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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】充電施設の運用管理装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/67 20190101AFI20231003BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20231003BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20231003BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20231003BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231003BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20231003BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20231003BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231003BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20231003BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20231003BHJP
【FI】
B60L53/67
B60L53/63
B60L53/66
B60L53/68
G16Y10/40
G16Y20/30
G16Y40/35
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022532361
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 JP2021016781
(87)【国際公開番号】W WO2021261073
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2020108745
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】西村 賢二
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-208685(JP,A)
【文献】特開2019-096104(JP,A)
【文献】特開2021-021257(JP,A)
【文献】特開2012-205425(JP,A)
【文献】特開2018-113745(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1556058(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0202304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/67
B60L 53/66
B60L 53/68
B60L 53/63
H02J 7/00
H02J 50/10
H02J 50/40
G16Y 20/30
G16Y 40/35
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定格出力容量が異なる送電装置を設置した複数の充電スペースが混在する充電施設に入場する車両から、前記車両の車載バッテリの充電に必要な情報を取得する情報取得部と、
前記送電装置のうち、空きの前記充電スペースの送電装置による充電で、前記車載バッテリの充電量を目標充電量に増加させる充電スケジュールの内容を作成すると共に、前記充電スケジュールの内容を、取得した前記情報に基づいて、前記充電施設における電力消費量が、前記充電施設における電力消費の最大許容電力量以下に抑制されるように最適化する最適化部と、を備える充電施設の運用管理装置。
【請求項2】
前記最適化部は、前記充電スケジュールの内容を、前記充電施設の場内における前記車両の移動距離が最小となるように最適化する請求項1に記載の充電施設の運用管理装置。
【請求項3】
前記最適化部は、前記充電スケジュールの内容を、前記充電施設内の前記各車両の前記車載バッテリが既定時間内にそれぞれの前記目標充電量に充電され終わるように最適化する請求項1又は2に記載の充電施設の運用管理装置。
【請求項4】
前記情報は、前記車両の識別情報、前記車載バッテリの対応充電方式及び現在の充電状態を含んでいる請求項1~3のいずれか1項に記載の充電施設の運用管理装置。
【請求項5】
前記充電施設は駐車場を兼ねており、前記充電スペースは前記駐車場の駐車枠を兼ねている請求項1~4のいずれか1項に記載の充電施設の運用管理装置。
【請求項6】
前記車両は自動運転制御車両であり、前記最適化部が最適化した前記充電スケジュールの内容に応じて前記自動運転制御車両を前記充電施設内で移動させる移動制御部をさらに備える請求項1~5のいずれか1項に記載の充電施設の運用管理装置。
【請求項7】
