(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】熱伝導性物質を含有するエアロゾル生成物品
(51)【国際特許分類】
A24B 15/14 20060101AFI20231003BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20231003BHJP
【FI】
A24B15/14
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2021563037
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 KR2021009161
(87)【国際公開番号】W WO2022030799
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0097536
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨウン ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、スン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キ、スン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、インス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン テ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウン、ウン ミ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108576912(CN,A)
【文献】特表2017-520234(JP,A)
【文献】国際公開第2020/023848(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/116777(WO,A1)
【文献】特表2019-528064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/14
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物品において、
タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、
前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含み、
前記エアロゾル生成物品は、前記タバコ媒質部の外部を取り囲むように配置されるヒータによって加熱され、
前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸に近いほど、さらに高密度に分布される、エアロゾル生成物品。
【請求項2】
エアロゾル生成物品において、
タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、
前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含み、
前記エアロゾル生成物品
はヒータによって加熱され、
前記ヒータは、前記エアロゾル生成物品が使用されるときに前記タバコ媒質部の中心部に挿入され、
前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸から遠くなるほど、さらに高密度に分布される、エアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記混合物は、乾燥重量基準に30重量%~80重量%のタバコ粉末、及び0.1重量%以上20重量%未満の熱伝導性粉末を含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記混合物は、添加剤、バインダ及び保湿剤のうち、少なくとも1つをさらに含み、
前記タバコ媒質部は、前記混合物に水を添加して配合することで生成されるスラリーをシート状に乾燥した後、成形する方式によって製造される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記混合物は、乾燥重量基準に60重量%~80重量%のタバコ粉末、5重量%以上20重量%未満の熱伝導性粉末、3重量%~7重量%の添加剤、6重量%~10重量%のバインダ、及び5重量%~12重量%の保湿剤を含む、請求項4に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記熱伝導性粉末は、アルミニウム粉末を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記タバコ媒質部の上流に配置され、保湿剤が塗布された非タバコ物質のシートを含むエアロゾル生成部と、
前記タバコ媒質部の下流に配置され、前記エアロゾル生成部及び前記タバコ媒質部のうち、少なくとも1つから生成されるエアロゾルを冷却する冷却部と、
前記冷却部の下流に配置されるフィルタ部と、をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
エアロゾル生成システムにおいて、
タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含むエアロゾル生成物品と、
前記エアロゾル生成物品を加熱するためのヒータ、前記ヒータに電力を供給するバッテリ、及び前記バッテリから前記ヒータへの電力供給を制御する制御部を含むエアロゾル生成装置と、を含み、
前記ヒータは、前記タバコ媒質部の外部を取り囲むように配置され、
前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸に近いほど、さらに高密度に分布される、エアロゾル生成システム。
【請求項9】
エアロゾル生成システムにおいて、
タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含むエアロゾル生成物品と、
前記エアロゾル生成物品を加熱するためのヒータ、前記ヒータに電力を供給するバッテリ、及び前記バッテリから前記ヒータへの電力供給を制御する制御部を含むエアロゾル生成装置と、を含み、
前記ヒータは、
