(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】液体クロマトグラフィー技術
(51)【国際特許分類】
G01N 30/60 20060101AFI20231003BHJP
G01N 30/30 20060101ALI20231003BHJP
G01N 30/26 20060101ALI20231003BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20231003BHJP
B01J 20/281 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G01N30/60 Q
G01N30/30
G01N30/26 A
G01N30/32 A
B01J20/281 G
G01N30/26 H
(21)【出願番号】P 2020544403
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 US2019019209
(87)【国際公開番号】W WO2019165249
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-18
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315002287
【氏名又は名称】シルコテック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ビショフ,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】パターソン,ルーカス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】バローネ,ゲーリー
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】スミス,デビッド・エイ
【審査官】中村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-021965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00-30/96
B01J 20/281-20/292
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆金属流体接触エレメントを備える液体クロマトグラフィーシステムを用意すること、ならびに
流体を輸送して
該被覆金属流体接触エレメントに接触させること
を含む、液体クロマトグラフィー
システムを使用する方法であって、
該流体が
タンパク質含有分析物を有し、該タンパク質含有分析物が、チタンおよびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と
不相容性であり、
かつ該流体が
キレート化剤を有し、
該キレート化剤がチタン
およびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と
不相容性であり、
そして該流体が、テトラサイクリン、N-ヒドロキシピリジン-2-オン、アデノシントリホスフェート、およびデオキシヌクレオチドモノホスフェートからなる群から選択される分析物を含む、
上記方法。
【請求項2】
該被覆金属流体接触エレメントが、炭素、ケイ素、酸素、および水素を含む被覆、ならびにステンレス鋼基材を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項3】
該被覆金属流体接触エレメントが、炭素、ケイ素、酸素、水素、およびフッ素を含む被覆、ならびにステンレス鋼基材を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項4】
該被覆金属流体接触エレメントが、炭素、ケイ素、酸素、水素、および窒素を含む被覆、ならびにステンレス鋼基材を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項5】
該流体を推進する圧力が、120MPaよりも高い、請求項1に記載の
方法。
【請求項6】
該流体の温度が、400℃よりも高い、請求項1に記載の
方法。
【請求項7】
該流体のpHが、2未満である、請求項1に記載の
方法。
【請求項8】
該被覆金属流体接触エレメントが、直径2.1mm未満を有する被覆金属カラムである、請求項1に記載の
方法。
【請求項9】
該被覆金属流体接触エレメントが、長さ20cm未満を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項10】
該被覆金属流体接触エレメントを通して、
該流体を輸送するステップが、線速度少なくとも8mm毎秒である、請求項1に記載の
方法。
【請求項11】
該流体が、水、アセトニトリル、メタノール、ギ酸、リン酸、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される溶媒を含む、請求項1に記載の
方法。
【請求項12】
