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特許7359765微小気泡強化超音波手技における治療剤の送達の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】微小気泡強化超音波手技における治療剤の送達の制御
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20231003BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61B17/00 700
A61M5/14
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2020531574
(86)(22)【出願日】2018-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 IB2018001537
(87)【国際公開番号】W WO2019116095
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】62/597,073
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/597,076
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/597,071
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508154863
【氏名又は名称】インサイテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ザディカリオ, エーヤル
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ, ヨアフ
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0243737(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0201900(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0175305(US,A1)
【文献】特表2016-509506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0249469(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0269668(US,A1)
【文献】特開2012-213475(JP,A)
【文献】国際公開第2017/125753(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/172708(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムであって、前記システムは、
微小気泡を保管するための第1の保管容器を備える投与デバイスと、
コントローラであって、
(a)前記標的組織を治療するための前記微小気泡の所望の特性を受信することと、
(b)前記微小気泡を前記投与デバイスから分注させることと、
(c)前記分注された微小気泡の特性を前記所望の特性と比較し、前記分注された微小気泡の特性と前記所望の特性との間の合致を検証することと
を行うように構成される、コントローラと
を備え、
前記第1の保管容器は、複数のチャネルに接続され、前記複数のチャネルのそれぞれは、前記分注された微小気泡の特性を変化させるための操作手段を有し、
前記操作手段が、音響場を前記微小気泡に印加することを含むことにより、前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける前記操作手段による前記分注された微小気泡の特性の変化の結果が、前記複数のチャネルのうちの別のチャネルにおける前記操作手段による前記分注された微小気泡の特性の変化の結果と異なるようになっている、システム。
【請求項2】
前記コントローラはさらに、前記合致の検証に応じて、前記分注された微小気泡を前記標的組織に導入させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラはさらに、前記所望の特性からの前記分注された微小気泡の特性の間の臨床的に有意な逸脱を検出することに応じて、予防アクションを引き起こすように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記分注された微小気泡の特性を測定するための測定システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記測定システムは、音響システムを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記音響システムは、前記分注された微小気泡の特性を測定するために前記微小気泡に複数の周波数を印加するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記音響システムは、前記微小気泡からの減衰、散乱、後方散乱、高調波発生、または副高調波発生のうちの少なくとも1つを測定するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記測定システムは、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、またはフローサイトメトリのうちの少なくとも1つの測定を実施するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定システムは、前記微小気泡の投与速度を測定するための少なくとも1つのセンサを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
超音波を前記微小気泡に伝送するための超音波トランスデューサをさらに備え、前記測定システムは、前記超音波に対する前記微小気泡の応答を監視するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラはさらに、少なくとも部分的に、前記微小気泡の前記監視された応答に基づいて、超音波パラメータまたは前記分注された微小気泡の特性のうちの少なくとも1つを調節するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記超音波パラメータは、前記超音波トランスデューサを駆動する信号の周波数、位相、または振幅のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
超音波トランスデューサをさらに備え、前記投与デバイスはさらに、治療剤を保管するための第2の保管容器を備え、前記コントローラはさらに、
前記超音波トランスデューサに、治療超音波を前記標的組織に伝送させ、前記標的組織の中に音響場を発生させることと、
前記投与デバイスに、前記標的組織内に最適な治療効果を生成するように、前記治療剤を投与させることと
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
治療手技の条件を示す信号を検出するための測定システムをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記治療手技の条件は、前記標的組織の条件、前記治療剤の条件、または前記微小気泡の条件のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記微小気泡の条件は、前記微小気泡のキャビテーション状態である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記標的組織の条件は、前記標的組織の温度、サイズ、形状、または場所のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記測定システムは、イメージャまたは音響信号検出器のうちの少なくとも1つを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラはさらに、少なくとも部分的に、前記検出された信号に基づいて、前記投与される微小気泡または前記投与される治療剤のうちの少なくとも1つの特性を調節するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記特性は、前記投与される微小気泡および/または治療剤の作用物質タイプ、サイズ、濃度、投与速度、投与量、投与パターン、投与時間、または投与圧力のうちの少なくとも1つである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記コントローラはさらに、前記投与される微小気泡の存在下で、前記超音波トランスデューサに超音波を前記標的組織に伝送させるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記投与デバイスはさらに、造影剤を保管するための第3の保管容器を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記投与デバイスはさらに、
作動機構と、
前記微小気泡、治療剤、または造影剤のうちの少なくとも1つを前記標的組織に送達するための導入デバイスと、
前記第1の保管容器からの前記微小気泡、前記第3の保管容器からの造影剤、または前記第2の保管容器からの治療剤のうちの少なくとも1つを前記導入デバイスに送達するための少なくとも1つのチャネルと
を備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記治療剤は、ブスルファン、チオテパ、CCNU(ロムスチン)、BCNU(カルムスチン)、ACNU(ニムスチン)、テモゾロミド、メトトレキサート、トポテカン、シスプラチン、エトポシド、イリノテカン/SN-38、カルボプラチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、フォテムスチン、イホスファミド/4-ヒドロキシイホスファミド/アルドイホスファミド、ベバシズマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、ドセタキセル、またはシタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)/ara-Uのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラはさらに、所望のサイズ範囲外のサイズを有する前記微小気泡を破壊するように、前記音響場の周波数帯域を調整するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項26】
複数の保管容器をさらに備え、前記複数の保管容器のそれぞれは、異なるサイズ特性を有する微小気泡を含有し、前記コントローラは、
前記微小気泡の前記所望の特性に対応する微小気泡を有する前記保管容器のうちの1つを選択することと、
前記選択された保管容器のみから前記微小気泡を投与させることと
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
ある放射線量を前記標的組織に伝送するための放射線デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記コントローラはさらに、少なくとも部分的に、所定の投与プロファイルに基づいて、前記投与デバイスから前記微小気泡を分注するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記投与プロファイルは、少なくとも部分的に、前記分注された微小気泡の特性に基づいて決定される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記分注された微小気泡の特性は、直径、サイズ分布、シェル組成、ガス組成、または液体コア組成のうちの少なくとも1つを含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記投与プロファイルは、前記微小気泡の用量、濃度、投与速度、投与タイミング、または投与圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
少なくとも部分的に、前記所望の特性に基づいて、前記微小気泡を調製するための調製デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記コントローラはさらに、前記標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、前記標的組織の特性に基づいて、前記微小気泡の前記所望の特性を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記調製デバイスは、前記微小気泡を所定の温度まで加熱するための加熱器を含む、請求項32に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第62/597,071号、第62/597,076号、および第62/597,073号(全て2017年12月11日に出願された)の利益および優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、微小気泡強化超音波手技に関し、より具体的には、手技効率を増加させるために、手技に先立って、および/またはその間に、微小気泡特性(例えば、作用物質タイプ、サイズ、濃度、用量、投与速度、圧力、またはタイミング、および/または注入部位の場所)および治療剤の送達を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
