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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】振動式部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
B65G47/14 101B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021123739
(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023019207
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】593103250
【氏名又は名称】株式会社バンガードシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110003557
【氏名又は名称】弁理士法人レクシード・テック
(74)【代理人】
【識別番号】230116447
【弁護士】
【氏名又は名称】野中 啓孝
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 成典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮太
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-165316(JP,U)
【文献】特開2011-184156(JP,A)
【文献】特開平04-072213(JP,A)
【文献】特開2016-013907(JP,A)
【文献】実開平03-018023(JP,U)
【文献】実開昭62-013927(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/32
B65G 27/00-27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝で構成される搬送路を振動させることにより、前記搬送路に沿って部品を搬送して供給する振動式部品供給装置において、
前記搬送路の一部を、略直線形状と、前記略直線形状の先に配置され、前記略直線形状の延長に対して凸部を構成している非直線形状とで構成されるものとし、前記非直線形状の一方の端を前記非直線形状に沿った壁面とすると共に他方の端に壁面を設けないことを特徴とする振動式部品供給装置。
【請求項2】
前記非直線形状が、折線状、先端が円弧の一部である折線状、放物線状、又は円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の振動式部品供給装置。
【請求項3】
前記非直線形状が、搬送される前記部品のうち、姿勢不良のものが不安定となって落下するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動式部品供給装置。
【請求項4】
前記非直線形状が、頂点角度θが120°未満の凸部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の振動式部品供給装置。
【請求項5】
前記搬送路は、ボウルの底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路を含み、かつ、前記ボウルが中心軸の周りにねじり振動を付与されることによって振動することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の振動式部品供給装置。
【請求項6】
前記他方の端が、前記ボウルの内部であって、より低い位置の前記搬送路に繋がっていることを特徴とする請求項に記載の振動式部品供給装置。
【請求項7】
前記非直線形状が、前記ボウルのらせん状の搬送路の外に設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の振動式部品供給装置。
【請求項8】
前記部品がねじであることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の振動式部品供給装置。
【請求項9】
前記非直線形状の先の前記搬送路に、前記溝に加えて、前記ねじのねじ首部分を収納する深溝が設けられていることを特徴とする請求項に記載の振動式部品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動式部品供給装置、特に微小ネジ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の物品を振動によって搬送することによって部品を供給する振動式部品供給装置が知られている。この装置により、作業者や作業機械の下に、素早く向きの揃った状態で部品を供給することができ、次の作業工程を滞りなく行うことが可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1、2では、部品をらせん状のボウルに入れて振動させることにより、部品が搬送路に沿って搬送されて供給される部品供給装置が開示されている。ここでの部品は、リベット、すなわち、頭部とねじ部のない胴部からなり、穴をあけた部材に差し込んで専用の工具でかしめることで反対側の端部を塑性変形させて接合させる部品である。
【0004】
従来の振動式部品供給装置においては、搬送路、特にシュートの入り口で部品がひっかかったり、シュートの中でつまりが生じたりして、連続して部品を供給できないという問題が生じていた(特許文献3、4)。このような問題が生じた場合は、部品のひっかかりやつまりを解消するために時間がかかるため、稼働率低下の原因となっていた。
【0005】
このような問題を解消するために、特許文献1では、頭部抑え25を設けることで、リベットの飛び出しが防止され、後続のリベットにより押し上げられることなく円滑に搬送さえることが提案されている(段落0023、図1~5など)。