該液体クロマトグラフィーシステムが、
該被覆金属流体接触エレメント内に配置された固定相を含み、
該固定相が、粒径3マイクロメートル未満を有する粒子を含み、
該被覆金属流体接触エレメントが被覆金属カラムであり、該被覆金属カラムが長さ10cm~20cmを有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項13】
該液体クロマトグラフィーシステムが、
該被覆金属流体接触エレメント内に配置された固定相を含み、
該固定相が、粒径1.5マイクロメートル未満を有する粒子を含む、請求項1に記載の
方法。
【請求項14】
該被覆金属
流体接触エレメントが、生体不活性である、請求項1に記載の
方法。
【請求項15】
該被覆金属流体接触エレメントが、タンパク質スティクションに抵抗性である、請求項1に記載の
方法。
【請求項16】
該被覆金属流体接触エレメントが、厚さ少なくとも400nmを有する被覆を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項17】
該被覆金属流体接触エレメントが、厚さ1,000nm~1,600nmを有する被覆を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項18】
被覆金属カラムを備える液体クロマトグラフィーシステムを用意すること、ここで固定相が
該被覆金属カラム内に配置され、
該固定相が粒径1.5マイクロメートル未満を有する粒子を含む、
該被覆金属カラムを通して、流体を輸送すること、ここで
該流体を輸送するステップの条件が、
該流体の温度が150℃よりも高いこと、
該被覆金属カラム内で流体を推進する圧力が60MPaよりも高いこと、
該流体が、チタンおよびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と
不相容性のタンパク質含有分析物を有すること、
該流体が、チタン
およびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と
不相容性のキレート化剤を含むこと、
またはそれらの組合せを含む、
を含む、液体クロマトグラフィー
システムを使用する方法であって、
該被覆金属カラムが、炭素、ケイ素、酸素、および水素を含む被覆、ならびにステンレス鋼基材を含み、
該流体のpHが2未満であり、
該被覆金属カラムが直径2.1mm未満を有し、
該被覆金属カラムが長さ20cm未満を有し、
該被覆金属部品が厚さ少なくとも400nmを有する被覆を有し、
該被覆金属カラムを通して、
該流体を輸送することが、線速度少なくとも8mm毎秒におけるものであり、
該流体が、水、アセトニトリル、メタノール、ギ酸、リン酸、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される溶媒を含み、
該流体が、テトラサイクリン、N-ヒドロキシピリジン-2-オン、アデノシントリホスフェート、およびデオキシヌクレオチドモノホスフェートからなる群から選択される分析物を含む、
液体クロマトグラフィー
システムを使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、液体クロマトグラフィー技術を対象とする。より詳細には、本発明は、被覆金属流体接触エレメントを利用した液体クロマトグラフィー技術を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]分析機器は、常に発展している分野である。より迅速に、より小型に、より高精度にかつより正確にすることへの要求が常にある。しかし、こうした要求には、既存の材料では、物理的に可能ではないという制限が生じる。
【0003】
[0003]例えば、チタンは、高速(または高圧)液体クロマトグラフィー(HPLC)において用いられる。しかし、ある特定の条件の下、チタンは、アンモニア、塩素(湿潤および乾燥の両方)、HCl、硝化酸(硝酸および硫酸の組合せ)、リン酸、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、漂白剤、ならびに硫酸と不相容性である。チタンはまた脆くもあり、例えば、管内へそれを折り曲げる機能が制限される。また、チタンは、非常に高価であり、費用効率の良い技術には利用できないことになる。
【0004】
[0004]これに対して、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、柔軟性があり、安価である。しかし、PEEKには、多くの他の欠点がある。ある特定の条件の下、PEEKは、ベンゼンスルホン酸、塩素(湿潤および乾燥の両方)、硝酸、硫酸、石炭酸、紫外線、塩化メチレン、硫酸ジメチル、テトラヒドロフラン、および他の有機溶媒と不相容性である。PEEKはまた、用途に応じて、上限温度100℃~143℃も有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]先行技術と比較して、1つまたは複数の改善点を示す、液体クロマトグラフィーの技術、システム、および部品が、当技術分野において望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、被覆金属流体接触エレメントを備える液体クロマトグラフィーシステムを用意するステップと、および流体を輸送して被覆金属流体接触エレメントに接触させるステップとを含む。