集束超音波(すなわち、約20キロヘルツを上回る周波数を有する音響波)が、患者内の内部身体組織を撮像する、または療法的に治療するために使用されることができる。例えば、超音波撮像システムは、超音波を身体組織に伝送し、それから反射されるエコーを検出および分析することによって、身体組織の画像を生成する。加えて、超音波は、腫瘍のアブレーション、標的化薬物送達、血液脳関門(BBB)の途絶、凝血塊の溶解、および他の外科手術手技を伴う用途において使用され得る。撮像および/または腫瘍アブレーションの間、圧電セラミックトランスデューサが、患者の外部であるが、撮像および/またはアブレーションされるべき組織(すなわち、標的領域)に近接近して設置される。トランスデューサは、電子駆動信号を機械的振動に変換し、音響波の放出をもたらす。トランスデューサは、それらが放出する超音波エネルギーが、標的領域に対応する(またはその中の)「集束帯」において集束ビームを集合的に形成するように、幾何学的に成形され、他のそのようなトランスデューサとともに位置付けられ得る。代替として、または加えて、単一のトランスデューサが、その位相がそれぞれ独立して制御され得る、複数の個々に駆動されるトランスデューサ要素から形成され得る。そのような「位相アレイ」トランスデューサは、トランスデューサの間の相対的位相を調節することによって、集束帯を異なる場所に操向することを促進する。本明細書に使用されるように、用語「要素」は、アレイにおける個々のトランスデューサまたは単一のトランスデューサの独立して駆動可能な部分のいずれかを意味する。磁気共鳴撮像(MRI)が、患者および標的を可視化し、それによって、超音波ビームを誘導するために使用され得る。MRIはまた、治療効果からもたらされる標的の変化についての情報を提供し、したがって、療法を制御するためのフィードバック機構を支援し得る。
【0004】
集束超音波手技の間、小さい気泡/液泡(または「微小気泡」)が、標的領域の中に発生および/または導入され得る。印加される音響場の振幅および周波数に応じて、微小気泡は、発振または圧潰し(本機構は、「キャビテーション」と呼ばれる)、それによって、標的領域および/またはその周辺領域内に種々の熱的効果を引き起こし得る。例えば、微小気泡のキャビテーションは、超音波焦点領域におけるエネルギー吸収を強化し得、したがって、その中の組織は、微小気泡の不在下で起こるであろうものよりも速く加熱され、より効率的にアブレーションされ得る。本効果および超音波に対する微小気泡の応答は、本明細書では「微小気泡応答」と称される。中枢神経系において利用される場合、微小気泡キャビテーションは、血管の途絶を引き起こし、それによって、標的化薬物送達を強化するためのBBBの「開放」を誘発し得る。さらに、微小気泡は、コントラスト強化超音波撮像、薬物および遺伝子送達、および/または代謝ガス送達のために採用され得る。
【0005】
超音波の印加に対する微小気泡応答の機構は、微小気泡の共振性質を伴い、すなわち、微小気泡は、印加される音響場に応答して、共振周波数において発振し得る。微小気泡共振周波数は、概して、微小気泡のサイズ、シェル組成、ガスコア組成、およびそれらが存在する周囲媒体の性質(例えば、作用物質の粘度、血管のサイズ等)に依存する。故に、超音波に対する微小気泡応答を制御することに対する1つのアプローチは、微小気泡のサイズを制御することである。種々のサイズ分布、シェル組成、およびガスコア組成を伴う微小気泡調製物が、商業的に入手可能である。故に、超音波手技のために最適な微小気泡サイズが決定されると、これらの調製物のうちの1つが、選択され、患者に投与され得る。しかしながら、微小気泡サイズ分布は、不安定であり得、すなわち、これは、時間とともに変化し得、その結果、印加される超音波に対する微小気泡応答は、予期されるものと異なり、それによって、標的組織に対する臨床効果を低減させ得る。加えて、微小気泡サイズ分布が、安定したままである場合であっても、標的組織および/または非標的組織の条件(例えば、サイズまたは温度)は、超音波手技の間に変化し、同様に、微小気泡の臨床効果を減じ、潜在的に、非標的組織への損傷をもたらし得る。
【0006】
故に、手技の性能を最適化し(例えば、標的領域に対する治療効果を最適化し)、非標的領域への損傷を回避するように、微小気泡のタイプ、サイズ、濃度、および投与を確実に制御する改良された微小気泡強化超音波手技の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、超音波手技の間に患者の身体の中に微小気泡を導入するために超音波システムおよび投与システムを採用する、微小気泡強化超音波手技に関する。超音波手技は、標的領域および/または非標的領域(例えば、標的領域を囲繞する領域および/または標的領域と超音波システムとの間に位置する介在領域)を撮像するステップまたは標的領域を治療する(例えば、BBBを開放する、および/または標的腫瘍をアブレーションする)ステップを伴ってもよい。参照を容易にするために、以下の説明は、超音波治療手技のみを指すが、しかしながら、同一のアプローチは、概して、超音波撮像手技にも同様に適用されることを理解されたい。
【0008】
種々の実施形態では、治療に先立って、および/またはその間、治療効果を強化するための最適な微小気泡サイズが、標的および/または非標的領域の特性に基づいて決定される。本明細書に使用されるように、用語「最適」および「最適化する」は、概して、標的領域を撮像および/または治療するために利用される技術の限界内で実際に認識可能な最良の微小気泡サイズ、シェル組成、ガスコア組成、および/またはサイズ分布を決定および選択することを伴う。用語「微小気泡サイズ」は、微小気泡の分布(例えば、正規分布)における平均(または中央値または最頻値)微小気泡半径、最大微小気泡半径、規定された平均の周囲の正規サイズ分布、または微小気泡の他のサイズ特性を意味する。
【0009】
決定された最適なサイズを有する微小気泡は、当業者に公知の任意の好適なアプローチを使用して製造されてもよい、または代替として、それらは、既製品として入手されてもよい。一実施形態では、投与されるべき微小気泡のサイズは、投与に先立って任意の好適な技法(例えば、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、超音波、またはフローサイトメトリ)を使用して検証される。測定されたサイズが、最適なサイズと(例えば、2倍、またはいくつかの実施形態では、10倍)臨床的に有意に異なる場合、予防アクションが、とられてもよい。例えば、本システムは、ユーザへの警告信号を発生させてもよい。加えて、または代替として、微小気泡は、所望のサイズを有する微小気泡を単離するために、遠心分離される、または別様に分画されてもよい。代替として、特に、最適な最大微小気泡半径の場合、微小気泡は、決定されたサイズに対応する細孔サイズを有するフィルタを通して濾過されてもよい。単離/濾過された微小気泡は、次いで、そのサイズが最適な値に合致することを確実にするために、再び検証されてもよく、続けて、検証された微小気泡は、超音波治療を強化するために、患者に投与されてもよい。故に、本アプローチは、実質的に(例えば、>50%、90%、95%、または99%)所望の特性を有する微小気泡のみが患者に投与されることを可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、微小気泡の投与プロファイル(例えば、用量、濃度、速度、タイミング、または圧力)が、治療に先立って、その特性(例えば、直径、サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成)に基づいて決定される。超音波手技の間、標的および/または非標的領域の治療効果(組織透過性強化、組織途絶、またはアブレーション等)は、例えば、イメージャ、造影剤(例えば、ガドリニウムベースの造影剤)、および/または標的および/または非標的領域からの音響信号を使用して監視および/または評価されてもよい。監視される治療効果に基づいて、微小気泡の投与プロファイルおよび/または超音波パラメータ(例えば、周波数、振幅、位相、またはアクティブ化時間)が、治療を最適化する、または所望の標的効果を達成するためにリアルタイムで調節されてもよい。
【0011】
種々の実施形態では、超音波治療手技は、他の療法的方法と組み合わせて実施される。例えば、標的組織に対する所望の標的効果が達成された後、治療剤が、標的化薬物送達のために導入されてもよい。代替として、放射線デバイスが、超音波手技と併せて療法的に使用されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、投与システムは、それぞれ、微小気泡、MRI造影剤、および治療剤を有する3つの容器に流体的に結合される、3つの独立したチャネルを含む。3つのチャネルはまた、微小気泡、造影剤、および/または治療剤をそれらの対応するチャネルから患者の身体の中に投与するための導入デバイス(例えば、カテーテルまたは針)に流体的に結合される。いくつかの実施形態では、投与システムは、流体を容器から患者に分注するための作動機構(例えば、シリンジ、蠕動ポンプ等)を含む。作動機構の動作は、コントローラによって制御されてもよい。加えて、コントローラは、治療効果を最適化する、および/またはサイズ基準(例えば、決定された最適な微小気泡サイズ)に一致しない微小気泡を破壊するために、トランスデューサのアクティブ化および非アクティブ化を引き起こすように超音波コントローラと通信してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、投与システムは、微小気泡容器に結合される、複数の流体チャネルを含み、各チャネルは、異なる細孔サイズを有するフィルタを含んでもよい。治療の間、標的および/または非標的領域の条件(例えば、サイズ、場所、形状、または温度)および/または音響エネルギー送達に対する所望の効果に基づいて、治療目標を達成する(例えば、標的領域における温度を最大限にし、非標的組織への損傷を最小限にする)ための最適な微小気泡サイズが、決定され、動的に更新されることができる。最適なサイズが、一連の手技にわたって変化する場合、新しい最適なサイズに対応するチャネルが、アクティブ化されることができ、すなわち、微小気泡が、患者への投与のためにそれを通して押進される。このように、投与される微小気泡のサイズは、リアルタイムに制御されることができる。加えて、制御または投与システムは、標的/非標的領域の条件および/または微小気泡応答に基づいて、治療の間にリアルタイムで微小気泡の投与プロファイル(例えば、濃度、投与量、速度、タイミング、または圧力)を調節してもよい。
【0014】
種々の実施形態では、微小気泡チャネルはそれぞれ、それぞれ、異なるサイズの微小気泡を有する複数の微小気泡バイアル/容器のうちの1つに結合される。超音波手技の間、標的および/または非標的領域の条件および/または超音波に対する微小気泡の応答に基づいて、更新された最適なサイズに対応するチャネルは、患者の身体の中に微小気泡を導入するための微小気泡投与デバイス(例えば、カテーテルまたは針)に接続される。再び、投与システムは、治療効果を最適化する、および/または非標的組織への望ましくない損傷を最小限にするように、標的/非標的条件および/または微小気泡応答のリアルタイムフィードバックに基づいて、チャネル内および/または導入デバイス内の微小気泡、造影剤、および/または治療剤の投与プロファイルを調節してもよい。
【0015】
故に、一側面では、本発明は、標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムに関する。種々の実施形態では、本システムは、微小気泡を保管するための第1の保管容器を有する、投与デバイスと、標的組織を治療するための微小気泡の所望の特性を受信し、微小気泡を投与デバイスから分注させ、分注された微小気泡の特性を所望の特性と比較し、それらの間の合致を検証するように構成される、コントローラとを含む。一実装では、コントローラはさらに、合致の検証に応じて、分注された微小気泡を標的組織に導入させるように構成される。加えて、または代替として、コントローラはさらに、所望の特性からの分注された微小気泡の特性の間の臨床的に有意な逸脱を検出することに応じて、予防アクションを引き起こすように構成されてもよい。
【0016】
本システムはさらに、分注された微小気泡の特性を測定するための測定システムを含んでもよい。一実施形態では、測定システムは、音響システムを含む。音響システムは、その特性を測定するために微小気泡に複数の周波数を印加するように構成される。加えて、音響システムはさらに、微小気泡からの減衰、散乱、後方散乱、高調波発生、および/または副高調波発生を測定するように構成されてもよい。別の実施形態では、測定システムは、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、および/またはフローサイトメトリの測定を実施するように構成される。加えて、または代替として、測定システムは、微小気泡の投与速度を測定するための1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0017】
