(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】流量制御装置
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20231003BHJP
G05D 7/06 20060101ALI20231003BHJP
F16K 1/00 20060101ALN20231003BHJP
F16K 1/12 20060101ALN20231003BHJP
F16K 31/44 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
F16K37/00 D
G05D7/06 Z
F16K1/00 F
F16K1/12 Z
F16K31/44 D
(21)【出願番号】P 2019186715
(22)【出願日】2019-10-10
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】鷲田 直紀
(72)【発明者】
【氏名】大村 林太郎
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-115220(JP,A)
【文献】特開2013-185825(JP,A)
【文献】特開2005-074539(JP,A)
【文献】特開2001-271962(JP,A)
【文献】特開2015-068452(JP,A)
【文献】特開平11-325812(JP,A)
【文献】特開2015-052336(JP,A)
【文献】特開2016-020720(JP,A)
【文献】特開2015-052414(JP,A)
【文献】特開2018-179231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00
F16K 1/00 - 1/54
F16K 31/44 - 31/62
F16K 37/00
F24F 7/00 - 7/007
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を流れる流体の流量を調節する弁と、
前記弁の開度を変化させるアクチュエータと、
抵抗体と、前記抵抗体に摺動接触し、前記弁の開度に連動して前記抵抗体の上における位置を変化させる摺動子を備えるポテンショメータと、
前記ポテンショメータの抵抗値から前記弁の開度を計測するように構成された開度計測部と、
前記開度計測部が計測した開度と、設定されている基準との関係により、前記アクチュエータの動作制御を行って前記弁の開度を制御するように構成された開度制御部と、
前記ポテンショメータの稼働状態が設定されている調整状態となったか否かを判断するように構成された判断部と、
前記判断部が調整状態と判断すると、前記弁を、所定の範囲で開閉させるように前記アクチュエータを動作させるように構成された調整部と
を備える流量制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の流量制御装置において、
前記ポテンショメータの抵抗値が変化しない停止状態の回数を計測するように構成された稼働計測部を備え、
前記判断部は、前記稼働計測部が計測した前記停止状態の回数を前記稼働状態とし、前記停止状態の回数が、前記調整状態としての規定回数になったか否かを判断することを特徴とする流量制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の流量制御装置において、
前記ポテンショメータの稼働時間を計測するように構成された稼働計測部を備え、
前記判断部は、前記稼働計測部が計測した稼働時間を前記稼働状態とし、前記稼働時間が、前記調整状態としての規定時間になったか否かを判断することを特徴とする流量制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の流量制御装置において、
前記判断部は、前記ポテンショメータの抵抗値を前記稼働状態とし、前記ポテンショメータの抵抗値が、前記調整状態として設定されている異常値になったか否かを判断することを特徴とする流量制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の流量制御装置において、
前記調整部は、設定されている箇所を中心に、前記弁を所定の範囲で開閉させるように前記アクチュエータを動作させることを特徴とする流量制御装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の流量制御装置において、
前記調整部は、前記弁を、最大開度と最小開度との間で開閉させるように前記アクチュエータを動作させることを特徴とする流量制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の流量制御装置において、
前記調整部は、前記弁の開閉の動作を、3回以上させるように前記アクチュエータを動作させることを特徴とする流量制御装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の流量制御装置において、
前記ポテンショメータは、前記弁の開閉に連動して回動自在に支持された回転軸、前記回転軸を中心として円環状に形成された前記抵抗体、および前記回転軸に支持されて前記抵抗体に摺動接触する前記摺動子を備えることを特徴とする流量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風量など流体の流量を制御する流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、化学実験では、取り扱いに注意を要する物質が用いられる場合がある。このため、実験で用いている物質の拡散を防止するために、ドラフトチャンバーなどの局所排気装置が利用されている。この種の局所排気装置として、上下または左右に開閉可能なサッシを備え、サッシの開閉に伴って、排気される空気の量(流量)を制御するドラフトチャンバーがある。
