チーム活動計画に応じて実施された練習又は試合に応じて、第2の指導者U2から第2のチームT2又は所属選手U21等の評価情報の入力を受け付け、これらの情報を指導者支援装置400へ送信してもよい。また、ユーザ端末102は、第2の指導者U2から所属選手ごとの育成方針の入力を受け付け、これらの情報を指導者支援装置400へ送信してもよい。また、ユーザ端末102は、測定装置221等から取得した各選手の測定情報を、定期的に又は所定のタイミングで指導者支援装置400へ送信する。また、ユーザ端末102は、指導者支援装置400から、更新後の指導体系情報及びチーム活動計画を受信し、画面に表示する。また、ユーザ端末102は、指導者支援装置400から、所属選手ごとの選手練習計画を受信し、画面に表示してもよい。
【0028】
尚、ユーザ端末101及び102は、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC等の情報処理装置である。
【0029】
推薦エンジン300は、所定のチームスポーツの所定のチームに対する指導体系情報及びチーム活動計画の推薦情報を提供するコンピュータサーバである。推薦エンジン300は、例えば、指導者支援装置400から指導方針、チーム情報等を受け付け、受け付けた情報に基づき指導体系情報及び指導体系情報に対応するチーム活動計画を導出し、導出した情報を指導者支援装置400へ返信する。推薦エンジン300は、例えば、指導方針、チーム情報等の入力に対して指導体系情報及びチーム活動計画を導出するAI(Artificial Intelligence)モデルを搭載してもよい。この場合、AIモデルは、予め、複数のコンテンツホルダにおける指導者情報、第1のチームT1の指導関連情報やチーム情報等と、第1の指導体系情報とを教師データとして機械学習済みとする。尚、推薦エンジン300は、AIモデル以外の他のプログラムモジュールにより、指導方針、チーム情報等の入力に対して指導体系情報及びチーム活動計画を導出してもよい。
【0030】
指導者支援装置400は、上述した指導者支援装置1の一例である。指導者支援装置400は、複数台のサーバに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピュータで実現されてもよい。
【0031】
図4は、本実施形態2にかかる指導者支援装置400の構成を示すブロック図である。指導者支援装置400は、記憶部410、メモリ420、通信部430及び制御部440を備える。記憶部410は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置の一例である。記憶部410は、プログラム411、指導情報412及び選手情報413を記憶する。プログラム411は、本実施形態2にかかる指導者支援処理等が実装されたコンピュータプログラム(指導者支援プログラム)である。
【0032】
指導情報412は、所定のチームスポーツのチームごと、指導者ごとの指導に関する情報である。尚、指導情報412は、所定の個人スポーツにおけるチームごと、指導者ごとの指導に関する情報であってもよい。指導情報412は、指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、指導体系情報4124、チーム活動計画4125及び評価情報4126を対応付けた情報である。
【0033】
指導者情報4121は、指導者のユーザID、チーム内の役職(監督、コーチ等)、指導ライセンスの有無や種別、個人情報(氏名等)、指導者としての実績情報等である。指導ライセンスの種別や実績等は、「指導者レベル」と呼ぶこともできる。指導者レベルは、指導できるチームが、プロかアマチュアか、カテゴリがトップレベル、アカデミーレベル、スクールレベルかといった種別を示す情報であってもよい。
【0034】
指導関連情報4122は、上述したように、指導方針、指導項目、練習や試合の活動内容を含むものである。また、指導関連情報4122は、指導者におけるチームに対する指導方針、指導項目及び活動内容のそれぞれを複数のノードとして含む。チーム情報4123は、チームID、チーム名、カテゴリ、所属選手の総数、ポジションごとの人数の内訳、各所属選手の身体情報やフィジカル能力値の統計情報等を含むとよい。
【0035】
指導体系情報4124は、指導方針、チーム情報、指導項目及び活動内容等を体系化した情報である。また、指導体系情報4124は、指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいてノード間を連結した情報である。各ノードの関連性とは、例えば、ノード「指導方針」とノード「指導項目」との間に抽象的な概念と具体的な項目といった関連性があることが挙げられる。また、ノード「指導項目」とノード「活動内容」との間に、抽象的な項目と具体的な内容といった関連性があることが挙げられる。さらに、指導体系情報4124は、指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいて、少なくとも指導方針、指導項目及び活動内容の順序で階層化した情報である。また、指導体系情報4124は、例えば、各ノードをツリー構造で表現した情報であってもよい。または、指導体系情報4124は、各ノードを多対多のネットワーク構造で表現した情報であってもよい。
【0036】
図5は、本実施形態2にかかる指導体系情報5の概念を説明するための図である。指導体系情報5は、指導方針51、指導項目52及び活動内容53が階層化された例を示す。また、指導体系情報5は、ノード間が多対多で連結された例を示すが、これに限定されない。またこの例では、指導方針51と指導項目52に関連性があるとして連結され、指導項目52と活動内容53に関連性があるとして連結されたことを示す。
【0037】
指導方針51は、最上位ノードとして指導方針P1を示す。指導方針P1は、例えば、チームビジョン、チームの目的、チームフィロソフィ、プレースタイル、プレイモデル等を含んでも良い。また、指導項目52は、最上位ノードの下位ノードとして複数のレベル(例えば、レベル1から3)に階層化されていてもよい。例えば、指導項目52は、レベル1の指導項目L11及びL12、レベル2の指導項目L21及びL22、レベル3の指導項目L311及びL312等を含む。例えば、レベル1の指導項目L11及びL12等は、最上位ノードの指導方針P1の下位ノードとして連結される。また、レベル2の指導項目L21及びL22等は、レベル1の指導項目L11等の下位ノードとして連結される。また、レベル3の指導項目L311及びL312等は、レベル2の指導項目L21の下位ノードとして連結される。活動内容53は、練習と試合をノードとして含む。尚、練習や試合は、多段階に階層化されても良く、多対多で連結されても良い。例えば、活動内容53は、練習EX11、EX12・・・、EX21、EX22・・・と、試合G1、G2・・・とを含む。練習EX11及びEX12等は、上位ノードのレベル3の指導項目L311と連結され、下位ノードの試合G1及びG2等と連結されている。また、練習EX21及びEX22等は、上位ノードのレベル3の指導項目L312と連結され、下位ノードの試合G1及びG2等と連結されている。
