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▶ 渡邊 真の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20231003BHJP
   B42F 9/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B42F7/00 K
B42F7/00 H
B42F7/00 Z
B42F9/00 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019185567
(22)【出願日】2019-10-09
(65)【公開番号】P2021059084
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-15
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】719006504
【氏名又は名称】渡邊 真
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-189982(JP,A)
【文献】登録実用新案第3167031(JP,U)
【文献】特開2018-069470(JP,A)
【文献】特開2000-025377(JP,A)
【文献】特開平07-172091(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0191021(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0044415(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 7/00
B42F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表・裏表紙部が、縦ヒンジを含む連結部を介して連設され、左右見開きにした状態で用紙を縦置きして使用するファイルにおいて、
前記表・裏表紙部のそれぞれに、左右方向に延びる少なくとも3本の横ヒンジを設けるとともに、前記連結部の中央を開口とし、
前記横ヒンジを介して、前記表表紙部は、表上板と、表帯板と、表中板と、表下板とを、この順に連設するとともに、前記裏表紙部は、前記表上板より狭い縦幅の裏上板と、前記表中板と等幅の裏中板と、前記表帯板と等幅の裏帯板と、前記表下板より広い縦幅の裏下板とを、この順に連設し、
前記連結部は、前記表上板と前記裏上板と、及び、前記表下板と前記裏下板とを、前記開口により上下に分断された前記縦ヒンジによって屈曲自在に連結し、前記表帯板および前記表中板と、前記裏中板および前記裏帯板とは非連結としてあり、
前記表表紙部または前記裏表紙部の内面のいずれかの箇所に、用紙を保持する紙保持具を備え、
前記表・裏表紙部の間に用紙を挟んだ状態で縦方向にZ折り可能に構成したことを特徴とするファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙や紙資料等を収納するファイルに係るもので、より詳しくは、携帯性に優れるようにしたファイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙や紙資料等を収納するファイルとして、例えば、下記の特許文献1に示すようなものが知られている。
【0003】
特許文献1には、手帳の横幅を半減して携帯性を向上させるため、左右に見開きにした手帳に縦置きして綴じられている用紙を横方向に折りたたむものが記載されている。これらは、綴じ具と平行な折線で用紙を折り畳むことによって、手帳に求められるコンパクト性を向上するものである。
【0004】
しかしながら、前述の如き従来のファイルでは、いずれも綴じ具と垂直な折線で用紙等を折り曲げることができないため、左右に見開き使用する使い勝手を維持しつつ、用紙等の長手方向に折り畳むことができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3145310
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題を解消すべく案出されたもので、通常は、左右に見開きにして使用しやすいとともに、携帯が必要な時には、用紙等の長手方向に折り畳むことができるファイルを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成すべく本発明は、表・裏表紙部が、縦ヒンジを含む連結部を介して連設され、左右見開きにした状態で用紙を縦置きして使用するファイルにおいて、前記表・裏表紙部のそれぞれに、左右方向に延びる少なくとも3本の横ヒンジを設けるとともに、前記連結部の中央を開口とし、前記横ヒンジを介して、前記表表紙部は、表上板と、表帯板と、表中板と、表下板とを、この順に連設するとともに、前記裏表紙部は、前記表上板より狭い縦幅の裏上板と、前記表中板と等幅の裏中板と、前記表帯板と等幅の裏帯板と、前記表下板より広い縦幅の裏下板とを、この順に連設し、前記連結部は、前記表上板と前記裏上板と、及び、前記表下板と前記裏下板とを、前記開口により上下に分断された前記縦ヒンジによって屈曲自在に連結し、前記表帯板および前記表中板と、前記裏中板および前記裏帯板とは非連結としてあり、前記表表紙部または前記裏表紙部の内面のいずれかの箇所に、用紙を保持する紙保持具を備え、前記表・裏表紙部の間に用紙を挟んだ状態で縦方向にZ折り可能に構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上述の如く構成したことにより、当初の目的を達成する。