種々の実施形態では、本システムはさらに、超音波を微小気泡に伝送するための超音波トランスデューサを含む。測定システムは、次いで、超音波に対する微小気泡の応答を監視するように構成されてもよい。一実施形態では、コントローラはさらに、少なくとも部分的に、その監視された応答に基づいて、超音波パラメータ(例えば、周波数、位相、および/または振幅)および/または分注される微小気泡の特性を調節するように構成される。いくつかの実施形態では、投与デバイスはさらに、治療剤を保管するための第2の保管容器を含む。治療剤は、ブスルファン、チオテパ、CCNU(ロムスチン)、BCNU(カルムスチン)、ACNU(ニムスチン)、テモゾロミド、メトトレキサート、トポテカン、シスプラチン、エトポシド、イリノテカン/SN-38、カルボプラチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、フォテムスチン、イホスファミド/4-ヒドロキシイホスファミド/アルドイホスファミド、ベバシズマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、ドセタキセル、および/またはシタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)/ara-Uを含んでもよい。コントローラはさらに、超音波トランスデューサに、治療超音波を標的組織に伝送させ、その中に音響場を発生させ、標的組織内に最適な治療効果を生成するように、治療剤の投与を引き起こすように構成される。加えて、本システムはさらに、治療手技の条件を示す信号を検出するための測定システム(例えば、イメージャおよび/または音響信号検出器)を含んでもよい。治療手技の条件は、標的組織の条件(例えば、温度、サイズ、形状、および/または場所)、治療剤の条件、および/または微小気泡の条件(例えば、キャビテーション状態)を含んでもよい。
【0018】
コントローラはさらに、少なくとも部分的に、検出された信号に基づいて、投与される微小気泡および/または投与される治療剤の特性(例えば、作用物質タイプ、サイズ、濃度、投与速度、投与量、投与パターン、投与時間、および/または投与圧力)を調節するように構成されてもよい。加えて、コントローラはさらに、投与される微小気泡の存在下で、超音波トランスデューサに超音波を標的組織に伝送させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、投与デバイスはさらに、造影剤を保管するための第3の保管容器を含む。加えて、投与デバイスはさらに、作動機構と、微小気泡、治療剤、および/または造影剤を標的組織に送達するための導入デバイスと、微小気泡、造影剤、および/または治療剤を対応する保管容器から導入デバイスに送達するための1つ以上のチャネルとを含む。
【0019】
種々の実施形態では、第1の保管容器は、それぞれ、微小気泡特性を変化させるための操作手段を有する、複数のチャネルに接続される。操作手段は、異なる除外サイズを有する複数のフィルタを含んでもよく、コントローラは、次いで、所望の微小気泡特性に対応するフィルタのうちの1つを有するチャネルを選択し、選択されたチャネルのみを通して微小気泡を投与させるように構成される。加えて、または代替として、操作手段は、音響場を微小気泡に印加するステップを含んでもよい。コントローラは、次いで、さらに、所望のサイズ範囲外のサイズを有する微小気泡を破壊するように、音響場の周波数帯域を調整するように構成されてもよい。加えて、本システムはさらに、それぞれ、異なるサイズ特性を有する微小気泡を含有する、複数の保管容器を含んでもよく、コントローラは、次いで、所望の微小気泡特性に対応する微小気泡をその中に有する保管容器のうちの1つを選択し、選択された保管容器のみから微小気泡を投与させるように構成される。
【0020】
本システムはさらに、ある放射線量を標的組織に伝送するための放射線デバイスを含んでもよい。加えて、コントローラはさらに、少なくとも部分的に、所定の投与プロファイル(例えば、微小気泡の用量、濃度、投与速度、投与タイミング、および/または投与圧力)に基づいて、投与デバイスから微小気泡を分注するように構成されてもよい。投与プロファイルは、少なくとも部分的に、分注される微小気泡の特性(例えば、直径、サイズ分布、シェル組成、ガス組成、および/または液体コア組成)に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、少なくとも部分的に、所望の特性に基づいて、微小気泡を調製するための調製デバイスを含む。加えて、コントローラはさらに、標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、標的組織の特性に基づいて、微小気泡の所望の特性を決定するように構成されてもよい。
【0021】
別の側面では、本発明は、標的組織の微小気泡強化治療のための方法に関する。種々の実施形態では、本方法は、標的組織を治療するための微小気泡の所望の特性を受信するステップと、微小気泡を投与デバイスから分注させるステップと、分注された微小気泡の特性を所望の特性と比較し、それらの間の合致を検証するステップとを含む。一実装では、本方法はさらに、合致の検証に応じて、分注された微小気泡を標的組織に導入させるステップを含む。加えて、または代替として、本方法はさらに、所望の特性からの分注された微小気泡の特性の間の臨床的に有意な逸脱を検出することに応じて、予防アクションを引き起こすステップを含んでもよい。
【0022】
本方法はさらに、分注された微小気泡の特性を測定するステップを含んでもよい。一実施形態では、分注された微小気泡の特性は、音響システムを使用して測定される。本方法はさらに、その特性を測定するために微小気泡に複数の周波数を印加するステップを含む。加えて、本方法は、微小気泡からの減衰、散乱、後方散乱、高調波発生、および/または副高調波発生の信号を測定するステップを含んでもよい。別の実施形態では、分注された微小気泡の特性は、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、および/またはフローサイトメトリを使用して測定される。加えて、または代替として、本方法はさらに、微小気泡の投与速度を測定するステップを含んでもよい。
【0023】
種々の実施形態では、本方法はさらに、超音波トランスデューサに、超音波を微小気泡に伝送させるステップと、超音波に対する微小気泡の応答を監視するステップとを含む。加えて、本方法はさらに、少なくとも部分的に、その監視された応答に基づいて、超音波パラメータ(例えば、周波数、位相、および/または振幅)および/または分注される微小気泡の特性を調節するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、超音波トランスデューサに、超音波を標的組織に伝送させ、その中に音響場を発生させるステップと、標的組織への治療剤の投与を引き起こすステップとを含み、微小気泡、音響場、および治療剤は、標的組織内に最適な治療効果を協働的に引き起こす。治療剤は、ブスルファン、チオテパ、CCNU(ロムスチン)、BCNU(カルムスチン)、ACNU(ニムスチン)、テモゾロミド、メトトレキサート、トポテカン、シスプラチン、エトポシド、イリノテカン/SN-38、カルボプラチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、フォテムスチン、イホスファミド/4-ヒドロキシイホスファミド/アルドイホスファミド、ベバシズマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、ドセタキセル、および/またはシタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)/ara-Uを含んでもよい。加えて、本方法はさらに、治療手技の条件を示す信号を検出するステップを含んでもよい。治療手技の条件は、標的組織の条件(例えば、温度、サイズ、形状、および/または場所)、治療剤の条件、および/または微小気泡の条件(例えば、キャビテーション状態)を含んでもよい。一実施形態では、信号は、イメージャおよび/または音響信号検出器を使用して測定される。
【0024】
本方法はさらに、少なくとも部分的に、検出された信号に基づいて、微小気泡および/または投与される治療剤の特性(例えば、作用物質タイプ、サイズ、濃度、投与速度、投与量、投与パターン、投与時間、および/または投与圧力)を調節するステップを含んでもよい。加えて、本方法はさらに、投与される微小気泡の存在下で、超音波トランスデューサに超音波を標的組織に伝送させるステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、微小気泡、治療剤、および/または造影剤を標的組織に送達するステップを含む。本方法はさらに、所望の微小気泡特性に対応するフィルタを有するチャネルを選択するステップと、選択されたチャネルのみを通して微小気泡を投与させるステップとを含んでもよい。加えて、本方法はさらに、音響場を微小気泡に印加するステップを含んでもよい。本方法はまた、所望のサイズ範囲外のサイズを有する微小気泡を破壊するように、音響場の周波数帯域を調整するステップを含んでもよい。一実施形態では、本方法はさらに、所望の微小気泡特性に対応する微小気泡をその中に有する保管容器を選択するステップと、選択された保管容器のみから微小気泡を投与させるステップとを含む。
【0025】
本方法はさらに、ある放射線量を標的組織に伝送するステップを含んでもよい。加えて、本方法は、少なくとも部分的に、所定の投与プロファイル(例えば、微小気泡の用量、濃度、投与速度、投与タイミング、および/または投与圧力)に基づいて、投与デバイスから微小気泡を分注するステップを含んでもよい。本方法はさらに、少なくとも部分的に、微小気泡の特性(例えば、直径、サイズ分布、シェル組成、ガス組成、および/または液体コア組成)に基づいて、投与プロファイルを決定するステップを含んでもよい。一実装では、本方法はさらに、微小気泡を所定の温度まで加熱するステップを含む。加えて、本方法はさらに、標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、標的組織の特性に基づいて、微小気泡の所望の特性を決定するステップを含む。
【0026】
本発明の別の側面は、標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムに関する。種々の実施形態では、本システムは、微小気泡を保管するための保管容器を有する、投与デバイスと、標的組織を治療するための微小気泡の所望の特性を受信し、実質的に所望の特性を有する微小気泡のみを標的組織の中に投与させるように構成される、コントローラとを含む。一実装では、コントローラはさらに、標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、標的組織の特性に基づいて、微小気泡の所望の特性を決定するように構成される。
【0027】
本システムはさらに、微小気泡を標的組織に送達するために第1の保管容器に結合される、1つ以上の流体チャネルと、その中の微小気泡特性を変化させるために流体チャネルと関連付けられる、操作装置とを含んでもよい。操作装置は、決定されたサイズ特性を有するフィルタを含んでもよい。加えて、または代替として、操作装置は、音響場を流体チャネル内の微小気泡に印加するための超音波トランスデューサを含んでもよい。トランスデューサは、所望のサイズ範囲外のサイズを有する微小気泡を破壊するように、1つ以上の周波数帯域を有する音響場を印加するように構成されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、所定の投与プロファイル(例えば、用量、濃度、投与速度、投与タイミング、または投与圧力)に基づいて、微小気泡を投与するように構成される。投与プロファイルは、少なくとも部分的に、微小気泡の第2の特性(例えば、直径、サイズ分布、シェル組成、および/またはガスおよび/または液体コア組成)に基づいて決定される。一実施形態では、本システムはさらに、少なくとも部分的に、所望の特性に基づいて、微小気泡を調製するための調製デバイスを含み、調製された微小気泡の実質的に全ては、所望の特性を有する。
【0029】
さらに別の側面では、本発明は、標的組織の微小気泡強化治療のための方法に関する。種々の実施形態では、本方法は、標的組織を治療するための微小気泡の所望の特性を受信するステップと、実質的に所望の特性を有する微小気泡のみを標的組織の中に投与させるステップとを含む。
【0030】
本発明のなおも別の側面は、標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムに関する。種々の実施形態では、本システムは、微小気泡を保管するための保管容器を有する、投与デバイスと、少なくとも部分的に、所望の特性(例えば、最大直径、平均直径、規定された平均の周囲の正規サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成)に基づいて、微小気泡を調製するための調製デバイスであって、調製された微小気泡の実質的に全ては、所望の特性を有する、調製デバイスとを含む。調製デバイスは、加熱器、攪拌器、および/または超音波トランスデューサを含んでもよい。
