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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】仮設足場における連結ジョイント
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/20 20060101AFI20231003BHJP
   E04G 7/34 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
E04G7/20 C
E04G7/34 301A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019120734
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021006678
(43)【公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】北原 大二郎
【審査官】小林 英司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-233482(JP,A)
【文献】実公昭47-015509(JP,Y1)
【文献】特開平08-177228(JP,A)
【文献】特開2015-075156(JP,A)
【文献】特開2017-048602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/10 - 7/34
E04G 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設足場における金属パイプ製の支柱を上下に連結する連結ジョイントであり、下側支柱(1a)に挿着される下部挿入管(4)と、上側支柱(1b)に挿着される上部挿入管(5)と、下側支柱と上側支柱の間に挟持されるリング体(6)とから成る管体(3a)により構成され、上側支柱(1b)を上部挿入管(5)に外挿させた挿着状態で抜止め係止するロック機構(8)を設けており、
前記ロック機構(8)は、前記挿着状態とされたとき相互に連通する上部挿入管(5)の案内孔(5a)及び上側支柱(1b)のロック孔(14)と、上部挿入管の内部から案内孔(5a)に挿通され上部挿入管の外部に突出するロック位置(P1)と上部挿入管の外部に突出しないアンロック位置(P2)との間で移動するロック片(21)と、該ロック片を前記ロック位置(P1)に向けて付勢するバネ部材(22)と、該バネ部材を介してロック片(21)をアンロック位置(P2)に移動させる操作機構(23)により構成され、前記バネ部材(22)は、前記管体(3a)に装入された状態で、管体の内部に固定される固定部(24)と、該固定部から折返されることにより上部挿入管(5)の軸方向に延びる弾性アーム(25)を備え、該弾性アームに前記ロック片(21)を設けており、
前記操作機構(23)は、前記リング体(6)を貫通する挿入孔(26)と挿出孔(27)に挿通されたロッド(32)により構成されると共に前記バネ部材(22)に向けて待機位置(Q1)と作動位置(Q2)の間で移動自在とされ常時はバネ部材により待機位置に保持される移動体(29)と、該移動体を前記作動位置(Q2)に移動させたとき前記ロック片(21)をアンロック位置(P2)に移動させるように前記バネ部材(22)を押動して弾性変形させる駆動部(30)と、該移動体(29)の軸廻りに関して係止位置(R2)と解除位置(R1)の間で回動自在とされ前記係止位置(R2)に回動することにより前記移動体(29)を作動位置(Q2)に係止保持する係止手段(31)により構成されて成ることを特徴とする仮設足場における連結ジョイント。
【請求項2】
前記ロック片(21)の上側には、上部挿入管(5)に外挿した状態で下向き移動させられる上側支柱(1b)の下端縁に接することにより、該ロック片をバネ部材(22)に抗してアンロック位置(P2)に移動させる傾斜案内部(21a)が設けられ、
前記ロック片(21)の下側には、ロック孔(14)が案内孔(5a)に連通することにより該ロック片がバネ部材(22)によりロック位置(P1)に移動したとき、上側支柱(1b)の上向き移動を阻止するようにロック孔(14)に係止する係止部(21b)が設けられて成ることを特徴とする請求項1に記載の仮設足場における連結ジョイント。
【請求項3】
前記バネ部材(22)は、前記管体(3a)に装入された状態で、管体の内部に固定される固定部(24)と、該固定部から折返されることにより上部挿入管(5)の軸方向に延びる弾性アーム(25)を備え、該弾性アームに前記ロック片(21)を設けており、
前記操作機構(23)の移動体(29)は、前記弾性アーム(25)を横断する管体(3a)の直径方向に位置してリング体(6)を貫通する挿入孔(26)と挿出孔(27)に挿通されたロッド(32)により構成され、該ロッドは、前記挿入孔(26)に挿通されると共に前記弾性アーム(25)に当接する大径部(32a)により前記駆動部(30)を構成し、前記挿出孔(27)から挿出された挿出端に抜止め手段(34)を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮設足場における連結ジョイント。
【請求項4】
前記ロッド(32)の大径部(32a)は、ロッドの軸廻りに関して前記挿入孔(26)の孔内で回動自在とされ、
