(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】フラットケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 7/08 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
H01B7/08
(21)【出願番号】P 2019178797
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】323004813
【氏名又は名称】株式会社TOTOKU
(74)【代理人】
【識別番号】110003904
【氏名又は名称】弁理士法人MTI特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100117226
【氏名又は名称】吉村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】中山 順盟
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-146694(JP,A)
【文献】特開2018-181775(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159489(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、該本体部の長手方向両側に位置して補強材を有する端末部とで構成され、
前記本体部は、所定の間隔で幅方向に並べて配された複数の導体と、該導体を挟む接着性絶縁層と、該接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの一方に積層されたシールド層とを有し、
前記端末部は、コネクタ接続部と該コネクタ接続部以外の部分とで構成され、前記コネクタ接続部は、露出した前記複数の導体と、前記補強材と、前記シールド層とがその順で積層されており、前記コネクタ接続部以外の部分は、前記複数の導体と、前記導体を挟む接着性絶縁層と、前記接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの一方に積層された前記補強材と、前記樹脂フィルムの他方に積層された金属テープと、前記補強材上に積層されたシールド層とを有
し、
前記金属テープが、前記補強材のうち前記導体が露出しない部分に位置する補強材の反対位置にある樹脂フィルム上に設けられており、該金属テープの長さは、前記補強材の長さと同じ又は±2mmである、ことを特徴とするフラットケーブル。
【請求項2】
前記金属テープの先端側の端部は、前記他方の樹脂フィルムの端部まで設けられている、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項3】
前記シールド層が、前記コネクタ接続部となる長手方向の端末部の先端にまで設けられている、請求項1又は2に記載のフラットケーブル。
【請求項4】
前記金属テープが、金属層と樹脂テープとからなり、前記金属テープの厚さが、前記補強材の厚さの0.04倍~1.0倍である、請求項1
~3のいずれか1項に記載のフラットケーブル。
【請求項5】
前記金属テープが、前記シールド層と電気的に接続されている、請求書1
~4のいずれか1項に記載のフラットケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片面シールド層付きのフラットケーブルに関する。さらに詳しくは、本発明は、主にテレビ等に用いられる8K映像等の高速信号の伝送に適したものであって、接続部付近でのインピーダンスの悪化を改善したフラットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブルは、加工性及び可撓性に優れ、電子機器等の内部配線材として広く用いられている。フラットケーブルでは、電磁波に対するシールドが必要であり、シールドされたフラットケーブル(シールドフラットケーブルともいう。)として種々のものが提案されている。一般的なフラットケーブルは、複数の平角導体を並列して絶縁フィルムを上下から貼り合わせ、その外側の片面又は両面にシールドフィルムを貼りあわせている。そして、絶縁フィルムの長手方向両端部は、絶縁フィルムの一方側の面で平角導体を露出してケーブル端部としている。
【0003】