流体を輸送するステップの条件は、流体の温度が150℃よりも高いこと、流体を推進する圧力が60MPaよりも高いこと、流体が、チタンおよびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と不相容性のタンパク質含有分析物を有すること、流体が、チタンまたはポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と不相容性のキレート化剤を有すること、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0007】
[0007]別の実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、被覆金属カラム、脱ガス装置、試料、1個または複数のポンプ、および検出器を備える液体クロマトグラフィーシステムを用意するステップを含む。液体クロマトグラフィー技術は、被覆金属カラムを通して、流体を輸送するステップをさらに含み、流体を輸送するステップの条件は、流体が、チタンおよびポリエーテルエーテルケトンの一方もしくは両方と不相容性のタンパク質含有分析物を有すること、ならびに流体が、チタンまたはポリエーテルエーテルケトンの一方もしくは両方と不相容性のキレート化剤を有することの一方または両方を含む。
【0008】
[0008]別の実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、被覆金属カラムを備える液体クロマトグラフィーシステムを用意するステップであり、固定相が、被覆金属カラム内に配置され、固定相が、粒径1.5マイクロメートル未満を有する粒子を含む、用意するステップを含む。液体クロマトグラフィー技術は、被覆金属カラムを通して、流体を輸送するステップをさらに含み、流体を輸送するステップの条件は、流体の温度が150℃よりも高いこと、被覆金属カラム内で流体を推進する圧力が60MPaよりも高いこと、流体が、チタンおよびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と不相容性のタンパク質含有分析物を有すること、流体が、チタンまたはポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と不相容性のキレート化剤を有すること、ならびにそれらの組合せを含む。被覆金属カラムは、炭素、ケイ素、酸素、および水素を含む被覆、ならびにステンレス鋼基材を有し、流体のpHは2未満であり、被覆金属カラムは直径2.1mm未満を有し、被覆金属カラムは長さ20cm未満を有し、被覆金属部品は、厚さ少なくとも400nmを有する被覆を有する。被覆金属カラムを通して、流体を輸送するステップは、線速度少なくとも8mm毎秒である。流体は、水、アセトニトリル、メタノール、ギ酸、リン酸、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される溶媒を含む。流体は、テトラサイクリン、N-ヒドロキシピリジン-2-オン、アデノシントリホスフェート、およびデオキシヌクレオチドモノホスフェートからなる群から選択される分析物を含む。
【0009】
[0009]本発明の他の特徴および利点は、例示によって、本発明の原理を説明する、添付の図面と併せて、以下のより詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]本開示に記載の液体クロマトグラフィー技術の一実施形態を実施するための液体クロマトグラフィーシステムの概略図である。
【
図2】[0011]本開示に記載の液体クロマトグラフィー技術の一実施形態を実施することが可能な液体クロマトグラフィーシステム用カラムの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0012]可能な限り、図面全体を通して、同じ部分を示すために同じ参照番号が使用される。
[0013]液体クロマトグラフィーの技術、システム、および部品が提供される。本開示の実施形態は、例えば、本明細書で開示された特徴の1つまたは複数を含むことができない構想と比較して、液体クロマトグラフィーの可能性を拡張し、液体クロマトグラフィーの精度を増大することを可能にし、液体クロマトグラフィーの正確性を増大することを可能にし、液体クロマトグラフィーで用いられるカラムの大きさを減らすことを可能にし、液体クロマトグラフィーの分析時間を短縮することを可能にし、液体クロマトグラフィーの生体不活性および/またはタンパク質反スティクションの操作を可能にし、ある特定の条件の下、チタンと不相容性の流体(例えば、アンモニア、塩素(湿潤および乾燥の両方)、HCl、硝化酸(硝酸および硫酸の組合せ)、リン酸、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、漂白剤、ならびに硫酸)との操作を可能にし、ポリエーテルエーテルケトンと不相容性の流体(例えば、ベンゼンスルホン酸、塩素(湿潤および乾燥の両方)、硝酸、硫酸、石炭酸、紫外線、塩化メチレン、硫酸ジメチル、テトラヒドロフラン、および他の有機溶媒)との操作を可能にし、より高圧で液体クロマトグラフィーを実施することを可能にし、より高温で液体クロマトグラフィーを実施することを可能にし、固定相においてより小さな粒子を用いて液体クロマトグラフィーを実施することを可能にし、より小さな、直径および/もしくは長さのカラムを用いて液体クロマトグラフィーを実施することを可能にし、またはそれらの組合せを可能にする。
