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  • 特許-ナースコール子機およびそのセンサ部品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ナースコール子機およびそのセンサ部品
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20231003BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61G12/00 E
H04M1/02 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019189857
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021062139
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】林 信行
(72)【発明者】
【氏名】吉川 茂樹
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-117296(JP,A)
【文献】特開2018-087592(JP,A)
【文献】実開平05-083570(JP,U)
【文献】登録実用新案第3126756(JP,U)
【文献】特開平09-053630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサヘッドと、当該センサヘッドに螺合される接触センサとを有するナースコール子機であって、
上記接触センサは、
第1の直径から成る雄ネジ部と、
上記雄ネジ部の長手方向の基端から当該長手方向に延設され、上記第1の直径よりも大きい第2の直径から成るステンレス製のセンサ部とを備え、
上記センサヘッドは、
上記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部と、
上記雌ネジ部の開口部から上記センサヘッドの外郭方向に放射状に広がる座面とを備え、
上記センサ部の上記基端を形成する基端面は、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合して上記座面に接触している接触状態か上記雌ネジ部と上記雄ネジ部との螺合が緩んで上記座面に接触していない非接触状態かによらず、上記基端面の全領域が上記座面と対向し、
上記座面は、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合したときに上記センサ部の上記基端面が接触する接触領域の少なくとも一部が、その周囲の領域とは異なる色により構成されており、当該周囲の領域は、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合したときに上記センサ部の上記基端面が接触しない、上記接触領域よりも外側の非接触領域を含むことを特徴とするナースコール子機。
【請求項2】
上記雄ネジ部は、上記基端から先端に向かう所定長さの部分が、その周囲の部分とは異なる色により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のナースコール子機。
【請求項3】
上記センサ部の上記基端面は、少なくとも一部がその周囲の部分とは異なる色により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のナースコール子機。
【請求項4】
第1の直径から成る雄ネジ部と、上記雄ネジ部の長手方向の基端から当該長手方向に延設され上記第1の直径よりも大きい第2の直径から成るステンレス製のセンサ部とを備えた接触センサを螺合させるように構成されたセンサ部品であって、
上記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部と、
上記雌ネジ部の開口部から上記センサ部品の外郭方向に放射状に広がる座面とを備え、
上記座面は、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合して上記センサ部の上記基端を形成する基端面に接触している接触状態か上記雌ネジ部と上記雄ネジ部との螺合が緩んで上記基端面に接触していない非接触状態かによらず、上記基端面の全領域が上記座面と対向し、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合したときに上記センサ部の上記基端面が接触する接触領域の少なくとも一部が、その周囲の領域とは異なる色により構成されており、当該周囲の領域は、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合したときに上記センサ部の上記基端面が接触しない、上記接触領域よりも外側の非接触領域を含むことを特徴とするセンサ部品。
