(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q30/0203
(21)【出願番号】P 2023006159
(22)【出願日】2023-01-18
(62)【分割の表示】P 2022058088の分割
【原出願日】2022-03-31
【審査請求日】2023-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517231515
【氏名又は名称】株式会社mov
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 誠
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特許第6984938(JP,B1)
【文献】特開2021-002127(JP,A)
【文献】特開2015-106295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の店舗を利用した利用者から入力された店舗に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、
同一の事業者によって運営されてグループを構成している複数の店舗に対する前記評価情報を取得する取得手段と、
取得した前記評価情報に基づいて、店舗毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計する集計手段と、
複数の店舗に対する前記評価情報の集計結果を出力する出力手段と、
を備え、
前記集計手段は、店舗毎に、複数の前記評価情報に含まれる前記評価値を1つの評価集計値に集計し、
前記出力手段は、店舗毎の前記評価情報の数と前記評価集計値とを表示するよう出力する際に、前記評価情報の数と前記評価集計値とをそれぞれ座標軸とする座標空間に、
前記グループを構成している複数の店舗の分布を表示するよう出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記出力手段は、
前記グループを構成している複数の店舗の前記分布と共に、前記座標空間上において前記評価情報の数と前記評価集計値とに応じて設定された複数の区分けを表示するよう出力し、
前記区分けは、前記評価情報の数が第一閾値未満であり前記評価集計値が任意の値である区分けと、前記評価情報の数が前記第一閾値以上であり前記評価集計値が第二閾値未満である区分けと、前記評価情報の数が前記第一閾値以上であり前記評価集計値が第二閾値以上である区分けと、を少なくとも有する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記取得手段は、時間情報を含む前記評価情報を取得し、
前記集計手段は、前記座標空間上において前記評価情報の数と前記評価集計値とに応じて設定された複数の区分け毎の当該区分けに属する店舗の数を所定の期間毎に集計し、
前記出力手段は、前記区分け毎の属する
前記グループを構成している店舗の数の期間毎の時系列変化を表示するよう出力する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記取得手段は、時間情報、及び、前記評価情報を入力した利用者による店舗へのアクセス方法を表すアクセス情報、を含む前記評価情報を取得し、
前記集計手段は、前記座標空間上において前記評価情報の数と前記評価集計値とに応じて設定された複数の区分け毎の当該区分けに属する
前記グループを構成している店舗の数を所定の期間毎に集計すると共に、前記区分け毎に、当該区分けに属する
前記グループを構成している店舗の前記アクセス情報を種別毎に分類して前記評価情報の数に対する前記アクセス情報の種別毎の数の割合を所定の期間毎に集計し、
前記出力手段は、前記区分け毎かつ前記期間毎に、集計した前記店舗の数と前記アクセス情報の種別毎の数の割合とを出力する、
情報処理システム。
【請求項5】
情報処理装置が、
所定の店舗を利用した利用者から入力された店舗に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、
同一の事業者によって運営されてグループを構成している複数の店舗に対する前記評価情報を取得し、
取得した前記評価情報に基づいて、店舗毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計すると共に、店舗毎に、複数の前記評価情報に含まれる前記評価値を1つの評価集計値に集計し、
複数の店舗に対する前記評価情報の集計結果として、店舗毎の前記評価情報の数と前記評価集計値とを表示するよう出力する際に、前記評価情報の数と前記評価集計値とをそれぞれ座標軸とする座標空間に、
前記グループを構成している複数の店舗の分布を表示するよう出力する、
情報処理方法。
【請求項6】
情報処理装置に、