【0003】
上述したドラフトチャンバーでは、局所排気ダクトに、局所排気バルブとしてベンチュリーバルブが設けられている。このベンチュリーバルブは、アクチュエータにより弁軸の位置を変動させて、弁栓の位置を動かすことにより、局所排気バルブ内の風量を変化させる。
【0004】
上述したドラフトチャンバーの風量制御では、サッシの開閉状態に応じ、サッシの開口面の風速(面風速)を一定風速に維持するための排気風量を求め、求めた排気風量となるように、ベンチュリーバルブの弁軸の位置を制御する。このような弁軸の位置の制御では、弁軸の位置がポテンショメータを用いて計測されている。ポテンショメータを用いることで計測された弁軸の位置が、求められた排気風量に対応する位置となるように、弁軸の位置が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した流量の制御において、弁軸の位置(弁の開度)が、目標位置を行き過ぎて開閉を繰り返す現象(ハンチング現象)を引き起こすことが確認された。このハンチング現象の抑制のために、いわゆる不感帯を設ける技術が提案されている。しかしながら、ハンチング現象が、目的位置の付近で発生する場合、例えば制御の精度の関係などにより、不感帯を設けることが容易ではない場合がある。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、ポテンショメータで開度が計測される弁のハンチングを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る流量制御装置は、配管を流れる流体の流量を調節する弁と、弁の開度を変化させるアクチュエータと、抵抗体と、抵抗体に摺動接触し、弁の開度に連動して抵抗体の上における位置を変化させる摺動子を備えるポテンショメータと、ポテンショメータの抵抗値から弁の開度を計測するように構成された開度計測部と、開度計測部が計測した開度と、設定されている基準との関係により、アクチュエータの動作制御を行って弁の開度を制御するように構成された開度制御部と、ポテンショメータの稼働状態が設定されている調整状態となったか否かを判断するように構成された判断部と、判断部が調整状態と判断すると、弁を、所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータを動作させるように構成された調整部とを備える。
【0009】
上記流量制御装置の一構成例において、ポテンショメータの抵抗値が変化しない停止状態の回数を計測するように構成された稼働計測部を備え、判断部は、稼働計測部が計測した停止状態の回数を稼働状態とし、停止状態の回数が、調整状態としての規定回数になったか否かを判断する。
【0010】
上記流量制御装置の一構成例において、ポテンショメータの稼働時間を計測するように構成された稼働計測部を備え、判断部は、稼働計測部が計測した稼働時間を稼働状態とし、稼働時間が、調整状態としての規定時間になったか否かを判断する。
【0011】
上記流量制御装置の一構成例において、判断部は、ポテンショメータの抵抗値を稼働状態とし、ポテンショメータの抵抗値が、調整状態として設定されている異常値になったか否かを判断する。
【0012】
上記流量制御装置の一構成例において、調整部は、設定されている箇所を中心に、弁を所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータを動作させる。
【0013】
上記流量制御装置の一構成例において、調整部は、弁を、最大開度と最小開度との間で開閉させるようにアクチュエータを動作させる。
【0014】
上記流量制御装置の一構成例において、調整部は、弁の開閉の動作を、3回以上させるようにアクチュエータを動作させる。
【0015】
上記流量制御装置の一構成例において、ポテンショメータは、弁の開閉に連動して回動自在に支持された回転軸、回転軸を中心として円環状に形成された抵抗体、および回転軸に支持されて抵抗体に摺動接触する摺動子を備える。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、判断部が調整状態と判断すると、調整部が、弁を所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータを動作させるので、ポテンショメータで開度が計測される弁のハンチングが抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る流量制御装置の構成を示す構成図である。
【
図2】
図2は、ベンチュリーバルブの構成を示す構成図である。
【
図3A】
図3Aは、ハンチングについて説明するための説明図である。
【
図3B】
図3Bは、ハンチングについて説明するための説明図である。
【
図3C】
図3Cは、ハンチングについて説明するための説明図である。
【
図3D】
図3Dは、ハンチングについて説明するための説明図である。
【
図4】
図4は、流量制御装置の一部のハードウエア構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る流量制御装置について
図1を参照して説明する。この流量制御装置は、弁101、アクチュエータ102、ポテンショメータ103、開度計測部104、開度制御部105、判断部106、調整部107、稼働計測部108を備える。
【0019】
弁101は、配管を流れる流体の流量を調節する。アクチュエータ102は、弁101の開度を変化させる。ポテンショメータ103は、抵抗体と、抵抗体に摺動接触し、弁101の開度に連動して抵抗体の上における位置を変化させる摺動子を備える。開度計測部104は、ポテンショメータ103の抵抗値から弁101の開度を計測する。
【0020】
ここで、弁101は、例えば、
