(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】製袋機、製袋方法、および、袋
(51)【国際特許分類】
B65D 75/60 20060101AFI20231003BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B65D75/60
B65D33/00 C
(21)【出願番号】P 2022566729
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016548
(87)【国際公開番号】W WO2022264652
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2021099112
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110192
【氏名又は名称】トタニ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 幹夫
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-203600(JP,A)
【文献】特開2021-046215(JP,A)
【文献】特開昭49-067788(JP,A)
【文献】特開2020-124422(JP,A)
【文献】登録実用新案第3008738(JP,U)
【文献】特開2007-030901(JP,A)
【文献】米国特許第03217871(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0059464(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
B65D 75/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離可能部分を有し、当該剥離可能部分の剥離によって開封可能な袋であって、
前記袋は、
互いに対向する第1胴部および第2胴部を備え、
前記剥離可能部分は、
前記第1および第2胴部が互いに接合されている少なくとも1つの接合領域と、
前記第1および第2胴部が当該第1および第2胴部の間に介在する剥離剤によって互いに接合されていない複数の剥離剤塗布領域と、を含み、
前記複数の剥離剤塗布領域はパターン状に存在している袋において、
前記剥離剤塗布領域は、それぞれ、三角形状を有しており、
前記剥離剤塗布領域は、それぞれ、当該剥離剤塗布領域の三角形の1つの頂点が前記袋の内方を向いている、
ことを特徴とする袋。
【請求項2】
剥離可能部分を有し、当該剥離可能部分の剥離によって開封可能な袋であって、
前記袋は、
互いに対向する第1胴部および第2胴部と、
前記剥離可能部分が剥離された後に前記袋の内部と外部とを互いに連通させるための縁と、を備え、
前記剥離可能部分は、
前記第1および第2胴部が互いに接合されている複数の接合領域と、
前記第1および第2胴部が当該第1および第2胴部の間に介在する剥離剤によって互いに接合されていない複数の剥離剤塗布領域と、を含み、
前記複数の剥離剤塗布領域はパターン状に存在している袋において、
三角形状の複数の前記接合領域と三角形状の複数の前記剥離剤塗布領域とが、平面的に交互に連続して並んでおり、前記各接合領域の三角形の1つの頂点が前記縁を向き、前記各剥離剤塗布領域の三角形の1つの頂点が前記縁とは反対側を向く、
ことを特徴とする袋。
【請求項3】
剥離可能部分の剥離によって開封可能な袋を、ウェブ状の第1胴部とウェブ状の第2胴部とを少なくとも用いて順次製造する製袋方法であって、
前記製袋方法は、
前記第1および第2胴部を前記第1および第2胴部の長手方向に搬送すること、
前記第1または第2胴部の少なくともいずれか一方の、前記剥離可能部分に対応する面領域内において、ヒートシール阻害用の剥離剤を塗布すること、
前記第1および第2胴部を、塗布された前記剥離剤が前記第1および第2胴部の間に介在するように、互いに重ね合わせること、
前記第1および第2胴部の重ね合わせ後に、前記第1および第2胴部を、前記面領域にわたって加熱および加圧して、前記剥離剤が介在していないところで互いにヒートシールすること、および、
前記第1および第2胴部のヒートシール後に、前記第1および第2胴部を当該第1および第2胴部の幅方向にクロスカットして、前記袋を成形すること、を備え、
前記剥離剤は、前記第1および第2胴部が前記幅方向にクロスカットされたときに請求項1
または請求項2に記載の袋が成形されるように、前記面領域内において、パターン状に塗布される、
ことを特徴とする製袋方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、剥離開封可能な袋を製造するための製袋機および製袋方法に関する。また、本願は、そのような袋に関する。
【背景技術】
【0002】
背貼りタイプのパウチのような袋は、互いに対向する2つの胴部を備える。さらに、袋は、2つの胴部がヒートシール(熱融着)によって互いに接合された部分であるシール部分(例えば、トップシール部分)を備える。ユーザーはシール部分を剥離することによって袋を開封することができる。