【0012】
[0014]
図1を参照すると、液体クロマトグラフィーシステム100を利用した液体クロマトグラフィー技術が開示される。当業者によって、液体クロマトグラフィー技術は、液体クロマトグラフィーシステム100の任意の好適な構成で使用することができると認識される。こうした好適な構成には、それに限定されないが、高速(または高圧)液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速(または超高圧)液体クロマトグラフィー(UHPLC)、分配HPLCまたは分配UHPLC、順相クロマトグラフィー、置換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0013】
[0015]
図1を参照すると、例示的なシステム100は、溶媒リザーバー101、溶媒脱ガス装置102、グラジエントバルブ103、移動相を送出するための混合容器104、高圧ポンプ105、注入位置または装填位置における切り替えバルブ106、試料注入ループ107、予備カラム部分108、被覆金属カラム109、検出器110(例えば、赤外線検出器または紫外線検出器)、データ収集システム111(例えば、コンピューター)、および廃棄物または分画の収集装置112を備える。システム100が、被覆金属カラム109などの被覆金属流体接触エレメント、または流体、例えば、移動相、溶媒、分析物、またはそれらの組合せに接触させる、システム100の任意の他の部品を備える限り、任意の追加の、または代替の部品を使用することができる。追加的に、または代替的に、他の部品、例えば、フリット、取り付け具、揚程、バルブ、管、容器、またはそれらの組合せを、同様に被覆することができる。
【0014】
[0016]
図2を参照すると、一実施形態において、被覆金属カラム109は、粒子205またはビーズを含有する。粒子205は、液体クロマトグラフィー技術の間に固定相として機能する。粒子205は、10マイクロメートル未満、6マイクロメートル未満、5マイクロメートル未満、3マイクロメートル未満、2マイクロメートル未満、1.7マイクロメートル未満、1.5マイクロメートル未満、1マイクロメートル~10マイクロメートル、1マイクロメートル~5マイクロメートル、1マイクロメートル~3マイクロメートル、1マイクロメートル~2マイクロメートル、0.67マイクロメートル、0.67マイクロメートル未満、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲である、粒径(例えば、直径および/または幅)を有する。一実施形態において、粒子205は、疎水性および/または多孔質である。被覆金属カラム109上の被覆203により、液体クロマトグラフィー技術の間に、こうした寸法および特徴を有する粒子205を使用することができる。被覆203の好適な厚さには、それに限定されないが、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも200nm、少なくとも300nm、少なくとも400nm、少なくとも600nm、少なくとも800nm、少なくとも1,000nm、少なくとも1,200nm、50nm~1,600nm、400nm~1,600nm、1,000nm~1,600nm、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0015】
[0017]被覆金属カラム109の好適な長さには、それに限定されないが、10cm~20cm、10cm~50cm、15cm、10cm超、14cm超、20cm未満、16cm未満、10cm~400cm、10cm~100cm、100cm超、250cm超、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0016】
[0018]被覆金属カラムの109の好適な直径(または幅)には、それに限定されないが、2.1mm未満、1.7cm未満、1.5cm未満、0.3mm未満、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0017】
[0019]被覆金属カラム109は、基材201および被覆203を含む。基材201は、金属材料、例えば、ステンレス鋼である。好適なステンレス鋼には、304ステンレス鋼および316ステンレス鋼が含まれる。液体クロマトグラフィー技術の操作条件に適合した、任意の他の金属材料が好適である。好適な金属材料には、それに限定されないが、鉄系合金、非鉄系合金、ニッケル系合金、ステンレス鋼(マルテンサイトまたはオーステナイト)、アルミニウム合金、複合金属、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0018】
