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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】斜流型インペラ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/22 20060101AFI20231003BHJP
   F04D 29/28 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
F04D29/22 C
F04D29/28 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019113004
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020204301
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】松尾 昭英
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正樹
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-034786(JP,U)
【文献】特開2009-030587(JP,A)
【文献】実開昭53-048205(JP,U)
【文献】特開2017-110588(JP,A)
【文献】特開2019-054671(JP,A)
【文献】特開2014-194170(JP,A)
【文献】特開2009-133267(JP,A)
【文献】特開平07-189998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/22
F04D 29/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸方向に延在した筒部と、当該回転軸に対して傾斜した環状の傾斜面と、当該傾斜面の外周側を囲む第1の外周部及び第2の外周部と、を有するベースと、
前記傾斜面に設けられた複数の翼と、を備え、
径方向において、前記第1の外周部は、前記環状の傾斜面と前記第2の外周部との間にあり、
前記複数の翼は前記筒部から前記第1の外周部にかけて延在し、
前記複数の翼の間には、空気が流れる経路が形成されており、
前記回転軸方向において、前記経路は前記ベースに対して反対側に向けて開放されており、
前記第1の外周部と、前記第2の外周部とは、外形が互いに異なっており、
前記第1の外周部及び前記第2の外周部のうちの一方の外周部には、凹部が設けられている、斜流型インペラ。
【請求項2】
前記第1の外周部及び前記第2の外周部のうちの他方の外周部には、マーキングがなされている、請求項1に記載の斜流型インペラ。
【請求項3】
前記第1の外周部は、径方向において第2の外周部より内側に設けられており、
前記第1の外周部にはマーキングがなされ、
前記第2の外周部には凹部が設けられている、請求項1又は2に記載の斜流型インペラ。
【請求項4】
前記第1の外周部は、回転軸方向において前記傾斜面と前記第2の外周部との間に設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の斜流型インペラ。
【請求項5】
樹脂部材で形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の斜流型インペラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜流型インペラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環状のベースと、ベースに設けられた複数の羽根と、を備える斜流型インペラが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このような斜流型インペラでは、バランスを計測し、バランスに偏りがある場合には、ベースの外周部に凹部を形成することにより、斜流型インペラのバランスを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-133267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような斜流型インペラでは、ベースの外周部に回転位相を検出するためのマーキングがなされている場合があり、マーキングがなされたベースの外周部には凹部を形成することができない。そのため、斜流型インペラのバランスを調整することが困難な場合があった。
【0006】
本発明は、バランス調整を容易に行うことができる斜流型インペラを提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、本発明の斜流型インペラは、回転軸に対して傾斜した環状の傾斜面と、当該傾斜面の外周側を囲む第1の外周部及び第2の外周部と、を有するベースと、前記傾斜面に設けられた複数の翼と、を備え、前記第1の外周部と、前記第2の外周部とは、外形が互いに異なっており、前記第1の外周部及び前記第2の外周部のうちの一方の外周部には、凹部が設けられている。
【0008】
本発明の斜流型インペラにおいては、前記第1の外周部及び前記第2の外周部のうちの他方の外周部には、マーキングがなされているものとすることができる。
また、本発明の斜流型インペラにおいては、前記第1の外周部は、径方向において第2の外周部より内側に設けられており、前記第1の外周部にはマーキングがなされ、前記第2の外周部には凹部が設けられているものとすることができる。
