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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】防臭弁ユニット
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/28 20060101AFI20231003BHJP
   E03C 1/298 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
E03C1/28 A
E03C1/298
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019192331
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2021067062
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂 那木沙
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-066154(JP,A)
【文献】特開2013-014878(JP,A)
【文献】特開2019-019509(JP,A)
【文献】特開平11-019003(JP,A)
【文献】特開2012-136836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/28
E03C 1/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口1と、
前記排水口1に接続される排水栓部材11と、
前記排水口1から排出される排水を下水管へ流下させる排水流路2と、
下流側の気体や液体を上流側へ逆流することを防止する防臭弁42を備えたユニット体4と、
前記ユニット体4を、前記排水口1から外部に着脱可能となるよう前記排水栓部材11に取り付けた防臭弁ユニットにおいて、
前記ユニット体4は、前記防臭弁42が当接する弁座411と前記排水栓部材11の内面に略内接する外側面を有した略筒状のホルダー部41と、前記弁座411に当接して常時閉塞し、且つ排水の発生時には弾性変形によって流入口43を開放するアンブレラ状弁421から成る前記防臭弁42とから構成され、
前記防臭弁42を前記ホルダー部41に取り付け固定する固定部412及び前記排水栓部材11に着脱可能に取着されるための取付部414を前記ホルダー部41に構成するとともに、
前記排水栓部材11前記ホルダー部41の前記取付部414が取着される被取付部5を構成したことを特徴とする防臭弁ユニット。
【請求項2】
前記固定部412は、前記ホルダー部41内面から中心に向かって延出して単一に構成されるとともに、前記固定部412の外表面形状を滑らかに連続する傾斜面413から構成したことを特徴とする前記請求項1に記載の防臭弁ユニット。
【請求項3】
排水口1と、
前記排水口1に接続される排水栓部材11と、
前記排水口1から排出される排水を下水管へ流下させる排水流路2と、
下流側の気体や液体を上流側へ逆流することを防止する防臭弁42を備えたユニット体4と、
前記ユニット体4を、前記排水口1から外部に着脱可能となるよう前記排水栓部材11に取り付けた防臭弁ユニットにおいて、
前記ユニット体4は、前記排水栓部材11の内面に略内接する外側面を有した略筒状のホルダー部41と、弾性を有する素材からなる複数の当接面同士を互いに当接させて形成される閉塞部を有して成り、前記閉塞部は、前記当接面の弾性により、前記防臭弁42に応力が発生しない状態では前記当接面同士が当接して流路を閉塞し、前記防臭弁42の上流側が下流側と比べて高圧となった際に、前記当接面同士が離間して流路を開口し、上流側から下流側への通過を許容するように構成した前記防臭弁42とから構成され、
前記防臭弁42を前記ホルダー部41に取り付け固定する固定部412及び前記排水栓部材11に着脱可能に取着されるための取付部414を前記ホルダー部41に構成するとともに、
前記排水栓部材11前記ホルダー部41の前記取付部414が取着される被取付部5を構成したことを特徴とする防臭弁ユニット。
【請求項4】
前記排水流路2の下流に、他系統の排水口13から排出される排水を流下させる他系統排水流路3が合流した場合には、前記防臭弁42が通気弁として機能することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の防臭弁ユニット。
【請求項5】
前記ホルダー部41の外周に水密部材6を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の防臭弁ユニット。
【請求項6】
前記ホルダー部41の中央に軸部44を構成するとともに、
前記軸部44に前記排水口1を目隠しするカバー体71を着脱自在に備えることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の防臭弁ユニット。
【請求項7】
前記ホルダー部41の中央に軸部44を構成するとともに、