前記最適化部は、前記充電スケジュールの内容に、定格出力が異なる前記送電装置が設置された前記充電スペース間での前記車両の移動を含める請求項1~6のいずれか1項に記載の充電施設の運用管理装置。
【請求項8】
前記充電施設は、前記送電装置が設けられていない駐車枠を含み、
前記最適化部は、前記充電スケジュールの内容に、前記充電スペースのうちの何れかと前記送電装置が設けられていない前記駐車枠との間での前記車両の移動を含める請求項1~7のいずれか1項に記載の充電施設の運用管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電施設の運用管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触給電システムの受電装置を搭載した電気自動車(EV)等の車両について、車載のバッテリを効率よく充電する技術が検討されている。特許文献1には、場内の通路上で自動運転制御車両が定電流エリア、定電圧エリアの順に移動する駐車場における、車両管理システムが記載されている。
【0003】
定電流エリア及び定電圧エリアには、駐車枠がそれぞれ複数設けられている。各駐車枠には非接触給電システムの送電装置が設置されている。定電流エリアの駐車枠に車両が駐車した場合、当該車両のバッテリは定電流の充電方法で充電される。定電圧エリアの駐車枠に車両が駐車した場合、当該車両のバッテリは定電圧の充電方法で充電される。
【0004】
特許文献1のシステムでは、駐車場に駐車する車両のバッテリの充電状態と目標充電量とに応じて、その車両のバッテリを駐車中に目標充電量まで充電する効率的なスケジュールを決定する。システムが決定するスケジュールは、例えば、定電流エリア及び定電圧エリアの両方でバッテリを充電する内容となることもあり、定電圧エリアのみでバッテリを充電する内容となることもある。
【0005】
両エリアでバッテリを充電するスケジュールの場合は、まず、自動運転制御により車両を定電流エリアの駐車枠に駐車させて、バッテリを現在の充電状態からある程度の充電量まで定電流充電させる。その後、自動運転制御により車両を定電圧エリアの駐車枠に移動させて、バッテリを目標充電量まで定電圧充電させる。
【0006】
また、定電圧エリアのみでバッテリを充電するスケジュールの場合は、自動運転制御により定電流エリアを通過させた車両を定電圧エリアの駐車枠に駐車させて、バッテリを現在の充電状態から目標充電量まで定電圧充電させる。
【0007】
特許文献1のシステムでは、例えば、充電量の残りが少ないバッテリを中間レベルの充電量まで充電する車両に対して、定電流エリアの駐車枠でバッテリを定電流充電するスケジュールが決定される。また、ある程度の充電量が残っているバッテリを充電する車両に対して、定電圧エリアの駐車枠でバッテリを定電圧充電するスケジュールが決定される。このような定電流充電と定電圧充電との使い分けにより、特許文献1のシステムでは、各駐車枠の送電装置の稼働率を上げて各車両のバッテリの充電を効率よく実施することを期待している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2019-96104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非接触給電システムは送電電力量によって区分されている。例えば、SAE(米国自動車技術会)の乗用車に関する規格では、普通充電用のWPT1(最大3.7kW)、WPT2(最大7.7kW)クラスと、急速充電用のWPT3(最大22kW)クラスとが定められている。これらのクラスの送電装置が混在する非接触給電システムでは、特許文献1のシステムと同様に、車両のバッテリの残量と要求される充電電力量との内容に応じて、送電電力量が異なる送電装置を使い分けることが考えられる。
【0010】
WPT1クラス等の送電電力量が低いローパワーの送電装置に比べて、WPT3クラス等の送電電力量が大きいハイパワーの送電装置は、送電電力量が大きいことから設備が高価となり、また、消費電力も大きくなる。そのため、ハイパワーの送電装置はローパワーの送電装置に比べて設置数が限られることが考えられる。
【0011】
本開示は前記事情に鑑みなされたもので、本開示の目的は、非接触給電システムの送電装置を設置した充電スペースを複数有する充電施設において、送電電力量が異なる送電装置の使い分けにより、各車両の車載バッテリを効率的に充電することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示に係る充電施設の運用管理装置は、
送電電力量が異なる送電装置を設置した複数の充電スペースが混在する充電施設に入場する車両から、前記車両の車載バッテリの充電に必要な情報を取得する情報取得部と、
前記送電装置のうち、空きの前記充電スペースの送電装置による充電で、前記車載バッテリの充電量を目標充電量に増加させる充電スケジュールの内容を、取得した前記情報に基づいて、前記充電施設における電力消費量が最大許容電力量以下に抑制されるように最適化する最適化部と、
を備える。
【0013】
本開示に係る充電施設の運用管理装置において、前記最適化部は、前記充電スケジュールの内容を、前記充電施設の場内における前記自動運転制御車両の移動距離が最小となるように最適化してもよい。
【0014】
