(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報表示システム、情報表示方法及び情報表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 17/18 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
G06F17/18 Z
(21)【出願番号】P 2020024813
(22)【出願日】2020-02-18
【審査請求日】2022-06-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年9月11日 「2019年度統計関連学会連合大会」にて発表 (大会プログラム<http://www.jfssa.jp/taikai/2019/table/program_detail/0911.html>)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年8月20日 ウェブサイト<http://www.jfsaa.jp/taikai/2019/table/program_detail/pdf/1/201-300/10234.pdf>に掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年8月20日 ウェブサイト<http://plat4.ics.hit-u.ac.jp/Quick/jfssa-2019/>に掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】593230039
【氏名又は名称】株式会社QUICK
(73)【特許権者】
【識別番号】520057542
【氏名又は名称】横内 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】宮本 類嗣
(72)【発明者】
【氏名】大槻 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】横内 大介
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/129218(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/207259(WO,A1)
【文献】特開2018-013997(JP,A)
【文献】宮本類嗣、大槻健太郎、横内大介,マルチファクターモデルの理解を促進するモデルビジュアライゼイション,JAFEE 2019 冬季大会 プログラム,日本,日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE),2020年02月05日,pp.1-9
【文献】田中綾乃、荒川正幹,回帰分析を用いた企業価値評価モデルの構築と検証,FIT2015 第14回情報科学技術フォーラム 講演論文集,日本,一般社団法人情報処理学会,2015年08月24日,第2分冊,pp.347-348(F-027)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報システムに接続される制御部を備えた情報表示システムであって、
前記制御部が、
前記情報システムから、
目的変数の変数値の変動幅に応じて変更された期間である所定期間毎に、目的変数及び複数の説明変数の変数値を取得し、
前記変数値の回帰分析を行なうことにより、前記説明変数毎の回帰係数を算出し、
前記説明変数毎に回帰係数と前記説明変数の変数値とを乗算した評価値を算出し、
前記説明変数毎に、前記目的変数の変数値に対して前記評価値を、
前記所定期間毎に比較可能に並べた比較表示を
動的に変更した動画を出力することを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記説明変数毎に、前記評価値の統計値に基づいて上位値及び下位値を算出し、
前記上位値及び下位値を用いた範囲の比較表示を行なうことを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
情報システムに接続される制御部を備えた情報表示システムを用いて、情報表示を行なうための方法であって、
前記制御部が、
前記情報システムから、
目的変数の変数値の変動幅に応じて変更された期間である所定期間毎に、目的変数及び複数の説明変数の変数値を取得し、
前記変数値の回帰分析を行なうことにより、前記説明変数毎の回帰係数を算出し、
前記説明変数毎に回帰係数と前記説明変数の変数値とを乗算した評価値を算出し、
前記説明変数毎に、前記目的変数の変数値に対して前記評価値を、
前記所定期間毎に比較可能に並べた比較表示を
動的に変更した動画を出力することを特徴とする情報表示方法。
【請求項4】
情報システムに接続される制御部を備えた情報表示システムを用いて、情報表示を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記情報システムから、
目的変数の変数値の変動幅に応じて変更された期間である所定期間毎に、目的変数及び複数の説明変数の変数値を取得し、
前記変数値の回帰分析を行なうことにより、前記説明変数毎の回帰係数を算出し、