【0038】
図4に戻り説明を続ける。
チーム活動計画4125は、チーム練習の練習内容(トレーニング、エクササイズ等)、日程、対象選手、試合の日程等を含むスケジュール情報である。評価情報4126は、チーム活動計画4125に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに応じて、チームに対する指導者による評価を示す情報である。評価情報4126は、複数の項目について数値、レベル値、達成度、テキスト情報で表現された情報であるとよい。
【0039】
選手情報413は、所定のチームに所属する選手、つまり、指導対象の選手に関する情報である。選手情報413は、所属チーム4131、所属選手4132、育成方針4133、選手練習計画4134、測定情報4135及び評価情報4136を対応付けた情報である。
【0040】
所属チーム4131は、該当選手が所属するチーム情報であり、上述したチーム情報4123に含まれるチームIDであってもよい。所属選手4132は、選手のユーザID、ポジション、個人情報(氏名等)、競技に特有の特性情報(例えば、利き足、利き腕(右投げ、左打ち)等)、身体情報、フィジカル能力値、競技のスキルに関するテキスト情報等を含む。身体情報は、例えば、身長、体重、体脂肪率等である。フィジカル能力値は、例えば、10m走(ダッシュ)、50m走、10km走のタイム、各種運動能力テストのスコアやレベル値等である。競技のスキルに関するテキスト情報とは、1対1の対応能力や瞬発力、持久力、フィジカル又はメンタルに関する情報、持病や怪我等の健康状態に関する情報等である。
【0041】
育成方針4133は、選手個人におけるスキル習得の方向性やチーム内での位置づけの方向性等を示すテキスト情報である。選手練習計画4134は、選手個別の練習内容や日程等を含むスケジュール情報である。測定情報4135は、上述した測定装置221等により測定された情報である。評価情報4136は、所属チーム4131に対応する指導体系情報4124又は選手練習計画4134に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに応じて、選手に対する指導者又は選手自身による評価を示す情報である。評価情報4136は、複数の項目について数値、レベル値、達成度、テキスト情報で表現された情報であるとよい。
【0042】
メモリ420は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部440の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部430は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0043】
制御部440は、指導者支援装置400の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部440は、記憶部410からプログラム411をメモリ420へ読み込ませ、プログラム411を実行する。これにより、制御部440は、登録部441、取得部442、決定部443、出力部444、学習部445及び生成部446の機能を実現する。
【0044】
登録部441は、上述した登録部11の一例である。登録部441は、ユーザ端末101等から取得した指導者情報4121、指導関連情報4122及びチーム情報4123を対応付けて指導情報412として記憶部410に登録する。また、登録部441は、ユーザ端末101から取得した指導体系情報4124及びチーム活動計画4125を指導情報412にさらに対応付けて記憶部410に登録する。また、登録部441は、決定部443により決定された、第2のチームT2における指導体系情報4124及びチーム活動計画4125を指導情報412にさらに対応付けて記憶部410に登録する。また、登録部441は、ユーザ端末101等から取得した評価情報4126を指導情報412にさらに対応付けて記憶部410に登録する。
【0045】
また、登録部441は、ユーザ端末101等から取得した所属チーム4131、所属選手4132、育成方針4133を対応付けて選手情報413として記憶部410に登録する。また、登録部441は、ユーザ端末101から取得した選手練習計画4134、測定情報4135及び評価情報4136を選手情報413にさらに対応付けて記憶部410に登録する。また、登録部441は、決定部443により決定された、第2のチームT2の所属選手U21等における選手練習計画4134を選手情報413にさらに対応付けて記憶部410に登録する。
【0046】
取得部442は、上述した取得部12の一例である。取得部442は、ユーザ端末101等から第1のチームT1等の指導者情報、指導関連情報及びチーム情報等を取得する。また、取得部442は、ユーザ端末101から第1のチームT1における指導体系情報及びチーム活動計画を取得する。また、取得部442は、ユーザ端末101等から評価情報を取得する。特に、取得部442は、第2のチームT2のチーム活動計画に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに応じて、第2のチームT2又はチーム情報に含まれる所属選手U21等の評価情報を取得する。取得部442は、第2のチームT2のチーム活動計画に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに起因する複数のタイミングで測定された、第2のチームT2の所属選手U21等の身体状態を含む複数の測定情報を取得する。特に、取得部442は、ユーザ端末101等から複数のタイミングで測定された、所属選手の複数の位置情報をさらに含めた測定情報を取得する。取得部442は、所属選手ごとの育成方針をさらに取得してもよい。
【0047】
