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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】油煙清浄装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20231003BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20231003BHJP
   F24F 8/95 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
F24F8/80 218
B01D46/10 D
B01D46/10 E
F24F8/80 216
F24F8/95
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019206671
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021036187
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】P 2019154172
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】原 功
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/103464(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3144942(JP,U)
【文献】特開2018-105568(JP,A)
【文献】特開2007-307508(JP,A)
【文献】特開昭62-186144(JP,A)
【文献】特開2010-234244(JP,A)
【文献】米国特許第04335705(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0094255(KR,A)
【文献】中国実用新案第208669689(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/00-8/99
F24F 7/06
B01D 46/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店のフロアに配置される油煙清浄装置であって、
空気を取り込む吸込口が上部に設けられる筐体と、
前記筐体内に配置される送風機と、
前記送風機により生じる空気流が通過する排気通路と、
前記送風機よりも上流に配置され、孔を有する円盤状の油捕集フィルタと、
前記油捕集フィルタが着脱可能に取り付けられ、前記油捕集フィルタを高速回転させるモーターと、
前記筐体の側面部および/または天面部に設けられる整流板と、を有し、
前記吸込口は、前記整流板と前記筐体との間の隙間により形成される油煙清浄装置。
【請求項2】
前記油捕集フィルタは、水平面に対して交差するように配置される請求項1に記載の油煙清浄装置。
【請求項3】
前記油捕集フィルタは、水平面に対して直交するように配置される請求項1または2に記載の油煙清浄装置。
【請求項4】
前記筐体に着脱可能に取り付けられ、前記油捕集フィルタによって捕集された油を回収する油回収部をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項5】
前記整流板は、水平面に対して交差するように配置される請求項1~4のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項6】
前記吸込口は、前記整流板の上部から前記整流板の上下方向の中央部まで形成される請求項1~5のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項7】
前記吸込口は、前記整流板の上端から前記整流板の少なくとも下端まで形成される請求項1~5のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項8】
前記筐体は、前記隙間と鉛直方向に沿って連続するスリット部を有する請求項のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項9】
前記筐体の天面には、電装品を載置する載置部が設けられ、
前記載置部は、前記整流板の低い側の一端よりも高い位置に設けられる請求項のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項10】
前記送風機よりも下流に配置される空気浄化フィルタをさらに有する請求項1~のいずれか1項に記載の油煙清浄装置。
【請求項11】
飲食店のフロアに配置される油煙清浄装置であって、
筐体と、
前記筐体内に配置される送風機と、
前記筐体の上部に位置する開口部と、
前記開口部と連通し、前記送風機により生じる空気流が通過する排気通路と、
前記送風機よりも上流に配置され、孔を有する円盤状の油捕集フィルタと、
前記油捕集フィルタが着脱可能に取り付けられ、前記油捕集フィルタを高速回転させるモーターと、
前記開口部と対向するように、前記筐体の側面部に設けられる整流板と、
前記筐体および前記整流板の間に設けられ、前記筐体の前記上部から下部に亘って形成される隙間部と、を有する油煙清浄装置。
【請求項12】
前記整流板より上方に配置される天面パネルと、
前記筐体および前記天面パネルの間に形成されるスリット部と、をさらに有し、
前記スリット部は、前記隙間部に連続して形成される、請求項1に記載の油煙清浄装置。