【請求項5】
第1の直径から成る雌ネジ部と、当該雌ネジ部の開口部から外郭方向に放射状に広がる座面とを備えたセンサヘッドに螺合されるセンサ部品であって、
上記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部と、
上記雄ネジ部の長手方向の基端から当該長手方向に延設され、上記第1の直径よりも大きい第2の直径から成るセンサ部とを備え、
上記センサ部の上記基端を形成する基端面は、上記雄ネジ部と上記雌ネジ部とが螺合して上記座面に接触している接触状態か上記雌ネジ部と上記雄ネジ部との螺合が緩んで上記座面に接触していない非接触状態かによらず、上記基端面の全領域が上記座面と対向し、上記基端面の少なくとも一部がその周囲の部分とは異なる色により構成されていることを特徴とするセンサ部品。
【請求項6】
上記雄ネジ部は、上記基端から先端に向かう所定長さの部分が、その周囲の部分とは異なる色により構成されていることを特徴とする請求項5に記載のセンサ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナースコール子機およびそのセンサ部品に関し、特に、センサヘッドとそれに螺合される接触センサとを備えて構成されるナースコール子機に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などでは、ナースコールシステムが用いられている。ナースコールシステムは、患者または被介護者(以下、単に患者という)のベッドサイドなどに設置するナースコール子機と、ナースセンタなどに設置するナースコール親機とを備えて構成されている。この種のナースコールシステムにおいて、患者がナースコール子機の呼出ボタンを押下して呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことがナースコール親機にて報知される。
【0003】
ところで、患者の中には、意識はあっても、自力で手足を動かすことのできない者もいる。このような患者が看護師または介護者(以下、単に看護師という)を呼び出すために、息、音、タッチ、光などの手段によって呼び出しを行うことができるようにしたナースコール子機が知られている(例えば、特許文献1参照)。図4は、この特許文献1に記載された従来のナースコール子機の構成を示す図である。
【0004】
図4に示すように、特許文献1に記載のナースコール子機は、可撓性を有するフレキシブルアーム2の先端に、接触センサ4、ブレスセンサ(音センサ)5および光学式センサ6を配置したセンサヘッド3を備えている。このセンサヘッド3を、患者が自分の意志で動かせる部位の近傍(例えば、口元の近く)に位置決めすることにより、呼出ボタンを押せない患者でも呼び出しを行うことができるようになる。
【0005】
ところで、センサヘッド3の先端側にある接触センサ4を部品として取り換え可能なように、接触センサ4をセンサヘッド3に対して螺合させるように構成することがある。しかしながら、このように構成すると、経時的な使用によってネジが緩むことがある。その緩みに気づかずに放置し続けると、緩み度合が進み、検出回路との接触不良を起こして接触センサ4が正常に機能しなくなってしまうという問題があった。また、最終的には接触センサ4がセンサヘッド3から脱落してしまうという問題もあった。
【0006】
なお、継手本体の端部に設けた雄ネジとナットとを螺合して継手本体とナットとの間に装着したパッキンを圧縮し接続する管継手において、ナットの締め付け確認を容易にできるように構成した管継手が知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の管継手では、雄ネジの表面に外部から容易に判別できる着色塗料を塗布し、ナットの締め付けが行われたら着色塗料が見えなくなってナットの締め付けが行われたことを判別できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-152046号公報
【文献】実開平5-83570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のような問題を解決するために成されたものであり、センサヘッドに螺合させた接触センサを有するナースコール子機において、接触センサのネジの緩みを容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明のナースコール子機は、センサヘッドおよび当該センサヘッドに螺合される接触センサを備える。ここで、接触センサは、第1の直径から成る雄ネジ部と、当該雄ネジ部の長手方向の基端から当該長手方向に延設され第1の直径よりも大きい第2の直径から成るセンサ部とを備える。また、センサヘッドは、雄ネジ部と螺合する雌ネジ部と、当該雌ネジ部の開口部からセンサヘッドの外郭方向に放射状に広がる座面とを備える。