決定部443は、上述した決定部13の一例である。決定部443は、指導方針及びチーム情報、並びに、記憶部410に登録された1以上の第1の指導体系情報に基づいて、第2のチームT2における第2の指導体系情報を決定する。そして、決定部443は、決定された第2の指導体系情報に基づいて第2のチームT2におけるチーム活動計画を決定する。
【0048】
ここで、上述した推薦エンジン300のAIモデルは、指導方針及びチーム情報、並びに、記憶部410に登録された1以上の第1の指導体系情報に基づいて機械学習されている。そのため、決定部443は、推薦エンジン300を用いて、第2のチームT2における第2の指導体系情報と、第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定するとよい。具体的には、決定部443は、第2のチームT2の指導者情報、指導方針及びチーム情報を含む推薦要求を推薦エンジン300へ送信し、推薦エンジン300において導出された指導体系情報及びチーム活動計画を受信する。そして、決定部443は、受信した指導体系情報及びチーム活動計画を、第2のチームT2への推薦情報として決定する。つまり、決定部443は、機械学習されたモデルを用いて、少なくとも第1のチームT1以外のチームの指導方針及びチーム情報から当該チームにおける指導体系情報と、当該指導体系情報に基づくチーム活動計画とを決定する。
【0049】
または、決定部443は、推薦エンジン300を用いる代わりに、記憶部410内の指導情報412の中から、指導体系情報4124及びチーム活動計画4125を選択することにより決定してもよい。例えば、決定部443は、指導情報412の中から、取得部442により取得された指導者情報4121、指導関連情報4122及びチーム情報4123に対応付けられた指導体系情報4124及びチーム活動計画4125を選択してもよい。
【0050】
さらに、決定部443は、第2の指導者U2の指導者レベル、並びに、第2のチームT2における指導方針及びチーム情報に基づいて、2以上の第1の指導体系情報を組み合わせて生成することにより、第2の指導体系情報を決定してもよい。例えば、推薦エンジン300の導出処理において、2以上の第1の指導体系情報を組み合わせて第2の指導体系情報を生成してもよい。この場合、決定部443は、推薦エンジン300を用いて2以上の第1の指導体系情報を組み合わせて第2の指導体系情報を生成するといえる。または、決定部443は、後述する生成部446を用いて、指導情報412を参照して該当する複数の指導体系情報4124を組み合わせて第2の指導体系情報を生成しても良い。
【0051】
また、決定部443は、所属選手ごとに選手練習計画をさらに決定してもよい。例えば、推薦エンジン300の導出処理において、選手練習計画を導出してもよい。さらに、決定部443は、育成方針にさらに基づいて、所属選手ごとに選手練習計画を決定するとよい。これらの場合、決定部443は、推薦エンジン300を用いて、所属選手ごとに選手練習計画を決定するといえる。または、決定部443は、選手情報413を参照して該当する選手練習計画を選択してもよい。
【0052】
また、決定部443は、評価情報に基づいて、以前に決定されたチーム活動計画又は選手練習計画を修正してもよい。例えば、推薦エンジン300の導出処理において、評価情報とチーム活動計画又は選手練習計画の入力対して、修正後のチーム活動計画又は選手練習計画を導出してもよい。この場合、決定部443は、推薦エンジン300を用いて、チーム活動計画又は選手練習計画を修正するといえる。または、決定部443は、指導情報412又は選手情報413を参照して他のチーム活動計画又は選手練習計画を選択してもよい。または、決定部443は、生成部446を用いて、評価情報に基づいて、チーム活動計画又は選手練習計画を修正してもよい。
【0053】
出力部444は、上述した出力部14の一例である。出力部444は、決定部443により決定された第2のチームT2における指導体系情報及びチーム活動計画をユーザ端末102に対して出力する。さらに、出力部444は、決定部443により決定された選手練習計画をユーザ端末102に対して出力する。また、出力部444は、決定部443により修正されたチーム活動計画又は選手練習計画を出力してもよい。また、出力部444は、評価情報に基づく統計情報から、生成部446により生成された表示データを出力してもよい。
【0054】
学習部445は、第1の指導者U1の指導者情報、第1のチームT1の指導関連情報、チーム情報及び指導体系情報を含めたモデル学習指示を、推薦エンジン300へ送信する。これにより、推薦エンジン300のAIモデルを構築できる。また、学習部445は、指導方針、チーム情報、第2の指導体系情報、チーム活動計画及び評価情報を用いて、所定のチームに対する指導体系情報及びチーム活動計画を導出するモデルを機械学習する。具体的には、学習部445は、第2の指導者U2及び第2のチームT2における指導情報412及び選手情報413を含めたモデル追加学習指示を、推薦エンジン300へ送信する。これにより、推薦エンジン300のAIモデルを機械学習させて、パラメータを更新させることができる。
【0055】
生成部446は、指導情報412を参照して該当する複数の指導体系情報4124を組み合わせて第2の指導体系情報を生成する。また、生成部446は、評価情報に基づいて、チーム活動計画又は選手練習計画を修正する。また、生成部446は、評価情報に基づいて統計情報を算出し、算出した統計情報から表示データを生成する。
【0056】
図6は、本実施形態2にかかるコンテンツホルダの指導体系情報の登録処理の流れを示すシーケンス図である。まず、第1の指導者U1は、第1のチームT1を指導した経験に基づき、自身の指導者情報と、第1のチームT1の指導関連情報、チーム情報、第1の指導体系情報、チーム活動計画、評価情報及び選手情報を、ユーザ端末101に入力する。ここでは、第1の指導体系情報及びチーム活動計画は、第1の指導者U1により作成されたものとする。
【0057】
これに応じて、ユーザ端末101は、入力された指導者情報、指導関連情報、チーム情報、第1の指導体系情報、チーム活動計画、評価情報及び選手情報を含めた登録要求を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する(S201)。そして、指導者支援装置400は、ユーザ端末101から受信した指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、指導体系情報4124、チーム活動計画4125及び評価情報4126を対応付けて指導情報412として記憶部410に登録する(S202)。また、指導者支援装置400は、ユーザ端末101から受信した選手情報、つまり、第1のチームT1(所属チーム4131)の所属選手4132、育成方針4133、選手練習計画4134、測定情報4135及び評価情報4136を対応付けて記憶部410に登録する。
