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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019234936
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021103468
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藪下 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 圭一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 香織
(72)【発明者】
【氏名】キン シン
(72)【発明者】
【氏名】水島 大介
(72)【発明者】
【氏名】安藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】村上 武
(72)【発明者】
【氏名】山ノ内 勇智
(72)【発明者】
【氏名】宮原 謙太
(72)【発明者】
【氏名】吉川 勝久
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕二
(72)【発明者】
【氏名】山崎 啓太
(72)【発明者】
【氏名】松本 渓
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博之
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆
(72)【発明者】
【氏名】杉山 侑紀也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 幹
(72)【発明者】
【氏名】向 里菜
(72)【発明者】
【氏名】澤平 想
(72)【発明者】
【氏名】仲亀 梓
(72)【発明者】
【氏名】外山 恵里奈
(72)【発明者】
【氏名】藤原 靖史
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0038442(US,A1)
【文献】特開2004-252858(JP,A)
【文献】特開2003-022316(JP,A)
【文献】国際公開第2013/125287(WO,A1)
【文献】特開2010-239697(JP,A)
【文献】特開2017-206239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を回転させる駆動機構を備えた複数種類のアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載される複数種類のアッパーユニットとの中から抽出したユニットであって、ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な車両ユニットを前記ユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
を実行する制御部と、前記制御部に接続する記憶部と、
を備え、
前記記憶部は、複数の車両ユニット間で組み合わせ可能なサイズの関係を示すユニット情報を記憶し、
前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのそれぞれは、自らの車両ユニットを示す車両ユニット情報を記録した部品タグを備え、
前記ユーザが所有する車両は、前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのうちの何れか一方の前記車両ユニットと、前記ユーザが所有する車両に備えられた前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのうちの何れか一方の前記車両ユニットを示す車両ユニット情報を記録した自らの部品タグのリーダーを有する車両制御装置とを予め備え、
前記リーダーは、
前記自らの部品タグに記録された前記車両ユニット情報を読み取るための電波を前記自らの部品タグに送信し、
前記送信された電波を利用して前記自らの部品タグが送信した電波を受信し、
前記受信した電波から前記自らの部品タグに記録された前記車両ユニット情報を読み取り、
前記制御部は、
前記読み取られた車両ユニット情報を受信し、
前記受信した車両ユニット情報と前記記憶部に記憶された前記ユニット情報とに基づいて、前記ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な前記複数の車両ユニットを抽出し、
前記抽出した車両ユニットを提示する、
情報処理システム
【請求項2】
前記制御部が、前記ユーザによって入力された、目的地、乗車人数、及び積載重量のうち少なくとも一つに基づいて、前記車両と組み合わせ可能な前記車両ユニットを提示する請求項1に記載の情報処理システム
【請求項3】
前記制御部が、前記ユーザによって指定された前記車両の利用目的に基づいて前記車両ユニットを提示する請求項1又は2に記載の情報処理システム
【請求項4】
前記制御部が、前記ユーザによって選択された前記車両ユニットの組み合わせに基づいて、前記車両に対して走行条件を設定するための設定情報を出力する請求項1又は2に記載の情報処理システム
【請求項5】
前記走行条件が、速度上限、サスペンションの設定、発進時の加加速度、及び停止時の加加速度のうち、少なくとも一つである請求項4に記載の情報処理システム
【請求項6】
前記車両ユニットをレンタルする場合に、前記制御部が、前記車両ユニットのレンタル開始からレンタル終了までの利用時間に基づいて前記料金を算出する請求項1~5の何れか1項に記載の情報処理システム
【請求項7】
車輪を回転させる駆動機構を備えたアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載されるアッパーユニットとを組み合わせて構成される車両の前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットに搭載される車両制御装置と、
前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットである車両ユニットを提供するための処理を行う情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置が、
複数種類の前記車両ユニットのうち、ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な前記車両ユニットを前記ユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
を実行する制御部と、前記制御部に接続する記憶部と、
を備え、
前記記憶部は、複数の車両ユニット間で組み合わせ可能なサイズの関係を示すユニット情報を記憶し、