図2に示すようなベンチュリーバルブである。ベンチュリーバルブは、
図2に示すように、配管としてのベンチュリー管201と、ベンチュリー管201の管軸の位置に配置された弁軸202と、弁軸202に固定された弁栓203とを備える。また、弁軸202の一端には、支点を中心に回動可能とされたレバー204の一端が連結し、レバー204の他端には、アクチュエータ102が連結している。
【0021】
アクチュエータ102は、レバー204を介し、弁軸202をベンチュリー管201の流路方向に変位させる。レバー204の支点に、ポテンショメータ103が設けられている。この場合のポテンショメータ103は、レバー204の回動に連動して回動自在に支持された回転軸と、この回転軸を中心として円環状に形成された抵抗体と、回転軸に支持されて抵抗体に摺動接触する摺動子とを備える。開度計測部104は、ポテンショメータ103の抵抗値から求められる弁軸202の位置より開度を計測する。
【0022】
また、弁栓203は、スプリング205を内蔵している。ベンチュリーバルブでは、レバー204によって弁軸202を動かし、ベンチュリー管201と弁栓203との間の流路を狭くすると、流路の抵抗が大きくなり、通過する流体(空気)の量が減少する。一方、レバー204によって弁軸202を動かし、ベンチュリー管201と弁栓203との間の流路を広げると、流路の抵抗が小さくなり、通過する空気量が増大する。
【0023】
また、弁栓203の位置がベンチュリー管201の前後の差圧とスプリング205のばね力の差で移動することによって、弁軸202の摺動位置に対して、ベンチュリーバルブを通過する空気量が一定の範囲に維持される。すなわち、スプリング205と一体の弁栓203(圧力独立性機構)により、低静圧のときは、弁栓203にかかる力が小さくなり、内部のスプリング205が伸び、静圧が高くなるに伴い、弁栓203にかかる力が増すと、スプリング205が縮み、弁軸202が動くとともに弁栓203が中心に向かって動くことにより、風量が維持される。
【0024】
なお、弁101は、上述したベンチュリーバルブに限るものではなく、アクチュエータにより開度を変化させる様々な弁(バルブ)を対象とすることができる。弁101は、例えば、ボールバルブなどの回転バルブとすることができる。よく知られているように、回転バルブは、バルブ本体と、流入流路と、流出流路と、弁体と、弁体をバルブ本体の外部から回転操作するための弁軸とを備える。また、弁体は、貫通流路を備える。アクチュエータにより、弁軸を軸中心に回転させて弁体を回動させることで、流入流路および流出流路と貫通流路との関係を変化させることで、回転バルブの開度を変化させることができる。
【0025】
例えば、貫通流路の管軸と、流入流路,流出流路の管軸とが一致する全開の状態より、弁軸を軸中心に回転させて弁体を回動させることで、通過する流体の量が減少する。このような回転バルブの場合、ポテンショメータの回転軸が回転バルブの弁軸に連動して回転するように、弁軸にポテンショメータを設ければよい。この場合、開度計測部104は、ポテンショメータ103の抵抗値から求められる弁軸の回動位置より、回転バルブの開度を計測することができる。
【0026】
開度制御部105は、開度計測部104が計測した開度と、設定されている基準との関係により、アクチュエータ102の動作制御を行って弁101の開度を制御する。判断部106は、ポテンショメータ103の稼働状態が設定されている調整状態となったか否かを判断する。調整部107は、判断部106が調整状態と判断すると、弁101を、所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータ102を動作させる。
【0027】
調整部107は、例えば、設定されている箇所を中心に、弁101を所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータ102を動作させる。また、調整部107は、弁101を、最大開度と最小開度との間で開閉させるようにアクチュエータ102を動作させる。
【0028】
稼働計測部108は、ポテンショメータ103の抵抗値が変化しない停止状態の回数を計測する。この場合、判断部106は、稼働計測部108が計測した停止状態の回数を稼働状態とし、停止状態の回数が、調整状態としての規定回数になったか否かを判断する。
【0029】
また、稼働計測部108は、ポテンショメータ103の稼働時間を計測する構成とすることもできる。この場合、判断部106は、稼働計測部108が計測した稼働時間を稼働状態とし、稼働時間が、調整状態としての規定時間になったか否かを判断する。
【0030】
また、判断部106は、ポテンショメータ103の抵抗値を稼働状態とし、ポテンショメータ103の抵抗値が、調整状態として設定されている異常値になったか否かを判断することもできる。この場合、稼働計測部108は、必要がない。
【0031】
上述したように、本実施の形態によれば、判断部106が調整状態と判断すると、調整部107が、弁101を、所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータ102を動作させるので、ポテンショメータ103で開度が計測される弁101のハンチングが抑制できるようになる。
【0032】
ここで、ポテンショメータで開度が計測される弁のハンチングについて説明する。例えば、ドラフトチャンバーでは、サッシの開閉が、特定の状態で使用されることが多い。このため、上述したように弁軸位置の計測に用いられるポテンショメータにおいても、
図3Aに示すように、ポテンショメータ103の摺動子132が、抵抗体131の特定箇所151に配置される場合が多く発生する。
【0033】
上述したような使用状況におけるポテンショメータの状態を詳細に調査したところ、
図3Bに示すように、抵抗体131の特定箇所151に、摩耗粉やグリスなどが蓄積し、これらの蓄積(堆積)による凸部111が形成されることが確認された。この凸部111の箇所では、抵抗体131と摺動子132との接触が不良となり、ポテンショメータ103から正確な信号を得ることができなくなる。
