IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダウ コーニング コーポレーションの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】1剤型硬化性シリコーン組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/07 20060101AFI20231003BHJP
   C08L 83/05 20060101ALI20231003BHJP
   C08K 5/5425 20060101ALI20231003BHJP
   C08K 5/05 20060101ALI20231003BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20231003BHJP
   C09J 183/07 20060101ALI20231003BHJP
   C09J 183/05 20060101ALI20231003BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231003BHJP
   C09D 183/07 20060101ALI20231003BHJP
   C09D 183/05 20060101ALI20231003BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20231003BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20231003BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
C08L83/07
C08L83/05
C08K5/5425
C08K5/05
C08K5/09
C09J183/07
C09J183/05
C09J11/06
C09D183/07
C09D183/05
C09D7/63
H01L23/30 R
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020524086
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 US2018061287
(87)【国際公開番号】W WO2019099676
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】62/587,226
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン、スンヒョン
【審査官】三宅 澄也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-010131(JP,A)
【文献】特表2013-520009(JP,A)
【文献】国際公開第2008/020635(WO,A1)
【文献】特表2008-528788(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154689(WO,A1)
【文献】特表2008-537967(JP,A)
【文献】特表2004-519544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 5/
C08L 83/
C09D183/
C09D 7/
C09J183/
C09J 11/
H01L 23/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1剤型硬化性シリコーン組成物であって、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、ケイ素結合水素原子の含有量が当該成分の少なくとも1質量%であり、当該成分中のケイ素結合水素原子の含有量が成分(A)中のケイ素結合アルケニル基1モル当たり0.1~10モルとなる量の、オルガノハイドロジェンポリシロキサン;
(C)前記組成物を基準とした質量単位で当該成分中に1~200ppmの白金族金属となる量の、白金族金属系ヒドロシリル化触媒;
(D)前記組成物の0.1~1質量%の量の、ヒドロシリル化反応阻害剤;及び
(E)前記組成物の0.1~5質量%の量の、アクリル及び/又はメタクリル化合物
を含み、
成分(D)が、アセチレンアルコール及び不飽和カルボン酸エステルを含み、
成分(A)が、
(A-1)1分子中に少なくとも2個のケイ素結合アルケニル基を有する直鎖オルガノポリシロキサン;及び
(A-2)モル比(R SiO 1/2 単位)/SiO 4/2 単位)が0.6~1.7のR SiO 1/2 単位とSiO 4/2 単位とからなるオルガノポリシロキサン樹脂[式中、各R は1~12個の炭素原子を有する一価炭化水素基を表すが、1分子中に少なくとも2個のR は、2~12個の炭素原子を有するアルケニル基である];
の混合物であり、
成分(A-1)の含有量が、前記成分(A-1)と(A-2)との混合物の少なくとも10質量%であり、
成分(B)は、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン-ジフェニルシロキサンコポリマー、及び分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン-ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマーからなる群から選択され、