前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのそれぞれは、自らの車両ユニットを示す車両ユニット情報を記録した部品タグを備え、
前記ユーザが所有する車両は、前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのうちの何れか一方の前記車両ユニットと、前記ユーザが所有する車両に備えられた前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのうちの何れか一方の前記車両ユニットを示す車両ユニット情報を記録した自らの部品タグのリーダーを有する前記車両制御装置とを予め備え、
前記リーダーは、
前記自らの部品タグに記録された前記車両ユニット情報を読み取るための電波を前記自らの部品タグに送信し、
前記送信された電波を利用して前記自らの部品タグが送信した電波を受信し、
前記受信した電波から前記自らの部品タグに記録された前記車両ユニット情報を読み取り、
前記制御部は、
前記読み取られた車両ユニット情報を受信し、
前記受信した車両ユニット情報と前記記憶部に記憶された前記ユニット情報とに基づいて、前記ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な前記複数の車両ユニットを抽出し、
前記抽出した車両ユニットを提示する、
情報処理システム。
【請求項8】
前記制御部が、前記ユーザによって入力された、目的地、乗車人数、及び積載重量のうち少なくとも一つに基づいて、前記ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な前記車両ユニットを提示する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記制御部が、前記ユーザによって指定された前記ユーザが所有する車両の利用目的に基づいて前記車両ユニットを提示する請求項7又は8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記制御部が、前記ユーザによって選択された前記車両ユニットの組み合わせに基づいて、前記ユーザが所有する車両に対して走行条件を設定するための設定情報を出力する請求項7又は8に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記走行条件が、速度上限、サスペンションの設定、発進時の加加速度、及び停止時の加加速度のうち、少なくとも一つである請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記車両ユニットをレンタルする場合に、前記制御部が、前記車両ユニットのレンタル開始からレンタル終了までの利用時間に基づいて前記料金を算出する請求項7~11の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
車輪を回転させる駆動機構を備えた複数種類のアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載される複数種類のアッパーユニットとの中から抽出したユニットであって、ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な車両ユニットを前記ユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
をコンピュータが実行し、
前記コンピュータは、複数の車両ユニット間で組み合わせ可能なサイズの関係を示すユニット情報を記憶し、
前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのそれぞれは、自らの車両ユニットを示す車両ユニット情報を記録した部品タグを備え、
前記ユーザが所有する車両は、前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのうちの何れか一方の前記車両ユニットと、前記ユーザが所有する車両に備えられた前記アンダーユニットと前記アッパーユニットとのうちの何れか一方の前記車両ユニットを示す車両ユニット情報を記録した自らの部品タグのリーダーを有する車両制御装置とを予め備え、
前記リーダーは、
前記自らの部品タグに記録された前記車両ユニット情報を読み取るための電波を前記自らの部品タグに送信し、
前記送信された電波を利用して前記自らの部品タグが送信した電波を受信し、
前記受信した電波から前記自らの部品タグに記録された前記車両ユニット情報を読み取り、
前記コンピュータは、
前記読み取られた車両ユニット情報を受信し、
前記受信した車両ユニット情報と前記コンピュータに記憶された前記ユニット情報とに基づいて、前記ユーザが所有する車両と組み合わせ可能な前記複数の車両ユニットを抽出し、
前記抽出した車両ユニットを提示する、
情報処理方法。
【請求項14】
前記コンピュータが、前記ユーザによって入力された、目的地、乗車人数、及び積載重
量のうち少なくとも一つに基づいて、前記車両と組み合わせ可能な前記車両ユニットを提示する請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記コンピュータが、前記ユーザによって指定された前記車両の利用目的に基づいて前記車両ユニットを提示する請求項13又は14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記コンピュータが、前記ユーザによって選択された前記車両ユニットの組み合わせに基づいて、前記車両に対して走行条件を設定するための設定情報を出力する請求項13又は14に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記走行条件が、速度上限、サスペンションの設定、発進時の加加速度、及び停止時の加加速度のうち、少なくとも一つである請求項16に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車体フレームの上面全体が外部に露出することで、様々な種類の作業ユニットを支持する多目的プラットフォームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-176798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザの希望に応じてカスタマイズした車両の提供を可能にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、
車輪を回転させる駆動機構を備えた複数種類のアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載される複数種類のアッパーユニットとの中から抽出したユニットであって、車両として組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、