本開示に係る充電施設の運用管理装置において、前記最適化部は、前記充電スケジュールの内容を、前記充電施設内の前記各自動運転制御車両の前記車載バッテリが既定時間内にそれぞれの前記目標充電量に充電され終わるように最適化してもよい。
【0015】
本開示に係る充電施設の運用管理装置において、前記情報は、前記自動運転制御車両の識別情報、前記車載バッテリの対応充電方式及び現在の充電状態を含んでいてもよい。
【0016】
本開示に係る充電施設の運用管理装置において、前記充電施設は駐車場を兼ねており、前記充電スペースは前記駐車場の駐車枠を兼ねていてもよい。
【0017】
本開示に係る充電施設の運用管理装置において、前記車両は自動運転制御車両であり、前記最適化部が最適化した前記充電スケジュールの内容に応じて前記自動運転制御車両を前記充電施設内で移動させる移動制御部をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、非接触給電システムの送電装置を設置した充電スペースを複数有する充電施設において、送電電力量が異なる送電装置の使い分けにより、各車両の車載バッテリを効率的に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態に係る運用管理装置により運用が管理される車両の充電施設の平面図である。
図2図2は、相互間で通信を行う図1の充電施設の運用管理装置と駐車枠の充電器と車両との各制御系の概略構成を示す説明図である。
図3図3(a)は、図1の各車両の今後の運行に必要な電力量とバッテリの電池残量との関係を示すグラフ、図3(b)は図3(a)の各バッテリに不足分の電力量を充電する場合のハイパワーの送電装置及びローパワーの送電装置による充電電力量の割合を示すグラフである。
図4図4は、図3(b)の割合で各バッテリを充電する場合の図1の各駐車枠への各車両の配車パターンを示す説明図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、図1の充電施設内の車両の駐車枠間における移動パターンを示す説明図である。
図6図6は、図2の管理ユニットの充電・配車計画部が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、図2の車両の車両状態管理ユニットが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、図2の充電器の充電制御ユニットが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、いくつかの例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は実施形態に係る運用管理装置により運用が管理される車両の充電施設を示している。図1に示す充電施設10は、例えば、駐車場、自動車専用道路のサービスエリア又はパーキングエリア等において構成することができる。
【0021】
本実施形態では、車両1の駐車場を兼ねる充電施設10について説明する。図1に示す例では、充電施設10が、9台分の駐車枠12,21~23,31~35を有している。出入口11から入場した車両1は、駐車枠12,21~23,31~35の何れかに駐車できる。
【0022】
本実施形態では、充電施設10を利用する全ての車両1が、電動の自動運転制御車両であり、かつ、非接触給電システムにより充電可能な車載バッテリとしてのバッテリ3を搭載していることを想定する。電動の車両1としては、例えば、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)等を挙げることができる。
【0023】
各車両1は、自動運転制御によって走行する。各車両1が走行するルートは、予め定められている。したがって、各車両1は、毎回、同じルートを走行し、その途中で、バッテリ3の充電のために充電施設10に立ち寄ることを想定する。各車両1は、日中、夜間を問わず、任意の時間帯に走行することができる。各車両1の走行時間帯は、予め定められていてもよく、特定のイベントの発生に伴い任意に定められてもよい。
【0024】
充電施設10では、図1に示す例の場合、9台分の駐車枠12,21~23,31~35のうち4台分の駐車枠12,21~23が、充電施設10におけるバッテリ3の充電スペースを兼ねている。4台分の駐車枠12,21~23では、バッテリ3を非接触で充電することができる。バッテリ3を非接触で充電するために、駐車枠12,21~23の路面には、非接触給電システムの送電装置としての充電器13,24~26がそれぞれ設けられる。
【0025】
図1に示す例では、駐車枠12の充電器13が、ハイパワーの送電装置として設置されている。即ち、充電器13は、駐車枠12に駐車した車両1のバッテリ3を、充電器24~26よりも大きい送電電力量で充電できる。例えば、充電器13は、10kWの定格出力容量を有する。
【0026】
また、図1に示す例では、駐車枠21~23の充電器24~26が、ローパワーの送電装置として設置されている。即ち、充電器24~26は、駐車枠21~23に駐車した車両1のバッテリ3を、充電器13よりも小さい送電電力量で充電できる。例えば、充電器24~26は、2kWの定格出力容量を有する。つまり、充電施設10には、送電電力量が異なる充電器(例えばハイパワーの充電器13とローパワーの充電器24~26)が混在している。