前記不飽和カルボン酸エステルは、ジアリルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルフマレート、ジアリルフマレート、ビス(2-メトキシ-1-メチルエチル)マレエート、モノ-オクチルマレエート、モノ-イソオクチルマレエート、モノ-アリルマレエート、モノ-メチルマレエート、モノ-エチルフマレート、モノ-アリルフマレート、及び2-メトキシ-1-メチルエチルマレエートからなる群から選択される、1剤型硬化性シリコーン組成物
【請求項2】
成分(E)が、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、又はメチルメタクリレートである、請求項1に記載の1剤型硬化性シリコーン組成物。
【請求項3】
前記組成物が、電気/電子デバイス用の接着剤、封止剤、又はコーティング剤である、請求項1又は2に記載の1剤型硬化性シリコーン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月16日に出願された米国特許出願公開第62/587226号の優先権及び全ての利点を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、比較的低温で硬化して、様々な基材に対して良好な接着性を有する硬化物を形成することができる、1剤型硬化性シリコーン組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物は、耐候性及び耐熱性などの優れた特性を有する硬化物を形成し、熱によって特に速やかに硬化し、硬化時に副生成物を生成しないことから、このような組成物は、電気/電子デバイス用接着剤、封止剤、又はコーティング剤として使用される。
【0004】
このような硬化性シリコーン組成物の例としては、1分子中に少なくとも2個のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、1分子中に少なくとも2個のケイ素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化反応触媒、アリルエステル化合物、ニトリル化合物、及び接着促進剤を含む、硬化性シリコーン組成物(特許文献1参照);1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、1分子中に少なくとも2個のケイ素結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、ヒドロシリル化反応触媒、及びケイ素結合アルコキシ基を有する酸無水物を含む、硬化性シリコーン組成物(特許文献2参照);並びに、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、RSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含むオルガノポリシロキサン樹脂[式中、各Rは、独立して、脂肪族不飽和を含まないC~C10一価炭化水素基又はC~Cアルケニル基であり、RSiO1/2/SiO4/2のモル比が0.6~1.0である]、1分子中に少なくとも3個のケイ素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白金族金属系触媒を含む、硬化性シリコーン組成物(特許文献3参照)が挙げられる。
【0005】
このような硬化性シリコーン組成物は、貯蔵安定性を確保するために、ケイ素結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンとヒドロシリル化反応触媒とに分けられた2つの成分で提供される。使用のためには、2つの成分を均一に混合しなければならない。したがって、2つの成分の混合比が変化する場合又は2つの成分が適度に混合されていない場合は、本来の性能が十分に示されなくなる。
【0006】
一方、総じて、このような硬化性シリコーン組成物は、100℃以上などの高温で十分に硬化して、基材への良好な接着性を有する硬化物を形成する。そのため、硬化性シリコーン組成物は、80℃以下などの低温で十分に硬化することができず、硬化しても、硬化物は基材に十分に接着することができない。
【0007】
したがって、特許文献1~3の各々に記載された硬化性シリコーン組成物が1剤型であっても、1剤型の形態での良好な貯蔵安定性と、硬化物の様々な基材に対する良好な接着性とを両立させることは困難であった。
先行技術文献
特許文献
特許文献1:特開2009-221312(A)号公報
特許文献3:米国特許出願公開第2012/0309921(A1)号明細書
特許文献3:米国特許出願公開第2016/0053148(A1)号明細書
【発明の概要】
【0008】
技術的な問題
本発明の目的は、良好な貯蔵安定性を示し、比較的低温で硬化することによって様々な基材に対して良好な接着性を示す硬化物を形成する、1剤型硬化性シリコーン組成物を提供することである。
【0009】
問題の解決策
本発明の1剤型硬化性シリコーン組成物は、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、ケイ素結合水素原子の含有量が当該成分の少なくとも1質量%であり、当該成分中のケイ素結合水素原子の含有量が成分(A)中のケイ素結合アルケニル基1モル当たり0.1~10モルとなる量の、オルガノハイドロジェンポリシロキサン;
(C)本組成物を基準とした質量単位で当該成分中に1~200ppmの白金族金属となる量の、白金族金属系ヒドロシリル化触媒;
(D)本組成物の0.1~1質量%の量の、ヒドロシリル化反応阻害剤;及び