【0058】
尚、第1の指導体系情報は、指導者支援装置400が生成してもよい。その場合、第1の指導体系情報は第1の指導者U1により入力されず、ユーザ端末101は、指導者情報、指導関連情報、チーム情報、チーム活動計画、評価情報及び選手情報を含めた登録要求を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する。そして、そして、指導者支援装置400は、ユーザ端末101から受信した指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、チーム活動計画4125及び評価情報4126を対応付けて指導情報412として記憶部410に登録する。そして、指導者支援装置400は、指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、チーム活動計画4125及び評価情報4126に基づいて、第1の指導体系情報を構成してもよい。その後、指導者支援装置400は、構成した第1の指導体系情報を指導情報412に追加して記憶部410に登録する。
【0059】
尚、指導者支援装置400は、指導情報412のうち少なくとも指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、指導体系情報4124及びチーム活動計画4125を登録すればよい。また、指導者支援装置400は、選手情報413のうち少なくとも所属チーム4131及び所属選手4132(の情報)を登録すればよい。
【0060】
続いて、指導者支援装置400は、記憶部410から、第1の指導者U1及び第1のチームT1における指導情報412及び選手情報413を読み出す。そして、指導者支援装置400は、指導情報412及び選手情報413を含めたモデル学習指示を、ネットワークNを介して推薦エンジン300へ送信する(S203)。尚、読み出した指導情報412には、上述した通り、第1の指導者U1及び第1のチームT1における指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、指導体系情報4124、チーム活動計画4125及び評価情報4126並びに選手情報413を含むとよい。
【0061】
これに応じて、推薦エンジン300は、指導者支援装置400からネットワークNを介してモデル学習指示を受信する。そして、推薦エンジン300は、受信したモデル学習指示に含まれる指導者情報4121、指導関連情報4122、チーム情報4123、指導体系情報4124、チーム活動計画4125及び評価情報4126並びに選手情報413を教師データとして、AIモデルを機械学習する(S204)。つまり、推薦エンジン300は、AIモデルのパラメータを更新する。これにより、推薦エンジン300は、指導者情報、指導関連情報及びチーム情報(及び、評価情報、選手情報)を入力として、指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)を導出するAIモデルを構築できる。そのため、所定のチームスポーツの経験豊富な第1の指導者U1の知見に基づく、指導メソッドを蓄積できる。
【0062】
図7は、本実施形態2にかかる指導者(利用者)への指導体系情報及びチーム活動計画の推薦処理の流れを示すシーケンス図である。まず、第2の指導者U2は、第2のチームT2を指導するにあたり、自身の指導者情報と、第2のチームT2の指導方針及びチーム情報(及び選手情報)を、ユーザ端末102に入力する。尚、この時点の選手情報は、所属選手4132相当の情報である。また、第2の指導者U2は、推薦期間を入力してもよい。
【0063】
これに応じて、ユーザ端末102は、入力された指導者情報、指導方針及びチーム情報(及び選手情報並びに推薦期間)を含めた推薦要求を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する(S211)。
【0064】
そして、指導者支援装置400は、ユーザ端末102から受信した指導方針を指導関連情報4122とする。そして、指導者支援装置400は、指導者情報4121、指導関連情報4122及びチーム情報4123を対応付けて指導情報412として記憶部410に登録する(S212)。また、指導者支援装置400は、ユーザ端末102から受信した選手情報、つまり、第2のチームT2の所属チーム4131と所属選手4132を対応付けて選手情報413として記憶部410に登録する。
【0065】
そして、指導者支援装置400は、記憶部410から第2の指導者U2及び第2のチームT2における指導情報412及び選手情報413を読み出す。そして、指導者支援装置400は、指導者情報、指導方針、チーム情報(及び選手情報)を含めた推薦要求を、ネットワークNを介して推薦エンジン300へ送信する(S213)。
【0066】
これに応じて、推薦エンジン300は、指導者支援装置400からネットワークNを介して推薦要求を受信する。そして、推薦エンジン300は、受信した推薦要求に含まれる指導者情報、指導方針、チーム情報(及び選手情報)を、学習済みのAIモデルに入力し、AIモデルにより指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)を導出する(S214)。その後、推薦エンジン300は、導出された指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する(S215)。
【0067】
そして、指導者支援装置400は、推薦エンジン300からネットワークNを介して指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)を受信し、第2の指導者U2及び第2のチームT2における指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)として決定する。そして、指導者支援装置400は、決定した指導体系情報4124及びチーム活動計画4125を、第2の指導者U2及び第2のチームT2における指導情報412に追加して対応付けて、記憶部410又はメモリ420に登録する(S216)。また、選手活動計画を受信した場合、指導者支援装置400は、受信した選手練習計画4134を、第2の指導者U2及び第2のチームT2における選手情報413に追加して対応付けて、記憶部410又はメモリ420に登録する。