車輪を回転させる駆動機構を備えたアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載されるアッパーユニットとを組み合わせて構成される車両の前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットに搭載される車両制御装置と、
前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットである車両ユニットを提供するための処理を行う情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置が、
複数種類の前記車両ユニットのうち、前記車両として組み合わせ可能な前記車両ユニットをユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
を実行する制御部を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、
車輪を回転させる駆動機構を備えた複数種類のアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載される複数種類のアッパーユニットとの中から抽出したユニットであって、車両として組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザの希望に応じてカスタマイズした車両の提供を可能にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示すブロック図、
図2】車両の概略構成を示すブロック図、
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図、
図4】車両ユニットを示す情報の一例を示す図、
図5】第一実施形態に係る情報処理装置が実行する、車両ユニットの提示及び料金算出に関する処理を示す図、
図6】第二実施形態に係る車両の概略構成図、
図7】第二実施形態に係る情報処理装置の概略構成図、
図8】第二実施形態に係る情報処理装置が実行する、車両ユニットの提示及び料金算出に関する処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の情報処理装置は、
車輪を回転させる駆動機構を備えた複数種類のアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載される複数種類のアッパーユニットとの中から抽出したユニットであって、車両として組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示することと、
前記提示された車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
を実行する制御部を備える。
【0011】
このように本情報処理装置は、組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示し、ユーザが選択した車両ユニットの料金を算出するので、前記料金と引き換えに車両ユニットをユーザに提供でき、車両ユニットの販売やレンタルを行うビジネスを実現できる。これによりユーザは、料金と引き換えに車両ユニット単位で提供を受けることができ、容易に車両をカスタマイズできる。
【0012】
また、本開示の情報処理システムは、
車輪を回転させる駆動機構を備えたアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載されるアッパーユニットとを組み合わせて構成される車両の前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットに搭載される車両制御装置と、
前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットである車両ユニットを提供するための処理を行う情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置が、
前記アンダーユニット又は前記アッパーユニットである複数種類の前記車両ユニットのうち、前記車両として組み合わせ可能な前記車両ユニットをユーザに提示することと、
前記提示された車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
を実行する制御部を備える。
【0013】
このように本情報処理システムは、組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示し、ユーザが選択した車両ユニットの料金を算出して提示することにより、車両ユニットの販売やレンタルを行うビジネスを実現できる。また、ユーザが、任意に車両ユニットを選択して利用する車両をカスタマイズできる。
【0014】
前記制御部は、前記ユーザによって入力された、目的地、乗車人数、及び積載重量のうち少なくとも一つに基づいて、前記車両として組み合わせ可能な前記車両ユニットを提示
してもよい。これにより、前記情報処理装置は、車両の速度上限、乗車人数、及び積載重量に応じた適切な車両ユニットをユーザに提示することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
前記車両が、アンダーユニットとアッパーユニットとのうちのいずれか一方の車両ユニットを予め備えており、車両に予め備えられた車両ユニットを示すユニット情報に基づいて、前記制御部が、前記車両に組み合わせ可能な前記車両ユニットを提示してもよい。これにより、例えばユーザが所有している車両など、ベースとなる車両に既に備えられている車両ユニットとの組み合わせが可能な車両ユニットをユーザに提示することができる。
【0016】
前記制御部は、前記ユーザによって指定された前記車両の利用目的に基づいて前記車両ユニットを提示してもよい。例えば、利用目的が「キャンプ」の場合、ベッド及び調理設備を備えたアッパーユニットを提示し、利用目的が「引っ越し」の場合、トラックのような荷台を備えたアッパーユニットを提示する。これにより、利用目的に応じた車両ユニットを提示し、ユーザによる選択を容易にすることができる。
【0017】
前記制御部は、前記ユーザによって選択された前記車両ユニットの組み合わせに基づいて、前記車両に対して走行条件を設定するための設定情報を出力してもよい。これにより、前記車両ユニットの組み合わせに応じて前記車両に走行条件を設定させることができる。
【0018】