前記ロッドの大径部(32a)の側部には、該ロッドを待機位置(Q1)から作動位置(Q2)に移動したとき管体(3a)の内部に臨む挿入孔(26)の内側に移動させられる突起(35)が突設され、
前記挿入孔(26)には、前記ロッドを待機位置(Q1)としたとき、前記突起(35)を受入れる切欠き部(36)が形成されており、
前記突起(35)は、切欠き部(36)に臨む位置を解除位置(R1)とすると共に、前記大径部(32a)を回動することにより切欠き部(36)から離れた位置を係止位置(R2)として、前記ロッドを作動位置に移動させた状態で回動させたとき、該突起(35)が挿入孔(26)の周囲に位置する管体(3a)の内面に係止することにより、ロッドを作動位置(Q2)に係止保持する前記係止手段(31)を構成して成ることを特徴とする請求項3に記載の仮設足場における連結ジョイント。
【請求項5】
前記リング体(6)の外側において、移動体(29)の軸廻りに回動自在な把持アーム(37)を該移動体の径方向に延設し、移動体(29)を作動位置(Q2)に移動した状態で、前記把持アーム(37)を係止位置(R2)と解除位置(R1)の間で回動自在に構成しており、
前記リング体(6)の外側に設けた係脱手段(41)に対して、係止位置(R2)に回動された把持アーム(37)を係脱自在に係止させることにより、前記係止手段(31)を構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の仮設足場における連結ジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設足場における金属パイプ製の支柱を上下に連結する連結ジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮設足場は、金属パイプ製の支柱を連結ジョイントにより上下に連結することにより、下から上に向けて延長させ、これらの支柱を横方向に布材等の連結管により連結することにより構築される。
【0003】
図1は、従来技術に関する連結ジョイントの1例を示している。図示の場合、金属パイプ製の支柱1は、上下方向に間隔をあけてフランジ2を固設しており、連結ジョイント3を使用することにより、下側支柱1aに上側支柱1bを連結し、支柱1を上方に延長させられる。支柱1は、前後左右の横方向に所定間隔をあけて立設され、隣り合う支柱1、1を横方向に布材等の連結管で連結することにより、足場を構築する。この際、連結管の両端部に設けられた連結金具によりフランジ2を上下から挟んだ状態で、フランジ2の楔孔2aに楔を打ち込み、緊結することにより連結が行われる。
【0004】
連結ジョイント3は、下側支柱1aに挿着される下部挿入管4と、上側支柱1bに挿着される上部挿入管5と、下側支柱1aと上側支柱1bの間に挟持されるリング体6とから成る管体3aにより構成され、下部挿入管4を下側支柱1aに挿着した状態で抜止め係止する係止ピン機構7と、上部挿入管4を上側支柱1bに挿着した状態で抜止め係止するロック機構8が設けられている。
【0005】
係止ピン機構7は、下部挿入管4の内部に門形の板バネ9の両脚部を閉脚方向に弾性変形させた状態で装入され、両脚部に設けた係止ピン10、10を下部挿入管4に開設した案内孔4aから外側に突出させている。これに対して、下側支柱1aは、下部挿入管4を挿入した状態で下側支柱1aの上端とリング体5が当接する挿着位置まで移動させられたとき、前記係止ピン10、10が挿入係止される係止孔11、11を開設している。
【0006】
そこで、連結ジョイント3を下側支柱1aに挿着するときは、作業者が係止ピン10、10を指先で摘まむことにより下部挿入管4の案内孔4aに没入させた状態で、下部挿入管4を下側支柱1aに挿入し、前記挿着位置まで移動させると、板バネ9の弾発付勢力により係止ピン10、10が係止孔11、11に自動的に挿入係止される。因みに、足場の解体に際して連結ジョイント3を下側支柱1aから取外すときは、下側支柱1aの外側から指先で摘まむことにより係止ピン10、10を係止孔11、11の内側まで没入させ、係止を解除した状態で、下部挿入管4を抜き取れば良い。
【0007】
その一方において、上部挿入管5を上側支柱1bに抜止め係止するロック機構8は、リング体6の直径方向に摺動自在に挿通された摺動軸部12aから上向きに折曲された中間部12bと、該中間部12bから折曲され上部挿入管5の案内孔5aに向けて延びる挿入部12cを備えたロッド12により構成され、前記摺動軸部12aに外挿したコイルスプリング13により、前記挿入部12cを前記孔5aに挿入させる方向に弾発付勢している。これに対して、上側支柱1bは、上部挿入管5に外挿した状態で上側支柱1bの下端とリング体6が当接する挿着位置まで移動させたとき、前記案内孔5aに合致して連通するロック孔14を開設している。
【0008】
そこで、連結ジョイント3に上側支柱1bを挿着するときは、図1(B)に示すように、作業者がロッド12の中間部12bを指先で摘まむことにより挿入部12cを案内孔5aから引き出し、この状態で、上側支柱1bを上部挿入管5に外挿させながら前記挿着位置まで移動させ、ロック孔14が案内孔5aに合致した状態を確認した後、図1(C)に示すように、挿入部12cをロック孔14と案内孔5aに挿通すると、上側支柱1bが抜止め状態でロックされる。因みに、足場の解体に際して上側支柱1bを連結ジョイント3から取外すときは、前記と同様にロッド12の中間部12bを摘まむことにより挿入部12cをロック孔14から引出し、ロックを解除した状態で、上側支柱1bを上部挿入管5から抜き取れば良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2008-63841号公報