さらに、本発明の斜流型インペラにおいては、前記第1の外周部は、回転軸方向において前記傾斜面と前記第2の外周部との間に設けられているものとすることができる。
【0009】
本発明の斜流型インペラにおいては、樹脂部材で形成されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一例である実施形態にかかる斜流型インペラの上面図である。
図2】本発明の一例である実施形態にかかる斜流型インペラの側面図である。
図3】本発明の一例である実施形態にかかる斜流型インペラの斜め上方から見た斜視図である。
図4図3の斜流型インペラの一部分を抜き出した部分拡大斜視図である。
図5】本発明の一例である変形例にかかる斜流型インペラの上面図である。
図6】本発明の一例である変形例にかかる斜流型インペラの斜め上方から見た斜視図である。
図7】本発明の一例である変形例にかかる斜流型インペラを切り欠いた部分を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態にかかる斜流型インペラについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一例である実施形態にかかる斜流型インペラ1の上面図であり、図2は、斜流型インペラ1の側面図である。また、図3は、斜流型インペラ1の斜め上方から見た斜視図であり、図4は、図3の斜流型インペラ1の一部分を抜き出した部分拡大斜視図である。
【0012】
なお、本実施形態の説明において、回転軸x方向において矢印a方向を上側aとし、矢印b方向を下側bとする。また、回転軸xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、回転軸xから遠ざかる方向(矢印c方向)を外周側cとし、回転軸xに向かう方向(矢印d方向)を内周側dとする。そして、回転軸xを中心とする円周方向(矢印e及びf方向)を周方向e(以下、「時計回り」ともいう。)及び周方向f(以下、「反時計回り」ともいう。)とする。
【0013】
図1図3に示すように、本実施形態の斜流型インペラ1は、ベース12と、ベース12に設けられた複数の翼13と、を備えている。斜流型インペラ1は、樹脂部材で形成されている。
【0014】
ベース12は、回転軸xに対して傾斜した環状の傾斜面20sを有する傾斜部20と、径方向において傾斜部20の外周側cを囲む第1の外周部21及び第2の外周部22と、回転軸x方向において上側aに設けられた円筒状の筒部23と、を有する。
ベース12は、シャフト(不図示)に固定されており、シャフトの回転に連れ回るようになっている。
【0015】
傾斜部20の傾斜面20sは、内周側dから外周側cへ向かって下り勾配に傾斜している。傾斜面20sには、複数の翼13が設けられている。
【0016】
第1の外周部21と、第2の外周部22とは、外形が互いに異なっている。即ち、図1に示すように、本実施形態において、第1の外周部21の径方向における寸法である直径寸法Aは、第2の外周部22の径方向における寸法である直径寸法Bに比して、小さくなって(A<B)いる。
また、図2に示すように、第1の外周部21の回転軸x方向における寸法である高さ寸法Cは、第2の外周部22の回転軸x方向における寸法である高さ寸法Dと等しくなって(C=D)いる。
【0017】
図3に示すように、第1の外周部21は、回転軸x方向において傾斜面20sと第2の外周部22との間に設けられている。即ち、回転軸x方向において上側aから下側bへ向かって傾斜面20s、第1の外周部21、第2の外周部22の順に設けられている。
また、第1の外周部21の側面21cは、径方向において第2の外周部22の側面22cより内周側dに設けられている。
【0018】
図4に示すように、第1の外周部21は、傾斜面20sの外周側cから連続して設けられており、外周側cに向く側面21cには、マーク24によるマーキングがなされている。
マーク24は、斜流型インペラ1の周方向eの回転角度、回転数及び回転速度等の回転位相を検出する際に指標となる表示である。
このマーク24は、例えば、側面21cに貼られる長方形や線状のテープやシール、側面21cにペンで描かれた表示等であり、第1の外周部21の高さ寸法Cを超えない高さの領域S1に設けられている。
なお、マーク24は、第1の外周部21の側面21cに複数設けられていてもよい。
【0019】
図4に示すように、第2の外周部22は、上側aに向く上面22aが第1の外周部21の側面21cの下側bから連続して設けられ、上面22aの外周側cから連続して設けられて外周側cに向く側面22cに凹部25が設けられている。
凹部25は、外周側cから内周側dへ凹む1又は複数の穴26である。この凹部25は、斜流型インペラ1の回転バランスに偏りがある場合に、工具で1又は複数の穴26を形成して回転バランスを調整するために形成される。例えば、斜流型インペラ1の重心が回転軸xと一致していない場合に斜流型インペラ1の回転バランスに偏りがあるとし、1又は複数の穴26を形成して当該箇所の質量を軽くして、重心が回転軸xと一致するように調整する。
この1又は複数の穴26は、第2の外周部22の側面22cにおける高さ寸法Dを超えない高さの領域S2内に形成される。
なお、凹部25は、第2の外周部22の側面22cに複数設けられていてもよい。
【0020】
筒部23は、回転軸xを中心とする円筒状を有し、内部にシャフト(不図示)が保持される。筒部23の上側aには円形の開口27が設けられており、上側aにシャフト(不図示)を筒部23の内部から外部へ引き出されるようになっている。
