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  • 特許-調整方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】調整方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/24 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
B22F3/24 101Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020552311
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2019055024
(87)【国際公開番号】W WO2019185286
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】102018107637.1
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513121993
【氏名又は名称】ドアスト テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dorst Technologies GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Mittenwalder Str. 61, D-82431 Kochel am See, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ミュラー
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-025904(JP,A)
【文献】特開平04-094900(JP,A)
【文献】特開平06-055297(JP,A)
【文献】特開平05-255708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00- 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結されたプレス部品を調整する方法であって、
それぞれの前記プレス部品の、前記調整の前に測定された少なくとも1つの固有のプレス部品パラメータに依存し、かつ、それぞれの前記プレス部品の先行するプレスステップおよび/または焼結ステップの少なくとも1つの製造パラメータに依存して、それぞれ個別のプレス部品の調整プロセスを制御し、
製造パラメータは、プレス位置および/またはプレス力である、
方法。
【請求項2】
前記プレス部品の重量および/または密度および/または幾何学寸法および/または体積および/または密度に依存して、それぞれ個別のプレス部品の前記調整を制御する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
先行する(粉末)プレスプロセスのプレス位置および/またはプレス力に依存して、それぞれ個別のプレス部品の前記調整を制御する、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記調整フローの前記制御には、前記調整の際のプレス力および/またはプレス位置の制御が含まれる、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
調整・プレス装置(12)は、複数のプレス部品の前記調整中にストップされず、かつ/または、調整・プレス装置(12)は、個別のプレス部品の調整中に停止されない、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
調整されたプレス部品を製造する方法であって、前記方法は、
出発材料をプレスしてプレス部品にするステップと、
前記プレス部品を焼結するステップと、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法にしたがい、焼結された前記プレス部品を調整するステップと、
を有する方法。
【請求項7】
請求項1から5までのいずれか1項にしたがって、焼結されたプレス部品の調整を制御する制御装置(13)であって、
それぞれの前記プレス部品の、前記調整の前に測定された、少なくとも1つの固有のプレス部品パラメータに依存して、かつ/または、それぞれの前記プレス部品の先行するプレスステップおよび/または焼結ステップの、少なくとも1つの製造パラメータに依存して、それぞれ個別のプレス部品の調整プロセスを制御するように前記制御装置(13)が構成されている、
制御装置(13)。
【請求項8】
前記プレス部品の重量および/または幾何学寸法および/または体積および/または密度を特定する少なくとも1つの装置(16)を有する、
請求項7記載の制御装置(13)。
【請求項9】
先行するプレスプロセスのプレス位置および/またはプレス力を検出する少なくとも1つの装置(15)を有する、
請求項7または8記載の制御装置(13)。
【請求項10】
前記制御装置(13)は、前記調整の際にプレス力および/またはプレス位置を制御するように構成されている、