そして、本発明では、センサ部の基端を形成する基端面が、雄ネジ部と雌ネジ部とが螺合して座面に接触している接触状態か雌ネジ部と雄ネジ部との螺合が緩んで座面に接触していない非接触状態かによらず、基端面の全領域が座面と対向するように構成し、また、センサヘッドの座面において、雄ネジ部と雌ネジ部とが螺合したときにセンサ部の基端面が接触する接触領域の少なくとも一部を、その周囲の領域とは異なるにより構成するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、センサヘッドの雌ネジ部と接触センサの雄ネジ部とがしっかりと螺合している状態では、センサ部の基端面がセンサヘッドの座面と接触する接触領域が隠れて外からは見えなくなる。一方、雌ネジ部と雄ネジ部との螺合が緩んだ状態になると、接触領域の少なくとも一部が外から見えるようになる。この接触領域の少なくとも一部は、その周囲の領域とは異なる視覚的態様により構成されているので、その存在を容易に把握することが可能である。これにより、ユーザは、接触領域の少なくとも一部が見える状態になっていることをもって、接触センサのネジの緩みを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
図2】接触センサを取り外した状態におけるセンサヘッドの先端側の構成例を示す斜視図である。
図3】センサヘッドから取り外した状態における接触センサの構成例を示す図である。
図4】従来のナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態のナースコール子機は、本体1、フレキシブルアーム2、センサヘッド30および接触センサ40を備えて構成されている。センサヘッド30は、フレキシブルアーム2に対して着脱可能に構成されたセンサ部品である。接触センサ40は、センサヘッド30に対して着脱可能に構成されたセンサ部品である。
【0013】
本体1は、患者が使用するベッド上で、患者の頭部が位置する場所の周辺に据えられる。あるいは、本体1は、患者の頭部の周辺に置かれる台などに据えられる。
【0014】
フレキシブルアーム2は、可撓性を有し、本体1に固定される基端2aから先端2bまでの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能に構成されている。フレキシブルアーム2の基端2aは、本体1の上部に固定される。また、フレキシブルアーム2の先端2bには、センサヘッド30の基端3aが接続される。
【0015】
センサヘッド30には、その胴部の中央付近にブレスセンサ(音センサ)5、光学式センサ6および呼出確認灯7が設けられている。また、センサヘッド30の先端3bには、接触センサ40が螺合される。呼出確認灯7は、センサ5,6,40の何れかが信号を検出してナースコールが行われたことを、点灯することによって患者に報知する。
【0016】
ブレスセンサ5は、コンデンサ型マイクロフォン、圧電型マイクロフォンまたは半導体容量式圧力センサの何れかを含み、患者の呼気の風圧を検出するほか、音圧の変化を検出することができるようになっている。光学式センサ6は、投光部6aと受光部6bとを備え、患者の口元や瞼など顔のわずかな動きを検出することができるようになっている。
【0017】
接触センサ40は、患者の口元に位置決めして使用される。接触センサ40は、センサヘッド30から露出する表面の全体が導電性のステンレスにより構成されたセンサ部41となっている。このセンサ部41は、円筒面と、この円筒面の先端に連続する半球面とで構成されており、円筒面および半球面の全方位から患者の接触を検出することができるようになっている。
【0018】
図2は、接触センサ40を取り外した状態におけるセンサヘッド30の先端側の構成例を示す斜視図である。図3は、センサヘッド30から取り外した状態における接触センサ40の構成例を示す図である。センサ部41の半球面が存在する先端側を接触センサ40の正面とした場合、(a)は左側面図、(b)は背面図を示す。
【0019】
図3に示すように、接触センサ40は、第1の直径R1から成る円柱型の雄ネジ部42と、第1の直径R1よりも大きい第2の直径R2から成るセンサ部41とを備えている。センサ部41は、雄ネジ部42の長手方向の基端42aから当該長手方向に延設されている。言い換えると、センサ部41の円形状の基端面41aから円柱型の雄ネジ部42が同心状に突設されている。
【0020】
図2に示すように、センサヘッド30は、その先端3bの側に、接触センサ40の雄ネジ部42と螺合する雌ネジ部31と、当該雌ネジ部31の開口部からセンサヘッド30の外郭方向に放射状に広がる座面32とを備えている。座面32はリング形状をしており、その外径R3(開口部の中心から座面32の最外周までを半径とする円の直径)は、雌ネジ部31の直径(=雄ネジ部42の第1の直径R1)より大きい。また、座面32の外径R3は、センサ部41の第2の直径R2より大きい。つまり、R1<R2<R3の関係が成り立つ。