【0027】
なお、図1に示す例では、5台分の駐車枠31~35は、待機用の駐車スペースを想定している。従って、これらの駐車枠31~35は、バッテリ3の充電器を有していない。
【0028】
ハイパワーの充電器13は、ローパワーの充電器24~26に比べて送電電力量が大きいため、設備費用が高価となりやすい。そのため、図1の充電施設10では、ハイパワーの充電器13の台数を、ローパワーの充電器24~26の台数よりも少なくしている。
【0029】
バッテリ3に対して同量の充電量を充電するハイパワーの充電器13とローパワーの充電器24~26とを比較した場合、ハイパワーの充電器13は、充電の所要時間が相対的に短い代わりに消費電力が相対的に高い。一方、ローパワーの充電器24~26は、消費電力が相対的に低い代わりに充電の所要時間が相対的に長い。
【0030】
このため、充電施設10の全体で消費する電力量の最大値及び合計値をそれぞれの許容範囲内に抑えるには、ハイパワーの充電器13とローパワーの充電器24~26とを上手く使い分けて、各車両1のバッテリ3を効率よく充電する必要がある。
【0031】
そこで、本実施形態では、充電施設10の運用管理装置40が、各車両1のバッテリ3の充電スケジュールを作成する。充電スケジュールは、バッテリ3の充電パターンの決定と、充電施設10内での車両1の誘導制御とに用いられる。誘導制御は、充電パターンに応じて作成した配車パターンに合わせて、車両1を、充電施設10内で効率的に移動させる。
【0032】
バッテリ3の充電パターンは、バッテリ3を、どの充電器13,24~26で、どのくらいの時間、どのくらいの送電電力量で充電するかを規定する。1つの車両1のバッテリ3を複数の充電器13,24~26で充電する場合は、充電パターンは、バッテリ3を充電する充電器13,24~26の順番も規定する。充電パターンは、充電施設10内の各車両1のバッテリ3を、充電施設10の全体で消費する電力量の最大値及び合計値をそれぞれの許容範囲内に抑えて効率的に充電できる内容で作成される。
【0033】
車両1の配車パターンは、充電施設10内の車両1を、バッテリ3の充電パターンに合わせて、どの駐車枠12,21~23又は出入口11に、どのような順番、タイミング及び経路で移動させるかの内容を含んでいる。
【0034】
運用管理装置40は、インターネット上のクラウドコンピュータで構成してもよく、充電施設10又はその近辺に設置したコンピュータで構成してもよい。本実施形態では、運用管理装置40をクラウドコンピュータで構成する場合について説明する。
【0035】
運用管理装置40は、例えば、CPU、RAM、ROM、不揮発性の外部記憶装置等のハードウェアを有する。運用管理装置40のCPUは、例えば、ROM又は外部記憶装置に記憶させたプログラムを実行することで、運用管理装置40のハードウェア上に、図2に示す通信制御ユニット41及び管理ユニット43を仮想的に構築することができる。
【0036】
通信制御ユニット41は、移動体である車両1の通信制御ユニット51との間で、無線による通信を行うことができる。また、通信制御ユニット41は、駐車枠12,21~23の路面に固定された充電器13,24~26の通信制御ユニット61との間でも、通信を行うことができる。
【0037】
通信制御ユニット41,51間の通信は、車両1が充電施設10に入場する前に行ってもよい。充電施設10の外にいる車両1の通信制御ユニット51との間で通信制御ユニット41が無線により行う通信には、例えば、無線LAN(Local Area Network)等を用いることができる。無線LANを用いる場合は、例えば、無線LANの無線アクセスポイント(図示せず)を、充電施設10に設置することができる。
【0038】
充電施設10内に配置された固定の通信制御ユニット61との間で通信制御ユニット41が行う通信には、例えば、充電施設10内に構築した有線のLAN(Local Area Network)等を用いることができる。勿論、通信制御ユニット41,61間の通信に、通信制御ユニット41,51間と同じく無線LAN等を用いてもよい。
【0039】
なお、移動体である車両1の通信制御ユニット51と、充電施設10内の充電器13,24~26の通信制御ユニット61との間でも、無線による通信を行うことができる。
【0040】
通信制御ユニット51と通信制御ユニット61の間の無線通信は、例えば、駐車枠12,21~23に駐車した車両1と、車両1が駐車した駐車枠12,21~23における充電器13,24~26との間で行われる。この通信では、例えば、バッテリ3の充電に関するコントロール信号等が至近距離で送受信される。コントロール信号等の通信は、例えば、CHAdeMO等の規格にしたがったプロトコルで行うことができる。
【0041】
通信制御ユニット51と通信制御ユニット61との間の無線通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)、920MHz帯の周波数を利用した特定小電力無線を用いることができる。あるいは、Zigbee(登録商標)又はWiFi(登録商標)等を、通信制御ユニット51,61間の無線通信に用いることができる。
【0042】
管理ユニット43は、運行状態・場内監視部45及び充電・配車計画部47を有している。
【0043】