請求項7から9までのいずれか1項記載の制御装置(13)。
【請求項11】
請求項7から10までのいずれか1項記載の制御装置(13)を有する、
調整・プレス装置(12)。
【請求項12】
調整された焼結されたプレス部品を製造するシステムであって、前記システムは、
出発材料をプレスしてプレス部品にするプレス装置(10)と、
前記プレス部品を焼結する焼結装置(11)と、
請求項11記載の調整・プレス装置(12)と、
を有するシステム。
【請求項13】
前記出発材料をプレスする際にプレス力および/またはプレス位置を特定する少なくとも1つの装置(14)を有する、
請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記幾何学寸法は、前記プレス部品の高さである、
請求項2記載の方法。
【請求項15】
前記プレス部品の前記高さは、プレス部品高さおよび/またはセグメント高さである、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記出発材料は粉体である、
請求項6記載の方法。
【請求項17】
前記調整の際に前記プレス力に依存して前記プレス位置を制御する、
請求項4記載の方法。
【請求項18】
前記調整の際に前記プレス位置に依存して前記プレス力を制御する、
請求項4記載の方法。
【請求項19】
前記調整は、少なくとも10個または少なくとも100個または少なくとも1000個のプレス部品を調整することを含み、前記調整は、30秒未満の時間である、
請求項5記載の方法。
【請求項20】
前記調整は、10秒未満の時間である、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記調整後、後続のプレス部品の調整を継続的に最適化するために、少なくとも1つの調整・プレス部品パラメータが検出される、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記最適化は、前記少なくとも1つの調整・プレス部品パラメータと、少なくとも1つの調整前のプレス部品パラメータおよび/または後続のプレス部品の少なくとも1つの製造パラメータとに基づいて実行される、
請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記調整・プレス部品パラメータは、前記プレス部品の重量および/または密度および/または幾何学寸法および/または体積、および/または密度である、
請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記幾何学寸法は、前記プレス部品の高さである、
請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記プレス部品の前記高さは、プレス部品高さおよび/または前記プレス部品のセグメント高さである、
請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記幾何学寸法は、前記プレス部品の高さである、
請求項8、または請求項8を引用する請求項9または10記載の制御装置。
【請求項27】
前記プレス部品の前記高さは、プレス部品高さおよび/またはセグメント高さである、
請求項26記載の制御装置。
【請求項28】
前記出発材料は粉体である、
請求項12または13記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に焼結されたプレス部品を調整する方法と、調整されたプレス部品を製造する方法と、特に焼結されたプレス部品の調整を制御する制御装置と、調整・プレス装置と、調整され、特に焼結されたプレス部品を製造するシステムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
調整とは、プレス部品の寸法安定性および/または表面品質を改善するために、かつ/または密度を増大させるために、特に(別のプレスプロセスによって)焼結されたプレス部品を再圧縮および再成形することであると理解される。現在公知の調整プレスでは、一般に、必要に応じて圧縮がストップされて手動の変更が行われるまで、定められた調整フローが変更されることなく実行される。
【0003】
独国特許発明第102010009800号明細書には、構成部品の高精度調整が記載されている。独国特許出願公開第102015201966号明細書には、粉末プレスを制御する方法が記載されている。欧州特許第1964664号明細書には、ポンチストロークの自動的な制御および補正が記載されている。このために、製造された鋳型の寸法が検出される。独国特許出願公開第10301224号明細書には、正確な寸法を有する成形体に対するそれぞれのプレスの最終位置を制御する液圧式の調整プレスまたは粉末プレスについての方法が記載されている。プレスプロセス中、特徴的なプレス値(例えばプレスポンチの位置)が、別の特徴的なプレス値(例えばプレス力)に依存して測定され、すでに前進させられてプレス位置にあるポンチの最終位置が、測定値に依存して補正される。これにより、例えば調整プロセスにおけるプレス部品の目標厚さを高い精度で設定可能である。しかしながら独国特許出願公開第10301224号明細書による方法は、全体として比較的繁雑であると思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、調整の後には、プレス部品の可能な限りに小さい製造許容差を容易に維持することができる、特に焼結されたプレス部品を調整する方法を提案することである。