【0003】
このような袋では、シール部分のシール強度が強すぎて、ユーザーの年齢や性別によっては剥離するのが難しいかもしれない。ユーザーが力をシール部分にかけすぎて袋が破れたり、内容物が散乱したりする可能性もある。そこで、特許文献1-3などに開示の通り、袋を剥離開封容易にするための様々な技術が開発されている。
【0004】
このような袋を、2つのウェブ状の胴部から順次製造する製袋機も知られている。製袋機は、ヒートシール装置によって、当該胴部を互いにヒートシールして、上記のようなシール部分を形成する。
【0005】
ところで、特許文献4-6は、製袋において、メジウムインキなどの剥離剤を用いてヒートシールを阻害することを開示している。特許文献4,5では、ウェブ状の2つの胴部が互いにヒートシールされる前に、剥離剤を2つの胴部の少なくともいずれか一方の内面の所定領域に予め塗布する。これらの胴部は、剥離剤が介在するところでは、剥離剤によって互いにヒートシールされるのが阻害され、互いに接合されない。その結果、これらの胴部は、剥離剤が介在しないところでだけ互いにヒートシールされる。このような技術は、特許文献4では、収容スペースの画定に利用され、特許文献5,6では、袋の注入口または注出口の画定に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-12519号公報
【文献】特開2019-38557号公報
【文献】特開2016-49978号公報
【文献】特開2005-47041号公報
【文献】特開2014-162520号公報
【文献】特開2020-63064号公報
【発明の概要】
【0007】
本願は、剥離開封が容易な袋を、剥離剤を利用して製造することを提供する。また、本願は、そのような袋を提供する。
【0008】
本願の一態様によれば、剥離可能部分の剥離によって開封可能な袋を、ウェブ状の第1胴部とウェブ状の第2胴部とを少なくとも用いて順次製造する製袋機が提供され、
前記製袋機は、
ヒートシール阻害用の剥離剤を、前記第1または第2胴部の少なくともいずれか一方の、前記剥離可能部分に対応する面領域内において、パターン状に塗布する塗布装置と、
前記第1および第2胴部を、当該第1および第2胴部の長手方向に搬送し、かつ、塗布された前記剥離剤が前記第1および第2胴部の間に介在するように互いに重ね合わせる搬送装置と、
前記第1および第2胴部の重ね合わせ後、前記第1および第2胴部を、前記面領域にわたって加熱および加圧して、前記剥離剤が介在していないところで互いにヒートシールするヒートシール装置と、を備える。
【0009】
前記製袋機は、
前記第1および第2胴部を当該第1および第2胴部の長手方向にスリットするスリット装置と、
前記ヒートシール装置および前記スリット装置の下流に設けられ、前記第1および第2胴部を、当該第1および第2胴部の幅方向にクロスカットして、クロスカットの度に2つ以上の前記袋を成形するクロスカット装置と、をさらに備えてよい。
前記スリット装置は、
前記第1胴部を、当該第1胴部の長手方向に2か所でスリットして、前記第1胴部から連続状のストリップを分離するように設けられたカッター対と、
前記第2胴部を、前記カッター対による2つのスリット位置の間で当該第2胴部の長手方向にスリットするように設けられたカッターと、を備え、
前記カッター対および前記カッターによるスリットの結果生じる前記第1および第2胴部の切断縁から形成された開口縁を有する前記袋が製造されるようにしてよい。
【0010】
前記製袋機は、
前記剥離可能部分の剥離のために用いられるつまみ部が当該袋の縁に形成されるように、前記第1および第2胴部を部分的に切除する切除装置をさらに備えてよい。
【0011】
本願の別の態様によれば、剥離可能部分の剥離によって開封可能な袋を、ウェブ状の第1胴部とウェブ状の第2胴部とを少なくとも用いて順次製造する製袋方法が提供され、
前記製袋方法は、
前記第1および第2胴部を準備すること、を備え、ヒートシール阻害用の剥離剤が、前記第1または第2胴部の少なくともいずれか一方の、前記剥離可能部分に対応する面領域内において、パターン状に塗布されている。
前記製袋方法は、さらに、
前記第1および第2胴部を前記第1および第2胴部の長手方向に搬送すること、
前記第1および第2胴部を、塗布された前記剥離剤が前記第1および第2胴部の間に介在するように、互いに重ね合わせること、
前記第1および第2胴部の重ね合わせ後に、前記第1および第2胴部を、前記面領域にわたって加熱および加圧して、前記剥離剤が介在していないところで互いにヒートシールすること、および、
前記第1および第2胴部のヒートシール後に、前記第1および第2胴部を当該第1および第2胴部の幅方向にクロスカットして、前記袋を成形すること、を備える。
【0012】
前記袋が当該袋の第1胴部および第2胴部が剥離剤の介在によって互いにヒートシールされていない塗布領域を当該袋の縁の一部分に隣接して有するように、前記剥離剤がさらに塗布されてよい。
【0013】
前記剥離剤は、ドットパターン状に、または、ジグザグパターン状に前記面領域に塗布されてよい。
【0014】
本願のさらに別の態様によれば、剥離可能部分を有し、当該剥離可能部分の剥離によって開封可能な袋が提供され、