前記走行条件は、速度上限、サスペンションの設定、発進時の加加速度、及び停止時の加加速度のうち、少なくとも一つであってもよい。これにより例えば、キャンプ用のアッパーユニット又はトラック用のアッパーユニットを車両に装着した場合に車両の速度上限を低く設定する。また、山道を走行する予定の場合にローリング時の減衰力を強くするなど、走行経路に応じてサスペンションの減衰力を設定してもよい。
【0019】
前記車両ユニットをレンタルする場合に、前記制御部は、前記車両ユニットのレンタル開始からレンタル終了までの利用時間に基づいて前記料金を算出してもよい。これにより、例えば、レンタル時間(利用時間)に応じた利用料金を設定でき、車両ユニットのレンタルを行うビジネスを実現できる。
【0020】
本開示の情報処理方法は、
車輪を回転させる駆動機構を備えた複数種類のアンダーユニットと当該アンダーユニットに積載される複数種類のアッパーユニットとの中から抽出したユニットであって、車両として組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示することと、
前記提示された前記車両ユニットに対する前記ユーザの選択を受け付けることと、
選択された前記車両ユニットを提供する場合の料金を算出することと、
をコンピュータが実行する。
【0021】
このように本開示の情報処理方法は、ユーザが指定した車両に組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示し、ユーザが選択した車両ユニットの料金を算出する。これにより、本開示のプログラムは、前記料金と引き換えに車両ユニットをユーザに提供できるようにし、車両ユニットの販売やレンタルを行うビジネスを実現できる。また、ユーザは、任意に車両ユニットを選択して利用する車両をカスタマイズできる。
【0022】
〈第一実施形態〉
以下、本実施形態に係る情報処理装置を備えた情報処理システムについて、図面を用いて説明する。図1は、情報処理システム(車両ユニット提供システム)の概略構成を示すブロック図である。情報処理システム1は、各車両2に備えられた車載装置20と、車両
ユニットを提供する業者の店舗に備えられた情報処理装置30と、整備工場4に備えられた端末40とを有している。なお、本実施形態では、情報処理システム1が、ユーザ端末50を含まない構成としたが、情報処理システム1が、ユーザ端末50を含む構成であってもよい。
【0023】
ユーザは、ユーザ端末50又は情報処理装置30の入力装置を操作して、目的、利用開始地点、目的地点、利用終了地点、利用日時、乗車人数、荷物の量(容積、又は積載重量)など、車両又は車両ユニットを抽出するための情報を情報処理装置30へ入力する。この入力に応じて情報処理装置30は、車両として組み合わせる車両ユニットを後述のようにデータベースから抽出して提示する。ユーザが、提示された車両ユニットを選択すると、情報処理装置30は、選択された車両ユニットの料金を算出してユーザに提示する。ユーザは、提示された料金を確認し、料金の決済処理、及び車両ユニットを利用するための契約処理を行う。契約処理が完了すると、情報処理装置30は、選択された車両ユニットの組み立てを依頼するオーダー情報を整備工場へ送信し、車両ユニットを組み立てさせる。車両が自動運転可能である場合、情報処理装置30は、車両に利用開始地点(出発地)、目的地点、利用終了地点等を含む経路情報を車両に入力し、利用開始時刻までにユーザの自宅等の利用開始地点へ移動させる。車両2は、利用終了地点に到着して、利用が完了した場合、整備工場等、所定の場所へ戻る。
【0024】
図2は、車両2の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両2は、アンダーユニット2Dと、アッパーユニット2Pとを備えている。また、アンダーユニット2Dは、車載装置20、走行装置22、バッテリ23、センサ24、タイヤ(ホイール)25、及びサスペンション26等の設備を備えている。アッパーユニット2Pは、ユーザが座るシート27及び表示装置28等の設備を備えている。
【0025】
走行装置22は、車両2を走行させる機構であり、内燃機関又はモータといった動力源、発電機、伝達機構、制動機構、操舵機構等を有している。
【0026】
伝達機構としては、動力源によって発生させた駆動力をトルク、回転数、及び回転方向を変えて車輪へ伝達し、車輪を駆動させるトランスミッションが挙げられる。なお、ホイルインモータのように、伝達機構を用いずに車輪が動力源によって直接駆動される構成であってもよい。
【0027】
バッテリ23は、車載装置20、走行装置22及びセンサ24等、車両2の各部に電力を供給する。バッテリ23は、走行装置22の発電機で発電した電力を蓄えるもの、外部の商用電源と接続した際に電力を蓄えるもの、又は水素等の燃料を用いて発電する燃料電池など、種々のものが採用され得る。
【0028】
センサ24は、車速センサ、加速度センサ、方位センサ、降雨センサ、温度センサ、障害物センサ、位置センサ等、自車両の状態及び周囲の状態の少なくとも一つを検出する。障害物センサは、カメラ、レーダ、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging
)等であってもよい。位置センサは、自車両の現在位置を検出するセンサである。位置センサは、例えば、GPS受信機等、衛星測位システムにおける測位装置であってもよい。
【0029】
車載装置20は、走行装置22等、車両2の各部を制御する。例えば、車載装置20は、ユーザによって設定された走行経路に従って車両2を自律的に走行させる。即ち、車両2は、車載装置20の制御によって走行する自動運転車である。なお、車両2は、自動運転車に限らず、車載装置20によって提示される走行経路や停車箇所に基づいて運転者が、手動で運転する車両であってもよい。
【0030】
車載装置20は、車両2に搭載されるコンピュータであって、制御部201と、記憶部202と、表示部203と、入出力部204と、通信部205とを備える。
【0031】
制御部201は、車載装置20全体の動作を制御し、車載装置20が有する各種の機能を実現する。制御部201は、例えば、プロセッサ及びメモリを備える。プロセッサは、車載装置20の動作を統括的に制御する。プロセッサは、CPU又はMPU等とも呼ばれる。メモリは、例えばROM及びRAMである。ROMは、各種プログラム又はデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラム又はデータ一時的に記憶する記憶媒体である。RAMは、プロセッサから直接アクセス可能とし、メインメモリとして機能してもよい。
【0032】
記憶部202は、HDD又はSSDなどの記憶装置である。記憶部202は、制御部201の外部記憶装置として機能する。記憶部202は、地図情報、経路情報、又は管理者による設定情報等を記憶する。表示部203は、情報を表示する手段であり、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等である。表示部203は、車内に設けられ、車内の乗員に対して表示を行う表示装置であっても、車外に設けられ、車外の人に対して表示を行う外部表示装置であってもよい。