(E)本組成物の0.1~5質量%の量の、アクリル及び/又はメタクリル化合物
を含む。
【0010】
成分(A)は、好ましくは、
(A-1)1分子中に少なくとも2個のケイ素結合アルケニル基を有する直鎖オルガノポリシロキサン;
(A-2)モル比(R SiO1/2単位)/(SiO4/2単位)が0.6~1.7のR SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなるオルガノポリシロキサン樹脂[式中、各Rは1~12個の炭素原子を有する一価炭化水素基を表すが、1分子中に少なくとも2個のRは、2~12個の炭素原子を有するアルケニル基である];又は
成分(A-1)と(A-2)との混合物であり、
より好ましくは、成分(A-1)と(A-2)との混合物であって、成分(A-1)の含有量が、成分(A-1)と(A-2)との混合物の少なくとも10質量%である。
【0011】
成分(D)は、好ましくはアセチレンアルコール及び不飽和カルボン酸エステルを含む。
【0012】
成分(E)は、好ましくは3-メタクリルオキシプロピル(methacryoxypropyl)トリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル(methacryoxypropyl)トリエトキシシラン、又はメチルメタクリレートである。
【0013】
本発明の1剤型硬化性シリコーン組成物は、好ましくは、電気/電子デバイス用の接着剤、封止剤、又はコーティング剤である。
【0014】
発明の効果
本発明による1剤型硬化性シリコーン組成物は、良好な貯蔵安定性を示し、比較的低温で硬化することにより、様々な基材に対して良好な接着性を示す硬化物を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<1剤型硬化性シリコーン組成物>
本発明による1剤型硬化性シリコーン組成物は、上記成分(A)~(E)を含む。このような1剤型硬化性シリコーン組成物は、良好な貯蔵安定性を示し、80℃以下などの低温で硬化することにより、硬化中に接触した基材に対して良好な接着性を示す硬化物を形成することができる。それぞれの成分を以下に詳細に説明する。
【0016】
成分(A)は、1分子中に少なくとも2個のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、及びドデセニル基などの2~12個の炭素原子を有するアルケニル基が挙げられ、その中でもビニル基が好ましい。更に、成分(A)中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基などの1~12個の炭素原子を有するアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基などの6~20個の炭素原子を有するアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基などの7~20個の炭素原子を有するアラルキル基;並びに、上記基の中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子などのハロゲン原子で置換された基が挙げられる。更に、成分(A)中のケイ素原子は、本発明の目的を損なわない範囲で、メトキシ基又はエトキシ基などの少量のヒドロキシル基又はアルコキシ基を有してもよい。
【0017】
成分(A)の分子構造の例としては、直鎖状構造、一部分岐を有する直鎖状構造、分岐鎖状構造、環状構造、及び三次元網状構造が挙げられる。成分(A)は、これらの分子構造を有するオルガノポリシロキサンの1種であってもよく、又はこれらの分子構造を有する2種以上のオルガノポリシロキサンの混合物であってもよい。
【0018】
このような成分(A)は、好ましくは(A-1)直鎖状オルガノポリシロキサン;(A-2)オルガノポリシロキサン樹脂;又は成分(A-1)と(A-2)との混合物である。
【0019】
このような(A-1)成分としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンと、1つの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、別の分子鎖末端がジメチルヒドロキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンとの混合物、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンと、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンとの混合物、及びこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
【0020】
成分(A-2)は、R SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなるオルガノポリシロキサン樹脂である。式中、各Rは、1~12個の炭素原子を有する一価炭化水素基を表す。一価炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、又は同様のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、又は同様のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、又は同様のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、又は同様のアラルキル基;及び3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、又は同様のハロゲン化アルキル基によって例示される。しかしながら、1分子中に少なくとも2個のRは、アルケニル基である。成分(A-2)は、成分(A-2)を調製するために使用される反応性シランの加水分解から生じる、残留シラノール基を有する場合がある。