前記袋は、
互いに対向する第1胴部および第2胴部を備え、
前記剥離可能部分は、
前記第1および第2胴部が互いに接合されている少なくとも1つの接合領域と、
前記第1および第2胴部が当該第1および第2胴部の間に介在する剥離剤によって互いに接合されていない複数の剥離剤塗布領域と、を含み、
前記複数の剥離剤塗布領域はパターン状に存在している。
【0015】
前記袋は、
前記剥離可能部分が剥離されたときに前記袋の内部と外部とを互いに連通させるための開口縁をさらに備え、
前記開口縁は、前記第1胴部の第1縁および前記第2胴部の第2縁によって形成され、
前記第2縁は、前記第1縁から前記袋の外方に離れて位置し、
前記剥離可能部分は、前記第1縁から前記袋の内方に離れて位置してよい。
【0016】
前記袋は、
前記剥離可能部分が剥離された後に前記袋の内部と外部とを互いに連通させるための開口縁をさらに備え、
前記剥離可能部分が、前記開口縁から前記袋の内方に離れて位置してよい。
【0017】
前記袋は、
前記袋の縁に形成され、前記剥離可能部分を剥離するために用いられるつまみ部をさらに備え、
前記つまみ部は、
前記第1胴部に一体形成された第1つまみ片と、
前記第2胴部に一体形成された第2つまみ片と、を備え、
前記第1および第2つまみ片は、互いに接合しておらず、
前記第1および第2つまみ片は、互いに、部分的に対向する、または、全く対向していないとよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】
図2は、剥離剤の塗布およびヒートシールを説明する図である。
【
図4】
図4は、例示の剥離可能部分を部分的に示す。
【
図5】
図5Aは、別の例示の剥離可能部分を部分的に示し、
図5Bは、
図5Aの範囲T2における接合領域と剥離剤塗布領域とを示す。
【
図8】
図8Aは、さらに別の例示の剥離可能部分を示し、
図8B-8Dは、
図8Aの範囲T3の拡大図であり、例示の剥離可能部分を示す。
【
図11】
図11は、袋の胴部の例示の端縁を示す拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施形態に係る袋、製袋機、製袋方法が説明される。
【0020】
例示の製袋機が、
図1A、
図1Bに概略的に示される。製袋機は、少なくとも2つのウェブ状の胴部11,12から、袋1を順次製造する。
【0021】
胴部11,12は、プラスチックのフィルムでよい。例えば、胴部11,12は、それぞれ、一方の面が基材層で構成され、他方の面がシーラント層で構成されたラミネートフィルムでよい。基材層は、例えば、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、ONY(二軸延伸ナイロン)、PET(二軸延伸ポリプロピレン)でよい。シーラント層は、例えば、CPP(無延伸ポリプロピレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)でよい。代わりに、胴部11,12は、それぞれ、ポリエチレンなどのモノマテリアルからなってもよい。また、胴部11,12は、それぞれ、紙のベースと、当該ベースに部分的にまたは全体的にラミネートされたフィルムまたは樹脂材とからなってもよい。
【0022】
製袋機は、胴部11,12をその長手方向に搬送する搬送装置50を備える。その搬送方向は、符号X1によって示されている。搬送装置50は、搬送ローラ対500,501、アキュームユニット502、ガイドローラ503,504,および、2連式のダンサユニット505を備える。搬送装置50は、一枚の大幅のウェブ10を、搬送ローラ対500によって、原反10’から繰り出し、連続的にその長手方向に搬送して、アキュームユニット502に送り、アキュームユニット502内に一時的に滞留させる。
【0023】
さらに、搬送装置50は、ウェブ10をアキュームユニット502から、その下流に設けられた分割装置51に通過させる。分割装置51は、ウェブ10をその長手方向にスリットして胴部(胴材)11,12に分割する。したがって、ウェブ10は、一体化されたウェブ状の胴部11,12とみなすことができる。
【0024】
搬送装置50は、胴部11,12を、ガイドローラ503の位置で互いから上下方向に分離し、それから、2連式のダンサユニット505に通過させる。ダンサユニット505は、胴部11,12の搬送を、連続搬送から間欠搬送に適切に切り替える。したがって、搬送装置50は、胴部11,12を、ダンサユニット505より下流では、搬送ローラ対501によって間欠的に搬送する。すなわち、胴部11,12は、搬送と停止を繰り返す。
【0025】
搬送装置50は、ガイドローラ504の位置で、胴部11,12を互いに重ね合わせ、それから、互いに重ね合わされた状態の胴部11,12を間欠搬送する。胴部11,12の対向面は、ヒートシール(熱融着)可能な素材によって、少なくとも部分的に構成される。
【0026】
別の例示の製袋機では、分割装置51に代えて、折曲装置(図示略)を備え、ウェブ10をその長手方向にのびる折曲線に沿って折り曲げてもよい。折曲装置は、ウェブ10を折曲線に沿って折り曲げて、互いに重ね合わされたウェブ状の胴部11,12を形成してもよい。この場合、胴部11,12がそれらの一側縁(折曲縁)で互いにつながっており、その状態で搬送される。