運行状態・場内監視部45は、充電施設10内の各車両1の位置を検出する。充電施設10内の各車両1の位置は、例えば、充電施設10内の不図示の監視カメラによる撮影画像から検出することができる。また、運行状態・場内監視部45は、充電・配車計画部47が決定する各車両1の配車パターンに応じて、充電施設10内の各車両1を目的地にそれぞれ誘導する制御を行う。
【0044】
即ち、運行状態・場内監視部45を有する管理ユニット43をハードウェア上に仮想的に構築する運用管理装置40は、車両1を充電スケジュール中の配車パターンの内容に応じて充電施設10内で移動させる移動制御部を構成することができる。
【0045】
各車両1の目的地は、例えば、充電施設10に入場した各車両1が駐車する駐車枠12,21~23,31~35、又は、充電施設10を出る各車両1が向かう出入口11である。
【0046】
充電・配車計画部47は、例えば、充電施設10に入場する前に車両1と通信制御ユニット41,51を介して通信することで、車両1の識別情報及び仕様情報とバッテリ3の仕様情報及び電池情報とを、各車両1からそれぞれ取得することができる。
【0047】
車両1の識別情報は、例えば、車両1毎に固有の番号等の情報を含むものとすることができる。車両1毎に固有の番号は、例えば、日本の国産車の場合は車台番号、輸入車の場合は車両識別番号である。車両1の仕様情報は、例えば、車両1の車長、車幅、車高、車両重量等のように、車両1の形状等の特定に利用できる情報を含んでいてもよい。
【0048】
なお、車両1の識別情報は、例えば、その車両1が自動運転制御により走行するルートの情報を含んでいてもよい。識別情報がルートの情報を含む場合、その情報は、車両1が充電施設10に入場するまでに走行したルートを除く残りのルートの情報を少なくとも含んでいればよい。車両1が走行するルートの情報は、運用管理装置40の例えば外部記憶装置に予め記憶されていてもよい。
【0049】
バッテリ3の仕様情報は、例えば、バッテリ3の充電に用いることができる対応充電方式を特定できる情報を含んでいてもよい。充電方式を特定できる情報は、例えば、仕様上におけるバッテリ3の電池容量の情報である。バッテリ3の電池情報は、例えば、図3(a)に示すバッテリ3の現在の充電状態である電池残量の情報を含んでもよい。
【0050】
図2の充電・配車計画部47は、充電施設10の各充電器13,24~26と通信制御ユニット41,61を介して通信することで、各充電器13,24~26の空き状態の情報を取得することができる。
【0051】
充電・配車計画部47は、バッテリ3の仕様情報に基づいて、ハイパワーの送電装置によるバッテリ3の充電が可能であるか否かを判断する。また、充電・配車計画部47は、充電施設10を出た後の車両が走行する残りのルートの情報に基づいて、充電施設10におけるバッテリ3の目標充電量を決定する。
【0052】
バッテリ3の目標充電量は、充電施設10での充電によりバッテリ3の充電量を増加させる際の目標とする充電量である。換言すれば、目標充電量は、最終的に蓄積される充電量である。目標充電量は、例えば、図3(b)に示すように、車両1が残りのルートを走行するのに必要な電力量である運行必要量に、一定のマージンを加えた電力量である。充電・配車計画部47は、目標充電量をバッテリ3の満充電容量以下の値に決定する。
【0053】
図2の充電・配車計画部47は、バッテリ3の目標充電量と電池残量とに基づいて、充電施設10におけるバッテリ3の充電量を割り出す。また、充電・配車計画部47は、割り出したバッテリ3の充電量と、ハイパワーの送電装置による充電の可否の判断結果と、各充電器13,24~26の空き状態とに基づいて、バッテリ3の充電パターンを決定する。
【0054】
また、充電・配車計画部47は、充電施設10に入場した各車両1を、充電施設10内でそれぞれのバッテリ3の充電パターンに応じて移動させる配車パターンを作成する。
【0055】
図3(a)及び図3(b)の例では、充電施設10においてバッテリ3を充電する車両1がA~Fの6台である場合を示している。そして、図3(b)では、A,D,Eの3台の車両1のバッテリ3をハイパワーの送電装置とローパワーの送電装置との併用で充電し、B,C,Fの3台の車両1のバッテリ3をローパワーの送電装置のみで充電する場合を示している。
【0056】
図3(b)のパターンで各車両1のバッテリ3を充電する場合、図2の充電・配車計画部47は、例えば、図4に示す順番及びタイミングでA~Fの各車両1を各駐車枠12,21~23,31~35に移動させる配車パターンを作成する。
【0057】
なお、各車両1が充電施設10内で移動する際には、移動中の車両1同士が干渉することを避ける必要がある。そこで、図2の充電・配車計画部47は、車両1の仕様情報から特定される各車両1の形状を考慮して、移動中の車両1同士が干渉しない配車パターンを作成する。
【0058】
また、充電・配車計画部47が作成する配車パターンにおける車両1の移動経路等の自由度を高めるように、充電施設10内の駐車枠12,21~23,31~35の配置を変える工夫を行ってもよい。