【0021】
成分(A-2)中のR SiO1/2単位のSiO4/2単位に対するモル比は、0.6~1.7の範囲内、好ましくは0.6~1.5の範囲内に入る。これは、モル比が上記範囲の下限以上である場合、当該成分の他の成分に対する溶解度が改善され、モル比が上記範囲の上限以下である場合、硬化物の機械的強度が改善されるという理由による。
【0022】
成分(A-1)と成分(A-2)との混合物を成分(A)として用いる場合、成分(A-1)の含有量は、得られる組成物の取扱作業性が良好であることから、好ましくは成分(A-1)と(A-2)の合計量の少なくとも10質量%又は少なくとも40質量%である。また、成分(A-1)の含有量は、硬化物の機械的特性が良好であることから、好ましくは、成分(A-1)と(A-2)の合計量の多くとも90質量%である。
【0023】
成分(B)は、1分子中に少なくとも2個のケイ素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、ケイ素結合水素原子の含有量は当該成分の少なくとも1質量%である。これは、ケイ素結合水素原子の含有量が上記範囲の下限以上である場合、本組成物の硬化性が改善されるという理由による。成分(B)中の水素基以外のケイ素原子に結合する基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基などの1~12個の炭素原子を有するアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基などの6~20個の炭素原子を有するアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基などの7~20個の炭素原子を有するアラルキル基;並びに、上記基の中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子などのハロゲン原子で置換された基が挙げられる。更に、成分(B)中のケイ素原子は、本発明の目的を損なわない範囲で、メトキシ基又はエトキシ基などの少量のヒドロキシル基又はアルコキシ基を有してもよい。
【0024】
成分(B)の分子構造の例としては、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、及び三次元網状構造が挙げられ、分子構造は、好ましくは一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、又は三次元網状構造である。
【0025】
このような(B)成分の例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン-ジフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン-ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなるコポリマー、(CHHSiO1/2単位と、SiO4/2単位と、(C)SiO3/2単位とからなるコポリマー、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0026】
成分(B)の含有量は、当該成分中のケイ素結合水素原子の含有量が、成分(A)中のケイ素結合アルケニル基1モルに対して0.1~10モル、好ましくは0.5~5モルとなる量である。これは、成分(B)の含有量が上記範囲の上限以下である場合、硬化物の機械的強度が良好であるのに対し、成分(B)の含有量が上記範囲の下限以上である場合、組成物の透明性が良好であるという理由による。
【0027】
成分(C)は、本組成物の硬化を促進するために使用される白金族金属系ヒドロシリル化触媒である。成分(C)の例としては、白金族元素触媒及び白金族元素化合物触媒が挙げられ、具体例としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒、及びこれらの少なくとも2種の組み合わせが挙げられる。特に、本組成物の硬化を劇的に促進できる点で、白金系触媒が好ましい。これらの白金系触媒の例としては、白金微粉末;白金黒;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸;塩化白金酸/ジオレフィン錯体;白金/オレフィン錯体;白金ビス(アセトアセテート)及び白金ビス(アセチルアセトネート)などの白金/カルボニル錯体;塩化白金酸/ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、及び塩化白金酸/テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン錯体などの塩化白金酸/アルケニルシロキサン錯体;白金/ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、及び白金/テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン錯体などの白金/アルケニルシロキサン錯体;塩化白金酸とアセチレンアルコールとの錯体;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。特に、白金-アルケニルシロキサン錯体は、本組成物の硬化を促進できる点で好ましい。