【0031】
別の側面では、本発明は、標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムに関する。種々の実施形態では、本システムは、複数のトランスデューサ要素を有する、超音波トランスデューサと、微小気泡を保管するための第1の保管容器と、治療剤を保管するための第2の保管容器とを有する、投与デバイスと、微小気泡の特性を変化させるために投与デバイスと関連付けられる、操作装置と、治療手技の条件を示す信号を検出するための測定システムと、コントローラとを含む。一実施形態では、コントローラは、超音波トランスデューサに超音波を標的組織に伝送させ、微小気泡および治療剤を投与デバイスから標的組織に分注させ、測定システムに治療手技の条件を示す信号を検出させ、少なくとも部分的に、検出された信号に基づいて、(i)1つ以上のトランスデューサ要素と関連付けられるパラメータ値(例えば、周波数、位相、および/または振幅)、(ii)微小気泡特性(例えば、最大直径、平均直径、規定された平均の周囲の正規サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成)、および/または(iii)微小気泡および/または治療剤の投与プロファイル(例えば、用量、濃度、投与速度、投与タイミング、および/または投与圧力)を調節するように構成される。一実装では、操作装置は、決定されたサイズ特性を有するフィルタを含む。
【0032】
本明細書に使用されるように、用語「実質的に」は、±10%、いくつかの実施形態では、±5%を意味する。本明細書全体を通した「一実施例」、「ある実施例」、「一実施形態」、または「ある実施形態」の言及は、実施例と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の箇所における語句「一実施例では」、「ある実施例では」、「一実施形態」、または「ある実施形態」の出現は、必ずしも全てが同一の実施例を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、ルーチン、ステップ、または特性は、本技術の1つ以上の実施例において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。本明細書に提供される見出しは、便宜上のためだけのものであり、請求される技術の範囲または意味を限定または解釈することを意図していない。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムであって、前記システムは、
微小気泡を保管するための第1の保管容器を備える投与デバイスと、
コントローラであって、
(a)前記標的組織を治療するための前記微小気泡の所望の特性を受信することと、
(b)前記微小気泡を前記投与デバイスから分注させることと、
(c)前記分注された微小気泡の特性を前記所望の特性と比較し、それらの間の合致を検証することと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目2)
前記コントローラはさらに、前記合致の検証に応じて、前記分注された微小気泡を前記標的組織に導入させるように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記コントローラはさらに、前記所望の特性からの前記分注された微小気泡の特性の間の臨床的に有意な逸脱を検出することに応じて、予防アクションを引き起こすように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記分注された微小気泡の特性を測定するための測定システムをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記測定システムは、音響システムを備える、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記音響システムは、前記微小気泡の前記特性を測定するために前記微小気泡に複数の周波数を印加するように構成される、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記音響システムは、前記微小気泡からの減衰、散乱、後方散乱、高調波発生、または副高調波発生のうちの少なくとも1つを測定するように構成される、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記測定システムは、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、またはフローサイトメトリのうちの少なくとも1つの測定を実施するように構成される、項目4に記載のシステム。
(項目9)
前記測定システムは、前記微小気泡の投与速度を測定するための少なくとも1つのセンサを備える、項目4に記載のシステム。
(項目10)
超音波を前記微小気泡に伝送するための超音波トランスデューサをさらに備え、前記測定システムは、前記超音波に対する前記微小気泡の応答を監視するように構成される、項目4に記載のシステム。
(項目11)
前記コントローラはさらに、少なくとも部分的に、その前記監視された応答に基づいて、超音波パラメータまたは前記分注される微小気泡の特性のうちの少なくとも1つを調節するように構成される、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記超音波パラメータは、前記超音波トランスデューサを駆動する信号の周波数、位相、または振幅のうちの少なくとも1つを含む、項目11に記載のシステム。
(項目13)
超音波トランスデューサをさらに備え、前記投与デバイスはさらに、治療剤を保管するための第2の保管容器を備え、前記コントローラはさらに、
前記超音波トランスデューサに、治療超音波を前記標的組織に伝送させ、その中に音響場を発生させることと、
前記標的組織内に最適な治療効果を生成するように、前記治療剤の投与を引き起こすことと
を行うように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目14)
治療手技の条件を示す信号を検出するための測定システムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記治療手技の条件は、前記標的組織の条件、前記治療剤の条件、または前記微小気泡の条件のうちの少なくとも1つを含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記微小気泡の条件は、そのキャビテーション状態である、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記標的組織の条件は、前記標的組織の温度、サイズ、形状、または場所のうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載のシステム。
(項目18)
前記測定システムは、イメージャまたは音響信号検出器のうちの少なくとも1つを備える、項目14に記載のシステム。
(項目19)
前記コントローラはさらに、少なくとも部分的に、前記検出された信号に基づいて、前記投与される微小気泡または前記投与される治療剤のうちの少なくとも1つの特性を調節するように構成される、項目14に記載のシステム。
(項目20)
前記特性は、前記投与される微小気泡および/または治療剤の作用物質タイプ、サイズ、濃度、投与速度、投与量、投与パターン、投与時間、または投与圧力のうちの少なくとも1つである、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記コントローラはさらに、前記投与される微小気泡の存在下で、前記超音波トランスデューサに超音波を前記標的組織に伝送させるように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目22)
前記投与デバイスはさらに、造影剤を保管するための第3の保管容器を備える、項目13に記載のシステム。
(項目23)
前記投与デバイスはさらに、
作動機構と、
前記微小気泡、治療剤、または造影剤のうちの少なくとも1つを前記標的組織に送達するための導入デバイスと、
前記微小気泡、造影剤、または治療剤のうちの少なくとも1つを前記対応する保管容器から前記導入デバイスに送達するための少なくとも1つのチャネルと
を備える、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記治療剤は、ブスルファン、チオテパ、CCNU(ロムスチン)、BCNU(カルムスチン)、ACNU(ニムスチン)、テモゾロミド、メトトレキサート、トポテカン、シスプラチン、エトポシド、イリノテカン/SN-38、カルボプラチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、フォテムスチン、イホスファミド/4-ヒドロキシイホスファミド/アルドイホスファミド、ベバシズマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、ドセタキセル、またはシタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)/ara-Uのうちの少なくとも1つを含む、項目13に記載のシステム。
(項目25)
前記第1の保管容器は、複数のチャネルに接続され、前記複数のチャネルのそれぞれは、前記微小気泡特性を変化させるための操作手段を有する、項目1に記載のシステム。
(項目26)
前記操作手段は、異なる除外サイズを有する複数のフィルタを備え、前記コントローラは、
前記所望の微小気泡特性に対応する前記フィルタのうちの1つを有するチャネルを選択することと、
前記選択されたチャネルのみを通して前記微小気泡を投与させることと
を行うように構成される、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記操作手段は、音響場を前記微小気泡に印加することを含む、項目25に記載のシステム。
(項目28)
前記コントローラはさらに、所望のサイズ範囲外のサイズを有する前記微小気泡を破壊するように、前記音響場の周波数帯域を調整するように構成される、項目27に記載のシステム。
(項目29)
複数の保管容器をさらに備え、前記複数の保管容器のそれぞれは、異なるサイズ特性を有する微小気泡を含有し、前記コントローラは、
前記所望の微小気泡特性に対応する微小気泡をその中に有する前記保管容器のうちの1つを選択することと、
前記選択された保管容器のみから前記微小気泡を投与させることと
を行うように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目30)
ある放射線量を前記標的組織に伝送するための放射線デバイスをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目31)
前記コントローラはさらに、少なくとも部分的に、所定の投与プロファイルに基づいて、前記投与デバイスから前記微小気泡を分注するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目32)
前記投与プロファイルは、少なくとも部分的に、前記分注される微小気泡の特性に基づいて決定される、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記分注される微小気泡の特性は、直径、サイズ分布、シェル組成、ガス組成、または液体コア組成のうちの少なくとも1つを含む、項目32に記載のシステム。
(項目34)
前記投与プロファイルは、前記微小気泡の用量、濃度、投与速度、投与タイミング、または投与圧力のうちの少なくとも1つを含む、項目31に記載のシステム。
(項目35)
少なくとも部分的に、前記所望の特性に基づいて、前記微小気泡を調製するための調製デバイスをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目36)
前記コントローラはさらに、前記標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、前記標的組織の特性に基づいて、前記微小気泡の所望の特性を決定するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目37)
標的組織の微小気泡強化治療のための方法であって、前記方法は、
(a)前記標的組織を治療するための前記微小気泡の所望の特性を受信することと、
(b)前記微小気泡を投与デバイスから分注させることと、
(c)前記分注された微小気泡の特性を前記所望の特性と比較し、それらの間の合致を検証することと
を含む、方法。
(項目38)
前記合致の検証に応じて、前記分注された微小気泡を前記標的組織に導入させることをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記所望の特性からの前記分注された微小気泡の特性の間の臨床的に有意な逸脱を検出することに応じて、予防アクションを引き起こすことをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記分注された微小気泡の特性を測定することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目41)