【0059】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示す充電施設70では、いずれも、出入口71に続く中央通路72の両側に、駐車枠81,82,91~96,101~112を分散して配置している。駐車枠81,82の路面にはハイパワーの送電装置である充電器(図示せず)が設けられ、駐車枠91~96の路面にはローパワーの送電装置である充電器(図示せず)が設けられる。駐車枠101~112の路面には充電器が設けられていない。即ち、駐車枠101~112は、待機用の駐車スペースである。
【0060】
そして、図5(a)の充電施設70では、中央通路72を挟んだ両側に、駐車枠81,91~93,101~106と駐車枠82,94~96,107~112とが対称に配置されている。一方、図5(b)の充電施設70では、中央通路72の両側に、駐車枠81,91~93,101~106と駐車枠82,94~96,107~112とがそれぞれランダムに配置されている。
【0061】
図1に示す充電施設10の駐車枠12,21~23,31~35の配置は、例えば図5(a)及び図5(b)に示す充電施設70のように、充電施設10内での車両1の移動を効率的にかつ車両1同士の干渉が無いように行えるように工夫して決めることができる。
【0062】
図2の充電・配車計画部47は、車両1の充電スケジュールを作成すると、車両1の識別情報に基づいて、充電施設10に入場する対象の車両1に通信制御ユニット41,51を介して充電スケジュールを送信する。
【0063】
車両1は、車両状態管理ユニット53及び自動走行制御ユニット55を搭載している。車両状態管理ユニット53及び自動走行制御ユニット55は、例えば、それぞれECU(Electronic Control Unit )で構成することができる。
【0064】
車両状態管理ユニット53は、車両1の識別情報及び仕様情報と、車両1のバッテリ3の仕様情報及び電池情報とを、通信制御ユニット51を介して運用管理装置40の充電・配車計画部47に、車両1が充電施設10に入場する前に送信する。バッテリ3の電池情報は、上述したように、バッテリ3の電池残量の情報を含んでいる。
【0065】
また、車両状態管理ユニット53は、充電施設10に入場した車両1が駐車した駐車枠12,21~23の充電器13,24~26と送受信したコントロール信号等の受信レベル等から、充電可能な許容範囲内の位置に車両1が停車していることの認証を行う。
【0066】
さらに、車両状態管理ユニット53は、車両1の自動走行制御による走行モードのON及びOFFと、バッテリ3の充電を可能とするモード(充電待機モード)のON及びOFFとを制御する。即ち、車両状態管理ユニット53は、車両1の停車位置を認証した後の充電器13,24~26による充電パターンに応じたバッテリ3の充電動作を、車両1側において管理する。
【0067】
自動走行制御ユニット55は、例えば、車両1に搭載したGPS(Global Positioning System )センサ、ジャイロセンサ(いずれも図示せず)の出力信号等に基づいて、車両1の位置、姿勢等の状態を検出することができる。また、自動走行制御ユニット55は、例えば、車両1に搭載した監視カメラ(図示せず)の撮影画像又はソナー(図示せず)の出力信号等に基づいて、車両1の周辺に存在する障害物等を検出することができる。
【0068】
自動走行制御ユニット55は、検出した車両1の位置、姿勢、周辺の障害物等を確認しつつ、予め定められたルートを走行するように車両1を制御することができる。
【0069】
自動走行制御ユニット55は、通信制御ユニット51を介して運用管理装置40の充電・配車計画部47から充電スケジュールを受信する。自動走行制御ユニット55は、受信した充電スケジュール中の配車パターンに応じて車両1を充電施設10内で移動させることができる。
【0070】
充電器13,24~26は、充電制御ユニット63及び電力変換ユニット65を有している。
【0071】
充電制御ユニット63は、例えば、CPU、RAM、ROM、不揮発性の外部記憶装置等のハードウェアを有する。充電制御ユニット63のCPUは、例えば、ROM又は外部記憶装置に記憶させたプログラムを実行することで、通信制御ユニット61を介して運用管理装置40の充電・配車計画部47から充電スケジュールを受信する。
【0072】
充電制御ユニット63は、充電器13,24~26を路面に設けた駐車枠12,21~23に駐車した車両1を認証する。車両1の認証は、例えば、車両1との間で送受信するコントロール信号等によって特定した車両1と、受信した充電スケジュール中の充電パターンによって特定した車両1との照合によって行うことができる。
【0073】
充電制御ユニット63は、車両1の車両状態管理ユニット53と同様に、車両状態管理ユニット53と送受信したコントロール信号等の受信レベル等から、充電可能な許容範囲内の位置に車両1が停車していることの認証を行う。
【0074】
さらに、充電制御ユニット63は、充電器13,24~26によるバッテリ3の充電を可能とする待機モードのON及びOFFを制御する。即ち、充電制御ユニット63は、車両1の停車位置を認証した後の充電器13,24~26による充電パターンに応じたバッテリ3の充電動作を管理する。
【0075】
電力変換ユニット65は、充電器13,24~26の不図示のコイルから車両1側に非接触で送電するバッテリ3の充電用電力の送電力を、充電制御ユニット63が受信した充電スケジュール中の充電パターンに応じた送電力に設定する。
【0076】
次に、充電施設10の管理ユニット43の充電・配車計画部47が実行する処理の一例を、図6を参照して説明する。