【請求項13】
前記整流板より下方に配置される油受け部をさらに有し、
前記油受け部は、前記隙間部の下方に形成される、請求項1または1に記載の油煙清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油煙清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店では、調理装置を使用して調理を行う際に、大量の油煙が発生する場合がある。飲食店の厨房に配置されている排気装置で捕集しきれない油煙は、客席まで届いて、客に不快感を与える。
【0003】
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、空気清浄機を用いて、空気の清浄を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-364891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の先行技術文献に開示された排気装置では、短時間でフィルタにおいて目詰まりが発生してしまい、長期にわたって油煙を清浄することが困難である。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を清浄することのできる油煙清浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る油煙清浄装置は、飲食店のフロアに配置される油煙清浄装置である。油煙清浄装置は、空気を取り込む吸込口を上部に有する筐体と、前記筐体内に配置される送風機と、前記送風機により生じる空気流が通過する排気通路と、前記送風機よりも上流に配置され、孔を有する円盤状の油捕集フィルタと、前記油捕集フィルタが着脱可能に取り付けられ、前記油捕集フィルタを高速回転させるモーターと、前記筐体の側面部および/または天面部に設けられる整流板と、を有する。前記吸込口は、前記整流板と前記筐体との間の隙間により形成される。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明に係る油煙清浄装置は、飲食店のフロアに配置される油煙清浄装置である。油煙清浄装置1は、空気を取り込む吸込口が設けられる筐体と、前記筐体内に配置される送風機と、前記筐体の上部に位置する開口部と、前記開口部と連通し、前記送風機により生じる空気流が通過する排気通路と、前記送風機よりも上流に配置され、孔を有する円盤状の油捕集フィルタと、前記油捕集フィルタが着脱可能に取り付けられ、前記油捕集フィルタを高速回転させるモーターと、前記開口部と対向するように、前記筐体の側面部に設けられる整流板と、前記筐体および前記整流板の間に設けられ、前記筐体の前記上部から下部に亘って形成される隙間部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成された油煙清浄装置によれば、モーターによって油捕集フィルタが高速回転することで、飲食店の厨房からフロアに流れ込む排空気や客席テーブルでの調理によって発生する排空気から油を好適に捕集できる。油捕集フィルタは目詰まりしにくいため、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を好適に捕集することができる。以上から、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を清浄することのできる油煙清浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る油煙清浄装置を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る油煙清浄装置を示す平面図である。
図3】第1実施形態に係る油煙清浄装置を示す正面図である。
図4】第1実施形態に係る油煙清浄装置を示す背面図である。
図5】第1実施形態に係る油煙清浄装置を示す底面図である。
図6図3の6-6線に沿う断面図である。
図7図6のA部における拡大図である。
図8】右側面パネルを省略したときの油煙清浄装置を示す斜視図である。
図9】整流板を開いたときの油煙清浄装置を示す斜視図である。
図10】整流板および正面パネルを省略したときの油煙清浄装置を示す正面図である。
図11】右側面パネルを省略したときの油煙清浄装置を示す斜視図である。
図12】油回収部の構成を説明するための分解図である。
図13】油回収部の変形例の構成を説明するための概略図である。
図14】油回収部の変形例を説明するための概略図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る油煙清浄装置を示す斜視図である。
図16】第2実施形態に係る油煙清浄装置を示す正面図である。
図17図16の17-17線に沿う断面図である。
図18】第2実施形態に係る油煙清浄装置を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図1図14を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