【0006】
また、特許文献2では、ボウル内の搬送路の途中に、層崩し溝33、切り欠き31、くぼみ32を設けることによって部品の積み重なりを崩すことが提案されている(段落0041、図4など)。加えて、同文献では、従来例として、ボウル内の搬送路の途中に、層崩し板132を設けることが知られていたことも開示されている(図16)。
【0007】
他にも、特許文献5などのように、姿勢不良の部品にエアブローを吹き付けて搬送路から排除する機構も知られている。
【0008】
しかしながら、特許文献1、2の方法によっても、部品を一列に整列させて長時間安定的に供給し続けることは困難であり、部品の姿勢不良などによるひっかかりなどが生じて部品を供給できない供給不良が避けられなかった。また、特許文献5の方法では、機構が複雑になることから高価になるということと、エアブローに含まれる微量のオイルミストが部品を汚染してしまうという別の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平8-168926
【文献】特開平10-181850
【文献】実全平3-018023
【文献】特開昭61-291318
【文献】特開2006-335487
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、簡単な機構で安価に取付けすることができ、部品を汚染することなく、かつ、部品を一列に整列させて長時間安定的に供給し続けることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、溝で構成される搬送路を振動させることにより、搬送路に沿って部品を搬送して供給する振動式部品供給装置であって、搬送路の一部を非直線形状の迂回路とし、迂回路の一方の端を非直線形状に沿った壁面とすると共に他方の端に壁面を設けないことを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、非直線形状の迂回路が、搬送される前記部品のうち、姿勢不良のものが不安定となって落下するように配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、非直線形状の迂回路が、頂点角度120°未満の凸部を有することを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、搬送路は、ボウルの底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路を含み、かつ、ボウルが中心軸の周りにねじり振動を付与されることによって振動することを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、他方の端が、ボウルの内部であって、より低い位置の搬送路に繋がっていることを特徴とする。
【0016】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、迂回路が、ボウルのらせん状の搬送路の外に設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、前記部品がねじであることを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる一の実施形態である振動式部品供給装置は、更に、前記迂回路の先の前記搬送路に、前記溝に加えて、前記ねじのねじ首部分を収納する深溝が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡単な機構で安価に取付けすることができ、部品を汚染することなく、かつ、部品を一列に整列させて長時間安定的に供給し続ける振動式部品供給機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態である微小ねじ供給装置100の斜視図である。
図2】シュート30の全体の斜視図である。
図3】シュート30の全体の上面図である。
図4】迂回路33の他の具体例を示す図である。
図5】シュート30の深溝34部分のyz平面断面図である。
図6】ボウル20の全体の斜視図である。
図7】ボウル20の上面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施の形態について、図1~7を参照しながら説明する。
【0022】
(概略構成)
本実施形態にかかる微小ねじ供給装置100の概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、微小ねじ供給装置100の斜視図である。微小ねじ供給装置100は、全体が筐体90で覆われている。なお、図1では、説明のため、筐体90が半透明に描かれており、その内部構造まで図示している。
【0023】
微小ねじ供給装置100は、コントローラ10、ボウル20、シュート30、インデックス40を含んで構成される。筐体90は、微小ねじ供給装置100の全体を覆っており、コントローラ10、及びインデックス40の一部が取出口60から外部に露出している。
【0024】
部品である微小ねじ1は、筐体90のボウル20上に設けられた投入口50を開けることによって、直接ボウル20に投入することができる。
【0025】
ボウル20は、その底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路を有している。また、ボウル20は、振動機の上に配置されており、この振動機が振動することによって、ボウル20内の微小ねじ1にも振動が伝わるように設計されている。この振動機による振動は、微小ねじ1が搬送路に沿って進むように、回転を含む振動であることが好ましい。
【0026】
シュート30は、ボウル20のらせん状の搬送路の排出端に接続するように固定された部品であり、らせん状の搬送路を進行してきた微小ねじ1を整列させて、インデックス40に供給する機能を有する。