前記分注された微小気泡の特性は、音響システムを使用して測定される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記微小気泡の前記特性を測定するために前記微小気泡に複数の周波数を印加することをさらに含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記微小気泡からの減衰、散乱、後方散乱、高調波発生、または副高調波発生のうちの少なくとも1つの信号を測定することをさらに含む、項目41に記載の方法。
(項目44)
前記分注された微小気泡の特性は、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、またはフローサイトメトリのうちの少なくとも1つを使用して測定される、項目40に記載の方法。
(項目45)
前記微小気泡の投与速度を測定することをさらに含む、項目40に記載の方法。
(項目46)
超音波トランスデューサに、超音波を前記微小気泡に伝送させることと、
前記超音波に対する前記微小気泡の応答を監視することと
をさらに含む、項目40に記載の方法。
(項目47)
少なくとも部分的に、その前記監視された応答に基づいて、超音波パラメータまたは前記分注される微小気泡の特性のうちの少なくとも1つを調節することをさらに含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記超音波パラメータは、前記超音波トランスデューサを駆動する信号の周波数、位相、または振幅のうちの少なくとも1つを含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
超音波トランスデューサに、超音波を前記標的組織に伝送させ、その中に音響場を発生させることと、
前記標的組織への治療剤の投与を引き起こすことと
をさらに含み、
前記微小気泡、音響場、および治療剤は、前記標的組織内に最適な治療効果を協働的に引き起こす、項目37に記載の方法。
(項目50)
治療手技の条件を示す信号を検出することをさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記治療手技の条件は、前記標的組織の条件、前記治療剤の条件、または前記微小気泡の条件のうちの少なくとも1つを含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記微小気泡の条件は、そのキャビテーション状態である、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記標的組織の条件は、前記標的組織の温度、サイズ、形状、または場所のうちの少なくとも1つを含む、項目51に記載の方法。
(項目54)
前記信号は、イメージャまたは音響信号検出器のうちの少なくとも1つを使用して測定される、項目50に記載の方法。
(項目55)
少なくとも部分的に、前記検出された信号に基づいて、前記微小気泡または前記投与される治療剤のうちの少なくとも1つの特性を調節することをさらに含む、項目50に記載の方法。
(項目56)
前記特性は、前記投与される微小気泡および/または治療剤の作用物質タイプ、サイズ、濃度、投与速度、投与量、投与パターン、投与時間、または投与圧力のうちの少なくとも1つである、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記投与される微小気泡の存在下で、前記超音波トランスデューサに超音波を前記標的組織に伝送させることをさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目58)
前記微小気泡、前記治療剤、または造影剤のうちの少なくとも1つを前記標的組織に送達することをさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目59)
前記治療剤は、ブスルファン、チオテパ、CCNU(ロムスチン)、BCNU(カルムスチン)、ACNU(ニムスチン)、テモゾロミド、メトトレキサート、トポテカン、シスプラチン、エトポシド、イリノテカン/SN-38、カルボプラチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、フォテムスチン、イホスファミド/4-ヒドロキシイホスファミド/アルドイホスファミド、ベバシズマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、ドセタキセル、またはシタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)/ara-Uのうちの少なくとも1つを含む、項目49に記載の方法。
(項目60)
前記所望の微小気泡特性に対応するフィルタを有するチャネルを選択することと、
前記選択されたチャネルのみを通して前記微小気泡を投与させることと、
をさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目61)
音響場を前記微小気泡に印加することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目62)
所望のサイズ範囲外のサイズを有する前記微小気泡を破壊するように、前記音響場の周波数帯域を調整することをさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記所望の微小気泡特性に対応する微小気泡をその中に有する保管容器を選択することと、
前記選択された保管容器のみから前記微小気泡を投与させることと、
をさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目64)
ある放射線量を前記標的組織に伝送することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目65)
少なくとも部分的に、所定の投与プロファイルに基づいて、前記投与デバイスから前記微小気泡を分注することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目66)
少なくとも部分的に、前記微小気泡の特性に基づいて、前記投与プロファイルを決定することをさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記微小気泡の特性は、直径、サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成のうちの少なくとも1つを含む、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記投与プロファイルは、前記微小気泡の用量、濃度、投与速度、投与タイミング、または投与圧力のうちの少なくとも1つを含む、項目65に記載の方法。
(項目69)
前記微小気泡を所定の温度まで加熱することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目70)
前記標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、前記標的組織の特性に基づいて、前記微小気泡の所望の特性を決定することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目71)
標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムであって、前記システムは、
微小気泡を保管するための保管容器を備える投与デバイスと、
コントローラであって、
(a)前記標的組織を治療するための前記微小気泡の所望の特性を受信することと、
(b)実質的に前記所望の特性を有する前記微小気泡のみを前記標的組織の中に投与させることと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目72)
前記微小気泡を前記標的組織に送達するために前記保管容器に結合される少なくとも1つの流体チャネルと、
その中の前記微小気泡特性を変化させるために前記少なくとも1つの流体チャネルと関連付けられる操作装置と
をさらに備える、項目71に記載のシステム。
(項目73)
前記操作装置は、決定されたサイズ特性を有するフィルタを備える、項目72に記載のシステム。
(項目74)
前記操作装置は、音響場を前記少なくとも1つの流体チャネル内の前記微小気泡に印加するための超音波トランスデューサを備える、項目72に記載のシステム。
(項目75)
前記トランスデューサは、所望のサイズ範囲外のサイズを有する前記微小気泡を破壊するように、少なくとも1つの周波数帯域を有する音響場を印加するように構成される、項目74に記載のシステム。
(項目76)
前記コントローラはさらに、前記標的組織の特性を入手し、少なくとも部分的に、前記標的組織の特性に基づいて、前記微小気泡の所望の特性を決定するように構成される、項目71に記載のシステム。
(項目77)
前記コントローラはさらに、所定の投与プロファイルに基づいて、前記微小気泡を投与するように構成される、項目71に記載のシステム。
(項目78)
前記投与プロファイルは、少なくとも部分的に、前記微小気泡の第2の特性に基づいて決定される、項目77に記載のシステム。
(項目79)
前記微小気泡の第2の特性は、直径、サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成のうちの少なくとも1つを含む、項目78に記載のシステム。
(項目80)
前記投与プロファイルは、前記微小気泡の用量、濃度、投与速度、投与タイミング、または投与圧力のうちの少なくとも1つを含む、項目77に記載のシステム。
(項目81)
少なくとも部分的に、前記所望の特性に基づいて、前記微小気泡を調製するための調製デバイスをさらに備え、前記調製された微小気泡の実質的に全ては、前記所望の特性を有する、項目71に記載のシステム。
(項目82)
標的組織の微小気泡強化治療のための方法であって、前記方法は、
(a)前記標的組織を治療するための前記微小気泡の所望の特性を受信することと、
(b)実質的に前記所望の特性を有する前記微小気泡のみを前記標的組織の中に投与させることと
を含む、方法。
(項目83)
標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムであって、前記システムは、
微小気泡を保管するための保管容器を備える投与デバイスと、
少なくとも部分的に、所望の特性に基づいて、前記微小気泡を調製するための調製デバイスであって、前記調製された微小気泡の実質的に全ては、前記所望の特性を有する、調製デバイスと
を備える、システム。
(項目84)
前記調製デバイスは、加熱器、攪拌器、または超音波トランスデューサのうちの少なくとも1つを備える、項目83に記載のシステム。
(項目85)
前記所望の特性は、最大直径、平均直径、規定された平均の周囲の正規サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成のうちの少なくとも1つを含む、項目83に記載のシステム。
(項目86)
標的組織の微小気泡強化治療のためのシステムであって、前記システムは、
複数のトランスデューサ要素を備える超音波トランスデューサと、
微小気泡を保管するための第1の保管容器と、治療剤を保管するための第2の保管容器とを備える投与デバイスと、
前記微小気泡の特性を変化させるために前記投与デバイスと関連付けられる操作装置と、
治療手技の条件を示す信号を検出するための測定システムと
コントローラであって、
(a)前記超音波トランスデューサに、超音波を前記標的組織に伝送させることと、
(b)前記微小気泡および治療剤を前記投与デバイスから前記標的組織に分注させることと、
(c)前記測定システムに前記治療手技の条件を示す前記信号を検出させることと、
(d)少なくとも部分的に、前記検出された信号に基づいて、(i)前記トランスデューサ要素のうちの少なくとも1つと関連付けられるパラメータ値、(ii)前記微小気泡特性、または(iii)前記微小気泡および/または前記治療剤の投与プロファイルのうちの少なくとも1つを調節することと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目87)
前記微小気泡特性は、最大直径、平均直径、規定された平均の周囲の正規サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成のうちの少なくとも1つを含む、項目86に記載のシステム。
(項目88)
前記パラメータ値は、前記トランスデューサ要素のうちの少なくとも1つを駆動する信号の周波数、位相、または振幅のうちの少なくとも1つを含む、項目86に記載のシステム。
(項目89)
前記投与プロファイルは、用量、濃度、投与速度、投与タイミング、または投与圧力のうちの少なくとも1つを含む、項目86に記載のシステム。
(項目90)
前記操作装置は、決定されたサイズ特性を有するフィルタを備える、項目86に記載のシステム。
【0033】
図面では、同様の参照文字は、概して、異なる図全体を通して同一の部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、概して、本発明の原理を図示することに重点が置かれている。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、種々の実施形態による、微小気泡強化集束超音波システムを図示する。