【0034】
上述したように、ポテンショメータ103から正確な信号が得られない場合、ポテンショメータ103を用いることで計測された弁軸の位置が誤ったものとなる。このような状態では、求められた排気風量に対応する位置との差異を解消するために、弁軸が移動される。弁軸が移動されることで、凸部111の箇所から摺動子132が移動し、抵抗体131と摺動子132とが接触する状態となると(
図3C)、正しい弁軸の位置が計測されるようになるが、この位置は、求められた排気風量に対応する位置ではない。
【0035】
このため、さらに、求められた排気風量に対応する位置との差異を解消するために、逆の方向に弁軸が移動される。この移動により、再度、凸部111の箇所に摺動子132が移動し、再び接触不良が生じ、前述した動作が繰り返され、ハンチングとなる。ハンチングが生じるとアクチュエータ102の消耗や、抵抗体131や摺動子132の摩耗が生じ、製品寿命が縮まるという問題がある。
【0036】
上述したように発生しているハンチング現象を解消するために発明者らが鋭意検討を重ねた結果、
図3Cに示すように、凸部111の箇所、言い換えると特定箇所151を中心に、抵抗体131の上で摺動子132を往復させると、凸部111が潰され、
図3Dに示すように、残渣が残る程度の残渣部112となり、接触が不良が解消されることを見出だした。この状態であれば、ポテンショメータ103から正確な信号を得ることが確認された。
【0037】
アクチュエータ102を動作させて弁101を開閉動作させれば、これに伴い、摺動子132が上述した往復動作をする。従って、調整部107により、弁101を、所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータ102を動作させることで、ハンチングが防止できるようになる。ここで、摺動子132が上述した往復動作を3回以上実施すれば、ハンチングが解消することを確認している。従って、調整部107により、弁101の開閉の動作を、3回以上させるようにアクチュエータ102を動作させることが望まれる。
【0038】
ここで、上述した特定箇所におけるグリスなどの蓄積は、ポテンショメータ103の稼働に伴って発生する。従って、予め、ポテンショメータ103の稼働状態と、ハンチングの発生状況との関連を観測しておき、ハンチングが発生したときのポテンショメータ103の稼働状態をもとに、判断部106における調整状態を決定することができる。
【0039】
例えば、流量制御装置の稼働において、ポテンショメータ103の摺動子は、停止と移動とを繰り返している。この停止の状態の回数を、上述した稼働状態とすることができる。摺動子の停止は、ポテンショメータ103の抵抗値が変化しない状態であり、この停止状態の回数を稼働計測部108で計測し、稼働状態とすることができる。この場合、判断部106には、予め計測されているハンチングが発生する停止回数を規定回数として設定しておけばよい。
【0040】
また、ポテンショメータ103の稼働時間を稼働状態とすることもできる。この場合、判断部106には、予め計測されているハンチングが発生する稼働時間を規定時間として設定しておけばよい。
【0041】
また、前述したように、グリスなどの蓄積による凸部が形成されている場合、抵抗体131と摺動子132との接触が不良となり、ポテンショメータ103の抵抗値が異常値となる。従って、判断部106には、上記の異常値を設定しておくこともできる。
【0042】
なお、上述した実施の形態における開度計測部104、開度制御部105、判断部106、調整部107、稼働計測部108は、
図4に示すように、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)301と主記憶装置302と外部記憶装置303とネットワーク接続装置304となどを備えたコンピュータ機器とし、主記憶装置302に展開されたプログラムによりCPU301が動作する(プログラムを実行する)ことで、上述した各機能が実現されるようにすることもできる。上記プログラムは、上述した実施の形態で示した機能をコンピュータで実現するためのプログラムである。ネットワーク接続装置304は、ネットワーク305に接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。
【0043】
また、上述した実施の形態における開度計測部104、開度制御部105、判断部106、調整部107、稼働計測部108は、FPGA(field-programmable gate array)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)により構成することも可能である。例えば、FPGAのロジックエレメントに、記憶部、開度計測部104、開度制御部105、判断部106、調整部107、稼働計測部108の各々を回路として備えることで、機能させることができる。記憶回路、開度計測回路、開度制御回路、判断回路、調整回路、稼働計測回路の各々は、所定の書き込み装置を接続してFPGAに書き込むことができる。また、FPGAに書き込まれた上記の各回路は、FPGAに接続した書き込み装置により確認することができる。
【0044】
以上に説明したように、本発明によれば、判断部が調整状態と判断すると、調整部が、弁を所定の範囲で開閉させるようにアクチュエータを動作させるので、ポテンショメータで開度が計測される弁のハンチングが抑制できるようになる。
【0045】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0046】
101…弁、102…アクチュエータ、103…ポテンショメータ、104…開度計測部、105…開度制御部、106…判断部、107…調整部、108…稼働計測部。