図1は、本発明の第1実施形態に係る油煙清浄装置1を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る油煙清浄装置1を示す平面図である。図3は、第1実施形態に係る油煙清浄装置1を示す正面図である。図4は、第1実施形態に係る油煙清浄装置1を示す背面図である。図5は、第1実施形態に係る油煙清浄装置1を示す底面図である。図6は、図3の6-6線に沿う断面図である。図7は、図6のA部における拡大図である。図8は、右側面パネル12を省略したときの油煙清浄装置1を示す斜視図である。図9は、整流板20を開いたときの油煙清浄装置1を示す斜視図である。図10は、整流板20および正面パネル11を省略したときの油煙清浄装置1を示す正面図である。図11は、右側面パネル12を省略したときの油煙清浄装置1を示す斜視図である。図12は、油回収部70の構成を説明するための分解図である。図13は、油回収部70の変形例の構成を説明するための概略図である。図14は、油回収部70の変形例を説明するための概略図である。
【0013】
以下の説明において、正面側から視て左右方向をX方向と称し、油煙清浄装置1の奥行方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する(図1参照)。
【0014】
本実施形態に係る油煙清浄装置1は、飲食店のフロアに配置される。ここで、飲食店のフロアとは、調理場を除くスペースであって、客席、階段、および出入り口等を意味する。
【0015】
本実施形態に係る油煙清浄装置1は、図1図14に示すように、空気を取り込む吸込口(隙間20A、20D、20E)および空気を排出する排出口16Cが設けられる筐体10と、筐体10の側面部および天面部に設けられる整流板20と、筐体10内に配置される送風機30と、送風機30により生じる空気流が通過する排気通路40と、送風機30よりも上流に配置される油捕集フィルタ50と、油捕集フィルタ50を高速回転させるモーター60と、油捕集フィルタ50によって捕集された油を回収する油回収部70と、送風機30よりも下流に配置される空気浄化フィルタ(吸音機構および減速機構に相当)80と、を有する。以下、各構成について説明する。
【0016】
<筐体10>
筐体10は、図1図5図8に示すように、正面側に設けられる正面パネル(化粧板に相当)11と、正面側から視て右側に設けられる右側面パネル12と、正面側から視て左側に設けられる左側面パネル13と、背面側に設けられる背面パネル14と、天面に設けられる載置部15と、下面に設けられる下面部16と、正面パネル11のY方向のプラス側に設けられるパネル傾斜部17と、正面パネル11、右側面パネル12、左側面パネル13、背面パネル14、および下面部16の内方に設けられる内面パネル18と、を有する。
【0017】
正面パネル11は、図6に示すように、Z方向において、送風機30に対応する位置に設けられる。このように正面パネル11が配置されることによって、正面パネル11が防音板として機能して客席に伝わる送風機30のファンモーター32の音を低減することができる。
【0018】
正面パネル11は、図1図3に示すように、右側面パネル12および左側面パネル13に対して、Z方向に低くなるように構成されている。正面パネル11の上方であって、右側面パネル12および左側面パネル13の間には、整流板20が配置されている。
【0019】
正面パネル11および右側面パネル12の間ならびに正面パネル11および左側面パネル13の間には、Z方向に沿ってスリット部11Aが形成される。
【0020】
スリット部11Aは、整流板20および右側面パネル12の間ならびに整流板20および左側面パネル13の間にZ方向に沿って形成される隙間20Aと、Z方向に連続するように構成される。この構成によれば、隙間20Aおよびスリット部11Aを連続的に清掃できるため、容易に清掃することができる。また、デザインの統一感により筐体10全体のデザイン性が向上する。
【0021】
ここで例えばスリット部11Aが形成されない場合、隙間20Aを介して落下した油が前面側にこぼれ出てきて見映えが悪い。これに対して、本実施形態に係る油煙清浄装置1によれば、スリット部11Aが形成されるため、隙間20Aを介して落下した油は、前面側にこぼれ出ることなく、スリット部11Aを介してZ方向の下方に落下する。このため、見栄えが悪くなることを防止することができる。
【0022】
また、整流板20の天面部および筐体10の間には、図2に示すように、Y方向に沿って設けられる隙間20D、およびX方向に沿って設けられる隙間20Eが備えられている。隙間20Dは、Y方向に沿って、整流板20のY方向のマイナス側端面からプラス側端面に形成されており、この隙間20Dと連続して、載置部15の両サイドにはスリット部14Bが形成される。隙間20Eは、X方向に沿って設けられる隙間であり、整流板20の天面部のY方向のプラス側の端部と載置部15の間に形成される。
【0023】
隙間20A、20D、20Eは、空気を取り込む吸込口として機能する。ここで、隙間20A、20D、20Eの幅は例えば10mm~20mmである。このように吸込口が隙間20A、20D、20Eによって形成されることによって、吸い込む際の流速を上げて、隙間20AからY方向のマイナス側に長い距離だけ離間した箇所からも油煙を吸い込むことができる。このためより好適に油煙を清浄することができる。また、吸込口として機能する隙間20A、20D、20Eは比較的幅が小さいため、油捕集フィルタ50を回転させるモーター60の音が外部に漏れることを抑制することができる。
【0024】
隙間20A、20D、20Eは、人の手指が奥まで入らない程度に設定されている。この構成によれば、人の手指が油捕集フィルタ50に接することがないため、安全性を担保することができる。
【0025】
また、吸込口として機能する隙間20Aは、Z方向において、整流板20の上端から整流板20の下端まで形成される。すなわち、吸込口が筐体10の上部に形成される。この構成によれば、隙間20Aは、Z方向に長く形成されるため、縦方向(油煙の落下方向)に沿って油煙を吸い込むことができる。したがって、油煙の吸込み効率を向上させることができる。なお、本明細書において吸込口が筐体10の上部に形成されるとは、整流板20の上端から整流板20の下端までの領域に限らず、筐体10の高さ方向の中央部分よりも上の部分の領域に吸込口が形成されることを意味する。