【0035】
図2図2は、本発明の種々の実施形態による、微小気泡サイズと微小気泡共振周波数との間の例示的関係を描写する。
【0036】
図3図3Aおよび3Bは、本発明の種々の実施形態による、微小気泡サイズ分布の時間発展を図示する。
【0037】
図4図4は、本発明の種々の実施形態による、微小気泡の所望のサイズ分布を選択し、選択された微小気泡を適用し、超音波手技の性能を強化するためのアプローチを図示する、フローチャートである。
【0038】
図5図5は、本発明の種々の実施形態による、他の療法的方法と組み合わせて微小気泡強化超音波手技を利用して標的を治療するためのアプローチを図示する、フローチャートである。
【0039】
図6A図6A-6Dは、本発明の種々の実施形態による、例示的投与システムを描写する。
図6B図6A-6Dは、本発明の種々の実施形態による、例示的投与システムを描写する。
図6C図6A-6Dは、本発明の種々の実施形態による、例示的投与システムを描写する。
図6D図6A-6Dは、本発明の種々の実施形態による、例示的投与システムを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、集束音響エネルギービームを発生させ、患者の身体内の標的領域101に送達するための例示的超音波システム100を図示する。印加される超音波は、標的領域および/または非標的領域から反射され得、標的および/または非標的領域の画像が、反射波に基づいて発生され得る。加えて、微小気泡が、超音波反射を増加させ、それによって、超音波画像のコントラストを改良するために、標的領域101および/または非標的領域に導入されてもよい。いくつかの実施形態では、印加される超音波は、標的領域101内の組織をアブレーションする、および/または治療効果を改良するために微小気泡発振および/またはキャビテーションを誘発してもよい。図示されるシステム100は、トランスデューサ要素104の位相アレイ102と、位相アレイ102を駆動するビーム形成器106と、ビーム形成器106と通信するコントローラ108と、入力電子信号をビーム形成器106に提供する周波数発生器110とを含む。種々の実施形態では、本システムはさらに、標的領域101および/または非標的領域における組織の解剖学的特性(例えば、タイプ、性質、構造、厚さ、密度等)を決定するために、磁気共鳴撮像(MRI)デバイス、コンピュータトモグラフィ(CT)デバイス、陽電子放出トモグラフィ(PET)デバイス、単一光子放出コンピュータトモグラフィ(SPECT)デバイス、または超音波検査デバイス等のイメージャ112を含む。
【0041】
アレイ102は、患者の身体の表面上での設置のために好適な湾曲(例えば、球形または放物線状)形状を有してもよい、または1つ以上の平面または別様に成形される区分を含んでもよい。その寸法は、数ミリメートル~数十センチメートルに変動し得る。アレイ102のトランスデューサ要素104は、圧電セラミック要素であってもよく、シリコーンゴムまたは要素104の間の機械的結合を減衰させるために好適な任意の他の材料内に搭載されてもよい。圧電複合材料、または概して、電気エネルギーを音響エネルギーに変換することが可能な任意の材料もまた、使用されてもよい。トランスデューサ要素104への最大電力伝達を確実にするために、要素104は、入力コネクタインピーダンスに合致する、50Ωにおける電気共振のために構成されてもよい。
【0042】
トランスデューサアレイ102は、ビーム形成器106に結合され、これは、それらが集束超音波ビームまたは場を集合的に生成するように個々のトランスデューサ要素104を駆動する。n個のトランスデューサ要素に関して、ビーム形成器106は、それぞれ、増幅器118と、位相遅延回路120とを含む、またはそれらから成る、n個の駆動回路を含有してもよく、各駆動回路は、トランスデューサ要素104のうちの1つを駆動する。ビーム形成器106は、典型的には、0.1MHz~10MHzの範囲内の無線周波数(RF)入力信号を、例えば、Stanford Research Systemsから入手可能なModel DS345発生器であり得る周波数発生器110から受信する。入力信号は、ビーム形成器106のn個の増幅器118および遅延回路120のためにn個のチャネルに分割されてもよい。いくつかの実施形態では、周波数発生器110は、ビーム形成器106と統合される。無線周波数発生器110およびビーム形成器106は、トランスデューサアレイ102の個々のトランスデューサ要素104を、同一の周波数であるが、異なる位相および/または異なる振幅において駆動するように構成される。
【0043】
ビーム形成器106によって課される増幅または減衰定数α-αおよび位相偏移a-aは、トランスデューサ要素104と標的領域との間に位置する介在組織を通して標的領域101上に超音波エネルギーを伝送および集束させ、介在組織において誘発される波歪みを考慮する役割を果たす。増幅定数および位相偏移は、コントローラ108を使用して算出され、これは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハード配線、またはそれらの任意の組み合わせを通してコンピュータ機能を提供してもよい。種々の実施形態では、コントローラ108は、所望の集束または任意の他の所望の空間場パターンを発生させるように、各要素104と関連付けられる超音波パラメータ(例えば、周波数、位相偏移、および/または増幅定数)の最適な値を決定するために、従来の様式で、過度の実験を伴わず、ソフトウェアを用いてプログラムされる汎用または専用デジタルデータプロセッサを利用する。超音波パラメータの最適な値は、例えば、焦点品質、標的101に対する焦点場所、および/または超音波処理に対する微小気泡応答に基づいて、超音波手技の前、その後、および/またはその間の1つ以上の時点で実験的に精緻化されてもよい。焦点の品質および場所は、イメージャ112を使用して監視されてもよく、微小気泡応答は、トランスデューサ102および/または音響信号検出器122(例えば、ハイドロホン)を使用して検出されてもよい。
【0044】
ある実施形態では、超音波パラメータの最適な値は、介在組織の特性および音響エネルギーの伝搬に対するそれらの効果(例えば、反射、屈折、および/または散乱)についての詳細な情報に基づいて、コンピュータ的に推定される。そのような情報は、イメージャ112から取得され、手動で、またはコンピュータ的に分析されてもよい。画像入手は、3次元であってもよい、または代替として、イメージャ112は、標的および/または非標的領域の3次元画像を再構成するために好適な2次元画像のセットを提供してもよい。画像操作機能性は、イメージャ112において、コントローラ108において、または別個のデバイスにおいて実装されてもよい。
【0045】
ある治療シナリオでは、異なる方向から標的領域101に向かって伝搬する超音波は、異なる厚さの組織層および異なる音響インピーダンス等の非常に可変的な解剖学的構造に遭遇し得、その結果、標的領域101におけるエネルギー付与は、有意に変動し、多くの場合、周波数とともに非単調に変動し、特定の患者に関する最適な周波数は、典型的には、予測不可能である。故に、いくつかの実施形態では、超音波の周波数は、試験周波数範囲内の異なる「試験周波数」を有する波を用いて標的領域101を連続的に超音波処理することによって最適化され、試験された周波数毎に、標的領域101内のエネルギー付与を示すパラメータ(例えば、温度、音響力、組織変位等)が、測定される。試験範囲は、超音波治療のために好適な周波数の範囲全体(例えば、種々の実施形態では、0.1MHz~10MHz)に及び得るが、典型的には、その中で最適な周波数が予期される、そのはるかに小さい部分範囲である。そのような部分範囲は、例えば、最適な周波数のコンピュータ推定、シミュレーションの結果、または他の患者における同一の標的に関して入手された経験的データに基づいて決定されてもよい。超音波印加のための最適な周波数を決定することについてのさらなる詳細が、例えば、米国特許公開第2016/0008633号(その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、超音波周波数を最適化することは、試験周波数を反復的に設定し、選択された周波数において標的領域101を超音波処理し、標的領域101における結果として生じる集束性質またはエネルギー付与を定量的に評価することを伴う。これは、例えば、付与されたエネルギーからもたらされる標的領域101内の温度増加を測定するためのMRI温度測定、標的領域101における音響圧力からもたらされる組織変位を測定するためのMR-ARFI、標的領域101から反射される超音波の強度を測定するための超音波検出、または概して、既知かつ予測可能な様式で標的領域101におけるエネルギー付与と相関するパラメータを測定するための任意の実験的技法を使用して遂行されてもよい。周波数最適化に続けて、位相アレイトランスデューサ102の位相および/または振幅設定が、選択された周波数に関する焦点を最適化するために調節されてもよい。標的領域101における集束性質を評価し、それに基づいて、位相アレイトランスデューサ102の超音波周波数、位相、および/または振幅設定を調節することに対するアプローチが、例えば、「Adaptive, Closed-Loop Ultrasound Therapy」と題され、本願と同日付に出願された、国際特許出願(その全開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0047】
種々の実施形態では、微小気泡および/または他の治療剤が、標的領域に対する超音波手技を強化するために、投与システム124を使用して、静脈内に、またはある場合には、標的領域101に近接する注入によって導入される。例えば、微小気泡は、続けて蒸発する液滴の形態において、またはガス充填気泡として患者の脳の中に導入される、または従来の超音波造影剤等の別の好適な物質とともに混入されてもよい。ガスのそのカプセル化のため、微小気泡は、超音波の反射物として作用し得る。微小気泡からの反射は、概して、身体の軟質組織からの反射よりも強い。したがって、微小気泡を造影剤と組み合わせることによって、超音波画像のコントラストレベルは、有意に増加され得る。
【0048】
加えて、微小気泡は、印加される発振音響圧力に体積脈動で反応し得る。超音波の振幅に応じて、微小気泡発振は、印加される音響圧力に線形または非線形のいずれかで関連するであろう。比較的に低い音響圧力に関して、微小気泡の瞬間的半径は、印加される音響圧力の振幅に関連して線形に発振し得る。微小気泡発振は、共振周波数、減衰係数、およびシェル性質等のパラメータによって統御される。したがって、印加される音響波の周波数が、微小気泡共振周波数に等しい場合、微小気泡は、大きい力を被り得、圧潰し得る。これは、微小気泡がその中に存在する場合、非標的組織への望ましくない損傷をもたらし得る。
【0049】
本望ましくない効果を回避するために、種々の実施形態では、微小気泡の共振周波数は、選択された最適な超音波周波数と実質的に異なる(例えば、それを2倍上回る)ように選択される。加えて、トランスデューサ要素104は、治療の間に低音響出力(例えば、5W)を有する波を伝送するようにアクティブ化される。このように、非標的領域に到達する超音波は、低音響強度を有し、それらの周波数は、微小気泡の共振周波数と実質的に異なるため、非標的領域内の微小気泡は、印加される音響場に無反応であり得る(またはキャビテーションを伴わない限定された応答を有する)。これは、いかなる非標的組織も損傷を受けない(またはその少なくとも非常に限定された量が損傷を受ける)ことを確実にする。対照的に、超音波ビームが集束される標的領域101において、音響強度は、標的領域外のものよりも実質的に大きく、微小気泡を発振および/または圧潰させるために十分であり得る。これは、組織アブレーションのために標的領域101におけるエネルギー吸収を強化する、および/または標的化薬物送達のために血管の途絶を引き起こし得る。
【0050】
図2を参照すると、微小気泡サイズRと微小気泡共振周波数との間の関係が、超音波手技に先立って確立されてもよい。描写されるように、一般に、微小気泡の半径Rが小さいほど、それらの共振周波数は、大きくなるであろう。故に、いくつかの実施形態では、導入される微小気泡の共振周波数は、それらのサイズ分布を介して制御される。例えば、超音波の最適な周波数が、上記に説明されるように決定された後、最適な超音波周波数に対応する微小気泡半径が、確立された関係を使用してコンピュータ的に補間または外挿されてもよい。微小気泡のサイズ分布が、次いで、微小気泡の有意な部分(例えば、50%を上回るもの、90%、95%、または99%、またはそれを上回るもの)が、印加される超音波周波数に等しい共振周波数に対応するものを下回る半径を有するように選択されてもよい。一実施形態では、投与される微小気泡の最大半径は、印加される超音波周波数に等しい共振周波数に対応する半径よりも少なくとも50%小さい(またはいくつかの実施形態では、1/10倍である)ように選択される。微小気泡の所望のサイズ分布を決定および選択するためのアプローチが、例えば、国際出願第PCT/IB2018/000841号(2018年6月29日に出願された)(その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0051】