【0068】
併せて、指導者支援装置400は、決定した指導体系情報4124及びチーム活動計画4125(及び選手活動計画)を、ネットワークNを介してユーザ端末102へ送信する(S217)。そして、ユーザ端末102は、受信した指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)を、画面に表示する(S218)。尚、ステップS216は、ステップS218に応じて、第2の指導者U2がチーム活動計画(及び選手活動計画)を了承又は修正した後に、実行されてもよい。
【0069】
図8は、本実施形態2にかかる指導体系情報5aの表示例を示す図である。指導体系情報5aは、指導方針51として、第2のチームT2のビジョン、目的、プレースタイル、プレーモデルの順序で連結して表示している。これにより、第2の指導者U2は、第2のチームT2の指導方針51を各項目に落とし込み、階層化して把握し易くなる。また、指導体系情報5aは、指導方針51の下に指導項目52や活動内容53を連結して表示している。指導項目52は、例えば、プランニング、S&C(Strength&Conditioning)、プレー方法等の項目に細分化、階層化されていることを示す。また、活動内容53は、例えば、指導項目52と対応させて、練習をPhase1から4、これらの練習に対応する試合との関連性を示す。Phase1等は、練習EX11、EX12等が含まれていることを示す。そのため、第2の指導者U2は、所属選手U21等に各種練習や試合を実施させる際に、自身の指導方針から指導項目までの関連性を把握し易くなり、練習等の位置付けを把握できる。また、第2の指導者U2は、所属選手U21等への練習等の動機付けをし易くなり、練習等の効果が出易くなる。
【0070】
図9は、本実施形態2にかかるチーム活動計画6の表示例を示す図である。チーム活動計画6は、第2のチームT2の月間スケジュールの一部であり、練習及び試合の日程等を示す。例えば、第1週61には、2日の月曜に練習内容601「EX21」、4日の水曜に「EX22」、6日の金曜に「EX23」、7日の土曜に「試合」が設定されていることを示す。そして、第2の指導者U2が練習内容601の選択操作を行うと、練習内容の詳細が表示されるものとする。また、練習内容が設定されている日には、当該練習の後に、練習結果の評価を行う指導者602と、評価の入力を行うための評価ボタン603とが表示されている。また、練習又は試合が設定されている日には、EX追加ボタン604が表示され、第2の指導者U2により練習が追加可能となっている。また、第1週61には週評価ボタン611、第2週62には週評価ボタン621、第3週63には週評価ボタン631が表示され、週ごとの評価が入力可能となっている。
【0071】
図10は、本実施形態2にかかる練習内容の詳細の表示例を示す図である。練習内容の詳細画面7は、目標71、サブカテゴリ72、テーマ73、サブテーマ74及び練習リスト75が表示された例を示す。尚、目標71、サブカテゴリ72、テーマ73及びサブテーマ74は、階層化された指導項目の一例である。
【0072】
このように、本実施形態により、推薦エンジン300に対して、多様な視点でチームスポーツの心、技、体のメソッドを機械学習させて、経験の少ない第2の指導者U2に対して指導方針に沿ってチームを指導するための情報を推薦することができる。そのため、チーム全体のフィロソフィを指導者に浸透し易くなる。指導体系情報によりチームのビジョンから各練習までの関連性を一元化できるため、指導者が理解し易くなり、指導に役立てることができる。また、チームや選手個人に対して今までにないアプローチで指導することが可能になる。さらに、同一チームに複数の指導者がいる場合、指導者間で指導方針や指導内容についてのナレッジを共有し易くなる。
【0073】
また、日単位、週単位、月単位等で練習及び試合の計画を推薦できるため、チーム内での共有が促進し、ベストプラクティスを発掘し易くなる。すなわち、実現したいテーマ軸にナレッジを蓄積及び共有できる。そして、ナレッジから簡単にトレーニング計画を作成できる。そして、トレーニング計画を指導者間で共有し、より良い指導及び選手への計画の共有もし易くなる。
【0074】
尚、第2の指導体系情報は、第2の指導者U2自身が作成しても良い。その場合、指導者支援装置400は、第2の指導者U2により作成された第2の指導体系情報に基づいて、チーム活動計画(及び選手活動計画)を決定し、出力するとよい。または、指導者支援装置400は、第2の指導者U2により作成された第2の指導体系情報を、推薦エンジン300に用いて修正してもよい。
【0075】
図11は、本実施形態2にかかるチーム活動計画の修正処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、第2の指導者U2が推薦されたチーム活動計画に沿って、第2のチームT2の指導を行い、所属選手U21等はチーム活動計画に挙げられた練習メニューを消化しているものとする。このとき、所属選手U21等が装着する測定装置221等は、装着者から測定情報を測定し、ユーザ端末102へ送信する。例えば、ユーザ端末102は、練習前、練習中、練習後、試合前、試合中、試合後の測定情報を取得してもよい。また、練習中には、練習ごとや1つの練習内で複数の測定情報が測定及び送信されてもよい。これにより、ユーザ端末102は、各所属選手の測定装置から測定情報を収集する(S221)。そして、ユーザ端末102は、第2の指導者U2から練習後又は試合後に、第2のチームT2及び各選手の評価情報の入力を受け付ける(S222)。
【0076】
図12は、本実施形態2にかかる評価情報入力画面8の例を示す図である。評価情報入力画面8は、評価値81、コメント821から823を含む。評価値81は、サブテーマ及び練習について、第2の指導者U2が第2のチームT2の上達度合い等の評価を数値等で入力した例である。コメント821は、第2の指導者U2が一連の練習を通じて第2のチームT2全体の良い点を評価したコメントの入力例である。コメント822は、第2の指導者U2が一連の練習を通じて第2のチームT2全体の悪い点を評価したコメントの入力例である。コメント823は、第2の指導者U2が次回の練習に向けて第2のチームT2全体を指導する際のコメントの入力例である。尚、評価値81及びコメント821から823は、選手ごとの評価が入力されてもよい。
【0077】
図11に戻り説明を続ける。