こうしたフラットケーブルについて、特許文献1には、シールド層を片面側のみにして構造の簡略化とコストダウンを図り、同時に両端部の構造を同じにして共通のコネクタを使用できるようにしたシールドフラットケーブルが提案されている。このフラットケーブルは、複数本の平形導体の上下から絶縁フィルムが貼り合わされ、一方側の面で平形導体が露出されてケーブル端末部とされているが、その平形導体が露出する面は、両端のケーブル端末部で互いに反対側の面になっている。また、平形導体が露出していない面には補強テープが貼られている。そして、ケーブル端末部にはグランド導体が貼られ、両端部のケーブル端末部のうち一方に貼られたグランド導体は裏面側に折り返され、折り返されたグランド導体に接触するシールドフィルムが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のフラットケーブルは、ケーブル端末部にはコネクタが接続されており、このコネクタ内にGND板が設置されているため、ケーブル端末部におけるインピーダンスの不整合は比較的抑えられる構造となっている。しかし、近年、ケーブルの簡略化、コネクタの小型化、及びコストダウンのため、金属板を使用しないもの(プラグレス構造を含む。)の要求もあり、補強テープの部分でのインピーダンスの不整合が大きくなってきている。そのため、使用周波数が例えば2GHzから8GHzになった場合、インピーダンスの不整合により反射が発生し、信号が伝送できない問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、端末部のインピーダンス変動を抑えてより高い信号伝達性を有するフラットケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフラットケーブルは、本体部と、該本体部の長手方向両側に位置して補強材を有する端末部とで構成され、
前記本体部は、所定の間隔で幅方向に並べて配された複数の導体と、該導体を挟む接着性絶縁層と、該接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの一方に積層されたシールド層とを有し、
前記端末部は、コネクタ接続部と該コネクタ接続部以外の部分とで構成され、前記コネクタ接続部は、露出した前記複数の導体と、前記補強材と、前記シールド層とがその順で積層されており、前記コネクタ接続部以外の部分は、前記複数の導体と、前記導体を挟む接着性絶縁層と、前記接着性絶縁層を挟む樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの一方に積層された前記補強材と、前記樹脂フィルムの他方に積層された金属テープと、前記補強材上に積層されたシールド層とを有する、ことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、端末部のコネクタ接続部以外の部分が備える金属テープは補強材と反対側の位置に設けられているので、端末部を、GND板を有しないコネクタに接続した場合やGND板を有しない基板に接続した場合であっても、インピーダンスの不整合を抑制して反射を抑えることができる。その結果、使用周波数が例えば2GHzから8GHzの高速信号の伝送に適したフラットケーブルとすることができる。こうしたフラットケーブルは、コネクタの小型化とコストダウンを実現することができる。
【0009】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記金属テープが、金属層と樹脂テープとからなり、前記樹脂テープの厚さが、前記補強材の厚さの0.04倍~1.0倍である。
【0010】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記金属テープが、前記シールド層と電気的に接続されている。
【0011】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記補強材の長さL1は、前記導体が露出した部分に位置する補強材長さL3と、前記導体が露出しない部分に位置する補強材長さL5との合計であり、前記金属テープの長さL6が、前記補強材長さL5の0.6倍~1.5倍である。なお、その長さL6は、実質的には、長さL5の±2mmである。
【0012】
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記金属テープが、前記導体が露出しない部分に位置する補強材の反対位置に設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、主にテレビ等に用いられる8K映像等の高速信号の伝送に適し、接続部付近でのインピーダンスの悪化を改善することができる。特に、端末部のインピーダンス変動を抑えてより高い信号伝達性を実現している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るフラットケーブルを構成する本体部と端末部の積層形態を説明する模式的な断面図である。
【
図2】本発明に係るフラットケーブルを構成する本体部と端末部の積層形態を説明する模式的な斜視図である。
【
図3】従来のフラットケーブルを構成する本体部と端末部の積層形態を説明する模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るフラットケーブルについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態のみに本発明が限定されるものではない。
【0016】
[フラットケーブル]
本発明に係るフラットケーブル10は、
図1及び