【文献】特開2006-348625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の従来技術の場合、上部挿入管5を上側支柱1bに抜止め係止するロック機構8は、作業者がロッド12の中間部12bを指先で摘まんで挿入部12cを引き出しながら作業を行う必要があるため、例えば、作業者が軍手を着用しているとき等は、中間部12bを摘まむことが困難であり、作業を迅速容易に行うことができない。
【0011】
また、連結ジョイント3の上部挿入管5に上側支柱1bを挿着する場合、もしも、ロッド12の挿入部12cが必要十分に引き出されていないときは、上側支柱1bを上部挿入管5に外挿させながら前記挿着位置まで移動させると、上側支柱1bの下端が挿入部12cに衝突してロッド12を破損するおそれがある。
【0012】
更に、ロッド12は、中間部12bと挿入部12cがリング体6の外側に大きく露出しているので、下側支柱1aのフランジ2に布材等の連結管を楔緊結する際に、楔を打ち込むためのハンマーが干渉するおそれがあり、この際、ハンマーの衝突によりロッド12を破損するおそれがある。
【0013】
特に、異物等の衝突によりロッド12が変形されると、挿入部12cと摺動軸部12aが平行状態から変形して歪曲され、挿入部12cが案内孔5aに正常に挿入されなくなる問題や、摺動軸部12aが円滑に摺動しなくなる問題がある。
【0014】
本発明は、上記問題を解決した連結ジョイントを提供するものであり、特に、上部挿入体と上側支柱を挿着状態で抜止め係止するためのロック機構の改良を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、本発明が手段として構成したところは、仮設足場における金属パイプ製の支柱を上下に連結する連結ジョイントであり、下側支柱に挿着される下部挿入管と、上側支柱に挿着される上部挿入管と、下側支柱と上側支柱の間に挟持されるリング体とから成る管体により構成され、上側支柱を上部挿入管に外挿させた挿着状態で抜止め係止するロック機構を設けており、前記ロック機構は、前記挿着状態とされたとき相互に連通する上部挿入管の案内孔(5a)及び上側支柱のロック孔(14)と、上部挿入の内部から案内孔に挿通され上部挿入の外部に突出するロック位置と上部挿入の外部に突出しないアンロック位置との間で移動するロック片と、該ロック片を前記ロック位置に向けて付勢するバネ部材と、該バネ部材を介してロック片をアンロック位置に移動させる操作機構により構成され、前記バネ部材は、前記管体に装入された状態で、管体の内部に固定される固定部と、該固定部から折返されることにより上部挿入管の軸方向に延びる弾性アームを備え、該弾性アームに前記ロック片を設けており、前記操作機構は、前記リング体と管体を貫通する挿入孔と挿出孔に挿通されたロッドにより構成されると共に前記バネ部材に向けて待機位置と作動位置の間で移動自在とされ常時はバネ部材により待機位置に保持される移動体と、該移動体を前記作動位置に移動させたとき前記ロック片をアンロック位置に移動させるように前記バネ部材を押動して弾性変形させる駆動部と、該移動体の軸廻りに関して係止位置と解除位置の間で回動自在とされ前記係止位置に回動することにより前記移動体を作動位置に係止保持する係止手段により構成されて成る点にある。
【0016】
本発明の実施形態において、前記ロック片の上側には、上部挿入管に外挿した状態で下向き移動させられる上側支柱の下端縁に接することにより、該ロック片をバネ部材に抗してアンロック位置に移動させる傾斜案内部が設けられ、前記ロック片の下側には、ロック孔が案内孔に連通することにより該ロック片がバネ部材によりロック位置に移動したとき、上側支柱の上向き移動を阻止するようにロック孔に係止する係止部が設けられている。
【0017】
前記バネ部材は、前記管体に装入された状態で、管体の内部に固定される固定部と、該固定部から折返されることにより上部挿入管の軸方向に延びる弾性アームを備え、該弾性アームに前記ロック片を設けており、前記操作機構の移動体は、前記弾性アームを横断する管体の直径方向に位置してリング体と管体を貫通する挿入孔と挿出孔に挿通されたロッドにより構成され、該ロッドは、前記挿入孔に挿通されると共に前記弾性アームに当接する大径部により前記駆動部を構成し、前記挿出孔から挿出された挿出端に抜止め手段を設けていることが好ましい。
【0018】
係止手段の構成に関して、本発明の第1実施形態の場合、前記ロッドの大径部は、ロッドの軸廻りに関して前記挿入孔の孔内で回動自在とされ、前記ロッドの大径部の側部には、該ロッドを待機位置から作動位置に移動したとき管体の内部に臨む挿入孔の内側に移動させられる突起が突設され、前記挿入孔には、前記ロッドを待機位置としたとき、前記突起を受入れる切欠き部が形成されており、前記突起は、切欠き部に臨む位置を解除位置とすると共に、前記大径部を回動することにより切欠き部から離れた位置を係止位置として、前記ロッドを作動位置に移動させた状態で回動させたとき、該突起が挿入孔の周囲に位置する管体の内面に係止することにより、ロッドを作動位置に係止保持する前記係止手段を構成している。