前記軸部44に前記排水口1の止水を行う弁体72を着脱自在に備えることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の防臭弁ユニット。
【請求項8】
トイレルームに設けられる手洗器に前記排水口1を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の防臭弁ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体や液体等の流体の逆流防止や、排水管において封水を必要とせずに下流からの臭気などの逆流を防止する為に用いられる防臭弁ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防臭装置は、排水管の内部に排水の一部を貯水し、下水からの臭気や害虫が室内側へ逆流することを防止する、いわゆる封水式排水トラップがあったが、この封水式排水トラップについて、キャビネット内の収納スペースを広げることを目的として、槽体の排水口から封水式排水トラップを脱着可能とする技術があった。(特許文献1)
【0003】
また、このほかの従来の防臭装置は、上記の封水式排水トラップと、弾性を有する素材からなる複数の当接面同士を互いに当接させて形成される閉塞部を有して成り、閉塞部は、当接面の弾性により、防臭弁に応力が発生しない状態では当接面同士が当接して流路を閉塞し、防臭弁の上流側が下流側と比べて高圧となった際に、当接面同士が離間して流路を開口し、上流側から下流側への通過を許容するように構成した、非封水式排水トラップとしてのいわゆる防臭弁とを相互に変更することが可能なものがあった。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-37403
【文献】特開2012-136836
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1における技術では封水式排水トラップが開示されているが、当該封水式排水トラップは規格により封水深の高さが規定されている為、最低でも規定の封水深の高さが必要となる。そうすると、封水深分の高さ幅と排水通路分の高さが必須となり、その高さ幅分スペースが必要となり、封水式排水トラップが設置されているキャビネット内にデッドスペースが発生してしまうという問題があった。特に、現在タンクレストイレが主流となってきており、狭いトイレルーム内に便器とは別に手洗器を設置せねばならず、狭いトイレルーム空間に施工される排水装置は特に省スペース性が求められる。
【0006】
また、トイレルーム内は狭いため、手洗器下の空間をキャビネット等の収納スペースにあてることは無く、排水配管は壁面の裏側など簡単に手が届かない場所に配管される場合が多い。そして、公共施設のトイレ施設では、手洗器の排水配管が外部に露出するように配管されると、排水配管にいたずらをされてしまうことがあるため、排水配管を使用者の目に触れないように壁裏空間に配管したり、遮蔽部材によって遮蔽することもよく行われている。
このような壁裏などの場所に一度配管されてしまうと、排水配管内部や封水式排水トラップ内を清掃したり、部品交換したり、メンテナンスを施したりする場合には配管自体を分解したり、最悪の場合には壁面に穴をあけ、壁面裏面に配管されている排水配管を分解して内部部材の交換等を行うしかなく、非常に煩雑であり困難さを伴う。
【0007】
また、封水式排水トラップより下流の配管内が負圧となった場合には、封水式排水トラップ内の封水が負圧により下流へ吸い込まれてしまい、いわゆる破封と呼ばれる封水機能が失われてしまうことがあった。この破封現象が発生すると封水が損失してしまうことにより封水機能が失われ、下水の臭気や害虫が室内側へ逆流してしまうという問題があった。特にトイレルームの便器用排水流路と合流させる配管に用いれば、破封が発生すると排泄物の汚物の異臭が室内側に流出することとなり、非常に不衛生となる。また、封水式排水トラップは排水の一部を貯水して封水機能を発揮させる為、長期間排水が発生しない状況下では封水が蒸発してしまい、封水機能が失われ、下水の臭気や害虫が室内側へ逆流してしまうという問題があった。
【0008】
また、特許文献2における技術では封水式トラップと非封水式排水トラップを相互に入れ替える技術が開示されているが、封水式排水トラップと非封式排水トラップを相互に入れ替え可能とする為、結局上述した封水式排水トラップ分のスペースが必要となる。よって上述のように封水式/非封水式排水トラップが設置されているキャビネット内にデッドスペースが発生してしまう。また、特許文献2の技術は防臭弁を直接的に排水装置に取り付けているため、取付にバラつきが発生しやすく、安定的に取り付けることが困難であり、高度な技術を持ち合わせている専門業者による取付を前提としている。また、特許文献2の技術は防臭弁が何ら保護されていない為、輸送時や取り付け時に防臭弁が傷ついたり故障する場合があり、さらには専門業者ではない使用者による防臭弁の脱着がなされた場合にはより防臭弁に多大な付加が加わり防臭弁の故障の原因となっていた。
【0009】