[0020]一実施形態において、金属材料は、重量で、炭素0.08%以下、クロム18%~20%、マンガン2%以下、ニッケル8%~10.5%、リン0.045%以下、硫黄0.03%以下、ケイ素1%以下、および残りが鉄(例えば、鉄66%~74%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0019】
[0021]一実施形態において、金属材料は、重量で、炭素0.08%以下、マンガン2%以下、リン0.045%以下、硫黄0.03%以下、ケイ素0.75%以下、クロム16%~18%、ニッケル10%~14%、モリブデン2%~3%、窒素0.1%以下、および残りが鉄の組成物であるか、またはそれを含む。
【0020】
[0022]一実施形態において、金属材料は、重量で、炭素0.03%以下、マンガン2%以下、リン0.045%以下、硫黄0.03%以下、ケイ素0.75%以下、クロム16%~18%、ニッケル10%~14%、モリブデン2%~3%、窒素0.1%以下、および残りが鉄の組成物であるか、またはそれを含む。
【0021】
[0023]一実施形態において、金属材料は、重量で、クロム14%~17%、鉄6%~10%、マンガン0.5%~1.5%、銅0.1%~1%、ケイ素0.1%~1%、炭素0.01%~0.2%、硫黄0.001%~0.2%、および残りがニッケル(例えば、72%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0022】
[0024]一実施形態において、金属材料は、重量で、クロム20%~24%、鉄1%~5%、モリブデン8%~10%、コバルト10%~15%、マンガン0.1%~1%、銅0.1%~1%、アルミニウム0.8%~1.5%、チタン0.1%~1%、ケイ素0.1%~1%、炭素0.01%~0.2%、硫黄0.001%~0.2%、リン0.001%~0.2%、ホウ素0.001%~0.2%、および残りがニッケル(例えば、44.2%~56%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0023】
[0025]一実施形態において、金属材料は、重量で、クロム20%~23%、鉄4%~6%、モリブデン8%~10%、ニオブ3%~4.5%、コバルト0.5%~1.5%、マンガン0.1%~1%、アルミニウム0.1%~1%、チタン0.1%~1%、ケイ素0.1%~1%、炭素0.01%~0.5%、硫黄0.001%~0.02%、リン0.001%~0.02%、および残りがニッケル(例えば、58%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0024】
[0026]一実施形態において、金属材料は、重量で、クロム25%~35%、鉄8%~10%、マンガン0.2%~0.5%、銅0.005%~0.02%、アルミニウム0.01%~0.03%、ケイ素0.3%~0.4%、炭素0.005%~0.03%、硫黄0.001%~0.005%、および残りがニッケル(例えば、59.5%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0025】
[0027]一実施形態において、金属材料は、重量で、クロム17%~21%、鉄2.8%~3.3%、ニオブ4.75%~5.5%、コバルト0.5%~1.5%、マンガン0.1%~0.5%、銅0.2%~0.8%、アルミニウム0.65%~1.15%、チタン0.2%~0.4%、ケイ素0.3%~0.4%、炭素0.01%~1%、硫黄0.001~0.02%、リン0.001~0.02%、ホウ素0.001~0.02%、および残りがニッケル(例えば、50%~55%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0026】
[0028]一実施形態において、金属材料は、重量で、コバルト2%~3%、クロム15%~17%、モリブデン5%~17%、タングステン3%~5%、鉄4%~6%、ケイ素0.5%~1%、マンガン0.5%~1.5%、炭素0.005~0.02%、バナジウム0.3%~0.4%、および残りがニッケルの組成物であるか、またはそれを含む。
【0027】
[0029]一実施形態において、金属材料は、重量で、炭素0.15%以下、タングステン3.5%~5.5%、鉄4.5%~7%、クロム15.5%~17.5%、モリブデン16%~18%、バナジウム0.2%~0.4%、マンガン1%以下、硫黄1%以下、ケイ素1%以下、リン0.04%以下、硫黄0.03%以下、および残りがニッケルの組成物であるか、またはそれを含む。
【0028】
[0030]一実施形態において、金属材料は、重量で、コバルト2.5%以下、クロム22%以下、モリブデン13%以下、タングステン3%以下、鉄3%以下、ケイ素0.08%以下、マンガン0.5%以下、炭素0.01%以下、バナジウム0.35%以下、および残りがニッケル(例えば、56%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0029】