所望の微小気泡サイズが、決定された後、微小気泡は、製造される、またはより典型的には、既製品として取得されることができる。しかしながら、図3Aおよび3Bに描写されるように、商業的に入手可能な微小気泡は、典型的には、サイズが多分散系であり、保管の間に熟成を受け得る。その結果、使用されるときの微小気泡の実際のサイズは、発生されたときのそれらのサイズと異なり得、性能が、損なわれ得る。本問題を解決するために、種々の実施形態では、微小気泡のサイズは、任意の好適なアプローチ(レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、超音波、またはフローサイトメトリ等(その全てが、当業者に周知であり、過度の実験を伴わずに実装されることができる))を使用して、それらの投与に先立って測定される。例えば、超音波システム100は、複数の周波数において超音波処理を微小気泡に伝送し得、伝送された信号および微小気泡からの信号の減衰、散乱、後方散乱、高調波発生、または副高調波発生に基づいて、微小気泡のサイズ分布が、決定されることができる。微小気泡の閾値量(例えば、50%、90%、95%、または99%)を上回るものが、所望のサイズよりも大きくない場合、微小気泡は、投与されてもよい。しかしながら、微小気泡の閾値量を下回るものが、所望のサイズよりも大きくない場合、予防アクションが、とられてもよい。例えば、投与システム124は、ユーザへの警告信号を発生させてもよい。
【0052】
加えて、微小気泡は、サイズ基準に一致するものを単離するために遠心分離されてもよい。代替として、所望の微小気泡サイズの細孔サイズを有するフィルタが、下記にさらに説明されるように微小気泡を濾過するために採用されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波システム100は、音響場を微小気泡に印加するように構成されてもよく、音響場は、サイズ基準に一致しない微小気泡を破壊する(例えば、そのキャビテーションを引き起こす)ための周波数帯域および十分な振幅を有する。単離/濾過/破壊プロセス後、微小気泡は、そのサイズが所望のサイズに合致することを確実にするために、再び検証されてもよく、続けて、検証された微小気泡は、患者の身体の中に導入されてもよい。一実装では、微小気泡の投与は、超音波システム100のアクティブ化および/または相補的物質(治療剤、MR造影剤等)の投与と同期される。例えば、標的BBB領域を開放するための微小気泡および超音波の印加に応じて、治療剤は、標的腫瘍を治療するために、BBB開口部を介して標的腫瘍領域に導入されてもよい。標的腫瘍を治療するために標的BBB領域を開放することに対するアプローチが、例えば、国際出願第PCT/IB2018/000834号(2018年6月29日に出願された)(その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0053】
図4は、本明細書による、超音波手技(例えば、撮像または治療)の性能を強化するために、微小気泡サイズを選択し、微小気泡を適用するための代表的手技400を図示する。第1の準備ステップ402において、手技に関する超音波パラメータ(例えば、周波数)の最適な値が、標的および/または非標的領域の特性(場所、サイズ、形状、タイプ、性質、構造、厚さ、密度等)に基づいて決定される。一実施形態では、標的/非標的領域の特性は、上記に説明されるようなイメージャ112を使用して入手される。第2の準備ステップ404において、手技の性能を強化するための所望の微小気泡サイズが、超音波パラメータの最適な値に基づいて選択される。例えば、微小気泡のサイズ分布が、次いで、微小気泡の有意な部分(例えば、50%を上回るもの、90%、95%、または99%、またはそれを上回るもの)が、印加される超音波周波数に等しい共振周波数に対応するものを実質的に下回る(例えば、それに対して1/10倍)半径を有するように選択されてもよい。第3の準備ステップ406において、微小気泡が、製造される、または既製品として入手される。第4の準備ステップ408において、製造/入手された微小気泡のサイズが、任意の好適なアプローチを使用して測定される。微小気泡のサイズがある要件を満たす(例えば、入手された微小気泡の少なくとも50%、90%、95%、または99%が所望のサイズを有する、または所望のサイズよりも大きくない)場合、微小気泡は、超音波撮像品質または治療効果を強化するために、投与されてもよい(ステップ410)。しかしながら、微小気泡が、サイズ要件を満たしていない(例えば、微小気泡の50%、90%、95%、または99%未満が、所望のサイズを有する、または所望のサイズよりも大きくない)場合、微小気泡は、患者の身体の中に導入されることに先立って遠心分離または濾過されてもよい(ステップ412)。遠心分離/濾過された微小気泡のサイズ分布は、投与に先立って再び検証されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、微小気泡の投与プロファイル(例えば、用量、速度、タイミング、または圧力)は、治療に先立って、微小気泡の1つ以上の特性(例えば、直径、サイズ分布、シェル組成、またはガスおよび/または液体コア組成)に基づいて決定される。加えて、微小気泡の投与は、他の物質(例えば、治療剤またはMR造影剤)の投与および/または超音波手技のアクティブ化と同期される。例えば、標的領域101の中への所望のサイズ分布を有する微小気泡の投与後、超音波トランスデューサ102は、標的領域101における超音波媒介微小気泡強化組織途絶を実施するようにアクティブ化されてもよい。超音波手技の間、超音波ビームの集束性質(例えば、音響出力またはピーク音響強度)および/または標的および/または非標的領域における治療効果(組織透過性強化またはアブレーション等)が、イメージャ112を使用して監視されてもよい。いくつかの実施形態では、MRI造影剤(例えば、ガドリニウムベースの造影剤)が、その中の組織途絶の評価を補助するために標的および/または非標的領域の中に注入される。途絶された組織のため、標的領域の透過性は、増加され得る。故に、MRI画像のコントラスト変化を監視することによって、標的および/または非標的領域における組織の透過性(およびそれによって、途絶)が、推定されることができる。加えて、標的および/または非標的領域における印加される音響場に対する微小気泡応答が、トランスデューサ102および/または音響信号検出器122を使用して監視されてもよい。
【0055】
監視された治療効果および/または微小気泡応答に基づいて、コントローラ108は、治療を最適化する、または標的における所望の効果を達成するために、リアルタイムで微小気泡の投与プロファイルおよび/または超音波パラメータ(例えば、周波数、振幅、位相、アクティブ化時間)を調節してもよい。例えば、非標的領域内の治療効果が、安全閾値を超える、および/または望ましくない微小気泡応答が検出される、および/または非標的領域における不要な治療効果が検出される場合、コントローラ108は、微小気泡の投与速度または用量を低減させる、および/または超音波処理波の振幅を低減させてもよい。逆に、標的領域内の治療効果が、所望の目標を下回る場合、コントローラ108は、治療効果を強化するように、微小気泡の投与速度または投与時間および/または超音波処理振幅を増加させてもよい。加えて、コントローラ108は、標的および/または非標的領域における治療効果が評価され得るまで、造影剤の投与プロファイルを調節してもよい。超音波手技および組織途絶評価は、途絶された組織の体積および/または程度が、所望の標的体積および/または程度に実質的に合致するまで、反復的に実施されてもよい。標的/非標的領域における組織透過性を推定することに対するアプローチが、例えば、国際出願第PCT/IB2018/000811号(2018年6月29日に出願された)に提供され、印加される音響場に対する微小気泡応答を測定することに対するアプローチが、例えば、国際出願第PCT/IB2018/000774号(2018年5月22日に出願された)に提供され、微小気泡応答を検出するためのトランスデューサアレイを構成することに対するアプローチが、例えば、米国特許出願第62/681,282号(2018年6月6日に出願された)に提供されている。これらの出願の全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0056】
種々の実施形態では、超音波治療手技は、放射線療法または標的化薬物送達等の他の療法的方法と組み合わせて実施される。例えば、超音波誘発微小気泡発振/キャビテーションは、標的領域101内の血管組織を途絶し得、これは、放射線療法における放射線量が、依然として所望の治療有効性を達成しながら有意に低減させることを可能にする。別の治療シナリオでは、超音波誘発微小気泡発振/キャビテーションは、標的領域における組織透過性を増加させ得、これは、より多い用量の治療剤が標的組織に到達し、それによって、治療効果を強化することを可能にする。概して、放射線療法または標的化薬物送達は、超音波媒介組織途絶の体積/程度が、所望の標的体積/程度に合致することが検証された後にのみ実施される。加えて、異なる腫瘍/疾患または異なる治療剤は、超音波によって媒介される異なる程度の組織途絶を要求し得る。故に、所望の治療効果を達成するような制御された様式でトランスデューサ102、イメージャ112、音響信号検出器122、投与システム124、および/または放射線デバイスを動作させることが、重要である。
【0057】
図5は、種々の実施形態による、他の療法的方法(放射線療法または標的化薬物送達等)と組み合わせた微小気泡強化超音波手技を伴う治療アプローチのための代表的手技500を図示する。第1のステップ502において、所定の要件を満たす特性を伴う微小気泡が、上記に説明されるように、患者の身体の中に投与システム124を介して導入される。第2のステップ504において、トランスデューサ102が、標的領域101における超音波媒介組織途絶を開始するようにアクティブ化される。加えて、超音波手技の間および/またはその後の組織途絶が、例えば、イメージャ112、トランスデューサ102、および/または投与システム124によって導入される造影剤を使用して監視または評価されてもよい(第3のステップ506において)。随意に、超音波処理に対する微小気泡応答が、音響信号検出器122および/またはトランスデューサ要素104を使用して監視されることができる。監視された組織途絶および/または微小気泡応答に基づいて、トランスデューサパラメータおよび/または微小気泡投与プロファイルが、超音波媒介組織途絶の体積/程度が、所望の標的体積/程度に検証可能に合致するまで、動的に調節されてもよい(第4のステップ508において)。組織途絶の標的体積/程度は、標的領域のタイプ、場所、および/またはサイズ、および/または標的化薬物送達のための治療剤のタイプおよび/またはサイズに基づいて変動し得る。ステップ504-508は、超音波手技全体を通して反復的に実施されてもよい。一実施形態では、検証は、造影剤を標的の中に導入し、MRI画像のコントラスト変化を監視することによって実施される。検証に続いて、標的化薬物送達のための治療剤が、投与システム124を介して導入されてもよい。代替として、放射線デバイスが、治療を開始するようにアクティブ化されてもよい(第5のステップ510において)。再び、標的/非標的組織、微小気泡、および/または治療剤の条件が、例えば、イメージャ112、音響信号検出器122、および/またはトランスデューサ要素104を使用してリアルタイムで監視されてもよく(第6のステップ512において)、それに基づいて、微小気泡および/または治療剤の特性(例えば、作用物質タイプ、サイズ、濃度、投与速度、投与量、投与パターン、投与時間、および/または投与圧力)が、標的および/または非標的領域に対する最適な(または所望の)治療効果を達成するために調節されることができる(第7のステップ514において)。
【0058】