以上から、本願は省スペースの為に狭い空間にも取り付け可能な製品であり、かつ封止機能が失われることがなく通気の機能を果たすことが出来、さらには専門業者による脱着を必要とせず、防臭弁の保護機能を備える防臭弁ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の本発明は、排水口1と、前記排水口1に接続される排水栓部材11と、前記排水口1から排出される排水を下水管へ流下させる排水流路2と、下流側の気体や液体を上流側へ逆流することを防止する防臭弁42を備えたユニット体4と、前記ユニット体4を、前記排水口1から外部に着脱可能となるよう前記排水栓部材11に取り付けた防臭弁ユニットにおいて、前記ユニット体4は、前記防臭弁42が当接する弁座411と前記排水栓部材11の内面に略内接する外側面を有した略筒状のホルダー部41と、前記弁座411に当接して常時閉塞し、且つ排水の発生時には弾性変形によって流入口43を開放するアンブレラ状弁421から成る前記防臭弁42とから構成され、前記防臭弁42を前記ホルダー部41に取り付け固定する固定部412及び前記排水栓部材11に着脱可能に取着されるための取付部414を前記ホルダー部41に構成するとともに、前記排水栓部材11前記ホルダー部41の前記取付部414が取着される被取付部5を構成したことを特徴とする防臭弁ユニットである。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、前記固定部412は、前記ホルダー部41内面から中心に向かって延出して単一に構成されるとともに、前記固定部412の外表面形状を滑らかに連続する傾斜面413から構成したことを特徴とする前記段落0010に記載の防臭弁ユニットである。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、排水口1と、前記排水口1に接続される排水栓部材11と、前記排水口1から排出される排水を下水管へ流下させる排水流路2と、下流側の気体や液体を上流側へ逆流することを防止する防臭弁42を備えたユニット体4と、前記ユニット体4を、前記排水口1から外部に着脱可能となるよう前記排水栓部材11に取り付けた防臭弁ユニットにおいて、前記ユニット体4は、前記排水栓部材11の内面に略内接する外側面を有した略筒状のホルダー部41と、弾性を有する素材からなる複数の当接面同士を互いに当接させて形成される閉塞部を有して成り、前記閉塞部は、前記当接面の弾性により、前記防臭弁42に応力が発生しない状態では前記当接面同士が当接して流路を閉塞し、前記防臭弁42の上流側が下流側と比べて高圧となった際に、前記当接面同士が離間して流路を開口し、上流側から下流側への通過を許容するように構成した前記防臭弁42とから構成され、前記防臭弁42を前記ホルダー部41に取り付け固定する固定部412及び前記排水栓部材11に着脱可能に取着されるための取付部414を前記ホルダー部41に構成するとともに、前記排水栓部材11前記ホルダー部41の前記取付部414が取着される被取付部5を構成したことを特徴とする防臭弁ユニットである。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、前記排水流路2の下流に、他系統の排水口13から排出される排水を流下させる他系統排水流路3が合流した場合には、前記防臭弁42が通気弁として機能することを特徴とする前記段落0010乃至段落0012のいずれか一つに記載の防臭弁ユニットである。
【0014】
請求項5に記載の本発明は前記ホルダー部41の中央に軸部44を構成するとともに、前記軸部44に前記排水口1を目隠しするカバー体71を着脱自在に備えることを特徴とする前記段落0010乃至段落0013のいずれか一つに記載の防臭弁ユニットである。
【0015】
請求項6に記載の本発明は、前記ホルダー部41の中央に軸部44を構成するとともに、前記軸部44に前記排水口1を目隠しするカバー体71を着脱自在に備えることを特徴とする前記段落0010乃至段落0014のいずれか一つに記載の防臭弁ユニット。
【0016】
請求項7に記載の本発明は、前記ホルダー部41の中央に軸部44を構成するとともに、前記軸部44に前記排水口1の止水を行う弁体72を着脱自在に備えることを特徴とする前記段落0010乃至段落0014のいずれか一つに記載の防臭弁ユニットである。
【0017】
請求項8に記載の本発明は、トイレルームに設けられる手洗器に前記排水口1を構成したことを特徴とする前記段落0010乃至段落0016のいずれか一つに記載の防臭弁ユニットである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に対する効果として、封水式排水トラップと比較して小型化することが可能となり、例えばトイレルーム8や壁面裏などの狭い空間にも取り付け可能な製品とすることができる。また、配管が目視できずに外部からメンテナンスが困難な場所であっても、排水口1から簡単にユニット体4を脱着することができるため、メンテナンスが容易となる。排水口1から簡単にユニット体4を脱着できるので、使用者によって簡単に脱着でき、さらにはバラつき等なく安定して取り付けることが可能となる。また、防臭弁42を採用していることにより破封することがないので封止機能が失われることがない。