所定の店舗を利用した利用者から入力された店舗に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、
同一の事業者によって運営されてグループを構成している複数の店舗に対する前記評価情報を取得し、
取得した前記評価情報に基づいて、店舗毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計すると共に、店舗毎に、複数の前記評価情報に含まれる前記評価値を1つの評価集計値に集計し、
複数の店舗に対する前記評価情報の集計結果として、店舗毎の前記評価情報の数と前記評価集計値とを表示するよう出力する際に、前記評価情報の数と前記評価集計値とをそれぞれ座標軸とする座標空間に、
前記グループを構成している複数の店舗の分布を表示するよう出力する、
ことを実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のウェブサイトでは、事業者によって提供される商品・サービスの紹介情報が掲載されると共に、商品・サービスを利用した利用者によって投稿された意見や評価値を含む評価情報も掲載されている。例えば、検索サイト、予約サイト、口コミサイト、アンケートサイト、ウェブログ、SNS(Social Networking Service)などのウェブサイトで、評価情報が公開されている。
【0003】
このような評価情報は、商品・サービスの利用を検討している一般ユーザ側が参考にできる一方で、商品・サービスを提供する事業者側にとっても、今後の商品開発やサービス改善に向けて極めて重要な情報となる。このため、事業者側は、利用者の評価情報を収集して分析することを行っている。例えば、特許文献1では、ポジティブ評価情報及びネガティブ評価情報の数又は比率に基づいて評価スコアを算出し、かかる評価スコアを時系列の折れ線グラフで表すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の方法では、一店舗の評価情報を対象としており、複数の店舗をまとめて評価情報を分析することが困難である。また、店舗の評価情報に限らず、あらゆる商品・サービスの評価情報をまとめて分析することが困難である。その結果、利用者による評価情報のさらなる有効利用を図ることができない、という問題が生じる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、ウェブサイトに投稿された商品・サービスの評価情報のさらなる有効利用を図ることができない、ということを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態である情報処理システムは、
所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、複数の対象に対する前記評価情報を取得する取得手段と、
取得した前記評価情報に基づいて、対象毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計する集計手段と、
複数の対象に対する前記評価情報の集計結果を出力する出力手段と、
を備えた、
という構成をとる。
【0008】
また、本発明の一形態である情報処理方法は、
所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、複数の対象に対する前記評価情報を取得し、
取得した前記評価情報に基づいて、対象毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計し、
複数の対象に対する前記評価情報の集計結果を出力する、
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の一形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、複数の対象に対する前記評価情報を取得し、
取得した前記評価情報に基づいて、対象毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計し、
複数の対象に対する前記評価情報の集計結果を出力する、
ことを実現させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以上のように構成されることにより、ウェブサイトに投稿された商品・サービスの評価情報をさらに有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1における情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1に開示した管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1に開示した管理サーバによる処理の様子を示す図である。
【
図4】
図1に開示した管理サーバによる処理の様子を示す図である。
【
図5】