【0021】
複数の翼13は、傾斜面20sにおいて周方向eに等間隔で取り付けられている。この複数の翼13は、傾斜面20sに固定された固定部31と、上側aに設けられた上端部32と、下側bに設けられた下端部33と、上端部32と下端部33との間に設けられて外周側cに向く湾曲部34と、固定部31と上端部32との間で傾斜した傾斜面35と、を有する。
翼13は、ベース12の反時計回りfの回転によって、上側aから下側bへ気流が生じるようになっている。
【0022】
固定部31は、上側aから下側bにかけて傾斜面20sに固定されている。
上端部32は、傾斜面20sの外周側cから内周側dへ向かって時計回りe側が凸になるように湾曲しており、下端部33は、上側aから下側bへ直線状に立ち上がっている。
下端部33は、回転軸x方向において第1の外周部21の側面21cと面一に設けられている。
湾曲部34は、上端部32と下端部33との中間部分の厚さが最も厚く、上側aから下側bへ向かって反時計回りf側が凸になるように湾曲している。
傾斜面35は、外周側c及び内周側dに面しており、上側aから下側bへ向かって下り勾配に傾斜している。
【0023】
本実施形態にかかる斜流型インペラ1は、第1の外周部21と、第2の外周部22とは、互いに外形が異なっている。即ち、図1に示すように、第1の外周部21の径方向における寸法である直径寸法Aは、第2の外周部22の径方向における寸法である直径寸法Bに比して、小さくなって(A<B)いる。そのため、斜流型インペラ1の回転位相を検出するためのマーク24を第1の外周部21に、斜流型インペラ1の回転バランスを調整するための凹部25を第2の外周部22に、それぞれ設けることができる。
【0024】
ベースの外周部が1つの従来の斜流型インペラでは、外周部に回転位相を検出するためのマーキングがなされた後にバランスを調整する際、マーキングがなされた外周部に凹部を形成してバランスを調整するとマーキングが消えてしまう。
また、傾斜部や翼等の空気が流れる経路に凹部を形成すると、風の流れや騒音に影響を与えてしまうおそれがあり、斜流型インペラのバランスを調整するのが困難な場合があった。
【0025】
しかし、本発明の構成を具備すれば、回転位相を検出するためのマーク24が消えることなくバランスを調整するための凹部25を第2の外周部22の全周にわたって制限なく設けることが可能であり、斜流型インペラ1のバランス調整を容易に行うことができる。
【0026】
また、本実施形態にかかる斜流型インペラ1は、第1の外周部21は、径方向において第2の外周部22より内側に設けられており、第2の外周部22に凹部25が設けられている。そして、第1の外周部21は、回転軸x方向において、傾斜面20sと第2の外周部22との間に設けられている。このため、第2の外周部22の凹部25に工具等で穴26を形成する際、第1の外周部21、傾斜面20s及び翼13に工具が当たることを抑制することができる。したがって、斜流型インペラ1の破損を防止するとともにバランス調整を容易に行うことができる。
【0027】
さらに、本実施形態に係る斜流型インペラ1は、樹脂部材で形成されているため、軽量化を図ることができる。
以上のように、本実施形態にかかる斜流型インペラ1は、バランス調整を容易に行うことができる。
【0028】
次に、本発明の変形例にかかる斜流型インペラ100について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の一例である変形例にかかる斜流型インペラ100の上面図であり、図6は、斜流型インペラ100の斜め上方から見た斜視図である。また、図7は、斜流型インペラ100を切り欠いた部分Pを説明するための図である。本変形例の説明において、上記実施形態と同一の機能及び構造の部材乃至部品については、上記実施形態と同一となる符号を図5図7に付して、その詳細な説明を省略している(ただし、特に説明を加えている場合はこの限りではない。)。
【0029】
本変形例においては、第1の外周部121と、第2の外周部122の構成が、上記実施形態の第1の外周部21及び第2の外周部22とは異なっている。
図5図7に示されるように、本変形例における第2の外周部122は、斜流型インペラ100の外周部120のうち一部にのみに設けられている。
【0030】
ベース112の外周部120は、径方向において傾斜部20の外周側cを囲む第1の外周部121と、外周部120のうち一部にのみに設けられた第2の外周部122と、を含む。
また、図6に示すように、ベース112の外周部120のうち第2の外周部122が形成されていない領域の第1の外周部121の回転軸x方向における寸法である高さ寸法Eは、第2の外周部122の回転軸x方向における寸法である高さ寸法Fに比して、大きくなって(E>F)いる。
【0031】
図7に示すように、第2の外周部122が形成されていない領域の第1の外周部121は、傾斜面20sの外周側cから連続して設けられている。第1の外周部121の外周側cに向く側面121cには、マーク124によるマーキングがなされている。
第2の外周部122は、傾斜面20sの一部、及びベース112の外周部120の一部である部分Pを切り欠くことにより形成されている。部分Pを切り欠くことにより、第2の外周部122には、外周側cに向く側面122cが形成される。また、ベース112の外周部120には、回転軸x方向に向く上面120aと、周方向eに向く周面120eと、が形成される。
【0032】