前記説明変数毎に回帰係数と前記説明変数の変数値とを乗算した評価値を算出し、
前記説明変数毎に、前記目的変数の変数値に対して前記評価値を、
前記所定期間毎に比較可能に並べた比較表示を
動的に変更した動画を出力する手段として機能させることを特徴とする情報表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回帰分析結果を出力するための情報表示システム、情報表示方法及び情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチファクターモデルにおいて、目的変数(被説明変数)が複数の説明変数によって説明される。例えば、ファーマ-フレンチの3ファクターモデルは、株式の期待収益率のクロスセクション構造を記述するモデルである。期待収益率Rは下記式で表現される。
【0003】
【0004】
ここで、rは安全資産の金利であり、〔R-r〕は、保有資産の基体リターンを示す。αは定数項である。RMKTは市場ポートフォリオの期待収益率、HMLは簿価時価比率(PBRの逆数)に対するリスクファクター、SMBは時価総額に対するリスクファクターである。βMKT、βHML、βSMBは、市場ポートフォリオのリスクプレミアム、簿価時価比率リスクファクター、時価総額リスクファクターに対する株式固有の感応度である。εは保有資産の残差である。
また、解析結果を表示するための技術も検討されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献に記載された技術においては、注目している特定のデータを消去または移動した場合に全体の傾向がどの様に変化するかを把握できるようにする。このため、回帰分析を行って得られた傾向線を表示する。ここでは、回帰分析の対象となっているデータの内の特定データの座標を取得し、取得した座標の特定データの消去または移動を行なう。消去した特定データ以外のデータまたは移動後の特定データの値を含むデータを対象として回帰分析を行ない、回帰分析によって得られた数式を用いてグラフを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術では、複数の説明変数による回帰分析により算出された係数を出力することによって、傾向を把握することができる。しかしながら、実際に各変数が全体に与える影響の把握は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する情報表示システムは、情報システムに接続される制御部を備える。そして、前記制御部が、前記情報システムから、目的変数と複数の説明変数の変数値とを取得し、前記変数値の回帰分析を行なうことにより、前記説明変数毎の回帰係数を算出し、前記説明変数毎に回帰係数と説明変数とを乗算した評価値を算出し、前記説明変数毎に、前記目的変数の変数値に対して前記評価値を比較可能に並べた比較表示を行なう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回帰分析結果において、複数の変数における全体に対する影響を効率的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1~
図6に従って、情報表示システム、情報表示方法及び情報表示プログラムを具体化した実施形態を説明する。本実施形態では、ファーマ-フレンチの3ファクターモデルにおいて、目的変数に対する各説明変数の影響を評価して出力する場合を想定する。この3ファクターモデルの右辺第1項は定数項である。右辺第2項は、市場全体の感応度に基体リターンを乗算した値である。右辺第3項は、成長株・割安株効果のリターンである。右辺第4項は、大型株・小型株効果のリターンである。
このため、
図1に示すように、情報システム10、表示システム20を用いる。
【0011】
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、情報システム10、表示システム20を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0012】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0013】
入力装置H12は、ユーザ等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。
記憶部H14は、情報システム10、表示システム20の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶部H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0014】
プロセッサH15は、記憶部H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、情報システム10、表示システム20における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各サービスのための各種プロセスを実行する。
【0015】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0016】
(各機能部の説明)
図1に示す情報システム10は、情報を提供するコンピュータシステムである。この情報システム10は、例えば、経済指数や株価情報を提供する。
【0017】
表示システム20は、ユーザが情報システム10から取得した情報を分析するために用いるコンピュータシステムである。この表示システム20は、制御部21を備える。
制御部21は、データ取得段階、回帰分析段階、表示制御段階等の各処理等を行なう。このため、表示システム20には、情報表示アプリケーションが格納されている。情報表示アプリケーションを起動することにより、制御部21は、データ取得部211、回帰分析部212、表示制御部213として機能する。
【0018】
データ取得部211は、情報システム10から情報を取得する処理を実行する。本実施形態では、説明変数及び目的変数に関して複数の情報を取得する。
回帰分析部212は、情報システム10から取得した目的変数において、説明変数の影響を調べるために回帰分析処理を実行する。
【0019】
表示制御部213は、回帰分析結果を表示する処理を実行する。本実施形態では、平行座標プロット表示又は箱ひげ表示を行なう。
【0020】
(情報表示処理)
図3~
図6を用いて、情報表示処理を説明する。ここでは、第1グラフ表示処理、第2グラフ表示処理の順番に説明する。
(第1グラフ表示処理)
まず、
図3を用いて、第1グラフ表示処理を説明する。
ここでは、表示システム20の制御部21は、説明変数、目的変数の変数値の取得処理を実行する(ステップS1-1)。具体的には、制御部21のデータ取得部211は、入力装置H12において、ユーザが指定した分析対象期間を取得する。そして、データ取得部211は、分析対象期間について、情報システム10から目的変数の値及び説明変数の値の組み合わせを取得する。ここでは、データ取得部211は、分析対象期間を、予め定めた分割数の複数の時間帯に分割する。そして、データ取得部211は、各時間帯に属する評価対象の株式に関する情報と、全株式に関する情報との組み合わせ(回帰分析対象)を生成する。例えば、各解析期間内の複数の時間帯の期待収益率R(目的変数)に対して、説明変数として、同時間帯の安全資産の金利r、市場ポートフォリオの期待収益率R
MKT、簿価時価比率に対するリスクファクターHML、時価総額に対するリスクファクターSMBを算出する。
【0021】
ここでは、市場に存在する株式を時価総額の大小(B:上位50%、S:下位50%)と簿価時価比率の高低(H:上位30%、M:中位40%、L:下位30%)とにより6個のグループに分ける。そして、データ取得部211は、各グループについて、そのグループに属する全株式から時価総額加重平均ポートフォリオからRMKTを算出する。また、データ取得部211は、企業規模の小さいポートフォリオの平均リターン((SH+SM+SL)/3)と、企業規模の大きいポートフォリオの平均リターン((BH+BM+BL)/3)の差からSMBを算出する。また、データ取得部211は、簿価時価比率の高いポートフォリオの平均リターン((BH+SH)/2)と、低いポートフォリオの平均リターン((BL+SL)/2)の差からHMLを算出する。
【0022】
次に、表示システム20の制御部21は、回帰分析処理を実行する(ステップS1-2)。具体的には、制御部21の回帰分析部212は、回帰分析対象毎に、目的変数を説明変数の1次回帰式で説明するための回帰係数(βMKT、βHML、βSMB)を算出する。
【0023】
次に、表示システム20の制御部21は、説明変数毎に乗算処理を繰り返す(ステップS1-3)。具体的には、制御部21の表示制御部213は、各回帰分析対象において、算出した各説明変数の回帰係数(βMKT、βHML、βSMB)と、各説明変数(RMKT、HML、SMB)の説明変数値とを、それぞれ乗算した乗算値(説明変数評価値)を算出する。
【0024】
次に、表示システム20の制御部21は、平行座標プロット表示処理を実行する(ステップS1-4)。具体的には、制御部21の表示制御部213は、横軸に説明変数、縦軸に乗算値を用いた平行座標グラフを作成する。この場合、表示制御部213は、各乗算値の平均値を「0」とする。そして、表示制御部213は、平行座標グラフにおいて、各説明変数に対して、分析対象期間を構成する各時間帯(回帰分析対象)における説明変数の説明変数評価値を結んだ折れ線グラフをプロットする。そして、表示制御部213は、表示装置H13に、平行座標グラフを出力する。
【0025】
この場合、
図4に示す平行座標グラフが表示装置H13に出力される。この平行座標グラフでは、分析対象期間内の同じ時間帯の目的変数、説明変数評価値が1本の折れ線で表示される。そして、各説明変数評価値の広がりで、〔R-r〕の広がりが表示される。ここでは、目的変数に対して、3ファクターモデルの右辺の第2項~第4項及び残差が表示される。
【0026】
(第2グラフ表示処理)
次に、
図5を用いて、第2グラフ表示処理を説明する。
ここでは、表示システム20の制御部21は、ステップS1-1,S1-2と同様に、説明変数、目的変数の取得処理(ステップS2-1)、回帰分析処理(ステップS2-2)を実行する。
【0027】
次に、表示システム20の制御部21は、説明変数毎に、以下の処理を繰り返す。
ここでは、まず、ステップS1-3と同様に、乗算処理(ステップS2-3)を実行する。