【0027】
製袋機は、連続状のジッパーや、サイドガセット材などの付属部品2を、胴部11,12が互いに離れている区間で、胴部11/12に供給して、胴部11,12が互いに重ね合わされたときに付属部品2を胴部11,12の間に介在させる付属部品供給装置52を備えてよい。当該装置52は、付属部品としてのジッパー2を、胴部11,12の間に導入してよい。ジッパー2は、着脱自在に互いに嵌合する雄材および雌材を備え、これらが互いに嵌合した状態で導入される。
図1Aでは、2つの付属部品供給装置52が設けられて、2本のジッパー2が導入される。その後、ジッパー2は、図示されないレーザーユニットまたはシールユニットを含む溶着装置(図示略)によって、胴部11,12に溶着されてよい。
【0028】
ジッパーに代えてサイドガセット材が付属部品2として供給されてよい。さらに、サイドガセット材を折り曲げるなどといった加工を行う装置が追加で用いられてもよい。
【0029】
製袋機は、ガイドローラ504より下流に設けられ、胴部11,12を加熱および加圧することで互いにヒートシールするヒートシール装置53をさらに備える。
図1Aのヒートシール装置53は、胴部11,12の間欠搬送の度に、胴部11,12を、加圧および加熱し、胴部11,12の長手方向及び/又は幅方向に、互いにヒートシールする。後に詳述される通り、ヒートシール装置53および塗布装置54の協働によって、袋1の剥離可能部分3(
図3A,
図3Bなど参照)が形成される。
【0030】
ヒートシール装置53は、胴部11,12をその長手方向にヒートシールする縦ヒータ、及び/又は、胴部11,12をその幅方向にヒートシールする横ヒータを含んでよい。
図2は、
図1Aの範囲P1における胴部11の概略平面図である。縦ヒータが、加熱されたヒートシールバーを用いて、2つのジッパー2の間において胴部11,12の長手方向にのびる2つの加熱範囲Qで、胴部11,12を加熱および加圧してヒートシールする。また、図示されていないが、横ヒータが、加熱されたヒートシールバーを用いて、胴部11,12を、その幅方向に加熱および加圧してヒートシールする。
【0031】
さらに、製袋機は、胴部11,12をその長手方向にスリットするスリット装置55を備えてよい。例えば、スリット装置55は、ヒートシール装置53の下流に配置されたカッター550(
図1B)を備え、胴部11,12が搬送される際にカッター550によってスリットされて2列に分割される。そのスリット位置は、例えば、
図2の符号S1によって示されるように、2つの加熱範囲Qの間である。
【0032】
製袋機は、胴部11,12を、その幅方向にクロスカットするクロスカット装置56をさらに備える。クロスカット装置56は、スリット装置55およびヒートシール装置53よりも下流に配置される。クロスカット装置56は、胴部11,12の間欠搬送の度に、胴部11,12、および、ジッパー2を、カッターによって胴部11,12の幅方向にクロスカットする。それにより、胴部11,12およびジッパー2の切り離された部分から、袋1が成形される。そのクロスカット位置は、胴部11,12が横ヒータによってヒートシールされた範囲内である。
図1Aは、クロスカットの度に、2つの袋1が成形される2列製袋を示す。
【0033】
したがって、袋1は、
図3Aの通り、互いに対向する枚葉の胴部11,12を備える。袋1は、さらに、胴部11,12の間に位置し、かつ、胴部11,12の幅に渡って延在するジッパー2を備える。さらに、袋1は、袋1の両側縁に沿って形成されたサイドシール部分13と、ジッパー2と縁15との間でこれらから間隔をあけて位置し、胴部11,12の幅方向に渡って延在する剥離可能部分3とを備える。
【0034】
サイドシール部分13は、ウェブ状の胴部11,12が、ヒートシール装置53(横ヒータ)によって互いにヒートシールされた部分である。すなわち、サイドシール部分13内では、胴部11,12が全面にわたって互いに接合されている。剥離可能部分3は、後に詳述される通り、塗布装置54およびヒートシール装置53(縦ヒータ)によって形成される。縁14は、ウェブ状の胴部11,12のそれぞれの一側縁から形成される。縁15は、ウェブ状の胴部11,12がスリット装置55によってスリットされた結果生じる切断縁から形成される。
【0035】
図3Aでは、縁14および縁15は開口縁となっている。クロスカット後に、充填装置(図示略)が、内容物を袋1の内部16に開口縁14を通じて充填してよい。それから、充填装置は、胴部11,12を縁14に沿ってヒートシールしてボトムシール部分を形成し、それによって、縁14を閉じてよい。
【0036】
図3Aの剥離可能部分3は、胴部11,12の端縁110,120によって形成される開口縁15から少しだけ離れて位置しており、剥離可能部分3と縁15との間の領域は、胴部11,12が互いに接合されていない非接合領域となっている。したがって、胴部11,12を開口縁15からめくることができる。
【0037】
図3Bは、
図3Aの範囲T1の拡大図である。剥離可能部分3は、