前記エアロゾル生成物品が使用されるときに前記タバコ媒質部の中心部に挿入され、
前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸から遠くなるほど、さらに高密度に分布される、エアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性物質を含有するエアロゾル生成物品に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成する方法ではない、エアロゾル生成装置を用いてシガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成するシステムに係わる需要が増加している。
【0003】
一方、シガレットを加熱し、エアロゾルを生成するシステムにおいて、ユーザに豊富な量のエアロゾルを提供し、最適の喫煙経験を提供するためには、シガレットを加熱する過程での熱伝達効率を増加させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の多様な実施例は、熱伝導性物質を含有するエアロゾル生成物品を提供することである。本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
多様な実施例は、タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含むエアロゾル生成物品を提供することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、熱伝導性物質を含有するエアロゾル生成物品を提供することができる。具体的に、本発明によるエアロゾル生成物品は、タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含む。タバコ媒質部に熱伝導性物質が含まれることにより、エアロゾル生成物品が加熱される過程での熱伝達効率が増加されうる。これにより、豊富な量のエアロゾルがユーザに提供され、予熱に必要な時間及びバッテリの電力消耗が減少しうる。
【0007】
但し、タバコ媒質部に過量の熱伝導性物質が含まれる場合、エアロゾル生成物品が加熱される過程でタバコ媒質部の温度が既設定の温度プロファイルによって意図されたレベルよりも高く上昇することにより、ユーザに過度な熱感が伝達されうる。
図6から
図8を参照して後述する実験結果によれば、混合物に含まれる熱伝導性粉末が乾燥重量基準に20重量%以上である場合、初期パフ区間でユーザに過度な熱感が伝達されるということが確認された。これにより、本発明によるエアロゾル生成物品のタバコ媒質部を製造するための混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末が含まれる。したがって、エアロゾル生成物品が加熱される過程での熱伝達効率が増加されながらも、既設定の温度プロファイルによって意図されたレベルにタバコ媒質部の温度が制御されうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図4】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図5】例示的な実施例によるエアロゾル生成物品を示す図面である。
【
図6】熱伝導性粉末の適切な含量を決定するための実験に係わる図面である。
【
図7】熱伝導性粉末の適切な含量を決定するための実験に係わる図面である。
【
図8】熱伝導性粉末の適切な含量を決定するための実験に係わる図面である。
【
図9】例示的な実施例によるタバコ媒質部内熱伝導性粉末の分布を説明するための断面図である。
【
図10】例示的な実施例によるタバコ媒質部内熱伝導性粉末の分布を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一側面によるエアロゾル生成物品は、タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含む。
【0010】
一例として、前記混合物は、乾燥重量基準に30重量%~80重量%のタバコ粉末、及び0.1重量%以上20重量%未満の熱伝導性粉末を含んでもよい。
【0011】
また、前記混合物は、添加剤、バインダ及び保湿剤のうち、少なくとも1つをさらに含み、前記タバコ媒質部は、前記混合物に水を添加して配合することで生成されるスラリーをシート状に乾燥させた後、成形する方式によって製造されうる。
【0012】
例えば、前記混合物は、乾燥重量基準に60重量%~80重量%のタバコ粉末、5重量%以上20重量%未満の熱伝導性粉末、3重量%~7重量%の添加剤、6重量%~10重量%のバインダ、及び5重量%~12重量%の保湿剤を含んでもよい。
【0013】
前記熱伝導性粉末は、アルミニウム粉末を含んでもよい。
【0014】
一実施例において、前記エアロゾル生成物品が前記タバコ媒質部の外部から伝達される熱によって加熱される場合、前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸に近いほど、さらに高密度に分布されうる。
【0015】
他の実施例において、前記エアロゾル生成物品が前記タバコ媒質部の内部から伝達される熱によって加熱される場合、前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸から遠くなるほど、さらに高密度に分布されうる。
【0016】
一例として、前記エアロゾル生成物品は、前記タバコ媒質部の上流に配置され、保湿剤が塗布された非タバコ物質のシートを含むエアロゾル生成部;前記タバコ媒質部の下流に配置され、前記エアロゾル生成部及び前記タバコ媒質部のうち、少なくとも1つから生成されるエアロゾルを冷却する冷却部;及び前記冷却部の下流に配置されるフィルタ部をさらに含む。
【0017】
本発明の他の側面によるエアロゾル生成システムは、タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されるタバコ媒質部を含み、前記混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含むエアロゾル生成物品;及び前記エアロゾル生成物品を加熱するためのヒータ、前記ヒータに電力を供給するバッテリ、及び前記バッテリから前記ヒータへの電力供給を制御する制御部を含むエアロゾル生成装置を含んでもよい。