【0033】
入出力部204は、制御部201に対する情報の入出力を行う手段であり、例えば、ユーザからの操作の受け付け及びユーザへの情報の出力を行う手段であり、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、表示部、又はスピーカ等である。ボタン又はタッチパネル等である。通信部205は、通信回線を介して外部装置と通信を行うための通信インタフェースである。通信部205は、通信ネットワークを介して通信を行うものの他、他車両との直接通信を行うものなど、複数の通信インタフェースを備えてもよい。他車両との直接通信を行うものとしては、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又はWiFiのアドホックモードを用いて通信を行う通信インタフェースが挙げられる。また、通信部205は、業務用無線(簡易無線)を用いて通信を行う通信インタフェースであってもよい。
【0034】
制御部201は、プロセッサが、RAMをワークエリア(作業領域)とし、ROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。このプログラムを実行することにより、制御部201は、運転制御部211、経路取得部212、設定情報取得部213、及び設定部214等の機能部として機能する。制御部201は、これら複数の機能部の機能を複数のプロセッサ又は単一のプロセッサに含まれる複数のコアによって、それぞれ実現してもよい。また、制御部201は、これら複数の機能部の機能をマルチタスク又はマルチスレッドといった技術で単一のプロセッサが実現してもよい。
【0035】
運転制御部211は、センサ24又は入出力部204を介して取得した情報を処理し、車両2を経路情報に従って自律的に走行させる制御を実行する。例えば、運転制御部211は、ユーザによる入力操作又は他の装置からの入力によって、出発地、目的地、及び到着地などを示す経路情報を取得した場合に、当該経路情報が示す走行経路に従って出発地から到着地点(目的地)へ車両2を走行させる。即ち、運転制御部211は、走行する車線を変更するように操舵機構を制御すると共に、交通信号に応じて発進又は停止する、制限速度や周囲の車両の速度に応じて走行速度を調整する、障害物を避ける等の制御を自律的に実行する。経路情報は、ユーザの自宅等の出発地から第一の目的地までの往路と、第一の目的地を出発地として自宅等の目的地までの復路とのように、複数の走行経路を含んでもよい。
【0036】
経路取得部212は、車両2の走行経路を示す経路情報を取得する。例えば、経路取得部212は、通信回線を介して情報処理装置30と通信し、経路情報を受信する。また、
経路取得部212は、ユーザによる入力部の操作によって経路情報の入力を受けてもよい。
【0037】
設定情報取得部213は、通信回線を介して情報処理装置30と通信し、情報処理装置30から設定情報を受信する。設定部214は、設定情報取得部213で取得した設定情報に基づいて、アクセル、ブレーキ、サスペンション、又はエアコン等、車両2の各部の設定値を記憶部202に記憶させる。これにより、設定部214は、運転制御部211が、この設定値を記憶部202から読み出して、この設定値に従った制御を行うように設定する。例えば、設定部214は、車両2が発進する際の加加速度を設定する。この場合、所定の単位時間毎に増加させるアクセルの開度を記憶部202に記憶させ、これにより、車両2が発進時にゆっくり加速する、又は車両2が発進時に速やかに加速するなど、発進時の加速度の変化量を設定する。また、設定部214は、車両2が停止する際の加加速度を設定する。この場合、所定の単位時間毎に作用させるブレーキの作用量を記憶部202に記憶させ、これにより、車両2が停止時にゆっくり停止する、又は車両2が停止時に速やかに停止するなど、停止時の減速量(マイナスの加速度の変化量)を設定する。更に、設定部214は、車両2の走行速度に応じたサスペンションの減衰量を記憶部202に記憶させ、これにより、車両2が低速で走行している時の減衰量を少なくし、走行時の揺れを吸収する。また、設定部214は、走行経路に応じたサスペンションの減衰量を記憶部202に記憶させ、これにより、山道等の場合、サスペンションの減衰量を増やしてローリング時又はブレーキング時の揺れ幅を少なくする等、サスペンションの減衰量を設定する。
【0038】
図3は、情報処理装置30の概略構成を示すブロック図である。情報処理装置30は、車両ユニットを提供する業者の店舗等に備えられるコンピュータであって、制御部301と、記憶部302と、表示部303と、入出力部304と、通信部305とを備える。
【0039】
制御部301は、情報処理装置30全体の動作を制御し、情報処理装置30が有する各種の機能を実現する。制御部301は、例えば、プロセッサ及びメモリを備える。プロセッサは、情報処理装置30の動作を統括的に制御する。プロセッサは、CPU又はMPU等とも呼ばれる。メモリは、例えばROM及びRAMである。ROMは、各種プログラム又はデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラム又はデータ一時的に記憶する記憶媒体である。RAMは、プロセッサから直接アクセス可能とし、メインメモリとして機能してもよい。
【0040】
記憶部302は、HDD又はSSDなどの記憶装置である。記憶部302は、制御部301の外部記憶装置として機能する。記憶部302は、地図情報、経路情報、車両ユニットを示す情報、車両ユニットの料金情報又は管理者による設定情報等を記憶する。表示部303は、情報を表示する手段であり、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等である。
【0041】
入出力部304は、ユーザからの操作の受け付け及びユーザへの情報の出力を行う手段であり、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、表示部、又はスピーカ等である。通信部305は、通信回線を介して外部装置と通信を行うための通信インタフェースである。通信部305は、通信ネットワークを介して通信を行うものの他、他車両との直接通信を行うものなど、複数の通信インタフェースを備えてもよい。他車両との直接通信を行うものとしては、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又はWiFiのアドホックモードを用いて通信を行う通信インタフェースが挙げられる。また、通信部305は、業務用無線(簡易無線)を用いて通信を行う通信インタフェースであってもよい。
【0042】