【0005】
本発明の課題はさらに、調整されたプレス部品を製造する、対応する方法と、特に焼結されたプレス部品の調整を制御する、対応する制御装置と、対応する調整・プレス装置と、調整された、特に焼結されたプレス部品を製造する、対応するシステムと、を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特に、上記の課題は、(好適には焼結された)プレス部品を調整する方法によって解決され、ここでは、それぞれのプレス部品の、調整の前に測定された少なくとも1つの固有のプレス部品パラメータに依存し、かつ/またはそれぞれのプレス部品の先行するプレスステップおよび/または焼結ステップの少なくとも1つの製造パラメータに依存して、それぞれ個別のプレス部品の調整プロセスを開ループ制御(場合によっては閉ループ制御)する。
【0007】
本発明の核心を成す着想は、それぞれ個別のプレス部品の調整の前に、固有のプレス部品パラメータを測定し、かつ/またはそれぞれ個別のプレス部品の先行するプレスステップおよび/または焼結ステップの製造パラメータを検出し、測定した/検出した値に依存して、それぞれ個別のプレス部品の調整プロセスを開ループ制御する(特に閉ループ制御する)ことにある。
【0008】
すなわち、従来技術とは異なり、特に、先行するプロセスステップ(プレス、特に粉末プレスもしくは焼結)のパラメータおよび(択一的または付加的に)個別のプレス部品のプレス部品固有の、調整前の特性(例えば幾何学的寸法、重量および/または密度自体)を調整の際に考慮する。(少なくとも1つの択一的な実施形態において)それぞれのプレス部品の固有のプレス部品パラメータ自体を考慮することにより、(特に、プレス部品の調整の際に、プレス力およびプレス位置を調整することにより、さまざまなプレス部品の厚さを均すことが試みられる、独国特許出願公開第10301224号明細書と比較して)比較的に容易な方法が実現される。
【0009】
特にここでは、調整の試みを実行した際に、調整の前に、検査された複数のプレス部品がほぼ同一の幾何学的特性を有していた場合にも、調整の後、プレス部品重量とプレス部品高さとの間に一意的な関係を確認することができた。さらに識別されたのは、それぞれ(個別の)プレス部品について、1つ以上の固有パラメータ(例えば、プレス部品高さ、プレス部品幅、サジッタ、重量、密度、(粉末)プレスの際のプレス力および/または(粉末)プレスの際のプレス位置)が、調整の前に既知であり、また調整フローにおいて、ならびに結果的に得られる調整位置において、対応して考慮される場合、プレス部品固有のパラメータもしくは先行したプレスステップに適合された調整フロー(特にプレス部品固有の力/位置閉ループ制御)により、調整の後、格段に幅の小さいプレス部品許容誤差が維持できたことである。
【0010】
プレス部品高さとは、特に、(調整に先行するプレスステップ中の)軸線方向もしくはプレス方向におけるプレス部品(全体)の長さのことであると理解される。サジッタとは、特に、(調整に先行するプレスステップ中の)軸線方向もしくはプレス方向におけるプレス部品の扇形の高さのことであると理解される。プレス部品幅とは、特に、(調整に先行するプレスステップ中の)プレス方向に対して垂直方向の、プレス部品の半径方向の断面の、もしくはプレス部品の横断面の(最大の)長さのことであると理解される。
【0011】
それぞれ個別のプレス部品の調整は、好適には、(前に測定した)プレス部品に固有のパラメータに依存して、特に、(1つもしくは複数のそれぞれの固有のプレス部品パラメータとしての)プレス部品の重量および/または幾何学寸法、好適には高さ、特にプレス部品高さおよび/またはサジッタ、および/または体積、および/または密度に依存して行われる。特に、プレス部品の重量および/または密度に依存して開ループ制御(閉ループ制御)を行う際には、プレス部品高さは、わずかな製造許容差で実現可能である。
【0012】
一般に、それぞれのプレス部品の固有のプレス部品パラメータとは、プレス部品に固有の、すなわちその構造的・物質的な特徴を定めるパラメータのことであると理解される。これに対し、製造パラメータとは、それぞれのプレス部品に固有ではないが、特に、それぞれのプレス部品の(調整ステップに)先行する製造ステップ、好適には(粉末)プレスステップおよび/または焼結ステップにより、それぞれのプレス部品に関連付けられているパラメータのことであると理解される。この点において、異なるものが別に挙げられないか、または異なるものが上記の関連から得られない限り、製造パラメータとは、「プレスパラメータおよび/または焼結パラメータ」のことであると理解される。
【0013】
好ましい択一的な一実施形態では、(製造パラメータとしての)先行する(粉末)プレスプロセスの(前に特定もしくは伝送された)(プレス経路の)プレス位置および/またはプレス力に依存して、それぞれ個別のプレス部品の調整を開ループ制御(もしくは閉ループ制御)する。プレス位置もしくはプレス力は、調整されたプレス部品を製造する方法の中で特定され、特に測定されるか、もしくは調整方法自体の中で相応に、入力として供給される(伝送される)ことが可能である。