【0018】
一実施例において、前記ヒータは、前記タバコ媒質部の外部を取り囲むように配置され、前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸に近いほど、さらに高密度に分布されうる。
【0019】
他の実施例において、前記ヒータは、前記タバコ媒質部の内部に挿入されるように配置され、前記熱伝導性粉末は、前記タバコ媒質部の長手方向軸から遠くなるほど、さらに高密度に分布されうる。
【0020】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0021】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0022】
明細書全体で「上流」及び「下流」は、ユーザがエアロゾル生成物品を用いて吸煙する時空気が流れる方向に基づいて決定されうる。例えば、ユーザが
図5に図示されたエアロゾル生成物品を用いて吸煙する場合、エアロゾル生成部210またはタバコ媒質部220から生成されたエアロゾルが外部から流入された空気に沿ってフィルタ部240に移動し、フィルタ部240を通じてユーザに伝達されるので、エアロゾル生成部210またはタバコ媒質部220は、フィルタ部240の「上流」に位置するものである。一方、当該技術分野の通常の技術者であれば、「上流」及び「下流」が構成要素の関係によって相対的であることを容易に理解可能であろう。
【0023】
また、明細書全体において「長手方向」とは、エアロゾル生成物品の上流末端から下流末端に向かう方向またはその反対方向を意味することができる。例えば、エアロゾル生成物品がエアロゾル生成部210、タバコ媒質部220、冷却部230及びフィルタ部240を羅列された順に含むと仮定するとき、長手方向は、エアロゾル生成部210からフィルタ部240に向かう方向またはその反対方向でもある。
【0024】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能に詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態に具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
図1から
図4は、エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【0027】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000、及びヒータ13000を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、蒸気化器14000をさらに含む。
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、誘導コイル13500をさらに含む。また、エアロゾル生成装置10000の内部空間には、エアロゾル生成物品20000が挿入されうる。エアロゾル生成装置10000及びエアロゾル生成物品20000は、エアロゾル生成システムを構成することができる。
【0028】
図1から
図4に図示されたエアロゾル生成装置10000には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1から
図4に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10000にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0029】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置10000にヒータ13000が含まれていると図示されているが、必要に応じて、ヒータ13000は省略されうる。
【0030】
図1には、バッテリ11000、制御部12000、及びヒータ13000が一列に配置されたと図示されている。また、
図2には、バッテリ11000、制御部12000、蒸気化器14000、及びヒータ13000が一列に配置されたと図示されている。また、
図3には、蒸気化器14000、及びヒータ13000が並列に配置されたと図示されている。また、
図4には、誘導コイル13500がヒータ13000を覆い包むように配置されたと図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10000の内部構造は、
図1から
図4に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置10000の設計によって、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000、誘導コイル13500、及び蒸気化器14000の配置は変更されうる。
【0031】
エアロゾル生成物品20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、エアロゾル生成装置10000は、ヒータ13000及び/または蒸気化器14000を作動させ、エアロゾル生成物品20000及び/または蒸気化器14000からエアロゾルを発生させうる。ヒータ13000及び/または蒸気化器14000によって発生したエアロゾルは、エアロゾル生成物品20000を通過してユーザに伝達される。
【0032】
必要に応じて、エアロゾル生成物品20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されない場合にも、エアロゾル生成装置10000は、ヒータ13000を加熱することができる。
【0033】
バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11000は、ヒータ13000または蒸気化器14000が加熱されるように電力を供給し、制御部12000の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0034】
制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12000は、バッテリ11000、ヒータ13000、誘導コイル13500及び蒸気化器14000だけではなく、エアロゾル生成装置10000に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10000が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0035】