部分Pは、斜流型インペラ1の回転バランスに偏りがある場合に、工具で傾斜面20sの一部、及びベース112の外周部120の一部を切り欠いて回転バランスを調整する部分である。例えば、斜流型インペラ100の重心が回転軸xと一致していない場合に斜流型インペラ100の回転バランスに偏りがあるとし、部分Pを切り欠くことにより切り欠いた箇所の質量を軽くして重心が回転軸xと一致するように調整する。
なお、部分Pを切り欠く前は、ベース112の外周部120にマーク124によるマーキングがなされており、回転バランスを調整するためにマーク124が形成された部分Pを切り欠いた場合、マーク124の一部が第1の外周部121の側面121cに残る。
【0033】
部分Pの範囲は、斜流型インペラ100の回転バランスを調節する量によって異なるが、部分Pの径方向における最大範囲は、翼13の下端部33より外周側cの範囲である。即ち、部分Pの径方向における最大範囲は、翼13を切り欠くことがない範囲である。
また、部分Pの回転軸x方向における最大範囲は、第1の外周部121の高さ寸法Eより上側aの範囲である。即ち、部分Pの回転軸x方向における最大範囲は、第1の外周部121の高さ寸法Eより小さい範囲である。なお、部分Pの周方向eにおける最大範囲は、ベース112の外周部120の外周側cの全周である。
【0034】
部分Pを切り欠くことにより形成される第2の外周部122の側面122cは、傾斜面20sの外周側cから連続して設けられており、ベース112の外周部120の上面120aは、側面122cの下側bから連続して設けられている。
【0035】
本変形例では、図7に示す通り、部分Pを切り欠くことにより第2の外周部122を形成しており、上記実施形態と同様に、バランス調整を容易に行うことができる。即ち、斜流型インペラ100の回転位相を検出するためのマーク124をベース112の外周部120に設け、部分Pを切り欠いて第2の外周部122を形成することにより、斜流型インペラ100のバランスを調整する。このため、回転位相を検出するためのマーク124が形成された位置を部分Pとした場合であっても、マーク124は、第1の外周部121の側面121cに残り、消えることがない。したがって、バランスを調整するための部分Pを切り欠く位置を、ベース112の外周部120の全周にわたって選択することができ、斜流型インペラ100のバランス調整を容易に行うことができる。
【0036】
また、本変形例では、部分Pの最大範囲が径方向において翼13を切り欠くことのない範囲内である。このため、翼等の空気が流れる経路を切り欠くことによる風の流れや騒音に影響を与えることを抑制することができる。
【0037】
さらに、本変形例では、斜流型インペラ1の回転バランスを調整するため、ベース112の外周部120に設けられたマーク124の部分を含む部分Pで切り欠かなければならない場合であっても、部分Pの最大範囲が回転軸x方向において第1の外周部121の高さ寸法Eより小さい範囲内である。このため、回転位相を検出するためのマーク124が消えることなく部分Pを切り欠くことが可能であり、斜流型インペラ100のバランス調整を容易に行うことができる。
【0038】
本変形例では、部分Pの周方向eにおける最大範囲は、ベース112の外周部120全周である。このため、斜流型インペラ100の回転バランスを調節する量によって、周方向eの範囲を異ならせて部分Pを切り欠くことにより、風の流れや騒音への影響を抑制しつつ、マーク124が消えることなくバランス調整を容易に行うことができる。
【0039】
以上、本発明の斜流型インペラについて、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の斜流型インペラは、上記の実施形態や変形例の構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態の斜流型インペラにおいては、第1の外周部21の側面21cにマーク124によるマーキングがなされ、第2の外周部22の側面22cに凹部25が形成されている構成を例に挙げて説明したが、第1の外周部21の側面21cに凹部25が形成され、第2の外周部22の側面22cにマーク24によるマーキングがなされているようにしても構わない。
【0040】
また、上記の実施形態の斜流型インペラ1では、凹部25は、第2の外周部22の側面22cに設けられている構成を例に挙げて説明したが、上側aに向く上面22aに凹部25に設けるようにしても構わない。
【0041】
さらに、上記の実施形態の斜流型インペラ1では、第1の外周部21の高さ寸法Cと、第2の外周部22の高さ寸法Dと、は等しい構成を例に挙げて説明したが、第1の外周部21の高さ寸法Cが第2の外周部22の高さ寸法Dに比して小さくなっていても構わないし、大きくなっていても構わない。
【0042】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の斜流型インペラを適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
1,100…斜流型インペラ、12,112…ベース、13…翼、20…傾斜部、20s…傾斜面、21,121…第1の外周部、21c,121c…側面、22,122…第2の外周部、22a,120a…上面、22c,122c…側面、23…筒部、24,124…マーク、25…凹部、26…穴、27…開口、31…固定部、32…上端部、33…下端部、34…湾曲部、35…傾斜面、120…外周部、120e…周面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7