図2に示すように、主にテレビ等に用いられる(8K映像の)高速信号の伝送に適したフラットケーブルである。具体的には、本体部31と、本体部31の長手方向Y両側に位置して補強材5を有する端末部11とで構成されている。本体部31は、所定の間隔で幅方向Xに並べて配された複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2,2と、接着性絶縁層2,2を挟む樹脂フィルム3,3と、この樹脂フィルムのうち一方の樹脂フィルム3Aに積層されたシールド層6とを有している。端末部11は、コネクタ接続部40とコネクタ接続部以外の部分とで構成されている。コネクタ接続部40は、露出した複数の導体1と、補強材5と、シールド層6とがその順で積層されている。コネクタ接続部以外の部分は、複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2,2と、接着性絶縁層2,2を挟む樹脂フィルム3,3と、この樹脂フィルム一方の樹脂フィルム3Aに積層された補強材5と、他方の樹脂フィルム3Bに積層された金属テープ9と、補強材5上に積層されたシールド層6とを有するように構成されている、ことを特徴とする。
【0017】
こうしたフラットケーブル10において、端末部11のコネクタ接続部以外の部分が備える金属テープ9は補強材5と反対側の位置に設けられているので、端末部11を、GND板を有しないコネクタに接続した場合やGND板を有しない基板に接続した場合であっても、インピーダンスの不整合を抑制して反射を抑えることができる。その結果、使用周波数が例えば2GHzから8GHzの高速信号の伝送に適したフラットケーブル10とすることができる。こうしたフラットケーブル10は、コネクタの小型化とコストダウンを実現することができる。
【0018】
以下、フラットケーブルの各構成要素について説明する。
【0019】
(本体部と端末部)
フラットケーブル10は、
図1及び
図2に示すように、本体部31と、本体部31の長手方向Y両側に位置して補強材5を有する端末部11とで構成されている。本体部31は、所定の間隔で幅方向Xに並べて配された複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2,2と、その接着性絶縁層2,2を挟む樹脂フィルム3,3と、樹脂フィルム3の少なくとも一方に積層されたシールド層6とを少なくとも有している部分である。端末部11は、コネクタ接続部40とコネクタ接続部以外の部分とで構成されており、本体部以外の先端側の部分である。本体部31との違いは、端末部11は、本体部31に設けられていない補強材5と金属テープ9とを有する部分ということができる。
【0020】
端末部11において、コネクタ接続部40は、コネクタに接続される複数の導体1が露出した部分である。コネクタ接続部40は、露出した複数の導体1と、補強材5と、シールド層6とがその順で積層されている部分であり、
図1では長さL3で表される部分である。端末部11において、コネクタ接続部以外の部分は、複数の導体1と、導体1を挟む接着性絶縁層2,2と、接着性絶縁層2,2を挟む樹脂フィルム3,3と、この樹脂フィルム一方の樹脂フィルム3Aに積層された補強材5と、他方の樹脂フィルム3Bに積層された金属テープ9と、補強材5上に積層されたシールド層6とを有するように構成されている。補強材5は、導体1の一方の側の接着性絶縁層2及び樹脂フィルム3の代わりに設けられている点で、本体部31と異なる。
【0021】
なお、
図1において、端末部11に記載の符号L1は、補強材5の長さであり、符号L2は、第1の樹脂フィルム3Aの除去長さ(剥き代の長さ)であり、符号L3は、第2の樹脂フィルム3Bの除去長さ(剥き代の長さ=導体1が露出した部分に位置する補強材長さ)であり、符号L4は、金属箔6aの露出長さ(接地接続部の長さ)であり、符号L5は、導体1が露出しない部分に位置する補強材長さであり、符号L6は、金属テープ9の長さである。
【0022】
(導体)
導体1は、
図1及び
図2に示すように、フラットケーブル10の長手方向Yに延びる複数の導体であって、後述する接着性絶縁層2,2で両側から挟まれて並列(「横並び」ともいう。以下同じ。)に配された複数の良導電性金属導体である。導体1の種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっきが施されたものを好ましく挙げることができる。高周波伝送の観点からは、銅線、銅合金線が特に好ましい。めっきとしては、はんだめっき、錫めっき、金めっき、銀めっき、ニッケルめっき等を挙げることができる。導体1の断面形状も特に限定されず、断面形状が円形の丸線、断面形状が矩形状の平角線(圧延線、スリッター線ともいう。)等、各種のものを適用できる。導体1の直径や断面積も特に限定されないが、直径0.1mm以上、0.3mm以下の丸線又はその丸線を圧延等して厚さ0.03mm以上、0.1mm以下で幅0.2mm以上、0.8mm以下とした平角線を好ましく挙げることができる。並列に配された場合の導体1の間隔も特に限定されないが、例えば約0.5mm程度とすることができる。
【0023】
本体部31での導体1は、