図1に開示した管理サーバによる処理の様子を示す図である。
【
図6】
図1に開示した管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図6を参照して説明する。
図1乃至
図2は、情報処理システムの構成を説明するための図であり、
図3乃至
図6は、情報処理システムの処理動作を説明するための図である。
【0013】
[構成]
本発明における情報処理システムは、いわゆる口コミサイトと呼ばれる投稿サイトや検索サイトなどのウェブサイトに投稿された評価情報を集計するためのものである。情報処理システムは、
図1に示すように、ネットワークNを介して接続された、管理サーバ10と、投稿サイトサーバ20と、事業者端末30と、により構成される。以下、各構成について詳述する。
【0014】
投稿サイトサーバ20は、評価情報を公開するサービスを提供する事業者によって管理される情報処理装置であり、インターネット上で投稿サイトといったウェブサイトを開設している。本実施形態では、投稿サイトサーバ20が提供する投稿サイトでは、例えば、飲食店といった店舗の情報を掲載すると共に、店舗を利用した利用者から投稿された評価情報を公開している。例えば、利用者から投稿され公開される評価情報は、利用者が店舗(対象)で受けたサービスや提供物に関する感想などの文章情報に加え、店舗に対する評価の度合いを表す数値化された評価値、が含まれることとする。一例として、評価値は、「0~5」の値に設定されており、数値が大きくなるほど、評価が高いこととする。但し、評価値は、いかなる範囲の値で表されていてもよく、また、数値に限らず、いかなる情報で表されてもよい。
【0015】
また、評価情報は、時間情報を含む。例えば、時間情報は、利用者が店舗を利用した年月日や、利用者によって評価情報が投稿された年月日などの時間を表す情報である。そして、時間情報は、例えば、利用者によって投稿時に評価情報と共に入力されたり、投稿サイトサーバ20によって評価情報が投稿されたときに付与されるなどすることで、評価情報に含まれることとなる。
【0016】
また、評価情報は、評価情報を投稿した利用者による店舗へのアクセス方法を表すアクセス情報を含む。例えば、アクセス情報は、利用者が、店舗の情報を取得した方法、店舗に問い合わせた方法、店舗に出向いた方法、などを表す情報である。一例として、アクセス情報は、店舗の情報を取得した方法として「ウェブサイト」、店舗に問い合わせた方法として「電話」、店舗に出向いた方法として「経路案内」、などの情報がある。なお、アクセス情報は、投稿サイトサーバ20にて評価情報に付与されうる。例えば、投稿サイトサーバ20は、投稿サイトにおいて、店舗の情報として、店舗のウェブサイトのアドレス情報、店舗の電話番号、店舗への地図上の経路案内情報、をアクセス情報として公開しており、利用者が自身の識別情報を利用して投稿サイトにログインして店舗のアクセス情報を選択した際には、選択したアクセス情報を利用者の識別情報に関連付けておく。そして、その後、同一の利用者が投稿サイトにログインして店舗に対する評価情報を投稿した際には、その利用者に関連付けられたアクセス情報を評価情報に付与する。但し、アクセス情報は、利用者によって投稿時に評価情報と共に入力されてもよい。
【0017】
なお、投稿サイトサーバ20が提供する投稿サイトで扱う評価情報は、飲食店などの店舗に関する情報であることに限定されず、いかなる業種の店舗に関する情報であってもよく、商品やサービス(対象)に対する評価情報であってもよい。さらに、評価情報は、店舗や商品に関する情報であることにも限定されず、いかなる対象に対する情報であってもよい。
【0018】
また、投稿サイトサーバ20は1つであることに限定されず、複数の投稿サイトサーバ20が存在しており、それぞれが異なる投稿サイトを開設していてもよい。このため、同一の店舗に対する評価情報が、各投稿サイトサーバ20が開設するそれぞれの投稿サイトに投稿され公開されていてもよい。
【0019】
また、投稿サイトサーバ20は、必ずしも評価情報をウェブサイトなどで公開していることに限定されない。例えば、投稿サイトサーバ20は、アンケートサイトや決済サイトを開設し、利用者から評価情報を取得するだけであってもよい。
【0020】
事業者端末30は、店舗を運営する事業者において店舗の評価情報を分析する人物が操作する情報処理端末である。そして、事業者端末30は、管理サーバ10にアクセスして、後述するように管理サーバ10による店舗の評価情報の集計結果を表示して分析する。
【0021】
ここで、本実施形態では、店舗を運営する事業者は、複数の店舗を運営していることとする。例えば、事業者は、50店舗の店舗を運営していることとし、これらの店舗の評価情報の集計結果を分析する。但し、店舗を運営する事業者は、1店舗を運営しているだけであってもよく、自己の店舗と、他事業者の店舗と、を含む複数の店舗の評価情報の集計結果を分析してもよい。
【0022】