【0010】
表・裏表紙部の間に用紙等を挟んだ状態で縦方向にZ折りできる構成により、通常の使用時は、ファイルを左右に見開きにした状態で用紙等を縦置きして使用することができるとともに、携帯する場合には、表・裏表紙部の間に用紙等を挟んで、コンパクトに折り畳むことができる。
【0011】
そして、折り畳んだ時に箱状の外郭が形成されると、ファイル内で用紙等が緩やかに湾曲し、ファイルが外圧を受けても用紙等に折り目がつきにくくなって、用紙等の運搬がさらに容易となる。
しかも、表表紙部を縦ヒンジを中心に用紙等と逆方向に折り返して裏表紙部の裏側に密着させると、表・裏表紙部の横ヒンジが相互にずれあうことにより、表・裏表紙部の縦方向の屈曲が拘束されるから、机や下敷きがない環境で筆記が必要な場合でも、いわゆるクリップボードのように使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、ファイルや、フォルダー、バインダーとして、また、クリップボードや、ポーチ代わりとしても、使い勝手が良く携帯性に優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の構成例を図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態のファイル本体1をブランク板の状態で示す平面図である。
【0014】
図1に示されるように、この例では、直線状の縦ヒンジを含む連結部4を介して連設された表・裏表紙部2、3のそれぞれに、左右方向に延びる3本の横ヒンジ11~16を設け、該横ヒンジを介して、表表紙部は、表上板21と、表帯板22と、表上板より狭い縦幅の表中板23と、表中板と等幅の表下板24とを、この順に連設するとともに、裏表紙部は、表下板と等幅の裏上板31と、表中板と等幅の裏中板32と、表帯板と等幅の裏帯板33と、表上板と等幅の裏下板34とを、この順に連設している。
【0015】
そして、連結部の中央を開口とし、連結部は、表上板と裏上板と、及び、表下板と裏下板とを、該開口により上下に分断された縦ヒンジ17,18によって屈曲自在に連結し、表帯板および表中板と、裏中板および裏帯板とは非連結としている。
【0016】
このようなブランク板は、厚紙、段ボール、プラスチック板等の一体に形成された材料を表面または裏面から打抜き、筋付けすることにより形成することができるが、各種の手法で製造された複数のボードやヒンジ部材を連結して形成してもよい。
【0017】
また、図2に示される例では、紙保持具として、表・裏シートを連接する折返し部の中央を開口とした可撓性フォルダー5および適宜の可撓性の綴じ具6を、表中板の表帯板寄りおよび裏中板の裏帯板寄りに、接着部材8で取り付けている。
【0018】
しかしながら、紙保持具は、表中板または裏中板には取り付けず、表上・下部または裏上・下部に取り付けても良いし、いずれの横ヒンジ部もまたがずに取り付けられる場合は、剛性のバインダー等を用いることも可能である。
【0019】
そして、図3に示される例では、ファイルを谷折線19で折り曲げ、紙保持具に用紙等Pを収納して使用に供している。
【0020】
このようにして作成したファイルは、ファイルを左右に見開きにした状態では、用紙等を縦置きして使用することができ、携帯する場合には、図4~7に示されるように、表・裏表紙部の間に用紙等を挟んだ状態で縦方向にZ折り(外三つ折り)して、ゴム紐7を用いてコンパクトにまとめておくことができる。
【0021】
なお、この例では取付孔9に挿通されたゴム紐7を用いて折畳まれた状態を維持しているが、その他の紐、伸縮バンド、スナップ、磁石などを用いることもできる。このように、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、一実施形態を示すファイルのブランク板を示す平面図である。
図2図2は、一実施形態を示すファイルの組立てを示す説明図である。
図3図3は、図2のファイルを見開きにして使用する状態を示す平面図である。
図4図4は、図3のファイルを閉じた状態1を示す斜視図である。
図5図5は、図4のファイルを折畳み中の状態2を示す斜視図である。
図6図6は、図5のファイルを折畳んだ状態3を示す斜視図である。
図7図7は、図6のファイルを携帯する状態4を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1…ファイル本体、2…表表紙部、3…裏表紙部、4…連結部、5…フォルダー、6…綴じ具、7…ゴム紐、8…接着部材、9…取付孔、11~16…横ヒンジ、17、18…縦ヒンジ、19…谷折線、21…表上板、22…表帯板、23…表中板、24…表下板、31…裏上板、32…裏中板、33…裏帯板、34…裏下板、P…用紙等
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7