制御部12000は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、制御部12000が異なる形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0036】
ヒータ13000は、バッテリ11000から供給された電力によって加熱されうる。但し、必ずしもその限りではない。ヒータ13000は、誘導コイル13500から生成された可変磁場によって加熱されうる。その場合、誘導コイル13500がバッテリ11000から供給された電力によって可変磁場を発生させうる。
【0037】
一例として、
図1に図示されたように、エアロゾル生成物品20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、ヒータ13000は、エアロゾル生成物品20000の内部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ13000は、エアロゾル生成物品20000内のエアロゾル生成物質と直接接触してもよく、エアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0038】
他の例として、
図2から
図4に図示されたように、エアロゾル生成物品20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、ヒータ13000は、エアロゾル生成物品20000の外部に位置することができる。したがって、ヒータ13000から発生した熱がエアロゾル生成物品20000の外部から内部のエアロゾル生成物質に伝達されうる。
【0039】
一例として、
図1から
図3に図示されたように、ヒータ13000は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13000は、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13000が加熱されうる。しかし、ヒータ13000は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに利用することができる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置10000に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されうる。
【0040】
他の例として、
図4に図示されたように、ヒータ13000は、誘導加熱式ヒータでもある。エアロゾル生成装置13000は、エアロゾル生成物品20000を誘導加熱方式で加熱するための誘導コイル13500をさらに含んでもよい。誘導コイル13500は、バッテリ11000から電力が供給されることで可変磁場を発生させ、ヒータ13000は、可変磁場が貫通されることで加熱されるサセプタを含んでもよい。サセプタは、金属または炭素を含んでもよい。例えば、サセプタは、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0041】
また、サセプタは、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、ヒータ13000に含まれるサセプタは、上述した例に限定されず、可変磁場が印加されることで希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに利用することができる。
【0042】
ヒータ13000は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によって、エアロゾル生成物品20000の内部または外部を加熱することができる。
【0043】
また、エアロゾル生成装置10000には、ヒータ13000が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ13000は、エアロゾル生成物品20000の内部に挿入されるように配置され、エアロゾル生成物品20000の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ13000の一部は、エアロゾル生成物品20000の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品20000の外部に配置されうる。また、ヒータ13000の形状は、
図1から
図4に図示された形状に限定されず、多様な形状に作製されうる。
【0044】
蒸気化器14000は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品20000を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10000の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルがエアロゾル生成物品を通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0045】
例えば、蒸気化器14000は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含んでもよいが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置10000に含まれる。
【0046】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含有する液体でもあり、非タバコ物質を含有する液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14000から/に脱/付着されるように作製され、蒸気化器14000と一体にも作製されうる。
【0047】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、または、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0048】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0049】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0050】