管理サーバ10は、演算装置と記憶装置とを備えた1台又は複数台の情報処理装置にて構成される。そして、管理サーバ10は、
図2に示すように、取得部11、集計部12、出力部13、を備える。取得部11、集計部12、出力部13の各機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現することができる。また、管理サーバ10は、評価情報記憶部16を備える。評価情報記憶部16は、記憶装置により構成される。以下、各構成について詳述する。
【0023】
取得部11(取得手段)は、投稿サイトサーバ20にアクセスして、各投稿サイトでそれぞれ公開されている評価情報を取得して、評価情報記憶部16に記憶する。このとき、取得部11は、店舗ごとに区別して、かかる店舗に対する評価情報を投稿サイトサーバ20から取得して評価情報記憶部16に記憶する。このとき、店舗ごとの評価情報の数は、通常は複数の数となるが、投稿数が少ない場合には、0や1の数となる場合もある。なお、投稿サイトサーバ20が複数存在している場合には、各投稿サイトサーバ20からそれぞれ店舗ごとに評価情報を取得する。
【0024】
ここで、本実施形態では、同一の事業者によって複数の店舗が運営されていることとなるが、この場合、取得部11は、複数の店舗が関連付けられた店舗グループを予め記憶している。このため、取得部11は、店舗グループを形成する複数の店舗それぞれに対応する評価情報を投稿サイトサーバ20から取得して、取得した評価情報を、複数の店舗の店舗グループでまとめて評価情報記憶部16に記憶する。
【0025】
集計部12(集計手段)は、評価情報記憶部16に記憶されている評価情報を集計する。例えば、集計部12は、所定の店舗グループを構成している複数の店舗の評価情報に対して、店舗ごとに、評価情報の数と評価値とを集計する。具体的に、集計部12は、まず、店舗ごとに、評価情報の数をカウントして算出する。また、集計部12は、店舗ごとに、数値で表されている評価値の平均値を算出し、評価集計値として算出する。これにより、1店舗につき、1つの評価情報の数と、1つの評価集計値と、が生成される。但し、評価集計値は、店舗ごとの評価値の平均値であることに限定されず、店舗ごとの評価値の最頻出値や、店舗ごとの評価値からランダムに抽出した評価値の平均値など、いかなる方法で集計した値であってもよい。
【0026】
ここで、上述したように集計された店舗ごとの評価情報の数と評価集計値とは、それぞれを座標軸とする座標空間にプロットされることとなる。例えば、後述するように、
図3に示すように、縦軸に評価情報の数、横軸に評価集計値、が設定された座標平面上に、各店舗が黒丸印でプロットされる。このとき、座標平面には、評価情報の数と評価集計値との値により、以下のように5つに領域に区分けされたグループが設定される。
グループA:評価集計値3.7以上、評価情報の数:100以上
グループB:評価集計値3.7以上、評価情報の数:20以上100未満
グループC:評価集計値3.7未満、評価情報の数:20以上100未満
グループD:評価集計値3.7未満、評価情報の数:100以上
グループE:評価情報の数:20未満
【0027】
上述したグループは、例えば、評価値がよいと設定された「3.7」を評価集計値の閾値(第一閾値)とし、また、評価情報の数が十分である設定された「20」を評価情報の数の閾値(第二閾値)として、区分けされている。但し、上述した閾値は一例であって、いかなる値に設定されてもよい。また、上記では、5つのグループに区分けする場合を例示したが、例えば、グループEと、グループA+B、グループC+D、の3つのグループに区分けしてもよく、区分けするグループの数や区分けの方法は、上述したことに限定されない。
【0028】
そして、上述したグループが設定された状況において、集計部12は、各グループに属する店舗の数を集計する。例えば、集計部12は、各店舗の評価情報の数と評価集計値の値が、座標平面上に設定されたいずれのグループの領域に該当するかを調べ、グループ毎に該当する店舗の数をカウントして算出する。さらに、集計部12は、各グループに属する店舗に対する評価情報に含まれるアクセス情報を集計する。例えば、集計部12は、グループ毎に、アクセス情報を種別毎(経路案内、電話、ウェブサイトなど)に分類し、グループ内の全ての評価情報の数に対する各種別の数の割合を算出する。但し、アクセス情報の集計方法は、いかなる方法であってもよい。
【0029】
そして、集計部12は、評価情報に含まれている時間毎に、上述した集計を行う。例えば、1カ月ごとに、1カ月間における店舗ごとの評価情報の数と評価集計値との算出や、グループ毎の店舗数の算出、アクセス情報の集計、を行う。但し、集計部12は、いかなる期間の評価情報を集計してもよく、いかなるタイミングで集計を行ってもよい。
【0030】
出力部13(出力手段)は、上述したように集計した集計結果を、事業者端末30に表示するよう出力する。具体的に、出力部13は、