請求項2に対する効果として、排水中のごみや髪の毛やぬめりがホルダー部41の固定部412に引っ掛かったり付着するようなことがない。
請求項3に対する効果として、封水式排水トラップと比較して小型化することが可能となり、例えばトイレルーム8や壁面裏などの狭い空間にも取り付け可能な製品とすることができる。また、配管内が目視できずにメンテナンスが困難な場所であっても、排水口1から簡単にユニット体4を脱着することができるため、メンテナンスが容易となる。排水口1から簡単にユニット体4を脱着できるので、使用者によって簡単に脱着でき、さらにはバラつき等なく安定して取り付けることが可能となる。防臭弁42がホルダー部41内に配置されているためホルダー部41にて防臭弁42が保護されるため、脱着時に止水部材である防臭弁42を傷つけたり変形させるようなことがない。また、防臭弁42を採用していることにより破封することがないので封止機能が失われることがない。
請求項4に対する効果として、排水流路2下流で負圧が発生した場合には、防臭弁42が開口することで、防臭弁42よりも上流側の空気を防臭弁42よりも下流に吸引可能となり、排水流路2下流の負圧を解消することが可能となる。
請求項5に対する効果として、ホルダー部41外周と排水口1内周との間の水密化を図ることができる。
請求項6に対する効果として、カバー体71によって、排水口1内部もしくは排水口1の周囲の汚れを遮蔽することができるので、使用者に対する目隠しとなり、排水口1の意匠性、美観を損ねるようなことがない。
請求項7に対する効果として、弁体72の動作により排水口1の開栓/閉栓を行うことが可能となる。
請求項8に対する効果として、狭いトイレルーム8に用いられても配管スペースを大きく確保することができる。また、配管スペースが遮蔽されて目視されないことが多発するトイレルーム8であっても、本防臭弁ユニットをメンテナンスや清掃、故障する際に遮蔽部材を取り外したりすることなく、排水口1から簡単に脱着することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(a)本発明の第一実施例における防臭弁ユニットの断面図である。(b)(a)断面図における斜視図である。
図2】本発明の第一実施例における防臭弁ユニットの分解斜視図である。
図3】(a)本発明の第一実施例におけるユニット体の上面図である。(b)本発明の第一実施例におけるユニット体の断面斜視図である。なお、ホルダー部のみを断面視した状態を示す。
図4】本発明の第一実施例の防臭弁ユニットが取り付けられるトイレルームを示す平面図である。
図5】(a)本発明の第二実施例における防臭弁ユニットの断面図である。(b)(a)断面図における斜視図である。
図6】本発明の第二実施例における防臭弁ユニットの分解斜視図である。
図7】本発明の第二実施例におけるカバー体を除くユニット体の断面斜視図である。なお、ホルダー部のみを断面視した状態を示す。
図8】本発明の第二実施例の防臭弁ユニットが取り付けられるユニットバスルームを示す平面図である。
図9】本発明の防臭弁をメンブレン状弁とした場合の実施例を示す断面図である。
図10】本発明の防臭弁を浴槽の排水口に取り付けた場合の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いながら説明する。
【0021】
実施の形態1に係る防臭弁ユニットは、図4に示すようにトイレルーム8に設けられる手洗器82に取り付けられる。
トイレルーム8は、内部に便器81と、使用者が手を洗うために使用する手洗器82を構成している。また、防臭弁ユニットは、防臭弁42を備えたユニット体4から構成される。
手洗器82は、トイレルーム8に設置される水受け用の槽体であって、底部に排水口1が構成されている。なお、排水口1には後述の手洗用排水流路21が接続される。また、手洗器82下の空間には手洗用排水流路21が配管されるが、当該空間は開閉不可となる仕切り部材で覆い隠されているため、手洗用排水流路21は使用者からは外観視又は目視されないように配管されている。本実施例では手洗器用排水流路は仕切り部材で覆い隠す構成となっているが、手洗器排水流路を手洗器82下に露出するように配管するように構成しても良い。また、本実施例では手洗器82下空間を仕切り部材で覆い隠す構成としているが、開閉扉を有したキャビネット体で構成するなどして手洗器82下空間を収納スペースとしてもよい。
便器81は、大小便の排泄に使用する衛生陶器であって、多系統の排水口13として機能する。なお、便器81には後述の便器用排水流路31が接続されている。
排水流路2は、排水口1から排出される排水を下水管へと排水する流路であり、本実施例では手洗器82の排水口1に接続されて、手洗器82からの排水を下水管へ排出する為の手洗用排水流路21と、排水口13としての便器81に接続されて、便器81からの排水や汚物を下水管へと排出する為の便器用排水流路31と、から構成される。なお、本実施例における便器用排水流路31は、手洗器用排水流路21の下流で接続される多系統(便器81)からの排水口13から排出される排水を排水する他系統排水流路3として機能する。また、手洗用排水流路21は下流で便器用排水流路31と合流するように配管される。従って、便器81からの排水と手洗器82からの排水とをともに同一の排水流路に排出することになる。