【0019】
係止手段の構成に関して、本発明の第2実施形態の場合、前記リング体の外側において、移動体の軸廻りに回動自在な把持アームを該移動体の径方向に延設し、移動体を作動位置に移動した状態で、前記把持アームを係止位置と解除位置の間で回動自在に構成しており、前記リング体の外側に設けた係止手段に対して、前記把持アームの回動位置に応じて該把持アームを係脱自在に係止させることにより、前記係止手段を構成している。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ロック片21のロックを解除する作業は、作業者の指先により、移動体29を待機位置Q1から作動位置Q2押込む動作と、押し込んだ状態で係止手段31を解除位置R1から係止位置R2に回動する動作を行うだけで足りるので、迅速かつ簡単容易である。そして、これによりロック片21は、アンロック位置P2に保持されているので、作業者の両手を使用して上側支柱1bを容易に引き抜くことができる。
【0021】
そして、ロック機構8を元の状態に戻す、つまり、移動体29を待機位置Q1としてロック片21をロック位置P1に位置させるためには、移動体29を元の位置に向けて回動するだけで良く、これにより係止手段31の係止が解除されるや否や、弾性アーム25の弾発付勢力により、自動的に、移動体29が作動位置Q2に移動し、ロック片21がロック位置P1に移動するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来技術に係る連結ジョイントを示しており、(A)は下部挿入管を下側支柱に挿着する前の状態を示す斜視図、(B)は下部挿入管を下側支柱に挿着した状態を示す斜視図、(C)は上部挿入管に上側支柱を挿着した状態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態を示しており、連結ジョイントと下側支柱と上側支柱を分解状態で示す斜視図である。
図3】第1実施形態に関して、(A)は下部挿入管を下側支柱に挿着した状態の斜視図、(B)は連結ジョイントを挿着した2本の下側支柱を束ねた状態を示す斜視図である。
図4】第1実施形態に関して、(A)はロック機構の分解状態を示す斜視図、(B)はバネ部材を示す斜視図である。
図5】第1実施形態に関して、上部挿入管に装入されたバネ部材と移動体を分離した状態を示す断面図である。
図6】第1実施形態に関して、(A)は上部挿入管に組付けられたロック機構を示す斜視図、(B)は上部挿入管に上側支柱を挿着するときの作用を示す断面図である。
図7】第1実施形態に関して、(A)は移動体を作動位置に移動することによりバネ部材のロック片をアンロック位置に移動させた状態を示す斜視図、(B)はそのときの状態を示す断面図である。
図8】第1実施形態に関して、(A)は移動体を作動位置に移動させた状態で係止手段を係止位置に回動させた状態を示す斜視図、(B)はその時の状態を示す断面図である。
図9】第1実施形態に関して、下側支柱に挿着した連結ジョイントと上側支柱を分離した状態を示す斜視図である。
図10】第1実施形態に関して、上側支柱を上部挿入管に挿着するときの作用を示しており、(A)は上側支柱の下端によりロック片がアンロック位置に移動された状態を示す断面図、(B)は上側支柱の下端がリング体に当接されロック片がロック位置に移動された状態を示す断面図である。
図11】第1実施形態に関して、上側支柱を上部挿入管から引き抜くときの作用を示しており、(A)は移動体を作動位置に移動することによりバネ部材のロック片をアンロック位置に移動させた状態を示す斜視図、(B)はそのときの状態を示す断面図である。
図12】第1実施形態に関して、上側支柱を上部挿入管から引き抜くときの作用を示しており、(A)は移動体を作動位置に移動させた状態で係止手段を係止位置に回動させた状態を示す斜視図、(B)はその時の状態を示す断面図である。
図13】本発明の第2実施形態を示しており、連結ジョイントと下側支柱と上側支柱を分解状態で示す斜視図である。
図14】第2実施形態に関して、(A)は下部挿入管を下側支柱に挿着した状態の斜視図、(B)は連結ジョイントを挿着した2本の下側支柱を束ねた状態を示す斜視図である。
図15】第2実施形態に関して、(A)はロック機構の分解状態を示す斜視図、(B)はバネ部材を示す斜視図である。
図16】第2実施形態に関して、上部挿入管に装入されたバネ部材と移動体を分離した状態を示す断面図である。
図17】第2実施形態に関して、(A)は上部挿入管に組付けられたロック機構を示す斜視図、(B)は上部挿入管に上側支柱を挿着するときの作用を示す断面図である。
図18】第2実施形態に関して、(A)は移動体を作動位置に移動することによりバネ部材のロック片をアンロック位置に移動させた状態を示す斜視図、(B)はそのときの状態を示す断面図である。
図19】第2実施形態に関して、(A)は移動体を作動位置に移動させた状態で係止手段を係止位置に回動させた状態を示す斜視図、(B)はその時の状態を示す断面図である。
図20】第2実施形態に関して、下側支柱に挿着した連結ジョイントと上側支柱を分離した状態を示す斜視図である。
図21】第2実施形態に関して、上側支柱を上部挿入管に挿着するときの作用を示しており、(A)は上側支柱の下端によりロック片がアンロック位置に移動された状態を示す断面図、(B)は上側支柱の下端がリング体に当接されロック片がロック位置に移動された状態を示す断面図である。