図1に示すように、接着性絶縁層2と樹脂フィルム3とで両側から挟まれて真っ直ぐに延びている。一方、端末部11での導体1は、
図1及び
図2に示すように、長さL2だけ除去された第1の樹脂フィルム3Aと接着性絶縁層2との端部11bで補強材5側に湾曲した部分を有し、湾曲後の導体1は、真っ直ぐな補強材5に接着剤層5bを介して貼り付いている部分を有している。
【0024】
導体1の表面には絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類と厚さは特に限定されないが、はんだ付け時に良好に分解するものが好ましく、例えば熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく用いることができる。絶縁皮膜が設けられた導体1は導体同士が絶縁されているので、導体同士の電気的な短絡を防止できる。
【0025】
(接着性絶縁層)
接着性絶縁層2は、
図1及び
図2に示すように、フラットケーブル10の幅方向Xに間隔を空けて並列(横並び)に配した複数の導体1を挟んでいる絶縁層であり、接着性を有している。この接着性絶縁層2は接着性があるので、接着性絶縁層同士が貼り合わされて接着するとともに、導体1にも接着してその導体1を保持している。導体1を挟む接着性絶縁層2,2は、接着性の発泡絶縁層であってもよいし、接着性の非発泡絶縁層であってもよく、特に限定されない。例えば、一対の接着性の非発泡絶縁層で導体1を挟んでもよいし、一対の接着性の発泡絶縁層で導体1を挟んでもよいし、一方を接着性の発泡絶縁層とし、他方を接着性の非発泡絶縁層として導体1を挟んでもよい。
【0026】
接着性絶縁層2の構成樹脂としては、フラットケーブルの接着性絶縁層として用いられるものを任意に用いることができ、例としては、ポリフェニレンエーテル樹脂及びその共重合体、ポリスチレン樹脂及びその共重合体、ポリオレフィン樹脂及びその共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独の場合も含まれるし、例えばポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂との共重合体のように2種を共重合させた場合も含まれる。なお、ポリオレフィン樹脂としては、高強度ポリプロピレンやポリプロピレン共重合体を好ましく用いることができる。ポリフェニレンエーテル樹脂については、変性でも無変性でもよいが、無変性のものが好ましい。
【0027】
構成樹脂には、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、ブロッキング剤、耐収縮防止剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。発泡剤は接着性絶縁層2を発泡させて低誘電率化する場合に添加され、一般的な化学発泡剤及び物理発泡剤の中から採用することができる。難燃剤としては、臭素系難燃剤、難燃性無機フィラー等を用いることができる。難燃助剤としては、三酸化アンチモン、二酸化ケイ素等を好ましく挙げることができる。なお、二酸化ケイ素等は、ブロッキング剤としても作用するとともに、耐収縮防止剤としても作用するので、好ましく用いることができる。添加剤の配合は、得られる接着性絶縁層2の効果(接着性、絶縁性等)を阻害しないとともに、その添加剤の機能を発揮する範囲内で配合されることが好ましい。
【0028】
接着性絶縁層2の厚さは特に限定されないが、非発泡の接着性絶縁層2の場合は例えば25μm以上、45μm以下の範囲内であればよく、発泡した接着性絶縁層2の場合はそれよりも厚くなり、例えば60μm程度にまで厚くなることがある。また、端末部11では、導体1を挟む樹脂フィルム3の両方の樹脂フィルム3A,3Bを上記した接着性絶縁層2とともに長さL2,L3だけ後退させるように設けている。このL3は、
図1及び
図2に示すように、端末部11の導体露出長さを示すものとなり、この部分でコネクタ端子に電気的に接続される。このL2は、端末部11の先端11aから第1の樹脂フィルム3Aの端部11bまでの長さであり、L3は、端末部11の先端11aから第2の樹脂フィルム3Bの端部11cまでの長さである。
【0029】
接着性絶縁層2は、通常は、樹脂フィルム3の一方の面に形成されて樹脂フィルム3と一体化しているので、
図1及び
図2に示すように、本体部31では樹脂フィルム3とともに導体1を両側から挟んでいる。この接着性絶縁層2は、端末部11では、コネクタ接続部40の長さL3(剥き代の長さL3ともいう。)だけ後退した上側の第2の樹脂フィルム3Bとともに除去され、第1の樹脂フィルム3Aの除去長さL2(剥き代の長さL2ともいう。)だけ後退した下側の第1の樹脂フィルム3Aとともに除去されている。なお、L2は例えば2~5mm程度であり、L3も例えば2~5mm程度である。L2,L3は、
図1及び
図2では同じ長さになっているが、異なる長さであってもよい。
【0030】
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム3(3A,3B)は、
図1及び