図6Aは、種々の実施形態による、例示的投与システム600を描写する。システム600は、3つの独立したチャネル602、604、606を含んでもよい。第1のチャネル602は、微小気泡を保管する第1の容器608と流体連通してもよく、第2のチャネル604は、造影剤を保管する第2の容器610と流体連通してもよく、第3のチャネル606は、標的化薬物送達のための治療剤を保管する第3の容器612と流体連通してもよい。3つのチャネル602、604、606は、次いで、微小気泡、造影剤、および/または治療剤をそれらの対応するチャネルから患者の身体の中に投与するための導入デバイス(例えば、カテーテルまたは針)614に流体的に結合されてもよい。加えて、システム600は、患者への投与のために微小気泡、造影剤、および治療剤をそれらの対応するチャネル602、604、606を通して導入デバイス614の中に押進するためにコントローラ618に結合される、作動機構(例えば、シリンジ、蠕動ポンプ等)616を含んでもよい。加えて、投与システム600は、上記に説明されるようなそれらの投与に先立って、微小気泡のサイズを検証し得る、微小気泡検証システム622と通信してもよい。例えば、微小気泡検証システム622は、レーザ光不明瞭化および散乱、エレクトロゾーン感知、光学顕微鏡法、超音波、またはフローサイトメトリ等を実施するために好適な装置を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、チャネル602、604、606および/または導入デバイス614は、その中の流体の流率または流動圧力を検出するための流動検出器620を含む。いくつかの実施形態では、流動検出器620は、検出された信号を分析のためにコントローラ618に伝送する。加えて、コントローラ618は、上記に説明されるような超音波トランスデューサ102、イメージャ122、音響信号検出器122、および/または放射線デバイス624から検出信号を受信してもよい。受信された信号に基づいて、コントローラ618は、微小気泡、造影剤、および/または治療剤を投与するために作動機構616を動作させてもよい。加えて、コントローラ618は、超音波コントローラ108と通信してもよい。例えば、微小気泡検証システム622が、容器608内の微小気泡が所望のサイズ分布に一致しないと決定することに応じて、コントローラ618は、超音波システム100に、音響場を微小気泡上に印加させ、サイズ基準を満たしていない微小気泡を破壊してもよい。代替として、コントローラ618は、ユーザへの警告信号を発生させてもよく、ユーザは、次いで、所望のサイズを有する微小気泡を単離するように、微小気泡を遠心分離および/または濾過してもよい。加えて、コントローラ618は、治療効果を最適化する、または標的における所望の治療効果を達成するように、イメージャ122、音響信号検出器122、および/または放射線デバイス628から受信された信号に基づいて、トランスデューサ102のアクティブ化および非アクティブ化を引き起こしてもよい。コントローラ618は、超音波コントローラ108と別個であってもよい、または超音波コントローラ108とともに、統合システム制御設備に組み合わせられてもよい。
【0060】
故に、本発明の種々の実施形態は、有利なこととして、コントローラ618および/またはコントローラ108が、所望の組織途絶効果を達成するように、超音波手技の間にリアルタイムで微小気泡投与および/または超音波処理を調節することを可能にするアプローチを提供する。組織途絶効果は、造影剤または他の好適なアプローチを使用して検証されてもよい。最後に、組織途絶効果が、検証された後、標的治療は、治療剤を投与する、または放射線デバイスをアクティブ化することによって実施されてもよい。
【0061】
上記に説明されるシステムは、3つのチャネルを有するが、当業者は、システムが、最終的に導入デバイス614において終端し、本発明の範囲内である異なる数のチャネルを有し得ることを理解するであろう。例えば、より少ない独立して制御される流体チャネルが、本発明において利用されてもよい。図6Bを参照すると、投与システム630は、単一のチャネル632を含んでもよく、3つの容器608、610、および612は、可動トレイ634上に設置されてもよい。チャネル632に対する容器の相対的場所を偏移させることによって、それぞれ、容器608、610、612内に保管される微小気泡、造影剤、および治療剤は、チャネル632の中に独立して別個に注入されてもよい。加えて、投与システム630は、投与に先立って微小気泡、造影剤、および/または治療剤を調製するための調製デバイス636を含んでもよい。例えば、調製デバイス636は、投与に先立って流体を所定の温度(例えば、体温)まで加熱するための加熱器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、調製デバイス636は、注入に先立って微小気泡、造影剤、および/または治療剤を混合するように容器を攪拌するための攪拌器を含む。
【0062】
加えて、各容器は、1つを上回るチャネルに流体的に結合されてもよい。図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、投与システム650は、例えば、サイズが多分散系の微小気泡をその中に有する微小気泡バイアル608に流体的に接続される、複数のチャネル652、654、656を含み、各チャネルは、異なる細孔サイズのフィルタを有する。例えば、チャネル652、654、656は、それぞれ、0.5μm、2μm、および5μmの細孔サイズを伴うフィルタ658、660、662を有してもよい。バイアル608を異なるチャネルに結合することによって、異なる最大サイズを有する微小気泡が、発生され得る。本アプローチは、標的領域101および/または非標的領域の条件(例えば、サイズまたは温度)および/または超音波に対する微小気泡応答が、治療の間に変化し、微小気泡サイズの動的調節が、非標的領域への損傷を最小限にしながら、標的領域101における最適な治療効果を維持するために所望されるときに特に有用である。一実装では、バイアル608とチャネル652-656との間の流体結合は、上記に説明されるような監視される標的/非標的条件および/または微小気泡応答に基づいて、リアルタイムで調節されることができる。
【0063】
種々の実施形態では、1つを上回る容器が、微小気泡、造影剤、および/または治療剤のそれぞれを取り扱うために利用されてもよい。例えば、図6Dを参照すると、チャネル672、674、676はそれぞれ、異なるサイズの微小気泡を有する異なる微小気泡バイアルに結合されてもよい。例えば、チャネル672、674、676は、それぞれ、微小気泡の少なくとも50%、80%、90%、または95%が、0.5μm、2μm、および5μmの半径を有する、バイアル678、680、682に結合されてもよい。作動機構616は、各バイアル内の微小気泡を対応するチャネルを通して導入デバイス614に進入するように別個に押進してもよく、それを介して、それらは、患者に投与される。代替として、各チャネルは、別個の作動機構に結合されてもよい。再び、超音波手技の間、標的および/または非標的領域の監視される条件および/または監視される微小気泡応答に基づいて、コントローラ618は、標的領域に対する撮像品質または治療効果を最適化するように、作動機構616に、所望のサイズを有する微小気泡をバイアルから患者の身体の中に投与させてもよい。例えば、非標的領域内の治療効果が、安全閾値を超える、および/または非標的領域における望ましくない微小気泡応答および/または治療効果が検出されるとき、コントローラ618は、作動機構616に、そのサイズが超音波周波数とさらに異なる共振周波数に対応する微小気泡を含有するバイアルから微小気泡を投与させてもよい。標的領域内の温度が、所望のアブレーション温度を十分に下回る状況では、コントローラ618は、作動機構616に、そのサイズが超音波周波数に近接する共振周波数に対応する微小気泡を含有するバイアルから微小気泡を投与させてもよい。
【0064】
故に、本発明の種々の実施形態は、有利なこととして、手技の性能を最大限にし、患者安全性を確実にするように、微小気泡のサイズおよび/または投与プロファイルが超音波手技に先立って検証され、超音波手技の間にリアルタイムで調節されることを可能にするアプローチを提供する。
【0065】
本明細書に説明される超音波手技は、微小気泡を使用して強化されるが、上記に説明されるシステムおよび方法はまた、他のアプローチを使用して強化される超音波手技のために実装され得ることに留意されたい。例えば、種々の液体パーフルオロカーボン剤から成るエマルションおよび/または液滴が、超音波手技を強化するために利用されてもよい。故に、本明細書に説明される投与システムは、標的領域の中にエマルション/液滴を導入するために使用されてもよく、微小気泡の種々の特性を測定および操作するためのアプローチは、エマルション/液滴の特性(例えば、サイズ、シェル組成(存在する場合)、液体コア組成等)を測定および操作するために同様に適用されてもよい。
【0066】
治療剤は、腫瘍を治療するために好適である任意の薬物を含んでもよい。例えば、神経膠芽腫(GBM)を治療するために、薬物は、例えば、ブスルファン、チオテパ、CCNU(ロムスチン)、BCNU(カルムスチン)、ACNU(ニムスチン)、テモゾロミド、メトトレキサート、トポテカン、シスプラチン、エトポシド、イリノテカン/SN-38、カルボプラチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、フォテムスチン、イホスファミド/4-ヒドロキシイホスファミド/アルドイホスファミド、ベバシズマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、ドセタキセル、シタラビン(シトシンアラビノシド、ara-C)/ara-U等のうちの1つ以上のものを含む、またはそれから成ってもよい。
【0067】
加えて、GBMを治療するために、当業者は、患者安全制約内でBBBを横断して薬物吸収を強化するように最適化される薬物およびBBB開放レジメンを選択することができる。この点で、BBBは、実際には多くの腫瘍のコアにおいてすでに途絶され、抗腫瘍薬の部分的浸透を可能にするが、BBBは、侵襲性/脱出するGBM細胞が見出され得、腫瘍再発を引き起こし得る、「腫瘍に隣接する脳」(BAT)領域の周囲で広く無傷であることが公知である。腫瘍コアおよびBAT内のより良好な薬物送達のためのBBBの克服が、本明細書に説明されるような超音波を使用して遂行されることができる。採用される薬物は、種々の毒性度およびBBBを通した種々の浸透率を有する。理想的な薬物は、規定された用量において、腫瘍に対する高細胞傷害性および非BBB浸透(その吸収および細胞傷害性効果が、BBBが途絶される領域に閉じ込められ得るように)、低神経毒性(神経系への損傷を回避するために)、および許容可能な全身毒性(例えば、ある閾値を下回る)を有する。薬物は、静脈内に、またはある場合には、腫瘍領域に近接する注入によって投与されてもよい。
【0068】
一般に、非標的組織への損傷を限定しながら、超音波治療および/または標的化薬物送達を強化するために微小気泡を利用するための機能性は、イメージャ112、超音波システム100、および/または投与システム124のコントローラ内に統合されるか、または別個の外部コントローラまたは他のコンピュータエンティティまたは複数のエンティティによって提供されるかにかかわらず、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせにおいて実装される1つ以上のモジュール内に構築されてもよい。そのような機能性は、例えば、イメージャ112を使用して入手される標的および/または非標的領域の撮像データを分析すること、経験的に、および/または撮像データを使用して超音波パラメータの最適な値を決定すること、微小気泡サイズ分布と微小気泡共振周波数との間の関係を確立すること、最適な超音波パラメータ値に基づいて、微小気泡共振周波数およびその対応する微小気泡サイズ分布を決定すること、任意の好適なアプローチを使用して微小気泡のサイズを検証させること、所望のサイズを有する微小気泡を単離するために、微小気泡を遠心分離、濾過、または別様に分画させること、サイズ基準に一致しないものを破壊する(例えば、そのキャビテーションを引き起こす)ように、超音波システム100に、音響場を微小気泡上に印加させること、検証されたサイズ分布を有する微小気泡を標的領域101に導入させること、決定された最適なパラメータ値を使用して超音波トランスデューサをアクティブ化させること、超音波手技の間に標的/非標的領域における治療効果および/または微小気泡応答を監視すること、および/または上記に説明されるような最適な超音波パラメータ値および/または微小気泡共振周波数を調節することを含んでもよい。
【0069】
加えて、超音波コントローラ108および/または投与システムコントローラ618は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせにおいて実装される1つ以上のモジュールを含んでもよい。機能が1つ以上のソフトウェアプログラムとして提供される実施形態に関して、プログラムは、PYTHON、FORTRAN、PASCAL、JAVA(登録商標)、C、C++、C#、BASIC、種々のスクリプト言語、および/またはHTML等のいくつかの高レベル言語のうちのいずれかにおいて書き込まれてもよい。加えて、ソフトウェアは、標的コンピュータ上に常駐するマイクロプロセッサを対象とするアセンブリ言語において実装されることができ、例えば、ソフトウェアは、これがIBM PCまたはPCクローン上で起動するように構成される場合、Intel 80×86アセンブリ言語において実装されてもよい。ソフトウェアは、限定ではないが、フロッピーディスク、ジャンプドライブ、ハードディスク、光学ディスク、磁気テープ、PROM、EPROM、EEPROM、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはCD-ROMを含む製造品上で具現化されてもよい。ハードウェア回路を使用する実施形態は、例えば、1つ以上のFPGA、CPLD、またはASICプロセッサを使用して実装されてもよい。
【0070】
本明細書に採用される用語および表現は、限定ではなく、説明の用語および表現として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され、説明される特徴の任意の均等物またはその一部を除外する意図は全く存在しない。加えて、本発明のある実施形態を説明したが、本明細書に開示される概念を組み込む他の実施形態も、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用され得ることが、当業者に明白となるであろう。故に、説明される実施形態は、あらゆる点で例証的にすぎず、制限的ではないと見なされるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D