例えば、蒸気化器14000は、カートリッジ(cartridge)、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも指称されるが、それらに限定されない。
【0051】
一方、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000、誘導コイル13500及び蒸気化器14000以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、エアロゾル生成物品20000が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出されうる構造によっても作製される。
【0052】
図1から
図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10000は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10000のバッテリ11000の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置10000とが結合された状態でヒータ13000が加熱されうる。
【0053】
エアロゾル生成物品20000は、一般の燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品20000は、エアロゾル生成物質を含有する第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、エアロゾル生成物品20000の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒状またはカプセル状からなるエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0054】
エアロゾル生成装置10000の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10000の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込んでもよい。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0055】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10000に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置10000に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによっても調節される。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品20000の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じて、エアロゾル生成物品20000の内部に流入されうる。
【0056】
図5は、例示的な実施例によるエアロゾル生成物品を示す図面である。
【0057】
図5を参照すれば、エアロゾル生成物品20000は、エアロゾル生成部210、タバコ媒質部220、冷却部230、フィルタ部240及びラッパ250を含んでもよい。前述した第1部分は、エアロゾル生成部210及びタバコ媒質部220を含み、第2部分は、冷却部230及びフィルタ部240を含んでもよい。
【0058】
エアロゾル生成部210は、タバコ媒質部220の上流に配置され、保湿剤が塗布された非タバコ物質のシートを含んでもよい。保湿剤は、エアロゾル生成物質に対応しうる。例えば、保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。非タバコ物質は、タバコ物質ではない物質であって、保湿剤を吸収可能な高分子素材またはセルロース物質でもある。例えば、非タバコ物質のシートは、高温に加熱されても熱による異臭が発生しない紙シートでもある。但し、それに制限されるものではない。
【0059】
一方、エアロゾル生成部210は、巻縮されるか、圧搾されることでシワがついたシートを含み、巻縮されない状態で巻かれたシートを含んでもよい。但し、それに制限されるものではなく、エアロゾル生成部210は、任意の適切な形態を有する非タバコ物質のシートを含んでもよい。エアロゾル生成部210は、風味剤、湿潤剤のような他の添加物質を含有する。例えば、メントールまたは保湿剤などの加香液がエアロゾル生成部210に噴射されることで添加されうる。
【0060】
タバコ媒質部220は、タバコ粉末及び熱伝導性粉末を含む混合物から製造されうる。混合物は、添加剤、バインダ及び保湿剤のうち、少なくとも1つをさらに含み、タバコ媒質部220は、混合物に水を添加して配合することで生成されるスラリーをシート状に乾燥させた後、成形する方式によって製造されうる。例えば、混合物は、タバコ粉末、熱伝導性金属粉末(例えば、アルミニウム)、非タバコ繊維添加剤(例えば、パルプ)及び外因性バインダ(例えば、グアガム)を固形粉として含み、保湿剤(例えば、グリセリン)をさらに含んでもよい。
【0061】
タバコ媒質部220は、多様に成形されうる。例えば、タバコ媒質部220は、シート(sheet)自体によっても作製される。その場合、タバコ媒質部220は、巻縮されるか、圧搾されることにより、シワがついたシートに作製され、巻縮されていない状態でも巻かれる(rolled)。タバコ媒質部220は、シートが切断されたストランド(strand)状に作製され、シートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。
【0062】
一方、タバコ媒質部220に熱伝導性物質(例えば、熱伝導性粉末)が含まれることにより、エアロゾル生成物品20000が加熱される過程での熱伝達効率が増加されうる。これにより、豊富な量のエアロゾルがユーザに提供され、予熱に必要な時間及びバッテリの電力消耗が減少しうる。
【0063】