ユーザ端末102は、ステップS221で収集した選手ごとの複数の測定情報と、ステップS222で受け付けた評価情報を含めた登録要求を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する(S223)。
【0078】
そして、指導者支援装置400は、ユーザ端末102から受信した測定情報4135を対応する所属選手4132に対応付けて選手情報413として記憶部410に登録する(S224)。また、指導者支援装置400は、ユーザ端末102から受信した第2のチームT2全体の評価情報4126を、第2のチームT2のチーム情報4123に対応付けて指導情報412として記憶部410に登録する。また、指導者支援装置400は、ユーザ端末102から受信した選手ごとの評価情報4136を対応する所属選手4132に対応付けて選手情報413として記憶部410に登録する。
【0079】
そして、指導者支援装置400は、記憶部410から第2の指導者U2及び第2のチームT2における評価情報4126及び所属選手U21等の測定情報4135及び評価情報4136を読み出す。そして、指導者支援装置400は、測定情報及び評価情報を含めた計画修正要求を、ネットワークNを介して推薦エンジン300へ送信する(S225)。
【0080】
これに応じて、推薦エンジン300は、指導者支援装置400からネットワークNを介して計画修正要求を受信する。そして、推薦エンジン300は、受信した計画修正要求に含まれる測定情報及び評価情報を、学習済みのAIモデルに入力し、AIモデルによりチーム活動計画(及び選手活動計画)の修正案を導出する(S226)。その後、推薦エンジン300は、導出されたチーム活動計画(及び選手活動計画)を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する(S227)。
【0081】
そして、指導者支援装置400は、推薦エンジン300からネットワークNを介してチーム活動計画(及び選手活動計画)を受信し、第2の指導者U2及び第2のチームT2における修正後のチーム活動計画(及び選手活動計画)として決定する。そして、指導者支援装置400は、決定したチーム活動計画4125を、第2の指導者U2及び第2のチームT2における指導情報412に追加して対応付けて、記憶部410又はメモリ420に登録する(S228)。また、選手活動計画を受信した場合、指導者支援装置400は、受信した選手練習計画4134を、第2の指導者U2及び第2のチームT2における選手情報413に追加して対応付けて、記憶部410又はメモリ420に登録する。
【0082】
併せて、指導者支援装置400は、決定した修正後のチーム活動計画4125(及び選手活動計画)を、ネットワークNを介してユーザ端末102へ送信する(S229)。そして、ユーザ端末102は、受信した修正後のチーム活動計画(及び選手活動計画)を、画面に表示する(S230)。尚、ステップS216は、ステップS218に応じて、第2の指導者U2がチーム活動計画(及び選手活動計画)を了承又は修正した後に、実行されてもよい。
【0083】
尚、ステップS225にて、指導者支援装置400は、記憶部410から第2の指導者U2及び第2のチームT2における指導情報412と、第2のチームT2の選手情報413を読み出し、これらを含めた推薦要求を推薦エンジン300へ送信してもよい。この場合、推薦エンジン300は、学習済みのAIモデルを用いて、第2のチームT2における指導体系情報及びチーム活動計画(及び選手活動計画)を導出し、これらを指導者支援装置400へ返信する。
【0084】
このように、本実施形態では、第2の指導者U2が練習後や試合後に第2のチームT2全体の評価や所属選手U21等の個人評価を行なうことができる。このとき、練習や試合が指導体系情報や指導体系情報に基づいたチーム活動計画、選手練習計画に沿ったものであり、評価情報入力画面には、テーマ、サブテーマ、練習内容等に対応して評価情報の入力欄が設けられている。そして、第2の指導者U2は、指導体系情報やチーム活動計画、選手練習計画に表示された目標やチームビジョンと照らし合わせて評価することができる。特に、評価情報は、定量評価と定性評価を含み、チーム単位、個人単位の評価を含む。さらに、次回に向けたコメントも入力可能である。そのため、具体的なアクションプランを検討し易くなる。
【0085】
図13は、本実施形態2にかかる統計情報生成処理の流れを示すシーケンス図である。まず、ユーザ端末102は、第2の指導者U2から評価情報に対する統計情報の表示操作を受け付け、統計情報表示要求を、ネットワークNを介して指導者支援装置400へ送信する(S231)。これに応じて、指導者支援装置400は、ユーザ端末102から受信した統計情報表示要求に応じて統計情報を算出する(S232)。具体的には、指導者支援装置400は、記憶部410から、第2のチームT2における評価情報4126、測定情報4135及び評価情報4136を読み出す。そして、指導者支援装置400は、評価情報4126、測定情報4135及び評価情報4136からチームごとや選手ごとの統計情報を算出する。そして、指導者支援装置400は、統計情報から表示データを生成する(S233)。その後、指導者支援装置400は、生成した表示データを、ネットワークNを介してユーザ端末102へ送信する(S234)。これに応じて、ユーザ端末102は、指導者支援装置400からネットワークNを介して受信した表示データを画面に表示する(S235)。
【0086】
図14は、本実施形態2にかかる統計情報から生成された表示データ91及び92の例を示す図である。表示データ91は、テーマごとの実施時間の棒グラフである。表示データ92は、サブテーマごとの実施時間の日ごとの棒グラフである。図15は、本実施形態2にかかる統計情報から生成された表示データ93の例を示す図である。表示データ93は、テーマごとの評価値を日ごとのレーダーチャートで示した図である。例えば、テーマ「攻撃」「守備」「フィジカル」「メンタル」「戦術」について、「2021年4月30日」と「2021年7月30日」とで比較表示している。尚、指導者支援装置400は、統計情報に基づき生成される表示データの各種設定変更を可能としてもよい。例えば、図15のレーダーチャートのテーマ(評価軸)を、チームごとに(また、体系化情報に基づいて)作成やカスタマイズ可能としてもよい。その際、指導者支援装置400は、第2の指導者U2等の利用者から設定変更を受け付けても良い。
【0087】