図3Bの通り、少なくとも1つの接合領域30と複数の剥離剤塗布領域31(以下、単に塗布領域)とからなる。
【0038】
接合領域30内では、胴部11,12がヒートシール装置53によって加圧および加熱されて互いにヒートシールされている。したがって、接合領域30は、胴部11,12が互いに接合されている領域である。
図3Bの接合領域30は、実質的に矩形状の外輪郭を有しており、接合領域30は、袋1の内部16と外部との縁15を通じた連通を遮断するシール部分として機能する。
【0039】
塗布領域31内では、ヒートシールの阻害用の剥離剤32(
図2A,
図9B)が胴部11,12の少なくとも一方の内面に塗布された結果、胴部11,12の間に介在している。剥離剤32の介在ゆえに、胴部11,12は互いにヒートシールされていない。したがって、塗布領域31は、胴部11,12が互いに接合されていない領域である。
【0040】
複数の塗布領域31はパターン状に存在している。
図1Bでは、複数の塗布領域31が、ドットパターン状に存在している。各領域31は、接合領域30に全体的に包囲されるように存在し、円形の輪郭(ドット形状)を有している。
【0041】
図3Aの袋1では、例えばユーザーが、胴部11/12を開口縁15からめくって剥離可能部分3を剥離することで、袋1の内部16と外部とを、開口縁15を通じて互いに連通させることが、すなわち袋1を開封することができる。さらに、ジッパー2によって、袋1の自由な再開封が可能である。
【0042】
複数の塗布領域31が剥離可能部分3内で散在していることで、剥離可能部分3全体としての接合強度(シール強度)が、剥離可能部分全体がシール部分である場合に比べて弱くなっている。したがって、剥離可能部分3の剥離が容易であり、袋1を開封しやすい。
【0043】
以下、このような剥離可能部分3を形成する方法が例示される。
【0044】
再び、
図1A,
図1Bを参照して、製袋機は、ヒートシール装置53より上流に設けられて、剥離剤32を胴部11及び/又は12に塗布する塗布装置54を備える。塗布装置54は、剥離可能部分3の接合強度の調整のために、剥離剤32を塗布する。
図1Aでは、塗布装置54は、例えばインクジェットプリンタを備えてよく、胴部11及び/又は12(ウェブ10)が連続搬送される区間にて、インクジェット方式で剥離剤32を、ウェブ10(一体化した胴部11,12)に印刷する。
【0045】
塗布装置54は、インクジェットプリンタに代えて、スタンプを備えてよく、例えば、胴部11,12が間欠搬送される区間で、間欠搬送の度に胴部11及び/又は12にスタンプを押し付けて剥離剤32を胴部11及び/又は12に転写してもよい。
【0046】
剥離剤32は、例えば、特許文献3-6に開示されているような剥離性のインク、より具体的には透明なメジウムインキでよい。剥離剤32として、その融点が胴部11,12の対向面(ヒートシールされることとなる)を構成する素材の融点より高いものが用いられる。
【0047】
塗布装置54は、胴部11,12の少なくともいずれか一方の、各袋1の剥離可能部分3に対応する面領域内において、剥離剤32をパターン状に塗布する。例えば、
図3Bの袋1の場合、塗布装置54は、
図2の通り、剥離剤32をドットパターン状に塗布する。
【0048】
それから、胴部11,12が搬送装置50によってガイドローラ504の位置で互いに重ね合わされると、パターン状に塗布された剥離剤32は、剥離可能部分3に対応する胴部11の面領域と、剥離可能部分3に対応する胴部12の面領域の間に介在する。
【0049】
それから、ヒートシール装置53(例えば縦ヒータ)が、胴部11,12を上記面領域にわたって加熱および加圧する。このために、加熱範囲Q(
図2)の位置が予め調整されている。さらに、加熱の温度は、胴部11,12の対向面を構成する素材の融点よくも高く、かつ、剥離剤32の融点よりも低く設定されている。
【0050】
このようなヒートシール装置53による加熱および加圧の結果、胴部11,12は、剥離剤32が介在していないところでは、互いにヒートシールされる。一方、胴部11,12は、剥離剤32が介在しているところでは、互いにヒートシールされない。すなわち、ヒートシール装置53の加熱範囲Qのうち、剥離剤32が介在していないところで、接合領域30が形成される。一方、剥離剤32が介在しているところは、剥離可能部分3の接合強度を弱める塗布領域31になる。こうして、剥離可能部分3が形成される。
【0051】
剥離可能部分3が、
図3Aの通り、縁15から離れて位置するように、剥離剤32の塗布範囲および加熱範囲Qが、
図2の通り、スリット位置S1(すなわち、縁15に対応する位置)から離されている。
【0052】
上記のような剥離剤32のパターン状の塗布は、そのドット(したがって各塗布領域31)の大きさや、その密度を、例えば塗布装置54の制御によって変更することで、剥離可能部分3の接合強度を調整することができるという、利点を有する。ドット形状(塗布領域31の輪郭形状)は、円形の他、三角形、四角形(菱形を含む)といった多角形など任意の形状でよい。
【0053】
剥離剤32がパターン状に塗布された胴部11及び/又は胴部12が塗布装置54によってインラインで準備されている。これに代えて、剥離剤32が予めパターン状に塗布された原反10(胴部11及び/又は胴部12)が製袋機の運転前に準備されてよい。この場合、塗布装置54は省略される。