【0014】
プレス位置(プレス経路)とは、好適には、それぞれのプレスポンチの位置(経路)、例えば、最終位置のことである理解される(このプレスポンチは、調整もしくは先行する(粉末)プレスに使用される)。プレス力とは、好適には、(調整もしくは先行する(粉末)プレスに使用される)それぞれのプレスポンチにより、プレス時に使用される力のことであると理解される。
【0015】
調整フローの開ループ制御(閉ループ制御)には、好適には、調整の際の力および/または(経路もしくはポンチ経路の)位置の開ループ制御(閉ループ制御)が含まれる。この実施形態によれば、調整の際、プレス力は、プレス位置に(間接的に)依存せず(もしくはこの逆)、前に特定したプレス部品パラメータおよび/または製造パラメータに依存して設定される。しかしながら、場合によっては、調整中のプレス位置に依存して、調整中のプレス力を付加的に開ループ制御(閉ループ制御)することも可能である。
【0016】
調整プレスは、好適には、複数のプレス部品の調整中にストップされない(すなわちこの調整プレスは、特に、連続的もしくは相次ぐ個別の、特に焼結したプレス部品が、調整プレスに配置されて、次に上で説明した方法にしたがって調整される連続的なプロセスである)。ストップとは、特に、(個別のプレス部品の)個別の調整プロセスの終了後に、調整プレスを停止することと理解される(これは、例えば従来技術において、調整設定を手動で変更できるようにするために行われる)。
【0017】
調整・プレス装置は、好適には、個別のプレス部品の調整中に停止されない(すなわち、調整・プレスの際、個別のプレス部品のプレス中、ポンチ速度は(ポンチ最終位置に到達するまで)つねに0より大である)。これにより、簡単であるが正確な調整を行うことが可能である。
【0018】
上記の調整方法には、(焼結された)複数のプレス部品の調整、例えば少なくとも10個、または少なくとも100個または少なくとも1000個のプレス部品が含まれていてよく、複数のプレス部品の個別のプレス部品の個別の調整プロセスには、好適に30秒より、さらに好適に10秒よりも短い時間がかかる。
【0019】
上述の課題はさらに、特に、調整されたプレス部品を製造する方法によって解決され、この方法は以下のステップ、すなわち、
・出発材料、特に粉末をプレスしてプレス部品にするステップと、
・好適にはプレス部品を焼結するステップと、
・上記の方法にしたがい、(焼結された)プレス部品を調整するステップと、を有する。
【0020】
上述の課題はさらに、特に、好適には上で説明した方法にしたがって、(好適には焼結された)プレス部品の調整を開ループ制御(特に閉ループ制御)する制御装置によって解決され、ここでは、それぞれのプレス部品の、調整の前に測定された、少なくとも1つの固有のプレス部品パラメータに依存して、かつ/またはそれぞれのプレス部品の先行するプレスステップおよび/または焼結ステップの、少なくとも1つの製造パラメータに依存して、それぞれ個別のプレス部品の調整プロセスを開ループ制御(特に閉ループ制御)するように制御装置が構成されている。
【0021】
この制御装置は、好適には、(1つまたは複数の固有のプレス部品パラメータとして)プレス部品の重量および/または密度および/または幾何学寸法、特に高さ、好適にはプレス部品高さおよび/またはサジッタ、および/または体積を特定する(特に1つ以上のセンサを含む)少なくとも1つの装置が含まれている。
【0022】
この制御装置は、(製造パラメータとして)先行する(粉末)プレスプロセスのプレス位置および/またはプレス力を検出する少なくとも1つの装置を含んでいてよい。
【0023】
さらにこの制御装置は、調整の際に(ポンチの)プレス力および/またはプレス位置を開ループ制御する(閉ループ制御する)ように構成されていてよい。
【0024】
上述の課題はさらに、特に、上記の制御装置を有する調整・プレス装置によって解決される。
【0025】
上述の課題はさらに、特に、調整された(焼結された)プレス部品を製造するシステムによって解決され、このシステムは、
・出発材料、特に粉末をプレスしてプレス部品にするプレス装置と、
・好適には、プレス部品を焼結する焼結装置と、
・上述のタイプの調整・プレス装置と、を有する。
【0026】
好適には、上記のシステムは、出発材料(粉末)をプレスする際にプレス力および/またはプレス位置を特定(測定)する少なくとも1つの装置を有する。
【0027】
複数の実施形態では、(それぞれのプレス部品の)調整の後、少なくとも1つの調整・プレス部品パラメータ、例えば、プレス部品の重量および/または密度および/または幾何学寸法、特に高さ、好適にはプレス部品高さおよび/またはサジッタ、および/または体積を検出可能である。この少なくとも1つの調整・プレス部品パラメータは、(特に、後続のプレス部品の、調整の前に測定された少なくとも1つのプレス部品パラメータ、および/または後続のプレス部品の、少なくとも1つの製造パラメータとの組み合わせにおいて)、後続のプレス部品の調整を連続的に最適化(再調整)するために使用可能である。
【0028】
別の複数の実施形態は、従属請求項から得られる。