【0021】
センサヘッド30の座面32は、接触センサ40の雄ネジ部42とセンサヘッド30の雌ネジ部31とが螺合したときにセンサ部41の基端面41aが接触する接触領域の少なくとも一部が、その周囲の領域とは異なる視覚的態様により構成されている。接触領域は、座面32のうち、内径をR1、外径をR2とするリング状領域である。
【0022】
本実施形態では、この接触領域の少なくとも一部を、座面32の他の領域とは異なる視覚的態様により構成している。具体的には、接触領域のうち最外縁に当たるリング状領域33を、座面32の他の領域とは異なる色で構成している。例えば、座面32のリング状領域33を赤色で構成し、その他の領域を白色で構成する。リング状領域33を赤色に着色するようにしてもよいし、赤色のシールを貼付するようにしてもよい。
【0023】
このように構成した場合、センサヘッド30の雌ネジ部31と接触センサ40の雄ネジ部42とがしっかりと螺合している状態では、センサ部41の基端面41aと接触するセンサヘッド30の座面32の接触領域は、センサ部41により隠されて外からは見えなくなる。よって、接触領域内のリング状領域33も外から見えなくなる。ユーザは、リング状領域33の赤色が見えないことにより、センサヘッド30の雌ネジ部31と接触センサ40の雄ネジ部42とがしっかりと螺合している状態であることを把握することができる。
【0024】
一方、雌ネジ部31と雄ネジ部42との螺合が緩んだ状態になると、接触領域内のリング状領域33が外から見えるようになる。このリング状領域33は、その周囲の領域とは異なる視覚的態様となるように赤色で構成されているので、その存在を容易に把握することが可能である。これにより、ユーザは、赤色のリング状領域33が見える状態になっていることをもって、接触センサ40のネジの緩みを容易に確認することができる。特に、本実施形態では、接触領域の最外縁に当たるリング状領域33を赤色で構成しているため、ネジがわずかに緩んだ状態でも赤色のリング状領域33が見える状態となり、接触センサ40のネジの緩みを早期に発見することが可能である。
【0025】
また、図3(a)に示すように、接触センサ40の雄ネジ部42は、その基端42aから先端42bに向かう所定長さの根本部分43が、その周囲の部分とは異なる視覚的態様により構成されている。具体的には、雄ネジ部42の根本部分43を、雄ネジ部42の他の部分(根本部分43より先端側の部分)およびセンサ部41とは異なる色で構成している。例えば、雄ネジ部42の根本部分43を赤色で構成し、その周囲の部分をステンレスの一般的な銀色で構成する。根本部分43を赤色に着色するようにしてもよいし、赤色のシールを貼付するようにしてもよい。
【0026】
このように構成した場合、センサヘッド30の雌ネジ部31と接触センサ40の雄ネジ部42とがしっかりと螺合している状態では、雄ネジ部42がセンサヘッド30の雌ネジ部31に十分に挿し込まれ、雄ネジ部42の根本部分43は雌ネジ部31により隠されて外からは見えなくなる。ユーザは、根本部分43の赤色が見えないことにより、センサヘッド30の雌ネジ部31と接触センサ40の雄ネジ部42とがしっかりと螺合している状態であることを把握することができる。
【0027】
一方、雌ネジ部31と雄ネジ部42との螺合が緩んだ状態になると、雄ネジ部42の根本部分43が外から見えるようになる。この根本部分43は、その周囲の領域とは異なる視覚的態様となるように赤色で構成されているので、その存在を容易に把握することが可能である。これにより、ユーザは、赤色の根本部分43が見える状態になっていることをもって、接触センサ40のネジの緩みを容易に確認することができる。
【0028】
また、図3(b)に示すように、センサ部41の基端面41aは、少なくとも一部がその周囲の部分とは異なる視覚的態様により構成されている。具体的には、基端面41aのうち最外縁に当たるリング状領域44を、基端面41aの他の領域とは異なる色で構成している。例えば、基端面41aのリング状領域44を赤色で構成し、その他の領域をステンレスの銀色で構成する。リング状領域44を赤色に着色するようにしてもよいし、赤色のシールを貼付するようにしてもよい。
【0029】
このように構成した場合、センサヘッド30の雌ネジ部31と接触センサ40の雄ネジ部42とがしっかりと螺合している状態では、センサヘッド30の座面32の接触領域と接触するセンサ部41の基端面41aは、座面32により隠されて外からは見えなくなる。よって、基端面41aのリング状領域44も外から見えなくなる。ユーザは、リング状領域44の赤色が見えないことにより、センサヘッド30の雌ネジ部31と接触センサ40の雄ネジ部42とがしっかりと螺合している状態であることを把握することができる。