図2に示すように、上記した2層の接着性絶縁層2を挟むように配置されている。樹脂フィルム3は特に限定されず、一般的なフラットケーブルに用いられている各種のものを用いることができる。特に柔軟性や耐摩耗性等の性質を有するものであることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
【0031】
樹脂フィルム3は、非発泡の樹脂フィルム3でもよいし、発泡した樹脂フィルム3でもよい。発泡した樹脂フィルム3は誘電率を下げることができる。なお、発泡した樹脂フィルム3は、上記接着性絶縁層2の説明欄で記載のように、任意の発泡剤を含有させて作製することができる。樹脂フィルムの厚さは特に限定されないが、非発泡の樹脂フィルム3の場合は例えば12μm以上、50μm以下の範囲内であればよく、発泡した樹脂フィルム3の場合はそれよりも厚くなり、例えば150μm程度にまで厚くなることがある。
【0032】
樹脂フィルム3は、上記のように、通常は接着性絶縁層2と一体化しているので、接着性絶縁層2が設けられた側を導体側に向けて貼り合わせることにより、接着性絶縁層2と樹脂フィルム3とを同時に導体1を挟む態様で設けることができる。樹脂フィルム3は、
図1に示すように、本体部31では接着性絶縁層2を介して導体1を両側から挟んでいるが、端末部11では、コネクタ接続部40の長さL2,L3だけ除去されて後退している部分を含んでいる。なお、端末部11での樹脂フィルム3や接着性絶縁層2の除去手段としては、CO
2レーザ、YAGレーザ等を用いてそれらに切込みを入れた後に除去する手段を挙げることができる。
【0033】
端末部11での樹脂フィルム3は、導体1を接着性絶縁層2を介して挟む2つの樹脂フィルム3のうち、補強材5側に設けられた第1の樹脂フィルム3Aの剥き代の長さをL2とし、その反対側に設けられた第2の樹脂フィルム3Bの剥き代の長さをL3としたとき、上記接着性絶縁層2で説明したとおり、L2は例えば2~5mm程度であり、L3も例えば2~5mm程度である。このとき、L2とL3は同じであってもよいが、L3<L2のようにしてもよい。この関係にすることにより、導体1が湾曲して平らになったところまで第2の樹脂フィルム3Bで覆うように設計できるので、端末部11の湾曲形状を緩やかにすることも可能である。
【0034】
(介在層)
介在層4は、
図1及び
図2に示すように、少なくとも一方の樹脂フィルム3上に必要に応じて任意に設けられ、樹脂フィルム3と後述のシールド層6との間に設けられていることが好ましい。「任意」であるので、介在層4が設けられていなくてもよい。また、第1の樹脂フィルム3Aと第2の樹脂フィルム3Bの両方の上にそれぞれ設けられていてもよい。この介在層4は、粘着性を有するので、樹脂フィルム3上にシールド層6を貼り合わせる際に便利である。さらにこの介在層4は、インピーダンス制御層としての機能も備える誘電体層として機能させることもでき、導体1とシールド層6との距離を調整して、フラットケーブルのインピーダンスを微調整する役割も有している。
【0035】
介在層4は、インピーダンス制御層としての機能を有するので、任意の誘電特性等に調整することができる。その構成樹脂としては、要求される誘電特性等を実現するる樹脂材料であれば発泡樹脂であっても非発泡樹脂であってもよい。樹脂材料としては、例えば、上記したポリフェニレンエーテル樹脂、高密度ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂等の樹脂組成物を挙げることができる。発泡樹脂の形成に用いる発泡剤は特に限定されないが、一般的な化学発泡剤及び物理発泡剤の中から任意に選択して用いることができる。介在層4を発泡樹脂とする場合、発泡剤は特に限定されないが、上記接着性絶縁層2の説明欄で記載のように、任意の発泡剤を含有させて作製することができる。介在層4は、いわゆる粘着テープとして使われているものを好ましく利用でき、その厚さは特に限定されないが、例えば50μm以上、300μm以下の範囲内であればよい。
【0036】
介在層4は、
図1に示すように、後述の補強材5と同じ積層位置に設けられている。すなわち、介在層4は、介在層4の端部と、端末部11に設けられた補強材5の端部とが突き当たるような位置関係で設けられているので、介在層4の長手方向Yの長さは、フラットケーブル10の長さから補強材5の長さL1を両側で差し引いた長さ以下になっている。
【0037】
(補強材)
補強材5は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Yの端末部11に設けられ、その端末部11の先端11aまで長さL1の長さで設けられている。そして、導体1を接着剤層5bを介して保持し、フラットケーブル10をコネクタに接続する際の補強として作用する。コネクタ接続部40では、図示のように、上側の第2の樹脂フィルム3Bはコネクタ接続部40の長さL3だけ除去されて後退しており、下側の第1の樹脂フィルム3Aは長さL2だけ除去されて後退している。したがって、補強材5は、第1の樹脂フィルム3Aの代わりに端末部11で導体1を接着保持する役割も併せ持っている。上側の第2の樹脂フィルム3Bが後退して導体1が露出している長さL3の部分が、コネクタ端子との接続部となる。なお、補強材5の長さL1は、例えば4~50mm程度であり、補強材5は、端末部11の幅方向Xと同じ幅又は略同じ幅で設けられている。