【0026】
油煙清浄装置1が客席に配置される場合、隙間20Aは、客席のテーブルの高さ(例えば70cm)よりも高い位置にあることが好ましい。この構成によれば、油煙がテーブルに接触するよりも前に、油煙を捕集することができる。
【0027】
右側面パネル12には、図1に示すように、把持可能に構成された凹状の把持部12Aが設けられている。また、左側面パネル13にも同様に、把持可能に構成された凹状の把持部(不図示)が設けられている。
【0028】
背面パネル14には、図4に示すように、電源プラグ14Aが設けられる。背面パネル14および右側面パネル12の間ならびに背面パネル14および左側面パネル13の間には、図4に示すように、スリット部14Bが形成されている。
【0029】
載置部15には、電装品(不図示)が載置される。また、載置部15は、図6図8に示すように、整流板20の低い側の一端20Bよりも高い位置にある。このように構成された油煙清浄装置1によれば、載置部15において液体(例えば飲み物)をこぼした場合、図6の矢印に沿って液体は落下するが、電装品は内面パネル18内に収容されているため、電装品に水がかかることを好適に防止することができる。また、整流板20の天面において液体をこぼした場合も同様に、電装品に水がかかることを好適に防止することができる。
【0030】
載置部15は、図9に示すように、開閉自在に構成されており、スイッチパネル15Aを覆うスイッチカバーとして機能する。スイッチパネル15Aは、油煙清浄装置1の動作を指示するためのパネルであって、例えば、運転スイッチ、風量スイッチ、タイマースイッチ、照明スイッチなどが設けられている。
【0031】
下面部16は、図5に示すように、下面本体16Aと、通気カバー16Bと、を有する。通気カバー16Bは、下面本体16Aに対して固定されている。通気カバー16Bは、例えばパンチングメタルによって構成されている。通気カバー16Bは、図5に示すように、空気を排出する排出口16Cを無数に有する。排出口16Cは、床面に向けて空気を排出するように形成されている。この構成によれば、排出口16Cを介して、床面に向けて空気を排出するので、煙が拡散することを抑制でき、客に排出された空気があたって、不快感を与えることを抑制することができる。また、排出口16Cが筐体10の下面部16に設けられているため、客の足元に排出された空気があたることを抑制でき、客に不快感を与えることを抑制することができる。
【0032】
パネル傾斜部17は、図8図11に示すように、Y方向のプラス側に沿って、Z方向の上側となるように傾斜して設けられる。このようにパネル傾斜部17が設けられることによって、隙間20Aから入る空気(特に隙間20Aの下方領域から入ってくる空気)を油捕集フィルタ50の方向へ誘導することができる(図8図11矢印参照)。
【0033】
内面パネル18は、図8に示すように、中空のL字状に構成される。内面パネル18の内方には、送風機30や空気浄化フィルタ80等が設けられる。
【0034】
筐体10の下部には脚部90が固定されている。脚部90は、4本から構成されている。このように筐体10の下部に脚部90が設けられることによって、床面と筐体10の下面部16との間のスペースを確保することができ、下面部16から空気を排気する際に好適に排気することができる。また、床面を清掃する際に筐体10と接触しにくくなるため、清掃が容易となる。
【0035】
<整流板20>
整流板20は、正面パネル11の上方であって、右側面パネル12および左側面パネル13の間に設けられる。整流板20は、図9に示すように、側面から視て、略L字状に構成されている。整流板20は、図9に示すように、内面パネル18に対して回動自在に取り付けられる。整流板20は、閉じられた状態で、整流板20および右側面パネル12の間ならびに整流板20および左側面パネル13の間に吸込口としての隙間20Aを形成する。また、整流板20は、整流板20が載置部15に当接するまで回動可能となっている。また、整流板20および正面パネル11の間には隙間20Cが形成される。隙間20cは、整流板20を回動した際に、正面パネル11と干渉しないためのクリアランスとして機能する。
【0036】
整流板20は、図1に示すように、整流板20および右側面パネル12の間ならびに整流板20および左側面パネル13の間に吸込口としての隙間20Aに指を入れて回動することによって、開閉自在に構成される。
【0037】
整流板20は閉じられることによって、正面パネル11の上方に設けられる近接センサーS(図9参照)に接触する。このとき、ファンモーター32およびモーター60の運転が許可される。一方、整流板20が開いたとき、整流板20は、近接センサーSから離間する。このとき、ファンモーター32およびモーター60の運転が停止させられる。
【0038】
整流板20の天面部は、図6図8に示すように、閉じた状態において、XY平面(水平面)に対して交差するように配置されている。この構成によれば、客が整流板20上にコップなどを置くことを抑制することができる。
【0039】
<送風機30>
送風機30は、図6図8図10図11に示すように、筐体10内に配置される。送風機30は、ファン31と、ファンモーター32と、ケーシング33と、を有する。
【0040】
送風機30は、調理場において生じた油煙を含む排空気を、隙間20A、20D、20Eを介して吸引し油捕集フィルタ50を介して取り込むとともに、筐体10の下面部16の排出口16Cから排出する(図6の白抜き矢印参照)。