【0030】
一方、雌ネジ部31と雄ネジ部42との螺合が緩んだ状態になると、基端面41aのリング状領域44が外から見えるようになる。このリング状領域44は、その周囲の領域とは異なる視覚的態様となるように赤色で構成されているので、その存在を容易に把握することが可能である。これにより、ユーザは、赤色のリング状領域44が見える状態になっていることをもって、接触センサ40のネジの緩みを容易に確認することができる。特に、本実施形態では、基端面41aの最外縁に当たるリング状領域44を赤色で構成しているため、ネジがわずかに緩んだ状態でも赤色のリング状領域44が見える状態となり、接触センサ40のネジの緩みを早期に発見することが可能である。
【0031】
また、本実施形態では、センサヘッド30の座面32の接触領域の最外縁に当たるリング状領域33を赤色で構成するとともに、接触センサ40の基端面41aの最外縁に当たるリング状領域44を赤色で構成している。そのため、雌ネジ部31と雄ネジ部42との螺合が緩んだ状態になると、センサヘッド30の方から接触センサ40の方を見ても、接触センサ40の方からセンサヘッド30の方を見ても、赤色の部分が見えるようになる。さらに、本実施形態では、雄ネジ部42の根本部分43も赤色で構成しているため、接触センサ40をほぼ真横の方向から見た状態でも赤色の部分が見えるようになる。これにより、接触センサ40のネジの緩みをあらゆる方向から発見しやすくすることが可能である。
【0032】
なお、上記実施形態では、周囲の領域とは異なる視覚的態様の一例として、リング状領域33,44および根本部分43を赤色で構成する例について説明したが、赤色に限定されるものではない。周囲の色と異なる色であればよく、色の違いが大きくて目立つ色であればなお良い。
【0033】
また、上記実施形態では、センサヘッド30の座面32において周囲と異なる視覚的態様により構成するリング状領域33を、接触領域の最外縁部に設ける例について説明したが、これに限定されない。例えば、最外縁部よりも内側のリング状領域を周囲と異なる視覚的態様により構成してもよい。また、接触領域の全体を周囲と異なる視覚的態様により構成してもよい。また、周囲と異なる視覚的態様により構成する領域がリング状でなくてもよく、1つまたは複数のマークであってもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、接触センサ40のセンサ部41の基端面41aにおいて周囲と異なる視覚的態様により構成するリング状領域44を、基端面41aの最外縁部に設ける例について説明したが、これに限定されない。例えば、最外縁部よりも内側のリング状領域を周囲と異なる視覚的態様により構成してもよい。また、基端面41aの全体を周囲と異なる視覚的態様により構成してもよい。また、周囲と異なる視覚的態様により構成する領域がリング状でなくてもよく、1つまたは複数のマークであってもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、接触センサ40の雄ネジ部42において根本部分43のみを周囲と異なる視覚的態様により構成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、雄ネジ部42の全体を周囲(センサ部41)と異なる視覚的態様により構成してもよい。また、雄ネジ部42の根本部分43または全体に1つまたは複数のマークを付する構成であってもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、センサヘッド30の座面32の接触領域、接触センサ40のセンサ部41の基端面41a、および接触センサ40の雄ネジ部42の根本部分43の3箇所を周囲と異なる視覚的態様により構成する例について説明したが、この中の何れか1箇所または2箇所を周囲と異なる視覚的態様により構成するようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、センサ部41の第2の直径R2よりもセンサヘッド30の座面32の外径R3の方が大きい例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、センサ部41の第2の直径R2とセンサヘッド30の座面32の外径R3とが同じであってもよい。
【0038】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
30 センサヘッド(センサ部品)
31 雌ネジ部
32 座面
33 リング状領域(周囲と異なる視覚的態様により構成される部分)
40 接触センサ(センサ部品)
41 センサ部
41a 基端面
42 雄ネジ部
43 根本部分(周囲と異なる視覚的態様により構成される部分)
44 リング状領域(周囲と異なる視覚的態様により構成される部分)
図1
図2
図3
図4