制御部301は、プロセッサが、RAMをワークエリア(作業領域)とし、ROM又は記憶部302等に格納されたプログラムを実行する。このプログラムを実行することにより、制御部301は、ユニット提示部311、選択受付部312、料金管理部313、及び設定値決定部314等の機能部として機能する。制御部301は、これら複数の機能部の機能を複数のプロセッサ又は単一のプロセッサに含まれる複数のコアによって、それぞれ実現してもよい。また、制御部301は、これら複数の機能部の機能をマルチタスク又はマルチスレッドといった技術で単一のプロセッサが実現してもよい。
【0043】
ユニット提示部311は、アンダーユニット2D、又はアッパーユニット2Pである複数種類の車両ユニットのうち、車両2として組み合わせ可能な車両ユニットを提示する。また、ユニット提示部311は、アンダーユニット2Dに備えられる設備、又はアッパーユニット2Pに備えられる設備を提示してもよい。ユニット提示部311は、車両2の速度上限、乗車人数、及び積載重量のうち少なくとも一つに基づいて組み合わせ可能な車両ユニットを提示してもよい。また、ユニット提示部311は、ユーザによって指定された車両2の利用目的に基づいて車両ユニットを提示してもよい。
【0044】
図4は、車両ユニットを示す情報の一例を示す図である。車両ユニットを示す情報(ユニット情報)は、例えば、記憶部302内に格納されるデータベースに登録されている。図4に示すように、車両ユニットを示すユニット情報は、車両ユニットの識別情報、種別、利用目的、人数、サイズ、重量、速度上限、及び利用日時を有していてもよい。識別情報は、例えば、本システムにおいて各車両ユニットを一意に識別する情報である。種別は、例えば、アンダーユニット2D、アッパーユニット2P、シート、AV機器、ルーフキャリア、タイヤ、タイヤ用チェーン、バッテリ等、車両ユニット又は設備の種類を示す情報である。
【0045】
なお、図4の例において、シート、AV機器、ルーフキャリアは、アッパーユニット2Pに備えられる設備であり、タイヤ、タイヤ用チェーン、バッテリは、アンダーユニット2Dに備えられる設備である。なお、種別は、これらに限定されるものではなく、他の種別が採用されてもよい。目的は、キャンプ、引っ越し、重量物の輸送、市街地の移動、大きな買い物、スキーなど、当該車両ユニットが採用される場合の主な目的である。人数は、利用可能なユーザの数であり、例えば、アンダーユニット2D及びアッパーユニット2Pであれば、軽自動車若しくは普通車等の規格、サイズ、又はシートが取り付けられる数等によって定められる最大乗車人数である。
【0046】
サイズは、車両ユニット自体の外形寸法の他、内部空間の寸法、又は、組み合わせられる他の車両ユニットのサイズであってもよい。例えば、アンダーユニット2Dであれば、組み合わせられるアッパーユニット2Pのサイズ及びタイヤのサイズが挙げられる。また、アッパーユニット2Pであれば、組み合わせられるアンダーユニット2Dのサイズ、車室の寸法、荷室の寸法及び荷台の寸法が挙げられる。重量は、車両ユニット自体の重量の他、積載可能な重量であってもよい。
【0047】
速度上限は、当該車両ユニットを採用した車両の最高速度である。例えば、大型トラック用のアンダーユニット2Dであれば80km/h、小型特殊用のアンダーユニット2Dであれば15km/h等である。組み合わせるアッパーユニット2Pが所定高さ以上であれば80km/h、所定高さ未満であれば100km/hなどのようにアンダーユニット2Dの速度上限を定めてもよい。
【0048】
利用日時は、当該車両ユニットが利用されている日時を示す情報である。例えば、利用日時として記憶された利用開始日時から利用終了日時までの期間(利用期間)は、当該車両ユニットが利用中のため、当該車両ユニットが提供できないことを示す。
【0049】
選択受付部312は、提示された車両ユニットに対するユーザの選択を受け付ける。料金管理部313は、選択された車両ユニットを提供する場合の料金を算出する。例えば、料金管理部313は、選択された車両ユニットの料金情報を記憶部302から読み出して、各車両ユニットの料金を積算し、車両を提供する料金を算出する。ここで、料金情報が、単位時間(例えば一時間)あたりの利用料金として記憶されている場合、料金管理部313は、料金情報に利用時間を乗じてレンタル料金を算出してもよい。また、料金管理部313は、クレジットカード会社の決済サーバ等、他の決済用の装置と通信して利用料金の決済処理を行う。
【0050】
設定値決定部314は、選択された車両ユニットのユニット情報に基づいて車両2の設定値を決定し、車両2の車載装置20へ通知(出力)することで、当該設定値に基づいた制御を行わせる。例えば、設定値決定部314は、選択された各車両ユニットの速度上限のうち、最も低い速度を車両2の速度上限の設定値として決定する。具体的には、アンダーユニット2Dの速度上限が100km/hで、アッパーユニット2Pの速度上限が80km/hの場合、80km/hを車両2の速度上限の設定値とする。また、設定値決定部314は、利用目的に重量物運送又は子供連れが含まれていた場合など、利用目的に応じて速度上限の設定値を所定値(例えば80km/h)としてもよい。更に、「H=1800mm以上の場合に速度上限を80km/hとする」のようにユニット情報に条件が含まれている場合、設定値決定部314は、この条件に従って設定値を決定してもよい。例えば、この条件がユニット情報に含まれるアンダーユニット2Dと、ユーザが選択したアッパーユニット2Pとを組み合わせた場合の車高が、1800mm以上であれば、設定値決定部314は、速度上限の設定値を80km/hとする。一方、この場合に車高が、1800mm未満であれば、設定値決定部314は、速度上限の設定値を設けない。
【0051】
また、設定値決定部314は、選択された車両ユニットの重量に基づいてサスペンションの減衰量を決定してもよい。例えば、設定値決定部314は、選択された車両ユニットの重量を積算し、総重量が重ければサスペンションの減衰量を大きくし、軽ければ減衰量を小さくする。更に、設定値決定部314は、走行経路に山道が含まれていた場合、減衰量を大きくし、含まれていない場合、減衰量を小さくしてもよい。更に、設定値決定部314は、選択された車両ユニットの重量に基づいて発進時及び停止時の加加速度を決定してもよい。例えば、設定値決定部314は、選択された車両ユニットの重量を積算し、総重量が重ければ加加速度を小さくし、総重量が軽ければ加加速度を大きくする。
【0052】
図5は、情報処理装置30が、提供する車両ユニットの提示及び料金算出に関する処理を示す図である。情報処理装置30は、ユーザから車両ユニットの利用を要求された場合に、プログラムを実行して、図5の処理を行う。例えば、ユーザは、車両ユニットを提供する業者の店舗に備えられた情報処理装置を直接操作して、車両ユニットを選択する。また、ユーザは、ユーザ端末50を操作し、インターネット等のネットワークを介して情報処理装置30に接続し、ネットワークを介して車両ユニットを選択してもよい。