図3に示すように、評価情報の数と評価集計値とを座標軸とする座標平面上に、各店舗の評価情報の数と評価集計値とに対応する座標に黒丸印で表示することで、座標平面上に各店舗の分布を表示する。このとき、座標平面は、上述したように設定された評価集計値の閾値(3.7)と、評価情報の数の閾値(20及び100)と、により5つのグループに区分けされており、各グループの領域も区別できるよう、出力部13は
図3の点線で示すような表示形態で表示するよう出力する。
【0031】
また、出力部13は、グループ毎に、各グループに属する店舗の数を表示するよう出力する。例えば、出力部13は、
図3に示すように、座標平面上に各グループの領域を表示すると共に、各領域内に、グループ名と店舗の数を表示する。このとき、各グループの特性を説明する文章も表示してもよい。例えば、グループAについては、「評価、評価数共に良好」、グループBについては、「評価数の向上必要、改善難易度は比較的低い」、グループCについては、「評価・評価数共に向上必要、中レベルの改善難易度」、グループDについては、「低評価の評価が多く、改善難易度が高い店舗」、グループEについては、「評価数が少なく分析不能、早急な評価数の増強が必要」、などの文章を表示してもよい。さらに、出力部13は、各グループに属する店舗を特定する情報、例えば、店舗名や店舗の所在地を表示するよう出力してもよい。
【0032】
また、出力部13は、各グループに属する店舗の数の時系列変化を表示するよう出力してもよい。例えば、出力部13は、1カ月ごとに集計した各グループに属する店舗の数を、
図4に示すように、月ごとに縦軸に沿って積み上げるよう表示してもよい。つまり、
図4では、横軸に月、縦軸に店舗数が設定された座標平面上に、月ごとに、下から順に各グループに属する店舗数を積み上げて表示している。このような表示を行うことで、各グループに対応する店舗状態にある店舗数の時間的な推移の把握が容易となる。
【0033】
また、出力部13は、各グループに属する店舗に対する利用者のアクセス状況、つまり、上述したように集計したアクセス情報を表示してもよい。例えば、出力部13は、
図5に示すように、月ごと、かつ、グループごとに、店舗数を表示すると共に、評価情報の数に対するアクセス種別ごとの割合を表示してもよい。
図5の例では、12月のグループBに属する店舗に対しては、評価情報を投稿した利用者のうち、経路案内を利用した利用者は0.70%、電話を利用した利用者は0.28%、ウェブサイトを利用した利用者は0.55%、というように表示される。
【0034】
[動作]
次に、上述した情報処理システムの動作、特に管理サーバ10の動作を、主に
図6フローチャートを参照して説明する。
【0035】
まず、投稿サイトサーバ20には、投稿サイトに店舗に関する評価情報が利用者から投稿されて公開されており、一般ユーザから閲覧可能となっている。
【0036】
管理サーバ10は、定期的に、あるいは、任意のタイミングで、投稿サイトサーバ20から各投稿サイトで公開されている評価情報を取得する(ステップS1)。そして、管理サーバ10は、投稿サイトサーバ20から取得した評価情報を、店舗グループごと、かつ、店舗ごとに記憶しておく。
【0037】
その後、管理サーバ10は、事業者端末30からの指示に応じて、1カ月ごとの評価情報の集計を行う(ステップS2)。例えば、1つの店舗グループについて、店舗ごとに、評価情報の数と評価集計値とを算出したり、評価情報の数と評価集計値とを座標軸とする座標平面上に設定された各グループに該当する店舗の数を算出したり、各グループに属する店舗に対するアクセス情報を集計する。
【0038】
そして、管理サーバ10は、事業者端末30からの指示に応じて、評価情報の集計結果を、事業者端末30に表示するよう出力する(ステップS3)。例えば、管理サーバ10は、事業者端末30に対して、
図3に示すように、評価情報の数と評価集計値とを座標軸とする座標平面上における各店舗の分布を表示する。このとき、管理サーバ10は、事業者端末30に対して、座標平面上に設定された各グループに属する店舗の数を表示してもよい。また、管理サーバ10は、事業者端末30に対して、
図4に示すように、各グループに属する店舗の数の時系列変化を表示するよう出力してもよい。さらに、管理サーバ10は、事業者端末30に対して、
図5に示すように、各グループに属する店舗の評価情報の数に対するアクセス種別ごとの割合を表示するよう出力してもよい。
【0039】
以上のように、本発明では、複数の店舗(対象)に対する評価情報から、評価情報の数と評価値とを集計して、集計結果を出力している。このため、事業者としては、複数の店舗に対する評価の分布を得ることができ、今後の改善の参考にすることができる。その結果、評価情報のさらなる有効利用を図ることができる。