【0041】
ファンモーター32の重心Gは、図6に示すように、筐体10のZ方向の高さの中央部分P1よりも下に位置する。この構成によれば、重量物であるファンモーター32が筐体10のZ方向の高さの中央部分P1よりも下に位置するため、油煙清浄装置1の重心が安定して倒れにくくなる。
【0042】
送風機30は、図6に示すように、送風機30の取込口30Aが、筐体10の背面側(Y方向のプラス側)に向くように配置される。この構成によれば、送風機30の取込口30Aが筐体10の背面パネル14によって塞がれる。したがって、送風機30の取込口30Aから客席にファンモーター32の音が伝わりにくくなるため、客席エリアの快適性を向上させることができる。
【0043】
送風機30は、図8に示すように、Z方向で隙間20Aよりも下方に設けられる。また、上述したように、Z方向で送風機30に対応する位置に、正面パネル11が設けられる。
【0044】
<排気通路40>
排気通路40は、送風機30により生じる空気流が通過する。排気通路40は、図6に示すように、油捕集フィルタ50からZ方向の下方に設けられる第1排気通路41と、送風機30の外方から下面部16の排出口16Cの間に設けられる第2排気通路42と、を有する。
【0045】
<油捕集フィルタ50>
油捕集フィルタ50は、図6に示すように、送風機30の上方に設けられる。油捕集フィルタ50は、モーター60の軸に着脱可能に取り付けられる。油捕集フィルタ50は、孔を備える円盤が高速回転することにより、調理場において生じた油煙を含む排空気から油を捕集する。油捕集フィルタ50に設けられる孔の直径は、例えば0.75~5mmである。孔の形状は円形状に限定されず、三角形、正方形、正多角形などの形状であってもよい。
【0046】
油捕集フィルタ50は、図12図13に示すように、孔を有する通気領域部51と、通気領域部51の外周に設けられる周縁部52と、を有する。
【0047】
通気領域部51は、図6図12に示すように、XY平面に対して直交するように配置される。換言すれば、通気領域部51は、Z方向に沿って配置される。
【0048】
ここで、例えば、通気領域部51がXY平面となるように、油捕集フィルタ50を配置すると、液滴の落下方向と通気領域部51の孔の貫通方向が一致するため、液滴の重力はすべて液滴が孔を通過する方向に働く。よって、液滴が孔を通過しやすくなるため、コップの飲み物をこぼした際に、モーター60に液滴がかかってしまう虞がある。
【0049】
これに対して本実施形態に係る油煙清浄装置1によれば、通気領域部51がZ方向に沿って配置されるため、液滴の落下方向と通気領域部51の孔の貫通方向が直交するため、コップの飲み物をこぼしたとしても、モーター60に液滴がかかることを好適に抑制することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、通気領域部51は、XY平面に対して直交するように配置されたが、通気領域部51は、XY平面に対して交差するように配置されてもよい。さらに、通気領域部51がXY平面に沿って配置される構成も、本発明に含まれるものとする。
【0051】
周縁部52は、図13に示すように、通気領域部51に対して屈曲して構成されている。具体的には、周縁部52は、通気領域部51に対して、Y方向のマイナス側に向けて屈曲して構成される。このように周縁部52が屈曲して構成されることによって、通気領域部51において捕集した油は、遠心力によって、Y方向のマイナス側に設けられるオイルガード71側に向けて飛ぶ。
【0052】
<モーター60>
モーター60は、油捕集フィルタ50を高速回転させる。モーター60が、油捕集フィルタ50を高速回転させる速度は、例えば230rpm(Rotation Per Minute)以上であることが好ましい。モーター60には、図13に示すように、油捕集フィルタ50がワンタッチ式の着脱機構60Aによって着脱可能に取り付けられる。
【0053】
<油回収部70>
油回収部70は、油捕集フィルタ50によって捕集された油を回収する。油回収部70は、図12図13に示すように、オイルガード71と、オイルパネル72と、オイルトレー73と、を有する。
【0054】
オイルガード71は、図12に示すように、油捕集フィルタ50のY方向のマイナス側に配置される。オイルガード71は、図12に示すように、オイルパネル72のY方向のマイナス側に配置される。
【0055】
オイルガード71は、オイルパネル72と一体となって、油捕集フィルタ50によって捕集された油を受ける油受け75を形成し、油受け75によって受けた油は、オイルトレー73に移動される。
【0056】
オイルガード71には、上部に取手71Aが取り付けられており、取手71Aを把持してY方向のマイナス側であってZ方向のプラス側にひくことによって取り外し可能に構成されている。
【0057】
以上のように構成された油回収部70によれば、油捕集フィルタ50によって捕集された油は、遠心力でオイルガード71に飛ばされて、オイルガード71およびオイルパネル72によって構成される油受け75に回収される。油受け75に回収された油は、オイルトレー73に回収される。
【0058】
なお、油回収部170は、図13に示すように、オイルガードおよびオイルパネルが一体的に構成されてもよい。このように構成された油回収部170によれば、油捕集フィルタ50によって捕集された油は、遠心力で油回収部170の上流側壁部171に飛ばされて、油回収部170に回収される。
【0059】
変形例に係る油回収部170において、油回収部170の下流側壁部172の高さは、図13に示すように、周縁部52よりも低くなるように設けられている。
【0060】