【0028】
白金-アルケニルシロキサン錯体に使用されるアルケニルシロキサンの例としては、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、アルケニルシロキサンのメチル基の一部がエチル基、フェニル基などによって置換されたアルケニルシロキサンオリゴマー、及びアルケニルシロキサンのビニル基がアリル基、ヘキセニル基などによって置換されたアルケニルシロキサンオリゴマーが挙げられる。特に、生成される白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性が良好であるという点で、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが好ましい。
【0029】
白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性を改善するために、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジアリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジビニル-1,3-ジメチル-1,3-ジフェニルジシロキサン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラフェニルジシロキサン、又は1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサンなどのアルケニルシロキサンオリゴマー、又はジメチルシロキサンオリゴマーなどのオルガノシロキサンオリゴマーに、これらの白金-アルケニルシロキサン錯体を溶解させることが好ましく、当該錯体をアルケニルシロキサンオリゴマーに溶解することが特に好ましい。
【0030】
成分(C)の含有量は、本組成物を基準とした質量単位で当該成分中に1~200ppmの白金族金属となる量である。具体的には、含有量は、好ましくは成分(C)中の白金族金属の含有量が、本組成物を基準とした質量単位で0.01~150ppmの範囲、0.01~100ppmの範囲、又は0.1~100ppmの範囲内となる量である。これは、成分(C)の含有量が上記範囲の下限以上である場合、組成物の硬化性が良好であるのに対し、成分(C)の含有量が上記範囲の上限以下である場合、硬化物の着色が抑制されるという理由による。
【0031】
成分(D)は、周囲温度における使用可能時間を延長し、貯蔵安定性を改善するためのヒドロシリル化反応阻害剤である。成分(D)の例としては、1-エチニル-シクロヘキサン-1-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、2-フェニル-3-ブチン-2-オール、2-エチニル-イソプロピル-2-オール、2-エチニル-ブタン-2-オール、及び3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オールなどのアセチレンアルコール;トリメチル(3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オキシ)シラン、ジメチル-ビス-(3-メチル-1-ブチン-オキシ)シラン、メチルビニルビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)シラン、及び((1,1-ジメチル-2-プロピニル)オキシ)トリメチルシランなどのシリル化アセチレンアルコール;ジアリルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルフマレート、ジアリルフマレート、及びビス(2-メトキシ-1-メチルエチル)マレエート、モノ-オクチルマレエート、モノ-イソオクチルマレエート、モノ-アリルマレエート、モノ-メチルマレエート、モノ-エチルフマレート、モノ-アリルフマレート、及び2-メトキシ-1-メチルエチルマレエートなどの不飽和カルボン酸エステル;2-イソブチル-1-ブテン-3-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン、3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3-メチル-3-ヘキセン-1-イン、1-エチニルシクロヘキセン、3-エチル-3-ブテン-1-イン、及び3-フェニル-3-ブテン-1-インなどのエン-イン化合物;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。特に、硬化物が表面しわを発生するのを防止するために、アセチレンアルコールと不飽和カルボン酸エステルとの混合物が好ましい。
【0032】
成分(D)の含有量は、本組成物を基準とした質量単位で当該成分中に0.1~1000ppmの量である。具体的には、含有量は、好ましくは、本組成物を基準とした質量単位で本組成物中に1~1000ppmの量、又は10~500ppmの量である。これは、成分(D)の含有量が上記範囲の下限以上である場合、本組成物の貯蔵安定性が良好であるのに対し、成分(D)の含有量が上記範囲の上限以下である場合、低温における本組成物の硬化性が良好であるという理由による。
【0033】