【0040】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、上述した取得部11、集計部12、出力部13、評価情報記憶部16の機能のうちの少なくとも一以上の機能は、ネットワーク上のいかなる場所に設置され接続された情報処理装置で実行されてもよく、つまり、いわゆるクラウドコンピューティングで実行されてもよい。
【0041】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0042】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における情報処理システム、情報処理方法、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、複数の対象に対する前記評価情報を取得する取得手段と、
取得した前記評価情報に基づいて、対象毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計する集計手段と、
複数の対象に対する前記評価情報の集計結果を出力する出力手段と、
を備えた情報処理システム。
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記集計手段は、対象毎に、複数の前記評価情報に含まれる前記評価値を1つの評価集計値に集計し、
前記出力手段は、対象毎の前記評価情報の数と前記評価集計値とを表示するよう出力する、
情報処理システム。
(付記3)
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記出力手段は、前記評価情報の数と前記評価集計値とをそれぞれ座標軸とする座標空間に、複数の対象の分布を表示するよう出力する、
情報処理システム。
(付記4)
付記3に記載の情報処理システムであって、
前記出力手段は、前記分布と共に、前記座標空間上において前記評価情報の数と前記評価集計値とに応じて設定された複数の区分けを表示するよう出力する、
情報処理システム。
(付記5)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記区分けは、前記評価情報の数が第一閾値未満である区分けと、前記評価情報の数が前記第一閾値以上であり前記評価集計値が第二閾値未満である区分けと、前記評価情報の数が前記第一閾値以上であり前記評価集計値が第二閾値以上である区分けと、を少なくとも有する、
情報処理システム。
(付記6)
付記4又は5に記載の情報処理システムであって、
前記集計手段は、前記区分け毎に当該区分けに属する対象の数を集計し、
前記出力手段は、前記区分け毎の属する対象の数を出力する、
情報処理システム。
(付記7)
付記6に記載の情報処理システムであって、
前記取得手段は、時間情報を含む前記評価情報を取得し、
前記集計手段は、時間毎に前記評価情報を集計し、
前記出力手段は、前記区分け毎の属する対象の数の時系列変化を表示するよう出力する、
情報処理システム。
(付記8)
付記5乃至7のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記取得手段は、前記評価情報を入力した利用者による対象へのアクセス方法を表すアクセス情報を取得し、
前記集計手段は、前記区分け毎に、当該区分けに属する対象の前記アクセス情報を集計し、
前記出力手段は、集計した前記アクセス情報を出力する、
情報処理システム。
(付記9)
所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、複数の対象に対する前記評価情報を取得し、
取得した前記評価情報に基づいて、対象毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計し、
前記評価情報の集計結果を出力する、
情報処理方法。
(付記10)
情報処理装置に、
所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得したサーバから、複数の対象に対する前記評価情報を取得し、
取得した前記評価情報に基づいて、対象毎に、前記評価情報の数と、前記評価値と、を集計し、
前記評価情報の集計結果を出力する、
ことを実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0043】
10 管理サーバ
11 取得部
12 集計部
13 出力部
16 評価情報記憶部
20 投稿サイトサーバ
30 事業者端末
【要約】
【課題】商品・サービスの評価情報のさらなる有効利用を図ること。
【解決手段】本発明の情報処理システム10は、所定の対象を利用した利用者から入力された対象に対する評価の度合いを表す評価値を含む評価情報を取得するサーバから、複数の対象に対する評価情報を取得する取得手段11と、取得した評価情報に基づいて、対象毎に、評価情報の数と、前記評価値と、を集計する集計手段12と、評価情報の集計結果を出力する出力手段13と、を備える。
【選択図】
図2