【0038】
補強材5は、補強シート5aと接着剤層5bとで構成されている。補強シート5aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートが好ましく、耐熱性を求める場合はポリイミドシート等の耐熱シートが好ましい。例えば、ポリエステル系、ポリイミド系、エポキシ系等の接着剤層付ポリイミドシートを有する耐熱補強テープを挙げることができる。これらのシート材料は、寸法安定性に優れており、コネクタへの接続時に加わる嵌合力等(例えば、0.3N程度の力)によっても、また温度(例えば、25℃前後の室温から80℃程度に変化)したり時間が経過(例えば、96時間)したりした場合であっても、寸法変化が生じ難いという利点がある。これらの補強シート5aは嵌合力、温度、経時等での寸法安定性が良いので、その厚さは特に限定されないが、例えば0.05mm以上、0.5mm以下の程度であればよい。端末部11では、補強シート5aを第1の樹脂フィルム3A及び接着性絶縁層2の代わりに設けるので、補強シート5aの厚さを、第1の樹脂フィルム3Aの厚さの3倍以上にしてもよい。こうすることにより、強度が第1の樹脂フィルム3Aより高いものを選択できる補強シート5aで補強部分を厚くすることができるので、端末部11の寸法安定性をさらに高めることができ、その結果、接続安定性を保持できる。
【0039】
接着剤層5bは、熱可塑性ポリエステル系、熱可塑性ポリイミド系、エポキシ系等の接着剤層を好ましく挙げることができる。接着剤層5bの厚さは、厚すぎるとコネクタへの接続時に加わる嵌合力等によって変形する程度が相対的に大きくなったり、さらに温度での変形の程度が相対的に大きくなったりするおそれがあるので、例えば10μm以上、50μm以下の範囲内とすることが望ましく、特に35μm以上、45μm以下の範囲内とすることが好ましい。こうした範囲内で、上記変形のおそれを低減することができる。
【0040】
(シールド層)
シールド層6は、樹脂フィルム3の少なくとも一方に設けられる。言い換えれば、フラットケーブル10の少なくとも一方の面に設けられている。すなわち、導体1を挟むように設けられた樹脂フィルム3(3A,3B)上に設けられていてもよいし(図示しない)、片面の樹脂フィルム3だけに設けられていてもよい(
図1及び
図2参照)。なお、
図1及び
図2の例では、本体部31に設けられた第1の樹脂フィルム3A上に介在層4と補強材5が設けられているので、シールド層6は、それらの上に設けられている。また、シールド層6は、フラットケーブル10の全面又は略全に設けられていることが好ましく、コネクタ接続部40となる長手方向Yの端末部11の先端11aにまで設けられていることが好ましい。
【0041】
シールド層6は、金属箔6aと、その金属箔6aの一方の面に設けられた接着剤層6bとで少なくとも構成されたテープである。シールド層6には、金属箔6aと接着剤層6bとの間に基材フィルム(図示しない)が設けられていてもよい。シールド層6は、接着剤層6b側を導体1の側にして貼り合わされている。こうしたシールド層6は、接地接続用導電部材として接地接続のために設けられている。そのため、導体1とシールド層6との間の静電容量や外部インダクタンスを均一に保つように作用し、この部分でのインピーダンスのミスマッチを生じないようにすることができる。また、シールド層6は、シールド作用を有するので、シールド層としてノイズ信号に対する信頼性を向上させることができる。なお、
図1及び
図3において、L4は金属箔の露出長さ(接地接続部の長さ)である。
【0042】
金属箔6aとしては、銅箔やアルミニウム箔のような良導電性の金属箔を挙げることができる。この金属箔6aには、耐食性やはんだ付け性のために、錫めっき等が施されていてもよい。金属箔6aの厚さは特に限定されないが、一例としては、10~50μm程度の錫めっき銅箔等を用いることができる。金属箔6aの厚さを厚めにすることにより抵抗値を下げることができる。接着剤層6bは、上記した接着剤層5bと同様、熱可塑性ポリエステル系、熱可塑性ポリイミド系、エポキシ系等の接着剤層を好ましく挙げることができる。接着剤層6bの厚さは、補強材5での説明と同様、厚すぎるとコネクタへの接続時に加わる嵌合力等によって変形する程度が相対的に大きくなったり、さらに温度での変形の程度が相対的に大きくなったりするおそれがあるので、例えば5μm以上、50μm以下の範囲内とすることが望ましく、特に5μm以上、35μm以下の範囲内とすることが好ましい。こうした範囲内で、上記変形のおそれを低減することができる。なお、任意に設けられる基材フィルム(図示しない)としては、厚さ5~50μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。
【0043】
(金属テープ)
金属テープ9は、