【0077】
充電・配車計画部47は、まず、車両1が充電施設10に接近したか否かを確認する(ステップS11)。充電施設10への車両1の接近は、例えば、充電施設10に設置した不図示の無線アクセスポイントが、車両1の識別情報及び仕様情報、バッテリ3の仕様情報及び電池情報の無線信号を受信したことで確認することができる。
【0078】
車両1が充電施設10に接近していない場合は(ステップS11でNo)、接近するまでステップS11をリピートする。また、車両1が充電施設10に接近した場合は(ステップS11でYes)、充電・配車計画部47は、受信した車両1の識別情報及び仕様情報とバッテリ3の仕様情報及び電池情報とを取得する(ステップS13)。充電・配車計画部47が取得する情報には、バッテリ3の充電に関する車両1の所有車等への課金情報が含まれていてもよい。
【0079】
そして、充電・配車計画部47は、受信した情報を用いて、車両1のバッテリ3の目標充電量を算出し、バッテリ3の電池残量に基づいて、目標充電量に充電状態を増やすために必要なバッテリ3の充電量を算出する(ステップS15)。
【0080】
さらに、充電・配車計画部47は、バッテリ3を算出した充電量だけ充電するのに用いる充電器13,24~26と充電時間、及び、2つ以上の充電器13,24~26を用いる場合は充電する順番を算出する(ステップS17)。
【0081】
また、充電・配車計画部47は、各車両1のバッテリ3を既定時間の間に目標充電量に充電できる充電器13,24~26の送電力を決定する(ステップS19)。ここで、既定時間とは、例えば、車両1が充電施設10の駐車枠12,21~23,31~35に駐車場として駐車され、充電施設10から出場されることがない時間帯とすることができる。
【0082】
図4では、充電施設10を駐車場として利用する21時(午後9時)から翌日の午前9時までの12時間を、既定時間とする場合について示している。既定時間は、充電施設10を駐車場として利用するか否かに関係なく、日中の時間帯、夜間の時間帯、日中と夜間の両方に跨がる時間帯のいずれに設定することもできる。既定時間の長さは任意に設定することができる。
【0083】
なお、充電・配車計画部47は、車両1から受信したバッテリ3の仕様情報に基づいて、充電器13,24~26の送電力をバッテリ3の許容範囲内の値に決定する。
【0084】
次に、充電・配車計画部47は、ステップS15~19で算出又は決定した内容で、バッテリ3の充電に用いる充電器13,24~26の使用順を確認する(ステップS21)。さらに、充電・配車計画部47は、ステップS15~21で算出、決定又は確認した内容に応じた、充電施設10の各駐車枠12,21~23,31~35における車両1の受入れ順番を確認する(ステップS23)。
【0085】
そして、充電・配車計画部47は、ステップS15~23で算出、決定又は確認した内容で、バッテリ3の充電スケジュールを作成し(ステップS25)、作成した充電スケジュールを各車両1及び各充電器13,24~26に送信する(ステップS27)。以上で、一連の処理を終了する。
【0086】
次に、車両1の車両状態管理ユニット53が実行する処理の一例を、図7を参照して説明する。
【0087】
車両状態管理ユニット53は、運用管理装置40の充電・配車計画部47から充電スケジュールを受信すると(ステップS31)、充電スケジュールの内容にしたがって、車両1の自動運転制御の管理権限を充電・配車計画部47に移譲する(ステップS33)。
【0088】
続いて、車両状態管理ユニット53は、受信した充電スケジュール中の配車パターンに基づいて、目的地の駐車枠12,21~23,31~35に車両1を自動運転制御により移動させる(ステップS35)。
【0089】
そして、車両状態管理ユニット53は、車両1が充電器13,24~26と送受信するコントロール信号等を利用して、車両1が配車パターンで指定された駐車枠12,21~23のバッテリ3を充電可能な位置に停車していることを認証する(ステップS37)。車両状態管理ユニット53は、この認証を、車両1が停車した目的地が充電器13,24~26を有する駐車枠12,21~23である場合に行う。
【0090】
次に、車両状態管理ユニット53は、車両1の走行モードをOFFとし、バッテリ3の充電待機モードをONにして(ステップS39)、バッテリ3の充電を実施し(ステップS41)、充電パターンに応じたバッテリ3の充電を完了させる(ステップS43)。そして、車両状態管理ユニット53は、配車パターンにおいて、次の駐車枠12,21~23,31~35に車両1を移動させることが規定されているか否かを確認する(ステップS45)。
【0091】
車両1の移動が規定されている場合は(ステップS45でYes)、ステップS35にリターンする。車両1の移動が規定されていない場合は(ステップS45でNo)、一定時間待機した後(ステップS47)、出入口11から充電施設10の外に車両1を出庫させる(ステップS49)。そして、一連の処理を終了する。
【0092】
次に、充電器13,24~26の充電制御ユニット63が実行する処理の一例を、図8を参照して説明する。
【0093】