排水口1は、手洗器82の底部に開口して構成され、本実施例では当該排水口1に別部材である排水栓部材11を接続することで排水口1を形成している。
排水栓部材11は、外周に雄ねじを形成する円筒形状の部材であって、上端に外側方向に突出して形成されるフランジを形成する。また、排水栓部材11は手洗器82の排水口1に接続されて内部に排水口1を形成している。排水栓部材11の内周面下端には、後述する取付部414と係合する被取付部5を形成する。被取付部5は、排水栓部材11の下端に凹状の段差によって形成される。なお、本実施例では被取付部5は排水口1である排水栓部材11に構成したが、手洗器用排水流路に被取付部5が構成されてもよい。
ユニット体4は、図1乃至図3に示すように、防臭弁42と、ホルダー部41から構成される。
防臭弁42は、非封水式排水トラップとしての機能をもち、下水からの害虫や異臭を室内側へ逆流させないように防臭機能を有する。また、当該機能は、封水式排水トラップにおける封水機能または封止機能と同等の機能を備える。また、本実施例における防臭弁42は、アンブレラ状弁421から構成される。
アンブレラ状弁421は、ゴムやエラストマー等の弾性を有する素材から成り、弁座411に当接して常時閉塞し、且つ排水の発生時には弾性変形によって流入口43を開放する、中心に弁軸を構成する略傘状の弁体である。
ホルダー部41は、外周が排水栓部材11の内周面に略内接する略円筒形状の部材であって、弁座411と、固定部412と、水密部材6と、取付部414と、傾斜面413と、から構成される。
弁座411は、アンブレラ状弁421が常時着座して当接する部分であって、ホルダー部41下端面に傾斜又はR面を有して形成されている。この構成により、下流側の正圧発生時にアンブレラ状弁421が上流側に引き込まれて戻らなくなってしまうという事態を防ぐことができる。また、上流から排水が発生した際には弁座411からアンブレラ状弁421が離間することにより流入口43が開口されて上流の排水が下流へと排水される。また、アンブレラ状弁421より下流が負圧状態となった際も同様にアンブレラ状弁421が弁座411から離間して流入口43が開口されて上流の空気を下流へ通気させることができ、下流側の負圧状態を解消することが出来る。
固定部412は、図3に示すようにアンブレラ状弁421をホルダー部41に取り付け固定するために備えられ、上面視ホルダー部41内周面から中心まで延出して形成され、一つのみ、単一部品として構成される。よって、上面視ホルダー部41内周面から中心まで複数、放射状に構成される場合と比較して排水の通水部分の面積を大きく確保することができる為、排水性能が向上する。また、ホルダー部41の中心に位置する固定部412には穴が開口されており、当該穴にはアンブレラ状弁421の弁軸が脱着不可に取り付けられている。
水密部材6は、ホルダー部41外周に配置される水密部材6であって、本実施例ではOリングを備えている。当該水密部材6を構成することにより、ホルダー部41を排水口1に取り付けた際、ホルダー部41外周面と排水口1内周面の間の水密化を図ることができる。
取付部414は、ホルダー部41下端から下方に複数構成されるホルダー部41外周面よりも外側方向に突出する爪状の部材であって、前述の被取付部5に係合する。本実施例の取付部414は、ホルダー部41を排水栓部材11に取り付ける際には、ホルダー部41を排水口1に挿入すると同時に取付部414が排水栓部材11の内周面に沿って内方に縮径し、取付部414が被取付部5に至った時に取付部414が外方に拡径し、被取付部5の段差に取付部414の爪が係合することとなる。また、ホルダー部41を排水栓部材11から取り外す際には、ホルダー部41を排水口1から引き抜くが、その際は上に引き上げられる際に取付部414と被取付部5の係合が解除され、取付部414が排水栓部材11の内周面に沿って内方に縮径しつつ上に引き上げられてホルダー部41が排水口1から取り外される。
傾斜面413は、図3(b)に示すように、固定部412の外周縁において、上端から下端までの外表面形状を、滑らかに傾斜して連続する面によって構成される面である。当該傾斜面413により、排水中にゴミや髪の毛、ぬめり(以下、排水ゴミという)が混入していたとしても、傾斜面413によって固定部412に排水ゴミが引っ掛かったり停滞することなく円滑に下流へ排水される。よって、固定部412に排水ゴミがからまったり付着することが無いため排水ゴミによって通水流路面積が狭まることが無い。
捕集部材73は、排水ゴミを捕集するための網目状または格子状に構成された部材である。捕集部材73は、ホルダー部41の上端に載置して構成される。捕集部材73とホルダー部41、または捕集部材73外周と排水口1内周面のいずれかには、捕集部材73取付用の係合リブ等を構成してもよい。
【0022】
上記のように構成した防臭弁ユニットは、以下のような排水の流れとなる。