[0031]一実施形態において、金属材料は、重量で、コバルト1%~2%、クロム20%~22%、モリブデン8%~10%、タングステン0.1%~1%、鉄17%~20%、ケイ素0.1%~1%、マンガン0.1%~1%、炭素0.05~0.2%、および残りがニッケルの組成物であるか、またはそれを含む。
【0030】
[0032]一実施形態において、金属材料は、重量で、ホウ素0.01%~0.05%、クロム0.01%~0.1%、銅0.003%~0.35%、ガリウム0.005%~0.03%、鉄0.006%~0.8%、マグネシウム0.006%~0.3%、ケイ素+鉄0.02%~1%、ケイ素0.006%~0.35%、チタン0.002%~0.2%、バナジウム+チタン0.01%~0.03%、バナジウム0.005%~0.05%、亜鉛0.006%~0.1%、および残りがアルミニウム(例えば、99%超)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0031】
[0033]一実施形態において、金属材料は、重量で、クロム0.05%~0.4%、銅0.03%~0.9%、鉄0.05%~1%、マグネシウム0.05%~1.5%、マンガン0.5%~1.8%、ニッケル0.5%~0.1%、チタン0.03%~0.35%、バナジウム0.5%以下、亜鉛0.04%~1.3%、および残りがアルミニウム(例えば、94.3%~99.8%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0032】
[0034]一実施形態において、金属材料は、重量で、ベリリウム0.0003%~0.07%、ビスマス0.02%~2%、クロム0.01%~0.25%、銅0.03%~5%、鉄0.09%~5.4%、マグネシウム0.01%~2%、マンガン0.03%~1.5%、ニッケル0.15%~2.2%、ケイ素0.6%~21.5%、チタン0.005%~0.2%、亜鉛0.05%~10.7%、および残りがアルミニウム(例えば、70.7%~98.7%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0033】
[0035]一実施形態において、金属材料は、重量で、ビスマス0.15%~1.5%、ホウ素0.003%~0.06%、クロム0.03%~0.4%、銅0.01%~1.2%、クロム+マンガン0.12%~0.5%、鉄0.04%~1%、鉛0.003%~2%、マグネシウム0.2%~3%、マンガン0.02%~1.4%、ニッケル0.05%~0.2%、酸素0.5%~0.5%、ケイ素0.2%~1.8%、ストロンチウム0.05%以下、スズ0.05%~2%、チタン0.01%~0.25%、バナジウム0.05%~0.3%、亜鉛0.03%~2.4%、ジルコニウム0.05%~0.2%、ジルコニウム+チタン0.150~0.2%、および残りがアルミニウム(例えば、91.7%~99.6%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0034】
[0036]一実施形態において、金属材料は、重量で、ケイ素0.4%~0.8%、鉄0.7%以下、銅0.15%~0.4%、マンガン0.15%以下、マグネシウム0.8%~1.2%、クロム0.04%~0.35%、亜鉛0.25%以下、チタン0.15%以下、任意の、偶発的な不純物(例えば、それぞれ0.05%未満、合わせて0.15%未満)、および残りがアルミニウム(例えば、95%~98.6%)の組成物であるか、またはそれを含む。
【0035】
[0037]一実施形態において、金属材料は、重量で、ケイ素11%~13%、不純物/残留分0.6%以下、および残りがアルミニウムの組成物であるか、またはそれを含む。
[0038]被覆203は、蒸着、分解、機能化、酸化の1種もしくは複数、またはそれらの組合せを含む。一実施形態において、被覆203は、炭素、ケイ素、酸素、および水素を含む。追加の、または代替の実施形態において、被覆203の他の構成成分には、それに限定されないが、フッ素、窒素、前駆材料からの分解物質、前駆材料からの機能化、またはそれらの組合せが含まれる。好適な前駆材料には、それに限定されないが、シラン、シランおよびエチレン、シランおよび酸化剤、ジメチルシラン、ジメチルシランおよび酸化剤、トリメチルシラン、トリメチルシランおよび酸化剤、ジアルキルシリルジヒドリド、アルキルシリルトリヒドリド、非自然発火性種(例えば、ジアルキルシリルジヒドリドおよび/またはアルキルシリルトリヒドリド)、加熱反応性物質(例えば、カルボシランおよび/またはカルボキシシラン、例えば、非晶質カルボシランおよび/または非晶質カルボキシシラン)、カルボシリルの再結合可能な種(ジシリル断片またはトリシリル断片)、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、アンモニア、ヒドラジン、トリシリルアミン、ビス(第三級ブチルアミノ)シラン、1,2-ビス(ジメチルアミノ)テトラメチルジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン)、オルガノフルオロトリアルコキシシラン、オルガノフルオロシリルヒドリド、オルガノフルオロシリル、フッ素化アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、フルオロシラン、トリデカフルオロ1,1,2,2-テトラヒドロオクチルシラン、(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-オクチル)シラン、(パーフルオロヘキシルエチル)トリエトキシシラン、(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシル)トリメトキシシラン、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0036】
[0039]液体クロマトグラフィー技術は、被覆金属カラム109を通して、例えば、液体クロマトグラフィー技術の固定相として機能する粒子205を通過して、輸送される流体を含む。流体は、移動相、1種もしくは複数の溶媒、1種もしくは複数の分析物、またはそれらの組合せであるか、またはそれらを含む。好適な流体種には、それに限定されないが、チタンおよびポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と不相容性のタンパク質含有分析物、ならびにチタンまたはポリエーテルエーテルケトンの一方または両方と不相容性のキレート化剤が含まれる。液体クロマトグラフィー技術内で使用することができる特異な溶媒には、それに限定されないが、水、アセトニトリル、メタノール、ギ酸、リン酸、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せが挙げられる。液体クロマトグラフィー技術内で使用することができる特異な分析物には、それに限定されないが、テトラサイクリン、N-ヒドロキシピリジン-2-オン、アデノシントリホスフェート、およびデオキシヌクレオチドモノホスフェートが挙げられる。
【0037】
[0040]一実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、液体クロマトグラフィー技術の他の操作パラメーターと併用して、流体が、例えば、ポリエーテルエーテルケトンおよび/またはチタンには適さない温度であることを含む。こうした温度には、それに限定されないが、100℃~200℃、200℃~300℃、300℃~400℃、400℃~450℃、150℃超、200℃超、250℃超、300℃超、350℃超、400℃超、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0038】
[0041]一実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、液体クロマトグラフィー技術の他の操作パラメーターと併用して、流体が、例えば、ポリエーテルエーテルケトンおよび/またはチタンには適さない圧力で促されることを含む。こうした圧力には、それに限定されないが、10MPa~150MPa、30MPa~150MPa、50MPa~100MPa、100MPa~150MPa、100MPa~200MPa、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0039】
[0042]一実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、液体クロマトグラフィー技術の他の操作パラメーターと併用して、流体が、例えば、ポリエーテルエーテルケトンおよび/またはチタンには適さないpH値であることを含む。こうしたpH値には、それに限定されないが、3未満、2未満、1未満、9超、10超、12超、0~3、9~14、0~14、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0040】
[0043]一実施形態において、液体クロマトグラフィー技術は、液体クロマトグラフィー技術の他の操作パラメーターと併用して、流体が、例えば、ポリエーテルエーテルケトンおよび/またはチタンには適さない線速度で輸送されることを含む。こうした線速度には、それに限定されないが、1~9mm毎秒、3~9mm毎秒、少なくとも3mm毎秒、少なくとも8mm毎秒、または任意の好適な組合せ、サブコンビネーション、範囲、もしくはその部分的な範囲が含まれる。
【0041】
[0044]本発明は、1つまたは複数の実施形態を参照して説明されたが、当業者によって、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、本発明の要素を均等物で置き換えることができると理解される。さらに、多くの修正を加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲の範囲内にある、全ての実施形態を含むことが意図される。さらに、詳細な説明で特定された全ての数値は、精密な値および近似値が共に明確に特定されるように解釈するものとする。