図1に示すように、端末部11のコネクタ接続部以外の部分であって、補強材5と反対側の位置に設けられている。金属テープ9は、接地接続用導電部材として接地接続のために設けられているとともに、インピーダンス不整合を調整するために設けられている。そうした位置に設けられている金属テープ9は、端末部11を、GND板を有しないコネクタに接続した場合やGND板を有しない基板に接続した場合であっても、インピーダンスの不整合を抑制して反射を抑えるように作用する。その結果、使用周波数が例えば2GHzから8GHzの高速信号の伝送に適したフラットケーブルとすることができる。こうしたフラットケーブル10は、コネクタの小型化とコストダウンを実現することができる。
【0044】
金属テープ9は、導体1が露出しない部分に位置する補強材5の反対位置に設けられている。詳しくは、
図1に示すように、導体1が露出しない部分(すなわち、コネクタ接続部以外の部分である。)に位置する補強材5の反対位置にある樹脂フィルム3B上に設けられている。こうした金属テープ9の長さL6は、導体1が露出しない部分に位置する補強材長さL5の0.6倍~1.5倍であることが好ましい。金属テープ9の長さL6は、実質的には、補強材長さL5の±2mmである。なお、補強材5の長さL1は、導体1が露出した部分に位置する補強材長さL3と、導体1が露出しない部分に位置する補強材長さL5との合計である。
【0045】
金属テープ9の構成は特に限定されないが、金属層9aと樹脂テープ9bとから構成されていることが望ましい。金属層9aは、銅箔やアルミニウム箔のような良導電性の金属箔が貼り合わされたテープを挙げることができる。この金属層9aには、耐食性やはんだ付け性のために、錫めっき等が施されていてもよい。金属箔の厚さは特に限定されないが、一例としては、10~50μm程度の錫めっき銅箔等を用いることができる。金属箔の厚さを厚めにすることにより抵抗値を下げることができる。
【0046】
樹脂テープ9bの構成は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。樹脂テープ9bの厚さは、例えば5μm以上、50μm以下の範囲内とすることが望ましく、特に5μm以上、35μm以下の範囲内とすることが好ましい。金属層9aと樹脂テープ9bとは接着剤層を介して貼り合わされていてもよいし、樹脂テープ9b上に蒸着又はめっきしてなる金属層9aを設けたものであってもよい。なお、こうして金属テープ9は、樹脂フィルム3B上に、接着剤層を介して貼り合わされている。
【0047】
金属テープ9の厚さが、補強材5の厚さの0.04倍~1.0倍であることが望ましい。こうした範囲内とすることにより、後述した実施例に示すように、接続部付近でのインピーダンスの悪化を改善することができる。特に、端末部のインピーダンス変動を抑えてより高い信号伝達性を実現することができる。
【0048】
金属テープ9は、シールド層6と電気的に接続されていることが好ましい。シールド層6と接続されることにより、端末部11でのシールド作用を有するので、シールド層としてノイズ信号に対する信頼性を向上させることができる。
【0049】
(保護フィルム)
保護フィルム8は、
図1及び
図2に示すように、フラットケーブルの片面又は両面に任意に設けられている。保護フィルム8は、ジャケットとも呼ばれ、ケーブル全体を保護するとともに、その機械的強度を補強し、屈曲等に耐えるように作用する。保護フィルム8としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリウレタン樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合樹脂との混合樹脂フィルム等を挙げることができる。また、保護フィルム8は、基材フィルム8aと接着剤層8bとで構成された保護テープであってもよく、その保護フィルム8をフラットケーブル10の片面又は両面に貼り合わせることができる。なお、接着剤層8bは、上記した接着剤層5bや接着剤層6bと同様のものとすることができるが、この保護フィルム8は端末部11を構成しないので、厚さや材質の制限はなく、保護フィルム8の厚さは例えば0.02~0.3mm程度とすることができる。
【0050】
(金属層形成シート)
金属層形成シートは、図示しない任意の構成であり、フラットケーブル10の外周を取り囲むように覆ってもよい。金属層形成シートは、表面で電波を反射させ、電波の侵入や漏洩を防止するシールド導体として作用し、外部からのノイズ信号をシールドし、また、外部へのノイズ信号の放射をシールドするように作用する。金属層形成シートは、シールド層6に導電性接着剤層を介して機械的及び電気的に接合していることが好ましく、その結果、フラットケーブル10を屈曲させた場合であっても、シールド層6と金属層形成シートとの接触面が離れることがなく、全長に渡って接触抵抗の変化が少なくなるという利点がある。
【0051】
また、この金属層形成シートには、上記した金属テープ9を導電性接着剤層を介して電気的に接合していることが好ましい。
【0052】