図22】第2実施形態に関して、上側支柱を上部挿入管から引き抜くときの作用を示しており、(A)は移動体を作動位置に移動することによりバネ部材のロック片をアンロック位置に移動させた状態を示す斜視図、(B)はそのときの状態を示す断面図である。
図23】第2実施形態に関して、上側支柱を上部挿入管から引き抜くときの作用を示しており、(A)は移動体を作動位置に移動させた状態で係止手段を係止位置に回動させた状態を示す斜視図、(B)はその時の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0024】
(第1実施形態)
図2ないし図12は、本発明に係る連結ジョイントの第1実施形態を示している。
【0025】
連結ジョイント3は、下側支柱1aに挿着される下部挿入管4と、上側支柱1bに挿着される上部挿入管5と、下側支柱1aと上側支柱1bの間に挟持されるリング体6とから成る管体3aにより構成され、下部挿入管4を下側支柱1aに挿着した状態で抜止め係止する係止ピン機構7と、上部挿入管4を上側支柱1bに挿着した状態で抜止め係止するロック機構8を設けている。この点は、上述した従来技術と同様であるから、図面には、同一構成部分を同一符号で示している。
【0026】
係止ピン機構7の構成は、上述した従来技術の場合と同様であるから、上述の説明を援用し、図面には、同一構成部分を同一符号で示している。
【0027】
本発明は、ロック機構8の技術的構成に関するものであり、従来技術とは異なる特徴的な技術的構成を備えている。
【0028】
ロック機構8は、上側支柱1bを上部挿入管5に外挿させて下向きに摺動し、上側支柱1bの下端をリング体6に当接させた状態(以下、「挿着状態」という。)で、相互に合致することにより連通させられる上部挿入管5の案内孔5aと上側支柱1bのロック孔14を相互にロックするために構成されている。
【0029】
そこで、上部挿入管5の内部から前記案内孔5aに挿通され、上部挿入管5の外部に突出するロック位置P1と、上部挿入管5の外部に突出しないアンロック位置P2との間で移動するロック片21が設けられており、ロック機構8は、このロック片21と、該ロック片21を前記ロック位置P1に向けて付勢するバネ部材22と、該バネ部材22を介してロック片21をアンロック位置P2に移動させる操作機構23により構成されている。
【0030】
前記バネ部材22は、中央部22aの両端から一対の脚部22b、22bを折曲形成したほぼ門形の板バネから成り、全体として弾性変形可能である。
【0031】
第1実施形態の場合、前記バネ部材22は、開脚姿勢とされた一対の脚部22b、22cを閉脚方向に弾性変形させた状態で管体3aに装入され、中央部22aを下部挿入管4の内部に位置させ、脚部22b、22cの先端を上部挿入管5の内部に位置させられる。これにより、中央部22aと一方の脚部22bにより固定部24が形成され、他方の脚部22cにより弾性アーム25が形成されるように構成されている。前記弾性アーム25は、管体3aの内部において、リング体6の上下方向に延びると共に、上部挿入管5の軸方向に延びる先端近傍部にロック片21を設け、該ロック片21を管体3aの内部から前記案内孔5aに挿通させられる。
【0032】
従って、弾性アーム25は、固定部24から開脚方向に弾発付勢された状態で上部挿入管5の内面に弾接され、これによりロック片21がロック位置P1に保持される。
【0033】
前記弾性アーム25を横断するリング体6の直径方向に位置して、管体3aには、弾性アーム25に臨む部位に挿入孔26が貫設され、固定部24を形成する脚部22bに臨む部位に挿出孔27が貫設されている。これに対応して、バネ部材22には、両脚部26b、26cに前記挿入孔26及び挿通孔27に連通する挿通孔28b、28cが開設されている。
【0034】
前記操作機構23は、前記リング体6の外部から前記バネ手段22に向けて待機位置Q1と作動位置Q2の間で移動自在とされ常時はバネ手段22により待機位置Q1に保持される移動体29と、該移動体29を前記作動位置Q2に移動させたとき前記ロック片21をアンロック位置P2に移動させるように前記弾性アーム25を押動して弾性変形させる駆動部30と、該移動体29の軸廻りに関して係止位置R2と解除位置R1の間で回動自在とされ前記係止位置R2に回動することにより前記移動体29を作動位置Q2に係止保持する係止手段31により構成されている。
【0035】
前記移動体29は、前記挿入孔26から挿通孔28c、28bを通じて挿出孔27に挿通されるロッド32により構成されている。ロッド32は、基端部に形成された大径部32aにより前記駆動部30を構成しており、前記挿入孔26は該大径部32aを摺動自在かつ回動自在に保持する内径の孔となるように形成されている。ロッド32の大径部32aから延びる小径の軸部32bは、バネ部材22の挿通孔28c、28bに摺動自在に挿通され、該軸部32bの軸端に設けられたネジ軸部32cを挿出孔27から挿出させ、該ネジ軸部32cにナット33を螺着することによりロッド32の抜止め手段34が構成されている。
【0036】
第1実施形態の場合、前記係止手段31は、前記駆動部30を構成する大径部32aの側部に突設された突起35と、該突起35に対応して前記挿入孔26に形成された切欠き部36により構成されている。