例えば、油捕集フィルタ50が図14に示すように、水平に設置されている場合、油捕集フィルタ50によって回収した油を回収するために、油回収部170の下流側壁部172を油捕集フィルタ50の下流(Z方向の下方)に設ける必要がある。このとき、油回収部170を取り外すには、先に油捕集フィルタ50を外す必要があり、手間である。さらに、油回収部170からの油だれによって、あるいは、油捕集フィルタ50に付着したままの油がZ方向の下方にたれることによって筐体10の内部が汚れてしまう虞がある。
【0061】
これに対して、上述した油回収部170によれば、油回収部170の下流側壁部172の高さは、周縁部52よりも低くなるように設けられているため、油捕集フィルタ50を取り外すことなく、油回収部170を取り外すことができる。よって簡易に油回収部170を清掃することができる。さらに、油回収部170が油だれを防ぐように構成されるため、油回収部170からの油だれによって、筐体10の内部が汚れることを好適に抑制することができる。
【0062】
なお、図13は、油捕集フィルタ50が垂直に設置されている場合を示したが、油捕集フィルタ50の角度は、油捕集フィルタ50から滴下する油が油回収部170から外れない範囲で適宜設定可能である。また、油回収部170の下流側壁部172の高さや位置は、周縁部52よりも低ければ、油捕集フィルタ50の設置角度に応じて滴下する油を回収できれば任意の位置に適宜設けることができる。
【0063】
<空気浄化フィルタ80>
空気浄化フィルタ80は、送風機30の下流(Z方向の下方)に設けられる。空気浄化フィルタ80は、送風機30から送られてきた排空気を浄化する。空気浄化フィルタ80は、図6に示すように、脱煙フィルタ81と、脱臭フィルタ82と、を有する。
【0064】
脱煙フィルタ81は、準HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどを用いることで、煙を除去する。
【0065】
脱臭フィルタ82は、脱煙フィルタ81の下流(Z方向の下方)に設けられる。脱臭フィルタ82は、活性炭などを内蔵し、空気が通り抜けるとき、空気中に含まれている臭いを吸着することで、空気から臭いを分離除去する。なお、脱煙フィルタ81および脱臭フィルタ82は、消臭剤がコーティングされており、付着した臭気成分を消臭する。
【0066】
脱煙フィルタ81および脱臭フィルタ82は、図10に示すように、フィルタカバー83の内部に配置される。フィルタカバー83を外すことによって、空気浄化フィルタ80にアクセスすることができる。
【0067】
空気浄化フィルタ80の交換の際は、フィルタカバー83を外して、交換穴から脱煙フィルタ81または脱臭フィルタ82を取り外して交換する。
【0068】
空気浄化フィルタ80は、吸音機構としても機能する。すなわち、空気浄化フィルタ80は、ファンモーター32の音を吸音することができる。
【0069】
例えば、空気浄化フィルタ80が設けられない構成である場合、ファンモーター32の音が下面部16の排出口16Cから漏れて客に不快感を与える虞がある。
【0070】
これに対して、本実施形態に係る油煙清浄装置1によれば、送風機30および排出口16Cの間に空気浄化フィルタ80が設けられているため、ファンモーター32の音が空気浄化フィルタ80において吸音されて、排出口16Cから漏れ出るファンモーター32の音を低減することができる。よって、客の快適性を向上させることができる。
【0071】
空気浄化フィルタ80は、減速機構としても機能する。すなわち、送風機30によって生じる空気流を減速する。
【0072】
例えば、空気浄化フィルタ80が設けられない構成である場合、送風機30によって生じる空気流が高速で床面に衝突することによって、床面のほこりを舞い上げて客に不快感を与える虞がある。
【0073】
これに対して、本実施形態に係る油煙清浄装置1によれば、送風機30および排出口16Cの間に空気浄化フィルタ80が設けられているため、送風機30によって生じる空気流が減速されて、床面のほこりを舞い上げることを好適に抑制することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る油煙清浄装置1は、飲食店のフロアに配置される。油煙清浄装置1は、空気を取り込む吸込口が上部に設けられる筐体10と、筐体10内に配置される送風機30と、送風機30により生じる空気流が通過する排気通路40と、送風機30よりも上流に配置され、孔を有する円盤状の油捕集フィルタ50と、油捕集フィルタ50が着脱可能に取り付けられ、油捕集フィルタ50を高速回転させるモーター60と、を有する。上記のように構成された油煙清浄装置1によれば、モーター60によって油捕集フィルタ50が高速回転することで、飲食店の厨房からフロアに流れ込む排空気や客席テーブルでの調理によって発生する排空気から油を好適に捕集できる。油捕集フィルタ50は目詰まりしにくいため、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を好適に捕集することができる。以上から、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を清浄することのできる油煙清浄装置1を提供することができる。
【0075】
また、油捕集フィルタ50は、水平面に対して直交または交差するように配置される。この構成によれば、液滴の落下方向と通気領域部51の孔の貫通方向が直交するため、コップの飲み物をこぼしたとしても、モーター60に液滴がかかることを好適に抑制することができる。
【0076】