手洗器82に排水が発生した場合には、手洗器82底部の排水口1から手洗器82外部へと排出される。排水口1に流入した排水は、ホルダー部41上部に載置された捕集部材73を通過し、ホルダー部41内に構成された流入口43内部に流入する。このとき、ホルダー部41外周面と排水口1である排水栓部材11の内周面の間は、ホルダー部41外周に配置した水密部材6によりシールされており、当該間からは排水が通過することがなく、また、下水からの臭気が室内側へ逆流することがない。ホルダー部41内に排水が流入すると、固定部412を通過し、ホルダー部41下端に配置された防臭弁42としてのアンブレラ状弁421に到達する。アンブレラ状弁421は排水の水圧によって、自身が弾性変形し、着座していた弁座411からアンブレラ状弁421が離間し、流入口43を開口する。アンブレラ状弁421が弁座411から離間して開口された流入口43から、排水はアンブレラ状弁421よりも下流へと排水される。なお、排水が終了するとアンブレラ状弁421は自身の弾性により元の形状に復元し、弁座411に着座して流入口43をシールする。当該状態時は下流の異臭や害虫が室内側へ流入するようなことはない。また、アンブレラ状弁421より下流に排水された排水は、手洗用排水流路21を流下し、手洗用排水流路21下流側端部が接続された便器用排水流路31内へと排水される。便器用排水流路31に排水された手洗器82側の排水は、便器用排水流路31内の排水と合流し、最終的には下水管へと排水されることとなる。
便器81に排水が発生した場合には、排泄物などの汚物が便器用排水流路31内を流下するが、便器用排水流路31はトイレ排水時にサイホンをあえて発生させるために便器用排水流路31管内には負圧が発生しやすくなる。便器用排水流路31内の排水は、手洗用排水流路21の排水と合流し、最終的には下水管へと排水される。
上述のように手洗器用排水流路の下流である便器用排水流路31内で負圧が発生した場合、手洗用排水流路21内も負圧となるが、排水口1に取り付けられているアンブレラ状弁421が管内負圧によって弾性変形し、弁座411から離間する。アンブレラ状弁421が離間すると流入口43が開口される為、流入口43よりアンブレラ状弁421よりも上流の空気をアンブレラ状弁421よりも下流へ吸引することが可能となり、アンブレラ状弁421よりも下流で発生している負圧を解消することが可能となる。この場合には、アンブレラ状弁421は通気弁としての機能も有することとなる。なお、管内負圧が解消し、空気の吸引が終了すると、アンブレラ状弁421は弁座411に着座して流入口43を閉塞する。
【0023】
上記のように構成した防臭弁ユニットは、以下のように排水口1から外部に脱着可能とされる。
ユニット体4を排水口1に取り付ける際には、ユニット体4のホルダー部41を排水口1に挿入すると同時に取付部414が排水栓部材11の内周面に沿って内方に縮径し、取付部414が被取付部5に至った時に取付部414が外方に拡径し、被取付部5の段差に取付部414の爪が係合し、ユニット体4が排水口1に取り付けられる。
また、ユニット体4を排水口1から取り外す際には、ホルダー部41を排水口1から引き抜くが、その際は上に引き上げられる際に取付部414と被取付部5の係合が解除され、取付部414が排水栓部材11の内周面に沿って内方に縮径しつつ上に引き上げられて、ホルダー部41が排水口1から取り外される。排水口1から取り外された取付部414は外方向に拡径し、ホルダー部41が排水口1から取り外される。
これらの構造により、ユニット体4は簡単に排水口1から外部へ脱着可能となる。これは専門業者ではなく使用者である一般人でも安定的に取り付けることが可能となる。
また、トイレルーム8の配管に当該防臭弁ユニットを備えたことにより、狭いトイレルーム8内における空間内でも、封水式トラップのように無駄な空間を備えることがないので、手洗器82下の空間を有効的に使用することが可能となる。
【0024】
実施の形態2に係る防臭弁ユニットは、図8に示すように浴室内に便器94が設置されているユニットバスルーム9に設けられる洗面ボウル93に取り付けられる。
ユニットバスルーム9は、内部に浴槽91と、洗い場92と、便器94と、洗面ボウル93を構成している。また、防臭弁ユニットは、防臭弁42を備えたユニット体4から構成される。なお、ユニットバスルーム9は浴槽91及び洗い場92が構成され、浴槽91底部及び洗い場92底部には排水口13が形成されている。浴槽91排水口13及び洗い場92排水口13には後述の浴槽用排水流路32が接続される。
洗面ボウル93は、ユニットバスルーム9に設置される水受け用の槽体であって、底部に排水口1が構成されている。なお、排水口1には後述の洗面ボウル用排水流路22が接続される。また、洗面ボウル93下の空間には洗面ボウル用排水流路22が配管されるが、浴槽91エプロン内に配管され、使用者には目視できない部分に配管されている。
便器94は、大小便の排泄に使用する衛生陶器であって、多系統の排水口13として機能する。なお、便器94には後述の便器用排水流路31が接続されている。
浴槽91は、底部に排水口13を開口した槽体であって、浴槽91排水口13には浴槽用排水流路32が配管される。