但し、タバコ媒質部220に過量の熱伝導性物質が含まれる場合、エアロゾル生成物品20000が加熱される過程でタバコ媒質部220の温度が既設定の温度プロファイルによって意図されたレベルよりも高く上昇することにより、ユーザに過度な熱感が伝達されうる。したがって、タバコ媒質部220には、それほど多くない量の熱伝導性物質が含まれる必要がある。以下、
図6から
図8を参照して熱伝導性粉末の適切な含量について説明する。
【0064】
図6から
図8は、熱伝導性粉末の適切な含量を決定するための実験に係わる図面である。
【0065】
図6の表を参照すれば、実験に使用されたエアロゾル生成物品それぞれに対応する混合物の配合比が記載されている。当該実験において、熱伝導性粉末としては、アルミニウム(AL)粉末が使用され、添加剤としては、パルプが使用され、バインダとしては、グアガムが使用され、保湿剤としては、グリセリンが使用された。
【0066】
エアロゾル生成物品Cは、乾燥重量基準に80重量%のタバコ原料、5重量%のパルプ、8重量%のグアガム及び7重量%のグリセリンで構成される混合物から製造されるタバコ物質部を含む。エアロゾル生成物品Cは、熱伝導性粉末を含まない対照群に該当する。
【0067】
エアロゾル生成物品A5は、乾燥重量基準に75重量%のタバ原料、5重量%のアルミニウム粉末、5重量%のパルプ、8重量%のグアガム及び7重量%のグリセリンで構成される混合物から製造されるタバコ物質部を含む。
【0068】
エアロゾル生成物品A10は、乾燥重量基準に70重量%のタバコ原料、10重量%のアルミニウム粉末、5重量%のパルプ、8重量%のグアガム及び7重量%のグリセリンで構成される混合物から製造されるタバコ物質部を含む。
【0069】
エアロゾル生成物品A15は、乾燥重量基準に65重量%のタバコ原料、15重量%のアルミニウム粉末、5重量%のパルプ、8重量%のグアガム及び7重量%のグリセリンで構成される混合物から製造されるタバコ物質部を含む。
【0070】
エアロゾル生成物品A20は、乾燥重量基準に60重量%のタバコ原料、20重量%のアルミニウム粉末、5重量%のパルプ、8重量%のグアガム及び7重量%のグリセリンで構成される混合物から製造されるタバコ物質部を含む。
【0071】
エアロゾル生成物品C、エアロゾル生成物品A5、エアロゾル生成物品A10、エアロゾル生成物品A15及びエアロゾル生成物品A20それぞれは、混合物の重量を100とするとき、500に対応する重量を有する水と混合されることによって生成されるスラリーから製造されるタバコ媒質部を含む。
【0072】
図7の表を参照すれば、前述したエアロゾル生成物品を加熱する場合、それぞれのエアロゾル生成物品から生成されるエアロゾルの成分分析結果が図示されている。
【0073】
図7を参照すれば、エアロゾル生成物品に含まれるアルミニウム粉末の含量が増加することにより、TPM(total particulate matter)、ニコチン、グリセリンのような煙成分の移行量が増加する。すなわち、エアロゾル生成物品に含まれるアルミニウム粉末の含量が増加することにより、より豊富な量のエアロゾルがユーザに提供され、予熱に必要な時間及びバッテリの電力消耗が減少しうる。但し、以下、
図8を参照して後述するように、アルミニウム粉末の含量がさらに多いということが、必ずしも望ましいものではない。
【0074】
図8のグラフを参照すれば、ヒータが既設定の温度プロファイルによって加熱される場合、前述したエアロゾル生成物品それぞれに含まれるタバコ媒質部の温度を測定した結果が図示されている。
【0075】
既設定の温度プロファイルによれば、エアロゾル生成物品を加熱するヒータは、0~40秒区間の間、270℃に加熱され、40秒~60秒区間の間、240℃に加熱され、60秒~80秒区間の間、235℃に加熱され、80秒~280秒区間の間、230℃に加熱されうる。既設定の温度プロファイルは、ヒータと接触しない、タバコ媒質部の末端部分の目標温度が170℃以上になるように設定されたものでもある。
【0076】
図8を参照すれば、エアロゾル生成物品C、エアロゾル生成物品A5、エアロゾル生成物品A10及びエアロゾル生成物品A15は、既設定の温度プロファイルによって意図されたレベルに温度が制御されうる。一方、エアロゾル生成物品A20は、初期パフ区間で温度が過度に上昇する。
【0077】
このようにタバコ媒質部に過量(すなわち、20重量%以上)の熱伝導性物質が含まれる場合、エアロゾル生成物品が加熱される過程でタバコ媒質部の温度が既設定の温度プロファイルによって意図されたレベルよりも高く上昇することにより、ユーザに過度な熱感が伝達されうる。したがって、タバコ媒質部を製造するための混合物は、20重量%未満の熱伝導性物質を含有することが望ましい。
【0078】
また、
図5に戻り、本発明によるエアロゾル生成物品20000のタバコ媒質部220を製造するための混合物は、乾燥重量基準に20重量%未満の熱伝導性粉末を含んでもよい。したがって、エアロゾル生成物品20000が加熱される過程での熱伝達効率が増加されつつも、既設定の温度プロファイルによって意図されたレベルにタバコ媒質部220の温度が制御されうる。
【0079】
例えば、混合物は、乾燥重量基準に30重量%~80重量%のタバコ粉末、及び0.1重量%以上20重量%未満の熱伝導性粉末を含んでもよい。さらに具体的に、混合物は、乾燥重量基準に60重量%~80重量%のタバコ粉末、5重量%以上20重量%未満の熱伝導性粉末、3重量%~7重量%の添加剤、6重量%~10重量%のバインダ、及び5重量%~12重量%の保湿剤を含んでもよい。但し、それに必ずしも制限されるものではなく、熱伝導性粉末の含量が20%重量未満であれば、他の材料の含量は、適切に変更されうる。
【0080】
一方、タバコ媒質部220から生成されるエアロゾルの特性は、タバコ媒質部220に含まれる熱伝導性粉末の含量だけではなく、分布によっても異なる。以下、
図9及び
図10を参照して、熱伝導性粉末の望ましい分布について説明する。
【0081】
図9及び
図10は、例示的な実施例によるタバコ媒質部内熱伝導性粉末の分布を説明するための断面図である。
【0082】
図9を参照すれば、エアロゾル生成物品がタバコ媒質部220の外部から伝達される熱によって加熱される場合の熱伝導性粉末910の望ましい分布の例示が図示されている。
【0083】
エアロゾル生成物品がタバコ媒質部220の外部から伝達される熱によって加熱されるということは、
図2から