【0027】
インデックス40には、微小ねじ1のねじ首を収納する複数の孔がその外周に設けられた円盤が回転可能に埋設されており、シュート30から供給された微小ねじ1のねじ首はこの孔に挿入され、円盤の回転と共に円形の取出口60の下に供給される。
【0028】
作業者や作業機械は、取出口60の下に供給された微小ねじ1を取り出してねじ締めに用いることができる。
【0029】
微小ねじ供給装置100全体の電源のオンオフ、ボウル20に加えられる振動のオンオフ及び振動数の調整、インデックス40の回転速度の調整などは、コントローラ10によって操作可能となっている。
【0030】
まとめると、微小ねじ1の全体の動きは、次の通りである。ボウル20の底面に供給された微小ねじ1は、振動によってその底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路に沿って登っていき、その排出端に接続されているシュート30の搬送路32に搬送され、整列された上で、インデックス40の円盤に設けられた孔に挿入されて、円盤が回転することによって取出口60の下に供給される。
【0031】
(シュート30)
図2(a)は、本実施形態にかかる微小ねじ供給装置100に用いられるシュート30の斜視図である。図2(b)は、図2(a)をz軸時計回りに約120度回転させた斜視図である。
【0032】
シュート30には、溝で構成される搬送路32が設けられている。搬送路の中心位置に示した直線が溝を表す。搬送路32は、同じ搬送路である迂回路33、深溝34、傾斜搬送路35に接続されている。
【0033】
矢印Xは、ボウル20の排出端から、シュート30の搬送路32に微小ねじ1が搬送される流れを示している。矢印Yは、傾斜搬送路35から、インデックス40に微小ねじ1が搬送される流れを示している。
【0034】
シュート30の搬送路32の先には、非直線形状の迂回路33が配置されている。この迂回路33は、略直線である搬送路32の延長をベースラインとしたときに凸部を構成している。凸部曲線形状としては、略円弧形状であることが好ましいが、これに限定されない。
【0035】
図3は、図2のシュート30をz軸方向上方から見た上面図である。
【0036】
迂回路33の一方の端には、迂回路33に沿った壁面31が設けられており、他方の端には壁面が設けられていない。壁面が設けられているのは、搬送路32の延長をベースラインとしたときのベースライン側である。他の表現で言えば、図1でも分かるように、ボウル20の外側壁面を延長した側である。これは、図3、4でいえば迂回路33の下側に相当する。これにより、凸部の頂点付近では上側に姿勢不良の微小ねじ1が落下することになる。
【0037】
壁面31は、迂回路33の曲線形状に沿って概ね垂直上方に設けられているが、迂回路33側にせり出して傾斜している壁面、迂回路33の反対側に傾斜している壁面のいずれであってもよい。壁面31の高さは、姿勢不良の微小ねじ1に接触して排出することができる高さであれば十分である。
【0038】
また、壁面31は、連続した一様な壁面である必要はなく、姿勢不良の微小ねじ1に接触して排出することができる形状であれば足りる。例えば、壁面31の全体が細かい凸部の集合体で形成されていても良い。この場合凸部の先端が壁面として、姿勢不良の微小ねじ1に接触して排出することが可能である。
【0039】
微小ねじ1は、矢印Xの向きに搬送路32に搬送されてくるが、この時点ではまだ重なりや姿勢不良が生じている。ところが、微小ねじ1が、迂回路33に搬送されると、一方の端が壁面で他方の端が崖になっている非直線形状、すなわち、部品の搬送に不安定な搬送路となっていることから、搬送される微小ねじ1の姿勢に動きが生じ、特に姿勢不良の微小ねじ1が搬送路に乗り切れずに崖から落下する現象が生じる。これにより、迂回路33において、姿勢不良の微小ねじ1を排出し、姿勢良好なものに選別して整列することが可能となる。
【0040】
姿勢不良の微小ねじ1の例としては、重なりの生じたもの、ねじ頭の向きが搬送方向と平行でないものなどを指す。ねじ頭の向きが搬送方向と略同一又は略正反対のものは、姿勢良好である。
【0041】
このように、迂回路33により、搬送される微小ねじ1を、ねじ頭の向きが搬送方向と略同一又は略正反対のものに絞り込み整列させることができる。
【0042】
図4(a)~(c)は、迂回路33の他の具体例を示す。迂回路33の形状は、折線状、先端が円弧の一部である折線状、放物線状、円弧状など、非直線状であれば特に限定されるものではない。非直線形状とは、迂回路が全くない最短距離を進む直線形状に対する概念である。搬送路32の延長をベースラインとして見たときのベースラインとも言い換えることができる。この迂回路33の形状は、搬送される微小ねじ1のうち、姿勢不良のものが不安定となって落下するように配置されている。落下する場所は、迂回路33の凸部の頂点付近であるのが通常である。
【0043】
迂回路33の形状は、頂点角度θが120°未満の凸部を有することが好ましい。凸部の頂点角度θが小さければそれだけ迂回路33が急カーブすることになるが、それにより姿勢不良の微小ねじ1が不安定となって落下しやすくなるためである。頂点角度θは90°以上であることが好ましい。あまりに頂点角度θが小さい場合には、姿勢良好の微小ねじ1まで落下する可能性があるためである。
【0044】
迂回路33の頂点角度θの求め方は、図4に示す通りである。図4(a)では、折線状の迂回路を示している。この場合の頂点角度θは、折線が交差する角度である。図4(b)では、先端が円弧である折線状の迂回路を示している。この場合の頂点角度θは、折線の延長線が交差する角度である。図4(c)では、先端が円弧である折線状の迂回路を示している。この場合の頂点角度θは、円弧の頂点とベースラインとなる搬送路と円弧の交差点を結ぶ三角形の頂点の角度である。なお、搬送路の中心位置(溝)を基準とする。迂回路33の形状は、種々あり得るが、上記以外の形状の場合でも、同様に凸部のカーブ具合を測定するに適した頂点角度θを測定することになる。