【0053】
ステップS10にて、情報処理装置30は、入力フォームを表示させて、利用開始日時、利用終了日時、利用目的、乗車人数、利用開始位置、目的地、利用終了位置、積載重量等の情報の入力を促す。情報処理装置30は、例えばタッチパネルに対するユーザの入力操作等によって、これらの入力情報を取得する。
【0054】
ステップS20にて、情報処理装置30は、車両ユニットのデータベースを参照し、ステップS10で取得した利用開始日時から利用終了日時まで利用可能なアンダーユニット2Dを抽出し、情報処理装置30の表示部に表示させることで、ユーザに提示する。なお、抽出したアンダーユニット2Dをユーザ端末50の表示部に表示させることで、ユーザ
に提示してもよい。また、情報処理装置30は、アンダーユニット2Dを抽出する際、ステップS10で取得した利用目的に応じたアンダーユニット2Dのみを抽出するように絞り込んでもよい。
【0055】
ステップS30にて、情報処理装置30は、ユーザによるアンダーユニット2Dの選択を受けたか否かを判定し、選択を受けていない場合、所定周期でこの判定を繰り返すことで、アンダーユニット2Dが選択されるまで待機する。なお、所定時間選択が行われない場合や、選択の中止が指示された場合、図5の処理を終了させてもよい。
【0056】
ステップS30でアンダーユニット2Dが選択されたと判定した場合、情報処理装置30は、ステップS40へ移行し、選択されたアンダーユニット2Dと組み合わせ可能なアッパーユニット2Pをデータベースから抽出し、表示部に表示させてユーザに提示する。なお、抽出したッパーユニットをユーザ端末50の表示部に表示させることで、ユーザに提示してもよい。また、情報処理装置30は、アッパーユニット2Pを抽出する際、ステップS10で取得した利用目的に応じたアッパーユニット2Pのみを抽出するように絞り込んでもよい。
【0057】
ステップS50にて、情報処理装置30は、ユーザによるアッパーユニット2Pの選択を受けたか否かを判定し、選択を受けていない場合には、所定周期でこの判定を繰り返すことで、アッパーユニット2Pが選択されるまで待機する。なお、所定時間選択が行われない場合や、選択の中止が指示された場合、図5の処理を終了させてもよい。
【0058】
ステップS50でアッパーユニット2Pが選択されたと判定した場合、情報処理装置30は、ステップS60へ移行し、選択されたアンダーユニット2D及びアッパーユニット2Pに取り付け可能な設備をデータベースから抽出して提示する。
【0059】
ステップS70にて、情報処理装置30は、ユーザによる設備の選択を受けたか否かを判定し、選択を受けていない場合には、所定周期でこの判定を繰り返すことで、設備が選択されるまで待機する。なお、所定時間選択が行われない場合や、選択の中止が指示された場合、図5の処理を終了させてもよい。
【0060】
ステップS70で設備が選択されたと判定した場合、情報処理装置30は、選択された各車両ユニットの料金情報に利用時間を乗じて各車両ユニットのレンタル料金(利用料金)を求め、これらを積算してレンタル料金の総額を算出する(ステップS80)。
【0061】
ステップS90にて、情報処理装置30は、算出されたレンタル料金をユーザに提示すると共に、レンタル料金の決済を促す。例えば、情報処理装置30は、ユーザがクレジットカード又は電子マネーの利用を選択した場合、このクレジットカード又は電子マネーの決済サーバにアクセスし、決済処理を行う。
【0062】
ステップS100にて、情報処理装置30は、決済が完了したか否かを判定し、決済ができない場合には、図5の処理を終了させる。
【0063】
ステップS100で決済が完了した場合、情報処理装置30は、ステップS110へ移行し、選択された各車両ユニットのユニット情報に基づいて設定値を決定する。例えば、情報処理装置30は、ユニット情報の速度上限、利用目的、又は車両の重量(車両ユニットを組み合わせた場合の総重量)に基づいて設定値を決定する。
【0064】
ステップS120にて、情報処理装置30は、ユーザ端末50及び整備工場の端末40へ車両ユニットの利用手続きが完了したことと、その車両ユニット及び設備を示す情報と
、ステップS110で決定した設定値等、提供する車両ユニットに関する情報を通知する。整備工場の担当者は、この車両ユニットのリストに基づいて車両ユニットを組み合わせると共に設定値を記憶部202に記憶させ、利用開始日時までにユーザへ提供する。なお、これらの車両ユニットを組み合わせた車両2が、自動運転車であれば、情報処理装置30は、車両2の車載装置20に、利用開始日時及び利用開始地点を含む経路情報を送信することで、車両2に利用開始地点へ自律的に移動させてもよい。
【0065】
図5では、ステップS20,S40,S60でアンダーユニット2D、アッパーユニット2P及び設備を選択する例を示したが、これらを全て利用する必要はなく、各ステップS20,S40,S60で利用しないことを選択してもよい。即ち、ステップS20で利用しないことを選択し(S30、Yes)、ステップS40、S60でアッパーユニット2Pと設備を選択してもよい。この場合、例えば、ユーザが所有しているアンダーユニット2Dを整備工場へ持ち込み、アッパーユニット2Pと設備の取り付けを受ける。
【0066】
このように本実施形態によれば、ユーザによる車両ユニットの選択を受け付けて、車両ユニットのレンタル料金を算出し、このレンタル料金と引き換えに車両ユニットをレンタルするレンタルビジネスを実現できる。
【0067】
また、本実施形態の情報処理装置30は、選択された車両ユニットのユニット情報に基づいて設定値を決定するので、ユーザが任意に選択した車両ユニットの組み合わせに応じて、適切な設定値を設定できる。これにより車両2の車載装置20は、組み合わせ後の車両2の状態に応じた適切な制御を行うことができる。
【0068】
〈第二実施形態〉
第一実施形態では、ユーザが任意に車両ユニットを選択したが、本実施形態は、ユーザが所有する車両2に組み合わせることが可能な車両ユニットを抽出し、この抽出した車両ユニットから利用する車両ユニットを選択する構成である。本実施形態は、前述の第一実施形態と比べて、この車両ユニットを選択する構成が異なっており、その他の構成は、前述の第一実施形態と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして再度の説明を省略する。
【0069】