図4に図示されたように、ヒータがタバコ媒質部220の外部を取り囲むように配置されるということを意味する。一般に、ヒータがタバコ媒質部220の外部を取り囲むように配置される場合、タバコ媒質部220の中心領域920の温度がタバコ媒質部220内の他の領域(すなわち、中心領域920ではない領域)の温度よりも低い。これにより、中心領域920よりも他の領域に含まれたエアロゾル生成物質がさらに早く消尽しうる。
【0084】
例示的な実施例によれば、熱伝導性粉末910は、タバコ媒質部220の長手方向軸(すなわち、
図9の断面図に図示されたタバコ媒質部220の中心)に近いほど、さらに高密度に分布されうる。これにより、エアロゾル生成物品と共に使用されるエアロゾル生成装置が外部加熱方式のヒータを含んでも、タバコ媒質部220は、全体として均一に加熱されうる。一例として、タバコ媒質部220の中心領域920に含まれる熱伝導性粉末の量は、タバコ媒質部220の他の領域に含まれる粉末の量より2倍以上多い。但し、必ずしもその限りではない。一方、中心領域920は、タバコ媒質部220の直径の半分に該当する領域でもあるが、それに制限されるものではない。
【0085】
図10を参照すれば、エアロゾル生成物品がタバコ媒質部220の内部から伝達される熱によって加熱される場合の熱伝導性粉末1010の望ましい分布の例示が図示されている。
【0086】
エアロゾル生成物品がタバコ媒質部220の内部から伝達される熱によって加熱されるということは、
図1に図示されたように、ヒータがタバコ媒質部220の内部に挿入されるように配置されるということを意味する。一般に、ヒータがタバコ媒質部220の内部に挿入される場合、タバコ媒質部220の中心領域1020の温度がタバコ媒質部220内の他の領域の温度よりも高い。これにより、他の領域よりも中心領域1020に含まれるエアロゾル生成物質がさらに早く消尽しうる。
【0087】
例示的な実施例によれば、熱伝導性粉末1010は、タバコ媒質部220の長手方向軸(すなわち、
図10の断面図に図示されたタバコ媒質部220の中心)から遠くなるほど、さらに高密度に分布されうる。これにより、エアロゾル生成物品と共に使用されるエアロゾル生成装置が内部加熱方式のヒータを含んでも、タバコ媒質部220は、全体的に均一に加熱されうる。例えば、タバコ媒質部220の他の領域(すなわち、中心領域1020ではない領域)に含まれる熱伝導性粉末1010の量は、タバコ媒質部220の中心領域1020に含まれる熱伝導性粉末1010の量より2倍以上多い。但し、必ずしもその限りではない。一方、中心領域1020は、タバコ媒質部220の直径の半分に該当する領域でもあるが、それに制限されるものではない。
【0088】
また、
図5に戻り、タバコ媒質部220に含まれる熱伝導性粉末の分布は、
図9及び
図10の例示に必ずしも制限されるものではない。熱伝導性粉末は、タバコ媒質部220の全体領域について均一に分布してもよい。
【0089】
冷却部230は、タバコ媒質部220の下流に配置され、エアロゾル生成部210及びタバコ媒質部220のうち、少なくとも1つから生成されるエアロゾルを冷却することができる。冷却部230は、中空を含むチューブフィルタまたは紙管フィルタでもある。しかし、冷却部230は、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を遂行可能であれば、制限なしに利用することができる。例えば、冷却部230は、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。冷却部230は、純粋なポリ乳酸のみによっても作製されるが、それに限定されない。また、冷却部230は、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。
【0090】
フィルタ部240は、冷却部230の下流に配置される酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタ部240の形状には制限がない。例えば、フィルタ部240は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタ部240は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタ部240が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0091】
フィルタ部240は、香味が発生するようにも作製される。一例として、フィルタ部240に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタ部240の内部に挿入されうる。
【0092】
また、フィルタ部240には、少なくとも1つのカプセルが含まれる。ここで、カプセルは、香味を発生させる機能を遂行し、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセルは、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセルは、球状または円筒状を有しもよいが、それに制限されない。
【0093】
エアロゾル生成物品20000は、ラッパ250によっても包装される。ラッパ250には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。
図5において、ラッパ250は、単一ラッパとして図示されているが、ラッパ250は、複数枚のラッパの組合わせでもある。ラッパ250は、熱伝導性ラッパを含んでもよい。例えば、ラッパ250は、金属層(例えば、アルミニウム、銅など)を含む耐油性ラッパを含んでもよい。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0094】
一方、
図5には、エアロゾル生成物品20000が4個のセグメントで構成されていると図示されているが、それに限定されない。すなわち、エアロゾル生成物品20000は、さらに少数のセグメントまたはさらに多数のセグメントで構成され、冷却部230及びフィルタ部240以外に他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントを含んでもよい。
【0095】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載の内容と同等な範囲にある全ての差は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれると解釈されねばならない。