【0045】
迂回路33は複数設けられていてもよい。
【0046】
壁面が設けられていない端、すなわち崖から落下した微小ねじ1は、ボウル20の内部であって、より低い位置の搬送路に繋がっている構造となっていることが好ましい。なお、繋がっている先としての搬送路21は、底面22も搬送路に繋がっていることから、底面22も含む概念である。これにより、姿勢不良で一旦排出された微小ねじ1であっても、より低い位置の搬送路に戻されて、再度搬送路を搬送されてくるサイクルに戻すことが可能となる。
【0047】
図1、2、6からは、シュート30が、ボウル20の排出端23に接続され、姿勢不良で排出された微小ねじ1がボウル20の内部の搬送路21、底面22に繋がっている様子が分かる。
【0048】
本実施形態にかかる微小ねじ供給装置100に用いられるシュート30においては、迂回路33の先に、溝36に加えて微小ねじ1のねじ首部分を収納する深溝34が設けられている。深溝34は、微小ねじ1のねじ首部分だけを収納するようにその大きさが調整されており、収納時において、微小ねじ1のねじ頭は、溝36に引っかかった状態のまま保持される。
【0049】
迂回路33によってねじ頭の向きが搬送方向と略同一又は略正反対のものに絞り込み整列された微小ねじ1が、この深溝34に搬送されると、ねじ首が重力によって自動的に深溝34に収容されることになる。
【0050】
図5は、図2のシュート30のうち、深溝34が形成されている部分のyz平面の断面図であり、図3のシュート30のB-B断面図である。微小ねじ1のねじ首が深溝34に収容された状態を示している。
【0051】
溝36は、微小ねじ1を安定的に搬送させる目的で、搬送路32の略中心部に形成される。溝36の形状は特に限定されないが、V字溝、U字溝、凹部溝など適宜設計することが可能である。
【0052】
シュート30は、樹脂、金属などで製作することができる。
【0053】
(ボウル20)
図6(a)は、ボウル20の全体の斜視図である。図6(b)は、ボウル20に微小ねじ1を投入して搬送させている状況を示す図である。ボウル20は、底面22と、底面22から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路21を含む。
【0054】
搬送路21のらせんを登って行った先には、排出端23がある。図5の固定孔24と図2のシュート30の固定孔37とがねじ等で固定される。このため、排出端23は、図2の搬送路32に接続されることになる。
【0055】
図6のボウル20をz軸上方から見た図が図7(a)であり、図7(b)が図7(a)のA-A断面図である。ボウル20の底面22は、投入された微小ねじ1がらせん状の搬送路21に供給されやすいように真ん中が盛り上がっている。
【0056】
ボウル20の下には、振動機が設けられており、制御された振動をボウル20に伝えることが可能である。この振動は、中心軸の周りにねじり振動を付与したものであることが好ましい。この振動により、底面22に供給された微小ねじ1は、らせん状に立ち上がる搬送路21を登っていくことが可能となる。
【0057】
(部品)
本実施形態においては、部品として微小ねじ1を例に挙げたが、部品はこれに限定されない。部品としては、一般的なねじや、ボルト、ナット、電子部品など同種の物を大量に供給する必要があるパーツであれば何でもよい。
【0058】
搬送路の形状、シュート30の形状は、部品の重さ、形状、バランスなどに応じて、姿勢不良な部品に接触して排出しやすいように適宜設計することが可能である。
【0059】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施の形態について、以下に説明する。
【0060】
(概略構成)
本実施形態にかかる微小ねじ供給装置200(図示しない。)は、コントローラ、ボウル、シュート、インデックスを含んで構成される。第1の実施形態との違いは、迂回路が、シュート30の搬送路ではなく、ボウルの底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路に設けられている点である。
【0061】
本実施形態にかかる迂回路の形状は、第1の実施形態で述べた迂回路33と基本的には同じである。この迂回路の設置方法としては、(1)ボウルを設計する際に迂回路の形状を鋳型などに反映させても良いし、(2)ボウルの底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路に後付けで迂回路を取り付けても良い。
【0062】
迂回路を取り付ける位置については、ボウルの排出端から近い位置が好ましい。ボウルの底面に近い位置に取り付けた場合、微小ねじ1を一旦迂回路で姿勢良好なものに選別して整列させたとしても、その後搬送路で搬送される距離が長いと、再び姿勢不良が発生する可能性が高くなるためである。ボウルの排出端から近い位置としては、具体的には、ボウルの排出端から微小ねじ1の全長20個分以内(例えば4cm)の距離内の搬送路が挙げられる。
【0063】
本実施形態では、迂回路が、ボウルの底面から内周面へらせん状に立ち上がる搬送路に設けられているが、これに加えて、第1の実施形態で説明したように、ボウルの排出端に接続されるシュートの搬送路にも迂回路を設けても良い。これにより、より精度高く微小ねじ1を整列させることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 微小ねじ
10 コントローラ
20 ボウル
21 搬送路
22 底面
23 排出端
24 固定用孔
30 シュート
31 壁面
32 搬送路
33 迂回路
34 深溝
35 傾斜搬送路
36 溝
37 固定用孔
40 インデックス
50 投入口
60 取出口
90 筐体
100 微小ねじ供給装置


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7