排水流路2は、排水口1から排出される排水を下水管へと排水する流路であり、本実施例では洗面ボウル93の排水口1に接続されて、洗面ボウル93からの排水を下水管へ排出する為の洗面ボウル用排水流路22と、排水口13としての便器94に接続されて、便器94からの排水や汚物を下水管へと排出する為の便器用排水流路31と、浴槽91からの排水と洗い場92からの排水を合流して下水へと排出するための浴槽用排水流路32から構成される。なお、便器用排水流路31または浴槽用排水流路32は、多系統(便器94や浴槽91)からの排水口13から排出される排水を排水する他系統排水流路3として機能する。また、洗面ボウル用排水流路22は下流で浴槽用排水流路32と合流するように配管される。従って、浴槽91及び洗い場92からの排水と洗面ボウル93からの排水とをともに同一の排水流路に排出することになる。
排水口1は、洗面ボウル93の底部に開口して構成され、本実施例では当該排水口1に別部材である排水栓部材11を接続することで排水口1を形成している。また、排水口1と排水栓は別部材で形成せず一体的に構成しても良い。
排水栓部材11は、外周に雄ねじを形成する円筒形状の部材であって、上端に外側方向に突出して形成されるフランジを形成する。また、排水栓部材11は洗面ボウル93の排水口1に接続されて内部に排水口1を形成している。排水栓部材11の内周面には段差から成る段部12を構成し、ホルダー部41の水密部材6が該段部12に係止するよう当接する。当該排水栓部材11の内周面下端には、後述する取付部414と係合する被取付部5を形成する。被取付部5は、排水栓部材11の下端に、内周方向に向かって凸状に複数突出するリブによって形成される。なお、本実施例では被取付部5は排水口1である排水栓部材11に構成したが、洗面ボウル用排水流路22に被取付部5が構成されてもよい。
ユニット体4は、図5乃至図7に示すように、防臭弁42と、ホルダー部41と、カバー体71から構成される。
防臭弁42は、第一実施例と同構成のアンブレラ状弁421のため記載を省略する。
ホルダー部41は、基本的構成は第一実施例と同様の構成であるが、軸部44及び取付部414については第一実施例とは相違している為下記に説明する。
弁座411、固定部412、水密部材6、傾斜面413、については第一実施例と同構成のため記載を省略する。
軸部44は、固定部412から上方にむかって垂設される軸体であって、上面視ホルダー部41の中心に位置する個所に構成される。軸部44の上端には後述のカバー体71が脱着自在に取り付けられる。
取付部414は、ホルダー部41下端外周に円周状に構成される凹溝であって、前述の被取付部5に係合する。本実施例の取付部414は、ホルダー部41を排水栓部材11に取り付ける際には、ホルダー部41を排水口1に挿入すると、取付部414が被取付部5に至った時にホルダー部41下端が被取付部5の凸状段差に乗り上げ、一旦内方に縮径し、取付部414の凹溝が被取付部5の凸状段差に至るとホルダー部41下端が外方に拡径し、取付部414と被取付部5が係合する。また、ホルダー部41を排水栓部材11から取り外す際には、ホルダー部41を排水口1から引き抜くが、その際は上に引き上げられる際に取付部414が被取付部5の段差に当接して乗り上げることによりホルダー部41下端が内方に一旦縮径し、取付部414が被取付部5の段差を通過すると被取付部5の係合が解除され、取付部414が排水栓部材11の内周面に沿って内方に縮径しつつ上に引き上げられてホルダー部41が排水口1から取り外される。
カバー体71は、排水口1内部を遮蔽して目視できないように目隠しする為の傘状の部材であって、上記軸部44上端に脱着自在に取り付けられる。なお、カバー体71は、排水栓部材11のフランジと略同径または同フランジよりも大径に構成される。当該カバー体71により排水栓部材11や排水口1内部を遮蔽できるため、美観を高めることができる。
【0025】
上記のように構成した第二実施例の防臭弁ユニットは、以下のような排水の流れとなる。
洗面ボウル93に排水が発生した場合には、洗面ボウル93底部の排水口1から洗面ボウル93外部へと排出される。排水口1に流入した排水は、ホルダー部41内に構成された流入口43内部に流入する。このとき、ホルダー部41外周面と排水口1である排水栓部材11の内周面の間は、ホルダー部41外周に配置した水密部材6によりシールされており、当該間からは排水が通過することはなく、また、下水からの臭気が室内側へ逆流することがない。ホルダー部41内に排水が流入すると、固定部412を通過し、ホルダー部41下端に配置された防臭弁42としてのアンブレラ状弁421に到達する。アンブレラ状弁421は排水の水圧によって、自身が弾性変形し、着座していた弁座411からアンブレラ状弁421が離間し、流入口43を開口する。アンブレラ状弁421が弁座411から離間して開口された流入口43から、排水はアンブレラ状弁421よりも下流へと排水される。なお、排水が終了するとアンブレラ状弁421は自身の弾性により元の形状に復元し、弁座411に着座して流入口43をシールする。当該状態時は下流の異臭や害虫が室内側へ流入するようなことはない。また、アンブレラ状弁421より下流に排水された排水は、洗面ボウル用排水流路22を流下し、洗面ボウル用排水流路22下流側端部が接続された浴槽用排水流路32内へと排水される。浴槽用排水流路32に排水された洗面ボウル93側の排水は、浴槽用排水流路32内の排水と合流し、最終的には下水管へと排水されることとなる。