成分(E)は、低温での硬化中に組成物が接触する様々な基材に対する接着性を改善するための、アクリル及び/又はメタクリル化合物である。このような成分(E)の例としては、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアクリル基及び/又はメタクリル基を含有するシラン化合物;及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル及び/又はメタクリルモノマーが挙げられる。特に、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びメチルメタクリレートが、様々な加工プラスチックへの接着性が良好である点で好ましい。
【0034】
成分(E)の含有量は、本組成物の0.1~5質量%の量であり、好ましくは、本組成物の0.1~3質量%の範囲、又は0.5~3質量%の範囲である。これは、成分(E)の含有量が上記範囲の下限以上である場合、硬化物の接着が良好であるのに対し、成分(E)の含有量が上記範囲の上限以下である場合、低温における本組成物の硬化性が良好であるという理由による。
【0035】
典型的な添加剤としては、硬化物の物理的特性を向上させるための充填剤、顔料、染料、難燃剤、熱安定剤及び/又は紫外線安定剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0036】
本発明の1剤型硬化性シリコーン組成物は、全ての成分を周囲温度で組み合わせることによって調製することができる。先行技術に記載されている、混合技術及び装置のいずれかをこの目的に用いることができる。使用する具体的な装置は、成分及び最終的な硬化性組成物の粘度によって決まることとなる。混合中に成分を冷却することが、早期硬化を避けるために望ましい場合がある。
【0037】
本発明の1剤型硬化性シリコーン組成物は、加熱に敏感な電気/電子デバイス用の接着剤、封止剤、又はコーティング剤として特に有用である。
【実施例
【0038】
ここで、本発明の1剤型硬化性シリコーン組成物を、実施例及び比較例を用いて説明する。式中、Me及びViは、それぞれメチル基及びビニル基を表す。粘度は25℃で得られた値であることに注意する。1剤型硬化性シリコーン組成物の特性は以下のように評価される。
【0039】
<粘度>
粘度は、ブルックフィールドsynchro-lectric粘度計又はWells-Brookfield 52コーン/プレート型粘度計などの回転粘度計を用いて測定される。測定される実質的に全ての材料は本質的に非ニュートン性であるため、異なるスピンドル(コーン)又は速度を用いて得られた結果の間に相関性は予想されないはずである。結果は一般にセンチポアズで記録する。粘度は、0.5及び5.0rpmで2分間測定した。この方法は、コーン/プレートに関するASTM D 4287に基づく。
【0040】
<硬化条件>
低温硬化性シリコーン接着剤の硬化条件は、基本的に、オーブン内で80℃を1時間使用することによって適用される。
【0041】
<DSC Tc>
示差走査熱量測定(DSC)は、加熱、冷却、又は等温モードで物理的及び化学的変化を受ける材料の熱挙動を研究するための技術である。結果は、分析者が特徴を識別した注釈付きサーモグラムの形態で報告される。DSC装置では、転移に伴う熱流又はエンタルピー変化の量を、容認された異なる供給源による校正を介して測定することができる。
【0042】
<硬化物の硬度>
80℃の低温硬化性シリコーン組成物をオーブン内で1時間硬化させることにより、厚さ6mmの硬化物を得た。次いで、硬化物の硬度を、ASTM D 2240「Standard Test Method for Rubber Property-Durometer Hardness」に従って、ショアA硬度を用いて測定した。
【0043】
<MDR>
加硫エラストマー材料のレオロジー特性及び硬化特性は、Monsanto可動ダイレオメータを使用して決定される。小さい弧を経て下ダイを振動させるのに必要なトルクが測定される。変位トルクs’はエラストマーの加硫に伴って増加し、予め設定されたコンピュータ処理条件を用いて、ポンド・インチ対時間として自動的にプロット及び/又は計算される。曲線は、硬化及び未硬化エラストマーの試験温度及び特性、可塑度、スコーチ時間、ジュロ硬度、硬化速度及び弾性率の関数である。当該装置は、未変位のトルクs”(損失弾性率)を測定し、タンデルタ(s”/s’の比)を計算することも可能である。MDR測定の温度設定を80℃で1時間適用し、硬化曲線の観察結果を時間により確認した。この方法は、ASTM D 5289-92に基づく。
【0044】
<可使時間>
可使時間は、触媒後に系の粘度が2倍になるために必要な時間として記載される。これは、通常の使用可能な作業時間とみなされる。試験は、粘度測定が行われ得る室温で硬化する任意の材料に計画される。最小時間が指定されている場合には、「合格/不合格」の結果を報告できる。硬化速度は、指定された粘度に達するのに必要な時間として記載される。可使時間指数は、最終的な特定された粘度を、当初粘度で除算することによって報告され得る。他の報告モードが指定されてもよい。可使時間測定には、ブルックフィールド粘度計を52コーンプレートと共に使用した。この手順は、ASTM D 1824に基づく。
【0045】
<表面しわ>
表面しわは、硬化した接着剤サンプル上の目に見えるしわで検査され、低温硬化性シリコーン接着剤の硬化条件は、基本的に、オーブン内で80℃を1時間使用することによって適用される。
【0046】
<重ね剪断強度>