このように本実施形態により、第2の指導者U2は、練習や試合の履歴をチーム及び選手ごとに蓄積されて統計情報について可視化されるため、チーム及び選手ごとの状態を分析し易くなる。また、テーマを軸としてトレーニング傾向や評価記録を分析するため、成長過程を可視化でき、例えばトップ選手のトレーニングや試合実績を蓄積し可視化することで、指導者が振り返りに活用できる。
【0088】
図16は、本実施形態2にかかる推薦エンジンの学習処理の流れを示すシーケンス図である。指導者支援装置400は、所定のタイミングで、記憶部410から、特定の指導者及びチームにおける指導情報412及び選手情報413を読み出す(S241)。尚、指導者支援装置400は、同一チームに複数の指導者が登録されている場合、チーム単位で指導情報412及び選手情報413を読み出してもよい。
【0089】
次に、指導者支援装置400は、読み出した指導情報412及び選手情報413を含めたモデル追加学習指示を、ネットワークNを介して推薦エンジン300へ送信する(S242)。
【0090】
これに応じて、推薦エンジン300は、指導者支援装置400からネットワークNを介してモデル追加学習指示を受信する。そして、推薦エンジン300は、受信したモデル追加学習指示に含まれる指導情報412及び選手情報413を教師データとして、AIモデルを機械学習する(S243)。つまり、推薦エンジン300は、AIモデルのパラメータを更新する。これにより、推薦エンジン300の推薦精度が向上できる。特に、特定のチームは、指導体系情報及びチーム活動計画が推薦された第2のチームT2等であるとよい。これにより、AIモデルの再学習となり、導出精度が向上し得る。
【0091】
ここで、本実施形態が解決しようとする課題と背景について詳述する。まず、少子高齢化が加速し、特に地方においてはスポーツを満足に出来ない環境が存在する。そのため、より良いスポーツ環境を求め、転居する家庭もいる。これが地方の過疎化につながるという悪循環が起こり得る。
【0092】
また、スポーツ指導環境は、現状、アナログで熟練者の経験と勘で継承されていることが多い。よって、指導経験に基づく属人的な指導が恒常化しており、優れた練習メニューがあったとしてもノウハウが共有できていないことが多い。また、トレーニングの傾向が不明であり、評価がしにくい。また、トレーニングプランの作成に時間がかかる。そして、あるチームにおいて指導者が交代すると、これまでの蓄積が残らない。つまり、指導者の裁量の幅が大きく、指導者によって指導方法にばらつきが生じるという問題がある。また、チーム及び選手と、指導者の指導者レベルによって最適な指導方法は異なるといえる。
【0093】
また、教育機関でのチームスポーツの部活動の場合、顧問の教員は本務もあるため部活動の指導の負担が大きいという問題がある。特に、教員にとって指導経験のない競技においては、当該教員は、指導方法も分からないこともある。
【0094】
そこで、本実施形態にかかる指導者支援装置は、スポーツチームの指導者に対する指導に関する適切な支援を行うことができる。すなわち、プロコーチやトレーナが保有するメソッドのデジタルコンテンツを客観的なデータとして蓄積し、これらに基づき育成支援プラットフォームを提供できる。そのため、チーム及び選手と、指導者のレベルに応じた指導メソッドを提供できる。また、熟練者のノウハウを客観的なデータ形式にすることで、指導力不足へを解決し得る。特に、指導歴の浅い指導者や顧問の教員の負担を軽減し、質の高い指導を行うことを支援できる。これにより、スポーツ指導環境の質が向上し、地域のスポーツ振興や普及に貢献できる。また、熟練の指導者のノウハウを他チームの指導者が知ることで、指導力向上を図ることができる。
【0095】
<その他の実施形態>
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0096】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0097】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を登録する登録手段と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得手段と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定手段と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力手段と、
を備える指導者支援装置。
(付記A2)
前記指導関連情報は、前記第1の指導者における前記第1のチームに対する指導方針、指導項目及び活動内容のそれぞれを複数のノードとして含み、
前記第1の指導体系情報は、前記指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいてノード間を連結した情報である
付記A1に記載の指導者支援装置。
(付記A3)
前記登録手段は、
前記指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいて、少なくとも前記指導方針、前記指導項目及び前記活動内容の順序で階層化した前記第1の指導体系情報を登録する
付記A2に記載の指導者支援装置。
(付記A4)
前記決定手段は、前記第2の指導者の指導者レベル、並びに、前記第2のチームにおける前記指導方針及び前記チーム情報に基づいて、2以上の前記第1の指導体系情報を組み合わせて生成することにより、前記第2の指導体系情報を決定する
付記A1から付記A3までのいずれか1項に記載の指導者支援装置。
(付記A5)
前記取得手段は、前記チーム活動計画に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに起因する複数のタイミングで測定された、前記チーム情報に含まれる所属選手の身体状態を含む複数の測定情報を取得し、
前記決定手段は、前記複数の測定情報にさらに基づいて、前記チーム活動計画を決定する
付記A1から付記A4までのいずれか1項に記載の指導者支援装置。
(付記A6)
前記取得手段は、前記複数のタイミングで測定された、前記所属選手の複数の位置情報をさらに含めた前記測定情報を取得する
付記A5に記載の指導者支援装置。
(付記A7)
前記決定手段は、前記所属選手ごとに選手練習計画をさらに決定し、
前記出力手段は、前記選手練習計画を前記第2の指導者に対してさらに出力する
付記A5又はA6に記載の指導者支援装置。
(付記A8)
前記取得手段は、前記所属選手ごとの育成方針をさらに取得し、
前記決定手段は、前記育成方針にさらに基づいて、前記所属選手ごとに前記選手練習計画を決定する
付記A7に記載の指導者支援装置。
(付記A9)