便器94に排水が発生した場合には、排泄物などの汚物が便器用排水流路31内を流下し、最終的には下水管へと排水される。
浴槽91及び洗い場92床面に排水が発生した場合には、浴槽91底部または洗い場92底部に開口した排水口13から下流へと排水され、浴槽用排水流路32内へ排水される。浴槽用排水流路32内の排水は、洗面ボウル93からの排水と合流して下水管へと排出される。本実施例では便器用排水管流路とは合流しない。
洗面ボウル用排水流路22の下流である浴槽用排水流路32内で負圧が発生した場合、洗面ボウル用排水流路22内も負圧となるが、洗面ボウル93の排水口1に取り付けられているアンブレラ状弁421が管内負圧によって弾性変形し、弁座411から離間する。アンブレラ状弁421が離間すると流入口43が開口される為、流入口43よりアンブレラ状弁421よりも上流の空気をアンブレラ状弁421よりも下流へ吸引することが可能となり、アンブレラ状弁421よりも下流で発生している負圧を解消することが可能となる。この場合には、アンブレラ状弁421は通気弁としての機能も有することとなる。なお、管内負圧が解消し、空気の吸引が終了すると、アンブレラ状弁421は弁座411に着座して流入口43を閉塞する。
【0026】
上記のように構成した第二実施例の防臭弁ユニットは、以下のように排水口1から外部に脱着可能とされる。
ユニット体4を排水口1に取り付ける際には、ホルダー部41を排水口1に挿入すると、取付部414が被取付部5に至った時にホルダー部41下端が被取付部5の凸状段差に乗り上げ、一旦内方に縮径し、取付部414の凹溝が被取付部5の凸状段差に至るとホルダー部41下端が外方に拡径し、取付部414と被取付部5が係合する。このようにしてユニット体4が排水口1に取り付けられる。
また、ユニット体4を排水口1から取り外す際には、ホルダー部41を排水口1から引き抜くが、その際は上に引き上げられる際に取付部414が被取付部5の段差に当接して乗り上げることによりホルダー部41下端が内方に一旦縮径し、取付部414が被取付部5の段差を通過すると被取付部5の係合が解除され、取付部414が排水栓部材11の内周面に沿って内方に縮径しつつ上に引き上げられてホルダー部41が排水口1から取り外される。
これらの構造により、ユニット体4は簡単に排水口1から外部へ脱着可能となる。これは専門業者ではなく使用者である一般人でも安定的に取り付けることが可能となる。
【0027】
その他の実施例として、図9に示すように、上述の防臭弁42を、弾性を有する素材からなる複数の当接面同士を互いに当接させて形成される閉塞部を有して成り、該閉塞部は、当接面の弾性により、防臭弁42に応力が発生しない状態では当接面同士が当接して流路を閉塞し、防臭弁42の上流側が下流側と比べて高圧となった際に、当接面同士が離間して流路を開口し、上流側から下流側への通過を許容するように構成した。なお、当該構成はいわゆるメンブレン弁422である。その他の構成は第一実施例と同様の構成を備えているため説明を省略する。
本実施例では、防臭弁42全体をホルダー部41内に収まるように構成している為、防臭弁42をホルダー部41によって保護することが可能となる。ホルダー部41で防臭弁42を保護することにより、ユニット体4を排水口1に脱着する際に、専門業者でなくとも誤って防臭弁42を挟んでしまったり変形させてしまったりすることなく適切かつ安定的に脱着することが出来る。
【0028】
その他の実施例として、図10に示すように、上述の防臭弁ユニットを、浴槽91排水口1に取り付ける構成とするものがある。このような場合には、浴槽用排水流路2内の排水中に石鹸等の泡が混入していたとしても、浴槽91排水口1から泡が逆流してしまうようなことがなくなる。
【0029】
その他の実施例として、図示しないが、軸部44を上下動可能且つ上昇/下降の位置を保持するための保持機構をホルダー部41内に備え、かつ軸部44上端に弁体72を着脱自在に構成することで、弁体72を押動操作する毎に弁体72を下動でき、当該弁体72の上下動により排水口1の開栓/閉栓を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 排水口
11 排水栓部材
12 段部
13 他系統の排水口
2 排水流路
21 手洗用排水流路
22 洗面ボウル用排水流路
3 他系統排水流路
31 便器用排水流路
32 浴槽用排水流路
4 ユニット体
41 ホルダー部
411 弁座
412 固定部
413 傾斜面
414 取付部
42 防臭弁
421 アンブレラ状弁
422 メンブレン状弁
43 流入口
44 軸部
5 被取付部
6 水密部材
71 カバー体
72 弁体
73 捕集部材
8 トイレルーム
81 便器
82 手洗器
9 ユニットバスルーム
91 浴槽
92 洗い場
93 洗面ボウル
94 便器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10