【0054】
以下で、さらなる例示が説明される。
【0055】
図4、
図5Aの通り、塗布パターンに方向性を持たせてもよい。
【0056】
図4に、さらに別の例示の剥離可能部分3が部分的に示されている。なお、接合領域30と塗布領域31の区別のために、塗布領域31にハッチングが付されている。ハッチングは袋1のデザインではない(以下同様)。
【0057】
三角形状の接合領域30と三角形状の塗布領域31とが、平面的に、具体的には袋1の縦横方向に交互に連続して並ぶ剥離可能部分3が形成されるようなドットパターンで、剥離剤32が塗布される。接合領域30の三角形の頂点は開口縁15を向く一方、塗布領域31の三角形の頂点が開口縁15と反対側を向く。これにより、剥離開封時の剥離可能部分3の最外縁における接合比率が小さくなるので、より開封しやすくなる。
【0058】
塗布パターンはドットパターンの他、ジグザグパターンなどでもよい。
図5Aに、さらに別の例示の剥離可能部分3が部分的に示されている。剥離剤32がジグザクパターン状に塗布された結果、ジグザグ状の接合領域30とジグザグ状の塗布領域31とが、それぞれ袋1の幅方向に延在し、かつ、袋1の外内方向に交互に並んでいる。剥離可能部分3を縁15側から開封するとき、その開封力がジグザグ形状の頂部に集中し、より開封しやすくなる。
【0059】
図5Bは、
図5Aの範囲T2を拡大して示す。接合領域30と塗布領域31とのジグザグ状の境界線において、開口縁15に対して近位の頂部R1が小さいR形状(曲率)を有する一方で、開口縁15に対して遠位の頂部R2が大きいR形状を有するとよい。これは、縁15側からの開封時に、開封力を、小さい曲率の頂部R1に集中させることで開封しやすくなる。一方。曲率の大きい頂部R2での接合力が、袋の内側からの圧力に対抗して、破袋しにくくなる。
【0060】
剥離剤32の塗布によって頂部R1,R2の曲率を決定することができ、それにより、特定の方向からの袋1の開封のしやすさを調整できるという、利点がある。
【0061】
なお、上述の剥離可能部分3は、袋1の幅全体に渡って延在している。
図6A,
図6Bの袋1では、剥離可能部分3(前述の袋と同様に領域30,31からなる)が、袋1の幅に対して部分的に存在する。剥離可能部分3にハッチングが付されている。
【0062】
このために、塗布装置54は、剥離剤32を、胴部11及び/又は胴部12の、袋1の幅よりも狭い面領域内でパターン状に塗布する。ヒートシール装置53の縦ヒータによって加熱された領域のうち、前記面領域を除く部分は、胴部11,12が全面的にヒートシール(接合)されたトップシール部分17となる。なお、塗布パターン(塗布領域31のパターン)は、任意である。
【0063】
このような袋1は、剥離可能部分3が剥離されることで形成される開口部18の大きさを制限する。内容物がこぼれにくい袋といった、用途に応じて使い勝手のよい袋を提供することができる。
【0064】
図6A,
図6Bの比較から明らかな通り、剥離剤32がパターン状に塗布される範囲を変更することで、剥離可能部分3(したがって、開口部18)の袋1に対する位置や大きさを調整可能である。
【0065】
剥離可能部分3が
図7Aのように縁15に隣接して存在するように、塗布範囲、加熱範囲Q、スリット位置S1が設定されてもよい。さらに、縁15の一部分に隣接する追加の塗布領域33が形成されるように、剥離剤32がさらに塗布されている。この塗布領域33は、縁15および接合領域30によって境界付けられる。この領域33全体において、剥離剤32が胴部11,12の間に介在しているので、胴部11,12はこの領域33において互いに接合されていない。縁15のうち、塗布領域33に隣接する部分だけが開口する。したがって、ユーザーは塗布領域33に指をかけることができる。これは、袋1の剥離開封の開始を容易にする。この袋1では、剥離可能部分3は、塗布領域33から袋1の内方に放射状に剥離されていく。
【0066】
図7Bにおいて、袋1を塗布領域33から放射状に開封する際、ラインL1よりもラインL2のほうが塗布率が低いので、接合強度が高い。開封する際、最初は容易に開封出来(ラインL1)、徐々に開封に要する力は大きくなるものの(ラインL1)、つまみしろも大きくなり、袋1の内部16まで開封することが出来る。
【0067】
図8Aの袋1の通り、剥離可能部分3は、袋1の角部に、したがって袋1の側縁および端縁に隣接するように形成されてもよい。
図8Aの剥離可能部分3は、矩形状ではなく、例えば実質的にL字形状を有し、トップシール部分17とサイドシール部分13とに隣接する。この袋1では、剥離可能部分3を袋1の角部から剥離開始することができる。この場合、塗布装置54が、ウェブ状の胴部11,12の少なくともいずれか一方の、各袋1の当該角部に対応する面領域内に、パターン状に塗布する。塗布パターンは、ドットパターン、ジグザグパターンなど任意である。
【0068】
例えば、
図8Bは、