また、油煙清浄装置1は、筐体10に着脱可能に取り付けられ、油捕集フィルタ50によって捕集された油を回収する油回収部70をさらに有する。この構成によれば、油捕集フィルタ50によって回収された油を好適に回収することができるため、筐体10の内部に油が入り込むことを好適に抑制することができる。
【0077】
また、油煙清浄装置1は、筐体10の側面部および/または天面部に設けられる整流板20をさらに備え、吸込口は、整流板20と筐体10との間の隙間20A、20D、20Eにより形成される。この構成によれば、吸い込む際の流速を上げて、隙間20AからY方向に沿って長い距離だけ離間した箇所からも油煙を吸い込むことができる。このためより好適に油煙を清浄することができる。また、吸込口として機能する隙間20A、20D、20Eは比較的幅が小さいため、油捕集フィルタ50を回転させるモーター60の音が外部に漏れることを抑制することができる。
【0078】
また、整流板20は、水平面に対して交差するように配置される。この構成によれば、客が整流板20上にコップなどを置くことを抑制することができる。
【0079】
また、吸込口は、整流板20の上端から整流板20の少なくとも下端まで形成される。この構成によれば、隙間20Aは、Z方向に長く形成されるため、縦方向(油煙の落下方向)に沿って油煙を吸い込むことができる。したがって、油煙の吸込み効率を向上させることができる。
【0080】
また、筐体10は、隙間20AとZ方向に沿って連続するスリット部11Aを有する。この構成によれば、隙間20Aおよびスリット部11Aを連続的に清掃できるため、容易に清掃することができる。また、デザインの統一感により筐体10全体のデザイン性が向上する。
【0081】
また、筐体10の天面には、電装品を載置する載置部15が設けられ、載置部15は、整流板20の低い側の一端20Bよりも高い位置に設けられる。この構成によれば、電装品に水がかかることを好適に防止することができる。
【0082】
また、油煙清浄装置1は、送風機30よりも下流に配置される空気浄化フィルタ80をさらに有する。この構成によれば、送風機30から送られてきた排空気を浄化することができる。
【0083】
<第2実施形態>
次に、図15図18を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。図15は、本発明の第2実施形態に係る油煙清浄装置2を示す斜視図である。図16は、第2実施形態に係る油煙清浄装置2を示す正面図である。図17は、図16の17-17線に沿う断面図である。図18は、第2実施形態に係る油煙清浄装置2を示す底面図である。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、筐体110の構成などが異なる。
【0084】
第2実施形態に係る油煙清浄装置2は、図15図18に示すように、筐体110と、筐体110の側面部に設けられる整流板120と、筐体110内に配置される送風機30と、送風機30により生じる空気流が通過する排気通路40と、送風機30よりも上流に配置される油捕集フィルタ50と、油捕集フィルタ50を高速回転させるモーター60と、油捕集フィルタ50によって捕集された油を回収する油回収部70と、送風機30よりも下流に配置される空気浄化フィルタ80と、筐体110の上部に位置する開口部110Hと、筐体110の上部から下部に亘って形成される隙間部100と、整流板120の上方に配置される天面パネル130と、を有する。
【0085】
送風機30、排気通路40、油捕集フィルタ50、モーター60、油回収部70、および空気浄化フィルタ80の構成は、上述した第1実施形態に係る油煙清浄装置1の構成と同様であるため、説明は省略する。
【0086】
筐体110は、図15図18に示すように、正面側から視て右側に設けられる右側面パネル112と、正面側から視て左側に設けられる左側面パネル113と、背面側に設けられる背面パネル114と、内面パネル118と、底面パネル(油受け部)119と、を有する。
【0087】
筐体110を構成する内面パネル118の上部には、図17に示すように、開口部110Hが設けられる。開口部110Hには、油捕集フィルタが配され、開口部110Hは、排気通路40に連通する。開口部110Hは、図17に示すように、整流板120の上部から整流板120のZ方向の中央部に対応する位置まで形成される。
【0088】
筐体110の側面部には、整流板120が設けられる。整流板120は、開口部110Hを覆うように配置されている。整流板120は、開閉自在に構成されている。整流板120が開いた状態において、使用者は送風機30、油捕集フィルタ50、空気浄化フィルタ80等にアクセス可能となる。
【0089】
整流板120の上方には、天面パネル130が設けられる。天面パネル130および筐体110の間には、図15に示すように、スリット部130Sが形成されている。スリット部130Sは、隙間部100の隙間100Aに連続するように形成されている。この構成によれば、スリット部130Sから開口部110Hにかけて油煙が流通する流路が形成されるため、落下方向の油煙を好適に捕集できる。
【0090】
底面パネル(油受け部)119は、図15図18に示すように、整流板120の下方に配置され筐体底面の矩形底面枠の一部を構成する。矩形底面枠は、筐体110の正面側の底面パネル119、右側面パネル112、左側面パネル113、および背面パネル114が底面視で矩形に配されることにより構成される。底面パネル119は、整流板120の下方に配置され、整流板120の直下領域から側面パネル119に達するまでの領域にわたって形成されている。すなわち、底面パネル(油受け部)119は、隙間部100の隙間100Aの下方に連続して形成される。この構成によれば、隙間部100を介して下向きに流れた油が床面に落下することを防止できる。