【0037】
前記突起35は、ロッド32が待機位置Q1に位置するとき、前記切欠き部36に受入れられており、ロッド32を待機位置Q1から作動位置Q2に移動したとき、大径部32aと共に移動して切欠き部36の内側で管体3aの内面に臨む位置まで移動させられ、この状態で、ロッド32を回動することにより突起35を係止位置R2に向けて回動させると、該突起35は、切欠き部36から離れて挿入孔26の周囲に位置する管体3aの内面に係止することにより、ロッド32を作動位置Q2に係止保持する。そして、この状態から、ロッド32の回動により突起35を前記解除位置R1に回動すると、該突起35は、切欠き部36に臨まされ、これにより、ロッド32が待機位置Q1に向けて移動することを可能とする。
【0038】
このような係止手段31の回動を行わせるため、ロッド32は、大径部32aの端面に把持アーム37を設けている。
【0039】
連結ジョイント3は、上述の従来技術と同様に、係止ピン機構7を介して下部挿入管4を下側支柱1aに挿着され抜止め係止される。図3(A)(B)に示すように、支柱1に固設されたフランジ2は、隣り合う楔孔2a、2aの間に凹曲縁部2bを形成し、複数本の支柱1を束ねた際、他方の支柱の周面が前記凹曲縁部2bに沿わされるように構成されている。
【0040】
連結ジョイント3に設けたロック機構8は、移動体29の駆動部30及び把持アーム37がリング体6の外側に突出する構成とされているので、これが楔孔2aの上方位置に設けられているときはハンマーによる楔緊結作業の障害となるため、図示のように、凹曲縁部2bの上方位置に設けることが好ましい。そして、支柱を束ねたとき他方の支柱に当接することがないように、支柱1の表面からの突出距離に関して、凹曲縁部2bの突出距離W1に対する把持アーム37の突出距離W2をW1≧W2とするように構成することが好ましい。
【0041】
第1実施形態の場合、図4及び図5に示すように、バネ部材22の弾性アーム25は、ロック機構8の作動に伴う弾性変形が小さい中央部22aの固定部24から折曲されて挿通孔28cまで延びる基部38と、そこからロック片21が取付けられた先端部まで延びる自由端部39を構成している。
【0042】
ところで、図5に示すように、ロッド32の軸部32aの軸長L1は、管体3aの内部に臨む挿入孔26の内側から管体3aの外部に臨む挿出孔27の外側までの距離L2に対して、L1>L2となるように形成されている。これにより、図6に示すように、移動体29を挿入孔26から挿通孔28c、28bに挿通させて挿出孔27に挿出させ、軸端のネジ軸部32cに抜止め手段34としてのナット33を螺着したとき、弾性アーム25の基部38が駆動部30により押圧され、該弾性アーム25を管体3aの内面から隙間Sを有して離間された状態で保持されることになる。尚、図示実施形態の場合、ネジ軸部32cとナット33は、挿出孔27の外側でリング体6に形成された大径孔6aに収納されるように構成されている。
【0043】
そして、このように弾性アーム25が隙間Sを有して保持された状態において、ロック片21は、ロック位置P1に位置させられる。図6(B)に鎖線で示すように、ロック片21は、移動体29により構成された操作機構23とは無関係にそれ自体がアンロック位置P2に向けて移動可能とされている。後述するように、上部挿入管5に上側支柱1bを外挿した状態で下向きに移動したとき、該ロック片21の上側には、上側支柱1bの下端縁に接することにより弾性アーム25に抗してアンロック位置P2に移動するように傾斜案内部21aが設けられている。このようなロック片21の移動により、弾性アーム25は、移動体29の駆動部30から離れながら弾性変形させられる。上側支柱1bのロック孔14が案内孔5aに合致するや否や、弾性アーム25の復元により、ロック片21をロック位置P1に移動し、ロック孔14に挿入する。ロック片21の下側には、ロック孔14に係止する係止部21bが設けられており、これにより、上側支柱1bの上向き移動を阻止する。
【0044】
図7に示すように、把持アーム37と共に移動体29を弾性アーム25に抗して押し込み作動位置Q2まで移動すると、駆動部30が弾性アーム25の基部38を押動して変形させ、ロック片21をアンロック位置P2に移動させる。
【0045】
第1実施形態の場合、駆動部30により押動される弾性アーム25の基部38は、バネ部材22の中央部22aにより構成された固定部24に近い部位で大きく傾斜するように弾性変形され、該傾斜方向に向けて自由端部39の姿勢を変更させるので、駆動部30の押動ストローク、つまり、待機位置Q1から作動位置Q2までの移動距離が短くても、ロック片21をロック位置P1からアンロック位置P2に移動させることができる。
【0046】
このように移動体29を作動位置Q2に移動したとき、係止手段31を構成する突起35は、管体3aの内部に向けて切欠き部36から脱出させられる。そこで、図8に示すように、把持アーム37を介して移動体29を軸廻りに回動すると、突起25が係止位置R2に回動することにより切欠き部36から離れて挿入孔26の周囲における管体3aの内面に係止し、これにより移動体29が待機位置Q1に向けて戻ることを阻止し、弾性アーム25を弾性変形させたままロック片21をアンロック位置P2に保持する。
【0047】