図8Aの範囲T3を拡大したものであって、剥離可能部分3の一例を示す。剥離剤32が三角形状のドットパターンで塗布された結果、三角形状の接合領域30と三角形状の塗布領域31が互いに交互に平面的に並んでいる。接合領域30の三角形状の頂点が角部の頂点側を向く一方、塗布領域31の三角形状の頂点が、角部の頂点と反対側を向く。これにより、袋1の角からの剥離可能部分3の剥離が容易になることは、
図4の袋1と実質的に同じである。
【0069】
図8Cの通り、袋1の角部の頂部に、
図7Aと同様の追加の塗布領域33が形成されてよい。ユーザーが胴部11,12を塗布領域33においてつまんでめくることができ、袋1の角から剥離を容易に開始することができる。このために、剥離剤32が、ウェブ状の胴部11,12の少なくとも一方の、各袋1の角部の頂部に対応する面領域全体に塗布される。
【0070】
図8Dの通り、ドットが規則的に並んでいる必要はなく、ランダムに散在するパターンでもよい。これは、他の例示の袋でも同様である。
【0071】
以上のように、剥離剤の塗布パターンを、例えば塗布装置54の制御によって変更することで、接合強度や、特定方向からの剥離容易性といった、剥離可能部分3の開封に関連する特性を調整できる、という利点がある。
【0072】
なお、
図1Aの製袋機は、2列製袋であったが、1列製袋でも、3列以上の多列製袋でもよい。剥離剤32のパターン状の塗布は、
図1A,
図1Bの製袋以外の種々の製袋に適用されてよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、剥離可能部分3を形成するヒートシールステップが、内容物を袋1に充填するステップの後に実施される。例えば、ヒートシールバー付きのヒートシール装置を含む充填装置(図示略)が、充填後に、胴部11,12を互いにヒートシールして剥離可能部分3を形成してよい。
【0074】
例えば、縁14がウェブ10の折曲げにより生じる折曲縁から形成される場合、充填装置が、内容物を、開口縁15を通じて袋1に充填した後、胴部11,12を開口縁15に沿ってヒートシール(加熱および加圧)して、上述の剥離可能部分3を形成する。
【0075】
典型的な製袋では、充填装置よりも上流のヒートシール装置が、矩形状の袋をその三方の縁に沿ってヒートシールし、充填装置が、残りの一縁を通じて内容物を袋に充填し、それから、当該袋をその残りの一縁に沿ってヒートシールして密閉する。この場合、この残りの一縁を、袋の開封後に袋の内部と外部とを互いに連通させる開口縁として機能させることが多い。したがって、充填装置(そのヒートシール装置)が、充填後に、ヒートシールバーで袋1を当該残りの一縁に沿ってヒートシールして密閉する際に、剥離可能部分3を当該ヒートシールによって形成してよい。そして、そのために、塗布装置54が、予め、剥離剤32を胴部11及び/又は胴部12の対応する面領域に塗布する。
【0076】
以下、追加の特徴が説明される。
【0077】
図9Aの通り、胴部12の端縁120が胴部11の端縁110から袋1の外方に離れて位置し、互いにずれた端縁110,120によって開口縁15が形成されてもよい。剥離可能部分3が端縁110から袋1の内方に離れて位置してよい。
図9Bは、
図9Aの袋1のある位置における部分縦断面である。
図9Bの通り、端縁110,120のずれによって段差150が形成されるので、胴部11,12を開口縁15からめくりやすくなる。したがって、より開封しやすい袋1が提供される。剥離可能部分3における剥離剤32の塗布パターンは任意である。
【0078】
【0079】
カッター対551は、不図示のフレームに支持されており、互いに胴部11,12の幅方向に間隔をあけて位置する(
図10D参照)。カッター対551は、それぞれ、回転可能にフレームに支持された円形刃であるがこれに限られない。
図10Cの通り、アーム552がその基端においてフレームに支持されている。カッター台553が、その一側においてアーム552の先端に支持されて、胴部11,12の間に位置している。上側の胴部11がカッター対551とカッター台553とに挟まれている。また、基台554が下側の胴部12の下に配置され、胴部12を受けている。
【0080】
図10Eは、
図10Aの範囲P2の拡大図である。上記構成によれば、胴部11、12の搬送に伴い、胴部11,12のうち胴部11だけがカッター対551によって2か所でその長手方向にスリットされ、胴部11から連続状のストリップ111が分離される。そのスリット位置は、符号S2によって示されており、
図2と同様に2つの加熱範囲Qの間である。連続状のストリップ111は、巻取ユニット(図示略)によって巻き取られ廃棄される。その結果、胴部11が2列に分割される。
【0081】
その後、ヒートシール装置53より下流に設けられた
図1Bの別のカッター550によって、胴部11,12の搬送に伴い、胴部12が、一対のカッター対551による2つのスリット位置S2の間で、胴部12の長手方向にスリットされ、2列に分割される。したがって、胴部11のスリット位置S2と、胴部12のスリット位置とがその幅方向に互いにずれている。
【0082】
これにより、ウェブ状の胴部11のスリットにより生じる切断縁から、袋1の端縁110が形成され、かつ、ウェブ状の胴部12のスリットにより生じる切断縁から、端縁110に対してずれた袋1の端縁120が形成される。したがって、互いにずれた端縁110,120によって形成された開口縁15を有する