【0091】
隙間部100は、図15図16に示すように、筐体110および整流板120の間に設けられる。隙間部100は、図15に示すように、筐体110の上部から下部に亘ってZ方向に形成される一対の隙間100A、筐体110の上部にX方向に形成される隙間100B、筐体110の下部にX方向に形成される隙間100Cから構成され、整流板120の周囲を囲むように矩形状に形成される。
【0092】
隙間部100は、図17に示すように、上部吸込領域101と、下部吸込領域102と、を有する。上部吸込領域101は、後方に開口部110Hが形成されているため、下部吸込領域102よりも、吸込力が強い。
【0093】
以上説明したように、第2実施形態に係る油煙清浄装置2は、飲食店のフロアに配置される。油煙清浄装置2は、筐体110と、筐体110内に配置される送風機30と、筐体110の上部に位置する開口部110Hと、開口部110Hと連通し、送風機30により生じる空気流が通過する排気通路40と、送風機30よりも上流に配置され、孔を有する円盤状の油捕集フィルタ50と、油捕集フィルタ50が着脱可能に取り付けられ、油捕集フィルタ50を高速回転させるモーター60と、開口部110Hと対向するように、筐体110の側面部に設けられる整流板120と、筐体110および整流板120の間に設けられ、筐体110の上部から下部に亘って形成される隙間部100と、を有する。このように構成された油煙清浄装置2によれば、モーター60によって油捕集フィルタ50が高速回転することで、飲食店の厨房からフロアに流れ込む排空気や客席テーブルでの調理によって発生する排空気から油を好適に捕集できる。油捕集フィルタ50は目詰まりしにくいため、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を好適に捕集することができる。以上から、長期にわたって飲食店フロアにおける油煙を清浄することのできる油煙清浄装置2を提供することができる。
【0094】
また、油煙清浄装置2は、整流板120より上方に配置される天面パネル130と、筐体110および天面パネル130の間に形成されるスリット部130Sと、をさらに有し、スリット部130Sは、隙間部100に連続して形成される。この構成によれば、スリット部130Sから開口部110Hにかけて油煙が流通する流路が形成されるため、落下方向の油煙を好適に捕集できる。
【0095】
また、油煙清浄装置2は、整流板120より下方に配置される油受け部119をさらに有し、油受け部119は、隙間部100の下方に形成される。この構成によれば、隙間部100を介して下向きに流れた油が床面に落下することを防止できる。
【0096】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0097】
例えば、上述した第1、第2実施形態では、油煙清浄装置1は、油回収部70を有していたが、油回収部70が設けられていなくてもよい。
【0098】
また、上述した第1実施形態では、空気を取り込む吸込口は、整流板20と筐体10との間の隙間20A、20D、20Eによって形成されていたが、吸込口は他の構成によって形成されてもよい。
【0099】
また、上述した第1実施形態では、整流板20は水平面に対して交差するように配置されたが、整流板20は水平面に沿って設けられてもよい。
【0100】
また、上述した第1実施形態では、吸込口は、整流板20の上端から整流板20の下端まで形成されたが、整流板20の上端から整流板20の下端まで形成されておらず、整流板20の途中の部位に設けられてもよい。
【0101】
また、上述した第1実施形態では、隙間20A、20D、20Eは、人の手指が奥まで入らない程度に設定されていたが、人の手指が奥まで入る幅であってもよい。
【0102】
また、上述した第1実施形態では、筐体10は、スリット部11Aを有していたが、筐体はスリット部が設けられていなくてもよい。
【0103】
また、上述した第1実施形態では、油煙清浄装置1は、空気浄化フィルタ80を有していたが、空気浄化フィルタ80を有していなくてもよい。
【0104】
また、上述した第1実施形態では、オイルトレー73は、オイルガード71に隣り合うように配置されていた。しかしながら、オイルトレー73が配置される箇所は限定されず、筐体10内の空きスペースに設けることができる。このとき、オイルトレー73は、油煙によって汚れていないため、油の回収時に汚れることを防止できる。また、筐体10の空きスペースに設けることができるため、効率的なスペース活用が可能となる。
【0105】
また、脚部90の下方に、排出口16Cが設けられる下面部16より大きいトレーを有していてもよい。この構成によれば、排出口16Cから排出される排空気が直接床面に当たることを防止できるため、床面が結露することを防止することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 油煙清浄装置
2 油煙清浄装置
10、110 筐体
11A スリット部
15 載置部
16C 排出口
20、120 整流板
20A 隙間(吸込口)
20B 整流板の低い側の一端
30 送風機
30A 取込口
31 ファン
32 ファンモーター
33 ケーシング
40 排気通路
50 油捕集フィルタ
60 モーター
70、170 油回収部
80 空気浄化フィルタ(吸音機構、減速機構)
90 脚部
100 隙間部
110H 開口部
119 油受け部
130 天面パネル
130S スリット部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17
図18