この状態から、移動体29を軸廻りに回動することにより、突起25を解除位置R1に回動すると、該突起25が切欠き部36に臨み、弾性アーム25の弾性復元力により、該突起25を切欠き部36に挿入させながら、移動体29が待機位置Q1に移動され、ロック片21をロック位置P1に移動させる。
【0048】
(連結ジョイントにおけるロック機構の上側支柱に対する作用)
上側支柱1bを連結する前は、図9に示すように、移動体29は、待機位置Q1に位置させられ、ロック片21をロック位置P1に位置させている。
【0049】
図10(A)に示すように、上側支柱1bを上部挿入管5に外挿した状態で下向き移動すると、上側支柱1bの下端縁がロック片21の傾斜案内部21aを押動することにより、弾性アーム25に抗してロック片21をアンロック位置P2に移動させる。これにより上側支柱1bは、挿着状態とされる位置まで下動させられ、ロック孔14が孔5aに合致すると、弾性アーム25が復元されることにより、自動的にロック片21をロック位置P1に移動し、抜止め係止する。
【0050】
足場の解体等に際して、上側支柱1bを連結ジョイント3から分離するときは、図11に示すように、把持アーム37を介して移動体29を押し込むことにより作動位置Q2に移動すると、弾性アーム25が押動されることにより、ロック片21がアンロック位置P2に移動する。このとき、把持アーム37がリング体6の表面に当接するストッパとして機能し、移動体29を停止させ、この停止位置において、突起35が切欠き部36から脱出して管体3aの内面に臨まされる。
【0051】
そこで、引き続き、把持アーム37を介して移動体29を軸廻りに回動すると、突起25が係止位置R2に回動して挿入孔26の周囲における管体3aの内面に係止する。これにより、移動体29を作動位置Q2に係止保持し、ロック片21をアンロック位置P2に保持するので、上側支柱1bを上部挿入管5から引き抜く作業が容易となる。
【0052】
上述のように、ロック片21のロックを解除する作業は、作業者の指先により、移動体29を押込む動作と、押し込んだ状態で回動する動作を行うだけで足りるので、迅速かつ簡単容易である。そして、これによりロック片21は、アンロック位置P2に保持されているので、作業者の両手を使用して上側支柱1bを容易に引き抜くことができる。
【0053】
尚、ロック機構8を元の状態に戻す、つまり、移動体29を待機位置Q1としてロック片21をロック位置P1に位置させるためには、把持アーム37を介して移動体29を元の位置に向けて回動するだけで良く、突起35が切欠き部36に臨むや否や、弾性アーム25の弾発付勢力により、自動的に、移動体29が作動位置Q2に移動し、ロック片21がロック位置P1に移動する。
【0054】
(第2実施形態)
図13ないし図23は、本発明に係る連結ジョイントの第2実施形態を示している。
【0055】
上述の第1実施形態に対して、第2実施形態は、ロック片21及びバネ部材22に関する構成と、係止手段31に関する構成が相違しており、その他の構成は、第1実施形態と同様であるから、重複した説明を省略するため、同一構成部分は同一符号で示し、上述の説明を援用する。
【0056】
(バネ部材の構成)
図15及び図16に示すように、バネ部材22は、中央部22aの両端から一対の脚部22b、22bを折曲形成したほぼ門形の板バネから成り、全体として弾性変形可能であり、開脚姿勢とされた一対の脚部22b、22cを閉脚方向に弾性変形させた状態で管体3aに装入される点においては第1実施形態と同様であるが、第2実施形態の場合、中央部22aを上部挿入管5の内部に位置させ、脚部22b、22cの先端をリング体6の近傍で下部挿入管4の内部に位置させられる。これにより、中央部22aと一方の脚部22bにより固定部24が形成され、他方の脚部22cにより弾性アーム25が形成され、案内孔5aに臨む位置にロック片21を設けている。
【0057】
このため、弾性アーム25は、ロック機構8の動作に伴う弾性変形が小さい中央部22aの固定部24から折曲されてロック片21まで下向きに延びる基部38aと、そこから先端まで延びる自由端部39aを構成しており、先端部に位置して挿入孔26に臨んで連通する挿通孔28cを設けている。尚、固定部24を形成する脚部22bの挿通孔28bは、前記挿通孔28cに対向する位置で挿出孔27に連通するように設けられている。
【0058】
従って、第2実施形態の場合、挿入孔26から挿通孔28c、28bを通じて挿出孔27に挿通された移動体29は、待機位置Q1から作動位置Q2に移動するとき、駆動部30により、弾性アーム25の自由端部39aを押動し、ロック片21をロック位置P1からアンロック位置P2まで移動させるように構成されている。
【0059】
弾性アーム25の自由端部39aは、基部38aよりも容易に弾性変形するので、移動体29を待機位置Q1から作動位置Q2まで移動させるための押し込み力は、第1実施形態の場合よりも軽いものとなる。
【0060】
その一方において、基部38aは、自由端部39aよりも弾性変形し難いものとされているので、移動体29の押込みにより駆動部30で自由端部39aを押動するように構成している場合、自由端部39aだけが大きく変形し、ロック片21をアンロック位置P2まで移動させるように基部38aを必要十分に変形させることが困難となる。
【0061】
このため、第2実施形態において、移動体29を構成するロッド32の軸部32bは、軸長Laを第1実施形態の軸長L1よりも短く形成し、図17に示すように、移動体29を待機位置Q1とした状態で、駆動部30により弾性アーム25の自由端部39aをロック片21の近傍から角度θで示すように傾斜されるように予め押動し弾性変形させるように構成している。