【0029】
以下では、図に基づいて詳しく説明される複数の実施例に基づき、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】調整され、焼結されたプレス部品を製造するシステムの概略図である。
図2】本発明による調整方法を説明する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明では、同じ部分および同じ作用の部分には同じ参照符号が使用されている。
【0032】
図1には、調整され、焼結されたプレス部品を製造する、本発明によるシステムの概略図が示されている。
【0033】
このシステムには、粉末プレス装置10と、焼結装置11と、調整・プレス装置12と、制御装置13と、が含まれている。
【0034】
粉末プレス装置10では、出発材料(粉末)からプレス部品が製造される。
【0035】
粉末プレス装置10には、特に、(ポンチ経路の)プレス位置および/またはプレス力を特定(測定)する装置14を設けることができる。例えば、(全体)ポンチ経路および/または(プレスの前の)ポンチの出発位置および/またはポンチの最終位置が特定可能である。場合によっては、時間に依存して(特に連続的に)ポンチ位置を測定することも可能である。択一的または付加的には、例えば、プレス中に、時間に依存してポンチ力を測定可能である。この際には、特にプレス力に対するプレス位置(および/またはこの逆)の依存性も特定可能である。
【0036】
この場合、対応する製造パラメータ(特にプレス位置および/またはプレス力)は、制御装置13に伝送可能である。このために制御装置13は、特に、粉末プレス装置10のプレス位置および/またはプレス力を特定するための装置14の1つ以上の製造パラメータを記録する(検出する)装置15を有する。
【0037】
さらに、選択的には、制御装置13もしくは製造パラメータを記録するその装置15により、焼結装置11のパラメータ(例えば焼結温度もしくは焼結温度経過)を記録する(検出する)ことが可能である。制御装置13はさらに、少なくとも1つのプレス部品パラメータ(例えば、重量および/または密度および/または幾何学寸法、特に高さ、好適にはプレス部品高さおよび/またはプレス部品幅および/またはサジッタおよび/または体積)を特定する装置16を有する。プレス部品パラメータを特定する装置16は、制御装置13の組み込み構成部分であってよいか、またはこれに接続されていてよい(これにより、装置16と制御装置13とは通信可能である)。
【0038】
粉末プレス装置10(もしくは少なくとも1つの製造パラメータを特定するその装置14)および/または焼結装置11から伝送される製造パラメータ、および/または少なくとも1つのプレス部品パラメータを特定する装置16から供給される(および場合によっては制御装置13に伝送される)データに依存して、制御装置13は、調整・プレス装置12を制御し、特にプレス位置および/またはプレス力についてこれを制御する。
【0039】
制御装置13は、調整・プレス装置12の組み込み構成部分であってよいか、または別体の構成部分として構成可能である(また調整・プレス装置12と無線または有線で通信可能である)。少なくとも1つのプレス部品パラメータを特定する装置16も、調整・プレス装置の組み込み構成部分であってよいか、または別体の構成部分として構成されていてよい。
【0040】
図2には、調整され、焼結された個別のプレス部品の製造の概略的なフローが示されている。ステップ1では、まず粉末(出発材料)からプレス部品をプレスする。次に、ステップ2ではこのプレス部品を焼結する。その後、ステップ3では、少なくとも1つの製造パラメータ(これは場合によってステップ1および/または2の間に測定されている)を記録(検出)し、かつ/または少なくとも1つのプレス部品パラメータを特定(検出)し、特に測定する。次にこれに続き、ステップ4において、製造パラメータおよび/またはプレス部品パラメータを考慮して、実際の調整を行う(すなわち、焼結されたプレス部品を最終製品に、すなわち調整され、焼結されたプレス部品にプレスする)。
【0041】
この点において、それぞれの関連からわかるのは、「プレス部品」とは、(粉末)プレス装置におけるプレスによって生じる部品(製品)のことと理解され、「焼結されたプレス部品」とは、プレスされかつ焼結された部品(製品)のことであり、「調整され、焼結されたプレス部品」とは、調整の方法ステップを経て、(場合によってわずかな後処理ステップによって)使用の準備が整った部品(最終製品)のことである。
【0042】
ここでは指摘したいのは、上で説明したすべての部分は、それ自体で、また任意の組み合わせで、特に図面に示した詳細は、本発明によって重要なものとして特許請求できることである。これについての変更は、当業者にはよく知られている。
【符号の説明】
【0043】
1 方法ステップ「プレス」
2 方法ステップ「焼結」
3 方法ステップ「パラメータの特定」
4 方法ステップ「調整」
10 (粉末)プレス装置
11 焼結装置
12 調整・プレス装置
13 制御装置
14 少なくとも1つの製造パラメータを特定する装置
15 少なくとも1つの製造パラメータを記録する装置
16 少なくとも1つのプレス部品パラメータを特定する装置
図1
図2