充電制御ユニット63は、充電器13,24~26が車両1と送受信するコントロール信号等を利用して、配車パターンで指定された車両1が駐車枠12,21~23のバッテリ3を充電可能な位置に停車していることを認証する(ステップS51)。充電制御ユニット63は、この認証を、運用管理装置40の充電・配車計画部47から充電スケジュールを受信すると行う。
【0094】
次に、充電制御ユニット63は、充電器13,24~26が車両1と送受信するコントロール信号等を利用して、駐車枠12,21~23のバッテリ3を充電可能な位置に、配車パターンで指定された車両1が停車していることを認証する(ステップS53)。充電制御ユニット63は、この認証を、対応する充電器13,24~26を路面に設けた駐車枠12,21~23に車両1が停車した場合に行う。
【0095】
続いて、充電制御ユニット63は、充電器13,24~26が車両1と送受信するコントロール信号等を利用して、駐車枠12,21~23の車両1のバッテリ3が充電待機モードONであるか否かを確認する。また、充電制御ユニット63は、充電器13,24~26が充電待機モードONであるか否かも併せて確認する(ステップS55)。その後、充電制御ユニット63は、駐車枠12,21~23に停車した車両1のバッテリ3に、電力変換ユニット65が設定した送電力で、充電用電力を充電器13,24~26から非接触で送電させる。
【0096】
次に、充電制御ユニット63は、充電パターンに規定された充電時間又は充電量でバッテリ3を充電したか否かを確認し(ステップS59)、充電していない場合は(ステップS59でNo)、ステップS57にリターンする。また、充電した場合は(ステップS59でYes)、充電制御ユニット63は、充電を停止させた後に(ステップS61)、一連の処理を終了する。
【0097】
以上に説明した本実施形態では、充電・配車計画部47が図6のステップS13の手順を実行することで、車両1のバッテリ3の充電に必要な情報を取得する情報取得部を、運用管理装置40で構成することができる。また、本実施形態では、充電・配車計画部47が図6中のステップS15~ステップS23の手順を実行することで、充電施設10における電力消費量が最大許容電力量以下に抑制されるように最適化する最適化部を、運用管理装置40で構成することができる。
【0098】
以上に説明した本実施形態では、例えば、充電施設10に入場する車両1のバッテリ3の充電に用いることができる充電方式、仕様上の電池容量、電池残量、目標充電量等に基づいて、運用管理装置40がバッテリ3の充電スケジュールを作成する。
【0099】
充電スケジュール中の充電パターンは、充電施設10内の各車両1のバッテリ3を、充電施設10の全体で消費する電力量の最大値及び合計値をそれぞれの許容範囲内に抑えて効率的に充電できる内容で作成することができる。また、充電スケジュール中の配車パターンは、充電パターンに応じて各車両1が充電施設10内で移動する際に、移動中の車両1同士が干渉しない内容で作成することができる。
【0100】
よって、車両1のバッテリ3を充電する充電器13,24~26を設けた複数の駐車枠12,21~23を有する充電施設10において、ハイパワーの充電器13とローパワーの充電器24~26とを使い分けて、バッテリ3を効率的に充電することができる。
【0101】
以上に説明した実施形態において、運用管理装置40の運行状態・場内監視部45は、充電パターンに応じた充電施設10内での車両1の移動距離が最小となる配車パターンを作成してもよい。また、運用管理装置40の充電・配車計画部47が作成する充電パターンは、図4に示すように、翌日の午前9時までに全てのバッテリ3が充電され終わるものでなくてもよい。
【0102】
以上に説明した実施形態では、ハイパワーの送電装置及びローパワーの送電装置がそれぞれ1種類ずつである場合について説明した。しかし、ハイパワーの送電装置及びローパワーの送電装置のうち少なくとも一方を2種類以上としてもよい。具体的には、例えば、定格出力容量が10kWの送電装置をハイパワーの送電装置とし、定格出力容量が2kWの送電装置と3kWの送電装置とをローパワーの送電装置としてもよい。
【0103】
また、第1の充電スケジュールではローパワーの送電装置として車載バッテリの充電に使用した送電装置を、第2の充電スケジュールでは、第1の充電スケジュールと異なる送電装置との組み合わせで、ハイパワーの送電装置として使用してもよい。具体的には、例えば、定格出力容量が10kWの送電装置との組み合わせでローパワーの送電装置とした、定格出力容量が5kWの送電装置を、別の充電スケジュールで、定格出力容量が2kWの送電装置との組み合わせでハイパワーの送電装置としてもよい。
【0104】
さらに、以上に説明した実施形態では、車両1が自動運転制御車両である場合について説明したが、車両1は、電動であれば非自動運転制御車両であってもよい。その場合、充電施設10内の車両1を配車パターンに応じて目的地に自動運転制御により移動させるための構成を省略し、配車パターンの内容を車両1の運転者に伝えるためのデバイスを代わりに設けてもよい。
【0105】
配車パターンの内容を伝えるデバイスは、車両1に設けても充電施設10の運転者から視認可能な箇所に配置してもよい。車両1に設けるデバイスは、例えば、カーナビゲーション装置の構成と兼用して構成することができる。
【0106】
以上にいくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8