以上、フラットケーブル10の構成要素を説明したが、本発明に係るフラットケーブル10は、その要旨を含んでいれば上記構成に限定されない。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
[実施例1]
図1に示す形態からなる端末部11を作製し、インピーダンス特性を測定した。導体1を厚さ50μmで幅0.3mmの銅平角線(51本)とした。樹脂フィルム3を厚さ25μmのPETフィルムとし、接着性絶縁層2を厚さ35μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層とした、導体1を挟むように、接着性絶縁層2を介して樹脂フィルム3を貼り合わせた。介在層4は、厚さ100μmの粘着テープ(ポリオレフィン樹脂)を用いた。補強材5は、厚さ33μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層からなる接着剤層5bと、厚さ225μmのPETフィルムからなる補強シート5aとで構成した合計258μmのものを用いた。シールド層6は、合計厚さ32μmであり、厚さ5μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層(接着剤層6b)と、厚さ15μmのアルミニウム箔6aが厚さ12μmのPETフィルム(基材フィルム)に貼り合わされたものとで構成されたものを用いた。これら各構成要素を
図1に示す構成となるように積層して貼り合わせた。積層後のコネクタ接続部40の総厚さは340μmであった。
【0055】
その後、さらに金属テープ9を貼り合わせた。金属テープ9は、導体1が露出しない部分に位置する補強材5と反対側の位置に、フラットケーブルの長手方向に長さ7mmで、フラットケーブルの全幅と同じ幅30mmで設けられている。金属テープ9は、厚さ75μmの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層(樹脂テープ9b)と、厚さ15μmのアルミニウム箔(金属層9a)とで構成され、合計厚さは90μmである。樹脂テープ9bの厚さ(75μm)は、補強材5の厚さ(258μm)の0.35倍である。なお、補強材5の長さL1は、導体1が露出した部分に位置する補強材長さL3と、導体1が露出しない部分に位置する補強材長さL5との合計である。金属テープ9の長さL6は、補強材長さL5の1.0倍、すなわち同じ長さである。
【0056】
[実施例2~10]
実施例2~11は、金属テープ9の厚さ以外は実施例1と同様の構成である。実施例2~11の金属テープ9は、表1に示す種々の厚さの接着性ポリフェニレンエーテル樹脂層(樹脂テープ9b)と、厚さ15μmのアルミニウム箔(金属層9a)とで構成されている。金属テープ9の厚さは、樹脂テープ9bの厚さを変化させて変更した。[金属テープ9の厚さ]/[補強材5の厚さ]も表1に示した。
【0057】
[実施例11]
実施例11は、金属テープ9として厚さ30μmのアルミニウム箔を用いた。このアルミニウム箔は、厚さ15μmの接着剤層で樹脂フィルム3B上に貼り合わせている。
【0058】
[比較例1~10]
比較例1~10は、実施例1~10の金属テープ9から金属層9aと樹脂テープ9bの一部(15μm)を除いた樹脂テープ9bだけを用いたものである。
【0059】
[比較例11]
比較例11は、実施例1~11の金属テープ9や比較例1~10の樹脂テープ9bを設けていないものである。
【0060】
[評価]
実施例1~11と比較例1~11について、インピーダンス特性を測定した。インピーダンス特性の測定は、Tektronix製の「Digital Serial Analyzer DSA8200」で行った。その結果を表1と表2に示した。
【0061】
【0062】
【0063】
実施例1~11のフラットケーブルにおいて、フラットケーブル全体のインピーダンスは100Ωであった。「フラットケーブルの全体」とは、本体部31のことである。表1に示すように、金属テープ9を設けた場合は、インピーダンスは95Ω以上109Ω未満の範囲内であった。一方、表2に示すように、金属テープ9の代わりに樹脂テープを設けた場合は、インピーダンスは110Ω以上であった。
【符号の説明】
【0064】
1 導体
2 接着性絶縁層
3 樹脂フィルム
3A 第1の樹脂フィルム
3B 第2の樹脂フィルム
4 介在層
5 補強材
5a 補強シート
5b 接着剤層
6 シールド層
6a 金属箔
6b 接着剤層
8 保護フィルム
8a 基材フィルム
8b 接着剤層
9 金属テープ
9a 金属層
9b 樹脂テープ
10 フラットケーブル
11 長手方向の端末部
11a 端末部の先端
11b 第1の樹脂フィルムの端部
11c 第2の樹脂フィルムの端部
31 本体部
40 コネクタ接続部
X 幅方向
Y 長手方向
L1 補強材の長さ
L2 第1の樹脂フィルムの除去長さ(剥き代の長さ)
L3 第2の樹脂フィルムの除去長さ(剥き代の長さ=導体が露出した部分に位置する補強材長さ)
L4 金属箔の露出長さ(接地接続部の長さ)
L5 導体が露出しない部分に位置する補強材長さ
L6 金属テープの長さ
100 フラットケーブル