次に、表示システム20の制御部21は、統計値の算出処理を実行する(ステップS2-4)。具体的には、制御部21の表示制御部213は、上位値(例えば最大値)及び下位値(例えば最小値)を算出する。更に、表示制御部213は、説明変数評価値を小さい順に並べて、四分位数を算出し、第一四分位数(25パーセンタイル)、第二四分位数(50パーセンタイル)、第三四分位数(75パーセンタイル)を算出する。
以上の処理(ステップS2-3,S2-4)を、説明変数毎に繰り返す。
【0028】
次に、表示システム20の制御部21は、箱ひげ表示処理を実行する(ステップS2-5)。具体的には、制御部21の表示制御部213は、縦軸に説明変数、横軸に統計値を用いたグラフを作成する。そして、表示制御部213は、箱ひげを生成する。ここでは、上位値及び下位値による「ひげ」を表示し、第一四分位数、第二四分位数、第三四分位数による「箱」を表示する。
この場合、
図6に示す箱ひげ図が表示装置H13に出力される。ここでは、目的変数に対して、3ファクターモデルの右辺の第2項~第4項、残差の箱ひげが表示される。
【0029】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、表示システム20の制御部21は、説明変数毎に乗算処理(ステップS1-3)、平行座標プロット表示処理(ステップS1-4)を実行する。これにより、平行座標プロットにおける目的変数値の広がりと、説明変数の評価値の広がりとを比較することにより、寄与が大きい説明変数を把握することができる。
【0030】
(2)本実施形態では、表示システム20の制御部21は、統計値の算出処理(ステップS2-4)、箱ひげ表示処理(ステップS2-5)を実行する。これにより、目的変数の箱やひげと、説明変数の評価値の箱やひげとの類似性から、目的変数に対して寄与が高い説明変数を把握することができる。
【0031】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、表示システム20の制御部21は、説明変数、目的変数の変数値の取得処理を実行する(ステップS1-1,S2-1)。ここでは、制御部21のデータ取得部211は、入力装置H12を用いて、ユーザが指定した分析対象期間を取得する。これに代えて、動的に説明変数、目的変数の変数値を取得するようにしてもよい。
【0032】
この場合には、
図7に示すように、動画表示処理を実行する。
ここでは、表示システム20の制御部21は、
図3又は
図5に示したグラフ表示処理を実行する(ステップS3-1)。
そして、表示システム20の制御部21は、更新間隔を経過したかどうかの判定処理を実行する(ステップS3-2)。具体的には、制御部21の表示制御部213は、グラフ表示処理(ステップS3-1)の実行後からの経過時間を計測する。そして、表示制御部213は、予め定められた更新間隔と経過時間とを比較する。
経過時間が更新間隔を経過していない場合(ステップS3-2において「NO」の場合)には、ステップS3-1を繰り返して待機する。
経過時間が更新間隔を経過した場合(ステップS3-2において「YES」の場合)には、グラフ表示処理(ステップS3-1)を再実行する。
これにより、平行プロット表示又は箱ひげ表示による動画を出力することができる。
なお、最も古い時間帯の回帰分析対象(目的変数、説明変数評価値)を、最新の時間帯の回帰分析対象で置き換えるようにしてもよい。
また、更新間隔は、目的変数の変動状況に応じて変更するようにしてもよい。例えば、目的変数の変動幅が基準値を超えた場合には、更新間隔を短くする。これにより、状況に応じた表示を行なうことができる。
【0033】
・上記実施形態では、表示システム20の制御部21は、説明変数、目的変数の変数値の取得処理を実行する(ステップS1-1)。この場合、データ取得部211は、分析対象期間を、予め定めた分割数の複数の時間帯に分割する。ここで、分割数を、目的変数の変動状況に応じて変更するようにしてもよい。例えば、目的変数の変動状況が基準値を超えた場合には、分割数を多くする。これにより、状況に応じた表示を行なうことができる。
・上記実施形態では、ファーマ-フレンチの3ファクターモデルにおいて、目的変数に対する各説明変数の影響を評価して出力する場合に適用した。本発明の適用対象は、3ファクターモデルに限定されるものではなく、回帰分析を行なう場合に利用できる。
【0034】
・上記実施形態では、平行座標グラフ表示と箱ひげ表示とを個別に出力する。両者を並べて表示させてもよい。
・上記実施形態では、表示システム20の制御部21は、説明変数、目的変数の変数値の取得処理を実行する(ステップS1-1,S2-1)。そして、表示システム20において、RMKT、SMB、HMLを算出する。これに代えて、他のシステムから、RMKT、SMB、HMLを直接取得するようにしてもよい。
【0035】
・上記実施形態では、表示システム20の制御部21は、統計値の算出処理を実行する(ステップS2-4)。ここで、上位値として最大値、下位値として最小値を算出する。統計値は、これらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0036】
10…情報システム、20…表示システム、21…制御部、211…データ取得部、212…回帰分析部、213…表示制御部