図6は、本実施形態に係る車両2の概略構成図である。図6に示すように、本実施形態の車両2を構成する車両ユニットは、ユニット情報を記録した部品タグ220を備えている。更に、部品タグ220は、車両ユニットに備えられる設備に設けられ、当該設備の情報を記録している。なお、部品タグ220は、全ての設備に設ける必要はなく、カスタマイズに影響する一部の設備に設けられていればよい。部品タグ220は、例えば、RFID(radio frequency identifier)タグ、ICカード、フラッシュメモリ、又はROMなど、ユニット情報の読み書きが可能な素子である。部品タグ220は、ユニット情報を電気信号として記憶する素子に限らず、二次元バーコードのように、ユニット情報が印刷によって記録された記録媒体であってもよい。本実施形態の部品タグ220は、パッシブ式のRFIDタグである。
【0070】
車両2の車載装置20Aは、図2の車載装置20と比べ、部品タグ220のリーダー206を更に備えている。リーダー206は、読み取り用の電波を送信し、この電波を利用して各車両ユニットの部品タグ220が送信した電波を受信し、受信した電波からユニット情報を読み取る。なお、リーダー206は、車両2に複数設けられてもよく、例えば、アンダーユニット2Dとアッパーユニット2Pにそれぞれ設けられてもよい。
【0071】
制御部201は、リーダー206を制御するユニット情報取得部21として機能する。ユニット情報取得部215は、情報処理装置30Aからユニット情報を要求された場合に
、車両2を構成している車両ユニットのユニット情報を部品タグ220から収集して情報処理装置30Aへ送信する。
【0072】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置30Aの概略構成図である。図7に示すように、本実施形態の情報処理装置30Aは、第一実施形態の情報処理装置30と比べて、ユニット情報取得部315の機能を更に有している。ユニット情報取得部315は、ユーザから車両ユニットの利用を求められた場合に、車両ユニットを組み合わせる車両2のユニット情報を車載装置20Aから取得する。
【0073】
図8は、本実施形態の情報処理装置30Aが、提供する車両ユニットの提示及び料金算出に関する処理を示す図である。情報処理装置30Aは、ユーザから車両ユニットの利用を要求された場合に、プログラムを実行して、図8の処理を行う。
【0074】
ステップS200にて、情報処理装置30Aは、ユーザが所有する車両2など、車両ユニットを組み合わせる車両(以下、ベース車両とも称す)2の車載装置20と通信し、ベース車両2を構成する車両ユニットのユニット情報を要求する。これに対し、車載装置20が、リーダー206を用いて、各車両ユニットのユニット情報を部品タグ220から読み取り、情報処理装置30Aへ送信する。
【0075】
ステップS210にて、情報処理装置30Aは、ベース車両2の車載装置20から送信されたユニット情報を取得する。
【0076】
ステップS220にて、情報処理装置30Aは、入力フォームを表示させて、利用開始日時、利用終了日時、利用目的、乗車人数、利用開始位置、目的地、利用終了位置、積載重量等の情報の入力を促す。情報処理装置30Aは、例えば、タッチパネルに対するユーザの操作等によって、これらの入力情報を取得する。
【0077】
ステップS230にて、情報処理装置30Aは、車両ユニットのデータベースを参照し、ステップS210で取得したベース車両2の車両ユニットと組み合わせ可能な車両ユニットを抽出する。ここで、情報処理装置30Aは、利用開始日時から利用終了日時まで利用可能な車両ユニット、即ち該当する日時に利用の予定がないものを抽出して、ユーザに提示する。情報処理装置30Aは、例えば、ベース車両2のアンダーユニット2Dと組み合わせ可能なアッパーユニット2Pをデータベースから抽出する。また、情報処理装置30Aは、車両ユニットを抽出する際、ステップS220で取得した利用目的に応じた車両ユニットのみを抽出するように絞り込んでもよい。例えば、利用目的がスキーの場合、情報処理装置30Aは、ベース車両2のアンダーユニット2Dと組み合わせ可能なアッパーユニット2Pであってルーフキャリアを備えたものをデータベースから抽出する。また、情報処理装置30Aは、アンダーユニット2D又はアッパーユニット2Pに取り付け可能な設備を抽出して提示してもよい。ユーザは、提示された車両ユニット及び設備のうち、利用するものを選択し、確定ボタンを押す等して選択を完了させる。
【0078】
ステップS240にて、情報処理装置30Aは、ユーザによる車両ユニットの選択が完了したか否かを判定し、選択が完了していない場合、所定周期でこの判定を繰り返すことで、車両ユニットの選択が完了するまで待機する。なお、所定時間選択が行われない場合や、選択の中止が指示された場合、図8の処理を終了させてもよい。
【0079】
ステップS240で車両ユニットの選択が完了した場合、情報処理装置30Aは、選択された各車両ユニットの料金情報に利用時間を乗じて各車両ユニットのレンタル料金を求め、これらを積算してレンタル料金の総額を算出する(ステップS250)。
【0080】
ステップS260にて、情報処理装置30Aは、算出されたレンタル料金をユーザに提示すると共に、レンタル料金の決済を促す。
【0081】
ステップS270にて、情報処理装置30Aは、決済が完了したか否かを判定し、決済ができない場合には、図8の処理を終了させる。
【0082】
ステップS270で決済が完了した場合、情報処理装置30Aは、ステップS280へ移行し、選択されたユニット情報に基づいて設定値を決定する。
【0083】
ステップS290にて、情報処理装置30Aは、ユーザ端末50及び整備工場の端末40へ車両ユニットの利用手続きが完了したことと、車両ユニット及び設備を示す情報と、ステップS280で決定した設定値等、提供する車両ユニットに関する情報を通知する。
【0084】
このように本実施形態によれば、ユーザが所有する車両2に組み合わせられる車両ユニットのうち、ユーザによって選択された車両ユニットのレンタル料金を算出し、このレンタル料金と引き換えに車両ユニットをレンタルするレンタルビジネスを実現できる。特に、本実施形態では、ベース車両2を構成する車両ユニットのユニット情報を車載装置20から取得し、この車両ユニットと組み合わせ可能な車両ユニットをユーザに提示するため、利用可能な車両ユニットを容易に選択できる。これによりユーザは、自己が所有する車両2を容易にカスタマイズでき、キャンプ又は引っ越しなど、通常と違う目的で車両2を容易に利用することができる。
【0085】
上記の実施形態で説明した制御方法は、コンピュータのプロセッサがコンピュータプログラムを読み出して実行した。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスクである。また、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0086】
1 :情報処理システム
2 :車両
2D :アンダーユニット
2P :アッパーユニット
4 :整備工場
20 :車載装置
30 :情報処理装置
40 :整備工場の端末
50 :ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8