【0062】
これにより、上側支柱1bを上部挿入管5に外挿状態で挿着状態となるように下動させたときは、図17(B)に示すように、ロック片21が傾斜案内部21aを介して押し込まれ、弾性アーム25の基部38aが押動される。この際、自由端部39aは駆動部30から離れることにより、直線状に復元する。
【0063】
これに対して、移動体29を待機位置Q1から作動位置Q2に押し込んだときは、上述のように角度θを有するように予め弾性変形されていた自由端部39aは、それ以上弾性変形し難い状態で駆動部30により押動させられるので、該自由端部39aに追従して基部38aを好適に弾性変形させ、これによりロック片21をアンロック位置P2まで移動させることが可能になる。
【0064】
(係止手段の構成)
第2実施形態の場合、移動体29の径方向に延設した把持アーム37に関して、係止位置R2と解除位置R1の間において移動体29の軸廻りに回動させたとき、係止位置R2で係脱自在に係止する係止手段31をリング体6の外側に設けている。
【0065】
この係止手段31は、移動体29を待機位置Q1として把持アーム37を解除位置R1に位置させたとき、該把持アーム37の側部に臨んで配置された壁体40に設けたスリット41により構成されている。
【0066】
図示のように、移動体29が待機位置Q1にあるときは、把持アーム37は、壁体40に臨まされているので、解除位置R1から係止位置R2に向けて回動しようとしても、該壁体40により回動が阻止されている。
【0067】
そして、移動体29を作動位置Q2に移動すると、同時に移動された把持アーム37は、前記スリット41に臨まされ、解除位置R1から係止位置R2に回動すると、該スリット41に嵌入され、移動体29が待機位置Q1に復帰することを阻止するように構成されている。
【0068】
(連結ジョイントにおけるロック機構の上側支柱に対する作用)
第2実施形態においても、第1実施形態について説明したところと同様に、上側支柱1bを連結する前は、図20に示すように、移動体29は、待機位置Q1に位置させられ、ロック片21をロック位置P1に位置させている。
【0069】
図21(A)に示すように、上側支柱1bを上部挿入管5に外挿した状態で下向き移動すると、上側支柱1bの下端縁がロック片21の傾斜案内部21aを押動することにより、弾性アーム25に抗してロック片21をアンロック位置P2に移動させる。これにより上側支柱1bは、挿着状態とされる位置まで下動させられ、ロック孔14が孔5aに合致すると、弾性アーム25が復元されることにより、自動的にロック片21をロック位置P1に移動し、抜止め係止する。
【0070】
足場の解体等に際して、上側支柱1bを連結ジョイント3から分離するときは、図22に示すように、把持アーム37を介して移動体29を押し込むことにより作動位置Q2に移動すると、弾性アーム25が押動されることにより、ロック片21がアンロック位置P2に移動する。このとき、把持アーム37がリング体6の表面に当接するストッパとして機能し、移動体29を停止させ、この停止位置において、把持アーム37は、スリット41の側部に臨まされる。
【0071】
そこで、引き続き、把持アーム37を介して移動体29を軸廻りに回動すると、把持アーム37が係止位置R2に回動してスリット41に嵌入され係止する。これにより、移動体29を作動位置Q2に係止保持し、ロック片21をアンロック位置P2に保持するので、上側支柱1bを上部挿入管5から引き抜く作業が容易となる。
【0072】
上述のように、ロック片21のロックを解除する作業は、作業者の指先により、移動体29を押込む動作と、押し込んだ状態で回動する動作を行うだけで足りるので、迅速かつ簡単容易である。そして、これによりロック片21は、アンロック位置P2に保持されているので、作業者の両手を使用して上側支柱1bを容易に引き抜くことができる。
【0073】
尚、ロック機構8を元の状態に戻す、つまり、移動体29を待機位置Q1としてロック片21をロック位置P1に位置させるためには、把持アーム37を介して移動体29を元の位置に向けて回動するだけで良く、把持アーム37がスリット41から脱するや否や、弾性アーム25の弾発付勢力により、自動的に、移動体29が作動位置Q2に移動し、ロック片21がロック位置P1に移動する。
【符号の説明】
【0074】
1a 下側支柱
1b 上側支柱
2 フランジ
2a 楔孔
2b 凹曲縁部
3 連結ジョイント
3a 管体
4 下部挿入管
4a 案内孔
5 上部挿入管
5a 案内孔
6 リング体
6a 大径孔
7 係止ピン機構
8 ロック機構
9 板バネ
10 係止ピン
11 係止孔
14 ロック孔
21 ロック片
21a 傾斜案内部
21b 係止部
22 バネ部材
22a 中央部
22b、22c 脚部
23 操作機構
24 固定部
25 弾性アーム
26 挿入孔
27 挿出孔
28b、28c 挿通孔
29 移動体
30 駆動部
31 係止手段
32 ロッド
32a 大径部
32b 軸部
32c ネジ軸部
33 ナット
34 抜止め手段
35 突起
36 切欠き部
37 把持アーム
38、38a 基部
39、39a 自由端部
40 壁体
41 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23