プライマー、接着剤及び/又はシーラントの接着特性は、剪断によって二重積層体を分離するために必要な引張量を測定することによって決定される。結果は、別段の指定がない限り、ポンド毎平方インチで報告される。接着剤又は凝集破壊の量は、基材の露出表面の試験によって推定される。この手順は、ASTM D 816に基づく。重ね剪断試験片はAlプレートを使用して調製し、サンプルは80℃のオーブン内で1時間硬化させる。
【0047】
<接着破壊モード-凝集破壊>
未硬化又は低強度材料の基材への接着は、2つの基材に材料を挟んだサンドイッチを作製し、基材を手で引き離し、凝集破壊の領域を目視で推定することによって決定される。3つの構成を使用してサンドイッチを作製してもよい。3つの別々のサンドイッチの平均を、5%刻みで最も近い値で報告する。標準基材が指定されてもよい。100%凝集破壊(C.F.)は、材料の良好な接着を示す。凝集破壊率を推定し、報告してもよい。
【0048】
<実施例1~11及び比較例1>
表1~3に示す組成(質量部)に従って以下の成分を均一に混合し、実施例1~11及び比較例1の1剤型硬化性シリコーン組成物を調製した。式中、Viはビニル基を示し、Meはメチル基を示す。更に、表1~3において、「SiH/Vi」は、1剤型硬化性シリコーン組成物の成分(A)中の総ビニル基1モル当たりの、成分(B)中のケイ素結合水素原子の総モルを表す。
【0049】
以下の成分を、成分(A)として使用した。
成分(a-1):0.56質量のビニル基含有量を有する混合物で、40,000mPa・sの粘度及び0.09質量%のビニル基含有量を有する分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン74質量と、1.89質量%のビニル基含有量を有し、平均単位式:
(A)(MeViSiO1/20.05(MeSiO1/20.47(SiO4/20.48によって表されるオルガノポリシロキサン樹脂26質量%と、からなる混合物。
成分(a-2):10,000mPa・sの粘度及び0.14質量%のビニル基含有量を有する分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。
成分(a-3):2,000mPa・sの粘度及び0.23質量%のビニル基含有量を有する分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。
【0050】
以下の成分を、成分(B)として使用した。
成分(b-1):20mPa・sの粘度及び1.56質量%のケイ素結合水素原子含有量を有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン。
【0051】
以下の成分を、成分(C)として使用した。
成分(c-1):1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの白金錯体の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン溶液(白金金属含有量は約8,800ppm)。
【0052】
以下の成分を、成分(D)として使用した。
成分(d-1):1-エチニルシクロヘキサン-1-オール
成分(d-2):ビス(2-メトキシ-1-メチルエチル)マレエート
【0053】
以下の成分を、成分(E)として使用した。
成分(e-1):3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
成分(e-2):メチルメタクリレート
成分(e-3):ヒドロキシプロピルアクリレート
成分(e-4):2-ヒドロキシエチルメタクリレート
成分(e-5):グリシジルメタクリレート
成分(e-6):3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
以下の成分を、任意成分として使用した。
【0054】
成分(f-1):カーボンブラック粉末(このカーボンブラック粉末は、このカーボンブラック粉末50質量%と上記成分(a-3)50質量%とからなるマスターバッチとして添加した。)
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
<実施例13>
実施例8で調製した1剤型硬化性シリコーン組成物を、表4に示す基材上で80℃で30分間の加熱により硬化させ、接着性を以下のように評価した。
【0059】
<接着特性>
プルオフ接着試験は、交互接着試験方法のうちの1つであり得る。試験方法は、以下のように説明される。プルオフ接着試験の手順は以下のとおりである。まず、用意したテフロン製ジグを金属基材上に置き、第2に、ポッティング接着材料を直径6mmのテフロン穴に充填し、次いで接着材料を80℃のオーブン内で1時間硬化した。第3に、テフロン製ジグを基材から取り除いた後、手動測定によるプルオフ試験を実施した。基材(ガラス、Al、EMC、PCB、PET)上への凝集破壊が完全に観察されたか否で接着性能の度合いを判定した。
【0060】
【表4】
【0061】
産業上の利用可能性
本発明の1剤型硬化性シリコーン組成物は、卓越した貯蔵安定性を有し、使用前に混合を必要とせず、比較的低温で硬化して、硬化中に接触した様々な基材に対して良好な接着性を示す硬化物を形成する。その結果、電気/電子デバイス用の接着剤、コーティング剤、又は封止剤として理想的である。
【0062】
本発明の多くの修正及び他の実施形態は、本発明が関係する当業者にとって想起されることになり、前述の説明で提示される教示の利点を有する。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。