図9Aの袋1が製造される。
【0083】
なお、胴部11の確実なスリットのために、カッター台553がカッター対551の刃を受ける溝を有してよい。
【0084】
図11は例示の端縁110,120を開示する。胴部11,12がプラスチックフィルムといった樹脂で形成されている場合、端縁110,120を加熱して溶融し、その厚みを増大させかつ丸みを帯びた形状にしてよい。これにより、袋1をさらに開封しやすくなる。このような加熱のために、国際公開番号WO2019/123876A1に開示された技術が適用されてよい。
【0085】
図12A-
図12Cの通り、袋1は、剥離可能部分3の剥離のために用いられるつまみ部4をその縁に有してもよい。剥離可能部分3における塗布パターンは任意である。
【0086】
つまみ部4は、剥離可能部分3に隣接して設けられる。つまみ部4は、胴部11に一体的に形成されたつまみ片41と、胴部12に一体的に形成されたつまみ片42とからなる。つまみ片41,42は互いに接合されていない。つまみ片42は、つまみ片41と対向しない部分を少なくとも部分的に有する。ユーザーは、つまみ片41,42をつまんで胴部11,12をめくることができる。したがって、剥離可能部分3の剥離がさらに容易になる。
【0087】
図12Aでは、袋1の胴部11,12が、それぞれ、その角部の頂部において、三角形状に切り欠かれることで、つまみ片41,42が形成されている。
図12Aでは、つまみ片41,42は、それぞれ略三角形状を有し、互いに全く対向しないようにずれて形成されている。
【0088】
図1Aの製袋機は、
図12Aのようなつまみ部4付きの袋1を製造する場合、ウェブ状の胴部11,12を部分的に切除する切除装置(図示略)を備えてよい。例えば、切除装置は、ヒートシール装置53より上流の区間で、ウェブ状の胴部11,12をそれぞれ、トムソン刃、またはパンチ刃を用いて打ち抜いて部分的に切除して、
図9Aのつまみ片41,42(したがって、つまみ部4)が袋1の縁に形成されるようにする。
【0089】
図12Bのつまみ片41,42も、それぞれ、胴部11,12がその角部の頂部において切り欠かれることで形成される。つまみ片41,42が互いに部分的に対向している。例えば、製袋機が
図12Bの袋1を製造する場合、その切除装置は、上記と同じようにウェブ状の胴部11,12をそれぞれ打ち抜いて部分的に切除して、つまみ片41とつまみ片42が袋1の縁に形成されるようにする。さらに、つまみ片41,42同士がヒートシール装置53によって互いにヒートシール(接合)されないように、剥離剤32が、ウェブ状の胴部11,12の少なくともどちらか一方の、つまみ片41,42同士の対向部分に対応する面領域全体に塗布される。
【0090】
図12Cの胴部11,12は、それぞれ出っ張った部分を有しており、その部分によってつまみ片41,42が形成されている。つまみ片41,42は、互いに全く対向しないように、つまみ片41が端縁の端に形成され、つまみ片42が側縁の端に形成されている。
【0091】
以下の参考例は、剥離剤を用いずに、ジグザグパターン(例えば、
図5Aまたは
図5Bのようなジグザグパターン)の非接合領域を有する剥離可能部分を形成する。参考例は、以下の形状のシールバーを用いる。このシールバーの一側の面は、ジグザグパターンの塗布領域31と同様のパターンの平坦な凹面部分と、塗布領域31のジグザグパターンに相補的なパターン(したがって、接合領域30と同様のパターン)の平坦な凸面部分とからなる。この凸面部分が、胴部に押し付けられるヒートシール面として機能する。このようなヒートシールバーは、その一つの面にジグザグパターンを刻設することによって形成されてよい。
【0092】
当該ヒートシールバーを用いてヒートシールをすると、平坦な凸面部分だけが胴部に接触し、凹面部分は胴部に接触しない。したがって、凸面部分の形状の接合領域と、凹面部分の形状の、したがってジグザグパターンの非接合領域とからなる剥離可能部分が、上記の実施形態と実質的に同様に形成される。
【0093】
例えば、凹面部分と凸面部分の境界が、
図5Bと同様に、袋の開口側とその反対側でR形状(曲率)の大きさが互いに異なる頂部を有しているとよい。このようなヒートシールバーで形成された剥離可能部分は、袋を、外側から開封し易くする一方、内側からの圧力で破裂しにくくするという、
図5Bの実施形態と同様の効果を奏する。
【0094】
上記の実施形態と同様に、この参考例に係る剥離可能部を形成するステップは、充填装置の上流のヒートシール装置によるヒートシールによって実施されてもよいし、充填装置が内容物の充填後に袋を一縁に沿って密封する際のヒートシールによって実施されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 袋
11,12 胴部
110,120 端縁
15 縁
3 剥離可能部分
30 接合領域
31 剥離剤塗布領域
32 剥離剤
33 縁に隣接する剥離剤塗布領域
4 つまみ部
41,42 つまみ片
50 搬送装置
53 ヒートシール装置
54 塗布装置
55 スリット装置
550 カッター
551 カッター対
56 クロスカット装置