前記取得手段は、前記チーム活動計画に応じて実施された練習又は試合の少なくともいずれかに応じて、前記第2のチーム又は前記チーム情報に含まれる所属選手の評価情報を取得し、
前記決定手段は、前記評価情報に基づいて前記決定されたチーム活動計画を修正し、
前記出力手段は、前記修正されたチーム活動計画を出力する
付記A1から付記A8までのいずれか1項に記載の指導者支援装置。
(付記A10)
前記出力手段は、前記評価情報に基づく統計情報から生成された表示データを出力する
付記A9に記載の指導者支援装置。
(付記A11)
前記指導方針、前記チーム情報、前記第2の指導体系情報、前記チーム活動計画及び前記評価情報を用いて、所定のチームに対する指導体系情報及びチーム活動計画を導出するモデルを機械学習する学習手段をさらに備え、
前記取得手段は、前記チームスポーツの第3の指導者における第3のチームの指導方針及びチーム情報を取得し、
前記決定手段は、前記機械学習されたモデルを用いて、少なくとも前記第3のチームの指導方針及びチーム情報から前記第3のチームにおける第3の指導体系情報と、当該第3の指導体系情報に基づく前記チーム活動計画とを決定する
付記A9又はA10に記載の指導者支援装置。
(付記B1)
記憶装置と、
指導者支援装置と、を備え、
前記指導者支援装置は、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を前記記憶装置に登録する登録手段と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得手段と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定手段と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力手段と、
を備える指導者支援システム。
(付記B2)
前記指導関連情報は、前記第1の指導者における前記第1のチームに対する指導方針、指導項目及び活動内容のそれぞれを複数のノードとして含み、
前記第1の指導体系情報は、前記指導関連情報に含まれる各ノードの関連性に基づいてノード間を連結した情報である
付記B1に記載の指導者支援システム。
(付記C1)
コンピュータが、
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録し、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得し、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定し、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する、
指導者支援方法。
(付記D1)
所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を記憶装置に登録する登録処理と、
前記チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得処理と、
前記指導方針及び前記チーム情報、並びに、前記記憶装置に登録された1以上の前記第1の指導体系情報に基づいて、前記第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定処理と、
前記第2の指導体系情報及び前記チーム活動計画を前記第2の指導者に対して出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させる指導者支援プログラム。
【0098】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 指導者支援装置
11 登録部
12 取得部
13 決定部
14 出力部
1000 指導者支援システム
N ネットワーク
T1 第1のチーム
T2 第2のチーム
U1 第1の指導者
U2 第2の指導者
101 ユーザ端末
102 ユーザ端末
U21 所属選手
U22 所属選手
U23 所属選手
221 測定装置
222 測定装置
223 測定装置
300 推薦エンジン
400 指導者支援装置
410 記憶部
411 プログラム
412 指導情報
4121 指導者情報
4122 指導関連情報
4123 チーム情報
4124 指導体系情報
4125 チーム活動計画
4126 評価情報
413 選手情報
4131 所属チーム
4132 所属選手
4133 育成方針
4134 選手練習計画
4135 測定情報
4136 評価情報
420 メモリ
430 通信部
440 制御部
441 登録部
442 取得部
443 決定部
444 出力部
445 学習部
446 生成部
5 指導体系情報
5a 指導体系情報
51 指導方針
52 指導項目
53 活動内容
6 チーム活動計画
601 練習内容
602 指導者
603 評価ボタン
604 EX追加ボタン
605 試合予定
61 第1週
62 第2週
63 第3週
611 週評価ボタン
621 週評価ボタン
631 週評価ボタン
7 練習内容の詳細画面
71 目標
72 サブカテゴリ
73 テーマ
74 サブテーマ
75 練習リスト
8 評価情報入力画面
81 評価値
821 コメント
822 コメント
823 コメント
91 表示データ
92 表示データ
93 表示データ
P1 指導方針
L11 レベル1の指導項目
L12 レベル1の指導項目
L21 レベル2の指導項目
L22 レベル2の指導項目
L311 レベル3の指導項目
L312 レベル3の指導項目
EX11 練習
EX12 練習
EX21 練習
EX22 練習
G1 試合
G2 試合
【要約】
【課題】チームスポーツの指導者の指導方針に沿って、指導対象のチームに対する指導者による指導を適切に支援すること。
【解決手段】指導者支援装置(1)は、所定のチームスポーツにおける第1のチームの第1の指導者における指導関連情報に基づく第1の指導体系情報を登録する登録部(11)と、チームスポーツの第2の指導者における第2のチームの指導方針及びチーム情報を取得する取得部(12)と、指導方針及びチーム情報、並びに、1以上の第1の指導体系情報に基づいて、第2のチームにおける第2の指導体系情報と、当該第2の指導体系情報に基づくチーム練習を含むチーム活動計画とを決定する決定部(13)と、第2の指導体系情報及びチーム活動計画を第2の指導者に対して出力する出力部(14)と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16